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大原大学院大学の税理士科目免除制度|出願条件と学費・通学スタイル

大原大学院大学の税理士科目免除制度の記事アイキャッチ画像。大学院入試対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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大原大学院大学(会計研究科)は、会計学または税法の研究で修士論文を完成させて学位を得ることで、税理士試験の一部科目が免除される制度を、教育課程の中で計画的に活用できる大学院です。税理士を目指す社会人や、大学卒業を控えた学生の間で「働きながら受験科目数を減らせるルート」として注目されています。

ただし免除の内容は一律ではなく、会計学の学位なら会計学1科目、税法の学位なら税法2科目というように、研究分野によって免除される科目数が異なります。しかも会計学と税法の両方を同時に免除申請することはできません。制度そのものは魅力的でも、仕組みを正確に理解しないまま出願すると「思っていた免除が受けられなかった」という事態にもなりかねません。

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さらに出願資格・学費・通学スタイルは大学院ごとに大きく異なります。大原大学院大学は東京都千代田区の単一キャンパスに通う通学制の大学院で、昼夜開講制という独自の履修モデルを採用しています。仕事を続けながら通学できるのか、学費はどの程度かかるのか、入試はどのような区分に分かれているのかを、出願前にひとつずつ確認しておく必要があります。

本記事では、大原大学院大学の公式情報にもとづき、「科目免除の範囲」「出願条件」「学費」「通学スタイル」という4つの観点から制度を整理します。あわせて入試区分ごとの選考内容、修了までに必要な単位数・在学年数、税理士試験科目免除の申請手続きまで、出願を検討するうえで押さえておきたい実務的な条件を具体的に解説していきます。

なお学費や入試日程、募集の枠組みは年度によって改定される可能性があります。本記事の数値は執筆時点で公式サイトに掲載されている情報にもとづいていますので、実際に出願を検討する段階では、必ず最新の入学試験要項・募集要項で最終確認してください。

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目次

大原大学院大学の税理士科目免除制度とは

大原大学院大学の税理士科目免除制度は、税理士法にもとづいて全国の大学院に共通して設けられている「大学院における科目免除制度」を、会計研究科の教育課程の中で実際に活用できるようにしたものです。修士の学位取得に係る研究が「税法に属する科目等」または「会計学に属する科目等」であるとの国税審議会の認定を受けることで、税理士試験の一部科目が免除されます。認定の申請先は大学院ではなく国税審議会会長宛てで、修了後に随時提出できる仕組みになっています。

この制度の大前提として理解しておきたいのは、免除は大学院に「入学すること」や「在学すること」自体で得られるものではなく、あくまで修士論文を完成させて学位を取得したうえで、本人が国税審議会に申請し、認定を受けて初めて確定するという点です。したがって、入学時点でどの分野の研究をするかを大まかにでも決めておくことが、免除を確実に受けるための第一歩になります。

会計学と税法、免除される科目の違い

大原大学院大学では、会計学の研究に関する修士論文で学位を得た場合、会計学に属する科目のいずれか1科目について免除申請が可能です。一方、税法の研究に関する修士論文で学位を得た場合は、税法に属する科目のいずれか2科目について免除申請ができます。どちらのルートも当該分野の科目に1つ以上合格していることが申請の前提条件になっている点は共通です。つまり、簿記論や財務諸表論といった会計学科目、あるいは法人税法・消費税法といった税法科目のうち、まず1科目は自力で合格しておく必要があります。

学位の研究分野免除対象科目数申請の前提条件
会計学の修士論文会計学に属する科目のいずれか1科目会計学科目のいずれか1科目に合格済みであること
税法の修士論文税法に属する科目のいずれか2科目税法科目のいずれか1科目に合格済みであること

この表からもわかるとおり、税法の修士論文を選んだ方が免除対象の科目数は多くなり、受験科目全体に占める負担軽減の割合も大きくなります。ただし、どちらの分野を選ぶべきかは免除科目数だけで決めるものではありません。すでに合格している科目、今後受験したい科目、実務でどちらの知識を深めたいかといった観点もあわせて検討する必要があります。会計事務所での実務を見据えて税法の専門性を高めたい人もいれば、財務会計の理論を体系的に学び直したい人もいるため、進学前にキャリアの方向性を整理しておくことをおすすめします。

もうひとつ重要な注意点があります。大原大学院大学の公式説明によれば、会計学と税法の免除を1回の在学で同時に受けることはできません。両方の免除を狙う場合は、本学を修了したうえで再度入学し、2つの学位を取得する必要があります。1回の進学でどこまでの免除を目指すのか、出願前に方針を決めておくことが重要です。

免除を受けるまでの流れ

免除は自動的に確定するものではなく、大学院を修了して学位を得たあとに、自分で国税審議会へ申請する手続きが必要です。税法に属する科目等の修士論文を作成する場合は、大学院が当該分野の論文指導の資格があると認めた教授等から必要な指導を受けることが前提とされています。申請書類には修了要件を満たしたことを示す資料や合格科目の結果通知書などが求められます。

大まかな流れを整理すると、次のようになります。

  1. 出願前に「会計学」「税法」どちらの分野で研究したいかを大まかに決める
  2. 入学後、指導教授のもとで該当分野のテーマに沿った修士論文を作成する
  3. 2年以上の在学・44単位以上の修得・累積GPA1.50以上などの修了要件を満たし、学位を取得する
  4. 修了後、本人が国税審議会会長宛てに免除の認定を申請する
  5. 認定を受けることで、該当科目の免除が正式に確定する

このように、免除は「入学して終わり」ではなく、修了後の申請まで含めた一連のプロセスであることを理解しておく必要があります。

税理士試験全体の中での位置づけ

税理士試験は、会計学に属する科目(簿記論・財務諸表論)の2科目が必修、税法に属する科目(所得税法・法人税法・相続税法・消費税法または酒税法・国税徴収法・住民税または事業税・固定資産税)から選択する3科目(所得税法・法人税法のいずれか1科目は必ず選択)の、合計5科目に合格する必要がある科目合格制の試験です。合格基準点は各科目とも満点の60%とされています。働きながら5科目すべてに合格するのは、学習時間の確保という点で大きな負担になります。科目免除制度は、この負担を制度的に軽減できる数少ない選択肢のひとつです。

もちろん、大学院に進学すること自体にも学費・時間というコストがかかるため、「免除される科目数」と「大学院での2年間に必要な時間・費用」を天秤にかけて判断する必要があります。独学で5科目に挑み続けるか、大学院ルートで負担を減らすかは、どちらが正解というものではなく、自分の生活リズムと学習効率のタイプに応じて選ぶべき問題です。すでに簿記論・財務諸表論のいずれかに合格している人であれば、残りの会計学科目の免除を狙う選択肢が現実的ですし、税法科目の学習に時間がかかると感じている人であれば、税法2科目の免除を狙う価値は大きくなります。

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出願資格と入試の種類

大原大学院大学の会計研究科(会計専攻)には、大きく分けて一般入試・自己推薦入試・留学生特別入試の3つの入試区分があります。出願資格は入試区分ごとに異なり、社会人の実務経験や資格試験の合格実績を評価する枠組みも用意されています。自分がどの区分に該当するかによって、準備すべき対策の方向性が大きく変わります。

出願資格の基本要件

共通の出願資格としては、大学卒業者(卒業見込みを含む)、学士号の取得者(取得予定を含む)、外国における16年課程の修了者、国内外国大学の通信教育16年課程修了者、指定教育施設の課程修了者、指定専修学校の4年制専門課程修了者などが挙げられます。加えて、大学卒業者と同等以上の学力があると個別入学資格審査で認められた者(所定の年齢要件あり)も出願資格を満たします。大学を卒業していなくても出願できるルートがある点は、社会人受験生にとって見落としやすいポイントです。専門学校を卒業して実務経験を積んできた方でも、要件を満たせば出願を検討できます。

新卒でこれから進学する学生と、すでに会計事務所や企業の経理部門で実務経験を積んでいる社会人とでは、出願資格の満たし方も対策の進め方も変わってきます。新卒の場合は大学卒業(見込み)という基本要件を満たしやすい一方、簿記検定や税理士試験科目の合格実績がなければ一般入試での受験が現実的な選択肢になります。社会人の場合は、実務の中で取得した簿記検定や科目合格の実績を自己推薦入試で活かせるかどうかが、入試区分選びの大きな分かれ目になります。

一般・自己推薦・留学生特別、入試の違い

一般入試は実務経験の要件がなく、会計学の筆記試験(大学卒業程度の水準)と面接、書類審査で選考されます。大学を卒業したばかりで実務経験がない人や、簿記検定等の資格を持っていない人でも出願しやすい区分です。自己推薦入試は筆記試験がなく、日商簿記検定2級以上や全経簿記1級以上、税理士試験の一部科目合格、公認会計士試験短答式合格、USCPA試験の一部科目合格のいずれかを出願要件として、面接と書類審査のみで選考が行われます。すでに簿記や税理士試験の学習を進めてきた社会人にとっては、実績を評価してもらえる有利な選択肢になり得ます。留学生特別入試は在留資格を持つ留学生が対象で、日本語能力N2以上等の要件があり、面接・小論文・書類審査で選考されます。修士論文の作成を志望しない者向けの区分である点も特徴です。

入試区分主な出願要件選考方法
一般入試大学卒業者等(実務経験要件なし)会計学筆記試験+面接+書類審査
自己推薦入試簿記2級以上・税理士試験一部合格等のいずれか面接+書類審査(筆記試験なし)
留学生特別入試留学生の在留資格・日本語能力N2以上等面接+小論文+書類審査

このほか、正規学生としてではなく特定科目のみを学ぶ「科目等履修生」制度も設けられており、いきなり正規に入学するのではなく、働きながら少しずつ単位を積み上げたい社会人にも門戸が開かれています。まとまった学費や2年間という在学期間に不安がある場合、まずは科目等履修生として一部の授業を体験してみるという選択肢も検討する価値があります。

入試日程の組み方

入試の日程は年度によって回数・時期が変わりますが、自己推薦入試は年に複数回、隔月程度のペースで実施される傾向があり、一般入試や留学生特別入試はそれぞれ実施時期が限られています。参考として、直近で公表されていた回次構成は次のようなイメージです(年度により回次・日付は変動するため、正確な日付は必ず最新の入試日程ページで確認してください)。

実施時期の目安入試区分備考
9月・10月・11月期自己推薦入試秋口に複数回実施される回次
12月期留学生特別入試年内に実施される回次
1月・2月期自己推薦入試年明けにも複数回実施される回次
2月〜3月期一般入試筆記試験・面接を経て年度末に合格発表

このように自己推薦入試は年間を通じて複数回のチャンスがある一方、一般入試は年度末付近の1回に限られる傾向があります。出願を希望する時期に合わせて、どの区分のどの回で受験できるかを早めに確認しておくことをおすすめします。

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入試の選考内容と対策のポイント

入試区分ごとに選考内容が大きく異なるため、対策の方向性も分けて考える必要があります。ここでは一般入試の筆記試験と、自己推薦入試の書類・面接対策の要点を整理します。

一般入試の会計学筆記試験

一般入試では「大学卒業程度」とされる会計学の筆記試験が課されます。実務経験の要件がない分、簿記・財務会計・管理会計といった基礎領域の理解度を問う出題が中心になると想定されます。過去問は一般公開されていないため、募集要項に記載された出題範囲や参考書リストをもとに、大学レベルの会計学テキストで基礎を固めておく対策が現実的です。大学在学中に会計学を専攻していなかった人は、簿記の基礎から順番に学び直す時間を確保しておく必要があります。

筆記試験対策としては、まず出願前に募集要項を取り寄せ、試験科目の範囲と配点の考え方を確認することが第一歩です。そのうえで、計算問題と理論問題の両方を反復練習し、直前期には大学院入試向けの問題集で仕上げるという進め方が現実的です。

自己推薦入試の書類・面接対策

自己推薦入試は筆記試験がない代わりに、出願要件を満たす資格(簿記検定・税理士試験科目合格等)の証明書類と、面接での志望動機・研究計画の説明が選考の中心になります。修士論文の作成を希望する場合は、通常の出願書類に加えて研究計画書の提出が必要です。会計学と税法のどちらの分野で修士論文を書きたいのか、面接までに自分の言葉で説明できるよう整理しておくことが重要です。

  • 出願書類は簡易書留での郵送が必要で、締切は必着(厳守)。窓口での直接提出はできない
  • 研究計画書は「会計学」「税法」のどちらの免除を狙うかによって記載内容の方向性が変わる
  • 自己推薦入試は出願要件となる資格試験の合格証明書を事前に準備しておく
  • 面接では志望動機だけでなく、修了後にどのように免除制度を活用したいかも問われやすい

いずれの入試区分でも、書類の準備には時間がかかります。特に研究計画書は一朝一夕で書けるものではなく、テーマ設定から先行研究の整理、論理構成の見直しまで何度も推敲を重ねる必要があります。出願期の数ヶ月前から準備を始めておくと、直前になって慌てずに済みます。

面接で問われやすい観点

面接では、単に「税理士になりたい」という動機だけでなく、なぜ大原大学院大学で科目免除を目指すのか、修士論文でどの分野をどう研究したいのか、修了後にどのようなキャリアを描いているのかといった、一貫したストーリーが問われる傾向があります。研究計画と志望動機に一貫性があることは、面接官に納得感を持ってもらう上で重要な要素です。仕事を続けながら通学する場合は、両立の見通しについても具体的に説明できるよう準備しておくとよいでしょう。

実務経験がある社会人の場合は、これまでの業務でどのような会計・税務の課題に直面し、それが研究テーマとどうつながるのかを言語化しておくと、面接での説得力が増します。逆に実務経験が少ない新卒者の場合は、大学時代の学びや将来のキャリアビジョンを軸に、研究への意欲を具体的に語れるようにしておくことが対策の中心になります。

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学費の内訳と支援制度

大学院進学を検討するうえで、学費の総額と支払いタイミングは重要な判断材料になります。大原大学院大学の学費は年次・学期ごとに分かれて設定されており、入学金は初年度のみの負担です。働きながら通学する場合、収入と支出のバランスをどう保つかを事前にシミュレーションしておくと安心です。

学費の内訳(2027年度入学者)

区分春学期秋学期
1年次 入学金200,000円
1年次 授業料570,000円570,000円
1年次 施設費100,000円100,000円
1年次 学期合計870,000円670,000円
2年次 授業料570,000円570,000円
2年次 施設費100,000円100,000円
2年次 学期合計670,000円670,000円

この内訳を合計すると、2年間の総額は2,880,000円です。内訳を見ると、入学金は初年度の春学期にのみ発生し、2年次以降は授業料と施設費のみの負担になります。学期ごとに支払いが分かれているため、年間でまとまった一括納入が難しい場合でも、ある程度計画的に資金を用意しやすい仕組みといえます。検定料(受験料)については公式サイトに具体的な金額の掲載がないため、出願を検討する際は最新の入学試験要項を取り寄せて確認してください。

大原大学院大学に限らず、税理士試験の科目免除が受けられる大学院はほかにもあります。学費だけを比較すると大原大学院大学より安い大学院もあれば、逆に立地や研究環境を重視して高めの学費を選ぶ受験生もいます。学費を検討する際は、単年度の負担額だけでなく、2年間トータルでの総額と、免除される科目数に見合っているかという費用対効果の視点で比較することが大切です。

減免・奨学金制度

大原学園グループの卒業者は入学金が全額免除される制度があります。大原簿記学校や大原学園の各種専門学校を卒業してから大学院に進学するケースでは、この減免制度の対象になるかを確認しておくとよいでしょう。私費外国人留学生には年間授業料の20%(114,000円)を2年間減免する制度も用意されています。

奨学金としては、成績優秀者を対象にした給付型の「大原大学院大学奨学金」(若干名)のほか、日本学生支援機構の貸与型奨学金(第一種は無利子で月額5万円〜8.8万円、第二種は有利子で月額5万円〜15万円)が利用できます。加えて、対象講座を受講する社会人であれば専門実践教育訓練給付金の対象になる場合もあり、条件が合えば訓練費用の一部支給を受けられます。複数の支援制度を組み合わせられるかどうかで、実質的な学費負担は大きく変わってきます。

働きながら通学する社会人にとって、学費の総額だけでなく減免・給付制度をどこまで組み合わせられるかは実質負担を左右する要素です。出願前に自分が対象となる制度がないか確認しておくとよいでしょう。学費の相場感を他の大学院とも比較したい場合は、学費が安い大学院の探し方|国公立・通信・社会人入試もあわせて参考にしてください。

資金計画を立てる際は、2年間で288万円という総額を一度に用意する必要はなく、学期ごとの納入額を目安に、毎月の給与や賞与からどの程度積み立てられるかを逆算するのが現実的です。奨学金や給付金を申請するタイミングは制度ごとに異なるため、出願前の早い段階で候補となる制度を一覧化し、それぞれの申請時期・必要書類を確認しておくと、入学後に慌てずに済みます。

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通学スタイル|昼夜開講制で働きながら通える仕組み

大原大学院大学は通学制の大学院で、キャンパスは東京都千代田区西神田(水道橋エリア)の1か所のみです。オンライン授業や通信制のコースは公式サイト上に記載が確認できず、基本的には実際にキャンパスへ通学するスタイルを前提に考えておく必要があります。近年は通信制・オンライン対応の大学院を選ぶ受験生も増えていますが、大原大学院大学を検討する場合はこの点を早い段階で確認しておきたいところです。

昼間中心・夜間土曜中心、2つの履修モデル

その代わりに用意されているのが「昼夜開講制」という仕組みです。平日第1〜5時限(昼間の時間帯)では、研究指導を除くほぼすべての授業科目を履修できる設計になっており、昼間だけで修了に必要な単位を積み上げることが可能です。一方で、平日第6・7時限(夜間)および土曜日にも主要な授業科目が開講されており、仕事を続けながら夜間・土曜中心で通うという選び方もできます。どちらの時間帯を軸にするかは学生本人の生活パターンに合わせて選択できるため、退職して昼間に集中して学びたい人と、仕事を続けながら夜間・土曜で学びたい人の両方に対応できる設計といえます。

この仕組みのメリットは、入学後に生活状況が変わった場合でも、履修する時間帯を柔軟に調整しやすい点にあります。たとえば1年次は仕事を続けながら夜間・土曜中心で学び、2年次に修士論文の執筆に集中するために昼間の時間帯も活用する、といった組み立て方も可能です。転職や部署異動などで働き方が変わった場合も、時間帯を軸に履修計画を組み直せる余地があるのは、通学制ならではの利点といえます。

通学制であることの留意点

具体的な授業開始・終了時刻は公式サイトに時限番号のみの記載で、詳細な時間割は公表されていません。働きながらの通学を検討する場合は、勤務先の勤務時間と時限の重なり具合を事前に確認しておくことが欠かせません。特に夜間の時限に授業を集中させる計画を立てる場合、勤務先の終業時刻からキャンパスまでの移動時間も含めて、無理のないスケジュールになっているかを具体的にシミュレーションしておく必要があります。

説明会や個別相談の機会を活用し、実際の通学ルートや所要時間、勤務先からの移動時間も含めて、無理なく生活と両立できるかを入学前にしっかり見極めることをおすすめします。社会人が大学院入試そのものにどう時間を確保するかについては、働きながら大学院入試を受ける方法|学習時間と出願戦略で戦略的な進め方を解説していますので、あわせて確認してみてください。入試対策と入学後の学習時間、両方を見据えたスケジューリングが、社会人受験生には欠かせません。

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カリキュラムと修了要件

税理士試験の科目免除を受けるには、まず大学院を修了して学位を取得する必要があります。大原大学院大学の修了要件は単位数・在学年数・成績基準の3つで構成されており、いずれも欠かすことのできない条件です。

44単位・GPA1.50などの基準

修了要件は、標準2年以上の在学、必修・選択必修を含む44単位以上の修得、累積GPA1.50以上の3点です。在学期間・単位数・GPAのすべてを満たさなければ学位は取得できず、免除申請の入り口にも立てません。カリキュラムは8つの分野と研究指導から構成されており、1年次から2年次にかけて段階的に学べるよう設計されています。仕事と両立しながら44単位という分量をこなすには、入学前から履修計画の大まかなイメージを持っておくことが望ましいでしょう。

累積GPA1.50以上という基準は、決して緩いハードルではありません。単位を取得できても評価が低ければGPAの基準を満たせない可能性があるため、単に授業に出席するだけでなく、試験やレポートで一定の成果を出し続ける姿勢が求められます。

論文指導と修士論文作成

修了要件のうち特に重要なのが、「論文指導Ⅰ〜Ⅳ」計8単位の履修と、修士論文の審査合格です。税理士試験の科目免除を申請するためには、この修士論文が会計学または税法の研究として国税審議会の認定を受けられる内容である必要があります。指導教授との相談を重ねながらテーマを固めていくプロセスになるため、入学前の段階から「会計学の研究をしたいのか、税法の研究をしたいのか」という大まかな方向性を持っておくと、入学後の論文指導がスムーズに進みやすくなります。

論文指導は1年次から段階的に始まり、テーマ設定、先行研究の整理、章立ての検討、執筆、審査という流れを2年間かけて進めていくのが一般的です。働きながら論文を書き進める場合は、平日夜間や土曜日にまとまった執筆時間を確保できるかどうかが、修了までのペースを大きく左右します。

8つの分野で体系的に学ぶカリキュラム

大原大学院大学のカリキュラムは、会計学・税法を中心とした8つの分野と、研究指導科目から構成されています。1年次では会計学・税法の基礎領域を幅広く履修し、2年次にかけて自分が選んだ研究テーマに近い分野の授業を重点的に履修していく組み立てが基本になります。すでに実務経験がある社会人でも、体系立てて学び直すことで、修士論文のテーマを深める土台を作りやすくなります。

履修計画を立てる際は、単位数を満たすことだけを目的にするのではなく、自分が免除を狙う分野(会計学または税法)に関連する授業を優先的に組み込むことが望ましいでしょう。指導教授との面談を通じてテーマと履修科目の整合性をすり合わせておくと、無理のない学習計画を立てやすくなります。

入試そのものへの不安が大きい場合は、出願資格の確認や研究計画書の作成支援を含めて、大学院入試対策のような専門的なサポートを利用する選択肢もあります。特に税理士を目指す社会人にとって、研究計画書の方向性を早期に固められるかどうかは、その後の学習効率に直結します。

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税理士試験科目免除の仕組みと申請手続き

ここまで見てきた大原大学院大学固有の条件に加えて、免除そのものは国税審議会が運用する全国共通の制度です。仕組みを正しく理解しておくことで、修了後の申請でつまずくリスクを減らせます。

申請書類と提出先

免除の認定は、大学院を修了して学位を得た後、本人が国税審議会会長宛てに申請することで進みます。申請は随時受け付けられており、申請書類には修了要件を満たしたことを示す資料(履修要項・修了証明等)、講義概要、税理士試験の合格科目を証明する結果通知書などが必要とされています。修了後は自動的に免除が確定するわけではないため、申請漏れがないよう手続きの流れを把握しておくことが大切です。

申請の際には、修士論文の内容が実際にどの科目の免除対象になるのかを国税審議会が個別に審査します。論文の完成度やテーマの妥当性によって審査結果が左右されるため、指導教授と十分にすり合わせながら、免除対象として認定されやすい論文構成を意識しておくことも大切なポイントです。

全体のスケジュール感としては、標準2年の在学期間に加えて、修了後に申請書類を整えて国税審議会へ提出し、認定を受けるまでの期間も見込んでおく必要があります。入学から免除確定までは2年よりも長い時間軸で考えておくのが現実的です。税理士試験の受験計画全体をいつまでに完成させたいかによって、大学院への出願時期を逆算しておくとよいでしょう。

両方の免除を狙う場合の注意点

すでに触れたとおり、会計学と税法の免除を同時に1回の在学で受けることはできません。両方の科目免除を目指す場合は、大原大学院大学を一度修了したうえで再度入学し、異なる分野で2つ目の学位を取得する必要があります。在学期間・学費ともに単純計算で2倍近くかかることになるため、「本当に両方の免除が必要か」を早い段階で検討しておくとよいでしょう。

会計学1科目・税法2科目のどちらを優先するかは、すでに合格している科目や、今後受験する科目の負担感によって判断が分かれます。たとえば簿記論・財務諸表論の会計学科目にすでに合格している人であれば、まず税法の免除を狙って残り2科目を減らし、後年に会計学の免除を追加で検討するという段階的な計画も考えられます。逆に税法科目の学習に苦手意識がある場合は、会計学の免除を先に取得しつつ税法科目は自力での合格を目指す、という組み立て方もあります。

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大原大学院大学のメリット・デメリットと出願前に検討したいこと

制度の仕組みと入試条件を踏まえたうえで、大原大学院大学を選択肢に入れる際のメリットとデメリットを整理します。

メリット

最大のメリットは、税理士試験の受験科目数を実質的に減らせる点です。会計学ルートなら1科目、税法ルートなら2科目の免除が見込め、働きながら5科目すべてに合格するよりも現実的な受験計画を立てやすくなります。加えて、昼夜開講制により昼間・夜間土曜のどちらの生活パターンでも通学できる柔軟性があり、大原学園グループ卒業者への入学金免除や日本学生支援機構の奨学金といった経済的な支援策も複数用意されています。

自己推薦入試では筆記試験がなく、簿記検定や税理士試験の一部科目合格といった実績を評価してもらえる点も、社会人受験生にとっては挑戦しやすい仕組みといえます。また、大原学園グループとして会計・税務分野での教育実績を積み重ねてきた運営母体である点は、安心材料のひとつになり得ます。

デメリット・比較検討のポイント

一方で、キャンパスが東京都千代田区の1か所のみで、オンライン・通信制の授業は確認できないため、遠方に住んでいる場合や通学時間を確保しづらい場合は現実的な選択肢になりにくい点はデメリットです。また、会計学と税法の免除を同時に受けられない仕組み上、両方を狙うなら2回の入学・2倍近い学費が必要になることも事前に理解しておくべきポイントです。

2年間で288万円という学費は、通信制や学費の安い大学院と比べると高めの水準になる場合があります。学費だけを比較すると割高に感じられるかもしれませんが、免除される科目数や通学のしやすさも含めて総合的に判断することが重要です。他の大学院の学費相場や社会人入試の難易度感については、社会人大学院の難易度|仕事と両立する入試対策で比較検討の視点を確認しておくと判断材料が増えます。

こんな人におすすめ・おすすめしにくい人

ここまでの内容を踏まえると、大原大学院大学が向いているのは、税理士試験の受験科目数を早期に減らしたい人、東京都内での通学に大きな支障がない人、昼夜開講制を活かして仕事と両立しながら通いたい人です。特に自己推薦入試の対象になる資格・合格実績をすでに持っている社会人は、比較的挑戦しやすい環境が整っているといえます。

反対に、地方在住でオンライン受講を前提に大学院を探している人や、会計学と税法の両方の免除を短期間でまとめて取得したい人にとっては、通学の負担や2回入学が必要になる点がネックになりやすいでしょう。学費・通学範囲・免除の狙い方を総合的にすり合わせたうえで、他の会計大学院とも比較しながら検討することをおすすめします。

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よくある質問(FAQ)

大原大学院大学では税理士試験の何科目が免除されますか

会計学の研究で修士論文を作成し学位を得た場合は会計学に属する科目のいずれか1科目、税法の研究で学位を得た場合は税法に属する科目のいずれか2科目が免除申請の対象になります。どちらも当該分野の科目に1つ以上合格していることが前提です。免除される科目は税理士試験の合格状況に応じて個別に決まります

会計学と税法の両方を1回の在学で免除申請できますか

できません。大原大学院大学の公式説明によれば、両方の免除を申請するには本学を修了した後に再度入学し、異なる分野でもう1つの学位を取得する必要があります。1回の在学でどちらの分野を優先するかは、出願前に検討しておくべき重要なポイントです。

免除を受けるには何単位・何年の在学が必要ですか

標準2年以上の在学、44単位以上の修得(必修・選択必修を含む)、累積GPA1.50以上が修了要件です。加えて「論文指導Ⅰ〜Ⅳ」計8単位の履修と修士論文の審査合格が必要になります。これらすべてを満たして初めて学位が取得でき、免除申請の対象になります。

自己推薦入試の出願要件を教えてください

日商簿記検定2級以上、全経簿記1級以上、税理士試験の一部科目合格、公認会計士試験短答式合格、USCPA試験の一部科目合格のいずれかを満たしていれば出願できます。選考は面接と書類審査のみで、筆記試験はありません。すでに資格や合格実績がある社会人にとっては挑戦しやすい区分です。

学費の総額と分割払いはできますか

2027年度入学者の場合、2年間の総額は2,880,000円(入学金20万円+授業料・施設費)です。学費は春学期・秋学期に分けて納入する仕組みになっているため、実質的に年4回に分けて支払う形になります。分割払いのより詳細な条件は募集要項で確認してください。

昼間・夜間どちらの生活スタイルでも通えますか

通えます。昼夜開講制により、平日第1〜5時限の昼間中心でも、平日第6・7時限と土曜日中心の夜間・土曜スタイルでも、必要な授業科目のほとんどを履修できる設計になっています。仕事の状況に応じて年次ごとに時間帯を切り替えることも可能です。

大学を卒業していなくても出願できますか

大学卒業者以外にも、指定専修学校の4年制専門課程修了者や、個別入学資格審査で大学卒業者と同等以上の学力があると認められた者など、複数の出願資格ルートが用意されています。詳しい要件は入学試験要項で確認が必要です。

税理士試験に1科目も合格していなくても大学院に進学できますか

一般入試であれば実務経験や科目合格の要件はなく、会計学の筆記試験・面接・書類審査で選考されます。ただし免除申請そのものには当該分野の科目合格が前提条件になるため、進学後もどこかの時点で1科目は自力で合格する受験計画を立てておく必要があります。

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まとめ|大原大学院大学の税理士科目免除制度

  • 会計学の学位なら会計学1科目、税法の学位なら税法2科目が免除申請の対象になる
  • 両方の免除を同時に受けることはできず、狙う場合は2回の入学が必要になる
  • 入試は一般・自己推薦・留学生特別の3区分で、出願要件と選考方法が大きく異なる
  • 2年間の学費総額は2,880,000円で、大原学園グループ卒業者は入学金が全額免除される
  • キャンパスは千代田区の1か所のみで通学制。昼夜開講制により昼間・夜間土曜どちらでも通える
  • 修了には標準2年以上の在学・44単位以上の修得・累積GPA1.50以上が必要
  • 免除の最終確定には、修了後に本人が国税審議会へ申請する手続きが必須

大原大学院大学の税理士科目免除制度は、受験科目数を実質的に減らせる有力な選択肢である一方、免除の範囲や入学回数、通学スタイルなど事前に理解しておくべき条件が多い制度でもあります。学費や入試日程は年度によって変わるため、出願を具体的に検討する段階では必ず最新の入学試験要項で数値を確認してください。

出願資格の整理や研究計画書の準備、面接対策、筆記試験対策まで、進めるべきタスクは決して少なくありません。特に会計学と税法のどちらの分野で研究するかという選択は、修了後の免除範囲だけでなく、税理士試験全体の受験戦略にも影響する重要な決断です。仕事と両立しながら情報収集や書類準備を進めるのは負担が大きく、独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。

大原大学院大学の税理士科目免除制度は、正しく仕組みを理解して計画的に活用すれば、税理士を目指すうえで大きな武器になります。出願資格・入試区分・学費・通学スタイルという基本情報を押さえたうえで、自分のキャリアプランに合った選択かどうかを見極め、自分の状況に合った受験戦略を早めに固めることが、限られた時間の中で合格に近づく近道になります。

制度の細部は年度ごとに変わる可能性があるため、出願を決める前には必ず大原大学院大学の最新の入学試験要項や説明会情報を確認し、疑問点があれば大学院に直接問い合わせることも検討してください。正確な情報にもとづいて準備を進めることが、遠回りに見えて実は合格への最短ルートになります。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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