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総合型選抜とは?仕組み・日程・評価基準を高校生向けに解説

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総合型選抜とは、大学が出願書類と面接などを組み合わせ、学力だけでなく志望動機・学びへの意欲・大学が求める学生像との適合まで含めて、時間をかけて総合的に評価・判定する入試方式です。文部科学省の大学入学者選抜実施要項では「一般選抜とは異なる観点や方法により評価を行うという前提のもと、詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせる」入試方法と位置づけられています。かつてAO入試と呼ばれていた区分が名称と中身を改めたものが、現在の総合型選抜です。

高校生や保護者の方から最も多く寄せられる誤解が「総合型選抜は学力が不要な入試だ」というものです。これは正確ではありません。実施要項は総合型選抜について、調査書などの出願書類だけで判断せず、教科・科目の個別テスト、大学入学共通テスト、小論文・面接・実技検査等、資格・検定試験の成績という4つの評価方法のうち少なくともいずれか一つを必ず活用するよう各大学に求めています。学力を測る物差しが姿を変えているだけで、学力そのものが問われない入試ではありません。

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日程の骨格もはっきり決まっています。総合型選抜の出願は9月1日以降、合格発表は11月1日以降というルールが実施要項で定められており、2027年度入試(令和9年度入試)であれば出願受付は2026年9月1日以降、判定結果の発表は2026年11月1日以降になります。一般選抜より半年ほど早く決着がつく可能性がある一方で、準備は高校2年生の段階から動き出す必要があるということでもあります。

この記事では、総合型選抜とはどのような制度なのかという定義から、学校推薦型選抜・一般選抜との違い、日程、評価基準、選考方法、文部科学省の最新データで見た実態、そして2027年度入試から始まる面接の原則必須化までを、高校生が読んで自分の受験計画に落とし込める順番で整理します。数値や日程はすべて文部科学省の一次資料に当たって確認し、出典を示しています。

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目次

総合型選抜とは?大学が「学力以外も含めて」総合的に評価する入試

文部科学省が定める総合型選抜の定義

総合型選抜の定義は、各大学が勝手に決めているものではありません。文部科学省が毎年通知する「大学入学者選抜実施要項」に、全大学共通のルールとして書かれています。令和9年度大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜を「一般選抜とは異なる観点や方法により評価を行うという前提のもと、詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法」と定めています。

ここで押さえておきたいキーワードが3つあります。「詳細な書類審査」「時間をかけた丁寧な面接」「意欲・目的意識」です。一般選抜が試験当日の得点で並べ替える入試だとすれば、総合型選抜は「この受験生は本学で伸びるか」を、書類と対話を通じて確かめる入試だと言い換えられます。試験時間の長さではなく、選考にかける期間の長さが特徴になっているわけです。

もう一つ、総合型選抜の性格を決定づけている条文があります。実施要項は総合型選抜を「入学志願者自らの意志で出願できる公募制」と位置づけ、その性格に鑑みて、志願者本人が記載する資料を必ず評価に活用するよう求めています。ここでいう志願者本人が記載する資料とは、活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書などを指します。高校の先生の推薦がなくても、自分の意志で出願できる。その代わり、自分で自分を説明する書類の質が合否を左右する。これが総合型選抜の基本構造です。

旧AO入試から名称と中身が変わった経緯

「総合型選抜って結局AO入試のことでしょう」と言われることがありますが、名前を付け替えただけではありません。文部科学省の高大接続改革に関する説明では、入試区分の名称を「一般入試」から「一般選抜」へ、「AO入試」から「総合型選抜」へ、「推薦入試」から「学校推薦型選抜」へ変更したとされ、その趣旨は「多面的・総合的な評価の観点からの改善を図りつつ、各々の入学者選抜としての特性をより明確にする観点から」と説明されています。名称変更とセットで、評価のやり方そのものに条件が加わったということです。

区分の整理自体も、比較的最近まで動いていました。文部科学省の入学者選抜実施状況の資料には、令和7年度大学入学者選抜実施要項から、従来の「一般選抜とそれ以外」という整理を改め、「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」の3区分に再整理したと明記されています。つまり、統計の取り方も含めて制度が組み替えられた直後の時期にあたります。数年前の受験情報をそのまま信じると前提がずれている場合があるため、必ず最新年度の情報で確認する習慣が必要です。

実務的に大きいのは、旧AO入試時代に一部で見られた「書類と面接だけで、学力の確認がほとんどない」という運用が認められなくなった点です。現在の実施要項は、総合型選抜であっても大学教育を受けるために必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力等を適切に評価するよう求めています。学力から逃げるための入試ではなくなったという理解が出発点になります。

「学力の三要素」という評価の土台

総合型選抜の評価基準を理解するうえで欠かせないのが「学力の三要素」です。実施要項の基本方針は、大学が能力・意欲・適性等を評価するにあたり、学力を構成する特に重要な要素として次の3つを適切に把握するよう定めています。

  • 基礎的・基本的な知識・技能
  • 知識・技能を活用して、自ら課題を発見し、その解決に向けて探究し、成果等を表現するために必要な思考力・判断力・表現力等の能力
  • 主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度

一般選抜が主に1つ目と2つ目を筆記試験で測るのに対し、総合型選抜は3つ目の「主体性・協働性」を正面から評価できるという点に存在意義があります。高校3年間で何に関心を持ち、どう行動し、そこから何を学んだのか。それを裏づける材料として、探究活動、部活動、生徒会活動、ボランティア活動、資格・検定などが位置づけられます。逆に言えば、実績の派手さそのものではなく、その経験が学びの意欲や適性をどう示すかが問われます。

アドミッション・ポリシーが評価基準の出発点になる

総合型選抜の評価基準は大学ごとに違いますが、その違いがどこに書かれているかは決まっています。アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)です。実施要項は、各大学がこの方針を定めるにあたり、抽象的な「求める学生像」だけではなく、入学志願者に高等学校段階までにどのような力を培うことを求めるのか、そうした力をどのような基準・方法によって評価・判定するのかなどについて、可能な限り具体的に設定するよう求めています。

さらに実施要項は、入学後の教育課程を踏まえ、高等学校で履修すべき科目や取得しておくことが望ましい資格等を列挙するなど、「何をどの程度学んできてほしいか」を可能な限り具体的に記述することも求めています。つまりアドミッション・ポリシーは、大学が受験生に向けて出している評価基準の予告編にあたります。学力の三要素についても、各大学の特色に応じて評価・判定方法や重み付けを検討したうえで設定することとされています。

実務上の使い方はシンプルです。志望校のアドミッション・ポリシーを学部単位で読み、そこに並んでいる語句と自分の経験を1対1で対応づけてみてください。対応づけられない項目が多ければ、その学部との相性を考え直す材料になります。志望理由書は大学の言葉に自分の経験を接続する作業だと捉えると、書き出しの迷いが減ります。

総合型選抜・学校推薦型選抜・一般選抜の違いを比較する

3つの選抜方式を一覧で比較する

総合型選抜とは何かを正確につかむには、隣にある2つの方式と並べるのが早道です。以下の表は、令和9年度大学入学者選抜実施要項の記載にもとづいて3方式を整理したものです。日付は2027年度入試(2027年4月入学)の場合の実際の暦に置き換えています。

比較項目総合型選抜学校推薦型選抜一般選抜
出願できる人本人の意志で出願できる公募制出身高校長の推薦が必要出願資格を満たせば誰でも
主な評価資料詳細な書類審査と丁寧な面接等調査書を主な資料とする学力検査・小論文等が主な資料
出願開始2026年9月1日以降2026年11月1日以降試験期日に応じて各大学が設定
合格発表2026年11月1日以降2026年12月1日以降2027年3月31日まで
個別試験の期日2月1日より前も実施可2月1日より前も実施可2027年2月1日〜3月25日
募集人員の上限実施要項に定めなし入学定員の5割を超えない範囲実施要項に定めなし

表を眺めると、3方式が秋・冬・春と時間差で並んでいることが見えてきます。総合型選抜で結果が出れば秋のうちに進路が決まり、そうでなければ学校推薦型選抜や一般選抜へ移っていく。この時間差こそが受験戦略の土台になります。

総合型選抜と学校推薦型選抜の決定的な違いは「誰が出願を決めるか」

2つの方式は「年内に決まる入試」としてまとめて語られがちですが、性格はかなり異なります。実施要項は学校推薦型選抜について、出身高等学校長の推薦に基づく入試であり「入学志願者自らの意志のみで出願できるものではない」と明記しています。校内で推薦枠を得るという関門が先にあり、そこでは評定平均をはじめとする在学中の成績が重く働きます。

一方の総合型選抜は公募制なので、校内選考という関門はありません。出願資格を満たしていれば、自分の判断で挑戦できます。その代わり、志望理由や学修計画を自分の言葉で構築する負荷はすべて受験生本人にかかります。校内の順位ではなく、大学との相性を自分で証明する入試だと考えると理解しやすいはずです。

なお実施要項は、学校推薦型選抜について推薦要件を可能な限り具体的に設定し、募集要項等により示さなければならないとも定めています。指定校推薦のように高校ごとに条件が異なる形式もあるため、学校推薦型選抜を検討する場合は、まず高校の進路指導室で自校に来ている推薦枠と校内基準を確認するところから始まります。

募集人員のルールにも違いがある

見落とされがちですが、募集人員の扱いにも差があります。実施要項は学校推薦型選抜の募集人員について、附属高校長からの推薦に係るものも含め、学部等募集単位ごとの入学定員の5割を超えない範囲で各大学が定めると規定しています。これに対し、総合型選抜には同様の上限規定が置かれていません。

この差は、大学側が総合型選抜の枠をどう設計するかの自由度に表れます。学部の性格に合わせて総合型選抜の比重を高めている大学もあれば、少人数の枠にとどめている大学もあります。志望校を検討する段階で、その学部の募集人員が全体の何割にあたるのかを募集要項で確かめておくと、現実的な合格可能性の感覚がつかめます。

「年内入試」という呼び方との関係

受験情報の中で「年内入試」という言葉を見かけることがあります。これは実施要項に定義がある正式な区分名ではなく、総合型選抜と学校推薦型選抜をまとめて指す通称です。合格発表が年内に出るという日程の共通点から、こう呼ばれています。統計や記事を読むときは、その数字が総合型選抜だけを指しているのか、学校推薦型選抜を含む合計なのかを区別して読む必要があります。

両者は日程が近いだけで、出願の仕組みも評価の重心も異なります。総合型選抜は本人の意志で出願でき、志願者本人が書いた資料が評価の中心に置かれます。学校推薦型選抜は高校長の推薦が前提で、調査書が主な資料に位置づけられます。「年内に決まる入試」という一括りで戦略を立てると、準備すべきものを取り違えます。自分がどちらの枠で戦うのかを最初に決めてから、対策の中身を選んでください。

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総合型選抜の日程|出願は9月1日以降、合格発表は11月1日以降

2027年度入試の日程ルール

総合型選抜の日程は、大学ごとにばらばらのようでいて、外枠は全国共通で決まっています。令和9年度大学入学者選抜実施要項は、総合型選抜について「入学願書受付を令和8年9月1日以降とし、その判定結果を令和8年11月1日以降に発表する」と定めています。西暦に直すと、出願受付は2026年9月1日以降、合格発表は2026年11月1日以降です。

同じ実施要項は、学校推薦型選抜の出願受付を2026年11月1日以降、判定結果の発表を2026年12月1日以降で一般選抜の試験期日の10日前まで(学校推薦型選抜で大学入学共通テストを活用する場合は前日までのなるべく早い期日)と定めています。一般選抜の個別試験は2027年2月1日から3月25日までの間に行われ、合格者の決定発表は2027年3月31日までです。大学入学共通テストの本試験は2027年1月16日・17日、追試験は1月23日・24日と定められています。

時期起こること(2027年度入試の場合)
2026年5月〜7月末各大学が選抜方法等を決定・公表(実施要項は7月31日までの発表を求めている)
2026年9月1日〜総合型選抜の出願受付が解禁
2026年9月〜10月書類審査・面接・小論文などの選考が本格化
2026年11月1日〜総合型選抜の合格発表が解禁
2026年11月1日〜学校推薦型選抜の出願受付が解禁
2027年1月16日・17日大学入学共通テスト本試験
2027年2月1日〜3月25日一般選抜の個別試験

この表で注目したいのが最初の行です。実施要項は各大学に対し、個別テストの実施教科・科目や評価方法などを選抜区分ごとに決定し、2026年5月27日から7月31日までに発表するよう求めています。つまり高校3年生の夏休みが始まる頃には、志望校の総合型選抜がどんな試験を課すのかが出そろっている計算になります。夏休みは情報収集の時期ではなく、出そろった条件に合わせて書類を仕上げる時期だということです。

なぜ9月・11月というルールになっているのか

この日程は事務的な都合で決まったものではありません。文部科学省の高大接続改革に関する説明では、出願時期を9月以降(従来は8月)、合格発表時期を11月以降とした理由として、学力の3要素を多面的・総合的に評価するために必要な期間の確保、高等学校教育や本人の学習意欲への影響、学校推薦型選抜の出願時期との整合性という観点が挙げられています。

特に2つ目の観点は受験生に直結します。仮に夏前に合格が決まってしまえば、高校3年生の後半の学習が空洞化しかねません。高校の学びを最後までまっとうさせるための時期設定でもあるわけです。実際、合格後の学習を求めて課題を出す大学も少なくありません。

高校3年生の1年間はこう動く

ルール上の日程が9月からでも、受験生の実際の動きはもっと早く始まります。多くの大学がオープンキャンパスや事前エントリー、出願前の面談を夏に設定するためです。標準的な流れを月ごとに置くと、次のようになります。

  • 4月〜6月:志望分野の絞り込み、前年度の募集要項で出願資格と選考内容を下読みする
  • 7月〜8月:新年度の募集要項が出そろう。オープンキャンパス参加、志望理由書の初稿作成
  • 9月:出願解禁。書類提出、大学によっては事前課題やエントリーシートの締切
  • 10月:面接・小論文・プレゼンテーションなどの試験本番
  • 11月:合格発表。不合格の場合は学校推薦型選抜・一般選抜へ切り替える
  • 12月〜1月:共通テスト対策の追い込み(併願・一般選抜を視野に入れている場合)

ここで現実的な注意が1つあります。10月は総合型選抜の試験と一般選抜の学習が真正面からぶつかる月です。総合型選抜だけに賭ける計画は、11月に不合格だった場合の回復余地が小さくなります。志望理由書と面接の準備を9月までに終わらせ、10月以降は教科学習を止めない設計にしておくと、どちらの結果でも次に進めます。

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総合型選抜の評価基準|大学は何を見て合否を決めるのか

出願書類は「必ず評価に活用される」

総合型選抜の評価基準を条文レベルで見ると、大学の裁量に任されている部分と、全大学に義務づけられている部分がはっきり分かれています。義務づけられている筆頭が、志願者本人が記載する資料の活用です。実施要項は総合型選抜について、公募制という性格に鑑み志願者本人の記載する資料を必ず評価に活用すると定め、その例として活動報告書、大学入学希望理由書、学修計画書等を挙げています。

この条文の意味は重いものです。出願書類は「提出さえすればよい形式的な添付物」ではなく、配点の有無にかかわらず評価対象になることが確定しているということです。しかも実施要項は、特に総合型選抜や学校推薦型選抜においては、これらの資料に関するプレゼンテーションなどにより積極的に活用するとも述べています。書いた内容について、その場で掘り下げられる前提で準備する必要があります。

学力を測る評価方法が最低1つは必ず課される

「総合型選抜は学力不問」という誤解が成り立たない根拠が、実施要項の次の規定です。総合型選抜では、言語能力および数理的思考力を含め大学教育を受けるために必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力等も適切に評価するため、調査書等の出願書類だけではなく、以下の4つの評価方法のうち少なくともいずれか一つを必ず活用し、その旨を募集要項に記述することとされています。

評価方法内容受験生から見た負荷
教科・科目に係る個別テスト大学が独自に課す教科の学力試験一般選抜に近い教科学習が必要
大学入学共通テスト総合型選抜でも利用が認められている1月まで学習を継続する前提になる
小論文・面接・実技検査等エッセイ、口頭試問、ディベート、集団討論、プレゼンテーション等を含む思考と表現の訓練が必要
資格・検定試験等の成績英語4技能の資格・検定試験、科学オリンピック、国際バカロレア等受験前年までの計画的な取得が必要

実施要項は、このうち教科・科目に係る個別テストを活用する場合について、各大学における学修に必要な範囲で高校段階の基礎的な学習の成果を問うものとし、他の評価方法との間でバランスの取れた配分で判定に活用するよう求めています。学力試験だけで決める入試にはしない、という歯止めが条文に置かれているわけです。

受験生の実務としては、志望校の募集要項でこの4つのうちどれが採用されているかを最初に確認してください。共通テストが課される総合型選抜であれば、11月に結果が出ても1月まで気を抜けません。資格・検定型であれば、高2のうちに英語資格を取り切る計画が先に立ちます。どの評価方法が使われるかで準備計画が丸ごと変わります

調査書と評定(学習成績の状況)の扱い

調査書は、高校が指導要録にもとづいて作成する公式書類です。実施要項は各大学に対し、調査書の「3.各教科の学習成績の状況」だけではなく、他の記載事項も有効に活用するよう求めています。いわゆる評定平均だけを見るのではなく、活動の記録や指導上参考となる諸事項まで含めて読むという方針です。

同時に実施要項は、大学が重要と判断する教科・科目を指定し、単位修得や一定水準以上の具体的な評定の獲得を出願要件等として求めることができるとも定めています。つまり「評定平均4.0以上」「数学の評定4以上」といった条件を出願資格に置くことは制度上認められています。総合型選抜だから評定は関係ない、とは言い切れないということです。

ここは志望校によって扱いが大きく分かれる論点なので、一般論で判断せず、出願資格の欄を1行ずつ読むことをおすすめします。評定の条件が課されていない大学であっても、調査書は提出書類として評価対象に含まれます。日々の定期テストが遠回りに効いてくる入試だと捉えておくのが安全です。

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総合型選抜の選考方法|出願書類・小論文・面接・プレゼンテーション

志望理由書・活動報告書・学修計画書で何を書くか

実施要項は、志願者本人が記載する資料の中身についても方向性を示しています。活動報告書については、高等学校までの学習や活動の履歴が把握できるようにするため、「総合的な探究の時間」や理数探究等において取り組んだ課題研究等、および学校の内外で意欲的に取り組んだ活動の記載を求めるとされています。後者には、生徒会活動、部活動、ボランティア活動、スーパーサイエンスハイスクールをはじめとする課題研究、資格・検定、各種大会・コンクール、留学・海外経験などが例示されています。

大学入学希望理由書や学修計画書については、各大学が学部等の教育内容を踏まえ、入学希望理由や入学後に学びたい内容・計画、大学卒業後を見据えた目標等を記載させるとされています。書類の名称は大学ごとに異なりますが、問われている中身はこの3点セットに収れんします。過去の経験、大学での学習計画、その先の展望が一本の線でつながっているかが見られます。

書類作成でつまずきやすいのは、経験の列挙で終わってしまうパターンです。部活動の実績や資格をいくら並べても、それが志望学部での学びとどう接続するのかが書かれていなければ、評価の材料になりません。構成の考え方については、大学編入向けに書かれた記事ですが志望理由書の受かる構成と例文をまとめた解説が参考になります。「なぜこの分野か」「なぜこの大学か」「入学後に何をするか」を分けて書く型は、総合型選抜の志望理由書にもそのまま応用できます。

書類作成の実務でもう1つ気をつけたいのが、様式と字数の指定です。志望理由書や活動報告書は多くの場合、大学所定の用紙または指定フォーマットで提出します。字数制限、手書きか入力か、記入欄の区切り方まで募集要項で指定されていることがあり、指定を外した書類は内容以前の問題になります。提出前に指定条件を一覧化して照合する工程を入れてください。

提出後は内容を修正できません。そして面接では、その書類が質問の下敷きになります。提出したものと同じ内容を手元に控えとして残し、面接前に読み返せる状態にしておくのが基本です。書いた瞬間の自分の思考を、1か月後に再現できるかという視点で、根拠や具体例をメモとして添えて保管しておくと安心できます。

小論文で問われる力

小論文は総合型選抜で採用率の高い選考方法ですが、その位置づけには条文上の縛りがあります。実施要項は、小論文・面接・実技検査等について、教科・科目に係る個別テストとは異なる評価方法として規定している趣旨を踏まえ、専ら教科・科目に係る知識を問うことにならないように留意しなければならないと明記しています。教科の知識問題を小論文の形式に見せかけて出題することは想定されていません。

では何が問われるのか。実施要項は、小論文等を活用する目的として「自らの考えを論理的・創造的に形成する思考・判断の能力」や「思考・判断した過程や結果を的確に、更には効果的に表現する能力」を含む能力・適性等を多角的に評価・判定するためだと述べています。知識の量ではなく、考えを組み立てて言葉にする力が対象だということです。

対策の順序としては、まず志望学部の過去の出題形式を確認します。課題文型か、資料・グラフ読み取り型か、テーマ型かで必要な訓練が変わるためです。そのうえで、序論で問いに対する自分の立場を示し、本論で根拠を2つ程度重ね、結論で言い直すという型を、時間を計って繰り返します。書いたものを他者に読んでもらい、論理の飛躍を指摘してもらう工程を挟むと伸びが早くなります。

面接・プレゼンテーション・口頭試問

総合型選抜における面接は、単なる人物確認ではありません。実施要項は面接の範囲として、ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含むとし、オンラインによる実施も含むと定めています。対話の形をとった学力・適性の評価だと考えるのが実態に近いはずです。

質問の中心になるのは、提出した書類です。志望理由書に書いた探究活動について「なぜそのテーマを選んだのか」「うまくいかなかった点は何か」「その経験を大学でどう発展させるのか」と掘り下げられます。書類の一文一文に、口頭で3分説明できるだけの中身を持たせておく必要があります。想定質問への向き合い方は、面接の質問例と志望理由の答え方を整理した記事が参考になります。大学編入を題材にした内容ですが、志望動機を構造化して答える方法は総合型選抜の面接でも共通です。

準備の実務としては、想定問答の丸暗記より、答えの骨組みを持っておくほうが有効です。結論を先に述べ、具体的な経験を1つ添え、そこから何を学んだかで締める。この3段構成を身体に入れておけば、想定外の質問でも形が崩れません。加えて、録画して自分で見返す練習を1度でも挟むと、話す速度や視線の癖が一気に改善します。

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数字で見る総合型選抜の実態|入学者の約5人に1人が総合型選抜

令和7年度の入学者数で見る規模

制度の説明だけでは、総合型選抜が受験全体の中でどれくらいの重みを持つのかが見えません。文部科学省が令和7年11月26日に公表した令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の実数を見てみます。以下は大学(短期大学を除く)の数値です。

選抜区分実施大学・学部数入学志願者数(延べ)合格者数入学者数
総合型選抜728大学2,476学部324,118人160,505人126,766人
学校推薦型選抜772大学2,516学部535,956人309,584人221,415人
一般選抜3,749,656人1,187,898人300,249人
全体778大学2,661学部4,609,730人1,657,987人648,430人

この一次データから比率を計算すると、総合型選抜による入学者は全体の約19.5%で、大学入学者のおよそ5人に1人が総合型選抜経由という計算になります。学校推薦型選抜は約34.1%で、両者を合わせると約53.7%。一般選抜は約46.3%です。年内に決まる入試で入学者の半数以上が動いている、というのが現在の姿です。

実施率も見ておきます。総合型選抜を実施しているのは728大学で、全778大学の約93.6%にあたります。ほとんどの大学が何らかの形で総合型選抜を持っていると考えて差し支えありません。志望校に制度がないのではないかという心配より、自分の志望学部で実施されているかを個別に確かめるほうが実際的です。

国公立と私立で景色がまったく違う

ただし、この平均値を鵜呑みにすると判断を誤ります。設置区分別に計算し直すと、次のような差が出ます。

設置区分総合型選抜学校推薦型選抜一般選抜
国立大学約7.7%約12.7%約79.6%
公立大学約6.0%約26.9%約67.1%
私立大学約22.8%約38.8%約38.3%

私立大学では総合型選抜と学校推薦型選抜の合計が約61.7%に達し、一般選抜より年内入試のほうが多数派です。一方、国立大学では一般選抜が約79.6%を占め、総合型選抜は1割に届きません。国公立志望と私立志望では、総合型選抜の戦略的な重みが違うということです。国立大学志望であれば、総合型選抜は共通テスト対策と並走させる前提で組む必要があります。

数字は令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況(大学分)を用い、入学者数を各区分の入学者数で割って算出しました。なお同資料の注記では、令和7年度実施要項での区分再整理や外国人留学生を対象とする選抜を含めたことにより、令和6年度の数値との比較はできないとされています。前年比の増減を語ることは差し控え、直近年度の断面としてご覧ください。

志願者数と合格者数から見える競争の実像

総合型選抜は「受かりやすい入試」と言われることがありますが、実数はもう少し複雑です。総合型選抜の合格者数160,505人を入学志願者数324,118人で割ると約49.5%になります。数字の上では2人に1人が合格している計算ですが、この志願者数は延べ数であり、1人が複数の大学・学部に出願した分がすべて数えられている点に注意が必要です。

統計を読むときの前提も押さえておきます。同資料の注記によれば、入学志願者数・受験者数・合格者数はいずれも延べ数であり、通信教育課程および学士編入学選抜は集計に含まれていません。ここで扱っている数値は大学(学部)の分で、短期大学は別の資料に分けて集計されています。数字を引用するときは、どの範囲の集計なのかを確認してから使うのが確実です。

さらに、合格者数160,505人に対して入学者数は126,766人です。合格しても入学していない層が一定数いることになります。専願を条件としない大学で複数合格した受験生や、その後の入試で他大学へ進んだ受験生が含まれると考えられます。総合型選抜が全国一律に易しいわけではなく、大学・学部ごとの競争率は募集人員と志願者数の実数で確認するのが確実です。

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2027年度入試からの変更点|面接の原則必須化と運用の是正

面接による評価を必ず行うことになった

総合型選抜を考えるうえで、2027年度入試から効いてくる制度変更があります。文部科学省が令和8年5月27日付で通知した令和9年度大学入学者選抜実施要項等について(通知)は、前年度からの主な変更点の筆頭として「入学志願者の能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価・判定する総合型選抜及び学校推薦型選抜の趣旨に鑑み、面接による評価を必ず行うこととしたこと」を挙げています。

実施要項本体でも、総合型選抜について「志望する学問分野に対する意欲や適性等に係る面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含む。オンラインによる実施を含む。)による評価を必ず行う」と定められました。これまで書類審査と小論文のみで選考していた大学も、面接を組み込む方向に動くことになります。総合型選抜を受けるなら面接対策は必修という理解で計画を立ててください。

例外と経過措置を正確に押さえる

ただし、条文には例外と猶予が置かれています。通知は、高等学校との緊密な連携により意欲や適性等を含め丁寧なマッチングが図られていると考えられる非公募型の学校推薦型選抜であって、合格した際には入学することを確約して受験するものについては、大学の実情に応じて面接の要否を判断できるとしています。いわゆる指定校推薦型の枠が想定されており、総合型選抜はこの例外の対象ではありません。

経過措置もあります。実施要項の備考は、令和8年度に既に実施されていた選抜区分であって、令和9年度入試から面接を導入することが難しいものについては、遅くとも令和11年度(2029年度)入学者選抜までに面接を導入すると定めています。したがって2027年度入試の時点では、志望校の選考方法に面接が入っているかどうかを募集要項で個別に確認する必要があります。制度の方向は固まっていても、適用のタイミングには幅があるということです。

「学力検査に偏った運用」への是正要請

同じ通知には、受験生にとって見逃せないもう一つの記載があります。令和8年度入試について、一部の大学の総合型選抜および学校推薦型選抜において、2月1日より前に実施される教科・科目に係る個別テストの配点割合が著しく高い、あるいは他の要素が点数化されていないなどにより、実質的に学力検査の成績に大きく偏って合否判定が行われているなど、趣旨に合わない事例が見受けられたというものです。これを受け、大学入学者選抜協議会から各大学長に対して実施要項の遵守についての依頼が取りまとめられています。

この記載から読み取れるのは、総合型選抜の名前で実質的な学力試験が行われている区分が現に存在したという事実です。裏を返せば、受験生の側は選考方法の名称ではなく配点表を見る必要があるということでもあります。募集要項の配点欄で、書類・面接・学力試験それぞれに何点が割り振られているかを確認すれば、その入試が実際には何を測ろうとしているのかが見えてきます。

そのほかの変更点

令和9年度実施要項では、ほかにも変更が加えられています。通知は、文理横断・文理融合教育を通じた課題解決力の涵養等の重要性に鑑み、言語能力および数理的思考力の育成に配慮することとしたと述べています。文系志望だから数学は関係ない、理系志望だから記述力は不要、という切り分けが通用しにくくなる方向です。

不正行為の防止のため、本人確認を適正に行うことやオンライン試験に関する留意事項等が追記された点も挙げられています。オンライン面接が一般化したことに対応した整備です。受験生としては、オンライン実施の場合の通信環境・本人確認書類の準備まで含めて、募集要項の指示を早めに読み込んでおくと安心できます。

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総合型選抜に向いている人・向いていない人と、準備の進め方

向いている人と、慎重に考えたい人

制度の設計から逆算すると、総合型選抜が力を発揮しやすい受験生の像はかなりはっきりしています。学びたい分野が具体的に決まっていて、その関心を裏づける行動を高校生活の中で積んできた人。探究活動やレポート作成で、自分の考えを筋道立てて説明した経験がある人。人前で話すことに極端な苦手意識がない人。志望動機を自分の言葉で語れることが最大の武器になります。

逆に、慎重に検討したほうがよいのは、志望分野がまだ定まっていない場合です。総合型選抜は「この大学のこの学部で学びたい理由」を軸に評価が組み立てられるため、学部を決めきれていない状態で書類を書くと、内容が一般論に流れて評価されにくくなります。学部研究に時間を割いてから出願するか、一般選抜に軸足を置くかを早めに判断するほうが結果的に得をします。

もう1つ、時間配分の観点もあります。総合型選抜の準備は、書類作成・面接練習・小論文対策と工程が多く、9月〜10月に集中します。この時期に教科学習を完全に止めてしまうと、11月に結果が出なかった場合の立て直しが難しくなります。併用を前提に計画を組めるかが、向き不向きの実質的な分かれ目です。

高1・高2・高3の学年別にやること

準備は高校3年生の夏から始めるものだと思われがちですが、評価対象になる材料は高校1年生から積み上がっています。学年ごとの動き方を整理すると次のようになります。

学年優先してやること理由
高校1年定期テストで評定を確保する/興味の方向を広く探す調査書の学習成績の状況は1年次から積み上がる
高校2年探究活動のテーマを志望分野に寄せる/英語資格を取得する資格・検定は出願要件や加点に使われる場合がある
高校2年3学期志望校の前年度募集要項を読み、出願資格を確認する評定条件や資格条件は後から満たせないことがある
高校3年4月〜6月志望理由書の初稿を書く/オープンキャンパスを予約する書類は推敲の回数が質を決める
高校3年7月〜8月新年度の募集要項で選考方法を最終確認し、書類を仕上げる選抜方法は7月31日までに各大学が発表する
高校3年9月〜10月出願、面接・小論文の実戦練習、教科学習の継続不合格時に一般選抜へ移行できる状態を保つため

この表で最も見落とされやすいのが高校2年3学期の行です。出願資格に評定平均の条件や英語資格の条件が置かれている場合、高3の夏に気づいても間に合いません。前年度の募集要項は各大学のサイトで公開されているので、条件の当たりを付けるだけなら高2のうちにできます。

併願・専願と一般選抜との両立

併願の可否は制度で一律に決まっているわけではなく、大学ごとの募集要項に委ねられています。出願資格に「合格した場合は入学することを確約できる者」といった専願条件を置く大学もあれば、併願を認める大学もあります。専願条件の有無は出願前に必ず確認するべき項目です。複数校に出願する計画であれば、なおさら重要になります。

一般選抜との両立については、11月1日以降に結果が出るという日程を前提に組み立てます。合格すれば12月以降の負荷は下がり、不合格でも共通テストまで2か月以上残ります。教科学習を細くても継続していれば、切り替えは十分に可能です。総合型選抜を「本命への最短ルート」ではなく受験機会を1回増やす手段と位置づけると、計画が安定します。

周囲の協力を段取りに組み込むことも忘れないでください。調査書は高校が作成する書類なので、依頼から発行まで時間がかかります。学校によっては提出期限の2週間前までに申し込むといった内部ルールがあり、出願直前に頼んでも間に合わない場合があります。英語資格のスコア証明書も、再発行や郵送に日数を要します。

志望理由書についても、担任や進路指導の先生に一度読んでもらうと、自分では気づけない飛躍が見つかります。自分の頭の中だけで完結させないことが、書類の質を押し上げる最短の方法です。読み手を1人でも増やしてから提出するという原則は、面接練習にもそのまま当てはまります。

進路は入学後にも変えられる

最後に、視野を少し広げておきます。総合型選抜で第一志望に届かなかった場合や、入学後に学びたい分野が変わった場合でも、進路の修正手段は残っています。短期大学や大学の2年次までを終えた段階で別の大学の3年次に移る大学編入という進路があり、実施している大学は少なくありません。高校生の段階で知っておくだけでも、志望校選びの心理的な負荷が下がります。

編入試験では、志望理由書と面接、小論文が中心的な評価材料になります。総合型選抜の準備で身につけた力は、そのまま先で使える資産になるということです。学習の全体像は編入対策の完全ガイドにまとまっています。いま総合型選抜のために志望理由を言語化する作業は、どの進路を選んでも無駄になりません。

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よくある質問(FAQ)

総合型選抜とAO入試は何が違いますか?

名称が変わっただけでなく、評価の要件が加わりました。文部科学省の高大接続改革の説明では「AO入試」から「総合型選抜」への名称変更は、各々の入学者選抜としての特性をより明確にする観点から行われたとされています。現在の実施要項では、調査書等の出願書類だけでなく、教科・科目の個別テスト、大学入学共通テスト、小論文・面接・実技検査等、資格・検定試験の成績のうち少なくとも一つを必ず活用することが求められています。書類と面接だけで完結する選考は想定されていません。

総合型選抜は学力が低くても受かりますか?

学力が不問の入試ではありません。実施要項は、総合型選抜においても言語能力および数理的思考力を含め大学教育を受けるために必要な知識・技能、思考力・判断力・表現力等を適切に評価するよう定めています。評価の手段が筆記試験に限られないだけで、学力そのものは対象です。加えて2027年度入試からは面接による評価が必ず行われることになり、対話の中で理解の深さを問われる場面が増えます。

総合型選抜に評定平均は必要ですか?

大学によります。実施要項は、大学が重要と判断する教科・科目を指定し、単位修得や一定水準以上の具体的な評定の獲得を出願要件等として求めることができると定めています。評定条件を課す大学と課さない大学の両方が存在するということです。条件がない場合でも調査書は提出書類として評価対象に含まれるため、定期テストの成績を軽視しない前提で計画してください。

総合型選抜は他の大学と併願できますか?

制度上一律に禁止されているわけではなく、各大学の募集要項の定めによります。出願資格に「合格した場合は入学することを確約できる者」という専願条件が置かれている大学もあります。併願を前提に複数校へ出願する計画であれば、各校の出願資格の欄を確認し、専願条件の有無と出願手続きの締切が重ならないかを事前に整理しておく必要があります。

総合型選抜に落ちたら一般選抜は受けられますか?

受けられます。総合型選抜の合格発表は11月1日以降と定められており、一般選抜の個別試験は翌年2月1日から3月25日までの間に実施されます。大学入学共通テストは2027年度入試の場合1月16日・17日です。結果が出てから共通テストまで2か月以上あるため、教科学習を細くても継続していれば十分に切り替えられます。9月から10月にかけて教科学習を完全に止めない設計が鍵になります。

総合型選抜の準備はいつから始めるべきですか?

出願は高校3年生の9月1日以降ですが、評価材料は高校1年生から積み上がります。調査書の学習成績の状況は1年次からの評定が反映され、探究活動や資格・検定も直前には作れません。現実的な目安としては、高校2年生のうちに志望分野を絞って前年度の募集要項で出願資格を確認し、高校3年生の春から志望理由書の作成に入る流れが無理のない進め方です。

特別な活動実績や資格がないと総合型選抜は不利ですか?

大会の入賞歴のような目立つ実績がなくても出願はできます。実施要項が活動報告書の記載対象として挙げているのは、総合的な探究の時間や理数探究で取り組んだ課題研究、生徒会活動、部活動、ボランティア活動など幅広いものです。重要なのは実績の華やかさではなく、その経験から何を考え、志望する学問分野とどうつながるのかを説明できるかどうかです。日常の学校生活の中の取り組みでも、掘り下げれば評価の材料になります。

総合型選抜でも大学入学共通テストは必要ですか?

大学によって異なります。実施要項は、各大学が総合型選抜や学校推薦型選抜においても大学入学共通テストを利用することができると定めています。共通テストを課す総合型選抜の場合、合否は1月の受験を経てから確定するため、11月時点で学習を終えることはできません。志望校の募集要項で共通テストの利用の有無を確認し、必要であれば一般選抜と同じ密度で教科学習を続ける計画にしてください。

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まとめ|総合型選抜とは何かを一枚で整理する

総合型選抜とは、詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせ、受験生の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方式です。学力を測らない入試ではなく、測り方が筆記試験以外にも開かれている入試だと理解すると、準備の方向を誤りません。ここまでの要点を整理します。

  • 総合型選抜は本人の意志で出願できる公募制で、志願者本人が記載する資料が必ず評価に活用される
  • 2027年度入試の日程は、出願が2026年9月1日以降、合格発表が2026年11月1日以降
  • 教科・科目の個別テスト、大学入学共通テスト、小論文・面接・実技検査等、資格・検定試験の成績のうち、少なくとも一つは必ず課される
  • 評定(学習成績の状況)を出願要件に置くことは制度上認められており、調査書は常に評価対象になる
  • 令和7年度の実績では、総合型選抜による入学者は全体の約19.5%、学校推薦型選抜と合わせると約53.7%
  • 私立大学では年内入試が約61.7%を占める一方、国立大学は一般選抜が約79.6%と、設置区分で構造が大きく異なる
  • 2027年度入試から総合型選抜・学校推薦型選抜で面接による評価が必ず行われることになり、導入が難しい区分にも2029年度入試までの経過措置が置かれている

受験生が最初にすべきことは、志望校の募集要項を開き、出願資格・選考方法・配点の3か所を確認することです。同じ「総合型選抜」でも中身は大学ごとに大きく違います。共通テストを課す大学もあれば、書類と面接とプレゼンテーションで完結する大学もあります。制度の全体像を理解したうえで、自分の志望校がその中のどのタイプなのかを特定する。この2段階を踏むと、準備の優先順位が自然に決まります。

日程の面では、9月の出願から11月の発表までの2か月に負荷が集中します。逆算すると、志望理由書の初稿は高校3年生の春、出願資格の確認は高校2年生のうち、評定の土台づくりは高校1年生からということになります。早く動いた分がそのまま持ち駒になる入試だという点で、一般選抜とは性質が異なります。

本記事で示した日程・要件は令和9年度大学入学者選抜実施要項にもとづく全国共通のルールであり、各大学の具体的な出願資格・試験科目・配点は募集要項で必ずご確認ください。志望理由書の組み立てや面接での答え方など、独学で仕上げにくい部分に不安がある場合は、総合型選抜を専門に扱う指導を活用するのも一つの方法です。総合型選抜専門オンライン塾アドミでは、志望理由書の添削と志望校別の面接練習を中心に対策を進められます。進め方の相談は無料相談から受け付けています。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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