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元高専生の大学編入体験記~東京大学での大学生活~

「高専から東京大学に編入したら、実際どのような対策とキャンパスライフが待っているのか」——本記事は、高専の電気工学科出身で、令和2年度に大学編入試験を受験し、現在は東京大学工学部(物理工学科)に在籍する筆者自身の体験をまとめた東大編入の体験記です。大学編入とは、高専や短大、他大学に在籍する学生が選考試験を経て別の大学に途中年次から入学し直す制度で、専攻を大きく変えたい高専生にとって有力な進路の一つになります。東大編入というと情報が少なく不安に感じる方も多いと思いますが、実際に合格し、いま学生生活を送っている立場から等身大の体験をお伝えします。
この体験記では、「編入を志したきっかけ」「どのようなスケジュールで対策していたか」「大学入学後の生活」の3つを中心に、筆者が実際に歩んだ道のりを一人称で振り返ります。高専2年生で編入という選択肢を知った時の心境から、TOEIC・数学・専門科目の対策時期、志望理由書や過去問演習の進め方、そして東京大学に入学してからの授業の様子や友人関係まで、時系列に沿ってできるだけ具体的に書きました。数字や制度の細かな最新情報については、後述のリンク先の解説記事や各大学の公式募集要項もあわせてご確認ください。
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先に断っておくと、この体験記はあくまで一人の編入経験者の記録であり、対策方法や感じ方には個人差があります。それでも、情報戦になりがちな編入試験対策において、実際に合格した先輩がどのようなスケジュールで、何を考えながら進んでいたのかを知ることは、これから編入を目指す高専生にとって大きな道しるべになるはずです。ぜひ最後まで読んで、ご自身の対策計画を立てるヒントにしてください。
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はじめに―高専の電気工学科から東京大学工学部へ編入した体験談
自己紹介
こんにちは。私は令和2年度に高専から大学の編入学試験を受験して、現在は東京大学の工学部に在籍しています。出身は高専の電気工学科で、いまは東京大学の物理工学科3年生として学んでいます。まずは自己紹介を兼ねて、簡単なプロフィールを表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 高専の出身学科 | 電気工学科 |
| 編入試験の受験年度 | 令和2年度 |
| 編入した年次 | 2年次 |
| 現在の所属 | 東京大学工学部 物理工学科3年生 |
本記事で分かること
今回は私の経験をもとに、「編入を志したきっかけ」「どのようなスケジュールをもって対策していたか」「大学入学後の生活」などを語りたいと思います。情報戦になりがちな編入試験対策において、実際に合格した先輩の体験談は貴重な判断材料になるはずです。同じように高専からの編入を考えている方の参考になれば嬉しいです。
高専から大学編入を目指したきっかけ
「編入は狙えるかもしれない」と思った瞬間
編入を意識し始めたのは、高専2年生の時でした。一般入試と比べると試験科目が少なく、比較的パスしやすい(?)と思われる編入学試験の存在は入学前から知っていました。そして1年生の時の成績もよかったので、自分も難関大に入れちゃうんだろうかと考え始めました。
最初はただただ高学歴への憧れみたいなものが先行していたので、あまり勉強に集中できていませんでした。しかし、3年後期あたりに幸運にも物理学の魅力に気付き始め、真剣に編入を考えるようになりました。
物理学との出会いと専攻への疑問
それに、私は薄い動機で高専に入学したため、電気工学の内容に全く興味を持てず、このまま就職したら一生やりたくない仕事をやらされるのではという危機感を抱いていたことも大きな要因でした。専攻そのものへの疑問が、編入という選択肢を本気で検討するきっかけになったように思います。
東京大学を第一志望に選んだ理由
2年次編入を行っている東京大学ならば、他大学と比べて1年のゆとりがあるので、転学科を希望している自分に合っていると思い、第一志望としました。編入学は専攻を簡単に変えられる最後のチャンスであるような気がしますので、転学科を考えている人はぜひ色々な大学を調べてみてください。他学科の学生を受け入れているところは意外に多いです。東京大学工学部の編入試験の出願資格や試験科目については、東京大学工学部の編入試験を徹底解説の記事でも詳しく整理しているので、あわせてご覧ください。
編入対策のスケジュール①―英語(TOEIC)と情報収集
TOEIC対策は高専2年の冬から
2年の冬からTOEICの勉強だけは始めて、3年の冬にようやく満足するスコアを得ることができました。私は意識し始めた時期が早かったので何とかなりましたが、TOEIC対策に1年はさすがに時間をかけ過ぎなので、短時間で集中してやることをお勧めします。
英語が苦手で独学の仕方が分からないという人は、編入予備校やスプリング・オンライン家庭教師に頼ることが一番だと思います。少なくとも高専には英語が苦手な学生が多く、差がつきやすい科目ですので、英語が得意な人の知恵を借りて確実な勉強法を知っておくと大きなアドバンテージとなるでしょう。数学・理科・英語の科目別の対策法をより詳しく知りたい方は、理系大学編入の対策|数学・理科・英語の勉強法の記事も参考になります。
体験記・SNSを使った情報収集
TOEICを終わらせて、4年生になってからは、いくつか本を購入して物理の勉強に専念していました。「〇〇大学 編入 体験記」などと検索すれば、その大学の編入学試験に合格した人が使っていたテキストなどが紹介されている記事が出てきますので、参考にすることをお勧めします。
これは自分のレベルがどの程度にあるのかということを理解するためにもぜひやっていただきたいです。情報戦になりがちな編入試験対策において、先輩方の編入体験談は超貴重です。隅から隅まで読みつくしましょう。また、SNSや学習記録アプリを使って同年代の編入志望の学生と交流するのも手です。自分が持っていない過去問題集をいただけたり、分からない問題があれば気軽に相談したりすることもできますので、私はよく活用していました(ただし、SNS中毒にはお気を付けて)。
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編入対策のスケジュール②―数学・専門科目と志望理由書
数学対策で意識したこと(基礎公式の徹底)
4年の後期からは数学の勉強も開始しました。皆さんは編入学試験の数学に対してはどのような印象を抱いていらっしゃいますか。「大学数学が編入試験範囲に含まれるんだから、きっとすごく難しいんだ」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
たしかに、やっている内容自体は高尚で高校数学と比べると少し難しいのですが、問題として問われるのは極めて基本的なことばかりだったりします。東京大学の試験でさえ、教科書の例題問1みたいな問題が出題されることが多々あります。
編入試験対策において第一に重視されるのは、理論をしっかり理解して応用問題を解けるようになるだけの思考力を得ることではなく、基礎公式の使い方を確実にマスターして、簡単な問題を落とさないことにあると私は思います。これだけでも意外に難関大の問題にも手がつけられたりします。
志望理由書(願書)は春休みのうちに
意外と忘れがちなのが、願書の作成についてです。編入試験の募集要項は大体4〜5月に発表されますので、春休み中に志望理由書に書くことを考えておくことをお勧めいたします。高専の授業、編入試験対策と並行しながらの願書作成はなかなか難しいので、時間のあるうちに済ませましょう。志望理由書の構成や書き方に不安がある方は、大学編入志望理由書の添削ガイド|受かる構成と例文の記事もあわせて参考にしてみてください。
過去問演習と添削(高専5年〜)
過去問演習を開始したのは5年になってからです。20年分くらいの過去問題をSNSを通じて知り合った他高専の学生から貰い、ひたすら解いては高専の先生に添削してもらってました。信用できる人を何人か見つけて、この添削の作業をお願いしてみてください。5年にもなると応用問題も少しずつ解けるようになってきていると思いますので、メインとなる対策は細かい理解のミスなどを見つけることになります。この作業は自分だけではできないので、ぜひ高専の先生や、私たちに頼っていただければと思います。
私自身の対策の流れを時期ごとに整理すると、下の表のようになります。あくまで一例ですが、スケジュールを組む際の参考にしてください。
| 時期 | 取り組んだこと |
|---|---|
| 高専2年生 | 編入学試験の存在を知り、意識し始める |
| 高専2年冬〜3年冬 | TOEIC対策(約1年間) |
| 高専3年後期 | 物理学の魅力に気付き、本格的に編入を決意 |
| 高専4年生 | 体験記・SNSでの情報収集、物理の参考書学習 |
| 高専4年後期 | 数学の対策を開始 |
| 4〜5月(募集要項発表期) | 志望理由書(願書)の準備 |
| 高専5年生 | 過去問演習(約20年分)と添削依頼 |
編入後の大学生活①―友人関係とサークル・自主ゼミ
編入を考えている人はやっぱり、「入学後に友人ができるかどうか」と不安に思うこともあるのではないでしょうか。大学内ではすでにコミュニティができているので、輪に入りづらいと感じる場面もあるでしょうが、勇気を出して自分から接してみてくださいね。編入生の知り合いで、友人ができないと言っている人は一人も見かけませんので、皆さんとても暖かく迎えてくれると思いますよ。
例えば機械、電気、電子系の高専生ならば、ロボコンサークルに入ってみるのはいかがでしょうか。高専生は即戦力になるのでちやほやされているという話をよく聴きます。また僕の場合、物理、数学の自主ゼミを開いたりしてみました。同じ趣味嗜好を持つ学生がたくさん存在する大学という好環境を最大限利用してやりましょう。
編入後の大学生活②―東京大学での学びと忙しさ
ほとんどの大学には3年次に編入することになるのですが、東京大学など一部の大学では2年次編入を採用しています。ですので、私は最初の1年は第2外国語などの一般教養科目も履修することになりました。この機会に自分の専門にとどまらず、生物学や経済学の講義も聴いてみたりして知見を広げることができたので、1年遅れることになりましたが一切後悔はありません。
3年生に進級してからは専門科目が盛りだくさんです。日本どころか世界をけん引する教授陣によって行われる実験の授業と座学はどちらも非常に質がよく、本当に勉強になることばかりです。
ただし、量も半端ないです。私の高専では1年半かけてやる数学の内容をさらに濃くしたものを、半年で終わらせてしまいます。高専ですら授業進度が早いと言われていますが、その比ではないことだけは覚悟しておいてください。
非情なまでの超高速授業に加えて、毎週3本くらいの実験と演習授業のためのレポート提出が課されますので本当に忙しいんですが、やっと本当に勉強したいことが学べてすごく充実していると感じられています。僕だけに限らず、編入試験を受けようと思う変わり者にはきっとこの忙しさは楽しめると思いますよ。
私の周りの編入生もみんな上手くやっていますので、これは間違いないと思います。やる気があって血気盛んな高専生、大学生の方はぜひ編入試験にチャレンジしてみてください。
よくある質問(FAQ)
高専生が大学編入を意識し始めるのはいつ頃が多いですか?
筆者の場合、高専2年生の頃から編入学試験の存在を知り、一般入試より試験科目が少ないことに関心を持ったのがきっかけでした。1年生の成績が良かったことも背中を押しましたが、当初は憧れが先行し勉強に本腰が入っていなかったといいます。3年生の後期に物理学の面白さに気づいたことで、はじめて真剣に編入を考えるようになったそうです。
東京大学を編入の第一志望にした理由は何ですか?
東京大学工学部は数少ない「2年次編入」を実施している大学の一つで、3年次編入が主流の他大学と比べて1年分の時間的な余裕があります。転学科を考えていた筆者にとって、専攻を大きく変えられる最後のチャンスに思えたことが東京大学を選んだ理由でした。
TOEIC対策はいつから、どのくらいの期間で行いましたか?
高専2年の冬から取り組み始め、3年の冬に納得のいくスコアに達したといいます。1年近く時間をかけたものの、本人は時間をかけすぎたと振り返っており、短期間で集中して仕上げることを勧めています。独学が難しい場合は編入予備校やオンライン家庭教師の活用も選択肢です。
数学や専門科目の対策はいつから始めましたか?
高専4年の後期から本格的に取り組み始めました。大学数学は範囲としては高度でも、実際に問われるのは教科書レベルの基本的な問題が中心であることが多く、応用力よりも基礎公式を確実に使いこなす力が重視されると述べています。
志望理由書(願書)はいつ頃から準備すればよいですか?
編入試験の募集要項は多くの大学で4〜5月頃に発表されます。高専の授業や試験対策と並行しながらの願書作成は負担が大きいため、時間に余裕のある春休みのうちに、志望理由書に書く内容を考え始めておくことが勧められています。
過去問はどのように入手・活用しましたか?
SNSを通じて知り合った他高専の学生から、20年分ほどの過去問題を譲ってもらい、高専5年になってから解き進めたそうです。解いた答案は高専の先生に添削してもらい、信頼できる第三者に添削を依頼することの重要性を強調しています。
編入後、大学で友人はできますか?
入学後に友人ができるかどうかは編入を考える人が抱きがちな不安ですが、筆者の周りで友人ができなかったという編入生は一人もいなかったといいます。既存のコミュニティに勇気を出して飛び込むことで、暖かく迎えてもらえるケースが多いようです。
編入後の大学生活はどのように変わりましたか?
東京大学の場合、2年次編入のため1年目は一般教養科目も履修し、3年生からは専門科目が一気に増えます。授業の進度が高専時代よりもさらに速く、実験とレポートに追われる忙しさがある一方、学びたかったことを学べる充実感も大きいと語っています。
まとめ|高専からの大学編入・東大編入を目指す方へ
高専の電気工学科から東京大学工学部への編入を経験した筆者の体験記を振り返ると、編入を志したきっかけ・対策スケジュール・編入後の生活のいずれにも、これから編入を目指す方の参考になるポイントが詰まっています。要点を以下に整理します。
- 編入を意識し始めた時期や動機は人それぞれだが、専攻への疑問や向学心が原動力になりうる
- 東京大学は数少ない2年次編入実施校で、転学科を考える高専生にとって有力な選択肢になりうる
- TOEIC対策は高専2年〜3年のうちに短期集中で仕上げるのが効率的
- 数学・専門科目は高専4年後期からでも、基礎公式の徹底で難関大レベルに対応できる
- 志望理由書は募集要項が出る前の春休みから準備を始めると安心
- 過去問は先輩・同世代とのつながりを通じて入手し、第三者の添削を受けることが合格への近道
- 編入後の大学生活は忙しさもあるが、専攻を変えて学びたいことを学べる充実感が大きい
本記事を寄稿してくれた講師は、これまでにスプリング・オンライン家庭教師で数多くの指導経験があります。数学や物理の指導を大変得意としており、面倒見がよいことから生徒様からの信頼が厚く、大変人気がある講師です。高専生で編入を検討している方はもちろん、それ以外の方もぜひお気軽にお問い合わせください。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。志望校別に専門講師とマンツーマンで対策を進めたい方は、大学編入対策コースの無料相談もあわせてご検討ください。
監修者・執筆者情報
監修者:春山正翔
スプリング・オンライン家庭教師代表、株式会社Spring Knowledge代表取締役。令和の虎youthに虎として出演。自身も大学編入・大学院入試を経験し、指導者として大学編入・大学院入試で数多くの合格者を輩出している。
執筆者:スプリング・オンライン家庭教師 編集部
まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?
スプリング・オンライン家庭教師のプロ講師が、現在の学力・志望校・残り期間に合わせて、必要な対策を個別に整理します。
- 大学編入のプロ講師が最適な受験戦略を提案
- 今後の大学編入の勝ち筋が見える。
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