【2025年度最新版】東京外国語大学 編入 完全ガイド:試験対策・倍率・TOEIC・過去問
大学編入2025.06.03
目次
本記事について
本記事は、東京外国語大学(TUFS)の編入学試験合格を目指す受験生に向けて、最新かつ網羅的な情報を提供することを目的としています。東京外国語大学の公式情報に基づき、試験の概要、対策、難易度、倍率、TOEICなどの語学試験の扱い、過去問の情報、そして2025年度および2026年度入試に関する重要な注意点まで、受験生が知りたい情報を徹底的に解説します。
編入学は、多くの受験生にとって未知の領域であり、情報収集も容易ではありません。特に、東京外国語大学のような高い専門性が求められる大学への編入は、入念な準備が不可欠です。この記事が、あなたの合格への道のりを照らす一助となることを願っています。


目次
- はじめに:なぜ東京外国語大学への編入か?
- TUFSの魅力と編入の意義
- 東京外国語大学 編入の基本情報
- 編入制度の概要
- 出願資格とスケジュール(2025年度版・2026年度の注意点)
- 大学が求める学生像
- 【学部別】編入試験 詳細解説
- 言語文化学部 編入
- 募集人員・コース紹介(地域・超域)
- 出願書類・言語能力要件(TOEIC含む)
- 選抜方法・試験科目
- カリキュラムとキャリアパス
- 国際社会学部 編入
- 募集人員・コース紹介(地域社会研究・現代世界論・国際関係)
- 出願書類・言語能力要件(TOEIC含む)
- 選抜方法・試験科目
- カリキュラムとキャリアパス
- 国際日本学部 編入(10月入学)
- 特有のスケジュールと注意点
- アドミッションポリシーと求める学生像
- 学部の特色
- 募集人員・出願資格
- 出願書類
- 選抜方法
- 言語文化学部 編入
- 東京外国語大学 編入試験のリアル:難易度と倍率
- 最新の倍率データ分析(2025年度)
- 難易度を左右する要因
- 編入試験対策のポイント
- 志望理由書の書き方と重要性
- 言語試験対策(TOEIC等)
- 専門科目・小論文対策
- 面接対策(口頭試問)
- 過去問を用いた学習法
- 東京外国語大学 編入 体験記について
- 体験談の活用法と注意点
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:東京外国語大学編入成功に向けて

1. はじめに:なぜ東京外国語大学への編入か?
TUFSの魅力と編入の意義
東京外国語大学(TUFS)は、言語、文化、国際社会に関する高度な専門教育と研究を推進する、日本を代表する教育機関の一つです。 世界諸地域の言語と、それらが使われる地域の文化・社会について深く学ぶことを通して、国際社会で活躍できる人材の育成を目指しています。
TUFSへの編入は、自身の専門性をより深めたい、あるいは新たな分野へ挑戦したいと考える学生にとって、大きなチャンスを意味します。 特に、外国語運用能力の向上はもちろんのこと、特定の地域や文化、国際関係に対する深い洞察力を養いたいと考えるならば、TUFSの提供する環境は非常に魅力的でしょう。
編入学では、入学後の2年間で専門分野を深く掘り下げ、卒業論文または卒業制作に取り組むことになります。 これは、短期間で集中的に学び、自身の学問的関心を追求したいと考える学生にとって、非常にやりがいのある道と言えるでしょう。
2. 東京外国語大学 編入の基本情報
編入制度の概要
東京外国語大学では、言語文化学部、国際社会学部、国際日本学部の3学部で第3年次編入学の学生を募集しています。 言語文化学部と国際社会学部は4月入学、国際日本学部は10月入学となります。 選抜は、書類選考(第1次選考)と、筆答試験および口頭試問(第2次選考)の2段階で行われるのが基本です。
出願資格とスケジュール(2025年度版・2026年度の注意点)
出願資格
出願資格は学部によって若干異なる部分もありますが、概ね以下のいずれかに該当する者とされています(詳細は必ず最新の募集要項で確認してください)。
- 学士の学位を有する者、または2025年3月31日までに取得見込みの者
- 修業年限4年以上の大学において2年次以上を修了した者、または2025年3月31日までに修了見込みの者
- 短期大学または高等専門学校を卒業した者、または2025年3月31日までに卒業見込みの者
- その他、募集要項に定められた資格を有する者(旧国立養護教諭養成所卒業者、高等学校等の専攻科修了者、専修学校専門課程修了者、外国の大学等での課程修了者など)
注意点として、現に東京外国語大学に在籍している者は出願できません。 また、出願資格(2)、(7)、(8)、(9)で出願する者は、編入学時点で大学等で62単位以上を修得済みである必要があります(言語文化学部・国際社会学部)。 外国の大学等で単位を修得した場合は、所定の換算シートを用いた単位換算が必要です。
スケジュール(2025年度入試:言語文化学部・国際社会学部 4月入学)
- 出願期間: 2024年8月19日(月)~ 8月22日(木)(必着)
- 第1次選考(書類選考)合格発表: 2024年10月4日(金)
- 第2次選考(筆答試験、口頭試問): 2024年10月26日(土)
- 最終合格発表: 2024年11月19日(火)
- 入学手続期間: 2025年1月10日(金)まで
スケジュール(2025年度入試:国際日本学部 10月入学)
国際日本学部の第3年次編入学試験(10月入学)は、上記2学部とは日程が異なります。 2025年度10月入学のための試験は、2025年6月に実施予定です。 詳細な募集要項は、例年12月下旬頃に東京外国語大学の公式ウェブサイトで公開されます。
2026年度入試に関する注意点
東京外国語大学は、2026(令和8)年度から言語文化学部および国際社会学部の選抜方法等を一部変更する予定であると発表しています。 具体的には以下の通りです。
【言語文化学部】
- <変更点>
外部試験の成績を提出することが必要な専攻言語のうち、「スペイン語」、「ロシア語」(ロシア地域/中央アジア地域)を選択した場合は、以前より本学の筆答試験を課さず、提出された外部試験の成績を筆答試験に代えて評価することとしているが、2026年(令和8年)度第3年次編入学試験より、「ドイツ語」、「フランス語」も同様の扱いとする。なお、提出可能な外部検定試験は次ページ【別表】を参照のこと。(第2次選考口頭試問については受験を要する。)
引用元: 言語文化学部第3年次編入学試験における選抜方法等の一部変更について(予告)
【国際社会学部】
- <変更点> 外部試験の成績を提出することが必要な専攻言語のうち、「英語」、「フランス語」「スペイン語」、「ロシア語」を選択した場合は、以前より本学の筆答試験を課さず、提出された外部試験の成績を筆答試験に代えて評価することとしているが、2026年(令和8年)度第3年次編入学試験より、「ドイツ語」も同様の扱いとする。なお、提出可能な外部検定試験は次ページ【別表】を参照のこと。(第2次選考のうち、筆答試験『共通問題』及び口頭試問については受験を要する。)
引用元: 国際社会学部第3年次編入学試験における選抜方法等の一部変更について(予告)
したがって、2026年度の編入学試験の受験を考えている方は、必ず2025年7月頃(通常の公表サイクルに基づく)に発表される最新の募集要項を東京外国語大学の入試情報ウェブサイトで確認してください。
現行の情報はあくまで2025年度入試に関するものであり、2026年度入試では変更点がある可能性を念頭に置き、最新情報の入手に努めることが極めて重要です。
大学が求める学生像
東京外国語大学は、そのアドミッションポリシーにおいて、「高度なコミュニケーション能力、豊かな教養、広い視野を身に付け、さまざまな文化的背景をもつ世界諸地域の人々と協働して地球的課題に取り組むことができる人材を養成する」ことを掲げています。
各学部では、さらに具体的な求める学生像を示しています。
- 言語文化学部: 「世界のさまざまな地域の言語と文化に精通し、国内外において異なる言語間・文化間の架け橋となって活躍する国際教養人を目指す人」を歓迎しています。
- 国際社会学部: 「世界の国や地域の歴史・政治・経済・社会に関心をもち、多様なビジネスの分野はもちろん、国際社会と協働して現代世界が抱える紛争・災害、環境問題、経済格差・貧困等の問題解決に携わることによって、人間社会に貢献する国際職業人を目指す人」を歓迎しています。
これらのアドミッションポリシーからは、単に語学力や知識が優れているだけでなく、主体的に学ぶ態度、異文化理解への強い関心、そしてグローバルな視点から社会に貢献しようとする意欲を持った人材を求めていることがうかがえます。 編入学を志すにあたっては、これらの大学の理念や求める人物像を深く理解し、自身の学習目標や将来の展望とどのように合致するのかを明確にすることが重要です。 これは、後述する志望理由書の作成においても非常に重要なポイントとなります。各学部の編入試験の詳細については以下もご参照ください:
【2025年度最新版】東京外国語大学 言語文化学部 編入 完全ガイド:試験対策・倍率推移・TOEIC・過去問まで徹底解説
【2025年度最新版】東京外国語大学 国際社会学部 編入 完全ガイド:試験対策・倍率推移・TOEIC・過去問まで徹底解説

3. 【学部別】編入試験 詳細解説
ここでは、言語文化学部、国際社会学部、国際日本学部の編入学試験について、2025年度の募集要項(言語文化学部・国際社会学部)および公表されている情報(国際日本学部)に基づき、詳細を解説します。
言語文化学部 編入
募集人員・コース紹介(地域・超域)
- 募集人員: 10人
- 趣旨: 世界の様々な地域の言語と文化に精通し、国内外において言語間・文化間の架け橋となって活躍するグローバル人材の育成を目指しています。 大学卒業者、大学2年次修了者、短期大学・高等専門学校卒業者、社会人、外国人留学生など、多様な背景を持つ人材に門戸を開いています。
- コース: 入学後に以下のいずれかのコースに所属し、指導教員のもとで専門分野を学びます。 募集はコースごとではなく一括して行われます。
- 地域コース: 世界の10地域(北西ヨーロッパ・北アメリカ、中央ヨーロッパ、西南ヨーロッパ、イベリア・ラテンアメリカ、ロシア、中央アジア、東アジア、東南アジア、南アジア、中東)について、言語学、文学、思想、宗教などの学問分野を横断し、複数の視点から学びます。 特定の分野に偏らず、地域に共存する多様な言語、文学、文化を広く学び、その地域に対する深い知見を蓄えます。
- 超域コース: 言語学・言語情報処理学、言語教育学、通訳・翻訳、文学・文化理論、人間科学の5つの学問分野から1つを選び、専攻する地域を超えて広く言語と文化を中心とする人間の営みを専門的に学びます。 専攻する言語と地域を常に視野に入れながら1つの学問分野を専門的に学ぶことで、世界の様々な地域の現実に根ざした豊かな教養を身につけます。
- コース選択と指導教員: 編入学志願理由書には希望指導教員(最大2名)を記載する必要があり、指導教員は「編入学志願票」の希望に基づき決定されます。 履修コースは自動的にその指導教員の属するコースとなります。 超域コースでは、希望指導教員が特定の受験言語を指定している場合があるため、出願前に募集要項や大学のウェブサイト(ゼミ案内など)で指導教員の専門分野や指定受験言語を十分に確認することが極めて重要です。
出願書類・言語能力要件(TOEIC含む)
- 主な出願書類:
- 編入学志願票(所定様式)
- 編入学志願理由書(所定様式、自筆):①志願理由、②希望指導教員の選択理由、③入学後の学修計画、④学修のために必要とされる言語能力について記述。
- 受験票・写真票・出願書類送付状(所定様式)
- 検定料の支払い証明
- 卒業(見込)証明書または在学証明書等(原本)
- 成績証明書(厳封された原本)
- 言語検定試験証明書等
- あて名票(所定様式)
- その他、該当者は外国の教育課程で修得した単位の換算シート、入学資格審査結果の通知(写)、日本留学試験受験票(写)、日本語能力試験認定結果及び成績に関する証明書など。
- 言語能力証明書:
- 必須提出書類: 英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ロシア語を専攻言語として指定する志願者は、以下の外部試験の成績(有効期限内の原本に限る)を必ず提出する必要があります。
- 英語(8種類): ケンブリッジ英語検定、IELTS、実用英語技能検定、TEAP、GTEC、TEAP CBT、 TOEIC L&R/TOEIC S&W 、TOEFL iBT(いずれも4技能の資格・検定試験であること)。
- ドイツ語(5種類): ドイツ語技能検定、TestDaF、Goethe-Zertifikat、DSH、オーストリア政府公認ドイツ語能力検定試験。
- フランス語(3種類): TCF、DELF/DALF、実用フランス語技能検定試験。
- スペイン語(3種類): DELE、スペイン語技能検定、SIELE(全パート)。
- ロシア語(2種類): ロシア連邦教育科学省認定ロシア語検定試験、ロシア語能力検定試験。
- 任意提出書類: 上記以外の言語能力を証明する試験の成績(過去2年以内の原本に限る。例:全国通訳案内士試験合格証明書など)も、言語能力評価の参考として提出できます。
- 提出方法: 原則として、試験実施機関から東京外国語大学へ期日までに直送するよう手配します。 TOEFL iBTの場合はETSから(DIコード:3059)、TOEIC Testsの場合は(一財)国際ビジネスコミュニケーション協会から直送手配が必要です。 直送が不可の場合は、証明書の原本を再発行の上、厳封された状態で他の出願書類と併せて提出します。
- 必須提出書類: 英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ロシア語を専攻言語として指定する志願者は、以下の外部試験の成績(有効期限内の原本に限る)を必ず提出する必要があります。
選抜方法・試験科目
- 第1次選考(書類選考): 編入学志願理由書に記載された内容(希望指導教員と学修計画の整合性、学修計画の実現可能性等)と言語検定試験証明書等を厳正に審査し、第2次選考に進む志願者を選考します。
- 第2次選考(筆答試験、口頭試問): 2024年10月26日(土)に東京外国語大学で実施。 出願時の提出書類と第2次選考の成績を総合して合格者を決定します。
- 筆答試験「専攻言語」: 10:00~11:30(90分)。 志願者が選択した専攻言語に関する試験で、その言語が使用されている国や地域に関連する知識を問う内容を含みます。
- 専攻言語の選択: 附表に示す27の言語から1つを選択。 この選択言語が、入学後に主として専攻する言語となります。
- 特例: スペイン語またはロシア語(ロシア地域/中央アジア地域)を選択した場合は、筆答試験を課さず、提出された外部試験の成績を筆答試験に代えて評価します。 ※上述の通り、2026年(令和8年)度第3年次編入学試験より、「ドイツ語」、「フランス語」も同様の扱いとする旨の案内が出ています。
- 口頭試問: 12:30から実施。
- 筆答試験「専攻言語」: 10:00~11:30(90分)。 志願者が選択した専攻言語に関する試験で、その言語が使用されている国や地域に関連する知識を問う内容を含みます。
カリキュラムとキャリアパス
- カリキュラム: 入学時に62単位が自動認定されます。 残りの卒業に必要な単位(卒業要件125単位)を2年間で修得します。 専攻言語および選択したコース(地域または超域)に重点を置いた学びとなり、第4年次には卒業論文または卒業制作が課されます。 詳細なコース案内やゼミ案内は大学のウェブサイトで確認できます。
- キャリアパス: 卒業生は、出版、広告、観光、文化事業企画、マスメディア、国際的企業(金融、商社、メーカーなど)、通訳・翻訳、外国語教育、大学院進学など、多岐にわたる分野で活躍しています。
国際社会学部 編入
募集人員・コース紹介(地域社会研究・現代世界論・国際関係)
- 募集人員: 10人(ただし、合格者数が募集人員を下回る場合がある)。
- 趣旨: グローバル化が進展する現代において、多様な諸地域が織り成す国際社会を多面的に理解できる知性を備え、世界が抱える諸問題を発見し解決できる力を持つ人材の育成を目指しています。
- コース: 入学後に以下のいずれかのコースに所属し、指導教員のもとで専門分野を学びます。 募集はコースごとではなく一括して行われます。
- 地域社会研究コース: 世界の様々な地域社会を具体的な事例に基づき考察します。 「歴史的なものの見方」と「現代社会を構造的に捉える視角」を学び、特に現地語で記された史資料の活用を重視します。
- 現代世界論コース: 「いま」という時代を捉える問題意識を重視し、現代世界の多様な問題群を発見し、柔軟かつ批判的思考で本質を捉え、解決のために行動できる人材育成を目指します。
- 国際関係コース: 国際社会の現実を社会科学の方法(国際関係論、国際政治学、経済学、開発経済論、紛争解決平和構築論など)を用いて理論的・歴史的・実証的に理解し、政策志向的に考えます。 国際機関やグローバル企業等で活躍する人材育成を目指します。
- コース選択と指導教員: 編入学志願理由書には希望指導教員(最大2名)と履修コースを記載します。 指導教員によってはゼミへの受け入れ条件を指定している場合があるため、出願前に大学のウェブサイト(国際社会学部ゼミ案内)で「受講上の注意」欄を確認することが求められます。
出願書類・言語能力要件(TOEIC含む)
- 主な出願書類: 言語文化学部と概ね同様ですが、編入学志願理由書の「入学後の学修計画」には、学修計画に対する準備状況を参考にした文献も挙げる必要があります。
- 言語能力証明書:
- 必須提出書類: 英語、フランス語、スペイン語、ロシア語を専攻言語として指定する志願者は、以下の外部試験の成績(有効期限内の原本に限る)を必ず提出する必要があります。
- 英語(8種類): ケンブリッジ英語検定、IELTS、実用英語技能検定、TEAP、GTEC、TEAP CBT、 TOEIC L&R/TOEIC S&W 、TOEFL iBT(いずれも4技能の資格・検定試験であること)。
- フランス語(3種類): TCF、DELF/DALF、実用フランス語技能検定試験。
- スペイン語(3種類): DELE、スペイン語技能検定、SIELE(全パート)。
- ロシア語(2種類): ロシア連邦教育科学省認定ロシア語検定試験、ロシア語能力検定試験。
- 任意提出書類: 上記以外の言語能力を証明する試験の成績(過去2年以内の原本に限る)も、言語能力評価の参考として提出できます。 編入学志願理由書に記載された学修計画に関連する言語検定試験証明書等が提出されている場合は、第1次選考において積極的な判断材料となります。
- 提出方法: 言語文化学部と同様、原則として試験実施機関からの直送が必要です。
- 必須提出書類: 英語、フランス語、スペイン語、ロシア語を専攻言語として指定する志願者は、以下の外部試験の成績(有効期限内の原本に限る)を必ず提出する必要があります。
選抜方法・試験科目
- 第1次選考(書類選考): 提出書類及び編入学志願理由書に記載された内容(履修コースや希望指導教員と学修計画の整合性、学修計画の実現可能性等)を厳正に審査し、第2次選考に進む志願者を選考します。
- 第2次選考(筆答試験、口頭試問): 2024年10月26日(土)に東京外国語大学で実施。 出願時の提出書類と第2次選考の成績を総合して合格者を決定します。
- 筆答試験:
- 「専攻言語」: 10:00~11:00、60分。入学後の学修に必要な言語の読解力を測る問題。
- 「共通問題」: 11:30~12:30、60分。学術的な基礎能力を問う問題で、英語で出題され、日本語で解答する形式。
- 口頭試問: 13:30から実施。
- 専攻言語の選択と特例: 志願者は附表に示す専攻地域・専攻言語から1つを選択。 専攻言語として英語(北西ヨーロッパ地域・北アメリカ地域・アフリカ地域・オセアニア地域)、フランス語(西南ヨーロッパ地域)、スペイン語(イベリア地域・ラテンアメリカ地域)、またはロシア語(ロシア地域・中央アジア地域)を指定する場合、本学での筆答試験「専攻言語」は行われず、提出された外部試験の成績をもって代えます。 ただし、筆答試験「共通問題」および口頭試問は受験が必要です。 ※上述の通り、2026年(令和8年)度第3年次編入学試験より、「ドイツ語」も同様の扱いとする旨の案内が出ています。
- 筆答試験:
カリキュラムとキャリアパス
- カリキュラム: 入学時に62単位が自動認定されます。 残りの卒業に必要な単位(卒業要件125単位)を2年間で修得します。 選択したコースおよび専攻言語・地域に重点を置いた学びとなり、第4年次には卒業論文または卒業制作が課されます。 詳細なコース案内やゼミ案内は大学のウェブサイトで確認できます。
- キャリアパス: 卒業生は、外交官、国家・地方公務員、国際機関、NGO、マスメディア、国際的企業(金融、商社、メーカーなど)、教員、研究者など、幅広い分野で活躍しています。
国際日本学部 編入(10月入学)
東京外国語大学の国際日本学部では、第3年次編入学試験(タイプB:一般入試)を10月入学の形式で実施しています。 言語文化学部・国際社会学部の4月入学とは、スケジュールや一部要件が異なりますので、注意が必要です。
特有のスケジュールと注意点
- 入学時期: 2025年9月29日
- 就学期間: 2025年10月~2027年9月
- 出願期間: 2025年3月3日~5月7日 (日本時間、必着)。期間前後の到着は受理されません。
- 選考(面接): 2025年5月下旬~6月(対面またはインターネットビデオ通話)
- 合格発表: 2025年6月下旬~7月
- 入学手続: 2025年9月
- 出願書類は書留郵便または追跡可能な国際宅配便で送付する必要があります。提出された書類は返却されません。
アドミッションポリシーと求める学生像
国際日本学部は、以下のような学生を歓迎しています。
- 国際的な視点から日本を学び、日本に対する深い理解を持ったグローバルリーダーを目指す者
- 日本国内外の多言語・多文化共生社会の発展に貢献しようとする者
- 高い基礎学力を持ち、批判的思考力、的確な判断力、明確な表現力を有する者
- 知的好奇心と探求心に溢れ、多様な文化的背景を持つ人々と協働して地球規模の課題に取り組む意欲のある者
卒業後の進路としては、グローバル企業、国際展開を目指す日本企業、国内外の公的機関、通訳・翻訳、観光・運輸、出版・メディア関連、日本語・日本文化教育機関、国内外の大学院進学などが想定されています。
学部の特色
- 日本を包括的かつ国際的な視点から学び、発見する機会を提供します。
- 日本人学生と留学生が共に学び、アイデアを共有することがプログラムの重要な特徴です。
- 国内外の多様化・拡大するニーズに対応するための革新的な問題解決スキルを学ぶことができます。
- 日本と世界の交流が深まる中で、日本と世界を繋ぎ、卒業後に日本関連企業や日本語・日本教育の分野で活躍する人材の育成を目指しています。
募集人員・出願資格
- 募集人員: 約3名(タイプB:一般入試)
- 出願資格: 入学日までに以下のいずれかの条件を満たす(または満たす見込みの)者。
- 学士号を取得した者
- 短期大学または高等専門学校(2年以上の高等教育に相当)を卒業した者
- 日本の4年制大学に2年以上在学(休学・停学期間を除く)し、62単位以上を取得した者
- 日本の専修学校の専門課程(2年以上で文部科学大臣の定める基準を満たすもの)を修了した者(学校教育法第90条第1項の規定を満たす者に限る)
- 日本国外で14年以上の学校教育を修了した者(日本国内での就学期間を含む場合がある) (注:文部科学大臣指定国で11年間の教育を修了した場合は13年以上に読み替え )
- 個別の入学資格審査により、上記と同等以上の学力があると本学が認め、2025年9月30日までに20歳以上になる者
- (6)で出願する場合は、2025年3月28日までにグローバルアドミッションズオフィス(GAO)への事前の資格確認申請が必要です。
- 追加資格要件: 上記のいずれかに加え、以下の 全ての条件 を満たす必要があります。
- 以下のいずれかを満たすこと :
- 日本国外の高等教育機関で条件を満たした(または満たす見込みの)者
- 日本の小中学校および高等学校での就学期間が4年未満の者
- 日本語能力試験(JLPT)N2レベル以上の公式スコアを保有し提出できること(日本語を母語とする者は免除)
- CEFR B2レベル以上の公式英語テストスコア(リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングの4技能を含む)を保有し提出できること。TOEICの場合はL&RとS&Wの両方のスコアが必要です。 (英語を母語とする者、または大学・学校教育を2年以上英語で受けた者は免除 )
- 以下のいずれかを満たすこと :
出願書類
出願書類は英語または日本語で作成する必要があります。主なものは以下の通りです。
- 入学願書(Application Form): 写真貼付
- 入学検定料(Application Fee: 30,000円): Flywire経由での支払い。支払い証明書または領収書を提出。手数料は申請者負担。
- 志望理由書(Personal Statement): A4用紙片面1枚
- 研究計画書(Research Proposal): A4用紙両面1枚
- 成績証明書(Academic Transcript(s)): 出願資格を満たした(または満たす見込みの)大学・学校発行の原本または認証コピー。日本語・英語以外の場合は翻訳添付。複数の大学・学校に在籍した場合は全ての成績証明書が必要。
- 卒業(見込)証明書(Certificate of (Expected) Graduation)
- 日本語能力証明書(Evidence of Japanese Proficiency): JLPT N2レベル以上の公式スコア(日本語母語話者は免除)
- 英語能力証明書(Evidence of English Proficiency): CEFR B2レベル以上(4技能)の公式スコア(英語母語話者等は免除)
- パスポートのコピーまたは日本の在留資格証明書(外国籍の者)
- 単位換算シートおよび証明書類(Calculation Sheet and Evidence Documents): 出願資格(5)に該当する者のみ。授業内容、授業時間、授業回数がわかる資料(シラバスのコピー等)を添付。
- 日本留学試験(EJU)受験票のコピー(任意): 受験した者は提出
選抜方法
選考は2段階で行われます。
- 第1次選考: 全ての出願書類に基づく書類審査
- 第2次選考: 面接(英語および日本語で実施)
カリキュラムとキャリアパス
- 卒業要件: 125単位(入学時に認定される62単位を含む)、卒業研究を含む。
- 授業言語: 英語および日本語
- 授与学位: 学士(言語・地域文化)
- 指導教員: 2025年度時点で卒業研究を指導可能な教員リストが公開されています(例:ABE Shin教授 – 日本語教育学・社会言語学、ARAKAWA Yohey教授 – 国際コミュニケーションマネジメント・応用認知言語学など全18名)。
- キャリアパス: アドミッションポリシーに記載の通り、グローバル企業、国際機関、通訳・翻訳、観光、メディア、教育・研究機関など、多岐にわたります。
その他費用(予定)
- 英語試験料: 10,000円(2年間)
- 保険料: 日本人学生2,430円(2年間)、留学生24,540円(2年間)
国際日本学部の編入学試験は、独自のスケジュールと要件が設定されています。受験を希望する方は、必ず大学の公式ウェブサイトで最新の募集要項を熟読し、間違いのないよう準備を進めてください。
表3.1: 学部別編入要件比較(2025年4月入学 – 言語文化学部・国際社会学部)
学部 | 募集人員 | 必須の言語試験と種類 | 第1次選考の焦点 | 第2次選考の試験科目と時間 |
---|---|---|---|---|
言語文化学部 | 10人 | 英語(TOEFL iBT, IELTS, TOEIC L&R/S&W等8種)、独語(Goethe-Zertifikat等5種)、仏語(DELF/DALF等3種)、西語(DELE等3種)、露語(ТРКИ等2種)のいずれか必須 | 志望理由書、学修計画、言語能力証明書 | 専攻言語筆記(90分、地域文化知識含む)、口頭試問 ※西・露は外部試験で代替 |
国際社会学部 | 10人 | 英語(TOEFL iBT, IELTS, TOEIC L&R/S&W等8種)、仏語(DELF/DALF等3種)、西語(DELE等3種)、露語(ТРКИ等2種)のいずれか必須 | 志望理由書、学修計画、言語能力証明書 | 専攻言語筆記(60分)、共通問題(英語出題・日本語解答60分)、口頭試問。※英・仏・西・露は外部試験で専攻言語筆記代替 |
典拠:東京外国語大学 2025年度 第3年次編入学学生募集要項

4. 東京外国語大学 編入試験のリアル:難易度と倍率
「東京外国語大学 編入 難しい」というキーワードは、多くの受験生が抱く率直な疑問でしょう。 ここでは、公式データと試験内容から、その難易度と倍率について考察します。
最新の倍率データ分析(2025年度)
東京外国語大学が公表している「2025(令和7)年度東京外国語大学 第3年次編入学 入学者選抜状況」 によると、2025年4月入学の言語文化学部および国際社会学部の倍率は以下の通りです。
表3.2: 2025年度 東京外国語大学 編入学試験 競争率(学部・コース別、2025年4月入学)
学部 | コース | 募集人員 | 志願者数 | 第1次合格者数 | 第2次選抜受験者数 | 最終合格者数 | 入学者数 | 最終合格倍率 | 実質倍率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
言語文化学部 | – | 10人 | 38人 | 20人 | 20人 | 11人 | 11人 | 3.45倍 | 1.82倍 |
国際社会学部 | 地域社会研究 | (10の内数) | 11人 | 8人 | 7人 | 4人 | 3人 | 2.75倍 | 1.75倍 |
国際社会学部 | 現代世界論 | (10の内数) | 6人 | 5人 | 5人 | 2人 | 2人 | 3.00倍 | 2.5倍 |
国際社会学部 | 国際関係 | (10の内数) | 13人 | 7人 | 8人 | 0人 | 0人 | 算出不可 | 算出不可 |
国際日本学部 | タイプA (DDP4月編入) | 3人 | 1人 | 1人 | 1人 | 1人 | 1人 | 1.00倍 | 1.00倍 |
注)最終合格倍率は「志願者数/最終合格者数」、実質倍率は「第2次選抜受験者数/最終合格者数」
典拠:2025(令和7)年度東京外国語大学 第3年次編入学 入学者選抜状況
考察:
- 募集人員の少なさ: まず、各学部とも募集人員が10名と非常に少ないことが、競争の激しさを示唆しています。
- 高い競争率: 言語文化学部の最終合格倍率は3.45倍、国際社会学部現代世界論コースは3.00倍と、決して低いとは言えません。
- 国際関係コースの厳しさ: 特に注目すべきは、国際社会学部国際関係コースです。2025年度入試では、13名の志願者に対し、最終合格者は0名でした。 これは、極めて高い選抜基準が設けられているか、あるいは当該年度の志願者の専門性や準備状況が大学の求める水準に達していなかった可能性を示唆しており、このコースの難易度の高さを物語っています。
- 段階的な絞り込み: 書類選考である第1次選考の段階で、志願者数がおおよそ半分程度に絞られている学部・コースが多く見られます。 これにより、第2次選考(筆記・口頭試問)に進むこと自体が最初の関門となります。
これらのデータから、東京外国語大学の編入学試験は競争率が高く、合格への道は決して容易ではないことが客観的に分かります。ただし、倍率自体は一般的な編入試験の水準であり、特別高いとは言えません。
難易度を左右する要因
倍率の高さに加えて、以下の要素が東京外国語大学の編入学試験の「難しさ」を構成していると考えられます。
- 東京外国語大学の高い学術水準: TUFSは、言語学、地域研究、国際関係学などの分野で国内トップクラスの研究・教育機関です。 そのため、編入生にも高い学術的素養と専門知識が求められます。
- 厳格な多段階選抜: 書類選考と、その後の筆記試験・口頭試問という2段階の選抜プロセスは、受験者の能力を多角的に評価するものです。 書類選考では、学業成績だけでなく、語学能力、そして最も重要な「編入学志願理由書」の内容(志望理由、研究計画、希望指導教員との整合性など)が厳しく審査されます。
- 高度な専門知識の要求:
- 志望理由書: 募集要項には、各学部の指導教員とその研究分野が詳細に記載されています。 志望理由書では、これらの情報を踏まえ、希望する指導教員を選び、自身の研究テーマや学習計画を具体的に記述する必要があります。 国際社会学部では、学修計画に対する準備状況を参考にした文献も挙げるよう求められています。 これは、単なる憧れではなく、大学で何を専門的に学びたいかという明確な目的意識と、それに対する事前のリサーチが不可欠であることを意味します。
- 筆記試験: 言語文化学部の「専攻言語」の筆記試験は、「その言語が使用されている国や地域に関連する知識を問う内容を含む」とされており、高度な言語運用能力に加えて、その言語圏の文化や社会に関する深い理解が求められます。 国際社会学部の現代世界論コース・国際関係コースで課される「共通問題」は、「学術的な基礎能力を問う問題であり、英語で出題され、日本語で解答する形式」であり、英語による学術文献の読解力と論理的な思考力・記述力が試されます。
- 口頭試問: 書類や筆記試験だけでは測れない、受験者のコミュニケーション能力、専門分野への熱意、論理的思考力、そして東京外国語大学で学ぶことへの適性などが総合的に評価される場です。鋭い質問が飛ぶことも予想され、付け焼き刃の知識では対応が難しいでしょう。
- 高い言語能力要件: 多くの学部・専攻言語で、TOEFL、IELTS、TOEIC L&R/S&Wといった外部英語試験のスコア提出が必須とされています。 その他の言語についても、専門的な検定試験のスコアが求められる場合があります。 これらは、入学後の専門的な学習に不可欠な高度な言語運用能力を編入時点である程度有していることを前提としているためです。
これらの要素を総合すると、東京外国語大学の編入学試験の「難しさ」は、単に倍率が高いというだけでなく、 受験者の学術的な準備、明確な研究目標、そしてそれを支える高度な言語能力と表現力が総合的に問われる 点にあると言えます。合格を勝ち取るためには、付け焼き刃の対策ではなく、腰を据えた長期的な準備と、なぜ東京外国語大学で学びたいのかという本質的な問いに対する深い自己分析が不可欠です。

5. 編入試験対策のポイント
東京外国語大学の編入学試験は、前述の通り難易度が高く、しっかりとした対策が求められます。 ここでは、主要な対策ポイントを解説します。
志望理由書の書き方と重要性
編入学試験において、 「編入学志願理由書」は合否を左右する極めて重要な書類 です。 東京外国語大学の募集要項では、言語文化学部・国際社会学部ともに、この書類で「①志願理由、②希望指導教員の選択理由(国際社会学部は履修コース及び希望指導教員の選択理由)、③入学後の学修計画、④学修のために必要とされる言語能力」について記述するよう求めています。
第1次選考(書類選考)の評価ポイント として、言語文化学部では「希望指導教員と学修計画の整合性、学修計画の実現可能性等」、国際社会学部では「履修コースや希望指導教員と学修計画の整合性、学修計画の実現可能性等」 が挙げられています。つまり、単に「この大学で学びたい」という熱意だけでなく、 「なぜこの学部・コースで、この指導教員のもとで、何をどのように研究したいのか」という具体的な計画と、それを実現できるだけの能力や準備があることを論理的に示す 必要があります。
作成のポイント:
- 自己分析と大学研究の徹底:
- なぜ編入したいのか、なぜ東京外国語大学でなければならないのか、将来何をしたいのかを深く掘り下げます。
- 大学のウェブサイトや募集要項を熟読し、アドミッションポリシー、各学部・コースの理念や特色、カリキュラム、そして何よりも 指導教員の専門分野や研究テーマを徹底的に調べます。 言語文化学部ではゼミ案内(教員紹介)のURLが記載されており、国際社会学部でも同様にゼミ案内の確認が求められています。
- 指導教員と研究計画の明確化:
- 自身の研究関心と合致する指導教員を選びます(最大2名まで記載可能)。
- 入学後の学習計画は具体的に記述します。どのようなテーマで研究を進め、どのような知識やスキルを身につけたいのか、そしてそれが卒業研究にどう繋がるのか、明確なビジョンを示しましょう。国際社会学部では、学修計画に対する準備状況を参考にした文献も挙げる必要があります。
- 論理的で説得力のある文章構成:
- 志望理由、研究計画、自身の強みなどが、一貫性を持って論理的に繋がるように構成します。
- 大学側が「この学生なら本学で専門性を深め、成長してくれるだろう」と期待できるような、熱意と知性を感じさせる文章を心がけましょう。
- 言語能力のアピール:
- 「学修のために必要とされる言語能力」について、これまでの学習歴や保有資格(TOEICスコアなど)を具体的に記述し、入学後の学修に十分対応できることを示します。
- 丁寧な記述と確認:
- 誤字脱字はもちろん、指定された書式や文字数を守り、丁寧に作成します。 募集要項には「自筆で記入すること」と指定されています(言語文化学部・国際社会学部)。
志望理由書は、あなた自身を大学にプレゼンテーションする最初の機会です。時間をかけてじっくりと取り組みましょう。
言語試験対策(TOEIC等)
東京外国語大学の編入学試験では、多くの学部・専攻言語で外部の語学検定試験のスコア提出が必須となっています。 特に英語に関しては、TOEFL iBT、IELTS、そして TOEIC L&R/S&W などが認められています(いずれも4技能試験であること)。
- 公式要件の確認: まず、自身が志望する学部・専攻言語でどの試験が必須または受付可能か、そしてスコアの有効期限(例:「有効期限内の原本に限る」、任意提出の場合は「過去2年以内の原本に限る」)を募集要項で正確に確認しましょう。
- スコアの目安: 編入学試験における 具体的な最低合格ラインや目標スコアは、募集要項には明記されていません。 国際日本学部ではCEFR B2が基準となっていることを考慮すると、他の学部でもCEFR B2が一定の目安になるでしょう。重要なのは、単にスコアが高いことだけでなく、その語学力を入学後の専門的な学修(文献購読、レポート作成、ディスカッション、場合によっては海外留学など)に活かせるレベルにあることを示すことです。
- 4技能の重要性: 英語の場合、TOEIC L&RだけでなくS&Wも含む4技能のスコアが求められる点に注意が必要です。 これは、読む・聞くだけでなく、話す・書く能力も重視されていることを意味します。
- 提出方法:
- TOEFLの場合はETSから、TOEICの場合はIIBCから大学へスコアを直送する手続きが必要です。 手続きには時間がかかる場合があるため、早めに手配しましょう。 直送が不可の場合は、厳封された原本を提出します。
- その他の言語: 英語以外の言語を専攻する場合も、募集要項に記載された指定の検定試験を受験し、スコアを提出する必要があります。
TOEICをはじめとする語学試験対策は、一朝一夕に成果が出るものではありません。計画的に学習を進め、目標スコアをクリアできるようにしましょう。
専門科目・小論文対策
第2次選考では、筆答試験が課されます。
- 言語文化学部 「専攻言語」:
- 試験時間は90分。
- 「その言語が使用されている国や地域に関連する知識を問う内容を含む」とされており、高度な言語運用能力(読解、記述など)に加えて、当該言語圏の文化、歴史、社会、文学などに関する幅広い知識が問われると予想されます。
- 対策としては、専攻する言語の高級文法や読解演習はもちろんのこと、その言語で書かれた新聞記事、評論、文学作品などに触れ、背景知識を深めておくことが重要です。
- スペイン語またはロシア語(ロシア地域/中央アジア地域)を選択した場合は、筆答試験は免除され、外部試験の成績で評価されます。
- 国際社会学部 「専攻言語」:
- 試験時間は60分。
- 「入学後の学修に必要な言語の読解力を測る問題」とされています。 専門的な文献を読み解くための語彙力や文法知識、そして内容を正確に理解する能力が求められます。
- こちらも、専攻言語で書かれた専門分野の概説書や論文などに目を通し、学術的な文章に慣れておくことが有効です。
- 英語、フランス語、スペイン語、ロシア語を専攻言語として指定する場合は、筆答試験は免除され、外部試験の成績で評価されます。
- 国際社会学部 「共通問題」:
- 試験時間は60分。
- 「学術的な基礎能力を問う問題であり、英語で出題され、日本語で解答する形式」です。
- これは、英語で書かれた学術的な文章(社会科学系、人文科学系の論文や評論など)を正確に読解し、その内容を踏まえて日本語で論理的に考察・記述する能力を測るものと考えられます。
- 対策としては、英語の学術論文を読む練習を積むこと、そしてそれに対する要約や自身の意見を日本語でまとめる訓練が有効です。時事問題や現代社会の課題に関する英文記事や書籍に触れておくのも良いでしょう。
面接対策(口頭試問)
第2次選考では、すべての学部・コースで口頭試問が実施されます。 これは、筆記試験だけでは評価しきれない受験者の人物像や適性を見るための重要な選考段階です。
- 質問内容の予測:
- 志望理由書に基づく質問: 最も中心となるのは、提出した「編入学志願理由書」の内容に関する質問です。志望動機、研究計画、希望する指導教員やコースを選んだ理由、入学後の抱負、将来の展望などについて、より深く掘り下げた質問がなされるでしょう。
- 専門分野に関する知識・関心: 志望する学部・コースの専門分野に関する基礎知識や、関連する時事問題に対する関心、自身の意見などが問われる可能性があります。
- これまでの学習経験: 前籍校での学習内容や、そこから編入を志望するに至った経緯なども質問されるかもしれません。
- 語学力: 特に外国語運用能力が重視される大学ですので、面接の一部が外国語で行われる可能性もゼロではありません(ただし、募集要項に明記がない限りは日本語が基本と考えられます)。
- コミュニケーション能力と適性: 質問に対する理解力、論理的な応答能力、熱意、そして東京外国語大学の学生としての適性などが総合的に見られます。
- 対策のポイント:
- 志望理由書の徹底的な自己レビュー: 自分が書いた志望理由書の内容を完璧に把握し、どんな角度から質問されても矛盾なく、自信を持って答えられるように準備します。想定される質問とそれに対する回答を事前に準備しておきましょう。
- 専門分野の知識の再確認: 志望分野の基本的な知識や最新の動向について、改めて確認しておきます。
- 模擬面接: 編入試験を専門とするプロ講師などを活用して、模擬面接を繰り返し行い、受け答えに慣れておくことが非常に重要です。 姿勢、言葉遣い、表情なども意識しましょう。
- 熱意と誠実さ: 完璧な回答をすること以上に、東京外国語大学で学びたいという強い熱意と、真摯な態度を伝えることが大切です。 分からない質問には正直にそう伝え、知ったかぶりをしないことも重要です。
過去問を用いた学習法
東京外国語大学の編入学試験では、 一般選抜の過去問はオンラインで公開されていますが、「第3年次編入学試験」を含むその他の試験の過去問は、オンラインでの公開も郵送も行っていません。 過去問は、東京外国語大学の入試課窓口で、身分証明書を提示して 閲覧が可能 です。詳細については東京外国語大学の公式情報をご確認ください。過去問を閲覧・入手できた場合、以下の点を意識して学習を進めることで、より効果的な対策が期待できます。
- 出題傾向の徹底分析:
- 過去数年分の過去問を比較検討し、頻出する分野、問題形式、難易度、時間配分などを詳細に分析します。
- 言語文化学部の「専攻言語」では、どのような地域知識が問われやすいか、国際社会学部の「共通問題」では、どのようなテーマの英文が出題され、日本語でどの程度の論述が求められるかなど、具体的な傾向を掴みます。
- 時間配分を意識した演習:
- 実際の試験時間を計りながら過去問を解くことで、時間配分の感覚を養います。どの問題にどれくらいの時間をかけるべきか、戦略を立てる練習をします。
- 解答プロセスの確立と弱点克服:
- 単に正解を出すだけでなく、なぜその解答に至ったのか、思考プロセスを重視します。
- 間違えた問題や理解が曖昧な箇所は、徹底的に復習し、関連知識を深めます。解説がない場合でも、参考文献や専門書を参照し、自力で理解を深める努力が重要です。
- 弱点分野を特定し、集中的に補強します。
- 答案作成能力の向上:
- 特に論述問題や小論文形式の問題では、論理的で分かりやすい答案を作成する練習を重ねます。
- 第三者に添削してもらうなどして、客観的な評価を得ることも有効です。
- 専門知識の深化:
- 過去問で扱われたテーマや関連分野について、専門書や学術論文を読み込み、より深い知識と理解を目指します。出題者の意図や背景にある学問的関心を考察することも重要です。
- 大学の求める水準の把握:
- 過去問を通じて、東京外国語大学が編入生に求める学力水準や思考力を具体的に把握し、自身の学習の到達目標を設定します。
過去問は、試験の全体像を掴み、具体的な対策を立てる上で最も信頼できる情報源の一つです。閲覧・入手した際には、最大限に活用し、合格への確度を高めていきましょう。詳細な閲覧手続きについては、必ず東京外国語大学の公式ウェブサイトで最新情報を確認してください。

6. 東京外国語大学 編入 体験記について
体験談の活用法と注意点
「東京外国語大学 編入 体験記」は、受験生にとって非常に人気のある情報源です。 実際に合格した先輩たちの経験談は、試験の雰囲気や具体的な対策、モチベーションの維持など、公式情報だけでは得られない貴重な示唆を与えてくれます。
体験談の活用法:
- モチベーション向上: 実際に編入を成し遂げた人の話を読むことで、「自分もできるかもしれない」という前向きな気持ちを持つことができます。
- 試験の雰囲気の把握: 試験当日の流れや会場の雰囲気、面接の様子など、具体的なイメージを掴むのに役立ちます。
- 対策のヒント: どのような教材を使ったか、どのような勉強法が効果的だったか、面接でどのような質問をされたかなど、具体的な対策のヒントを得られることがあります。
- 情報収集のきっかけ: 体験談の中で紹介されている書籍やウェブサイトが、さらなる情報収集のきっかけになることもあります。
体験談を参考にする際の注意点:
- 情報の鮮度: 編入学試験の内容や制度は変更される可能性があります。 特に古い体験談は、現在の試験内容と乖離している場合があるため、必ず公開日や受験年度を確認しましょう。 例えば、2018年の体験談 と2022年の体験談 では、試験の状況も異なる可能性があります。
- 個別性と主観性: 体験談はあくまで個人の経験に基づいたものです。 その人のバックグラウンド(前籍校、専攻、語学力など)、受験した学部・専攻、準備期間などによって、対策方法や感じ方は大きく異なります。 ある人に有効だった方法が、必ずしも自分にも当てはまるとは限りません。
- 情報の正確性: 個人のブログやSNSの情報が、必ずしも正確であるとは限りません。記憶違いや誤解が含まれている可能性も考慮しましょう。
- 公式情報の優先: 体験談はあくまで参考情報と位置づけ、 出願資格、試験科目、日程、必要書類などの事実は、必ず東京外国語大学の公式ウェブサイトや最新の募集要項で確認する ことを徹底してください。
体験談は、賢く活用すれば大きな助けとなりますが、鵜呑みにせず、批判的な視点を持って情報を取捨選択し、必ず公式情報で裏付けを取るようにしましょう。

7. よくある質問(FAQ)
Q1: 東京外国語大学の編入試験は、どのくらい難しいですか?
A1: 本文「4. 東京外国語大学 編入試験のリアル:難易度と倍率」で詳述した通り、募集人員が各学部10名と非常に少ないこと、2025年度入試では学部・コースによって2.75倍~3.45倍(国際関係コースは合格者0名で算出不可)の競争率であること、そして書類選考から筆記・口頭試問に至るまで、高い専門知識と語学力、明確な学習計画が求められることから、 難易度は高い と言えます。ただし、倍率自体は一般的な編入試験の水準にあるため、特別難しいとは言えません。
Q2: 編入試験のためにTOEICは何点くらい必要ですか?
A2: 英語を必須提出書類とする学部・専攻言語において、TOEIC L&R/S&Wのスコアが認められていますが、 募集要項に具体的な最低合格点や目標スコアは明記されていません。 国際日本学部の要件であるCEFR B2を基準とすれば、TOEIC L&Rでは785点、S&Wでは310点程度が目安になるでしょう(参考:TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表)。重要なのは、入学後の専門的な学修に耐えうる高度な4技能(読む・聞く・話す・書く)の英語力を有していることです。
Q3: 過去問はどこで手に入りますか?
A3: 東京外国語大学の編入学試験の過去問は、 オンラインでの公開や郵送は行っていません。 東京外国語大学の入試課窓口で、身分証明書を提示して 閲覧のみ可能 です。 詳細は本文「5. 編入試験対策のポイント > 過去問を用いた学習法」を参照してください。
Q4: 2026年度の編入試験について教えてください。
A4: 東京外国語大学は、 2026(令和8)年度から言語文化学部および国際社会学部の選抜方法等を一部変更する予定であると発表しています。 したがって、2026年度の受験を考えている方は、必ず2025年7月頃に発表される最新の募集要項を東京外国語大学の入試情報ウェブサイトで確認してください。
Q5: 社会人でも受験できますか?
A5: はい、出願資格を満たせば社会人でも受験可能です。 募集要項の「趣旨」にも、社会人を対象とすることが明記されています。
Q6: 複数の学部・コースを併願できますか?
A6: 募集要項には併願に関する明確な規定は見当たりませんが、試験日程が同日であることなどから、実質的に難しいと考えられます。詳細は必ず募集要項を確認するか、大学入試課に問い合わせてください。
Q7: 編入後の単位認定はどのようになりますか?
A7: 言語文化学部、国際社会学部ともに、入学時に62単位が一括して自動認定されます。 入学後の2年間で、残りの卒業に必要な単位(卒業要件125単位)を修得することになります。

8. まとめ:東京外国語大学編入成功に向けて
東京外国語大学への編入学は、狭き門であり、決して簡単な道のりではありません。しかし、明確な目標と徹底した準備、そして何よりも「TUFSで学びたい」という強い意志があれば、道は開けます。
本記事で提供した情報が、あなたの受験戦略を立てる上で少しでも役立つことを心から願っています。重要なのは、常に最新の公式情報を確認し、それを基盤として対策を進めることです。特に2026年度以降の入試では変更点も予想されるため、大学からの発表には細心の注意を払ってください。
東京外国語大学という素晴らしい環境で、あなたの知的好奇心を満たし、将来の可能性を大きく広げるチャンスを掴み取るために、今日から一歩を踏み出しましょう。健闘を祈ります。
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