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香川高専の偏差値と進路|学科・生徒数・大学編入の実績

香川高等専門学校(香川高専)は、香川県に2つのキャンパスを持つ国立の5年制高等教育機関で、卒業生のおよそ5人に1人が大学へ編入学しています。2026年3月に本科を卒業した250名のうち、大学編入学は48名、専攻科進学は45名で、進学を選ぶ学生は全体の4割近くに達します。香川高等専門学校からの大学編入は、けっして一部の成績上位者だけの特別な進路ではなく、入学した時点から現実的な選択肢として用意されている道です。
香川高専とは、2009年10月1日に高松工業高等専門学校と詫間電波工業高等専門学校が統合して誕生した、2キャンパス制・本科7学科の国立高等専門学校です。高松キャンパスには機械工学科・電気情報工学科・機械電子工学科・建設環境工学科の4学科、詫間キャンパスには通信ネットワーク工学科・電子システム工学科・情報工学科の3学科が置かれています。同じ「香川高専」という名前でも、キャンパスによって学べる分野も、編入先として選ばれる大学の顔ぶれも大きく異なります。ここを混同したまま志望校を決めてしまうと、5年間の学びと編入先のミスマッチが起こりかねません。
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この記事では、香川高専の公式サイト・学校要覧・卒業者の進路状況・学生募集要項といった一次情報をもとに、2キャンパスの学科構成、偏差値と入試倍率、そして本題である大学編入の実績を学科単位で整理しました。どの学科からどの大学へ何名が進んだのかという粒度まで踏み込んでいるため、「高専から大学編入は本当にできるのか」を数字で確かめたい中学生・保護者の方にも、すでに在学中で編入を考え始めた高専生にも役立つ内容になっています。
あわせて、香川高専についてインターネット上で見かける情報のうち、校名・所在地・学科名・偏差値・進路データに関して古くなっている点や誤りやすい点も、公式情報と突き合わせて訂正しています。高専の情報は改組や統合で毎年のように更新されます。2026年度時点の最新情報として読み進めてください。なお、入試日程や募集人員などの変わりうる情報については、必ず最新の募集要項でご確認ください。
香川高専(香川高等専門学校)とは|2キャンパス制の全体像と沿革
香川高専の正式名称は「香川高等専門学校」です。インターネット上では「香川工業高等専門学校」と書かれている記事も見かけますが、その名称の学校は存在しません。前身のひとつが「高松工業高等専門学校」であったため、そこから連想して誤って表記されているケースが多いようです。出願書類や調査書に学校名を書く場面では、公式名称である香川高等専門学校を用います。
統合によって生まれた「2キャンパス1学校」という形
香川高専は、2009年10月1日に高松工業高等専門学校と詫間電波工業高等専門学校という2つの国立高専が統合して設立されました。全国の高専の多くが1県1校・1キャンパスであるのに対し、香川高専は1つの学校法人格のもとに2つのキャンパスを持つ珍しい形態をとっています。校長は1人、学籍も一体で管理されますが、日々の授業も学生生活も、原則としてそれぞれのキャンパスで完結します。
この成り立ちは、学科構成にそのまま反映されています。旧・高松工業高専の系譜を引く高松キャンパスは、機械・電気・建設といった「ものづくりと社会基盤」の分野が中心です。一方、旧・詫間電波工業高専を引き継いだ詫間キャンパスは、電波・通信・情報という「情報通信」の分野に特化しています。電波法にもとづく無線従事者資格に関わるカリキュラムが残っているのも、詫間キャンパスの歴史的な特徴です。
高松キャンパスと詫間キャンパスの所在地
高松キャンパスの所在地は〒761-8058 香川県高松市勅使町355番地、詫間キャンパスの所在地は〒769-1192 香川県三豊市詫間町香田551番地です。詫間キャンパスの住所は三豊市であり、詫間市ではありません。詫間町は2006年の市町村合併で三豊市の一部となっており、「詫間市」という自治体は現在も過去も存在しません。古い記事や地図情報を参照する際は注意が必要です。
高松キャンパスは高松市街地の郊外に位置し、詫間キャンパスは香川県西部の瀬戸内海沿いにあります。県内でも東西の端に近い位置関係で、両キャンパスは直線距離でも40キロメートル以上離れています。日常的に行き来できる距離ではないため、学科選びは同時に生活拠点の選択でもあるという点を押さえておきましょう。
学生数と定員から見る学校の規模
入学定員は7学科それぞれ40名、1学年あたり合計280名です。学校要覧によれば、令和6年5月1日現在の本科の在籍者は1,429名で、そのうち女子学生が209名、外国人留学生が8名となっています。専攻科には87名が在籍しており、本科と専攻科を合わせた規模はおよそ1,500名です。女子学生の比率は本科でおよそ7人に1人にあたり、工業高校や他の高専と比べても着実に増えてきています。
2つのキャンパスの基本情報を並べると、それぞれの性格の違いがはっきりします。
| 項目 | 高松キャンパス | 詫間キャンパス |
|---|---|---|
| 所在地 | 香川県高松市勅使町355番地 | 香川県三豊市詫間町香田551番地 |
| 前身校 | 高松工業高等専門学校 | 詫間電波工業高等専門学校 |
| 本科の学科 | 機械工学科/電気情報工学科/機械電子工学科/建設環境工学科 | 通信ネットワーク工学科/電子システム工学科/情報工学科 |
| 入学定員 | 各学科40名(計160名) | 各学科40名(計120名) |
| 専攻科 | 創造工学専攻(入学定員24名) | 電子情報通信工学専攻(入学定員18名) |
| 分野の軸 | 機械・電気・情報・建設環境 | 通信・電子・情報 |
高専の5年間は、高校3年間と大学の教養課程にあたる2年間が一体になった課程です。一般科目と専門科目を並行して学び、4年次から研究室に所属して卒業研究に取り組む学科もあります。大学2年生相当の専門知識を5年間で積み上げる設計であるからこそ、卒業時に大学3年次への編入学という進路が制度として開かれているわけです。大学編入の仕組みそのものを体系的に確認したい方は、大学編入とは?仕組み・難易度・費用・スケジュールを徹底解説もあわせてご覧ください。
高松キャンパスの4学科|創造基礎工学系で学べること
高松キャンパスには機械工学科・電気情報工学科・機械電子工学科・建設環境工学科の4学科が設置されています。令和8年度入学者からの教育課程表では、この4学科が「創造基礎工学系」として一体的に編成されました。1年次に「工学リテラシー」など各学科共通の科目を置き、応用数学や知的財産概論を4学科横断で学ぶ構成になっています。学科の枠を越えた基礎の共通化は、編入試験で問われる数学・物理の土台づくりにも効いてきます。
機械工学科|材料力学・熱力学・流体力学を軸に据える
機械工学科は、材料力学・熱工学・流体工学・機械力学といった、いわゆる機械系4力学を中心に据えた学科です。教育課程表では材料力学Ⅰ〜Ⅲ、熱力学、水力学、振動工学、機構学、計算力学などが並び、CADや機械設計製図、創造基礎工作実習といった実技科目も厚く配置されています。編入試験の主要科目とカリキュラムの重なりが最も大きい学科のひとつと言えます。
2026年3月に卒業した機械工学科の学生25名の内訳は、就職14名・進学9名・その他2名でした。進学した学生の行き先には香川高専専攻科と豊橋技術科学大学が並びます。過去にさかのぼると、令和6年度卒業生は長岡技術科学大学2名、豊橋技術科学大学2名に加えて、大阪大学・岡山大学・愛媛大学・徳島大学・島根大学・佐賀大学・富山大学・立命館大学へと、1学科から10大学以上に散らばる年もあります。
電気情報工学科|編入学が「3分の1の進路」として定着
電気情報工学科は、電磁気学・電気回路・電子回路・論理回路・情報処理といった電気系と情報系の両方を扱う学科です。注目すべきは、学科の公式ページに「毎年卒業生の1/3が就職、1/3が専攻科進学、1/3が他大学へ編入」と明記されている点です。編入学が例外的な進路ではなく、学科として想定された標準ルートのひとつになっていることが、公式の言葉で確認できます。
実際、2026年3月卒業の電気情報工学科37名は就職16名・進学21名で、進学者が就職者を上回った唯一の学科でした。令和7年度の進学先には、香川高専専攻科、豊橋技術科学大学に加えて、愛媛大学・大阪大学・香川大学・神戸大学・東京大学・広島大学・立命館大学が挙がっています。旧帝大や東京大学の名前が単年で並ぶ点は、この学科の指導の厚みを示す数字と言えるでしょう。
機械電子工学科|メカトロニクスを軸にした横断型の学科
機械電子工学科は、機械工学の基礎に電気電子・制御・情報を重ねた、メカトロニクス志向の学科です。教育課程にはメカトロニクス基礎Ⅰ〜Ⅲ、メカトロニクスシステム設計、システム制御工学、ロボット工学、そして「組込AIシステム開発」といった近年の技術動向を反映した科目が並びます。ロボットコンテストに出場する学生の多くがこの学科から出ていることからも、実装力を重視する校風がうかがえます。
2026年3月卒業の36名は就職24名・進学12名で、4学科の中では就職志向がやや強めに出ています。企業からの求人が集まりやすい分野であることの裏返しでもあり、就職と編入学を天秤にかけて悩む学生が多い学科でもあります。
建設環境工学科|公務員・インフラと編入学が並び立つ
建設環境工学科は、構造力学・土質力学・水理学・環境工学・測量学・計画学を柱とする土木系の学科です。2026年3月卒業の35名は就職19名・進学15名でした。就職先には香川県庁・高松市役所・坂出市役所といった自治体、四国電力や本州四国連絡高速道路といった公益企業、鹿島建設や東亜建設工業などのゼネコンが並び、地域のインフラを支える人材供給源として機能していることがわかります。
2025年度の本科卒業生の進学先は、香川高専専攻科7名(うち推薦5名)、豊橋技術科学大学3名(推薦3名)、愛媛大学1名(推薦1名)、香川大学1名(推薦1名)、千葉大学1名(推薦1名)などです。編入学の多くが推薦枠で決まっている点は、この学科を志望する中学生にとって重要な示唆でしょう。推薦編入は在学中の成績が出願要件になるため、1年次からの定期試験が編入の可否を左右します。日々の授業をどう扱うかが、そのまま5年後の選択肢の幅になります。
令和8年度からの教育課程改訂で何が変わるのか
香川高専は令和8年度入学者から教育課程を改訂しました。高松キャンパスの4学科は「創造基礎工学系」として整理され、1年次に工学リテラシー、2年次以降に応用数学Ⅰ・Ⅱ、科学技術史概論、知的財産概論といった科目が4学科共通で置かれます。学科をまたいで基礎を揃えてから専門に入る構成です。数学の履修時期が前倒しになることは、編入試験で最も配点の重い数学の準備にとって追い風になります。
各学科の専門科目にも変化があります。機械電子工学科には組込AIシステム開発が置かれ、電気情報工学科には情報数学・アルゴリズム・数値計算法が体系的に並びます。建設環境工学科では建設情報処理Ⅰ〜Ⅲが配置され、土木分野でもデジタル技術の比重が上がりました。どの学科でも情報系の素養が標準装備になりつつあるのが今回の改訂の共通項です。各科目の詳細な授業内容は、高専Webシラバスで公開されています。
詫間キャンパスの3学科|電子情報通信工学系で学べること
詫間キャンパスには通信ネットワーク工学科・電子システム工学科・情報工学科の3学科があります。令和8年度入学者の教育課程表では、この3学科が「電子情報通信工学系」としてまとめて編成されています。応用数学・確率統計・応用物理・基礎電気工学・プログラミングといった科目が3学科共通で置かれ、2年次以降に各学科の専門へ枝分かれしていく構造です。
通信ネットワーク工学科|電波と国家資格に強い学科
通信ネットワーク工学科は、旧・詫間電波工業高専の中核を受け継ぐ学科です。無線通信工学、電波伝送学、電気通信システム、通信法規、コンピュータネットワーク、データ通信といった科目が並び、国家資格の取得を前提にしたカリキュラム編成が特徴です。学科には数百メガヘルツから40ギガヘルツ帯のアンテナ評価が可能な電波暗室が整備され、外部にも有料開放されています。高専のなかでもこの設備を持つ学校は限られます。
2026年3月卒業の35名は就職22名・進学9名でした。令和5年度の進学先は、専攻科電子情報通信工学専攻2名、豊橋技術科学大学、長岡技術科学大学、電気通信大学2名、東京農工大学、立命館大学です。電気通信大学や東京農工大学は、通信・情報分野の編入先として全国の高専生から人気があり、その枠を毎年確保できている点は学科の実力を示しています。
詫間キャンパスの学生に共通する強みが、在学中に取得できる国家資格です。旧・詫間電波工業高専の系譜から、国家資格の取得を見据えた科目が正課のなかに組み込まれています。資格は編入試験の出願書類でも評価対象になることがあり、面接で専門への関心を示す具体的な材料にもなります。認定資格と関連資格の一覧は学科ページで公開されているため、志望前に確認しておくとよいでしょう。
電子システム工学科|デバイスからロボットまでを一気通貫で
電子システム工学科は、電子デバイス・半導体・計測・制御・ロボット工学までを扱う学科です。半導体デバイスと集積回路、制御工学Ⅰ・Ⅱ、センサ工学、画像工学、システム工学といった科目群が置かれ、電子回路の設計から装置としての実装までを一気通貫で学びます。半導体産業の人材需要が高まるなかで注目度が上がっている領域でもあります。
2026年3月卒業の43名は就職29名・進学14名でした。進学先として公式に挙げられているのは、電気通信大学、長岡技術科学大学、豊橋技術科学大学、徳島大学、香川大学、愛媛大学、九州大学、九州工業大学、福井大学、島根大学、そして香川高専専攻科です。九州大学や九州工業大学といった西日本の主要大学が並ぶのは、この学科の専門分野が編入試験で評価されやすいことの現れと考えられます。
情報工学科|プロコン全国優勝9回という実績
情報工学科は、プログラミング、データ構造、アルゴリズム、コンパイラ、オペレーティングシステム、データベース、情報セキュリティ、人工知能といった計算機科学の中核を体系的に扱う学科です。4年次に「情報工学セミナー」として準卒業研究を始め、5年次の卒業研究まで2年間同じ指導教員のもとで研究を継続する仕組みが整えられています。この2年間の研究経験は、編入試験の面接や口頭試問でそのまま語れる財産になります。
特筆すべきは全国高等専門学校プログラミングコンテストでの戦績です。詫間キャンパスのプロコンチームは全国優勝9回を達成しており、2024年度には2年連続で最優秀賞を獲得しました。2025年10月の大会でも自由部門で優秀賞、課題部門で企業賞を得ています。2026年3月卒業の39名は就職22名・進学16名で、詫間キャンパスの3学科では最も進学率が高い学科です。
学科の枠を越えた活動も活発です。5年生が4年生や3年生に向けて進学・就職に関するキャリアトークを実施したり、長岡技術科学大学の教員や専攻科出身の技術職員を交えた進路説明を行ったりと、編入経験者の生の情報が学科内で循環する仕組みが動いています。学生が東京ゲームショウに作品を出展したり、在学中に起業したりといった事例も出ています。
香川高専の偏差値・入試倍率・入学定員【2026年度】
香川高専への入学を考える段階で最も気になるのが難易度でしょう。ここでは民間の推計偏差値と、学校要覧に載っている公式の志願倍率の両方を並べます。偏差値はあくまで民間の模試事業者による推計値であり、香川高専の公式発表ではありません。合否は当日の学力検査と調査書の総合評価で決まるため、参考値として扱ってください。
民間推計による偏差値は高松62・詫間61
受験情報サイトが公表している2026年度版の推計偏差値では、高松キャンパスの4学科がいずれも62、詫間キャンパスの3学科がいずれも61とされています。同一キャンパス内では学科による偏差値差がつけられていない点が特徴です。学科ごとの人気の差は、偏差値よりも後述する志願倍率にはっきり現れます。
香川県内の高校と並べると位置づけが見えてきます。同じ2026年度版の推計では、高松高校71、丸亀高校69、高松第一高校69、大手前高松高校67、三木高校64、観音寺第一高校63と続き、香川高専高松キャンパスの62はこれに次ぐ層に位置します。県内トップ校に手が届く学力層が現実に受験していると考えてよいでしょう。なお、過去には高松キャンパスの偏差値を67と紹介する記事もありましたが、2026年度版では62に更新されています。推計値は年度ごとに動くため、受験年度の数字を確認してください。
学科別の志願者数と倍率(令和6年度実績)
学校要覧に掲載された令和6年度の入学者選抜結果は次のとおりです。倍率は入学志願者数を入学定員で割った値です。
| キャンパス | 学科 | 入学定員 | 入学志願者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 高松 | 機械工学科 | 40名 | 39名 | 1.0倍 |
| 高松 | 電気情報工学科 | 40名 | 59名 | 1.5倍 |
| 高松 | 機械電子工学科 | 40名 | 54名 | 1.4倍 |
| 高松 | 建設環境工学科 | 40名 | 42名 | 1.1倍 |
| 詫間 | 通信ネットワーク工学科 | 40名 | 34名 | 0.9倍 |
| 詫間 | 電子システム工学科 | 40名 | 31名 | 0.8倍 |
| 詫間 | 情報工学科 | 40名 | 66名 | 1.7倍 |
| 合計 | 7学科 | 280名 | 325名 | 1.2倍 |
この表からは、情報工学科の1.7倍が最も高く、電子システム工学科の0.8倍が最も低いという、学科間の明確な人気差が読み取れます。情報系人気は全国の高専に共通する傾向で、香川高専も例外ではありません。学科ごとの入学者数は志願者数と一致しないため、志望学科の選び方によって合格可能性が変わる場合があります。詳細な選抜の仕組みは最新の募集要項でご確認ください。
選抜方法は推薦と学力検査の2方式
令和8年度の学生募集要項によれば、選抜は「推薦による選抜」と「学力検査による選抜」の2方式です。推薦による選抜では、推薦書・調査書・科目に関する口頭試問を含む面接を総合評価します。学力検査による選抜では、学力検査と調査書を総合評価します。出願はWEB出願エントリーを経て書類を提出する方式で、検定料はクレジットカード・コンビニエンスストア・金融機関ATMで支払えます。
入試日程や募集人員の割合は年度ごとに設定されます。障害等による支援ニーズがある場合の合理的配慮の申請は、出願書類提出期限の1か月前までに相談することが推奨されています。配慮の申請内容が合否判定に影響することはないと要項に明記されているため、必要な場合は早めに相談窓口へ連絡してください。
香川高専の大学編入の状況|最新の進路データで読み解く
ここからが本題である大学編入の話です。香川高専は両キャンパスがそれぞれ卒業者の進路状況を公表しており、大学編入学の人数が単独の項目として毎年開示されています。就職と進学をまとめて「進学◯名」とだけ書く学校が多いなかで、編入希望者にとって判断材料になる粒度の情報が得られる点は大きな利点です。
2026年3月卒業者の進路|本科250名の行き先
直近となる2026年3月卒業者の進路は次のとおりです。両キャンパスの本科を合わせると250名が卒業しています。
| 進路 | 高松キャンパス | 詫間キャンパス | 合計 |
|---|---|---|---|
| 県内就職 | 28名 | 24名 | 52名 |
| 県外就職 | 45名 | 49名 | 94名 |
| 大学編入学 | 23名 | 25名 | 48名 |
| 専攻科進学 | 31名 | 14名 | 45名 |
| その他の進学・その他 | 6名 | 5名 | 11名 |
| 本科卒業者計 | 133名 | 117名 | 250名 |
大学編入学は48名で、本科卒業者250名に対しておよそ19パーセントにあたります。専攻科進学45名を合わせると進学系の進路は93名、全体の37パーセントに達します。就職が146名で最も多いことに変わりはありませんが、卒業生の3人に1人以上が進学を選んでいる計算です。高専は就職に強い学校というイメージが根強いものの、香川高専の実像はそれだけではありません。
キャンパスによる編入学と専攻科進学のバランスの違い
興味深いのは、2つのキャンパスで進学の中身が異なる点です。高松キャンパスは大学編入学23名に対して専攻科進学31名で、専攻科を選ぶ学生のほうが多い構図になっています。対して詫間キャンパスは大学編入25名に対して専攻科14名で、比率が逆転します。詫間キャンパスの学生は、専攻科より他大学への編入学を選ぶ傾向が強いということです。
この差は、高松キャンパスの専攻科(創造工学専攻)の入学定員が24名、詫間キャンパスの専攻科(電子情報通信工学専攻)が18名という定員設計の違いにも表れています。詫間キャンパスは学科定員120名に対し専攻科定員18名で、内部進学の受け皿が相対的に小さい構造です。詫間キャンパスへの進学を考えているなら、最初から大学編入学を主軸に据えた学習計画を立てるほうが実態に合っています。
学科別に見た就職と進学の比率
学科ごとの温度差も無視できません。2026年3月卒業者の就職と進学の内訳を並べます。
| 学科 | 就職 | 進学 | その他 | 卒業者計 |
|---|---|---|---|---|
| 機械工学科 | 14名 | 9名 | 2名 | 25名 |
| 電気情報工学科 | 16名 | 21名 | 0名 | 37名 |
| 機械電子工学科 | 24名 | 12名 | 0名 | 36名 |
| 建設環境工学科 | 19名 | 15名 | 1名 | 35名 |
| 通信ネットワーク工学科 | 22名 | 9名 | 4名 | 35名 |
| 電子システム工学科 | 29名 | 14名 | 0名 | 43名 |
| 情報工学科 | 22名 | 16名 | 1名 | 39名 |
進学率が最も高いのは電気情報工学科で、37名中21名が進学しています。情報工学科の39名中16名、建設環境工学科の35名中15名がこれに続きます。一方、電子システム工学科と機械電子工学科は就職者が進学者の2倍前後です。同じ香川高専でも、周囲の何割が進学するかという環境は学科によってかなり違います。編入を志すなら、学科の空気に流されない自分なりの計画づくりが要ります。
なお、詫間キャンパスの2026年3月卒業者に対する求人企業数は567社と公表されています。卒業者117名に対して567社という圧倒的な求人環境があるからこそ、編入学を選ぶには「なぜ就職ではなく大学なのか」を自分の言葉で説明できることが求められます。この問いは編入試験の面接でも高い確率で問われます。
過去のデータと比べてどう変わったか
香川高専の編入状況を紹介する記事のなかには、令和3年度の進路データを載せたまま更新されていないものがあります。当時は卒業255名のうち就職144名・進学102名で、進学先は香川高専専攻科48名、豊橋技術科学大学13名、香川大学9名、長岡技術科学大学5名という構成でした。直近のデータと比べると、進学の中身が専攻科偏重から編入学寄りに移っています。
令和3年度は専攻科48名に対して大学編入がそれを下回っていましたが、2026年3月卒業では大学編入学48名・専攻科進学45名と逆転しました。とくに詫間キャンパスでの編入学志向の高まりが全体を押し上げています。数年前の情報で判断すると学校の実像を読み違えるおそれがあります。高専の進路データは毎年更新されるため、志望校選びでは必ず最新年度の公表資料にあたってください。
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香川高専から編入できる大学一覧|学科別の合格実績
香川高専からどの大学へ編入できるのかは、学科ごとの公式ページに実名で公開されています。ここでは公表されている進学先を学科別に整理します。香川高専専攻科への内部進学者も同じ欄に含めて公表されているため、大学編入だけを取り出して読む際は注意してください。
学科別の進学先大学(公式公表分)
| 学科 | 公表されている主な進学先 |
|---|---|
| 機械工学科(令和6年度卒) | 香川高専専攻科5名/長岡技術科学大学2名/豊橋技術科学大学2名/大阪大学/岡山大学/愛媛大学/徳島大学/島根大学/佐賀大学2名/富山大学/立命館大学2名 |
| 機械工学科(令和8年度現5年生の最新合格) | 香川高専専攻科7名/豊橋技術科学大学3名/長岡技術科学大学2名/岡山大学/香川大学/早稲田大学 |
| 電気情報工学科(令和7年度) | 香川高専専攻科/豊橋技術科学大学/愛媛大学/大阪大学/香川大学/神戸大学/東京大学/広島大学/立命館大学 |
| 電気情報工学科(令和6年度) | 香川高専専攻科/豊橋技術科学大学/大阪大学/岡山大学/香川大学/高知大学/神戸大学/立命館大学/早稲田大学 |
| 建設環境工学科(2025年度) | 香川高専専攻科7名/豊橋技術科学大学3名/愛媛大学/香川大学/千葉大学 |
| 電子システム工学科 | 電気通信大学/長岡技術科学大学/豊橋技術科学大学/徳島大学/香川大学/愛媛大学/九州大学/九州工業大学/福井大学/島根大学/香川高専専攻科 |
| 通信ネットワーク工学科(令和5年度) | 専攻科電子情報通信工学専攻2名/豊橋技術科学大学/長岡技術科学大学/電気通信大学2名/東京農工大学/立命館大学 |
技術科学大学という王道ルート
どの学科の一覧にも共通して登場するのが、豊橋技術科学大学と長岡技術科学大学です。この2大学は高専卒業生を主な受け入れ対象として設立された国立大学であり、3年次編入学の定員が学部入学定員より大きく取られています。推薦編入の枠も広く、成績要件を満たした学生が学校推薦で進学するケースが多く見られます。建設環境工学科の2025年度実績では、豊橋技術科学大学へ進んだ3名全員が推薦での合格でした。
技術科学大学は「高専からの編入が前提」という設計であるため、高専で学んだ専門科目がそのまま接続します。単位認定もスムーズで、卒業後は大学院修士課程まで進む学生が多数派です。技科大は編入後の学びが途切れない安心感が強みと言えます。最新の募集人員や選抜方法は、豊橋技術科学大学の募集要項および長岡技術科学大学の募集概要でご確認ください。
旧帝大・難関国立大学への編入も現実に出ている
香川高専の実績で見逃せないのが、旧帝大クラスへの編入です。電気情報工学科の令和7年度進学先には東京大学と大阪大学、令和6年度には大阪大学が入っています。電子システム工学科の進学先には九州大学が挙がり、機械工学科の過去の実績にも大阪大学・九州大学・東北大学・千葉大学・東京農工大学・広島大学・京都工芸繊維大学などが並びます。難関国立大学は年に1名から数名という規模ですが、確実に出続けています。
私立大学では早稲田大学と立命館大学の名前が繰り返し登場します。立命館大学は理工系の編入枠を継続的に設けており、香川高専からもほぼ毎年進学者が出ています。国公立と私立を併願して受験機会を増やす戦略も、実績上は十分に成り立つということです。
ひとつ注意点があります。過去の実績一覧に「東京工業大学」と記載されている場合、これは2024年10月1日に東京医科歯科大学と統合される前の名称です。現在の名称は東京科学大学であり、志望校として調べる際は新しい名称で情報を探す必要があります。高専からの編入学の受け入れ状況も統合後に整理されているため、必ず最新の募集要項を確認してください。
専攻科修了後に大学院へ進むルート
もうひとつのルートが、専攻科を修了してから大学院へ進む道です。建設環境工学科の専攻科修了生では、2025年度に東京大学大学院へ6名、北海道大学大学院へ1名、鹿児島大学大学院へ1名が進学しています。学部段階での編入学より、大学院入試のほうが難関大学に届きやすいという現実がここに表れています。高松キャンパスの創造工学専攻は2026年3月修了の27名中13名が大学院へ進学しました。
大学編入か専攻科か|香川高専生の進路の分かれ道
香川高専の5年生が直面する最大の選択が、他大学への編入学か、校内の専攻科への進学かという問題です。どちらも最終的に学士(工学)の学位を得られる点は同じですが、費用・環境・その後の進路の広がりに違いがあります。
専攻科とはどのような課程か
専攻科は、高専本科を卒業した学生が校内でさらに2年間学ぶ課程です。香川高専には高松キャンパスの創造工学専攻(入学定員24名)と詫間キャンパスの電子情報通信工学専攻(入学定員18名)が置かれています。修了して所定の要件を満たすと、大学改革支援・学位授与機構から学士(工学)の学位が授与されます。大学3・4年次と同じ2年間で、同じ学士号に到達するという設計です。
創造工学専攻はさらに機械工学コース・電気情報工学コース・建設環境工学コースなどに分かれ、本科での専門を継続して深めます。指導教員は本科と同じ教員が担当することも多く、卒業研究の続きを研究として発展させられるのが専攻科の強みです。
大学編入と専攻科進学の比較
| 比較項目 | 大学編入学 | 香川高専専攻科 |
|---|---|---|
| 期間 | 3年次編入で2年間(学科により3年次または2年次) | 2年間 |
| 取得できる学位 | 学士(工学など) | 学士(工学) |
| 学ぶ環境 | 新しい大学・新しい研究室・新しい人間関係 | 慣れた校舎・既知の教員・継続した研究 |
| 選抜 | 大学ごとの編入学試験(推薦・学力) | 学内の専攻科入学者選抜 |
| 費用の目安 | 大学の授業料に加えて転居費用が生じる場合が多い | 高専の授業料水準を継続 |
| その後の進路 | そのまま同じ大学の大学院へ進みやすい | 他大学の大学院入試で難関大に進む例が多い |
費用面では専攻科が有利です。実家から通える範囲で学び続けられるうえ、授業料の水準も高専のままです。経済的な負担を抑えながら学士を取るという点で、専攻科は合理的な選択肢と言えます。
それでも編入学を選ぶ理由
一方で、大学編入学にしかない価値もあります。第一に、学べる分野の幅です。高専にない学科・研究室・設備を持つ大学に移ることで、進路の方向そのものを変えられます。第二に、人的ネットワークです。全国から集まる学生と過ごす2年間は、就職や研究の視野を大きく広げます。第三に、大学名が持つ就職市場での認知です。
実際のデータを見ると、香川高専では両方の道が機能しています。専攻科から東京大学大学院へ進む学生がいる一方で、本科から直接、東京大学や大阪大学へ編入する学生もいます。どちらが上という関係ではなく、自分が5年後・7年後にどこにいたいかから逆算する問題です。判断に迷う場合は、両方の受験を並行して準備し、合格を得てから決めるという進め方も現実的です。編入対策の進め方については、大学編入対策コースで志望校別の学習計画をご提案しています。
香川高専から大学編入を成功させる対策|科目・時期・TOEIC
香川高専から大学編入を実現するには、5年間のどこで何を積み上げるかの設計が要ります。編入試験は情報戦であり、動き出しの早さがそのまま選択肢の広さになります。ここでは科目・スケジュール・英語の3点から準備の全体像を整理します。
編入試験で問われる科目
高専からの3年次編入学試験は、多くの大学で数学・英語・専門科目の3本柱です。数学は微分積分と線形代数が中心で、大学によっては微分方程式・複素関数・確率統計まで及びます。専門科目は志望学科に応じて、機械系なら材料力学・熱力学・流体力学・機械力学、電気電子系なら電磁気学・電気回路・電子回路、情報系ならプログラミング・データ構造とアルゴリズム・論理回路などが問われます。出題範囲と配点は大学ごとに大きく異なるため、志望校の過去問を早い段階で入手することが出発点になります。
香川高専のカリキュラムは、この試験科目とよく重なります。高松キャンパスの機械工学科なら材料力学Ⅰ〜Ⅲ・熱力学・水力学が、電気情報工学科なら電磁気学Ⅰ・Ⅱと電気回路Ⅰ〜Ⅲが、詫間キャンパスの情報工学科ならアルゴリズム・情報構造論・数値解析が、そのまま編入試験の土台になります。授業を編入対策の一部として扱えるのが高専生の最大の利点です。定期試験のたびに解き直しをして解法を定着させておけば、5年次に一から詰め込む必要がなくなります。
準備のスケジュール
編入試験は一般入試とは時期がまったく違います。多くの国公立大学で試験は5月から8月に行われ、出願はその2〜3か月前です。つまり5年生の夏には合否がほぼ出そろうということになります。逆算すると、本格的な受験勉強を始めるべきは4年次の春から夏にかけてです。
- 1〜2年次:数学と英語の基礎固め。定期試験の成績が推薦編入の出願要件に直結します
- 3年次:専門科目の基礎が始まる時期。ここでの取りこぼしが後の弱点になります
- 4年次前半:志望校を3〜5校に絞り、過去問を入手して出題傾向を分析します
- 4年次後半:数学の演習量を増やし、TOEICなど外部英語試験のスコアを確保します
- 5年次前半:専門科目の過去問演習と志望理由書の作成、面接練習を並行します
- 5年次夏:出願・受験。複数校を併願して受験機会を確保します
推薦編入を狙うなら、時計はさらに前倒しになります。多くの大学の推薦編入では在学中の成績が上位であることが出願要件です。1年次からの評定が積み上がって出願資格が決まるため、「編入は5年生になってから考える」では推薦の選択肢が消えてしまいます。始める時期の考え方は大学編入の勉強はいつから始めるべき?で詳しく整理しています。
英語は外部試験のスコアで決まる大学が増えている
近年の編入試験では、英語の試験をTOEICやTOEFLといった外部英語検定試験のスコアで代替する大学が増えています。出願時点で有効なスコアを提出できなければ受験できない大学もあるため、スコア取得は締切から逆算した計画が必要です。公式スコアの発行には数週間かかることも念頭に置いてください。
目標スコアは志望校の水準によって変わりますが、選択肢を狭めないという観点では早めに一定の水準に到達させておくのが安全です。英語は短期間で伸ばしにくい科目であり、専門科目の演習が本格化する5年次に英語を並行するのは負担が大きくなります。3年次から4年次にかけて英語を先に片づけるという順番が、多くの合格者に共通する型です。各大学が要求するスコアや提出方法は年度で変わるため、必ず最新の募集要項でご確認ください。
併願設計で受験機会を増やす
編入試験の大きな利点は、大学ごとに試験日が分散しているため併願しやすいことです。技術科学大学の推薦、国立大学の学力試験、私立大学の編入試験を組み合わせれば、1年のうちに複数回の受験機会を確保できます。香川高専の実績でも、同じ学科から国公立と私立の両方へ進学者が出ている年が珍しくありません。
併願を機能させるには、試験科目の重なりを意識した志望校選びが要ります。数学と専門科目の出題範囲が近い大学を束ねれば、一つの対策が複数校に効きます。逆に、英語の外部試験を課す大学と独自問題の大学、専門が2科目の大学と3科目の大学を無計画に混ぜると、準備が分散して共倒れになりかねません。出題範囲の重なりで志望校群を設計するという視点を、4年次のうちに持っておきましょう。
志望理由書と面接で問われること
編入試験では筆記だけでなく、志望理由書と面接の比重が高い大学が少なくありません。とくに推薦編入では、書類と面接で合否が決まります。高専生に対して繰り返し問われるのは、「就職という強い選択肢がありながら、なぜ大学へ進むのか」という問いです。詫間キャンパスの求人企業数567社という数字が示すとおり、高専生には就職の道が広く開かれています。そのうえで大学を選ぶ理由を、卒業研究のテーマや研究室で扱いたい課題と結びつけて語れるかどうかが評価を分けます。
香川高専では、4年次から5年次にかけて2年間継続して研究に取り組む学科があり、5年生が下級生にキャリアトークを行う文化も根づいています。研究の経験と先輩の実体験は、志望理由書を書くうえで貴重な材料です。学内にある資源を早めに使い切る意識を持ちましょう。
香川高専の学校生活|ロボコン・プロコン・寮とキャンパスの違い
編入という出口の話ばかりでは、5年間の実像が見えません。香川高専の学校生活は、全国大会レベルのものづくり活動が日常の一部になっている点に特徴があります。ここで培われる実装力と発表力は、編入試験の面接でもそのまま武器になります。
ロボットコンテストの実績
全国高等専門学校ロボットコンテストは、与えられた競技課題に対して学生がアイデアと技術を競う大会です。香川高専は高松・詫間の両キャンパスからチームを出し、四国地区大会で毎年のように上位に入っています。公式に公表されている近年の大会結果は次のとおりです。
| 年 | 四国地区大会(高松) | 四国地区大会(詫間) | 全国大会 |
|---|---|---|---|
| 2025 | Aチーム優勝(全国出場)/Bチーム特別賞 | Aチーム準優勝/Bチーム特別賞 | 高松Aチーム出場(受賞なし) |
| 2024 | Aチーム準優勝・特別賞/Bチーム優勝(全国出場) | Aチームアイデア賞/Bチーム技術賞(推薦で全国出場) | 高松Bチーム特別賞/詫間Bチーム ロボコン大賞 |
| 2023 | Aチームアイデア賞/Bチーム特別賞 | Aチーム特別賞(推薦で全国出場)/Bチーム特別賞 | 両キャンパスのAチームが出場(受賞なし) |
| 2022 | Aチームアイデア賞/Bチーム優勝(全国出場) | Aチーム準優勝/Bチーム技術賞(推薦で全国出場) | 詫間Bチーム特別賞 |
| 2021 | Aチーム準優勝(推薦で全国出場)/Bチーム技術賞 | Aチーム優勝(全国出場)/Bチームアイデア賞・特別賞 | 高松Aチーム技術賞/詫間Aチームアイデア賞 |
| 2019 | Aチーム技術賞(推薦で全国出場)/Bチーム準優勝 | Bチーム優勝(全国出場) | 詫間Bチーム 全国優勝 |
| 2016 | Aチーム優勝(全国出場)/Bチームアイデア賞 | Aチーム特別賞/Bチーム技術賞・特別賞 | 高松Aチーム 全国優勝 |
特筆すべきは、2024年の全国大会で詫間Bチームがロボコン大賞を受賞したことです。ロボコン大賞は全国大会の最高賞にあたり、優勝チームとは別に、アイデア・技術・完成度を総合して最も優れたチームに贈られます。2019年には詫間Bチームが全国優勝、2016年には高松Aチームが全国優勝しており、両キャンパスとも全国トップレベルの実績を持っています。
プログラミングコンテストでの強さ
詫間キャンパスの情報工学科は、全国高等専門学校プログラミングコンテストで全国優勝9回という戦績を積み上げてきました。2024年度には2年連続で最優秀賞を獲得し、2025年10月の大会でも自由部門優秀賞と課題部門企業賞を得ています。学科をあげてプロコン参加学生をサポートする体制が整っており、チームは香川県知事や三豊市長を表敬訪問するなど、地域からも注目される存在になっています。
プロコンやロボコンで得た経験は、編入試験でそのまま活きます。チームでの役割分担、設計の意図、失敗から学んだこと。これらは面接で問われる「主体的に取り組んだ経験」の格好の素材です。大会実績そのものより、そこで何を考えたかを語れることが評価につながります。
寮生活とキャンパス間の環境の違い
香川高専は両キャンパスに学生寮を設けており、遠方から入学する学生も生活基盤を確保できます。年度行事予定表にも新入寮生の入寮オリエンテーションや寮1年生の部屋替えが組まれており、寮生活が学校運営に組み込まれていることがわかります。高松市街地の郊外にある高松キャンパスと、香川県西部の瀬戸内海沿いにある詫間キャンパスでは通学圏が異なるため、寮の利用状況にも違いがあります。入寮の条件や費用は年度によって変わるので、募集要項と学生寮の案内でご確認ください。
教育環境の面では、両キャンパスとも令和8年度入学者から教育課程が改訂され、基礎科目を系として共通化する編成に切り替わりました。高松キャンパスの電気情報工学科には、40台以上のパソコンを備えた情報通信工学実験室が整備されており、個人に割り当てられた端末でWebページの開発・人工知能の構築・ロジックデバイスの回路設計などに取り組めます。詫間キャンパスの通信ネットワーク工学科には数百メガヘルツから40ギガヘルツ帯のアンテナ評価が可能な電波暗室があり、両キャンパスとも手を動かす時間の確保に重きが置かれています。
留学生の受け入れも続いており、令和6年5月1日現在で本科に8名の外国人留学生が在籍しています。海外出身の教員が着任するなど、国内の一般的な高校より国際色の濃い環境が形成されつつあります。海外技術研修やトビタテ留学JAPANへの採択事例もあり、5年間のうちに海外経験を積む道も開かれています。
よくある質問(FAQ)
香川高専と香川工業高等専門学校は違う学校ですか?
「香川工業高等専門学校」という学校は存在しません。正式名称は香川高等専門学校で、略称が香川高専です。前身のひとつが高松工業高等専門学校であったため、そこから連想した誤表記が一部のサイトに残っています。出願書類には香川高等専門学校と記載してください。もう一方の前身は詫間電波工業高等専門学校で、2009年10月1日に両校が統合して現在の形になりました。
高松キャンパスと詫間キャンパスはどちらが大学編入に有利ですか?
どちらが有利という単純な優劣はなく、目指す分野で選ぶのが正解です。2026年3月卒業者の大学編入学は高松23名・詫間25名でほぼ同数でした。ただし専攻科進学は高松31名・詫間14名と差があり、詫間キャンパスのほうが編入学に進む学生の比率が高くなります。機械・電気・建設分野なら高松、通信・電子・情報分野なら詫間が学びの中身に合います。
香川高専から国公立大学へ編入する人はどれくらいいますか?
2026年3月に本科を卒業した250名のうち、大学編入学は48名でした。卒業者のおよそ19パーセントが大学へ編入している計算です。公表されている進学先の多くは国公立大学で、豊橋技術科学大学と長岡技術科学大学が毎年上位を占めます。専攻科進学45名を合わせると、進学系の進路は全体の37パーセントに達します。学科別では電気情報工学科の進学率が最も高く、37名中21名が進学しました。
香川高専から東京大学や大阪大学へ編入した人はいますか?
います。電気情報工学科の令和7年度の進学先には東京大学と大阪大学が、令和6年度には大阪大学が公式に掲載されています。難関国立大学への編入は毎年1名から数名という規模ですが、途切れずに実績が出続けています。電子システム工学科からは九州大学、機械工学科の過去の実績では東北大学・千葉大学・東京農工大学・広島大学・京都工芸繊維大学などへの進学もありました。専攻科修了後に東京大学大学院へ進む学生もいます。
大学編入と専攻科進学はどちらを選ぶべきですか?
どちらも学士(工学)の学位に到達できるため、判断軸は費用・環境・その後の進路です。費用と生活の安定を重視するなら専攻科、学ぶ分野や人的ネットワークを広げたいなら大学編入学が向きます。専攻科から難関大学院へ進むルートも実績として機能しており、建設環境工学科の専攻科修了生は2025年度に東京大学大学院へ6名が進学しました。両方の受験を並行して準備し、合格を得てから決める進め方も現実的です。
香川高専からの大学編入対策はいつから始めればよいですか?
本格的な受験勉強は4年次の春から夏に始めるのが標準的です。編入試験は5月から8月に実施される大学が多く、5年生の夏には合否がほぼ出そろいます。推薦編入を狙う場合は1年次からの成績が出願要件になるため、実質的には入学直後から準備が始まっていると考えてください。数学と英語は5年間かけて積み上げ、専門科目は4年次以降に演習量を確保するのが基本的な設計です。
編入試験にTOEICのスコアは必要ですか?
必要な大学が増えています。英語の試験をTOEICやTOEFLで代替する方式が広がっており、出願時点で有効なスコアがなければ出願できない大学もあります。公式スコアの発行には時間がかかるため、受験年度に慌てて受けるのではなく、3年次から4年次のうちにスコアを確保しておくのが安全です。求められる水準や提出方法は大学ごとに異なるため、志望校の最新の募集要項でご確認ください。
まとめ|香川高等専門学校と大学編入のポイント
香川高等専門学校は、高松と詫間という2つのキャンパスに本科7学科を持つ国立高専です。大学編入という観点から見ると、就職に強いという高専の一般的なイメージだけでは捉えきれない、進学の受け皿としての厚みを備えた学校でした。最後に要点を整理します。
- 正式名称は香川高等専門学校。「香川工業高等専門学校」という学校は存在せず、2009年10月1日に高松工業高専と詫間電波工業高専が統合して設立された
- 高松キャンパス(高松市勅使町)は機械・電気情報・機械電子・建設環境の4学科、詫間キャンパス(三豊市詫間町)は通信ネットワーク・電子システム・情報の3学科。入学定員は各学科40名・計280名
- 2026年3月卒業の本科250名のうち、大学編入学48名・専攻科進学45名。進学系の進路は全体の37パーセントを占める
- 編入先は豊橋技術科学大学と長岡技術科学大学が中心。加えて東京大学・大阪大学・神戸大学・九州大学・千葉大学・電気通信大学・東京農工大学・早稲田大学・立命館大学などの実績が公表されている
- 電気情報工学科は「卒業生の1/3が就職、1/3が専攻科、1/3が他大学へ編入」と学科公式ページに明記されており、編入が標準ルートとして定着している
- 民間推計の偏差値は2026年度版で高松62・詫間61。令和6年度の志願倍率は情報工学科1.7倍が最高で、学科間の人気差が大きい
- 編入試験は数学・英語・専門科目が柱。試験は5月から8月に集中し、推薦編入では1年次からの成績が出願要件になる
香川高専から大学編入を目指すうえで最も大事なのは、日々の授業がそのまま編入試験の土台になっているという事実を早く自覚することです。材料力学も電磁気学もアルゴリズムも、編入試験で問われる内容と直結しています。定期試験のたびに理解を固め直しておけば、5年次に一から詰め込む必要はありません。
同時に、高専からの編入は情報の非対称性が大きい世界でもあります。志望校ごとに出題範囲も配点も英語の扱いも違い、推薦の要件も年度で変わります。過去問と募集要項を早く手に入れた人から選択肢が広がるという構造は、これからも変わらないでしょう。学内の先輩や教員が持つ情報を早めに引き出しておくことをおすすめします。
それでも、周囲に編入経験者が少ない学科では、独学で情報を集めきるのは簡単ではありません。志望校の傾向に合わせた学習計画づくりや、志望理由書・面接の準備に不安がある場合は、大学編入対策コースのように専門の指導を活用するのも一つの方法です。5年間という時間をどう使うかで、卒業時に開かれている扉の数は変わります。この記事の数字が、その設計の出発点になれば幸いです。なお、入試日程・募集人員・試験科目などの情報は変更される場合がありますので、受験の際は必ず最新の募集要項でご確認ください。
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