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広島商船高専の偏差値と進路|学科・生徒数・大学編入の実績

【大学編入】広島商船高専とは!?商専の特色、大学編入の状況の記事アイキャッチ画像。大学編入対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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広島商船高等専門学校(広島商船高専)は、広島県豊田郡大崎上島町にある国立の商船系高等専門学校で、2025年度からは商船学科と総合科学科の2学科体制で技術者を育てている学校です。全国でも数少ない商船系の高専の1つであり、海運・物流・電子制御・情報という領域を、5年一貫(商船学科は5年半)のカリキュラムで学べる点が最大の特徴といえます。この記事では、広島商船高専の特色と、卒業後の進路として選ばれている大学編入の状況を、学校が公表している一次情報をもとに整理していきます。

最初に押さえておきたいのは、広島商船高専が2025年4月に学科編成を大きく変えたという事実です。それまでの商船学科・電子制御工学科・流通情報工学科という3学科体制から、電子制御工学科と流通情報工学科を発展統合した「総合科学科」(定員100人)と、従来からの「商船学科」(定員40人)による2学科体制へ移行しました。2024年度入学生までは旧3学科のカリキュラムが在学生向けに継続するため、「広島商船高専の学科は何か」という問いには、入学年度によって答えが変わる状態になっています。インターネット上には旧学科のままの説明も多く残っているので、受験や編入の情報収集をするときは、その情報がいつ時点のものかを必ず確認してください。

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もう一つ、大学編入を考えている方に先にお伝えしておきたいのは、広島商船高専は「進学一色の高専」ではないという点です。学校が公表している令和7年度の進学・就職状況を見ると、各学科とも卒業者の大半が就職しており、求人倍率は学科によって12倍台から23倍台という高い水準にあります。つまり、就職の門が非常に広く開いている環境のなかで、あえて大学編入という道を選ぶ学生が一定数いる、という構図です。編入志望者が校内で少数派になりやすいという事実は、不利な条件というより、準備の設計を変えるべき理由として受け止めるのが現実的です。周囲に同じ目標の仲間が少ない分、情報も演習相手も自分で確保する必要があるからです。

本記事では、広島商船高専の沿革と位置づけ、大崎上島という立地と寮生活、2025年度からの学科構成、商船学科が5年半である理由と海技士免許、偏差値や定員から見た学校規模、令和7年度の就職データ、大学編入と専攻科進学の比較、そして編入対策のロードマップまでを順に解説します。数値はいずれも公表年度を明記していますので、実際に出願を検討する段階では、必ず最新の募集要項および学校公表資料をご確認ください。高専から大学編入を検討している方が判断に必要とする材料を、この1本にまとめました。

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目次

広島商船高等専門学校(広島商船高専)とは|沿革と商船系高専での位置づけ

広島商船高専は、船と物流に強い国立の高等専門学校です。高等専門学校は中学校卒業後に入学し、5年間(商船学科は5年半)かけて専門教育を受ける高等教育機関で、大学の一般教養課程にあたる時期から専門科目に触れられるところに特徴があります。そのなかでも商船系高専は、船舶の運航や機関の管理といった海事分野の専門教育を担う学校群として位置づけられており、広島商船高専はその一角を占める学校です。単なる「工業高専の一種」ではなく、海事教育の系譜を引き継いでいる点が、他の高専との決定的な違いになります。

「商専」という通称と高等専門学校という制度

広島商船高専は、地元や卒業生のあいだで「商専(しょうせん)」と呼ばれることがあります。商船高専の略称として定着した呼び方で、検索する際に「商専 編入」といった語で情報を探す人もいます。ただし全国共通の呼称ではないため、公式な書類や出願書類では正式名称である広島商船高等専門学校を使ってください。

制度の面をあらためて確認しておくと、高等専門学校は学校教育法に基づく高等教育機関であり、高校と同じ枠組みではありません。卒業すると準学士の称号が与えられ、大学の3年次編入学の出願資格を得られるのが最大の特徴です。普通科高校から大学へ進む場合と比べ、専門教育に触れる時期が2年ほど早く、卒業研究まで経験したうえで大学へ移ることになります。この「専門を先に学んでから大学へ行く」という順序が、高専生の編入試験における強みの源泉です。

広島商船高専の基本プロフィール

まずは全体像を数字と事実で押さえておきましょう。以下は学校公式サイトおよび公開情報から確認できる基本情報です。年度によって変わりうる項目については、出願時に最新情報を確認してください。

項目内容
正式名称広島商船高等専門学校(通称:広島商船高専・商専)
設置区分国立(独立行政法人国立高等専門学校機構)
所在地〒725-0231 広島県豊田郡大崎上島町東野4272-1
高専としての設置1967年6月1日
前身1898年5月10日創立の芸陽海員学校
学科(2025年度〜)商船学科(定員40人)/総合科学科(定員100人)
専攻科海事システム工学専攻/産業システム工学専攻

ここで注目したいのは、高専としての設置が1967年であるのに対し、その源流が1898年創立の芸陽海員学校にさかのぼるという点です。学校としての歴史は120年を超えており、海事人材を育ててきた蓄積が、現在の商船学科のカリキュラムや練習船を使った実習体制に直結しています。編入試験の面接や志望理由書で「なぜこの高専で学んだのか」を語る際、この歴史的背景は説得力のある材料になります。

芸陽海員学校から続く沿革

広島商船高専の沿革は、瀬戸内海の海運とともに歩んできた歴史そのものです。1898年に芸陽海員学校として創立された後、1940年7月1日に文部省直轄となって広島商船学校と改称し、1951年4月1日には広島商船高等学校となりました。そして1967年6月1日、高等専門学校制度のもとで広島商船高等専門学校として再出発しています。2004年4月1日には、他の国立高専とともに独立行政法人国立高等専門学校機構へ移行しました。

学科構成も時代に合わせて何度も見直されてきました。1985年4月1日には航海学科1学級を流通情報工学科へ改組し、1988年4月1日には航海学科と機関学科を商船学科・電子制御工学科へ改組しています。海の専門学校から、海と陸の両方を扱う学校へと守備範囲を広げてきた流れが、ここから読み取れます。2025年度の総合科学科の設置も、この延長線上にある改組だと理解すると位置づけがつかみやすくなります。

商船系高専としての位置づけと進路の幅

商船系高専の特徴は、進路が「海」だけに閉じていないことです。商船学科は船舶職員という明確な出口を持つ一方で、電子制御・情報・流通を扱う学科群は、製造業・インフラ・IT・物流など陸上の産業に幅広く人材を送り出しています。広島商船高専が長年、産業界や国・地方自治体、教育機関へ卒業生を輩出してきたのは、この二本立ての構造があるからです。

もう少し具体的に言えば、商船系高専は「海事教育の専門機関」と「地域の技術者養成機関」という2つの顔を持っています。前者は国際条約や国内法に基づく船舶職員養成の枠組みのなかで運営されており、カリキュラムの一部は資格制度と直結しています。後者は地域産業を支える技術者を育てる役割で、電子制御や情報・流通といった分野がこれに当たります。2つの役割が1つの校舎に同居しているという構造が、広島商船高専の独特な雰囲気を生んでいます。

大学編入という観点で見ると、この構造は選択肢の広さにつながります。商船学科で学んだ人は海事・海洋系の学部を志望する道筋が描きやすく、電子制御や情報・流通を学んだ人は工学部や情報系・経営情報系の学部へ進む道が開けます。出身学科によって編入先の現実的な射程が変わるため、志望校選びは学科の学習内容から逆算するのが基本です。編入という選択肢そのものの全体像を知りたい方は、大学編入とは?完全ガイドもあわせてご覧ください。

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広島商船高専の所在地とキャンパス環境|大崎上島へのアクセス・寮・ロボコン

広島商船高専を語るうえで避けて通れないのが、キャンパスが「島」にあるという事実です。所在地は広島県豊田郡大崎上島町東野4272-1で、瀬戸内海に浮かぶ大崎上島の東側に位置しています。本州と橋でつながっていない離島にある高専であり、通学にはフェリーが必要になります。この立地は好き嫌いが分かれるポイントですが、海事教育を行う学校としては目の前が実習フィールドという合理性があります。

フェリーを使ったアクセスの実際

大崎上島へは複数の航路が使えます。学校公式のアクセス案内によれば、竹原港から垂水港までが約25分、竹原港から白水港までが約30分、安芸津港から大西港までが約30分です。港からキャンパスまでは、垂水港なら徒歩約50分かタクシーで約9分、白水港なら徒歩約30分かタクシーで約5分、大西港なら徒歩約60分かタクシーで約20分という距離感になります。

出発港到着港所要時間港から学校まで
竹原港垂水港約25分徒歩約50分/タクシー約9分
竹原港白水港約30分徒歩約30分/タクシー約5分
安芸津港大西港約30分徒歩約60分/タクシー約20分

数字だけ見ると遠く感じるかもしれませんが、本土からフェリーで30分ほどで渡れる距離であり、学校の近くにはスーパーマーケットもあります。ダイヤは季節や事業者の改定で変わるため、オープンキャンパスや受験で訪れる際は、当日の便を必ず事前に確認してください。詳細は広島商船高専の公式アクセス案内に掲載されています。

全国から学生が集まる寮のある環境

離島にキャンパスがあることの帰結として、広島商船高専は寮生の比率が非常に高い学校です。取材記事では、在校生およそ600人のうち約7割が寮生で、北は北海道から南は熊本や宮崎まで全国各地から学生が集まっていると紹介されています。これは学校の公式発表ではなく取材時点の紹介ですが、寮を前提とした学校生活である点は間違いありません。

寮生活が学習に与える影響は、編入を考える人にとって見逃せない要素です。通学時間がほぼゼロで、生活圏に学習環境が集約されているため、まとまった自習時間を確保しやすい環境だといえます。一方で、大都市圏のように編入予備校の教室に通うという選択肢は現実的ではありません。オンラインで指導を受けられる体制を早めに用意しておくことが、島に住みながら編入対策を進めるうえでの現実的な解になります。

もう一つ、寮生活には人間関係が濃密になるという特徴があります。同じ建物で生活と学習の両方が完結するため、先輩から専門科目のコツを教わったり、実験レポートを一緒に仕上げたりといった相互扶助が起きやすい環境です。先輩とのつながりが情報源になるという点は、編入対策でも活きます。志望校が同じ先輩を見つけられれば、過去問や面接の様子といった校内では手に入りにくい情報にたどりつける可能性があります。入学後の早い段階で、進学を選んだ先輩がいるかどうかを教員に尋ねておくとよいでしょう。

ロボコンなど課外活動の実績

学業以外の活動も活発です。高等専門学校ロボットコンテスト(ロボコン)では、中国地区大会で継続的に入賞しています。過去の成績を年度別に整理すると次のとおりです。以下は本記事の旧版に掲載していた実績を引き継いだもので、最新年度の成績は学校公式の発表をご確認ください。

年度中国地区大会での主な成績
2022年度Aチーム(紙色参羽)デザイン賞/Bチーム(Precise Landing)準優勝
2021年度Bチーム(どうぶつ動話)特別賞
2020年度Aチーム(華火)アイデア賞/Bチーム(Precise Landing)準優勝
2019年度Bチーム 特別賞
2018年度Aチーム(紫電☆一閃)優勝/Bチーム(茶屋妖)特別賞

表を見ると、中国地区大会で優勝や準優勝、デザイン賞・アイデア賞・企業特別賞といった評価を継続的に受けていることがわかります。1学年120人前後という小さな規模の学校でこれだけの成績を残せているのは、少人数で機材と指導に触れられる環境があるからだと考えられます。学生1人あたりが手を動かせる時間が長いという高専の利点が、そのまま成果に表れている例といえます。

ロボコンのような活動は、単なる課外活動にとどまりません。設計・製作・試験・改良というプロセスを自分の手で回した経験は、編入試験の口頭試問や面接で強い持ち球になるからです。「高専で何に取り組んだか」を問われたとき、具体的な技術課題と解決策を語れる学生は、志望動機の説得力が大きく変わります。

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広島商船高専の学科構成|2025年度からの「総合科学科+商船学科」2学科体制

広島商船高専の情報を調べるとき、最も混乱しやすいのが学科構成です。2025年4月に新学科編成が始まったため、入学年度によって在籍する学科名が異なります。この節では、新旧の対応関係を整理して、どの情報を見るべきかをはっきりさせます。

2025年度の学科再編で何が変わったのか

学校公式の特設サイトによれば、2025年4月から総合科学科(定員100人)と商船学科(定員40人)の2学科体制になりました。総合科学科は、それまでの電子制御工学科と流通情報工学科を発展統合して誕生した学科です。公式は「今まで2つの学科で学んでいたことは引き続き総合科学科で学ぶことができます」と説明しており、学べる内容が失われたわけではなく、入口を1つにまとめて3年次からコースで枝分かれする形に変わったと理解するのが正確です。

時期学科構成入学定員
2024年度入学生まで商船学科/電子制御工学科/流通情報工学科各学科40人(計120人)
2025年度入学生から商船学科/総合科学科商船40人+総合科学100人(計140人)

この表からわかるとおり、入学定員は120人から140人へ増えています。学科の看板は減りましたが、受け入れる学生数はむしろ拡大した形です。「学科が減った=規模縮小」という誤解が生じやすいところなので、受験を考えている中学生やその保護者の方は、この点を正確に押さえておいてください。

総合科学科の4コースと商船学科の2コース

総合科学科では、3年次から電子システムコース、電子情報コース、流通情報コース、流通マネジメントコースの4コースに分かれます。前半2つは電子制御工学科の系譜、後半2つは流通情報工学科の系譜にあたる領域です。商船学科も3年次から航海コースと機関コースの2コースに分かれます。入学時点で専門を確定せず、2年間学んでから決められる設計は、中学生の段階で進路を絞りきれない受験生にとって大きな利点です。

学科3年次からのコース主な学びの方向
総合科学科電子システムコース電子回路・制御・メカトロニクス系
総合科学科電子情報コース情報処理・組込み・通信系
総合科学科流通情報コース物流・情報システム系
総合科学科流通マネジメントコースビジネス・地域経済・経営系
商船学科航海コース船舶の安全運航
商船学科機関コース船舶の推進装置と機器管理

コース分けが3年次である点は、編入を考えるうえでも意味があります。3年次に選んだコースの専門科目が、そのまま編入試験で課される専門科目の土台になるからです。電子システムコースを選べば電気回路や電子回路が、流通情報コースを選べば情報系や物流系の科目が中心になり、受験できる学部の現実的な範囲がここで決まっていきます。将来の進学先をある程度イメージしてからコースを選ぶことが、後の選択肢を広く保つ近道です。

電子制御工学科・流通情報工学科は在学生向けに継続

2024年度入学生までの在学生は、引き続き電子制御工学科および流通情報工学科の学生として学びます。公式サイトにも「〜2024年度入学生」と明示された学科ページが用意されています。したがって、今この記事を読んでいる方が広島商船高専の4年生・5年生であれば、所属は旧学科のままです。編入の出願書類には自分の在籍学科名を正確に書く必要があるため、この点は取り違えないよう注意してください。

教育理念とアドミッションの考え方

広島商船高専は、「豊かな人間性と国際性及び、強い精神力と高い倫理意識を持ち、将来社会において活躍するための基礎となる知識と技術を身につけ、さらに生涯にわたって学ぶ力を備えた人材を育成する」という教育理念を掲げています。海事分野は国際的なルールのもとで動く世界であり、国際性と倫理意識が理念の中心に据えられているのは自然な流れです。この理念は編入試験の面接で「高専で何を身につけたか」を語る際の骨組みとしても使えます。

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商船学科の5年半と海技士免許|練習船・乗船実習のしくみ

広島商船高専の商船学科は、他学科と修業年限が違います。本校での授業と実習が4年半、その後に1年間の乗船実習で計5年半という構成です。この「半年長い」という事実は、大学編入や就職のスケジュールに直接影響するため、商船学科の学生も、商船学科を志望する中学生も、必ず理解しておくべき点です。

なぜ商船学科だけ5年半なのか

理由は、船舶職員になるために必要な乗船履歴を教育課程のなかで積むからです。学校公式の説明によれば、本校での授業と実習を4年半行った後、独立行政法人海技教育機構の練習船における1年間の乗船実習を行います。合計すると5年半です。座学と校内実習だけでは船を動かす技能は身につかないため、実際の航海に出る期間がカリキュラムに組み込まれているわけです。

この構造は、進路選択のタイミングにも影響します。一般的な高専の学生が5年生の夏から秋に編入試験を受けるのに対し、商船学科の学生は乗船実習との兼ね合いを考えなければなりません。受験できる時期と実習期間が重なる可能性があるため、編入を視野に入れているなら、担任やクラス担当の先生に早い段階でスケジュールを確認しておくことを強くおすすめします。

練習船「広島丸」を使った校内実習

校内実習の中心にあるのが練習船「広島丸」です。公式サイトでは、広島丸により船内宿泊(2泊および3泊)をともなう航海実習を行うと説明されています。瀬戸内海という比較的穏やかな海域で、学生が主体となって操船や出入港作業を行う形式です。教室で学んだ理論を、船という現場でそのまま検証できる環境は、商船系高専でなければ得られない経験といえます。

編入の観点でいえば、この実習経験は志望理由書の素材として非常に強い材料になります。実務に触れたうえで学術的な問いを持ったという順序で語れる受験生は、大学側から見て動機の一貫性が伝わりやすいからです。「航海中に感じた課題を工学的に解きたい」「物流の非効率を現場で見たので研究したい」といった筋書きは、机上の志望動機とは重みが違います。

3級海技士(航海・機関)と筆記試験の免除

商船学科の大きな出口が海技士免許です。公式サイトによれば、卒業時に3級海技士(航海・機関)の筆記試験が免除されます。ただし、資格を実際に取得するには乗船履歴と口述試験が必要です。筆記免除であって免許が自動で交付されるわけではない点は、正確に理解しておく必要があります。

項目内容
修業年限本校4年半+乗船実習1年=計5年半
コース分け3年次から航海コース/機関コース
校内実習練習船「広島丸」で船内宿泊をともなう航海実習
海技士免許卒業時に3級海技士(航海・機関)の筆記試験が免除
免許取得の条件乗船履歴および口述試験が必要

海事分野の人材需要と進路の広がり

商船学科の学びが向かう先は、外航海運や内航海運、船舶管理、造船、港湾、海上保安といった海事関連の分野です。日本は資源とエネルギーの多くを海上輸送に依存しており、船舶職員は社会インフラを支える専門職として安定した需要があります。令和7年度の商船学科の求人倍率が12.4倍という水準にあることも、この需要の裏づけといえます。

ただし、商船学科を出たからといって進路が海に限定されるわけではありません。機関コースで学ぶ熱力学・材料力学・電気工学といった内容は、陸上のプラントや製造業でも通用する知識です。海で身につけた技術は陸でも応用できるという前提に立てば、大学編入で工学系の学部を志望するという選択も十分に現実的になります。志望理由書では、海事の現場経験をどう学術的な問いに変換したかを説明できると評価につながります。

この免許は、大学編入を選んだ場合でも消えるものではありません。海事系の学部へ進む人にとっては専門性の証明になりますし、陸上の学部へ進む人にとっても、実務資格を持って学ぶ学生という独自のポジションを生みます。制度の詳細は改定されることがあるため、商船学科の公式ページで最新の情報をご確認ください。

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広島商船高専の偏差値・定員・学生数のリアル

受験生と保護者が最も気にするのが偏差値です。しかし高専の偏差値は、一般の高校受験の偏差値と同じ感覚で読むと判断を誤ります。この節では、偏差値という指標の性質を整理したうえで、定員と学生数から学校の規模感をつかんでいきます。

偏差値の数字はどう読むべきか

まず前提として、高専が公式に偏差値を発表することはありません。ウェブ上で見かける数値は、民間の受験情報サイトが模試データや合否実績から推計したものです。広島商船高専についても、複数の情報サイトで50前後という数値が示されてきましたが、サイトごとに算出方法が異なるため数値にはばらつきがあります。旧版の本記事でも53という数値を紹介していましたが、これも民間推計であり、年度によって変動します。

より重要なのは、母集団が高校受験全体とは異なるという点です。高専を受験する層は理系志向が強く、全国から集まります。同じ偏差値表示でも、実際の競争の質は普通科高校とは別物だと考えたほうがよいでしょう。志望校判定は、必ず学校説明会や模試の高専専用判定、そして中学校の進路指導と併せて行ってください。

定員から見た学校の規模

学校の規模を客観的に測るには、偏差値より定員のほうが確かな指標です。2024年度入学生までは3学科各40人で入学定員120人、2025年度入学生からは総合科学科100人と商船学科40人で入学定員140人という構成になりました。学年定員が140人ということは、5学年でおよそ700人規模の学校になっていく計算です。

旧版の本記事では、入学定員120人・総定員640人という数字とあわせて、令和4年時点で5学年に671名が在籍し、そのうち女子学生が153名であると紹介していました。おおよそ4人強に1人が女子学生という比率であり、工業系高専の平均と比べて低い数字ではありません。ただしこれらは令和4年時点の数値であり、その後の学科再編で在籍構成は変わっています。最新の在籍者数は学校公表資料でご確認ください。

指標数値時点
入学定員120人(3学科各40人)2024年度入学生まで
入学定員140人(総合科学100人+商船40人)2025年度入学生から
在籍者数5学年で671名令和4年(旧版記事の記載)
女子学生数153名令和4年(旧版記事の記載)

入学者選抜の方式と準備の考え方

高専の入学者選抜は、一般に推薦による選抜と学力検査による選抜の2本立てで行われます。推薦では調査書と面接、志望理由などを総合して判断し、学力検査では数学・英語・理科・国語・社会といった教科の試験が課されるのが一般的です。広島商船高専においても、実施方式や配点、出願要件は年度ごとに募集要項で定められます。方式や日程は年度で変わる可能性があるため、受験を考える中学生は、必ず当該年度の学生募集要項を取り寄せて確認してください。

準備の考え方として押さえておきたいのは、高専入試は理数科目の比重が実質的に大きいという点です。入学後のカリキュラムが早い段階から専門科目に入るため、数学と理科の基礎が固まっているかどうかが、入学後の学習の快適さを左右します。編入まで見据えるなら、中学段階の数学の取りこぼしが5年後に効いてくるという視点を持っておくと、入試対策の優先順位が定まります。

寮を前提とした学生生活が学力に与える影響

離島にあり、在校生の多くが寮生という環境は、学習面で独特の条件を生みます。良い面は、通学に時間を取られず、規則正しい生活リズムのなかで自習時間を確保しやすいことです。1日1時間の通学時間がないだけで年間300時間以上の差が生まれる計算になり、編入対策のような長期戦では無視できません。

一方で課題もあります。都市部のように編入専門の予備校へ通うことができず、書店で参考書を比較して選ぶことも難しい環境です。情報も教材もオンラインで取りに行く姿勢が求められます。編入対策をいつから始めるべきかという時間設計については、大学編入の勉強はいつから始めるべきかで学年別の目安を解説していますので、あわせて参考にしてください。

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広島商船高専の就職状況|令和7年度の求人倍率と内定率

広島商船高専の進路を語るうえで、就職の強さは外せません。学校が公表している令和7年度の進学・就職状況を見ると、全学科で内定率100%、求人倍率は12倍台から23倍台という水準です。この数字の意味を正しく理解することが、大学編入という選択を検討する出発点になります。

学科別の卒業者数・就職者数・求人倍率

学校公式の進学・就職状況ページに掲載されている令和7年度のデータを整理すると、次のとおりです。求人倍率は、1人の卒業予定者に対して何件の求人が寄せられたかを示す指標です。

学科卒業者数就職者数求人倍率内定率
商船学科40名35名12.4倍100%
電子制御工学科36名32名23.8倍100%
流通情報工学科41名31名20.3倍100%

電子制御工学科の23.8倍という数字は、1人あたり24件近い求人が届いている計算になります。就職を選べば選択肢に困ることはまずない環境だといってよいでしょう。なお、卒業者数と就職者数の差にあたる学生が進学等に進んでいると推測されますが、学校はその内訳を同ページで公表していません。進学者数の正確な数値は、学校の公表資料や進路指導の担当者に直接ご確認ください。

求人倍率が高くなる理由は、高専生が「即戦力に近い」と評価されているからです。5年間の一貫教育で専門科目を積み、実験・実習・卒業研究まで経験した状態で社会に出るため、採用側から見れば教育コストが小さく済みます。学科ごとに産業界とのつながりが形成されていることも、安定した求人につながっています。商船学科なら海運会社や船舶管理会社、電子制御系なら製造業やインフラ、流通情報系なら物流・情報サービスといった方向が中心です。

専攻科修了者の就職はさらに強い

専攻科修了者の数字はさらに顕著です。令和7年度は、産業システム工学専攻が修了者2名で求人倍率387倍・内定率100%、海事システム工学専攻が修了者3名・就職者3名で求人倍率80倍・内定率100%でした。母数が小さいため倍率の数値は極端に振れますが、専攻科修了者への求人需要が非常に高いという傾向は読み取れます。

専攻修了者数求人倍率内定率
産業システム工学専攻2名387倍100%
海事システム工学専攻3名80倍100%

専攻科は、本科の卒業研究を発展させる形で研究を継続できる仕組みです。学校公式の説明によれば、修了後に審査を受けて一定の条件を満たした人は大学卒業と同じ学士の学位を取得でき、学位を得たうえで大学院へ進むこともできます。就職でも進学でも出口が用意されていることが、専攻科という選択肢の強さです。募集人員は限られるため、進学を考える場合は3年生から4年生のうちに担当教員へ相談しておくとよいでしょう。

「就職が強い」環境が編入志望者に与える影響

就職が強いことは、編入志望者にとって二面性を持ちます。プラス面は、万一編入がうまくいかなかった場合の受け皿が確保されているという安心感です。就職という確実な選択肢がある状態で挑戦できるのは、普通科高校から大学受験に臨む生徒にはない強みです。

マイナス面は、校内の空気が就職に傾きやすいことです。周囲の大半が就職活動を進めるなかで編入対策を続けるには、精神的なタフさと、外部にペースメーカーを持つ工夫が要ります。同級生と同じ教材や同じスケジュールで動けないため、自分専用の計画表を早い段階で作り、進捗を客観的に確認してくれる相手を確保しておくことが現実的な対策になります。

旧版の本記事では、令和3年度に130名が卒業し、うち112名が就職、11名が進学、その他7名という数字を紹介していました。この年度も進学は全体の1割弱にとどまっています。年度が変わっても大枠の傾向は大きく変わっていないと考えられますが、最新年度の数値は必ず学校公表資料で確認してください。

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広島商船高専からの大学編入の状況|専攻科進学との比較

ここからが本題です。広島商船高専から大学編入を目指す場合、何を前提に、どのような選択肢を比較すればよいのかを整理します。結論から言えば、編入は制度として開かれているが、校内では少数派という状況です。そのうえで、専攻科進学という有力な代替ルートが併存しているのが広島商船高専の特徴になります。

大学編入は少数派という前提を受け入れる

令和7年度の卒業者数と就職者数の差から見ても、進学に進む学生は各学科で数名から10名程度の規模と考えられます。この規模感は、学年に編入志望者が数人しかいないことを意味します。つまり、志望校が同じ先輩の体験談が手に入る確率は低く、過去問の入手経路や情報の蓄積も限られます。

この前提を受け入れると、対策の方向性が定まります。校内の情報だけに頼らず、志望大学の公式サイトから募集要項と過去問を自分で集め、外部の指導者や教材で不足を補うという設計です。逆にいえば、情報戦で先に動いた人が有利になりやすい環境ともいえます。校内に競争相手が少ないぶん、正しい準備さえできれば結果に結びつけやすい面があります。

もう一点、出願資格の確認も早めに済ませておくべき項目です。高専を卒業した人および卒業見込みの人は、大学の3年次編入学に出願できるのが原則ですが、大学や学部によっては2年次編入となる場合や、学科の系統に制限を設けている場合があります。修得単位数の要件が定められているケースもあり、要件を満たしているかは募集要項でしか確認できません。志望校を絞った段階で、出願資格の条文を自分の目で読む習慣をつけてください。

過去に公表されていた編入先の例

旧版の本記事では、令和3年度に東京海洋大学、神戸大学、長岡技術科学大学へそれぞれ1名ずつ編入学を果たしたと紹介していました。また、外部の進学情報サイトでは、2020年度の進学先として広島大学、千葉大学、長岡技術科学大学といった大学名が挙げられています。いずれも過去年度の情報であり、現在の実績を保証するものではありません。

それでも傾向としては読み取れるものがあります。海事系・技術科学大学系・地元国立大学という3つの方向が現実的な射程に入っているということです。長岡技術科学大学と豊橋技術科学大学は、高専卒業生を主な受け入れ対象として設計された大学であり、全国の高専生にとって編入の主要ルートになっています。東京海洋大学は海洋工学部などで編入学試験を実施しており、商船学科の学びと接続しやすい進学先です。最新の実施状況は各大学の募集要項で必ずご確認ください。

大学編入と専攻科進学、どちらを選ぶか

広島商船高専には専攻科が設置されています。海事システム工学専攻は商船学科の卒業者を対象とし、産業システム工学専攻は電気・電子・機械・情報系および情報・流通・ビジネス系の学科卒業者を対象としています。専攻科を修了して審査を受け、一定の条件を満たせば、大学卒業と同じ学士の学位を取得できる制度です。学士を得た後は大学院へ進む道も開けます。

比較項目大学編入(3年次)専攻科進学
取得できる学位学士(卒業時)学士(審査・条件を満たした場合)
学ぶ場所編入先の大学広島商船高専内
環境の変化大きい(生活・人間関係が一新)小さい(教員・設備が継続)
入試の負担大学ごとに対策が必要校内進学のため比較的軽い
研究の継続性テーマを変える場合が多い卒業研究から継続しやすい

旧版の本記事では、専攻科への進学者が令和3年度10名、令和2年度3名、平成31年度13名であったと紹介していました。年度によって振れ幅は大きいものの、大学編入と同等かそれ以上の人数が専攻科を選んでいる年もあることがわかります。どちらが優れているという話ではなく、目的次第です。研究テーマを深めたいなら専攻科、学びたい分野や環境を変えたいなら編入、という判断軸で考えるのが実務的です。

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広島商船高専から大学編入を目指す人の対策ロードマップ

最後に、実際に編入を目指す場合の準備手順を整理します。高専からの編入試験は、大学によって方式が異なりますが、大きくは推薦入試と学力試験の2系統に分かれます。どちらを狙うかで、逆算すべき起点が変わります

推薦と学力試験、どちらを軸にするか

推薦入試は、口頭試問と面接を中心に選抜する方式が一般的です。志望学科に関する専門知識の理解度を口頭で問われ、志望動機や高専で取り組んだ内容を説明することが求められます。TOEICのスコア提出を課す大学も少なくありません。ただし推薦を得るには校内での成績上位を維持する必要があり、多くの場合は専願制で他大学との併願ができません。

学力試験は、数学・専門科目・英語が中心です。大学によっては小論文や面接が加わります。推薦が使えるのは成績上位者に限られるため、1年生から3年生の定期試験を軽視しないことが、後の選択肢の広さに直結します。逆に成績が届かない場合でも、学力試験ルートで勝負できる大学は数多くあります。

比較項目推薦入試学力試験
主な選抜方法口頭試問・面接・書類数学・専門科目・英語
校内成績上位が条件になることが多い出願要件として緩やかな場合が多い
併願専願制が多く併願不可の場合あり日程が重ならなければ併願可能
準備の起点1〜3年生の定期試験4年生前半からの演習

学年別の準備スケジュール

編入対策は短期決戦では成立しません。目安として、次のような時間配分で進めるのが現実的です。商船学科の場合は乗船実習の時期を踏まえ、前倒しで組み立ててください。

  1. 1〜3年生: 定期試験で上位を維持し、推薦の選択肢を残す。数学と専門基礎の穴を作らない。
  2. 4年生の春: TOEICの学習を開始する。スコアの伸びには3〜6か月かかると見込む。
  3. 4年生の夏〜秋: 志望校を3〜5校に絞り、募集要項と過去問を入手する。
  4. 4年生の冬〜5年生の春: 数学と専門科目の過去問演習を本格化させる。
  5. 5年生の春〜夏: 志望理由書を仕上げ、口頭試問と面接の練習を重ねる。
  6. 5年生の夏〜秋: 出願と受験。日程が重ならない範囲で併願する。

この流れで最も見落とされやすいのが、英語を最初に固めるという順番です。TOEICはスコアが出るまでに時間差があり、直前期に慌てても間に合いません。4年生の冬までにスコアを確定させ、5年生は数学・専門・書類に集中できる状態を作るのが理想的な形です。

数学と専門科目の積み上げ方

数学は、微分積分と線形代数が出題の中心になります。高専のカリキュラムは大学の教養課程に相当する内容を早い段階で扱うため、教科書と傍用問題集を確実に回すことが土台になります。そのうえで、志望校の過去問を分析し、頻出分野に重点を置いた演習に移行します。出題傾向は大学ごとに大きく異なるため、汎用的な問題集だけで仕上げようとするのは効率が悪い進め方です。

専門科目は、在籍学科の学びがそのまま武器になります。電子系なら電気回路や電子回路、情報系ならプログラミングやアルゴリズム、商船系なら航海学や機関に関する科目が該当します。ここでも志望校がどの科目を課すかを先に確認し、履修科目とのずれがあれば早めに自習で埋めておく必要があります。

高専生がつまずきやすい3つのポイント

編入対策で失敗が起きやすい場所は、経験上ほぼ決まっています。1つ目は、募集要項の確認が遅れることです。試験科目・出願資格・日程は大学ごとに異なり、しかも年度で変更されます。夏になってから「その大学は専門科目が2科目だった」と気づくと、演習量が足りません。志望校を決める前に募集要項を読むという順序が正しい進め方です。

2つ目は、併願計画を立てないことです。編入試験は日程が大学ごとにばらばらで、うまく組めば複数校を受験できます。逆に無計画だと、日程が重なって1校しか受けられない事態になります。推薦は専願制のことが多いため、推薦で1校、学力試験で2〜3校という形の組み立てが基本になります。

3つ目は、英語を後回しにすることです。TOEICはスコアが手元に届くまでに時間がかかり、思ったように伸びないことも珍しくありません。英語だけは前倒しでしか間に合わない科目だと理解し、4年生の早い段階から着手してください。数学や専門科目は直前期でも積み増せますが、英語のスコアは締切に間に合わなければ出願そのものができなくなります。

志望理由書と口頭試問の準備

推薦・学力試験のいずれでも、最終的に人物評価が入ります。高専生の志望理由書で評価が分かれるのは、高専での経験と大学での研究計画がつながっているかという一点です。実習・卒業研究・ロボコン・資格取得といった具体的な経験を起点に、そこで生まれた問いを大学で解きたい、という構成に整えると説得力が出ます。

口頭試問では、専門科目の基礎を口頭で説明する力が問われます。手を動かして解けることと、言葉で説明できることは別の技能です。過去問を解いた後に、解法を声に出して説明する練習を組み込んでおくと、本番の対応力が変わります。志望校別の出題傾向を踏まえた個別対策を進めたい方は、大学編入対策コースで、専門講師とマンツーマンで進める方法もご検討ください。

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よくある質問(FAQ)

広島商船高専の偏差値はどのくらいですか?

高専は公式に偏差値を発表していないため、正確な数値は存在しません。民間の受験情報サイトでは50前後の数値が示されることが多く、旧版の本記事でも53という推計値を紹介していました。ただし算出方法はサイトごとに異なり、年度によっても変動します。高専受験の母集団は普通科高校とは性質が異なるため、偏差値だけで難易度を判断せず、模試の高専判定や中学校の進路指導とあわせて検討してください。

広島商船高専は寮に入る必要がありますか?

キャンパスが大崎上島にあるため、多くの学生が寮生活を送っています。取材記事では在校生およそ600人のうち約7割が寮生と紹介されており、北海道から九州まで全国から学生が集まっています。自宅から通える範囲に住んでいる場合は通学も可能ですが、フェリーを使う必要があるため現実的には限られます。入寮の要件や費用は年度によって変わるため、募集要項と学生寮の案内で最新情報をご確認ください。

広島商船高専の学科は今いくつありますか?

2025年度入学生からは、商船学科(定員40人)と総合科学科(定員100人)の2学科体制です。電子制御工学科と流通情報工学科は発展統合されて総合科学科になりました。ただし2024年度入学生までの在学生は旧学科に在籍したまま学びます。総合科学科は3年次から電子システム・電子情報・流通情報・流通マネジメントの4コースに分かれ、旧2学科で学べた内容は引き続き履修できます。

商船学科はなぜ修業年限が5年半なのですか?

船舶職員に必要な乗船履歴を教育課程内で積むためです。学校公式の説明では、本校での授業と実習を4年半行った後、海技教育機構の練習船で1年間の乗船実習を行うと示されています。校内では練習船「広島丸」を使い、船内宿泊をともなう航海実習も実施されます。卒業時には3級海技士(航海・機関)の筆記試験が免除されますが、免許取得には乗船履歴と口述試験が別途必要です。

広島商船高専から大学編入はできますか?

できます。ただし校内では少数派です。令和7年度の公表データでは、商船学科が卒業者40名に対し就職者35名、電子制御工学科が36名に対し32名、流通情報工学科が41名に対し31名で、大半が就職を選んでいます。過去には東京海洋大学・神戸大学・長岡技術科学大学などへの編入実績が本記事の旧版で紹介されていました。最新の進学先や人数は学校の公表資料でご確認ください。

大学編入と専攻科進学はどちらが有利ですか?

目的によって答えが変わるため、一律に優劣はつけられません。専攻科は校内で研究を継続でき、修了後に審査を経て学士を取得できる制度で、入試の負担も比較的軽い選択肢です。大学編入は環境と学べる分野を大きく変えられる一方、大学ごとの対策が必要になります。研究テーマを深めたいなら専攻科、分野や環境を変えたいなら編入、という軸で判断するのが実務的です。なお、専攻科を修了してから大学院へ進むというルートもあるため、最終的に大学院を目指すのであれば両者の差は小さくなります。就職の観点では、令和7年度の専攻科修了者の求人倍率が本科を上回っていた点も判断材料になるでしょう。

高専からの大学編入対策はいつから始めるべきですか?

推薦を視野に入れるなら1年生からの定期試験対策が実質的なスタートです。学力試験中心で考える場合でも、4年生の春にTOEIC対策を開始し、4年生の冬までにスコアを固めるのが目安になります。数学と専門科目の過去問演習は4年生の後半から本格化させ、5年生では志望理由書と口頭試問の準備に時間を割ける状態にしておくと安定します。商船学科は乗船実習があるため、さらに前倒しの設計が必要です。

まとめ|広島商船高専と大学編入で押さえるべき要点

広島商船高専は、瀬戸内海の大崎上島にキャンパスを構える国立の商船系高等専門学校です。1898年創立の芸陽海員学校を源流とし、1967年に高専として設置されました。就職に極めて強い一方で、大学編入という選択肢も制度として開かれています。本記事で確認した要点を整理します。

  • 2025年4月から商船学科(定員40人)と総合科学科(定員100人)の2学科体制に移行し、入学定員は120人から140人に増加した。
  • 総合科学科は3年次から電子システム・電子情報・流通情報・流通マネジメントの4コース、商船学科は航海・機関の2コースに分かれる。
  • 商船学科は本校4年半+乗船実習1年の計5年半で、卒業時に3級海技士(航海・機関)の筆記試験が免除される。
  • 令和7年度の求人倍率は商船学科12.4倍、電子制御工学科23.8倍、流通情報工学科20.3倍で、いずれも内定率100%。
  • 卒業者の大半が就職しており、大学編入を選ぶ学生は校内で少数派にとどまる。
  • 専攻科(海事システム工学専攻・産業システム工学専攻)は、修了後に審査を経て学士を取得できる有力な代替ルート。
  • 編入対策は推薦か学力試験かで起点が変わり、英語(TOEIC)を先に固める順番が有効。

進路の選び方という視点であらためて整理すると、広島商船高専の卒業時には、就職・専攻科進学・大学編入という3つの道が用意されています。就職は求人倍率が示すとおり圧倒的に開かれた道であり、専攻科は研究の継続と学士取得を両立できる道です。そのうえで大学編入は、学ぶ分野と環境の両方を自分で選び直せる唯一の選択肢だといえます。どれが正解かは、5年間で自分が何に関心を持ったかによって決まります。

この記事を書くにあたって最も強調しておきたいのは、情報の年度を確認する習慣です。広島商船高専は2025年度に学科を再編しており、ウェブ上には旧3学科のままの説明が数多く残っています。学科名・定員・カリキュラムに関する情報は、必ず学校公式サイトの該当ページで日付を確認してから使ってください。本記事に掲載した数値も、公表年度を明記したうえで引用しています。

そして、編入を本気で考えるなら、校内が就職中心であるという環境を前提に準備を設計することが重要です。同じ目標を持つ仲間が少ない環境では、外部にペースメーカーを置くことが、計画倒れを防ぐ最も確実な方法になります。志望校の過去問分析、TOEICのスコア設計、志望理由書の組み立て、口頭試問の練習は、いずれも独学でも進められますが、進捗を客観的に確認してくれる相手がいるかどうかで到達点が変わります。

大学編入という制度そのものの仕組みや、他校の状況も含めて全体像を把握したい方は、大学編入とは?完全ガイド大学編入の勉強はいつから始めるべきかもあわせてご覧ください。そのうえで、独学での対策に不安がある場合は、志望校別の傾向を踏まえた専門の指導を活用するのも一つの方法です。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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