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総合型選抜の評定はどの科目が対象?計算方法の確認
コラム
総合型選抜の評定はどの科目が対象?計算方法の確認
総合型選抜で言う「評定」は、高校在学中に履修したすべての教科・科目の5段階評価をもとに算出する「全体の学習成績の状況」を指し、保健体育や芸術、家庭科などの実技系科目も対象科目から除外されません。文部科学省が全国の大学に通知した「令和9年度大学入学者選抜実施要項」の調査書記入要領では、すべての教科・科目の評定の合計数を、すべての評定数で割って算出すると定められています。この記事では「総合型選抜 評定 科目」という検索の背景にある、評定の算出範囲と計算方法を一次情報に沿って整理します。
結論を先に示すと、評定平均そのものの対象科目は主要教科だけに限られません。一方で、出願要件として何点以上を求めるか、どの教科を重視するかは大学・学部によって差があります。対象科目の範囲は全国共通でも、出願基準の数値と重視教科は大学ごとに異なります。この違いを混同すると、評定平均は正しく計算できていても、志望校の出願要件を読み違えてしまいます。
評定平均の算出範囲や、志望校が定める出願基準の確認は、無料相談で相談できます。
総合型選抜で評定が確認される3つの場面
出願資格としての評定平均
総合型選抜の募集要項には、「全体の学習成績の状況が3.5以上であること」のように、数値基準を出願資格として掲げる大学があります。この基準を満たさない場合、書類の内容や意欲にかかわらず出願そのものができません。一方で、総合型選抜は本来、学力試験だけでは測れない意欲や適性を時間をかけて評価する入試方式のため、評定基準を設けない、あるいは基準を緩やかにしている大学・学部も少なくありません。数値基準の有無自体が大学ごとの方針を映しているため、志望校の要項を早い段階で確認する意味があります。文部科学省の実施要項でも、大学が重要と判断する教科・科目を指定し、単位修得や一定水準以上の具体的な評定の獲得を出願要件として求めることができる旨が明記されており、評定を出願資格に組み込むかどうかは大学の裁量に委ねられています。
調査書という書類に記載される評定
評定平均は、単独の数値として提出するのではなく、高等学校が作成する「調査書」という書類の中の一項目として大学に提出されます。調査書には、学年ごとの教科・科目別の評定に加えて、「各教科の学習成績の状況」と「全体の学習成績の状況」という2種類の平均値が記載欄として設けられています。大学が確認するのは評定の数値だけでなく、出欠状況や特別活動の記録を含む調査書全体です。評定平均はその中の一部分であり、書類全体の中でどの程度重視されるかは大学の評価方法によって変わります。調査書にはこのほか、出欠の記録、特別活動の記録、総合的な探究の時間の記録、指導上参考となる諸事項など、評定以外の項目も並んでおり、大学によってはこれらの記載事項を評定と合わせて総合的に見る場合があります。
総合型選抜全体の評価における評定の位置づけ
文部科学省の実施要項は、総合型選抜について「入学志願者の能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価・判定する」入試方法と位置づけ、調査書等の出願書類だけでなく、複数の評価方法のうち少なくともいずれか一つを組み合わせて評価することを大学に求めています。評定平均はこの複数の評価要素の一つという位置づけであり、評定だけで合否が決まるわけではなく、志望理由書や面接など他の要素と合わせて総合的に判定されます。評定に不安がある場合でも、他の書類や面接での準備次第で挽回の余地があることは押さえておきたい点です。
実施要項が示す評価方法は、大きく分けて、①教科・科目に係る個別テストの実施、②大学入学共通テストの利用、③小論文・面接・実技検査・エッセイ・口頭試問・ディベート・集団討論・プレゼンテーション等の活用、④英検やTOEFL等の資格・検定試験等の成績の活用、⑤活動報告書や大学入学希望理由書・学修計画書など志願者本人が記載する資料等の活用、という5つの区分に整理されます。総合型選抜では、これら5区分のうち少なくとも一つを必ず組み合わせて評価するよう大学に求められています。調査書に記載される評定は、この枠組みの中では出願書類として提出される情報の一部であり、①〜⑤のどの評価方法をどの程度重視するかは、大学ごとのアドミッション・ポリシーによって異なります。したがって、同じ評定平均の数値であっても、面接や小論文への配分が大きい大学では評定以外の準備がより重要になり、資格・検定試験の活用を掲げる大学では英検やTOEFLなどのスコアが合否に直結しやすくなる、というように、評定の重みそのものが大学の評価方針によって変わってくる点を理解しておく必要があります。
評定平均(全体の学習成績の状況)の対象科目
「全体の学習成績の状況」の定義
文部科学省の「令和9年度大学入学者選抜実施要項」に付属する「調査書記入上の注意事項等について」では、全体の学習成績の状況について、指導要録に基づき、すべての教科・科目の評定の合計数をすべての評定数で除した数値(小数点以下第2位を四捨五入)を記入する、と定められています。「全教科・科目」という表現のとおり、特定の教科だけを取り出して計算するものではありません。この定義は全国の高等学校・大学に共通して適用されるものであり、大学が独自に対象科目の範囲を変えることはできません。
実技科目も対象科目に含まれる
受験生の間で誤解されやすい点として、「評定平均は国語・数学・英語などの主要教科だけで決まる」という思い込みがあります。しかし、実施要項が示す計算例では、国語・地理歴史に加えて保健体育・家庭科の評定も合計に含めて全体の学習成績の状況を算出しています。保健体育・芸術(音楽・美術・書道等)・家庭科・情報なども、履修した科目である限り全体の学習成績の状況の対象科目です。実技科目の評定が低いことをそのままにしておくと、主要教科の頑張りだけでは評定平均を押し上げにくくなる点には注意が必要です。
大学が指定した教科だけを見る出願要件もある
ここで区別したいのは、「評定平均そのものの計算範囲」と「大学が出願要件として重視する教科の範囲」は別の話だという点です。実施要項は、大学が重要と判断する教科・科目を指定し、単位修得や一定水準以上の具体的な評定の獲得を出願要件として求めることを認めています。数学の評定が4以上であることを出願要件とする、といった教科限定の基準は大学が独自に設定できます。つまり、全体の学習成績の状況の計算そのものは全科目が対象でも、出願要件として大学が見る評定は特定教科に絞られている場合がある、という二重構造になっています。志望校の要項で「全体の学習成績の状況」を求めているのか、「特定教科の評定」を求めているのかを読み分けることが欠かせません。
志望校の出願要件が「全体の学習成績の状況」なのか特定教科の評定なのか、要項の読み方に迷ったら無料相談で確認できます。
評定平均は何年生の何学期まで計算されるのか
高校1年から高校3年1学期(前期)までが基本
総合型選抜は出願受付が令和8年(2026年)9月1日以降に設定されているため、出願時点で高校3年生の2学期・3学期(後期)の成績はまだ確定していません。そのため、実務上は高校1年・2年の全期間と、高校3年の1学期(または前期)までの評定を用いて全体の学習成績の状況を算出するのが一般的です。3年生の後期分は出願時点でまだ評価が確定していないため、通常は計算対象に含まれません。ただし、学期の区切り方は学校の教育課程(2学期制・3学期制)によって異なるため、自分の高校がどの時点までの評定を調査書に記載するかは、担任や進路指導の先生に確認するのが確実です。
3年生の成績が未決定の場合の調査書の扱い
実施要項の調査書記入要領には、卒業見込みの者で最終学年の成績が未決定である場合、当該学年における直近の成績を総合し、高等学校として判定した成績を最終学年の成績として記入する、という規定があります。3年生の評定が固まっていなくても、学校がそれまでの成績を踏まえて判定した数値が調査書に記載されます。つまり、出願時点で最終的な3年生の評定が出ていないことを理由に、調査書の提出自体ができなくなるわけではありません。この判定方法の詳細は学校ごとの内規によるため、疑問がある場合は学校に確認しましょう。
通信制・定時制や転入学の場合の考え方
学年による教育課程の区分を設けない全日制・定時制・通信制の課程では、実施要項上「学年」を「年度」と読み替えて調査書を作成する扱いになっています。転入学・編入学をしている場合も、在籍していた各校での履修・評定の記録をもとに全体の学習成績の状況が算出されます。在籍校が変わった場合でも、履修が確認できる評定はすべて全体の学習成績の状況の計算対象になります。複数の高校に在籍した経験がある人は、前籍校の成績証明書の取り寄せに時間がかかることがあるため、早めに現在の在籍校の進路指導部に相談しておくと安心です。
過年度生(既卒生)の場合の評定の扱い
浪人などで前年度以前に高校を卒業した過年度生の場合は、現役生とは前提が異なります。実施要項では、過年度卒業者について従前の様式による調査書の提出を認める一方、指導要録のうち学籍に関する記録は卒業後20年、指導に関する記録は卒業後5年の保存期間が定められており、過年度生の全体の学習成績の状況は、高校3年間分の評定がすでに確定した状態で調査書に記載されます。そのため、現役生のように出願時点で3年生の後期分が未確定という事情はなく、卒業時点で確定した数値がそのまま使われます。廃校や被災などの事情で調査書そのものが得られない場合は、卒業証明書や成績通知表など代わりの書類で対応することとされています。
評定平均の計算方法をシミュレーションで確認する
各教科の学習成績の状況の計算式
調査書には、教科ごとの平均を示す「各教科の学習成績の状況」と、全科目をまとめた「全体の学習成績の状況」の2種類が記載されます。各教科の学習成績の状況は、その教科に含まれる各科目の評定の合計数を、その教科の評定の数(科目数×学年数)で割った数値です。同じ教科でも学年ごとに評定がつく科目は、学年ごとに1件の評定として数えます。例えば理科で「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」をそれぞれ1回ずつ履修し、評定が3・3・5だった場合、合計11を評定数3で割った3.66を、小数点以下第2位を四捨五入して3.7と記載します。
全体の学習成績の状況の計算式
全体の学習成績の状況は、この各教科の平均をさらに平均するのではなく、履修したすべての科目・すべての学年の評定を1件ずつ合計し、その合計数をすべての評定の件数で割って求めます。教科ごとの平均を平均するのではなく、個々の評定をすべて足し合わせて1回で割る点が計算のポイントです。そのため、履修科目数が多い教科(例えば国語や外国語のように複数科目・複数学年にわたって評定がつく教科)は、全体の学習成績の状況に占める影響がやや大きくなります。逆に、1科目しか履修しない教科は、全体への影響が相対的に小さくなります。
この計算方法は、いわゆる「教科ごとの平均点をさらに平均する」方式(教科の数だけで割る方式)とは異なる点に注意が必要です。教科の数で単純平均する計算方法と、評定の件数で割る全体の学習成績の状況の計算方法は、数値が一致するとは限りません。例えば、ある教科の履修科目数が1つしかなく、別の教科は3学年にわたって3科目履修しているような場合、教科ごとの平均を単純に足し合わせて教科数で割る方法では、履修科目数の少ない教科の影響が相対的に大きくなり、実施要項が定める全体の学習成績の状況の数値とはずれが生じます。インターネット上の解説サイトや口コミの中には、この2つの計算方法を区別せずに紹介しているものもあるため、正確な数値を知りたい場合は、必ず実施要項が定める「評定の合計数を評定の件数で割る」方法に沿って確認するようにしましょう。
小数点以下の四捨五入で迷いやすいポイント
全体の学習成績の状況は、合計を評定数で割った数値を、小数点以下第2位を四捨五入して小数点以下第1位までで表すというルールになっています。3.85のように第2位が5以上であれば切り上がり3.9、3.84のように4以下であれば切り捨てて3.8と表記されます。わずかな評定の差でこの境界をまたぐことがあるため、「自分で計算した数値」と「調査書に実際に記載される数値」がぴったり一致するとは限らない点は理解しておきましょう。心配な場合は、自己流の計算だけで判断せず、学校側が調査書に記載する予定の数値を確認するのが確実です。
具体的な数値で計算してみる
下の表は、ある生徒が高校1年から3年1学期までに履修した科目と評定の一例です。実際の評定は学校・生徒ごとに異なるため、この数値はあくまで計算方法を確認するための仮の例です。表の評定をすべて合計すると58、評定の件数は15件になるため、58を15で割ると3.86…となり、小数点以下第2位を四捨五入して全体の学習成績の状況は「3.9」と算出されます。
| 教科 | 科目 | 評定 |
|---|---|---|
| 国語 | 現代の国語/言語文化/論理国語 | 4/3/4 |
| 地理歴史 | 歴史総合/日本史探究 | 4/3 |
| 数学 | 数学Ⅰ/数学Ⅱ/数学Ⅲ | 3/3/2 |
| 理科 | 物理基礎/化学 | 4/3 |
| 外国語 | 英語コミュニケーションⅠ/Ⅱ | 5/4 |
| 保健体育 | 体育・保健(1年)/(2年) | 4/4 |
| 芸術 | 音楽Ⅰ | 5 |
| 家庭 | 家庭基礎 | 3 |
この計算例からもわかるように、評定平均を上げるには特定の教科だけでなく、履修しているすべての科目の評定を底上げする視点が必要です。逆に言えば、苦手教科が1つあっても、履修科目数全体の中での比重を理解していれば、どの教科の評定を伸ばすと全体の学習成績の状況への影響が大きいかを見積もることができます。
自分の履修科目・評定から全体の学習成績の状況を計算してみたい場合も、無料相談で一緒に確認できます。
大学・学部によって評定平均の見方は異なる
出願基準として数値を定めるケース
総合型選抜の募集要項でよく見られるのが、「全体の学習成績の状況が3.0以上」「3.5以上」のように、具体的な数値を出願資格の一つとして定めるケースです。数値基準を満たさない場合は出願自体が受理されないため、まず数値要件の有無を確認する必要があります。基準となる数値は大学・学部・入試区分によってばらつきがあり、同じ大学でも学部が違えば基準も異なることがあります。数値要件の有無や具体的な基準は年度により変更される可能性があるため、必ず出願を予定する年度の募集要項で確認してください。
特定の教科・科目を指定するケース
数値基準に加えて、特定の教科・科目の評定や単位修得を出願要件とする大学もあります。例えば、理系学部で数学・理科の特定科目の評定に条件を付けたり、外国語系の学部で英語の評定や資格・検定試験のスコアを合わせて求めたりする例です。全体の学習成績の状況とは別に、学部の専門性に関わる教科だけを個別に見る要件が設けられることがあります。この場合、全体の学習成績の状況の数値が高くても、指定された教科の評定が基準に届かなければ出願要件を満たさない可能性があるため、要項の記載を教科単位まで丁寧に読む必要があります。
教科・科目を指定した評定要件は、大学のアドミッション・ポリシーと結びついていることが多く、専門分野の学習に直結する科目の履修状況や理解度を、入学前の時点である程度確認したいという大学側の意図が背景にあります。教科指定の評定要件は、入学後の学習についていけるかどうかを大学が事前に確認する目的で設けられている場合があります。そのため、指定された教科の評定が基準に届かない場合でも、資格・検定試験の結果や、教科・科目に係る個別テストの受験によって代替的に能力を示せる区分が用意されていることもあります。募集要項の出願資格欄だけでなく、評価方法の欄まで含めて確認すると、代替手段の有無が見えてくることがあります。
評定基準を設けず書類・面接を重視するケース
一方で、総合型選抜の趣旨に沿って、評定平均の数値基準を設けず、志望理由書や活動実績、面接での評価を中心に判定する大学・学部も数多くあります。評定基準がない募集区分では、評定の数値そのものより、調査書に記載された活動の記録や学習の姿勢が見られる場合があります。評定平均に自信が持てない場合でも、こうした募集区分を検討することは選択肢の一つになります。どちらの方針を取っているかは大学の公式な募集要項でしか確認できないため、口コミや噂だけで判断せず、必ず一次情報にあたることが重要です。
評定基準の公表状況は大学によって差がある
評定平均に関する基準は、募集要項の出願資格の欄に明記されている場合もあれば、「出願資格を満たす者」とだけ記載され、具体的な数値が入試要項の別紙や問い合わせでしか分からない場合もあります。評定基準の記載場所や詳しさは大学ごとに差があるため、募集要項の目次から出願資格・提出書類の項目を丁寧に探す必要があります。年度によって基準が改定されることもあるため、前年度の情報をそのまま使わず、出願を予定する年度の募集要項を必ず確認してください。不明な点があれば、大学の入試課に直接問い合わせることも有効な方法です。
評定平均と内申点は同じではない
内申点は中学校、評定平均は高校の入試で使われる言葉
「内申点」と「評定平均」は、しばしば同じもののように使われますが、本来は使われる場面が異なる言葉です。「内申点」は主に公立高校入試で中学校の調査書(内申書)の評定を得点化したものを指す呼び方として広く使われており、大学入試の文脈で公式に使われる用語は「評定」「学習成績の状況」であり、内申点という言葉ではありません。高校生や保護者の会話では、中学時代の呼び方の名残で「内申点」という言葉が使われ続けることが多く、これが評定平均との混同につながっています。
換算方法や重み付けの違い
中学校の内申点は、公立高校入試の制度によって、実技4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)の評定を2倍にするなど、都道府県ごとに独自の換算方法が定められているケースがあります。これに対して、大学入試で使う全体の学習成績の状況は、実施要項が定める全国共通の計算方法(すべての評定を1件ずつ合計して評定数で割る)で算出され、特定教科の評定を重み付けして計算する仕組みは、全体の学習成績の状況には組み込まれていません。中学時代の内申点の感覚のまま「実技科目は重みが違うはず」と思い込むと、高校の評定平均の計算方法を誤解してしまいます。
呼び方の違いで混乱しないために
総合型選抜の情報を調べていると、サイトによって「評定平均」「学習成績の状況」「内申点」といった複数の呼び方が混在して使われていることに気づきます。用語が違っても、大学入試の場面で参照される数値は基本的に調査書の「全体の学習成績の状況」を指しています。募集要項を読むときは、書かれている言葉が中学の内申点の話なのか、高校の評定平均の話なのかを区別し、混同したまま数値を計算しないよう注意しましょう。
保護者世代が高校生だった頃と現在とで、呼び方が変わっている場合がある点にも注意が必要です。文部科学省は、高等学校での学習成績を全体的に把握する趣旨を明確にするため、従来「評定平均値」と呼ばれていた記載項目の名称を「学習成績の状況」に改めた経緯があります。「評定平均値」という呼び方は現在の実施要項上の正式名称ではなく、「学習成績の状況」に置き換わっています。募集要項や進路指導の資料で古い呼び方と新しい呼び方が混在していても、指している中身は同じ計算方法に基づく数値であるため、名称の違いに戸惑う必要はありません。
評定平均と内申点の違いなど、用語の整理に迷ったときも無料相談で質問できます。
調査書の発行・内容確認の方法
調査書は誰が、いつ作成するか
調査書は、生徒自身が作成する書類ではなく、高等学校が指導要録に基づいて作成する公的な書類です。実施要項では、ホームルーム担当教員等が原案を作成し、関係教員で組織した調査書作成に関する委員会の審議を経て、高等学校長が作成し、その責任において大学に提出すると定められています。調査書の作成・提出は学校が行う手続きであり、生徒本人が直接大学へ送るものではありません。出願書類として調査書が必要な場合は、出願期間の前に余裕を持って学校に発行を依頼する必要があります。
高校生自身が内容を事前に確認する方法
調査書に記載される評定は、これまでの通知表や成績のお知らせをもとにしています。自分の全体の学習成績の状況を事前に把握したい場合は、通知表に記載された評定を集計するか、担任の先生に確認するのが確実です。学校によっては、進路指導の面談時に評定平均の目安を教えてくれることもあります。総合型選抜での出願を検討し始めた時点で、一度自分の評定平均のおおよその数値を把握しておくと、志望校の出願基準と照らし合わせやすくなります。
通知表から自分で集計する場合は、各学期・各学年の通知表に記載された評定をすべて書き出し、履修した科目の総数で割ってみると、調査書に記載される数値のおおよその目安をつかめます。正式な数値は学校が指導要録に基づいて算出するため、自己集計はあくまで出願準備のための目安として扱いましょう。特に転校や科目選択の変更があった年度は、履修科目の数え方を間違えやすいため、不安な場合は自己判断で数値を確定させず、担任や教務担当に確認することをおすすめします。
記載ミス・未履修科目があった場合の対応
調査書は学校が作成する書類であるため、まれに記載内容に誤りがある可能性もゼロではありません。内容に疑問がある場合は、出願前に学校へ確認を依頼しましょう。また、実施要項では、必履修教科・科目の未履修があった場合の調査書の扱いについて、大学は合否判定にあたり、未履修科目があることをもって不利益に取り扱うことがないよう配慮するとされています。未履修科目がある場合でも、そのことだけを理由に不利益な扱いを受けないよう配慮する規定が実施要項に明記されています。心当たりがある場合は、一人で抱え込まず、早めに進路指導の先生に相談してください。
複数の大学に出願する場合の注意点
総合型選抜と学校推薦型選抜、一般選抜を併願する場合、出願先の数だけ調査書の発行を学校に依頼する必要があります。調査書は出願先の大学ごとに1通ずつ必要になることが多く、併願校が多いほど早めの依頼が欠かせません。学校によっては、調査書の作成・発行までに一定の日数がかかることもあります。出願スケジュールが固まった時点で、必要な通数と依頼の締切を進路指導の先生に確認し、余裕を持って準備を進めておきましょう。
特に総合型選抜は出願受付が9月から始まり、学校推薦型選抜は11月から、一般選抜はさらにその後と、時期が段階的にずれていきます。併願する入試方式ごとに出願時期が異なるため、調査書の依頼もまとめて一度に済ませられるとは限りません。進路指導部が複数の生徒の調査書を同時期に扱うことも多いため、直前になって慌てないよう、夏休み前後の早い段階で年間の出願スケジュールと必要書類を一覧にしておくと安心です。
評定平均でよくある誤解
「主要5教科だけで計算される」という誤解
先述のとおり、全体の学習成績の状況は履修したすべての教科・科目を対象に計算されるため、「国語・数学・英語・理科・社会の5教科だけで決まる」という理解は誤りです。保健体育・芸術・家庭・情報など、5教科以外の科目の評定も計算に含まれます。主要教科の評定だけを気にして実技科目の対策を後回しにしていると、想定より全体の学習成績の状況が伸びない、という事態につながりかねません。この誤解は、公立高校入試で使われる内申点の計算方法(都道府県によっては実技教科の比重が異なる)のイメージを、大学入試の評定平均にそのまま当てはめてしまうことから生じている場合があります。中学入試の内申点の感覚と、高校の全体の学習成績の状況の計算方法は仕組みが異なります。大学入試の評定平均を考えるときは、いったん中学時代の感覚をリセットし、実施要項が定める計算方法に沿って理解し直すことが大切です。
「学年が上がるほど評定の比重が重くなる」という誤解
全体の学習成績の状況の計算式は、履修した評定を1件ずつ合計して評定数で割るというシンプルな方法であり、学年ごとに重み付けをする仕組みは組み込まれていません。3年生の評定だからといって、1年生・2年生の評定より自動的に重く扱われるわけではありません。ただし、募集要項によっては学校推薦型選抜などで直近の学年の成績を重視する旨が書かれている大学もあるため、これは全体の学習成績の状況という計算そのものの話と、大学が評価の際にどこを重視するかという運用の話を分けて理解する必要があります。
「一度低い評定を取ると挽回できない」という誤解
1年生の時に評定が低い科目があったとしても、それだけで出願自体が不可能になるとは限りません。全体の学習成績の状況はすべての評定の合計を件数で割った平均値であるため、その後の学年で評定を上げれば、全体の平均を押し上げることは十分可能です。また、評定基準を設けていない、あるいは基準が緩やかな総合型選抜の区分を選ぶという選択肢もあります。評定に不安がある場合こそ、早い段階で複数の大学・学部の募集要項を比較し、自分に合った出願先を検討することが対策になります。評定の算出範囲や計算方法だけでなく、志望校選びそのものに迷ったときは、総合型選抜専門オンライン塾ハルートのように評定平均を踏まえた出願先の相談ができる窓口を早めに頼ることも一つの方法です。
評定に不安があるときの出願先の選び方は、無料相談で相談できます。
評定平均以外に確認しておきたいポイント
評定平均と活動実績・志望理由書との関係
総合型選抜では、評定平均に加えて、部活動や資格・検定、探究活動などの活動実績、志望理由書の内容が組み合わされて評価されます。評定平均の対象科目や計算方法を理解したうえで、評定以外の書類でどのように自分の学びへの意欲を伝えるかも、出願準備の早い段階から考えておく必要があります。評定に関する対象科目や算出方法について詳しく知りたい場合は、総合型選抜で評価される活動実績とはの記事も参考にしてください。
学校推薦型選抜との評定基準の違い
評定平均は、総合型選抜だけでなく学校推薦型選抜(指定校推薦・公募推薦等)でも出願要件として使われます。学校推薦型選抜は、出身高等学校長の推薦に基づき調査書を主な資料とする選抜方式であるため、総合型選抜以上に評定基準が明確に設定されている募集区分が多く見られます。同じ大学・学部でも、総合型選抜と学校推薦型選抜とで評定基準の厳しさが異なる場合があります。学部によって評定基準の傾向がどう違うかは、学校推薦型選抜で薬学部を目指すの記事でも具体例を確認できます。
学部特性による評定基準の傾向
薬学部や看護学部、医療系学部など、国家資格の取得を前提とする学部では、専門科目の理解度を担保する観点から、理科・数学などの評定や、全体の学習成績の状況に一定の基準を設ける傾向が見られます。資格取得を前提とする学部では、評定基準が他学部より明確に設定されていることが少なくありません。具体的な出願要件は年度・学部ごとに変わるため、総合型選抜で薬学部を目指すの記事も合わせて確認し、志望する学部の最新の募集要項を必ず確認してください。
志望学部ごとの評定基準の傾向や、対策の進め方は無料相談で相談できます。
「学習成績概評」というアルファベット表記との違い
学習成績概評とは何か
調査書には、数値で示す「全体の学習成績の状況」とは別に、A〜Eのアルファベットでおおまかな水準を示す「学習成績概評」という記載欄も設けられています。学習成績概評は、全体の学習成績の状況の数値を一定の範囲ごとに区分し直した表記です。下の表のように、5段階の数値をアルファベット1文字に置き換える仕組みになっており、募集要項によっては数値ではなくこの概評を出願基準として使う大学もあります。
| 学習成績概評 | 全体の学習成績の状況の範囲 |
|---|---|
| A | 5.0〜4.3 |
| B | 4.2〜3.5 |
| C | 3.4〜2.7 |
| D | 2.6〜1.9 |
| E | 1.8以下 |
評定平均と学習成績概評の使い分け
募集要項の中には、「全体の学習成績の状況が3.5以上であること」と数値そのもので出願条件を示す大学もあれば、「学習成績概評がB以上であること」のようにアルファベットで条件を示す大学もあります。数値と概評のどちらで出願基準を示すかは、大学・学部・選抜区分によって異なります。自分の全体の学習成績の状況の数値がわかっていれば、上の表を目安に、募集要項がどちらの表記で条件を示していても対応できるようにしておくと安心です。ただし、実際に出願書類として提出されるのは、調査書に高等学校が記載した概評そのものであり、自分で計算した概評をそのまま出願書類に書き込むわけではありません。
境界値付近の数値は募集要項の記載を優先する
表の対応を見ると、「評定平均3.4」は概評Cの範囲に含まれ、「評定平均3.5」は概評Bの範囲に含まれるというように、わずかな差で概評が変わる境界値が存在します。境界値に近い数値の場合は、概評の記号だけで判断せず実際の数値も確認しましょう。また、学習成績概評の算出に用いる全体の学習成績の状況の対象学年・学期の範囲も、これまで確認してきた基準と同じ考え方に基づいています。数値と概評のどちらを重視する場合でも、対象科目や対象学年の範囲についての理解は変わりません。
「評定平均3.5以上」「学習成績概評B以上」のような出願基準の読み方に迷ったときも、無料相談で確認できます。
総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜で評定の扱いはどう違うか
一般選抜では評定平均が出願要件になることは少ない
一般選抜は、大学入学共通テストや各大学が実施する個別学力検査の得点によって合否を判定する入試方式が中心であり、出願要件として全体の学習成績の状況の数値を求める例は、総合型選抜や学校推薦型選抜に比べて多くありません。そのため、一般選抜だけを考えている受験生にとっては評定平均の重要度は相対的に低くなりますが、総合型選抜や学校推薦型選抜を併願する場合は、一般選抜の対策と並行して評定平均にも気を配る必要が出てきます。実施要項は一般選抜について、学力検査や小論文等を主な資料としつつ、調査書や面接、志願者本人が記載する資料等を組み合わせて評価・判定する入試方法と位置づけており、一般選抜では調査書は評価に組み合わせる資料の一つで、学力検査の成績が主な判定材料になります。この位置づけの違いを理解しておくと、複数の入試方式を併願する際に、どこに準備の重点を置くべきかを整理しやすくなります。
学校推薦型選抜は評定基準がより明確になりやすい
学校推薦型選抜は、出身高等学校長の推薦に基づき調査書を主な資料とする選抜方式であるため、出願の前提として学校内で推薦基準(評定平均の下限等)が設けられていることが一般的です。学校推薦型選抜では、大学の出願要件に加えて、高校内部の推薦基準もクリアする必要がある点が総合型選抜と異なります。校内選考がある場合、大学の募集要項に記載された基準を満たしていても、校内の推薦枠を得られなければ出願できないことになるため、早い段階で担任や進路指導部に校内の推薦基準を確認しておくことが欠かせません。
校内の推薦基準は、大学の募集要項には記載されておらず、各高校が独自に定めている場合がほとんどです。校内推薦基準の有無や具体的な数値は、大学の公式サイトではなく在籍している高校に確認する必要があります。指定校推薦・公募推薦のどちらを検討する場合でも、大学が示す出願要件と、高校が示す校内基準の両方を満たして初めて出願に進めるという二段階の仕組みになっている点を押さえておきましょう。
総合型選抜は評定以外の要素で補える余地が比較的大きい
これに対して総合型選抜は、実施要項が「入学志願者自らの意志で出願できる公募制という性格」を持つ入試として位置づけており、校内選考を経ずに出願できる区分が多く、評定基準を設けない大学・学部も一般選抜・学校推薦型選抜より見られます。ただし、大学によっては総合型選抜でも校内選考や評定基準を設けている場合があるため、「総合型選抜だから評定は関係ない」と思い込まず、志望校ごとの募集要項を必ず確認するようにしてください。
総合型選抜・学校推薦型選抜のどちらを軸に出願準備を進めるべきか迷ったときも、無料相談で相談できます。
評定平均を計画的に上げていくためにできること
定期テストの得点だけでなく平常点も意識する
評定は、定期テストの得点のみで決まるわけではなく、授業態度や提出物の状況、平常点なども含めて学校が総合的に判断してつけるものです。テストの得点が高くても、提出物の未提出が続くと評定が下がることがあります。総合型選抜での出願を視野に入れ始めたら、目先の定期テストの点数だけでなく、日々の授業への取り組み方そのものが評定に反映されていることを意識しておくとよいでしょう。
履修科目数が少ない教科ほど1つの評定の影響が大きい
全体の学習成績の状況の計算方法を踏まえると、履修科目数が少ない教科は、1つの評定が全体の平均に与える影響が相対的に大きくなります。逆に言えば、履修科目数が多い教科の評定を少し上げるよりも、履修科目数が少ない教科の評定を底上げするほうが、全体の学習成績の状況を効率よく押し上げられる場合があります。自分の履修状況を一度整理し、どの教科の評定を優先的に上げるべきかを把握しておくと、限られた時間の中でも計画を立てやすくなります。
担任・進路指導の先生に早めに相談する
評定平均の推移や、志望校が求める基準との距離感は、通知表を見返すだけでは把握しづらいこともあります。担任や進路指導の先生に評定平均のおおよその数値を相談することで、残りの学年でどの教科に力を入れるべきかが具体的に見えてきます。総合型選抜を見据えて評定を計画的に整えたい場合は、できるだけ早い学年のうちから学校に相談を始めることが、出願先の選択肢を広げることにつながります。
残りの学年でどの教科の評定を優先すべきか、志望校の基準と合わせた計画づくりは無料相談で相談できます。
よくある質問
評定平均には実技4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)も含まれますか。
含まれます。全体の学習成績の状況は、履修したすべての教科・科目の評定を対象に計算されるため、実技科目の評定も合計に含まれます。特定の教科だけを除外して計算する仕組みではありません。
評定平均は高校3年生のどの時点までの成績で計算されますか。
総合型選抜は出願受付が9月以降のため、実務上は高校1・2年の全期間と、高校3年1学期(前期)までの評定を用いるのが一般的です。3年生の成績が未確定の場合は、学校がそれまでの成績を踏まえて判定した数値が調査書に記載されます。学期の区切り方は学校の教育課程により異なるため、担任の先生に確認してください。
評定平均に出願基準がない大学・学部を選べば、評定が低くても不利にならないのですか。
評定基準を設けていない募集区分であれば、出願自体は評定を理由に妨げられません。ただし、調査書自体は評定以外の記載事項も含めて提出されるため、評定が全く評価に影響しないとは限りません。募集要項に記載された評価方法を確認し、評定以外にどのような書類・試験が課されるかも合わせて確認してください。
評定平均と内申点は同じ数値ですか。
使われる場面が異なります。内申点は主に中学校の調査書の評定を得点化した用語として使われ、大学入試では「評定」「全体の学習成績の状況」という呼び方が公式に使われます。計算方法や重み付けの考え方も、都道府県ごとの中学入試制度と、全国共通の大学入試の実施要項とでは異なります。
評定平均の対象科目は大学が自由に決められますか。
全体の学習成績の状況そのものの計算範囲(全教科・科目が対象)は、実施要項によって全国共通に定められており、大学が変更することはできません。一方で、大学が出願要件として特定の教科・科目の評定や単位修得を追加で求めることは認められています。この2つは別の仕組みである点に注意してください。
10段階評価をしている学校の場合、評定平均はどう計算されますか。
調査書の評定欄は5、4、3、2、1の5段階で表示することが実施要項で定められているため、10段階評価をしている学校では、学校ごとに定められた換算方法で5段階に置き換えたうえで調査書に記載されます。具体的な換算方法は学校により異なるため、担任の先生や教務担当に確認してください。
評定平均が低い場合、総合型選抜自体を諦めるべきですか。
評定基準の有無・水準は大学・学部により異なるため、評定平均が低いことだけを理由に総合型選抜そのものを諦める必要はありません。評定基準を設けない、あるいは基準が緩やかな募集区分を探す、志望理由書や活動実績、面接での準備に力を入れるなど、評定以外の要素で補う対策を検討する余地があります。まずは自分の全体の学習成績の状況の数値を正確に把握し、志望する可能性がある大学・学部をいくつか比較したうえで、出願先の候補を広げて検討することをおすすめします。
評定平均の対象になる履修科目に、留学中に取得した単位は含まれますか。
留学に係る評定については、外国の高等学校が発行する成績や在籍・科目履修に関する証明書を添付し、調査書の評定欄への記入を要しない扱いとされています。留学経験がある場合の調査書の扱いは個別性が高いため、学校の担当窓口に早めに相談してください。
まとめ|総合型選抜の評定は全科目が対象、範囲と計算方法を理解して出願準備を進める
総合型選抜で使われる評定平均(全体の学習成績の状況)は、実技科目を含む履修したすべての教科・科目の評定を対象に、決められた計算式で算出されます。対象科目の範囲は全国共通ですが、出願要件として求める数値基準や重視する教科は大学・学部ごとに異なります。また、対象となる学年・学期の範囲や、数値ではなく学習成績概評(A〜E)で基準を示す大学があること、内申点という言葉との違いなど、混同しやすいポイントも一つずつ整理しておくと、出願要件の読み違いを防げます。まずは自分の評定平均のおおよその数値を把握したうえで、志望校の募集要項に記載された出願基準を確認し、評定以外の書類・面接の準備とあわせて計画的に出願準備を進めていきましょう。
ここまで理解できたら、
あとは自分の志望校に当てはめるだけです。
評定・活動実績・志望校・残り時間はひとりずつ違います。書類の書き方や面接の準備が合っているか、申し込みの前に無料相談で確認できます。
オンライン(Zoom)で実施します。その場でお申し込みいただく必要はありません。


