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総合型選抜のプレゼンのスライドの作り方|評価される構成

コラム

総合型選抜のプレゼンのスライドの作り方|評価される構成

2026-09-05 公開

総合型選抜でプレゼンテーション試験が課される場合、評価されているのは資料の見た目の美しさではなく、書類審査から続く「考える力」と「伝える力」です。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜における面接は「ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含む」と位置づけられており、プレゼンテーションは面接の一形態として扱われています。

スライドは主役ではなく、自分の考えを面接官に正確に届けるための道具です。この記事では、一次情報を基に、評価されるプレゼンの構成、スライド枚数や時間配分の目安、デザインの基本、質疑応答への備え方まで順番に整理します。

この記事は2026年9月時点で確認できる文部科学省の公表資料、大学公式サイトの募集要項・入試情報を基にしています。試験内容や日程は年度により変更される可能性があるため、出願前には必ず志望大学の最新の募集要項で確認してください。

プレゼンテーションのテーマ設定や構成の作り方は、無料相談で個別に相談できます。

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総合型選抜でプレゼンテーションが課される理由と位置づけ

文部科学省の実施要項における位置づけ

総合型選抜がどのような入試方法として定義されているかを確認しておきます。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項は、総合型選抜を「一般選抜とは異なる観点や方法により評価を行うという前提のもと、詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法」と位置づけています。

そのうえで、同要項は「入学志願者の能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価・判定する総合型選抜の趣旨に鑑み、志望する学問分野に対する意欲や適性等に係る面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含む。オンラインによる実施を含む。)による評価を必ず行う」と定めています。プレゼンテーションは面接から独立した特別な科目ではなく、面接の一形態として位置づけられています。

さらに、評価方法の項目では「アドミッション・ポリシーに応じ、小論文、面接、実技検査、エッセイ、口頭試問、ディベート、集団討論、プレゼンテーション等を活用することが望ましい」とも記載されています。加えて、活動報告書や大学入学希望理由書、学修計画書といった志願者本人が記載する資料の活用方法として、「特に総合型選抜や学校推薦型選抜においては、志願者本人が記載する資料に関するプレゼンテーションなどにより積極的に活用する」という記述もあります。詳細は文部科学省「入学者選抜実施要項」で確認できます。

評価項目から見るプレゼンの狙い

大学によっては、プレゼンテーション試験の評価項目そのものを募集要項で公表しています。日本大学国際関係学部が公表した令和7年度総合型選抜(探究型プレゼンテーション方式)の資料では、評価項目として「理解力,客観性,独自性,表現力,構成,態度,姿勢等」が挙げられています。こうした評価項目の一覧は、スライドをどう作るべきかを考えるための手がかりになります。

評価項目の例 問われている内容の目安 スライド作成での意識
理解力 課題やテーマの意図を正しく把握しているか 冒頭でテーマの解釈を一文で示す
客観性 主観だけでなく事実やデータに基づいているか 根拠となる数値や出典を示す
独自性 自分ならではの視点や経験があるか 一般論で終わらせず自分の経験を根拠に含める
表現力・構成 結論と根拠が筋道立てて伝わるか 結論・根拠・具体例・まとめの順に配置する
態度・姿勢 質問への対応や話す姿勢が誠実か 質疑応答まで含めて練習する

評価項目の名称や数は大学によって異なり、募集要項に明記していない大学も少なくありません。評価項目が非公表の場合でも、多くは理解力・独自性・構成力・態度を軸に評価していると考えられます。募集要項に評価項目の記載がある場合は必ず確認し、その項目に沿ってスライドと発表内容を点検してください。

事前課題型と当日課題型、書類ベース型の違い

大学が公表している募集要項を見ると、プレゼンテーションの出題形式は大きく三つに分けられます。一つ目は、課題論文や探究活動報告書など、出願時に提出した資料の内容を発表する「書類ベース型」です。二つ目は、出願後に大学からテーマが公開され、それに沿って準備する「事前課題型」です。三つ目は、試験当日にテーマが示され、その場で構成を考える「当日課題型」です。

同じ「プレゼンテーション試験」という名称でも、準備できる期間と資料の自由度は方式ごとに大きく異なります。書類ベース型や事前課題型では、出願書類との一貫性が特に重視されます。志望理由書や課題論文で述べた内容と、当日のプレゼンテーションの主張がずれていると、面接官はどちらが本心か判断できなくなります。当日課題型では、資料の完成度よりも、限られた時間で情報を整理し筋道立てて話す力が見られる傾向があります。

自分の志望校がどの方式を採用しているかは、募集要項の「試験内容」「選考方法」の欄で確認できます。「プレゼンテーション」とだけ書かれている場合でも、事前に資料提出を求められるか、当日その場でテーマが示されるかで準備の仕方は大きく変わるため、募集要項の該当ページを一字ずつ確認しましょう。

総合型選抜のスケジュールから逆算する準備期間

プレゼンテーションの準備期間は、総合型選抜全体の日程から逆算して考える必要があります。文部科学省の令和9年度大学入学者選抜実施要項は「総合型選抜については、一般選抜とは異なる観点や方法により時間をかけて丁寧に選抜を行うため、入学願書受付を令和8年9月1日以降とし、その判定結果を令和8年11月1日以降に発表する」と定めています。

出願受付が9月以降であっても、課題論文や探究活動報告書の準備は夏休み前から始まっている受験生が多いのが実情です。プレゼンテーション資料も、出願書類の作成と並行して準備を進めることになります。出願書類の内容が固まっていない段階でスライドだけを先に作ると、後から出願書類と食い違う可能性があるため、出願書類の骨子がある程度固まった時点でスライド作りに着手するのが安全です。

評価されているのは「見た目」ではなく考える過程

プレゼンテーション試験というと、話し方の上手さやスライドの装飾に意識が向きがちです。しかし、総合型選抜が「一般選抜とは異なる観点や方法」で評価する入試である以上、見られているのは学力試験では測りにくい、自分の頭で問いを立て、根拠を集め、結論を導く過程そのものです。流暢に話せるかどうかより、なぜその問いを立てたのかという理由の一貫性が重視されます。

そのため、スライドの役割は「発表者の主張を裏付ける証拠を、聞き手が一目で把握できる形で示すこと」に絞られます。文字を美しく装飾したり、アニメーションを多用したりすることは評価の対象にはなりにくく、むしろ内容の理解を妨げる場合もあります。この後の章で具体的な構成とデザインの基準を見ていきますが、常に立ち返るべき基準は「このスライドは自分の考えを伝えるために必要か」です。

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評価されるプレゼン構成の基本

結論から入る構成(結論・根拠・具体例・まとめ)

評価されやすいプレゼンテーションには共通した型があります。最初に結論(自分が伝えたい主張)を述べ、次にその結論に至った根拠を示し、根拠を裏付ける具体例やデータを提示し、最後に結論を言い換えてまとめる、という順序です。この順序は「結論を先に示すことで、聞き手が残りの説明をどう位置づければよいか分かる」という効果があります。

時系列で経験を語る構成は分かりやすい反面、結論が最後まで見えないという弱点があります。「中学のときにこう思って、高校でこう活動して、その結果こう考えました」という時系列型の語りは自然ですが、聞き手は最後まで話の着地点が分かりません。時系列の経験を使う場合も、冒頭で先に結論を示し、その後で経験を根拠として説明する構成に組み替えると伝わりやすくなります。

根拠と具体例は役割が異なります。根拠は「なぜそう言えるのか」という論理のつながりであり、具体例は「実際にどのような場面で確認したか」という事実です。根拠だけでは抽象的になり、具体例だけでは主張に説得力が生まれません。両方をセットで用意し、根拠を一文で示した直後に、対応する具体例を続ける形にすると、聞き手は論理の飛躍を感じにくくなります。

探究活動・課題論文のテーマとの一貫性

プレゼンテーションが書類ベース型や事前課題型の場合、出願時に提出した課題論文や探究活動報告書との一貫性が重要になります。書類で述べた問いと、プレゼンテーションで発表する結論が食い違っていると、面接官は「どちらが本人の実際の考えなのか」を確認するための質問を重ねることになり、それだけで持ち時間の多くを使ってしまいます。

一貫性を保つためには、プレゼンテーションのスライドを作り始める前に、出願書類に書いた問い・根拠・結論を一度書き出し、プレゼンテーションの構成案と並べて見比べる作業が有効です。書類とスライドを別々に作ると、同じ経験の説明の仕方が微妙にずれてしまうことがあります。言葉遣いを完全にそろえる必要はありませんが、主張の骨格は一致させておきましょう。

活動報告書の内容をどのように棚卸しし、経験を成果として言語化するかについては、総合型選抜で評価される活動実績とはでも詳しく解説しています。プレゼンテーションの根拠に使う経験を選ぶ際の参考にしてください。

導入で使える三つの型(問いかけ・データ・エピソード)

結論から入る構成が基本ですが、結論の直前に置く「つかみ」の作り方に迷う受験生は少なくありません。よく使われる型は大きく三つあります。一つ目は、聞き手に問いを投げかける「問いかけ型」です。二つ目は、意外性のある数値やデータを最初に示す「データ型」です。三つ目は、自分の経験を短く語る「エピソード型」です。

導入の型はどれか一つが正解ではなく、伝えたい結論との相性で選ぶものです。データ型は客観性を示しやすい一方、エピソード型は独自性を示しやすいという特徴があります。プレゼンテーションの評価項目に照らして、自分がどの型で始めれば伝えたい内容が最も端的に伝わるかを考えて選びましょう。

いずれの型を使う場合も、導入は長くなりすぎないよう注意が必要です。導入に時間をかけすぎると、本論に使える時間が削られてしまいます。導入は全体の1割程度に収め、早めに結論へつなげる構成を心がけてください。

大学のアドミッション・ポリシーとの接続

プレゼンテーションの結論や将来像は、大学名を伏せても成立する内容ではなく、その大学・学部で学ぶ必然性が伝わる内容にする必要があります。大学が公表しているアドミッション・ポリシーを読み、自分の問いや将来像がどの部分と対応するかを確認しましょう。

アドミッション・ポリシーの文言をそのまま引用するだけでは、自分の言葉で考えたことにはなりません。「主体性を持つ人材を求める」と書かれていたら、自分がどのような場面で主体的に行動し、その行動が大学での学びとどうつながるのかを、具体的なエピソードで示す必要があります。文言の丸写しではなく、文言に対応する自分の行動を探す作業が求められます。

出願書類とプレゼンテーションの一貫性の確認は、無料相談でまとめて相談できます。

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スライド枚数・発表時間の目安を大学の実例から考える

実例1: 日本大学国際関係学部の時間配分

スライド枚数や発表時間は大学・学部・年度によって大きく異なるため、一律の正解はありません。ただし、公表されている実例を見ることで、時間配分の考え方をつかむことができます。日本大学国際関係学部が公表した令和7年度総合型選抜(探究型プレゼンテーション方式)の資料には、試験当日の流れが具体的に示されています。

流れ 時間 内容
準備 5分間 試験教室の指定の場所でプレゼンテーションの準備
発表 10分間 自己紹介と課題論文・探究活動報告書に基づく発表
質疑応答 5分から10分間 発表内容についての質問への応答
片付け 5分程度 資料の片付けと退室

この例では発表が10分間、動画を使う場合は合計1分以内という制約も設けられています。資料の形式は「Microsoftパワーポイント(拡張子.pptx)」または「PDFファイル(拡張子.pdf)」に限定され、USBメモリやポータブルSSDで持参する形式でした。これはあくまで令和7年度の一例であり、年度によって時間配分や持参物の指定は変わる可能性があります。志望校が同様の方式を採用している場合も、必ず最新の募集要項で確認してください。

実例2: 聖心女子大学の探究プレゼンテーション方式

聖心女子大学の総合型選抜(探究プレゼンテーション方式)では、公式サイトにプレゼンテーション10分、質疑応答15分という時間配分が示されています。出願時に提出したプレゼンテーション資料をそのまま試験当日にも使用する点、また複数回提出する資料が同一のものであることを求めている点が特徴です。

出願時提出資料と当日資料が同一であることを求める大学では、後から内容を大きく変更できません。このような方式では、出願書類を提出する時点で、プレゼンテーションの構成をほぼ完成させておく必要があります。出願直前に慌てて資料を作ることのないよう、出願スケジュールを確認したうえで早めに構成を固めましょう。

スライド枚数に制限を設けない大学もある

神田外語大学のように、プレゼンテーションのスライド枚数に制限を設けていない大学もあります。枚数に制限がない場合、多く作ってしまいたくなりますが、枚数が多いこと自体は評価の対象にはなりません。制限がないことは自由に作ってよいという意味ではなく、必要な枚数を自分で判断する責任があるという意味です。

目安としては、発表時間(分)に対して1枚あたり1分から1分30秒程度で話せる分量を基準にすると、極端に情報過多になることを避けられます。10分間の発表であれば、7枚から10枚程度が一つの目安になりますが、これはあくまで一般的な目安であり、大学が別途枚数を指定している場合はそちらに従ってください。

ここまで見てきた3つの実例をあらためて並べると、日本大学国際関係学部は発表10分、聖心女子大学は発表10分・質疑応答15分、神田外語大学は枚数の制限なしと、時間配分や制約の掛け方が大学ごとに異なることが分かります。共通しているのは、いずれの大学も「決められた時間の中でどう伝えるか」を受験生に委ねている点です。枚数や時間の数字そのものを覚えるより、自分の志望校がどの型に近いかを募集要項で確認し、その条件に合わせて構成を組み立てる姿勢が重要です。

オンライン実施時の通信トラブルへの備え

プレゼンテーション試験をオンラインで実施する大学も増えています。文部科学省の実施要項は、ICTを活用したオンライン試験について「オンラインによる個別面接やプレゼンテーション、オンライン模擬授業を受講した上で、その内容に関するレポートの提出、実技動画の提出等」の工夫をする場合には、「入学志願者による利用環境の差異や技術的な不具合の発生等によって、特定の入学志願者が不利益を被ることのないよう」配慮を行うと定めています。

具体的な配慮として、「通信環境の不具合が生じ、試験続行が困難になった場合、当日の時間を繰り下げ、又は予備日を設けて選抜を行う」「入学志願者が通信環境を整えることができない場合、大学でのオンライン受験も可能とする」「大学にサポートデスクなどの連絡窓口を設け、不測の事態に個別に対応できるようにする」といった対応が例示されています。通信トラブル時の対応方法は大学ごとに定められているため、事前に問い合わせ窓口を確認しておくと安心です。

オンラインでプレゼンテーションを行う場合は、画面共有の操作、音声の聞こえ方、通信が不安定になった際の連絡手段を、試験前に必ずリハーサルしておきましょう。機材トラブルは誰にでも起こり得るため、落ち着いて大学の指示に従える準備をしておくことが大切です。スライドのファイルは当日使用するパソコンだけでなく、クラウドストレージやUSBメモリなど複数の方法で保存しておくと、機材トラブル時にも対応しやすくなります。

時間配分の考え方(発表時間から逆算する)

スライドを作り始める前に、まず発表時間を導入・本論・まとめの三つに配分します。10分間の発表であれば、導入1分から1分30秒、本論7分から8分、まとめ1分程度が一般的な配分です。本論に時間の大半を使い、導入とまとめは要点を絞って短く収めます。

本論はさらに、問題提起、根拠1、根拠2、具体例、という単位に分け、それぞれに必要な時間を割り振ります。声に出してリハーサルを行い、実際にかかった時間と配分計画のずれを確認し、時間が超過する部分のスライドを削るか要約するかを判断します。原稿を書いてから時間を測るのではなく、時間配分を先に決めてから話す内容の分量を調整する順序のほうが、時間超過を防ぎやすくなります。

志望校のプレゼン方式に合わせた時間配分は、無料相談で一緒に設計できます。

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評価されるスライドデザインの基本

1スライド1メッセージの原則

見やすいスライドの基本は、1枚のスライドに伝えたいメッセージを一つだけ載せることです。一つのスライドに複数の主張を詰め込むと、聞き手はどこに注目すればよいか分からなくなり、話を聞きながら文字を目で追うことになってしまいます。スライド1枚につき伝えたい結論は一つに絞り、根拠や具体例は別のスライドに分けます。

スライドの上部にその枚のメッセージを短い一文(見出し)で示し、下の本体でそのメッセージを裏付ける図表や短い箇条書きを置く構成にすると、聞き手は見出しだけでも話の流れを追うことができます。伝えたいことが複数ある場合は、スライドを分けることをためらわないでください。

文字量とフォントサイズの目安

プレゼンテーションのスライドは、原稿を読み上げるための台本ではありません。文章をそのまま貼り付けると、聞き手は発表を聞かずにスライドの文字を読んでしまい、話者の声に注意が向かなくなります。スライドの文字は、発表を補う要点だけに絞り、文章ではなく単語や短い句で示します。

要素 目安 理由
1スライドの行数 3行から5行程度 会場の後方からでも読み取れる分量に抑える
本文の文字サイズ 24ポイント以上 投影・画面共有時の視認性を確保する
見出しの文字サイズ 本文より一回り大きく その枚の結論をひと目で把握できるようにする
1行の文字数 20字から30字程度 視線移動を減らし読みやすさを保つ

この数値は一般的なプレゼンテーション資料作成の目安であり、教室の広さや投影環境、オンライン面接か対面かによって適切な分量は変わります。オンラインで画面共有をする場合は、対面の投影よりも文字が小さく見えることがあるため、実際に共有した画面を第三者に見てもらい、読みにくくないか確認しておくと安心です。

フォントの種類も、読みやすさに影響します。見出しにも本文にも、線の太さが均一なゴシック体を使うと画面越しでも読み取りやすくなります。明朝体は紙の資料では読みやすい書体ですが、プロジェクターやオンライン画面では細い線がかすれて見えることがあるため、投影・画面共有が前提のスライドではゴシック体を基本にするとよいでしょう。

図表・グラフの使い方

数値やデータを示す場合は、文章で説明するより表やグラフにしたほうが、聞き手は一瞬で全体像をつかめます。数値の比較や推移を伝えたいときは、文章より表やグラフを優先して使います。ただし、複雑なグラフを一枚に詰め込みすぎると、かえって理解の妨げになります。伝えたい比較軸を一つに絞り、必要であれば複数のスライドに分けて段階的に見せる方法も有効です。

自分で集めたアンケートや観察記録などの一次データを使う場合は、調査方法(対象人数、期間、方法)を小さな文字で明記し、質疑応答で根拠を問われた際にすぐ答えられるようにしておきます。データの出典や調査方法を明記しておくと、質疑応答で根拠を問われても慌てずに答えられます。

スライド番号・出典表記の付け方

各スライドの隅にページ番号を入れておくと、質疑応答で面接官が「何枚目のスライドについて質問したいのですが」と参照しやすくなります。ページ番号は小さな工夫ですが、質疑応答をスムーズに進める効果があります。枚数が少ない場合も、番号を振る習慣をつけておくと安心です。

統計データや先行研究、書籍・記事を参照した場合は、出典(発行元、調査年、出典元の名称など)をスライドの下部に小さく明記します。出典を明記しないまま数値だけを示すと、客観性を疑われる原因になります。自分で行ったアンケートや観察の場合も、対象人数や実施時期を同様に記載し、質疑応答で根拠を問われた際にすぐ説明できるようにしておきましょう。

配色とレイアウトの統一感

配色は多くても3色程度に抑え、強調したい部分だけに目立つ色を使うと、聞き手はどこが重要かを直感的に判断できます。背景と文字のコントラストが弱いと、投影時に文字が読み取りにくくなるため、白地に濃い色の文字など、視認性を優先した組み合わせを選びましょう。

レイアウトも枚ごとにばらばらにせず、見出しの位置、図表の配置、ページ番号の位置などを統一すると、聞き手は新しいスライドが出るたびに構造を読み直す必要がなくなります。レイアウトを統一すると、聞き手は内容そのものに集中しやすくなります。装飾用のアニメーションや効果音は、内容の理解に直接関係しない場合は使わない方が無難です。

作成したスライドの見え方や構成のチェックも、無料相談で確認できます。

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質疑応答への備え方

想定質問の作り方(プレゼンの弱点から逆算する)

質疑応答は発表の延長であり、多くの大学でプレゼンテーションと同じか、それ以上の時間が割り当てられています。日本大学国際関係学部の例では質疑応答が5分から10分間、聖心女子大学の探究プレゼンテーション方式では質疑応答15分と、発表時間より長く設定される場合もあります。質疑応答の時間が発表時間より長い大学もあり、準備の比重を質疑応答にも十分に割く必要があります。

想定質問は、自分の発表内容を批判的に読み直すことで作ります。根拠が一つの経験にしか基づいていない部分、専門用語を説明なしに使っている部分、将来像と学びたい内容のつながりが弱い部分など、自分で気づいた弱点を質問の形に変換してみましょう。「なぜその方法を選んだのか」「他の方法は検討したか」「その主張の根拠となるデータの出典は何か」といった質問は、多くの発表に共通して想定できます。

可能であれば、家族や学校の先生、塾の講師など複数の立場の人にスライドと発表を見てもらい、それぞれの視点から疑問点を挙げてもらうことも有効です。自分では気づきにくい論理の飛躍は、第三者に見てもらうことで発見しやすくなります。

答えられない質問への対応

準備をどれだけ重ねても、当日その場で答えに詰まる質問が出ることはあります。そのときにできる限り避けたいのは、分からないまま曖昧にごまかしたり、関係のない話にすり替えたりすることです。分からない質問には、正直に「その点は調べられていません」と答えるほうが評価を下げにくくなります。

そのうえで、「今後どのように調べていきたいか」「現時点で考えられる仮説」を添えられると、思考を止めていないことが伝わります。総合型選抜は完成された研究者を求めているわけではなく、入学後にどのように学びを深めていけるかという伸びしろも評価の対象になります。答えられなかったこと自体より、その後の対応の姿勢が見られています。

深掘り質問と確認質問の見分け方

質疑応答で受ける質問は、大きく二種類に分けられます。一つは、発表内容をさらに掘り下げる「深掘り質問」で、根拠の詳細や、他の可能性を検討したかどうかを尋ねられます。もう一つは、発表内容を正確に理解するための「確認質問」で、用語の意味や、数値の前提条件などを聞かれます。確認質問には簡潔に、深掘り質問には自分の考えの過程を示しながら答えるという使い分けが有効です。

確認質問に対して長く答えすぎると、面接官が本当に聞きたかった深掘りの部分に進む時間が減ってしまいます。質問の意図を見極め、答える分量を調整する練習も質疑応答対策の一部です。練習の段階で、想定質問を「確認」と「深掘り」に分類し、それぞれに適した長さの回答を用意しておくと、当日落ち着いて対応しやすくなります。

面接官の視点を意識した練習方法

一人で声に出す練習を繰り返すだけでなく、実際に人前で発表し、質問を受ける練習を重ねることが重要です。練習相手には、内容を知らない人にも加わってもらうと、説明不足の箇所を見つけやすくなります。身近な内容を知っている先生だけでなく、あえて背景知識のない相手に聞いてもらうと、専門用語の説明不足や論理の飛躍が発見しやすくなります。

練習の際は、発表とスライドの切り替えのタイミング、話す速さ、間の取り方も含めて録画し、見返すことをおすすめします。早口になっていないか、下を向いて原稿を読んでいないかなど、自分では気づきにくい癖は、映像で確認するのが最も効率的です。面接での質問対応全般については総合型選抜の面接 質問集【完全版】もあわせて参考にしてください。

想定質問への回答練習は、無料相談で模擬形式に近い形で相談できます。

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よくある失敗パターンとその回避策

情報過多で伝わらないスライド

最も多い失敗は、伝えたいことが多いあまり、1枚のスライドに文章と図表を詰め込みすぎることです。情報を削ることを怖がると、結果的にどの情報も印象に残らないスライドになります。準備の初期段階では情報を多めに集めてよいのですが、スライドに落とし込む段階では、発表の結論に直接必要な情報だけを残し、それ以外は口頭での補足や質疑応答に回す判断が必要です。

情報を削る基準として、「この情報がなければ結論が伝わらないか」を自問する方法があります。なくても結論が成立する情報は、思い切って削りましょう。削った情報の中に重要なものがあれば、質疑応答で聞かれたときに答える形で活用できます。

原稿の丸読み

スライドや手元の原稿に書いた文章をそのまま読み上げる発表は、聞き手に「暗記した内容を再生している」という印象を与えやすく、自分の言葉で考えているという印象を与えにくくなります。原稿を読み上げる発表は、聞き手との対話ではなく一方的な朗読に近い印象を与えます。

これを避けるためには、原稿を一字一句覚えるのではなく、各スライドで伝えるべき要点を箇条書きで覚え、その場で自分の言葉に組み立て直す練習が有効です。最初は言葉に詰まることもありますが、繰り返すうちに自然な話し方に近づいていきます。目線もスライドや手元の紙ではなく、面接官に向けることを意識しましょう。

テーマとスライドの構成がずれる

与えられたテーマや課題論文のテーマから話がそれてしまい、自分が話したいことだけを発表してしまう失敗もよく見られます。テーマに沿っているかどうかは、発表の途中で見失いやすい観点です。スライドを作り終えた後、改めて「この発表は最初に示されたテーマにどう答えているか」を一文で説明できるか確認しましょう。

説明できない場合は、テーマとの対応関係が弱いスライドがどこかにあるはずです。冒頭のスライドに、テーマを自分の言葉で言い換えた一文を置き、最後のまとめのスライドで同じ言葉に戻ってくる構成にすると、聞き手にもテーマへの対応が伝わりやすくなります。

作成中のスライド構成がテーマに沿っているか、無料相談で客観的に確認できます。

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配布資料と投影資料の食い違い

大学によっては、投影用のスライドとは別に、面接官に配布する印刷資料の提出を求める場合があります。投影用と配布用のバージョンが古いままだと、面接官の手元と画面の内容が食い違ってしまいます。直前に内容を修正した際は、投影用データと印刷用データの両方を必ず更新し、ファイル名やバージョンを分かりやすく管理しましょう。

複数の選抜方式に併願する場合、似たテーマのスライドを使い回すこともあるかもしれません。その際も、大学ごとに指定されたテーマや文字数、資料形式が異なることがあるため、使い回す前に必ず各大学の募集要項を見比べ、指定に合わない部分は個別に修正してください。

スライドの分量と話す速さが合わない

リハーサルをせずに本番を迎えると、緊張から早口になったり、逆に間が空きすぎたりして、用意したスライドの枚数と実際に話す速さが合わなくなることがあります。緊張時は普段より早口になりやすいという前提で、時間配分に余裕を持たせておくと安心です。本番と同じ環境で声に出す練習を複数回行い、毎回の所要時間を記録しておくと、当日のペース配分の目安になります。

時間内に収まらない場合、話す速さを上げて対応しようとする受験生もいますが、早口になるほど聞き手には伝わりにくくなります。時間が足りないときは、話す速さを上げるのではなく、スライドの枚数や説明の分量を見直します。本番までに複数回リハーサルを重ね、時間内に無理なく話せる分量を確定させておきましょう。

よくある誤解とその訂正

デザインが凝っていれば評価が高いという誤解

アニメーションや装飾を多用した見た目の華やかなスライドが評価されると考える受験生もいますが、総合型選抜のプレゼンテーションは面接の一形態であり、評価の中心は思考力・判断力・表現力です。見た目の華やかさそのものは、募集要項に示された評価項目には含まれていません。装飾に時間をかけるより、根拠と具体例の対応関係を見直す時間に充てるほうが評価に直結しやすいといえます。

スライド枚数は多いほど良いという誤解

枚数制限がない大学の例で述べたとおり、枚数の多さ自体は評価の対象ではありません。枚数を増やすことは、内容を丁寧に説明したことの証明にはなりません。枚数が多いほど1枚あたりの情報量は薄まりやすく、逆に聞き手の集中力が切れてしまうこともあります。時間内に伝えるべき結論と根拠を過不足なく示せる枚数が、その発表にとっての適正枚数です。

質疑応答は雑談のように答えればよいという誤解

質疑応答を、発表本編ほど準備しなくてよい「雑談タイム」と捉えている受験生もいますが、日本大学国際関係学部や聖心女子大学の例のように、質疑応答に発表本編と同等かそれ以上の時間が割かれる大学もあります。質疑応答の時間配分は発表本編と同じか、それ以上に重要な準備対象です。想定質問への回答を用意し、練習の段階から質疑応答まで含めてリハーサルすることが欠かせません。

面接官は専門知識を試したいという誤解

プレゼンテーションで専門的な知識をどれだけ多く盛り込めるかを競うものだと考える受験生もいますが、総合型選抜が重視するのは高校生の段階での知識量そのものではなく、自分の考えを筋道立てて説明できるかどうかです。専門用語を並べるだけでは、理解力や表現力が伝わったことにはなりません。専門的な内容を扱う場合ほど、高校生にも分かる言葉で言い換える工夫が必要です。

難しい概念を扱う場合は、専門用語を使う前に一言で定義を示し、身近な例に置き換えて説明すると、面接官にも理解力の高さが伝わりやすくなります。専門用語の量ではなく、専門用語を自分の言葉で説明できるかどうかが評価につながります。知識をひけらかす発表より、限られた知識を深く掘り下げて説明する発表の方が、独自性や理解力の評価につながりやすいといえます。

プレゼンテーションと志望理由書は別物という誤解

プレゼンテーションと出願書類は別の試験科目のように感じられますが、多くの大学では両者の一貫性が確認されます。出願書類とプレゼンテーションは別々の対策ではなく、同じ主張を異なる形式で示す一つの作業です。志望理由書の作成段階からプレゼンテーションの構成を意識しておくと、後から内容がずれる事態を防げます。志望理由書の分量や構成については総合型選抜の志望理由書は何文字書く?も参考にしてください。

よくある質問

スライドは手書きでもよいですか。

大学が資料の提出形式を指定している場合は、その指定に従う必要があります。パソコンでの作成を前提とする大学が多い一方、模造紙やポスター形式を認める大学もあります。手書きが認められているかどうかは、必ず募集要項の試験内容や持参物の欄で確認してください。

スライドは日本語と英語のどちらで作ればよいですか。

多くの大学の総合型選抜では日本語での発表が前提とされています。ただし、英語資格・検定試験利用型の選抜や国際系学部の一部方式では、英語での発表や英語動画の提出を求める場合があります。使用言語の指定は方式ごとに異なるため、募集要項で確認してください。

発表原稿は完全に覚えるべきですか。

一字一句を暗記するより、各スライドで伝える要点を覚え、その場で自分の言葉に組み立て直す準備の方が、自然な話し方につながりやすいとされています。丸暗記した原稿を読み上げる発表は、聞き手に暗記した内容の再生という印象を与えやすい点に注意してください。

スライドに使う写真や引用は自由に使ってよいですか。

他者が撮影した写真や著作物を無断で使用することは避け、自分で撮影した写真や、出典を明記できる公的な統計データなどを優先して使いましょう。引用する場合は出典を明記し、質疑応答で出典について問われた際に説明できるようにしておく必要があります。

オンライン面接でのプレゼンテーションは対面と何が違いますか。

文部科学省の実施要項では、オンラインによる面接の実施も総合型選抜の面接に含まれるとされ、本人確認や不正防止の措置を講じることが大学に求められています。画面共有時は対面より文字が小さく見えることがあるため、文字サイズや配色を事前に画面共有形式で確認しておくと安心です。通信環境の確認も忘れずに行いましょう。

プレゼンテーションのテーマが決められないときはどうすればよいですか。

テーマが自由に選べる場合、壮大なテーマより、自分の実体験から生まれた具体的な問いの方が、根拠と具体例をそろえやすく発表もしやすくなります。まずは自分がこれまで取り組んできた活動や課題研究を振り返り、そこで感じた疑問を出発点にする方法をおすすめします。

スライドは誰かに手伝ってもらって作ってもよいですか。

構成の相談やフィードバックを受けることは有効ですが、内容そのものは自分の考えとして説明できる必要があります。質疑応答では自分が作った根拠や結論について深く聞かれるため、他者に作ってもらった内容をそのまま使うと、質問に答えられなくなるおそれがあります。

発表中に時間が余ってしまったり、逆に足りなくなったりした場合はどうすればよいですか。

時間が余った場合は、あらかじめ用意しておいた補足スライドや具体例を追加で説明する準備をしておくと安心です。時間が足りなくなりそうな場合は、まとめのスライドで結論だけは必ず伝えられるよう、話す順序の優先順位を事前に決めておきましょう。リハーサルの段階で時間超過を経験しておくことが最も有効な対策です。

併願する大学ごとにテーマや時間配分が違う場合、どう準備を進めればよいですか。

併願校が複数ある場合、それぞれの大学が指定するテーマ、時間配分、資料形式は個別に確認し、一覧表にまとめておくと管理しやすくなります。土台となる自分の経験や問いは共通して使えることが多いですが、時間配分や結論の提示順は各大学の指定に合わせて調整する必要があります。募集要項を横並びで比較する時間を早めに確保しておきましょう。

本番で機材や資料に不具合が起きた場合はどうすればよいですか。

スライドが正しく表示されない、パソコンが起動しないといった不具合が起きた場合は、慌てずにまず試験監督や係員に申し出てください。多くの大学では、こうした不測の事態への対応方法をあらかじめ定めています。口頭だけでも発表を続けられるよう、スライドがなくても要点を話せる状態にしておくことも、実践的な備えの一つです。

まとめ|総合型選抜のプレゼンのスライドの作り方

総合型選抜のプレゼンテーションは、文部科学省の実施要項で面接の一形態として位置づけられており、評価の中心はスライドの見た目ではなく、結論・根拠・具体例を筋道立てて示す思考の過程です。スライドはあくまで自分の考えを正確に伝えるための道具であり、装飾そのものは評価の対象になりません。

スライド枚数や発表時間、質疑応答の長さは大学・学部・年度によって異なるため、この記事で紹介した実例を参考にしつつ、必ず志望校の最新の募集要項で確認してください。出願書類との一貫性を保ち、1スライド1メッセージを意識し、質疑応答まで含めてリハーサルを重ねることが、評価されるプレゼンテーションにつながります。

プレゼンテーションの準備は、スライドを作る作業だけで完結するものではありません。出願書類の作成、テーマに対する調べ学習、声に出したリハーサル、想定質問への回答準備まで、一連の流れとして計画的に進めることが、限られた準備期間を有効に使う近道になります。

自分の探究テーマがプレゼンテーションに向いているか、スライドの構成やデザインが評価される基準に沿っているか迷ったときは、総合型選抜専門オンライン塾ハルートの無料相談で、一次情報に基づいた個別のアドバイスを受けることができます。

ここまで理解できたら、
あとは自分の志望校に当てはめるだけです。

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