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【大学院入試 研究計画書の書き方】先⾏研究の探し⽅・⼊⼿の仕⽅

作成者:佐和 賢太郎 先生(早稲田大学政治学研究科博士課程修了・元河合塾KALS講師)
監修者:山下 徹 先生(熊本大学名誉教授)
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はじめに
先⾏研究は、⾃らの研究内容を組み⽴てるうえで必要不可⽋のものです。
今回の記事では、先⾏研究の探し⽅と⼊⼿の仕⽅について解説をさせていただきます。
なお今回の記事と併せて、
の各記事も読んでもらうことで、研究計画書 の書き⽅についての理解が進むはずです。

先⾏研究=学術的なもの=論⽂
こちらの記事で⽰した通り、本記事では先⾏研究を
「何かしらの研究領域における特定の論点に取り組むた め、問いを⽴て、その問いに対して独⾃の学術的な答えを⽰したもの」
として定義します。
すなわち先⾏研究は、学術的なものである必要があり、それゆえ基本的には論⽂であることが求められます。 たとえば、ジャーナル内に収録された論⽂や博⼠論⽂、または学術書などがこれにあたります。
⼀⽅、⼀般の読者向けに書かれた新書や、解説書のようなものを先⾏研究とすることはできません。 また修⼠論⽂については、たしかに学術的な作法に則って書かれていますが、よっぽど優れたものでない限り、先⾏研究として扱うことは⼀般的ではありません。

先行研究として扱えるもの・扱えないもの
| 区分 | 該当するもの |
|---|---|
| 先行研究として扱える | ジャーナル内に収録された論文、博士論文、学術書 |
| 扱えない | 一般の読者向けに書かれた新書、解説書 |
| 原則として扱わない | 修士論文(よほど優れたものを除く) |
先行研究の探し方
⼤学図書館の蔵書検索サイト
学部⽣の場合、まずはご⾃⾝の⼤学図書館の蔵書検索サイトを利⽤されることをお勧めします。
⼀例を挙げると、東京⼤学には「東京⼤学 OPAC」と呼ばれるサイトがあります。
東京⼤学のサイトのように、どのサイトにも簡易検索(キーワド⼊⼒による検索)と詳細検索(条件を絞って検索) の2種類の検索⽅法がありますので、それらをうまく組み合わせながら、先⾏研究を探しましょう。
CiNii
先⾏研究を探す⽅法として最も⼀般的に使われるのが、国⽴情報学研究所によって運営されている CiNii(サイニ ィ)と呼ばれるデータベースです。
CiNii を使⽤することで、⽇本の図書館に所属されている論⽂やデータ、図書・雑誌、博⼠論⽂などの学術情報 を検索することができます。
使い⽅はそれほど難しくなく、⽬的に応じて、
「論⽂・データを探す」
「⼤学図書館の本を探す」
「博⼠論⽂を探す」
という各カテゴリーを選択し、それぞれで、キーワード検索または詳細検索を⾏うだけです。
国立国会図書館サーチ
国⽴国会図書館サーチを使うと、国⽴国会図書館に所属する資料を検索することができます。
また、全国の公共図書館、公⽂書館、美術館や学術研究機関等が提供する資料、デジタルコンテンツ等についても⼀度に検索することができます。
カーリル
全国の図書館に所蔵する資料を⼀括して検索できるサービスです。
カーリルの凄いところは、⾃分が住んでいる地域にある図書館を⾃動的に選択して検索してくれることと、最新の貸出状況を表⽰してくれることです。
検索結果がキレイに表⽰されるうえに、各図書館とはもちろんAmazon や SNSとも連携しているなど、ユーザビリティが⾼いサイト構成になっています。
Google Scholar
Google が提供する論文検索サイトで、ネット上に存在する、⽇本語や英語をはじめさまざまな⾔語で書かれた 論⽂を検索できるものです。マイライブラリ機能を使うと、論⽂を保存することができ、後から読むことも可 能です。
World Cat
世界の 71000 以上の OCLC(Online Computer Library Center)に加盟する図書館に所蔵される資料を検索でき るのが、世界最⼤の書誌データベースが World Cat です。
⽇本の⼤学図書館や公共図書館、国会図書館、Google Scholar では⾒つけることができないような先⾏研究を探すことが可能です。海外のことについて研究 をされるような⽅には、特にオススメのサイトです。
博⼠論⽂や学術書の序章、サーベイ論⽂
盲点なのが、博⼠論⽂や学術書の序章、サーベイ論⽂などです。
研究者は⾃分の研究の独⾃性や意義を⽰すため、博⼠論⽂や学術書の序章に⾃分の研究に関わる先⾏研究を列挙し、それに対して批判的検討を加えています。そのため、できる限り新しい博⼠論⽂や学術書を探してその箇所を読めば、労せずして最新の先⾏研究の内容や特徴、限界などを把握することができます。
サーベイ論⽂とは、先⾏研究の状況について整理した論⽂のことで、博⼠論⽂や学術書の序章と同じものになります。

先行研究を探す6つのデータベース
| データベース | 運営・範囲 | 検索できるもの | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 大学図書館の蔵書検索(OPAC) | 各大学 | 所属大学の蔵書 | 例:東京大学OPAC。簡易検索(キーワード)と詳細検索(条件絞り込み)を組み合わせる。学部生はまずここから |
| CiNii(サイニィ) | 国立情報学研究所 | 日本の図書館に所蔵される論文・データ・図書・雑誌・博士論文 | 先行研究探しで最も一般的。「論文・データを探す」「大学図書館の本を探す」「博士論文を探す」から選んで検索 |
| 国立国会図書館サーチ | 国立国会図書館 | 国会図書館の資料に加え、全国の公共図書館・公文書館・美術館・学術研究機関の資料やデジタルコンテンツ | 一度に横断検索できる |
| カーリル | 全国の図書館 | 全国の図書館に所蔵する資料 | 住んでいる地域の図書館を自動選択して検索。最新の貸出状況を表示。Amazon・SNSとも連携 |
| Google Scholar | 日本語・英語をはじめ多言語の論文 | マイライブラリ機能で論文を保存し後から読める | |
| World Cat | OCLC加盟の71,000以上の図書館 | 世界最大の書誌データベース | 国内の図書館やGoogle Scholarでは見つからない先行研究を探せる。海外について研究する人に特におすすめ |
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
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先行研究の入手の仕方
上記の⽅法で先⾏研究を探したら、実際にそれを⼊⼿する必要があります。
Google Scholar上で⾒つけられるものなど、PDF としてダウンロードできるもの以外については、実際に購⼊するか借りる+印刷するの2つの選択肢があります。
購入する
⾦銭的余裕があれば、⼀般的には書店や amazon などで購⼊することになるでしょう。 ⽇本語で書かれた書籍やジャーナルでしたら、⼤体のものが Amazon.co.jp で⼊⼿可能ですが、⼀部、英語など他 ⾔語で書かれたものについては、Amazon.co.jp では⼊⼿できないものもあります。
そのような時にオススメなのが、他の国の amazon を使⽤することです。
例えばアメリカやイギリス、ドイツなどのアマゾンは⽇本の amazon で⼊⼿しづらいようなものも⼊⼿可能で ある場合があります。
借りる+印刷する
⾦銭的な余裕がないときは、⼤学や公⽴図書館などで借りたり、国会図書館にて閲覧・コピーしたりすると良いでしょう。
⼤学⽣の場合、基本的には所属図書館にて資料を⼊⼿すると良いと思います。
その際、注意点が2点あります。
①レファレンスカウンターを積極的に利⽤する
レファレンスカウンターでは、図書館員が、資料の検索⽅法についてアドバイスをしてくれたり、実際に検索をしてくれたりします。⼤体どの⼤学の図書館にもレファレンスカウンターはありますので、⽬当ての資料が⾒つからないときは、ぜひそれを利⽤してみてください
②他⼤学の図書館に訪問する/そこから取り寄せる
実はあまり知られていないのですが、もし所属⼤学に⽬当ての資料がないときは、所属⼤学を通じて他⼤学の図書館に訪問することができます。また、遠⽅の⼤学に資料がある場合でも、そこから現物/複写物を取り寄せることもできます。
具体的な⽅法については、⼤学によって異なりますので、やはりご所属の⼤学の図書館のレファレンスカウン ターに問い合わせてみることをお勧めします。

先行研究の入手方法
| 方法 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| PDFでダウンロード | Google Scholar上などで公開されているもの | ― |
| 購入する | 書店やAmazonで購入 | 英語など他言語のものは日本のAmazonで入手できない場合がある。アメリカ・イギリス・ドイツなど他国のAmazonを使うと入手できることがある |
| 借りる+印刷する | 大学や公立図書館で借りる、国会図書館で閲覧・コピー | ①レファレンスカウンターを積極的に使う ②所属大学に資料がなければ、大学を通じて他大学図書館への訪問や現物・複写物の取り寄せができる |
よくある質問(FAQ)
先行研究とは何ですか?
本記事では先行研究を「何かしらの研究領域における特定の論点に取り組むため、問いを立て、その問いに対して独自の学術的な答えを示したもの」と定義しています。学術的なものである必要があり、それゆえ基本的には論文であることが求められます。ジャーナル内に収録された論文や博士論文、学術書などがこれにあたります。
新書や解説書は先行研究として使えますか?
使えません。一般の読者向けに書かれた新書や、解説書のようなものを先行研究とすることはできません。
修士論文は先行研究になりますか?
修士論文はたしかに学術的な作法に則って書かれていますが、よほど優れたものでない限り、先行研究として扱うことは一般的ではありません。
先行研究はどこで探せばよいですか?
最も一般的に使われるのは国立情報学研究所が運営するCiNiiです。そのほか所属大学の蔵書検索サイト(OPAC)、国立国会図書館サーチ、カーリル、Google Scholar、World Catがあります。海外について研究する場合はWorld Catが特におすすめです。
効率よく最新の先行研究を把握する方法はありますか?
博士論文や学術書の序章、サーベイ論文が盲点です。研究者は自分の研究の独自性や意義を示すため、博士論文や学術書の序章に自分の研究に関わる先行研究を列挙し、批判的検討を加えています。できる限り新しいものを探してその箇所を読めば、労せずして最新の先行研究の内容や特徴、限界を把握できます。
所属大学に目当ての資料がない場合はどうすればよいですか?
所属大学を通じて他大学の図書館に訪問することができます。また遠方の大学に資料がある場合でも、現物や複写物を取り寄せることが可能です。具体的な方法は大学によって異なるため、所属大学の図書館のレファレンスカウンターに問い合わせることをおすすめします。
研究計画書の書き方を、白紙の状態から提出までひととおり確認したい方は、研究計画書の書き方7ステップ|白紙から提出までの手順と分野別の例文もあわせてご覧ください。本記事の内容を含めた全体の流れを1本で追えます。
おわりに
先⾏研究をいかに効率的に探し、集められるかどうかということは、研究計画書の執筆に際して(修⼠論⽂や博 ⼠論⽂の執筆に際しても)⼤変重要なことです。
今回の記事が、少しでも皆さんのお役に立つことを⼼より祈っています。
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監修者・執筆者情報
監修者:春山正翔
スプリング・オンライン家庭教師代表、株式会社 Spring Knowledge代表取締役。令和の虎youthに虎として出演。自身も大学編入・大学院入試を経験し、指導者として大学編入・大学院入試で数多くの合格者を輩出している。
執筆者:スプリング・オンライン家庭教師 編集部
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研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
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