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石川高専の偏差値と進路|学科・生徒数・大学編入の実績

【大学編入】石川高専とは!?高専の特色、大学編入の状況の記事アイキャッチ画像。大学編入対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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石川工業高等専門学校(石川高専)から大学編入を目指すことは、けっして特別な進路ではありません。石川高専が公表している「卒業者の進路状況」(令和8年3月31日現在)によれば、令和7年度の卒業者188名のうち71名が進学し、同校の「過去の進学状況」と突き合わせると、そのうち42名が大学へ編入し、29名が校内の専攻科へ進んでいます。就職者113名と並んで、進学は卒業生の約4割が選ぶ現実的な選択肢になっています。

石川工業高等専門学校とは、石川県河北郡津幡町にある国立の高等専門学校で、機械工学科・電気工学科・電子情報工学科・環境都市工学科・建築学科の5学科を置く5年制の高等教育機関です。中学校卒業後の5年間で一般教育と専門教育を並行して学び、卒業時には準学士(工学)の称号が与えられます。この称号が、大学3年次への編入学試験を受けるための資格の土台になります。さらに校内には専攻科(電子機械工学専攻・環境建設工学専攻)が置かれ、修了すれば学士(工学)を取得して大学院を目指す道も開かれています。

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この記事では、石川高専の所在地・沿革・在籍者数といった基本情報から、本科5学科の内容、令和7年度に新設された情報融合コース、偏差値と学費、そして本題である大学編入の実績と対策までを、石川高専および各大学が公表している一次情報にもとづいて整理します。とくに編入実績については、令和6年度から令和8年度までの3年分と累計データを大学名まで表にまとめ、最多の編入先である金沢大学理工学域の令和9年度入試の要点まで踏み込みました。

なお、募集人員・試験日程・出願資格・経費といった情報は年度によって変わります。本記事は2026年9月時点で公表されている内容にもとづいていますので、実際に出願を検討する段階では、石川高専および志望大学が発表する最新の募集要項を必ずご確認ください。偏差値のように民間の推計値を引用している箇所については、公式発表ではない旨をそのつど明記しています。

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目次

石川工業高等専門学校(石川高専)とは|所在地・沿革・学校規模

石川県河北郡津幡町にある国立高専

石川高専の所在地は〒929-0392 石川県河北郡津幡町北中条、代表的な問い合わせ先は学生課入学試験係の076-288-8024です。設置者は独立行政法人国立高等専門学校機構で、全国に展開する国立高専のひとつに位置づけられます。金沢市の中心部から見て北東側にあたる津幡町にキャンパスがあり、金沢市・かほく市・河北郡といった近隣地域から通学する学生が中心です。

高等専門学校は、中学校卒業後の5年間を一貫して技術者教育に充てる高等教育機関です。大学の1・2年生にあたる時期にすでに専門科目と実験実習に取り組んでいるため、大学3年次に編入しても専門の基礎で遅れをとりにくいという点が高専生の大きな強みになります。石川高専の場合、この強みが金沢大学をはじめとする北陸の国立大学への編入実績として積み上がってきました。

1965年開校から60年の歩み

石川高専は1965年(昭和40年)4月24日に開校しました。開校時の学科は機械工学科・電気工学科・土木工学科の3学科で、現在の5学科体制は増設と改組を重ねて形づくられたものです。1970年に建築学科、1987年に電子情報工学科が設置され、1994年には土木工学科が環境都市工学科へ改組されました。そして平成12年度(2000年度)に専攻科が設置され、本科5年+専攻科2年の7年間で学べる体制が整いました。

年できごと
1965年(昭和40年)4月24日に開校。機械工学科・電気工学科・土木工学科の3学科でスタート
1970年(昭和45年)建築学科を設置
昭和59年度編入学生の受入れを開始(高校から石川高専4年次への編入)
1987年(昭和62年)電子情報工学科を設置
1994年(平成6年)土木工学科を環境都市工学科に改組
平成8年度推薦入学の受入れを開始
平成12年度(2000年度)専攻科を設置(電子機械工学専攻・環境建設工学専攻)
令和7年度(2025年度)機械・電気・環境都市・建築の4学科に情報融合コースを新設

沿革のなかで編入学に関わる出来事としては、昭和59年度からの編入学生受入開始(高校から石川高専4年次への編入)や、平成8年度からの推薦入学受入開始などが挙げられます。学校自体が60年にわたって地域の産業界へ技術者を送り出してきた蓄積が、進学先大学からの評価にもつながっています。地域との関係も深く、津幡町・内灘町・金沢市・加賀市などとの連携協定、中国や台湾、ベトナムの高等教育機関との学術交流協定が積み重ねられてきました。国際交流の機会が身近にあることは、英語外部試験のスコアづくりが避けられない編入志望者にとって環境面の利点になります。

在籍者数は1,124名|令和8年4月1日現在

石川高専の規模を数字で確認しておきます。令和8年4月1日現在の在学者数は、本科が1,070名、専攻科が54名で、総合計1,124名です。本科の入学定員は1学年200名(各学科40名)、収容定員は1,000名ですので、実際の在籍者は収容定員を上回っています。専攻科の入学定員は20名、収容定員は40名です。

区分入学定員在籍者数(令和8年4月1日現在)
機械工学科40名217名(うち女子29名)
電気工学科40名215名(うち女子46名)
電子情報工学科40名218名(うち女子41名)
環境都市工学科40名209名(うち女子83名)
建築学科40名211名(うち女子125名)
本科 計200名1,070名(うち女子324名)
電子機械工学専攻12名36名
環境建設工学専攻8名18名
専攻科 計20名54名

男女の内訳は男子783名・女子341名で、本科では女子学生が324名と全体の約3割を占めます。学科ごとの差は大きく、建築学科は211名中125名が女子、環境都市工学科も209名中83名が女子です。外国人留学生は本科・専攻科合わせて9名が在籍しています。出身地別に見ると、本科1,070名のうち954名が石川県出身で、次いで富山県が95名、その他の府県が12名という構成です。地元志向の強い学校であることが在籍データからも読み取れます。

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石川高専の本科5学科|学べる内容と令和7年度新設の情報融合コース

本科5学科の学びの内容

石川高専の本科には、機械工学科・電気工学科・電子情報工学科・環境都市工学科・建築学科の5学科が置かれています。学科ごとの学びの内容は、そのまま大学編入で選べる学類・課程の選択肢に直結します。たとえば環境都市工学科・建築学科の学生は、金沢大学であれば地球社会基盤学類、技術科学大学であれば環境社会基盤系や建築・都市システム系が主な受け皿になります。学科選びの段階で編入先の分野もおおよそ決まるという構造は、早い段階で意識しておきたいポイントです。

学科学びの内容主な編入先の分野
機械工学科機械の動作原理や材料・構造・強さ・しくみを座学・実験・実習を通して理解し、設計・製作・評価まで自ら行える技術者を育てる機械工学系(材料力学・熱力学・流体力学・機械力学)
電気工学科電気・電子工学をはじめ、エネルギー、通信、半導体デバイス、情報など広い分野の専門知識と技術を身につける電気電子系(電気回路・電磁気学)
電子情報工学科電子工学・情報工学・通信工学の知識を融合し、システム思考のできる未来志向の技術者を育てる情報通信系(計算機基礎・情報基礎・プログラミング)
環境都市工学科道路や橋、港湾などの公共施設の建設技術を身につけ、自然環境との調和も考えられる広い視野を持つ技術者を育てる土木・環境系(構造力学・水理学・土質力学)
建築学科計画・構造・環境のコンピュータ処理技術のほか、幅広い知識と豊かな創造力をもつ建築技術者を養成する建築系(建築計画・建築構造・建築環境工学)

令和7年度に新設された「情報融合コース」

近年の石川高専で最も大きな変化が、令和7年度から始まった情報融合コースです。これは電子情報工学科以外の4学科、すなわち機械工学科・電気工学科・環境都市工学科・建築学科に、それぞれ定員10名の情報融合コースを設置するというものです。文部科学省の「大学・高専機能強化支援事業(高度情報専門人材の確保に向けた機能強化に係る支援)」に採択された取り組みで、石川高専が輩出する高度情報人材を毎年80名へ倍増させる計画が示されています。

電子情報工学科は定員40名のまま、より高度な「情報エキスパート人材」の養成を担う位置づけです。つまり、情報を専門とする学科と、機械・電気・土木・建築それぞれの専門に情報技術を掛け合わせるコースが並立する形になりました。大学編入という観点では、この改組は追い風になり得ます。近年の大学側は情報系の編入枠を厚くする傾向にあり、機械や建築の専門にプログラミングやデータ活用を重ねた学生は、志望理由書や口述試験で語れる材料を持ちやすくなるからです。

専攻科は2専攻・入学定員20名

本科の上には専攻科が置かれています。電子機械工学専攻は機械工学科・電気工学科・電子情報工学科を、環境建設工学専攻は環境都市工学科・建築学科を基盤としており、令和9年度の募集人員は電子機械工学専攻12名・環境建設工学専攻8名です。修業年限は2年、修了要件は62単位以上の修得と創造工学プログラムの修了で、修了時には大学改革支援・学位授与機構の審査を経て学士(工学)が授与されます。専攻科の詳細と大学編入との使い分けは、後半の章で改めて扱います。

専攻科の教育課程は、一般科目10単位、専門共通科目、専攻ごとの専門展開科目で構成されます。専門共通科目には7単位のインターンシップや線形代数、技術者倫理、数理・データサイエンス・AIといった科目が必修として置かれ、専門展開科目では特別研究Ⅰ・Ⅱが計14単位を占めます。研究に充てる比重が高いのが特徴で、1年次に30単位以上を修得できないと2年次配当の創造工学演習Ⅱを履修できないという規定もあります。大学3年次に編入した場合の2年間と比べて、どちらが自分の学びたい形に近いかを考える材料になります。

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石川高専の教育の特色と高専コンテストの実績

「くさび型」の一貫教育と実験・実習重視

石川高専が掲げる教育理念は、「豊かな教養と誠実な人間性を育む教育」「創造的な能力と意欲を育む教育」「高度な科学技術に対応できる実践力を育む教育」「地域社会への関心と国際的な視野を育む教育」の4つです。この理念を支える仕組みとして、同校は一般教育と専門教育を有機的に組み合わせた「くさび型」の一貫教育を採用しています。1年生の段階から専門科目に触れ、学年が上がるにつれて専門の比重が高まっていく構成です。

もうひとつの柱が実験・実習の重視で、専門科目の時間数の6分の1を実験・実習・製図などに充てています。12万平方メートルを超えるキャンパスの施設・設備を使い、少人数、ときにはマンツーマンに近い形で指導が行われます。大学編入の口述試験で強みになるのは、この実験・実習の経験です。卒業研究や実験レポートで「何をどう考え、どう検証したか」を自分の言葉で語れる学生は、面接官の追加質問にも耐えられます。

ロボコン・プロコン・デザコンの実績

高専の特色といえば各種の全国コンテストです。石川高専の主な入賞歴を整理すると、分野の幅広さが見えてきます。とくにデザインコンペティションでは令和5年度に創造デザイン部門で最優秀賞(文部科学大臣賞)を獲得しており、建築・環境都市系の学生の活躍が目立ちます。

コンテスト主な実績
高専ロボコン平成29年度 全国大会準優勝(地区大会優勝)/令和3年度 地区大会特別賞・全国大会アイデア倒れ賞/令和4年度 地区大会準優勝・全国大会決勝トーナメント進出/令和5年度 地区大会特別賞
高専プロコン平成22年度 競技部門優勝/令和2年度 自由部門特別賞・パテント審査奨励賞/令和5年度 課題部門・自由部門敢闘賞/令和6年度 自由部門特別賞
デザコン令和4年度 空間デザイン最優秀賞・優秀賞/令和5年度 創造デザイン最優秀賞(文部科学大臣賞)/令和6年度 創造デザイン優秀賞
英語プレゼンテーションコンテスト令和3年度 チーム部門3位/令和4年度 チーム部門2位/令和5年度 シングル部門3位/令和6年度 チーム部門3位

課外活動は編入試験でどう評価されるか

コンテストの入賞歴は、それ自体が編入試験の加点項目として明示されているわけではありません。ただし、金沢大学の特別選抜(推薦)のように出願書類と口述試験の総合判定で合否が決まる方式では、志望理由書や面接で語る具体的なエピソードとして大きな意味を持ちます。ロボコンでチームの制御を担当した経験、プロコンでアルゴリズムを詰めた経験、デザコンで課題設定から提案までを組み立てた経験は、いずれも「何に関心があり、どう手を動かしてきたか」を裏づける材料になります。

一方で、注意しておきたいのは時間配分です。4年次から5年次前半はコンテストと編入対策が重なりやすい時期にあたります。英語外部試験のスコアづくりや専門科目の復習を後回しにしないよう、3年次のうちから計画を立てておくことが現実的な対処になります。

石川高専のクラス編成は学科単位で、5年間同じ級友と過ごす形になります。同じ学科の先輩がどの大学へ編入し、どの時期に何をしていたかという情報が身近に流れてくるのは、高専ならではの利点です。学生寮(有朋寮)で生活する学生も多く、学年をまたいだ縦のつながりが情報源になる場面は少なくありません。過去問の入手先や口述試験で聞かれた内容など、公開資料には載らない情報は、こうしたつながりから得られることがあります。

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石川高専の偏差値・入試難易度と学費|令和8年度の実データ

偏差値は民間推計で66前後

石川高専の偏差値は、民間の受験情報サイトの2026年度版で全学科66と示されています。ただしこの数値は模試の結果をもとにした民間の推計値であり、石川高専の公式発表ではありません。合否は当日の学力検査と調査書で決まるため、偏差値はあくまで難易度の目安として扱ってください。県内の高校と単純に順位で比較する情報も見かけますが、集計対象校の取り方によって順位は変わります。

令和8年度入試の志願倍率

より確かな難易度の指標は、石川高専自身が公表している志願者数と入学者数です。令和8年度の入試では、本科全体で志願者288名に対して入学者208名、志願倍率は1.4倍でした。学科別の志願者数は機械工学科58名、電気工学科53名、電子情報工学科66名、環境都市工学科55名、建築学科56名です。

入学年度本科の志願者数入学者数志願倍率
令和6年度328名212名1.6倍
令和7年度282名211名1.4倍
令和8年度288名208名1.4倍

本科の学力検査による選抜は、理科・英語・数学・国語の4教科をマークシート方式で行い、各教科100点満点の合計400点で判定します。推薦による選抜は適性検査(数学)と面接に、推薦書・調査書を加えた総合判定で、出願資格には最終学年の学業成績が全体の上位20%以内であることが含まれます。入学検定料は16,500円です。

入学当初に必要な経費

令和8年度の学生募集要項では、入学当初に必要な経費の目安が示されています。入学料は84,600円、授業料は前期分117,300円で、高等学校等就学支援金制度等により無償となる旨が記載されています(所定の手続きが必要です)。このほか教育後援会費30,000円、学生会費9,000円、教科書・教材費等が約40,000円、生活協同組合出資金10,000円(卒業時に全額返還)、そして本校指定のノート型パソコンが約200,000円という内訳です。学生寮を利用する場合は、寄宿料が月額800円(1人部屋)または700円(複数人部屋)、寮費が月額8,900円、食費が月額約45,000円程度とされています。制度の適用範囲は学年や年度によって変わりますので、最新の募集要項でご確認ください。

この経費の話は、大学編入を考えるうえでも意味があります。石川高専で5年間を過ごしたあと大学3年次へ編入すれば、大学の入学料と2年分の授業料が別途必要になります。一方で専攻科に進めば高専の学生として2年を過ごすことになり、費用の構造が変わります。進路の比較は学費まで含めて行うのが実際的で、金沢大学の募集要項にも入学料・授業料や修学支援新制度、奨学金に関する項目が設けられています。家計の状況によって選べる選択肢は変わりますので、保護者と早い段階で共有しておくことをおすすめします。

高校から石川高専4年次へ編入する道

石川高専には、高校からの4年次編入学という入口もあります。ただし募集人員は各学科若干名で、令和4年度から令和8年度までの入学者は順に0名・1名・0名・1名・2名と、実際にはごく少数です。さらに令和10年度の4年次編入学者選抜試験から出願資格が変更され、実用英語技能検定準2級(1次試験)以上の合格、TOEIC L&R 350点以上、TOEIC Bridge L&R 65点以上のいずれかが必要になります。あわせて学力検査の「英語」が廃止されます。

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石川高専卒業後の進路|大学編入・専攻科進学・就職の実数

卒業者の約4割が進学、約6割が就職

石川高専が公表している「卒業者の進路状況」(令和8年3月31日現在)を見ると、卒業後の進路の全体像がつかめます。直近3年度分の実数は次のとおりです。

卒業年度卒業者数就職者数進学者数その他
令和5年度205名117名82名6名
令和6年度201名114名84名3名
令和7年度188名113名71名4名

3年を通して、就職が5割台後半、進学が4割前後という構成が続いています。学科によって進学率には大きな差があり、令和7年度卒業生の学科別内訳は次のとおりです。

学科(令和7年度卒業)卒業者数就職者数進学者数進学の割合
機械工学科37名22名14名約38%
電気工学科35名16名19名約54%
電子情報工学科39名21名18名約46%
環境都市工学科37名32名5名約14%
建築学科40名22名15名約38%

電気工学科は卒業者の半数以上が進学するのに対し、環境都市工学科は37名中5名にとどまります。土木・環境系は公務員や大手建設会社への就職需要が強く、電気・情報系は大学院までを視野に入れた進学志向が高いという傾向が、そのまま数字にあらわれています。自分の学科の相場を知っておくと、進路指導の場で相談すべき相手も見つけやすくなります。

就職の状況|就職率100%・求人倍率20倍以上

進学を検討するときに比較対象となるのが就職です。石川高専は就職率が毎年安定して100%、求人倍率は20倍以上と公表しています。各学科に専任の就職担当教員を配置し、企業技術説明会も実施されています。つまり石川高専生にとって、大学編入は「就職できないから進学する」という選択ではなく、恵まれた就職環境をあえて見送ってでも研究や高度な専門性を追いたいという積極的な選択にあたります。

石川高専が公表している主な就職先には、機械工学科であれば川崎重工業・本田技研工業・マツダ・三菱重工業、電気工学科であれば北陸電力・東京電力・関西電力・パナソニック、電子情報工学科であればNTTグループ各社・デンソー・ソニーグループ、環境都市工学科であれば官公庁や大手建設・エンジニアリング企業、建築学科であれば大成建設・鹿島建設・清水建設といった名前が並びます。5年で卒業して大手企業に就職できる環境があるからこそ、編入を選ぶ理由を言語化しておく必要があります。

この点は志望理由書でも問われます。「なぜ就職ではなく編入なのか」に自分の言葉で答えられるかどうかは、口述試験で差がつくところです。大学編入という制度そのものの仕組みや、短期大学・専門学校からの編入との違いを整理しておきたい方は、大学編入とは?仕組み・難易度・費用・スケジュールを徹底解説【完全ガイド】もあわせてご覧ください。

進学の中身は「大学編入」と「専攻科進学」に二分される

石川高専の進学者数には、大学への編入学と校内の専攻科進学の両方が含まれています。「過去の進学状況」の数値と突き合わせると、内訳は次のように分解できます。年度表記は石川高専の公表資料に準拠しており、進学者数が「卒業者の進路状況」の各卒業年度と一致することから、令和8年度=令和7年度卒業生の進学先にあたります。

年度(公表資料の表記)進学者 合計石川高専専攻科大学編入学
令和6年度82名28名54名
令和7年度84名24名60名
令和8年度71名29名42名

3年間の合計では、進学者237名のうち81名が専攻科、156名が大学編入という比率です。進学者のおよそ3人に2人が校外の大学へ出ていることになります。

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石川工業高等専門学校の大学編入実績|令和8年度までの編入学先一覧

直近3年度の編入学先と人数

石川高専が公表している「過去の進学状況」から、直近3年度の進学先を大学名まで整理しました。石川高専専攻科を除いた大学編入学の実数です。

進学先令和6年度令和7年度令和8年度
金沢大学9名13名9名
長岡技術科学大学7名14名5名
豊橋技術科学大学9名8名3名
富山大学2名4名—
福井大学1名1名3名
北海道大学2名—2名
東北大学—2名—
千葉大学2名1名2名
筑波大学1名——
東京科学大学1名1名1名
東京農工大学1名——
電気通信大学1名——
お茶の水女子大学1名——
横浜国立大学3名1名—
信州大学3名1名—
京都工芸繊維大学3名2名—
大阪大学1名1名1名
神戸大学——1名
奈良女子大学——2名
九州大学—1名—
東京都立大学1名——
立命館大学2名1名3名
その他4名9名10名
大学編入学 合計54名60名42名

年度ごとの顔ぶれには揺れがありますが、金沢大学・長岡技術科学大学・豊橋技術科学大学の3校で毎年の半数近くを占めるという構造は共通しています。この3校を軸に、北陸の国立大学(富山大学・福井大学)と旧帝国大学クラスが加わる形が、石川高専からの編入マップの基本形です。

学科によって編入先の傾向は変わる

同じ資料には学科別の内訳も掲載されています。令和8年度を例にとると、金沢大学へ進んだ9名の内訳は機械工学科5名・電気工学科2名・電子情報工学科1名・建築学科1名で、長岡技術科学大学の5名は電気工学科4名・電子情報工学科1名、豊橋技術科学大学の3名は機械工学科2名・電気工学科1名でした。学科ごとに進路の相場が異なることが読み取れます。

専攻科への進学にも同じ傾向があります。令和8年度の専攻科進学者29名の内訳は、電子情報工学科11名、電気工学科7名、機械工学科5名、環境都市工学科3名、建築学科3名でした。電子情報工学科は学科の進学者18名のうち11名が専攻科を選んでおり、校内で研究を継続する道を選ぶ学生が相対的に多いことがわかります。志望校を検討するときは、全体の実績だけでなく、自分の学科の先輩がどこへ進んだかという単位で担任や進路指導の担当教員に確認しておくと精度が上がります。

累計で見る石川高専の編入実績

単年度の数字は偶然に左右されるため、累計も確認しておきます。石川高専の公表資料には平成17年度から令和5年度までの累計が掲載されており、進学者は全学科合計で1,540名、うち専攻科536名を除いた1,004名が大学編入です。約19年で1,000名を超える編入実績が積み上がっています。

進学先累計(平成17年度〜令和5年度)
金沢大学207名
豊橋技術科学大学167名
長岡技術科学大学86名
富山大学47名
福井大学46名
千葉大学38名
筑波大学33名
立命館大学31名
新潟大学29名
電気通信大学28名
信州大学22名
東京農工大学16名
三重大学/大阪大学各15名
北海道大学13名
東北大学10名
名古屋工業大学/東京都立大学各9名
東京科学大学8名
東京大学/京都大学/名古屋大学/広島大学/九州大学/京都府立大学各3名

難関大学への編入と大学名の変更に関する注意

累計データを見ると、東京大学3名、京都大学3名、大阪大学15名、北海道大学13名、東北大学10名、名古屋大学3名、九州大学3名と、旧帝国大学への編入実績も継続的に存在します。単年度で見れば0名から2名程度ですが、「石川高専からは難関大学に届かない」という前提が事実に反することは、この累計が示しています。

ここで一点、大学名について補足しておきます。かつて高専からの編入先として知られていた東京工業大学は、2024年10月1日に東京医科歯科大学と統合し、東京科学大学へと名称が変わりました。石川高専の公表資料でも現在は「東京科学大学」の名称で集計されています。古い進路実績や過去問集を参照する際は、この点を踏まえて読み替えてください。

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最多の編入先・金沢大学理工学域|令和9年度編入学試験の要点

令和9年度の募集人員は理工学域全体で40名

石川高専からの編入先として累計207名と最も多いのが金沢大学です。令和9年度(2027年度)の理工学域編入学(3年次)は、7学類で合計40名の募集人員が設定されています。学類ごとの内訳と選抜方式は次のとおりです。

学類募集人員選抜方式
数物科学類5名一般選抜
物質化学類4名一般選抜/特別選抜(推薦)
機械工学類10名特別選抜(推薦)
フロンティア工学類5名特別選抜(推薦)
電子情報通信学類7名一般選抜/特別選抜(高専推薦枠)
地球社会基盤学類7名地球惑星科学コースは一般選抜、土木防災・環境都市コースは特別選抜(推薦)
生命理工学類2名一般選抜

注目すべきは、機械工学類とフロンティア工学類が特別選抜(推薦)のみである点です。石川高専の機械工学科から金沢大学の機械工学類を狙う場合、学校長の推薦を得られる成績を確保することが出願の前提になります。学力試験で逆転する余地がない以上、日々の定期試験の積み重ねがそのまま出願資格に直結します。

試験日程と英語外部試験の扱い

令和9年度の試験日は令和8年6月13日(土)9時30分開始で、試験場は金沢大学自然科学本館(金沢市角間町)です。出願期間は令和8年5月25日から5月29日必着で、Web出願限定、事前登録は5月18日午前9時から可能とされています。学力検査の出題範囲は4年制大学の2年次修了程度と定められています。

英語については、対象となる学類・コースの志願者は試験当日にTOEIC・TOEFL・IELTSのいずれかのスコアを持参して提示する必要があります。提示がない場合は失格となる旨が募集要項に明記されていますので、スコアの取得時期と原本の管理は最優先事項です。配点は下表のとおりで、英語の比重は学類によって変わります。

学類・コース英語専門科目
数物科学類—300点(口述試験で評価)
物質化学類100点400点(口述試験で評価)
電子情報通信学類100点300点(口述試験で評価)
地球社会基盤学類(地球惑星科学コース)100点200点(口述試験で評価)
生命理工学類100点100点(口述試験で評価)

出願資格と編入後の在学年限

金沢大学理工学域の一般選抜は、高等専門学校を卒業した者および令和9年3月までに卒業見込みの者のほか、短期大学卒業者、他大学に2年以上在学して62単位以上を修得した者、大学改革支援・学位授与機構から学士の学位を授与された者などにも門戸が開かれています。石川高専の本科5年を修了すれば、この資格を満たします。特別選抜(推薦)はこれに加えて、理工系学部・学科の出身者であり、出身学校長または部局長が人物・学業成績ともに優れていると認め、合格した場合に必ず編入学することを確約できる者に限られます。

編入学の時期は令和9年4月で、3年次に入学します。編入後は2年以上在学し、学域所定の単位を修得する必要がありますが、高専で修得した単位が認定される場合があります。認定の範囲は編入した学類の定めによりますので、標準の2年で卒業できるかどうかは学類ごとに確認しておきたいところです。出願はWeb出願限定で、紙媒体の募集要項は配布されない点にも注意してください。

電子情報通信学類だけの「高専推薦枠」

金沢大学理工学域の選抜のなかで、石川高専生がとくに注目したいのが電子情報通信学類の特別選抜(高専推薦枠)です。この方式は高専卒業見込みの者のみを対象としており、出願要件として3年次から4年次までの全ての年次で学年成績順位が上位25%以内であることが求められます。そのかわり口述試験では専門科目に関する知識や思考力は問われず、専門科目試験が免除されます。

この枠は、専門科目の筆記対策に割ける時間が限られる高専生にとって現実的な選択肢です。ただし要件が「3年次と4年次の両方」である点は見落とされがちです。3年次の成績が確定した時点で、使える枠と使えない枠が分かれることになります。逆にいえば、進路の選択肢を広く保つために3年次の定期試験から手を抜かないことが、そのまま編入戦略になります。

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豊橋・長岡の技術科学大学と難関大学への編入

高専生のためにつくられた2つの技術科学大学

石川高専からの編入先として金沢大学に次いで多いのが、豊橋技術科学大学(累計167名)と長岡技術科学大学(累計86名)です。この2校は高専卒業生の受け入れを主な目的として設置された大学で、第3年次の募集人員が桁違いに大きい点が他大学との決定的な違いです。

大学令和9年度の第3年次募集人員推薦学力
豊橋技術科学大学 工学部360名179名181名
長岡技術科学大学 工学部工学課程340名168名172名

豊橋技術科学大学は機械工学課程95名、電気・電子情報工学課程80名、情報・知能工学課程80名、応用化学・生命工学課程55名、建築・都市システム学課程50名という配分です。長岡技術科学大学は機械工学分野83名、電気電子情報工学分野94名、情報・経営システム工学分野45名、物質生物工学分野71名、環境社会基盤工学分野47名となっています。石川高専の5学科すべてに対応する分野が用意されているため、学科を問わず候補に入れやすい大学です。

推薦入試の性格の違いに注意する

両校とも推薦と学力の2本立てですが、選抜の中身は異なります。長岡技術科学大学の推薦入試(日本の高等専門学校を卒業見込みの者)は選抜が書類審査のみで、調査書・推薦書・志望調書を総合的に評価する130点の配点です。令和9年度の合格発表は令和8年6月11日と早く、ここで決まれば夏以降の負担は大きく軽くなります。

豊橋技術科学大学は令和9年度の出願登録が4月13日から5月7日、願書受付が4月20日から5月8日と、こちらも早い時期に動きます。推薦入試は出身学校長が責任をもって推薦できることが条件で、合格した場合は入学の確約が求められ、辞退はできません。併願設計の順番を誤ると志望校を受験できなくなるため、出願前に日程と確約条件を一覧化しておくことが欠かせません。

長岡技術科学大学の特待生制度とコース制度

長岡技術科学大学には、推薦入試の合格者を対象とした「VOS特待生制度」が設けられています。募集人員は20名(うちスーパーVOS特待生は10名を上限)で、応募資格は第3学年推薦入試の合格者であること、高専の3年次または4年次の学科内席次が上位5%以内であって出身高等専門学校長が推薦したこと、そして大学院修士課程または5年一貫制博士課程へ進学する意欲があると認められることの3点です。特典は学部入学料の全額免除と入学後2年間の授業料半額免除で、スーパーVOS特待生はさらに大学院修士課程の入学料全額免除と授業料半額免除が加わります。

あわせて、学部第3学年編入学者30名程度を対象とする「技術革新フロンティアコース」も用意されています。主専攻に加えて他分野の科目を組み合わせて履修する教育プログラムで、修了生は大学院進学時の入学料が全額免除され、編入学直後から研究室に早期配属されます。ここでも席次が効いてくるという構造は変わりません。学内成績は出願資格であると同時に学費にも直結すると考えておくとよいでしょう。

難関大学を狙う場合の考え方

石川高専からは旧帝国大学への編入実績もありますが、募集人員は各大学・各学部で数名程度にとどまるのが一般的です。編入試験の専門科目は大学2年次修了程度が出題範囲となるため、高専で学んだ専門の理解を、大学の教科書レベルまで自力で引き上げる作業が必要になります。数学と英語という共通基盤に早く着手した学生ほど有利という構造は、どの大学を狙う場合でも変わりません。

現実的な戦略は、技術科学大学や金沢大学のように募集人員が確保されている大学を土台として押さえたうえで、難関大学に挑戦する二段構えです。日程が重ならない範囲で複数校を受験できるのが編入試験の利点でもあります。

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石川高専生の大学編入対策|学年別スケジュールと専攻科という選択肢

対策の3本柱|成績(席次)・英語外部試験・専門科目

ここまで見てきた各大学の選抜方式を踏まえると、石川高専生の編入対策は3つに整理できます。第1に学内成績、すなわち席次です。金沢大学の機械工学類やフロンティア工学類のように推薦のみで募集する学類があり、電子情報通信学類の高専推薦枠は3年次と4年次の席次が上位25%以内という明確な数値要件を置いています。技術科学大学の推薦も学校長推薦が前提です。

第2に英語外部試験です。金沢大学は試験当日のスコア提示を必須とし、提示がなければ失格と定めています。石川高専の専攻科入試でも、推薦・学力検査のいずれもTOEICスコアが評価に組み込まれています。TOEICは受験機会が限られ、スコアの有効期間もあるため、逆算して受験計画を立てる必要があります。第3が専門科目と口述試験の対策で、これは志望校の出題範囲に合わせて絞り込む作業になります。

口述試験と志望理由書の準備

石川高専生が受ける主要な編入試験は、筆記よりも口述試験の比重が高い設計になっています。金沢大学理工学域は一般選抜・特別選抜のいずれも専門科目を口述試験で評価し、機械工学類やフロンティア工学類は出願書類と口述試験の総合判定で合否が決まります。長岡技術科学大学の推薦入試にいたっては、選抜そのものが書類審査のみです。つまり書類と受け答えの質が、そのまま得点になります。

準備の軸は3つあります。第1に、卒業研究や実験・実習で自分が実際に手を動かした内容を、目的・方法・結果・考察の順で説明できるようにしておくことです。金沢大学の機械工学類であれば材料力学・熱力学・流れ学・機械力学、電子情報通信学類であれば電気回路・電磁気学・計算機基礎・情報基礎が基礎科目として挙げられていますので、これらの用語で自分の経験を語れる状態にします。

第2に、志望理由の具体性です。「なぜその大学・その学類でなければならないのか」という問いに、研究室名や履修できるプログラムの内容まで踏み込んで答えられるかどうかが分かれ目になります。金沢大学の学類はコース制やプログラム制を採用しているため、募集要項の入学者受入方針を読み込んでおくと接続点が見つかります。第3に、専門科目の口述試験で答えに詰まったときの立て直し方です。分からない点を正直に述べたうえで、どこまで分かっているかを示す練習をしておくと、試験当日の失点を最小限に抑えられます。

学年別のスケジュール目安

時期やること
3年次席次を確保する。推薦枠の要件は3年次から数えるため、この学年の成績が選択肢の幅を決める。TOEICの学習を開始し、まず一度受験して現在地を測る
4年次前半志望大学・学類を3〜5校に絞り、募集要項で選抜方式・配点・英語外部試験の要否を一覧化する。専門科目の出題範囲を確認する
4年次後半数学(微分積分・線形代数)と専門基礎科目を大学2年次修了程度まで引き上げる。TOEICのスコアを目標水準へ
5年次4〜5月出願書類の作成。志望理由書、推薦書の依頼、成績証明書の手配。技術科学大学は4月中に出願登録が始まる
5年次6〜7月試験本番。金沢大学は6月13日、長岡技術科学大学の推薦合格発表は6月11日(いずれも令和9年度入試)。口述試験の想定問答を仕上げる

編入対策をいつから始めるべきかという論点は、高専生に限らず多くの受験生が迷うところです。一般的な開始時期の考え方は大学編入の勉強はいつから始めるべき?で詳しく整理していますので、志望校の試験日から逆算する際の参考にしてください。

専攻科進学と大学編入の使い分け

石川高専の進学者のうち、毎年24名から29名が校内の専攻科へ進みます。専攻科は修業年限2年、修了要件は62単位以上の修得と創造工学プログラムの修了で、修了時に学士(工学)が授与されます。令和9年度の入試日程は、推薦による選抜が令和8年5月20日の面接、学力検査による選抜が6月21日で、配点は数学150点・専門科目300点・英語100点(出願時提出のTOEICスコアで評価)です。検定料は16,500円です。

専攻科の学力検査は、数学が基礎数学・線形代数・解析学Ⅰ・解析学Ⅱ・確率統計、専門科目が電子機械工学専攻は8科目から3科目選択、環境建設工学専攻は6科目から3科目選択という形式です。出題範囲が石川高専のカリキュラムに沿っているため、大学編入と比べて対策の見通しは立てやすいといえます。令和8年度の入試実績は、電子機械工学専攻が志願36名・入学23名、環境建設工学専攻が志願7名・入学7名でした。

さらに、専攻科には金沢大学理工学域電子情報通信学類情報通信コースとの連携教育プログラムが用意されています。金沢大学と石川高専の双方に在籍し、双方の修了要件単位を取得することで、金沢大学から学士(工学)と石川高専から専攻科修了証が授与される仕組みです。専攻科の推薦による選抜の合格発表から金沢大学側の出願期間まで日数が短いため、専攻科受験を検討する段階で指導教員に相談しておくよう募集要項でも注意喚起されています。どちらの道を選ぶかは、研究環境・学費・卒業後の進路希望を並べて比較するのが現実的です。大学編入対策コースでは、こうした進路の比較から志望校選定までを専門講師と一緒に整理できます。

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よくある質問(FAQ)

石川高専からはどのくらいの人が大学に編入していますか?

直近3年度の実績では、令和6年度が54名、令和7年度が60名、令和8年度が42名です(年度表記は石川高専の公表資料に準拠)。3年間の合計で156名が大学へ編入しています。これに校内の専攻科進学者を加えた進学者数は、卒業者数の4割前後で推移しています。累計では平成17年度から令和5年度までに1,004名が大学へ編入しました。

石川高専から最も多い編入先はどこですか?

金沢大学です。平成17年度から令和5年度までの累計で207名と、単独で最多になっています。次いで豊橋技術科学大学が167名、長岡技術科学大学が86名です。単年度で見ても、この3校が編入学者の半数近くを占める年が多く、以下、富山大学47名、福井大学46名と北陸の国立大学が続きます。

石川高専から旧帝国大学など難関大学に編入できますか?

実績はあります。平成17年度から令和5年度までの累計で、大阪大学15名、北海道大学13名、東北大学10名、東京大学・京都大学・名古屋大学・九州大学が各3名です。単年度では0名から2名程度ですが、直近3年度でも北海道大学・東北大学・大阪大学・九州大学への編入者が出ています。募集人員が少ないため、募集人員が確保されている大学と併願する二段構えが現実的です。

大学編入と石川高専専攻科は、どちらを選ぶべきですか?

目的によって答えが変わります。専攻科は出題範囲が石川高専のカリキュラムに沿っているため対策の見通しが立てやすく、修了時に学士(工学)が取得できます。指導教員や研究テーマを本科から引き継げる点も利点です。一方、大学編入は研究室や設備の選択肢が広がり、進学先の大学院へ内部進学しやすくなります。金沢大学理工学域電子情報通信学類との連携教育プログラムのように、両方の性格を併せ持つ仕組みもあります。なお専攻科修了者の進路を見ると、令和7年度は修了30名のうち就職23名・進学7名で、修了後に大学院へ進む学生も一定数います。

石川高専の大学編入ではTOEICは必要ですか?

志望校によりますが、必要になる場面は多いと考えてください。金沢大学理工学域では、対象学類・コースの志願者は試験当日にTOEIC・TOEFL・IELTSのいずれかのスコアを持参・提示する必要があり、提示がなければ失格と定められています。石川高専の専攻科入試でも推薦・学力検査の双方でTOEICスコアが評価に使われます。なお長岡技術科学大学のように筆記の英語で評価する大学もありますので、最新の募集要項で確認してください。

石川高専の偏差値はどのくらいですか?

民間の受験情報サイトの2026年度版では、全学科とも66前後と示されています。ただしこれは模試の結果にもとづく民間の推計値で、石川高専の公式発表ではありません。公式データとしては、令和8年度入試で本科の志願者288名に対して入学者208名、志願倍率1.4倍という実数が公表されています。学力検査は理科・英語・数学・国語の4教科各100点、合計400点です。

石川高専の大学編入対策はいつから始めればよいですか?

3年次からの着手をおすすめします。金沢大学電子情報通信学類の高専推薦枠が3年次と4年次の席次上位25%以内を要件としているように、推薦系の出願資格は3年次の成績から数えるものが少なくないためです。TOEICも受験機会が限られるため、3年次のうちに一度受けて現在地を把握しておくと、4年次以降の計画が立てやすくなります。

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まとめ|石川工業高等専門学校からの大学編入で押さえるべきポイント

石川工業高等専門学校からの大学編入について、公表されている一次情報をもとに整理してきました。要点は次のとおりです。

  • 石川高専は石川県河北郡津幡町にある国立高専で、本科5学科・専攻科2専攻。令和8年4月1日現在の在学者は本科1,070名・専攻科54名の計1,124名。
  • 令和7年度から機械・電気・環境都市・建築の4学科に情報融合コース(各10名)が新設され、高度情報人材の輩出を毎年80名へ倍増させる計画が進んでいる。
  • 卒業者の進路は就職が5割台後半、進学が4割前後。令和7年度は卒業188名のうち就職113名・進学71名だった。
  • 進学者の内訳は、直近3年度合計で専攻科81名・大学編入156名。進学者のおよそ3人に2人が大学へ編入している。
  • 編入先の最多は金沢大学(累計207名)で、豊橋技術科学大学167名、長岡技術科学大学86名が続く。旧帝国大学への編入実績も継続的にある。
  • 金沢大学理工学域の令和9年度編入学は募集人員40名、試験日は令和8年6月13日。機械工学類とフロンティア工学類は特別選抜(推薦)のみで、電子情報通信学類には席次上位25%以内を要件とする高専推薦枠がある。
  • 対策の柱は、3年次からの席次確保、英語外部試験のスコア、専門科目と口述試験の3つ。旧・東京工業大学は2024年10月から東京科学大学に名称が変わっている点にも注意したい。

石川高専からの編入は、金沢大学と2つの技術科学大学という受け皿の広い進路が近くにあるという点で恵まれています。一方で、推薦系の選抜が多いことは「3年次の成績が固まった時点で選択肢が決まる」という厳しさの裏返しでもあります。志望校の募集要項を早い段階で読み込み、席次・英語スコア・専門科目のどこに時間を配分するかを決めることが、そのまま合否を分けます。

本記事で扱った数値は2026年9月時点で公表されているものです。募集人員・日程・出願資格は年度ごとに変わりますので、出願にあたっては石川工業高等専門学校の公式サイトおよび志望大学の最新の募集要項を必ずご確認ください。志望校の選び方や出題範囲の詰め方、志望理由書と口述試験の準備を独学で進めることに不安がある場合は、編入試験を専門に扱う指導を活用するのも一つの方法です。スプリング・オンライン家庭教師の大学編入対策コースでは、志望校別の逆算プランを講師と一緒に組み立てるところから対応しています。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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