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社会人が山梨大学に編入する方法|両立スケジュールと出願準備

山梨大学への社会人編入とは、学歴要件を満たした社会人が大学2年次修了相当の学力を前提に第3年次へ編入学する制度のことです。結論からお伝えすると、山梨大学に編入学専用の「社会人特別選抜」という区分は存在せず、社会人も出願資格を満たせば通常の編入学試験(一般選抜等)に挑む仕組みになっています。募集要項の全文を確認しても「社会人」という語自体が一度も出現しないため、社会人向けの特別な配慮を期待するのではなく、通常の選抜プロセスの中で実力を示す準備が必要です。
山梨大学の第3年次編入学を実施しているのは工学部工学科のみです。教育学部は令和4年度のみ募集実績があり、それ以降は募集がありません。医学部・生命環境学部でも編入学の実施は確認できないため、山梨大学への編入を検討する社会人は、まず工学部が対象になることを理解しておく必要があります。
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工学部工学科の編入学試験はコースによって試験科目が大きく異なり、外部英語試験(TOEIC・TOEFL)を一切使わない点も特徴です。筆記試験と口述試験の組み合わせを中心に、コースごとに専門科目の出題内容がまったく違うため、志望コースに応じた対策が欠かせません。また、出願資格に「大学を卒業した者」という号が明示されていない点も、他の国立大学とは異なる山梨大学ならではの特徴です。
この記事では、大学編入指導の専門予備校であるスプリング・オンライン家庭教師が、山梨大学の編入制度における社会人の位置づけ、コース別の試験内容、働きながら合格を目指す両立スケジュール、出願準備で注意すべき書類、筆記・口述試験対策、費用までを一次情報にもとづいて徹底解説します。
「社会人だから編入は難しいのでは」と不安に感じる方も多いのですが、山梨大学工学部の編入学試験は学歴要件さえ満たせば挑戦できる開かれた制度です。TOEIC・TOEFLなどの外部英語試験が一切不要な点は、英語対策に時間を割きにくい社会人にとって大きな追い風になります。この記事を読めば、志望コースの選び方から出願直前の実務対応まで、社会人が押さえるべき論点を一通り整理できます。
山梨大学に社会人向けの編入制度はある?出願資格の構造を確認
山梨大学の入試情報を調べても「社会人特別選抜」という編入学向けの制度は見当たりません。まずこの点を正しく理解しておくことが、出願準備の第一歩になります。
募集要項全文に「社会人」の語は一度も出現しない
山梨大学工学部工学科の第3年次編入学募集要項(令和9年度版・約24,000字)を全文確認しても、「社会人」という語は一度も出現しません。学部入試の特別選抜(学校推薦型選抜・総合型選抜)のページを確認しても、富山大学のような「社会人選抜」という名称の区分は確認できませんでした。つまり、山梨大学には学部編入学(3年次)専用の「社会人特別選抜」は存在せず、社会人も出願資格を満たせば通常の編入学試験区分(推薦選抜・一般選抜)に挑む構造になっています。
この構造は富山大学・福井大学など他の国立大学とも共通しています。「社会人選抜」「社会人入学」という言葉だけを見て編入学にも同様の制度があると思い込んでしまうと、出願準備の方向性を誤ってしまう可能性があります。志望大学の入試情報を確認する際は、必ず「編入学」のページと「特別選抜」のページの両方を確認し、自分が受験する制度がどちらに該当するのかを正確に把握しておきましょう。
出願資格に「大学卒業者」の号が明示されていない点に注意
富山大学や福井大学の編入学募集要項には「大学を卒業した者」という出願資格の号が明記されていますが、山梨大学工学部の一般選抜の出願資格には、この号が明示されていません。出願資格は(1)短大で関連学科を卒業、(2)大学に2年以上在学し関連学科で80単位以上修得、(3)高専で関連学科を卒業、(4)高校専攻科で関連学科の課程を修了、(5)専修学校専門課程で関連学科の課程を修了、(6)その他同等の学力があると認めた方、の6区分です。大学を卒業した方は、実務上は(2)の「大学に2年以上在学し80単位以上修得」の要件を満たすケースがほとんどですが、判断に迷う場合は出願前に必ず入試課へ確認することをおすすめします。
また、いずれの区分でも「本学の志望コースと関連の深い学科」であることが条件になっている点も見落とせません。出身学科と志望コースの関連性が明らかでない場合は、事前に工学域支援課へ相談できる窓口が用意されているため、文系出身から工学系への編入を検討する場合など、判断に迷うケースでは早めに問い合わせておくと安心です。
山梨大学の編入学は工学部工学科のみ|推薦選抜と一般選抜
山梨大学の第3年次編入学は工学部工学科のみで実施されています。まずは実施状況と選抜区分を正確に整理しておきましょう。
在職を続けながら学ぶか、退職して学業に専念するか
山梨大学の学部レベルの夜間主コースの案内は本記事執筆時点で確認できませんでした。在職を続けながら通学するか、退職・休職して学業に専念するかは、入学前に自分自身で生活設計を立てる必要があります。勤務先の時短勤務やフレックス制度の活用が可能かどうか、入学前に確認しておくと、入学後の生活イメージが具体的になります。
山梨県立大学など近隣の選択肢もあわせて検討する
山梨県内には、山梨県立大学国際政策学部のように編入学を実施している大学もあります。志望分野によっては、山梨大学と近隣大学の試験内容・出願時期を比較したうえで併願を検討するのも有効な戦略です。それぞれ出願資格や試験科目が異なるため、複数校を視野に入れる場合は情報収集の初期段階で選択肢を洗い出しておくと、後の対策計画が立てやすくなります。
編入学を実施しているのは工学部工学科のみ
| 学部 | 編入学の実施状況 | 備考 |
|---|---|---|
| 工学部工学科 | 第3年次編入学を実施(令和9年度) | 推薦選抜(土木環境工学コースのみ)と一般選抜(全コース) |
| 教育学部 | 令和4年度のみ実施 | 令和5〜8年度は募集なし、令和9年度の実施も確認できず |
| 医学部・生命環境学部 | 編入学の実施は確認できず | – |
実施学部が限られているため、山梨大学への編入を検討する社会人は工学系の分野に関心があるかどうかが、まず最初の判断材料になります。
工学部の出願資格・試験科目・過去問対策の全体像は山梨大学工学部の編入試験を徹底解説でも詳しく紹介しているため、あわせてご覧ください。本記事は社会人が働きながら合格を目指すための実務的な準備にしぼって解説します。
推薦選抜は土木環境工学コースのみ、現役高専生向け
推薦選抜は土木環境工学コースのみで実施され、出願資格は「本コースと関連の深い学科を2027年3月に卒業見込みの高専生」「在学中の学業成績が当該学科の上位15位以内」など、現役の高専生を対象にした厳格な条件です。社会人が出願できるのは、実質的に一般選抜のみということになります。
推薦選抜は出身校長の推薦を得られることも条件の一つであり、高専を卒業してから年数が経っている社会人が推薦選抜を利用するのは事実上難しいと考えられます。土木環境工学コースを志望する社会人の方も、一般選抜の出願資格・試験内容を中心に準備を進めることになります。
一般選抜は全コース共通の出願資格
一般選抜は工学部工学科の全7コース(クリーンエネルギー化学・応用化学・土木環境工学・コンピュータ理工学・機械工学・メカトロニクス・電気電子工学)共通の出願資格で実施されます。年齢や就労状況を理由にした制限の記載はありませんが、志望コースと「関連の深い学科」出身であることが各号の条件になっている点には注意が必要です。工学系の実務経験がある社会人であれば、出願資格審査の際に自身の経歴との関連性を説明できるよう準備しておくとよいでしょう。
また、社会人であることを理由に試験科目が軽減される制度も確認できません。限られた時間で新卒者と同水準の対策を仕上げる工夫が合否を分けるポイントになります。逆にいえば、年齢や職歴によって評価が割り引かれることもなく、筆記試験・口述試験で結果を出せば新卒者と対等に合格を争えるのが編入学試験の特徴です。
62単位ではなく80単位が基準という山梨大学の特徴
大学に2年以上在学して単位を修得する出願資格ルートは、富山大学・福井大学では62単位以上が基準でしたが、山梨大学は80単位以上という、より高いハードルが設定されています。大学を中退して社会人になった方がこのルートで出願を検討する場合は、自身の修得単位数を出身大学に確認し、80単位に届いているかどうかを早めに把握しておく必要があります。
80単位というのは、標準的なカリキュラムで2年間在学した場合に修得できる単位数よりもやや多い水準です。在学中に単位を落としていたり、休学期間があったりした場合は、80単位に届かない可能性もあるため、成績証明書で修得単位数を早めに確認しておくことが重要です。不足がある場合は、出願資格の他の区分(高専卒業・専修学校修了等)に該当しないかもあわせて検討しましょう。
一般選抜の試験内容はコースで大きく異なる(筆記・口述・化学英語)
山梨大学工学部工学科の一般選抜は、コースによって試験科目の組み合わせがまったく異なります。志望コースを決める段階で、どの科目を対策すべきかを正確に把握しておきましょう。
クリーンエネルギー化学コース・応用化学コース:口述試験のみ
クリーンエネルギー化学コースと応用化学コースは、筆記試験を実施せず口述試験のみで選考されます。口述試験の内容は志望動機・適性に加えて、専門基礎(物理化学・分析化学・無機化学・有機化学)と化学英語の知識が問われます。化学英語は学内で出題される専門科目の一部であり、TOEIC・TOEFLのような外部試験のスコア提出は求められません。募集人員はいずれも若干名です。
筆記試験がない分、当日の口述試験がすべてを決めるという緊張感はありますが、記述の失点を気にせず、理解している内容をその場で説明する力に集中して対策できるという見方もできます。化学系の実務(製薬・化学メーカー・環境関連業務など)に携わっている社会人であれば、実務で得た専門知識を口述試験の受け答えに活かしやすいコースです。
土木環境工学コース:筆記+口述試験
土木環境工学コースは、構造力学・水理学・土質力学の3科目を解答する筆記試験に加え、土木環境工学の基礎的事項・志望動機・適性・一般常識を問う口述試験が課されます。募集人員は推薦選抜・一般選抜とも若干名です。建設・インフラ関連の実務経験がある社会人にとっては、実務知識を活かしやすいコースといえます。
コンピュータ理工学・機械工学・メカトロニクス・電気電子工学コース
コンピュータ理工学コースはプログラミング・計算機アーキテクチャ・情報数学から2科目選択の筆記試験と口述試験、機械工学コースは材料力学・機械力学・熱力学・水力学・金属材料から3科目選択の筆記試験と口述試験、メカトロニクスコースは材料力学・機械力学・電子回路・デジタル回路・ソフトウェア・情報数学(離散数学)から3科目選択の筆記試験と口述試験、電気電子工学コースは電磁気学・電気回路・電子回路(アナログ)の3科目を解答する筆記試験と口述試験で選考されます。選択科目制のコースが多く、自分の得意分野を選んで受験できる点は社会人にとって有利に働く可能性があります。募集人員はコンピュータ理工学コース5名、機械工学コース10名、電気電子工学コース5名、メカトロニクスコースは若干名です。
機械工学コースの募集人員10名は工学部工学科の全コースの中でも最多で、選択科目の幅も広いため、実務経験を活かしやすいコースの一つといえます。製造業や設備関連の仕事に携わっている社会人であれば、材料力学・機械力学・熱力学・水力学・金属材料のいずれかで実務知識を活かせる可能性があります。志望コースを最終決定する前に、自分の実務経験とどの科目が親和性が高いかを整理しておくとよいでしょう。
試験日程と合格発表
一般選抜・推薦選抜とも試験日は2026年6月13日(土)に統一されており、場所は山梨大学甲府キャンパスです。出願期間は2026年5月18日〜25日16時30分必着、合格者発表は2026年6月19日(金)16時頃です。全コース共通の試験日なので、複数コースを併願することはできません。
試験時間は9時から13時までの間で実施され、集合時刻は8時45分です。遠方から受験する社会人は前泊も含めた移動計画を立てておくと安心です。試験当日に課せられた試験を1つでも受験しなかった場合は、受験した全試験の成績が無効になるため、体調管理を含めた当日の準備は入念に行いましょう。
外部英語試験(TOEIC/TOEFL)は不要、その代わりに求められること
富山大学など一部の国立大学では編入学試験にTOEIC・TOEFLのスコア提出が求められますが、山梨大学工学部工学科はこの点で大きく異なります。
全コースでTOEIC・TOEFLのスコア提出が不要
山梨大学工学部工学科の第3年次編入学試験(令和9年度)は、全コースにおいてTOEIC・TOEFLなどの外部英語試験のスコア提出を求めていません。クリーンエネルギー化学コース・応用化学コースで問われる「化学英語」も、学内の口述試験で専門用語の理解を確認するものであり、外部スコアとは別物です。TOEIC対策に時間を割く必要がない分、専門科目や筆記・口述試験の対策に時間を集中投下できるのは、働きながら受験する社会人にとって大きなメリットといえます。
富山大学のように編入学でTOEIC・TOEFLの提出を必須とする大学もあるなかで、山梨大学は英語対策の負担が小さい分、専門科目の完成度で勝負できるという特徴があります。英語に苦手意識がある社会人にとっては、志望校選びの重要な判断材料になるでしょう。
その代わりに専門科目の筆記力と口述での説明力が問われる
外部英語試験がない代わりに、専門科目の筆記試験(選択科目制のコースが多い)と、口述試験での専門知識の説明力が重視されます。高専や工業系の学校で学んだ内容を思い出しながら、体系的に基礎を固め直す作業が必要です。仕事で工学系の実務に携わっている社会人であれば、実務知識を基礎理論と結びつけて説明する練習が効果的です。
TOEIC対策が不要ということは、「英語が苦手だから編入をあきらめていた」という社会人にとっては選択肢が広がる一方で、専門科目の基礎力がそのまま合否を左右するという意味でもあります。ブランクがある場合は、高校・高専レベルの基礎から段階的に復習し、大学教養レベルの専門知識まで着実に積み上げていく学習計画が有効です。
コースによる出題科目の選択制を活かす
機械工学コース・メカトロニクスコースなどは筆記試験の科目を選択できる仕組みになっています。全科目を満遍なく対策するのではなく、自分の実務経験や得意分野に近い科目を優先的に選んで対策範囲を絞り込むことで、限られた学習時間を効率的に使えます。志望コースが決まったら、選択可能な科目の中から自分に合うものを早めに絞り込みましょう。仕事で使っている知識と重なる科目があれば、対策時間を大幅に短縮できる可能性もあります。
選択科目制は裏を返せば、出題範囲を絞り込んだぶん、選んだ科目については深い理解が求められるということでもあります。中途半端な理解のまま本番に臨むと、口述試験での深掘りの質問に対応できなくなるリスクがあるため、選んだ科目は表面的な暗記ではなく、原理から説明できるレベルまで仕上げておくことが重要です。
まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?
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働きながら合格を目指す両立スケジュール(出願半年〜1年前からの逆算)
山梨大学工学部の編入学試験は年1回しか実施されないため、社会人が働きながら合格を目指すには早めの逆算スケジュールが欠かせません。
出願12ヶ月〜9ヶ月前:志望コースの確定と情報収集
まずは志望コースを確定させ、募集要項で出願資格・試験科目・日程を正確に把握しましょう。コースによって口述試験のみ、筆記+口述試験と試験内容が大きく異なるため、自分の得意分野と照らし合わせて志望コースを絞り込むことが重要です。この段階で、平日の学習時間をどこに確保できるか(通勤時間・昼休み・就業後など)を洗い出し、無理のない週間学習計画の土台を作っておきましょう。この時期にあわせて、家族や勤務先とのコミュニケーションも進めておくと、後の休暇取得や生活面での協力を得やすくなります。
山梨大学工学部の編入学試験は年1回、6月中旬に統一日程で実施されるため、複数コースを併願することができません。志望コースを一つに絞り込む必要がある分、この段階での情報収集と自己分析の精度が合否を大きく左右します。出身学科や実務経験と関連の深いコースかどうかも、早い段階で確認しておきましょう。
出願9ヶ月〜6ヶ月前:専門科目の基礎固め
筆記試験のあるコースは、材料力学・電磁気学・構造力学など大学教養レベルの専門科目が問われます。仕事の繁忙期を見越して、負荷の低い時期に基礎固めを終わらせておく逆算がポイントです。口述試験のみのクリーンエネルギー化学コース・応用化学コースを志望する場合も、専門基礎(物理化学・分析化学・無機化学・有機化学)を口頭で説明できるレベルまで理解を深める学習が必要です。
平日は通勤時間や昼休みを使った短時間学習、休日はまとまった時間を使った演習というように、平日と休日で学習内容にメリハリをつけると、限られた時間でも継続しやすくなります。専門用語や公式はスマートフォンのメモアプリにまとめておき、隙間時間に見返せるようにしておくのも効果的です。
出願6ヶ月〜3ヶ月前:過去問演習と口述試験の想定問答準備
この時期からは過去問演習の比重を高め、出題形式に慣れておくことが重要です。全コースで口述試験が課されるため、志望動機・学びたい内容・卒業後の進路について、自分の言葉で説明できるよう準備を進めましょう。口述試験のみで判定されるコースを志望する場合は、この時期の対策がそのまま合否に直結します。
過去問は大学の窓口で入手できる場合があるため、志望コースが決まった段階で入試課や学部窓口に入手方法を確認しておくとよいでしょう。在職中で平日の問い合わせが難しい場合は、メールでの問い合わせに対応しているか確認しておくと、電話が難しい場合の選択肢を確保できます。
出願3ヶ月〜直前:出願書類の準備と最終確認
出願直前期は、成績証明書や卒業(見込み)証明書といった出願書類の取り寄せに時間がかかることが多いため、余裕を持って準備を始めましょう。仕事と学習の両立に悩んだときは、大学編入対策の専門家に相談することで、限られた時間を効率よく配分しやすくなります。試験直前の1ヶ月は新しい範囲に手を広げるより、これまでの学習内容の総復習に時間を使うほうが効果的です。
山梨大学工学部の一般選抜は6月中旬に試験が実施されるため、仕事の年度切り替え時期(4月)と対策の追い込み時期が重なりやすい点にも注意が必要です。年度初めは業務が立て込みやすいことを見越して、3月までに学習の大部分を終えておくペース配分を意識すると、直前期の負担を抑えられます。
出願準備で押さえるべき書類と証明書(在職者が特に注意する点)
社会人が編入学に出願する際は、学生とは異なり、出身大学・短大・高専からの証明書取得に時間がかかるケースが多く見られます。早めに準備を進めることがトラブル回避の鍵です。
成績証明書・卒業証明書は取り寄せに時間の余裕を
出願には出身学校長等が作成した成績証明書(厳封)が必要です。卒業から年数が経っている場合、大学の証明書発行窓口の対応に時間がかかることがあるため、出願期間の直前ではなく、数ヶ月前から発行手続きを進めておくと安心です。なお、一般選抜出願資格(2)の「大学に2年以上在学し80単位以上修得」に該当する方は卒業(見込み)証明書は不要ですが、代わりに在学証明書が必要になります。出願資格の区分によって必要書類が異なるため、事前に確認しておきましょう。
成績証明書は「厳封」で提出する必要があり、開封されたものは受理されない可能性があります。発行時には合格の成績評価基準(A〜D評価・優良可・100点満点等)が記載されているかも確認する必要があるため、出身校に依頼する際は評価基準の記載についても伝えておくとスムーズです。出身校が遠方にある場合や、大学名が改称・統合されている場合は特に時間がかかりやすいため、余裕を持った行動が欠かせません。
出願資格審査が必要なケースの事前準備
高校専攻科修了者(出願資格(4))、専修学校専門課程修了者(出願資格(5))、その他同等の学力があると認められる方(出願資格(6))に該当する場合は、出願期間開始の約10日前(2026年5月8日16時30分まで)に入試課へ書類を提出する事前審査が必要です。判断に迷う場合は、電話連絡のうえ早めに書類を準備しておきましょう。
審査に必要な書類には履歴書や出身学校長等が作成した成績証明書(厳封)などが含まれます。審査書類の準備には出身校とのやり取りが必要になるケースが多いため、対象となる出願資格に該当する方は特に早めのスケジュール管理が重要です。電話連絡が難しい場合の対応方法についても、事前に入試課へ確認しておくと安心です。
Web出願と検定料の支払い方法
山梨大学の編入学試験はWeb出願サイトでの情報登録・入学検定料の支払い・出願書類の提出のすべてを出願期間内に完了する必要があります。クレジットカード以外の支払方法は入金確認に2時間程度かかるため、余裕を持った手続きが必要です。出願書類は郵便局窓口から簡易書留速達郵便で郵送する必要があるため、在職中で平日の窓口対応が難しい場合は、休暇の取得や郵送手段の確保も含めて早めに段取りを組んでおきましょう。
入金が確認されないと出願書類の印刷に進めない仕組みになっているため、出願期間の最終日ギリギリに手続きを始めると、支払いの確認待ちで書類の準備が間に合わなくなるリスクがある点にも注意が必要です。出願開始直後から余裕を持ってWeb登録・支払い・書類準備の順番で進めておくことをおすすめします。
筆記・口述試験対策で社会人が意識すべきポイント
山梨大学工学部工学科の編入学試験は全コースで口述試験(一部は筆記試験も)が課されています。社会人が対策する際に意識したいポイントを整理します。
職務経験を学びにどう接続するかを言語化する
口述試験では、志望動機・適性・卒業研究内容・将来の希望や進路について問われます。単に職務経験を語るだけでなく、その経験で得た問題意識を志望コースでどう深めたいかを具体的に説明できることが評価につながります。志望理由の作成では、現在の仕事内容をただ説明するのではなく、その仕事の中で生まれた疑問や課題意識を志望コースの専門分野とどう結びつけるかを明確にすることが重要です。
抽象的な表現に頼らず、自分自身の実務経験に基づいた具体的なエピソードを盛り込むことで、説明の完成度を高められます。面接官は、社会人であることを弱みとしてではなく、新卒の受験生にはない実務経験をどう学びに活かすつもりかという視点で評価する傾向があるため、実務で培った課題解決力を志望コースでの学びにどうつなげたいのかを具体的に語れるよう準備しておきましょう。
口述試験はその場での説明力が問われる
山梨大学の口述試験は、専門基礎の理解度に加えて「意欲」「コミュニケーション力」「思考力」といった要素も評価対象になっています。一人で黙々と勉強するだけでなく、声に出して説明する練習を重ねておくことが対策の中心になります。仕事で人前で説明する機会がある方は、その経験を活かしつつ、専門分野の知識を整理して説明できるようにしておきましょう。
口述試験は筆記試験と異なり、その場での受け答えの論理性が重視されます。模擬面接や口述練習を繰り返し、初対面の相手にもわかりやすく説明する力を鍛えておくことが効果的です。第三者からのフィードバックを受けられる環境があれば、独学では気づきにくい説明の癖や論理の飛躍を早期に修正できます。
働きながらの学習時間の確保を説明できるようにする
口述試験では、入学後にどのように学習時間を確保するのかを問われることもあります。仕事との両立をどう実現するつもりか具体的に説明できる準備をしておくと、面接官に対して現実的な学修計画があることを示せます。転職や退職を予定している場合は、そのタイミングも含めて筋の通った説明ができるようにしておくと安心です。
筆記試験は選択科目の見極めが重要
機械工学コースやメカトロニクスコースのように選択科目制の筆記試験では、出題科目のうち自分が最も得点しやすい科目を早期に見極めることが対策の効率化につながります。過去問や出題内容の傾向を確認しながら、実務経験や既存の知識を活かせる科目を優先的に選び、記述式の答案作成を反復練習しておきましょう。
ブランクが長い社会人ほど、いきなり過去問に取り組むと歯が立たず自信を失いがちです。高校・高専レベルの基礎から段階的に難度を上げていくことで、着実に得点力を積み上げられます。答えを出すだけでなく、途中式や考え方を正しく記述できるかが評価されるため、単純な暗記ではなく類題を繰り返し解いて記述力を鍛えることが重要です。
山梨大学編入にかかる費用(検定料・入学料・授業料)
編入学にかかる費用も、社会人にとっては重要な検討材料です。募集要項で確認できた金額を整理します。
検定料・入学料・授業料の目安
| 項目 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 検定料 | 30,000円 | 支払手数料は志願者負担 |
| 入学料 | 282,000円(予定) | 既納の入学料は返還不可 |
| 年間授業料 | 535,800円(予定) | 前期267,900円・後期267,900円 |
検定料は出願が受理されなかった場合に限り返還されますが、出願受理後は原則としていかなる理由があっても返還されません。出願前に金額と支払い方法をよく確認し、手続きに不備がないよう十分注意しましょう。支払い完了までに時間がかかる場合があるため、余裕を持って手続きを進めてください。
検定料・入学料・授業料はいずれも国立大学の標準的な水準です。編入学は最短でも2年間の在学が必要になるため、初年度だけでなく卒業までの総費用を見積もっておくことが現実的な資金計画につながります。仕事との両立で学習時間の確保に不安がある場合は、社会人が大学編入する方法で紹介している両立戦略もあわせて参考にしてください。
合格から入学までの期間が長いことを資金計画に活かす
山梨大学の入学手続期間は2027年2月11日〜17日と、合格発表(2026年6月)から約8ヶ月という長い期間が設けられています。富山大学・福井大学では合格発表から入学手続まで数ヶ月程度なのに対し、山梨大学はこの点で準備期間を長く確保できるのが特徴です。在職中の方は、この期間を使って退職・転職のタイミングや資金計画をじっくり検討できます。
入学手続の詳細は、Web出願サイトに登録されたメールアドレスに12月下旬頃通知される予定です。合格から実際の入学手続までにタイムラグがあるため、通知を見落とさないよう定期的にメールを確認しておくことも大切です。勤務先への報告のタイミングや引き継ぎのスケジュールも、この長い準備期間を活用して計画的に進められます。
授業料免除・徴収猶予の相談窓口
入学料・授業料の免除または徴収猶予については、合格者発表後に教学支援部学生支援課へ相談できる案内があります。在職中と入学後で家計状況が変わる場合は、その変化も踏まえて早めに相談しておくことをおすすめします。適用条件は個々の状況によって異なるため、必ず最新の公式情報で確認してください。
編入学は最短でも2年間の在学が必要になるため、初年度だけでなく卒業までの総費用(入学料+授業料×在学年数)を見積もっておくことが現実的な資金計画につながります。認定される単位数によっては在学期間が2年を超える場合もあるため、入学前の単位認定審査の結果を踏まえて、あらかじめ余裕を持った資金計画を立てておきましょう。
よくある質問(FAQ)
山梨大学に編入学の「社会人特別選抜」はありますか?
編入学(3年次編入学試験)専用の「社会人特別選抜」という制度はありません。募集要項の全文にも「社会人」という語は一度も出現せず、社会人も出願資格を満たせば通常の編入学試験(一般選抜等)に出願します。制度の名称に惑わされず、自分が受けるのが「編入学試験」なのか他の制度なのかを最初に整理しておきましょう。募集要項の対象学年・学部の記載を必ず確認することが誤出願を防ぐ第一歩です。
社会人が山梨大学に編入する場合、年齢制限はありますか?
一般選抜の出願資格の条文には、年齢を理由とした制限の記載はありません。学歴要件を満たしていれば、年齢にかかわらず出願できます。年齢を理由に不安を感じる必要はなく、学歴要件と試験対策に集中することが大切です。出願資格に該当するかどうか判断に迷う場合は、早めに大学の入試課へ確認しておくと安心です。
大学を卒業していないと出願できませんか?
山梨大学工学部の一般選抜の出願資格には「大学を卒業した者」という号が明示されていません。大学に2年以上在学し関連学科で80単位以上修得した方は出願資格(2)に該当する可能性がありますが、判断に迷う場合は出願前に必ず入試課へ確認してください。逆に、大学を卒業していなくても、高専卒業・専修学校修了などの他の区分に該当すれば出願できる可能性があります。自分の学歴がどの区分に当てはまるか、早めに整理しておきましょう。
山梨大学の編入学は工学部以外でも実施していますか?
本記事執筆時点で確認できたのは工学部工学科の第3年次編入学のみです。教育学部は令和4年度のみ募集実績があり、それ以降は募集がありません。医学部・生命環境学部での編入学実施は確認できませんでした。今後実施状況が変わる可能性もあるため、志望学部が決まったら大学の入試情報ページで最新の公式情報を必ず確認してください。
働きながらでもTOEICのスコアは必要ですか?
山梨大学工学部工学科の編入学試験は全コースでTOEIC・TOEFLなどの外部英語試験のスコア提出を求めていません。クリーンエネルギー化学コース・応用化学コースの「化学英語」も学内出題の専門科目の一部です。TOEIC対策に時間を割けない社会人にとっては、専門科目や口述試験の対策に時間を集中できるメリットがあります。
合格から入学までの期間が長いのはなぜですか?
令和9年度入試は2027年4月入学に対応するもので、合格発表は2026年6月、入学手続は2027年2月と設定されています。他大学と比べて準備期間を長く確保できる点は、社会人が生活設計を整えるうえでメリットになります。入学手続の詳細は12月下旬頃にメールで通知される予定のため、連絡を見落とさないよう注意しましょう。
どのコースが社会人にとって出願しやすいですか?
コースごとに試験内容が異なるため一概にはいえませんが、外部英語試験が一切不要な点は共通のメリットです。化学系の実務経験がある方は口述試験のみのクリーンエネルギー化学コース・応用化学コース、機械・電気系の実務経験がある方は選択科目制の機械工学コース・電気電子工学コースなどが検討しやすい選択肢です。志望分野との適合を優先しつつ、自身の得意分野に合わせて判断しましょう。
推薦選抜は社会人でも出願できますか?
推薦選抜は土木環境工学コースのみで実施され、現役高専生を対象とした厳格な出願資格(卒業見込み・学業成績上位15位以内等)が設定されています。社会人が出願できるのは、実質的に一般選抜になります。土木環境工学コースを志望する社会人の方も、一般選抜での出願を前提に、早めに対策を進めましょう。
まとめ|山梨大学への社会人編入は工学部一般選抜が唯一のルート
山梨大学には編入学(3年次編入学試験)専用の「社会人特別選抜」は存在せず、社会人も出願資格を満たせば工学部工学科の一般選抜に出願できます。年齢や在職状況を理由に出願を諦める必要はなく、コースごとの試験内容の違いを正確に把握し、逆算したスケジュールで準備を進めれば十分に合格を狙える制度です。外部英語試験が不要という特徴は、他の国立大学と比較しても社会人にとって取り組みやすいポイントといえます。ここまで解説してきた内容を振り返ります。
- 募集要項に「社会人」の語は一度も出現せず、社会人も通常の編入学試験に出願する構造
- 山梨大学の編入学(3年次)は工学部工学科のみで実施、教育学部は令和4年度以降募集なし
- 出願資格に「大学卒業者」の号が明示されておらず、大卒者は事前確認が必要
- 62単位ではなく80単位以上という基準が山梨大学の特徴
- 推薦選抜は土木環境工学コースのみ・現役高専生向け、社会人は一般選抜が対象
- 試験内容はコースで大きく異なり、口述試験のみのコースから筆記+口述のコースまで幅がある
- TOEIC・TOEFLなどの外部英語試験は全コースで不要
- 合格発表(6月)から入学手続(翌年2月)まで約8ヶ月と準備期間が長い
- 口述試験では職務経験を志望コースでの学びにどう接続するかを言語化できる準備が重要
働きながらの受験は、専門科目の学習時間の確保、口述試験対策、出願書類の準備と、やるべきことが多岐にわたります。特に山梨大学工学部はコースによって試験科目の組み合わせがまったく異なるため、志望コースを早期に絞り込み、対策の優先順位を明確にすることが合格への近道です。志望コースの試験内容や出願資格の詳細は必ず最新の募集要項でご確認いただくとともに、大学編入対策の専門指導も選択肢に入れながら、限られた時間を効率よく使った対策を進めてください。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。TOEIC対策が不要という山梨大学ならではの特徴を活かし、専門科目・口述試験対策に集中して着実に合格を目指していきましょう。焦らず一歩ずつ、計画的に準備を進めることが大切です。
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