無料相談会受付中!

志望理由書をChatGPTで書くとバレる?AI利用の境界線

志望理由書をChatGPTで書くとバレる?AI利用の境界線を示すアイキャッチ画像
無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(LINEで簡単30秒・志望校未定でもOK)

「志望理由書 チャットgpt」と検索してこの記事にたどり着いた高校生の多くが知りたいのは、突き詰めると一つです。ChatGPTを使って志望理由書を書いたら、大学に分かってしまうのか。先に結論を書くと、「バレるかどうか」を基準に判断するのは危険です。AIが書いた文章かどうかを判定するツールの精度には限界があることが公表されており、大学が検出できるとも、できないとも断定できないからです。判断の基準にすべきなのは、検出の可否ではなく、志望校が募集要項でどう定めているかという事実のほうです。

生成AIとは、入力された指示に応じて文章や画像などを自動でつくり出すAIのことで、ChatGPTはその代表的なサービスです。大学入試における生成AIの扱いについて、文部科学省は全国一律の禁止も許可も定めていません。2024年8月の資料で「各大学において定める生成AIの教学面の取扱いに関する指針や考え方等との整合性を持たせた、適切なルール等が策定・運用されることが期待される」と示すにとどめており、具体的なルールづくりは各大学に委ねられています。その結果、同じ2027年度入試でも、募集要項に「認めません」と書く大学と「認めます」と書く大学が実際に併存しています。

\ 大学院入試専門 /

まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?

スプリング・オンライン家庭教師のプロ講師が、現在の学力・志望校・残り期間に合わせて、必要な対策を個別に整理します。

  • 大学院入試のプロ講師が最適な受験戦略を提案
  • 今後の大学院入試の勝ち筋が見える。
  • 志望校が決まっていなくてもOK

\ 合格がグッと近づく/

(費用は一切かかりません)

この記事では、2027年度(令和9年度)入試を受ける高校生と保護者に向けて、志望理由書における生成AI利用の境界線を、事実にもとづいて整理します。文部科学省の3つの資料、実際に方針を公表している大学の原文、募集要項に書かれた不正行為の取扱い、そして高校教員220人への学術調査を出典付きで確認しながら、「どこまでが補助で、どこからが代筆か」を自分で判断できる状態を目指します。断定できない論点は断定せず、確認できなかったことは確認できないと書きます。

なお本記事が対象とするのは、高校生が受ける総合型選抜・学校推薦型選抜の志望理由書です。短期大学や他大学から編入する大学編入試験の志望理由書は、出願資格も評価の観点も別の枠組みになります。編入をお考えの方は大学編入志望理由書の添削ガイド|受かる構成と例文大学編入コースの案内をご覧ください。

無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(LINEで簡単30秒・志望校未定でもOK)
目次

志望理由書をChatGPTで書くと「バレる」のか|検出の精度から確認する

最初に、多くの人が最も気にしている「バレるのか」という問いを、公表されている事実の範囲で確認します。ここで扱うのは、AIが書いた文章を機械的に見分ける技術がどこまで信頼できるのかという話です。

AI判定ツールの精度には限界があると公表されている

ChatGPTを開発したOpenAIは、2023年1月にAIが書いた文章を判定するツール「AI Text Classifier」を公開しましたが、同社の公式ページには2023年7月20日をもって精度の低さを理由に提供を終了したと記載されています。同ページによれば、英語のテキストを使った評価で、AIが書いた文章を正しく「AIが書いた可能性が高い」と判定できたのは26%にとどまり、逆に人間が書いた文章を誤ってAI作と判定したケースが9%ありました。同じページには「すべてのAI生成文を確実に検出することは不可能である」という記述もあります(出典: OpenAI「New AI classifier for indicating AI-written text」、2026年8月11日確認)。

注意したいのは、この26%・9%という数値が英語のテキストを対象にした評価だという点です。日本語の志望理由書に同じ精度が当てはまるかどうかは、この資料からは分かりません。ただし少なくとも、開発元自身が「精度が低い」と判断してツールを取り下げたという事実は残ります。誤判定の存在も重要で、自分の力で書いた文章がAI作と判定される可能性がゼロではないことを示しています。

文部科学省も「判定ツールの結果を過信しない」としている

国の側も同じ認識を示しています。文部科学省が2023年7月13日に大学・高専へ出した事務連絡「大学・高専における生成AIの教学面の取扱いについて」には、「AIが生成した文章かを判定するツールを学修成果の評価等に活用する場合でも、その結果を過信しないことが重要」と明記されています(出典: 文部科学省「大学・高専における生成AIの教学面の取扱いについて(周知)」)。これは大学の授業やレポートを想定した記述ですが、判定ツールの信頼性についての国の見解として読むことができます。

この「誤判定がある」という点は、AIを使っていない受験生にとっても他人事ではありません。自分の力で書いた文章がAI作と判定される可能性がある以上、判定結果だけを根拠に合否を左右させる運用は現実的とは言えません。文部科学省が判定ツールの結果を過信しないよう促しているのも、この非対称なリスクを踏まえたものと読めます。

つまり、「判定ツールに掛ければ一発で分かる」とも「判定できないから安全だ」とも言えないのが現状です。検出できるかどうかは、そもそも判断の土台にならないと考えたほうが正確です。なお、大学が出願書類に判定ツールを実際に使っているかどうかについては、公表資料を探した範囲では確認できませんでした。使っている、使っていないのどちらの前提でも書かないことにします。

「バレないなら使ってよい」にはならない理由

ここが本記事で最も伝えたい部分です。検出できるかどうかと、使ってよいかどうかは、別の問題です。募集要項で禁止されている行為は、見つかるかどうかにかかわらず禁止されています。ルール違反の判定基準は「発覚したか」ではなく「違反したか」だからです。実際、後述するように、生成AIで作成した内容を本人が作成したものとして提出した場合を不正行為とみなすと明記している大学があります。

出願は、募集要項に書かれた条件を承知したうえで行う手続きです。願書を提出した時点で、その要項の記載に従うことに同意したことになります。読んでいなかったという理由で条件が外れることはありません。生成AIに関する記載も、出願資格や提出書類の様式と同じ扱いの条件だと考えてください。

もう一つ、現実的な理由があります。総合型選抜では出願書類の内容をもとに面接が行われます。書類に書いた内容を自分の言葉で説明できなければ、生成AIの利用が発覚するかどうか以前に、評価そのものが伸びません。文部科学省の委託調査によれば、総合型選抜を実施する21,692の選抜区分のうち86.5%が面接を利用しています。この点は後の章で改めて扱います。

無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(LINEで簡単30秒・志望校未定でもOK)

文部科学省は入試での生成AIをどう扱っているか|3つの資料から読む

次に、国が示している考え方を確認します。ここを押さえておくと、大学ごとに対応が違う理由が腑に落ちます。参照するのは、入試を直接扱った資料、大学の教学面を扱った資料、高校段階を扱ったガイドラインの3つです。

入試での取扱いは各大学に委ねられている

文部科学省は2024年8月の「大学入学者選抜・教務関係事項連絡協議会」で、「大学入学者選抜における生成AIの取扱いについて」という資料を配布しています。そこでは各大学が自校の指針と整合したルールを策定・運用することが期待されるとされ、具体的な方法として「出願書類として志願者本人が記載する資料を求める場合、出願時や選抜時における生成AIの取扱いを募集要項等に示す」ことが挙げられています(出典: 文部科学省「大学入学者選抜における生成AIの取扱いについて」、掲載元は令和6年度 大学入学者選抜・教務関係事項連絡協議会)。

この資料が想定している「志願者本人が記載する資料」は、注記により活動報告書や大学入学希望理由書、小論文やエッセイなどとされています。志望理由書はまさにこの範囲に入ります。同資料には大学の対応例も3つ載っており、募集要項に「自身で考えて作成してください」と記して評価に影響させない大学、生成AIによる成果物を本人の成果物とみなさず使用を認めない大学、自らの責任で十分に考えたものを提出するよう求める大学が並記されています。国は禁止も許可も一律には決めていないことが、この並記から読み取れます。

実際、2027年度(令和9年度)の大学入学者選抜実施要項の本文には、「生成AI」「AI」という語が一度も登場しません。全26ページを確認しましたが、生成AI利用に関する全国共通のルールは要項には書かれていないということです(出典: 令和9年度大学入学者選抜実施要項)。

なぜ国は一律に決めないのか。前述の資料は、入試は大学教育と一貫したプロセスを前提とするものであることを理由に挙げています。つまり、入学後の授業やレポートで生成AIをどう扱うかという各大学の方針と、入試での扱いは地続きであるべきだという考え方です。在学生に生成AIの活用を積極的に位置づけている大学と、レポートでの使用を厳しく制限している大学とでは、入試での判断が異なるのが自然だということになります。この構造を理解しておくと、次章で見る大学ごとの差が偶然のばらつきではないことが分かります。

「そのまま使う」ことは一般に不適切とされている

一方で、生成物をそのまま提出する行為については、国の見解がはっきりしています。前述の2023年7月13日の事務連絡には、「生成AIの出力をそのまま用いるなど学生自らの手によらずにレポート等の成果物を作成することは、学生自身の学びを深めることに繋がらないため、一般に不適切」と書かれています。さらに、生成AIの出力に著作物の内容がそのまま含まれていた場合、気付かずに使うと意図せず剽窃に当たる可能性があるとも指摘されています。

同じ資料では、大規模言語モデルが「ある語句の次に用いられる可能性が確率的に最も高い語句を出力する」仕組みであるため、生成された内容に虚偽やバイアスが含まれる可能性があることにも触れています。志望理由書で大学の学部名や研究内容を書く場面では、この点が実害につながります。

高校段階のガイドラインが示す「不適切な例」

高校生に直接関係するのが、文部科学省が2024年12月26日に公表した「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン Ver.2.0」です。ここには学習場面での不適切な例が列挙されており、そのなかに「各種コンクールの作品やレポート・小論文等について、生成AIによる生成物をほぼそのまま自己の成果物として応募・提出する」が含まれています(出典: 文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン Ver.2.0」)。

同じガイドラインは、感性や独創性を発揮させたい場面で安易に使うこと、情報活用能力が十分に育っていない段階で自由に使うことも不適切な例として挙げています。反対に、自分で書いた英作文が意味の通る文になっているかを確認して訂正案をもらう、グループでの議論を一定程度進めたうえで足りない視点を見つけるために使う、といった使い方は活用例として示されています。自分の成果物を先につくり、その検証や深掘りに使うという順序が、国の示す活用像だと読めます。

無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(LINEで簡単30秒・志望校未定でもOK)

「認めない大学」と「認める大学」|募集要項の実際の文言を比較する

ここからが実務の話です。生成AIの取扱いは大学ごとに違い、しかもその差は年々はっきりしてきています。公表されている原文をそのまま並べて確認します。以下はいずれも2026年8月11日時点で各大学の公式サイトおよび公式の募集要項から確認したものです。

公表されている方針の比較

大学公表時点公表内容の要旨
立命館大学(総合型選抜 AO選抜)2027年度入学試験要項出願書類は志願者本人が作成したものに限る。作成にあたって生成AI等を用いることは認めない。生成AIを用いて作成した内容を本人が作成したものとして提出した場合、不正行為とみなすことがある
山梨大学2024年7月24日志望理由書等について、生成AIにより生成された文章等をそのまま使用することは一切認められない。判明した場合は不正行為とみなし合格を取り消す
日本大学2023年7月13日志望理由書等について、生成AIによって生成されたものを受験生独自の成果物とは一切みなさない。特段の指示がない限り、受験生が生成AIを使用することは認めない
大阪工業大学2024年7月19日生成AIにより生成された文章等をそのまま使用することは受験生本人の成果物とは認められず、不正行為に該当する場合がある
東京農工大学2024年12月18日作成内容の責任はすべて出願者本人がとることとしたうえで、生成AIの利用の有無は問わない。生成AIの利用が評価に影響を与えることはない
近畿大学 情報学部(総合型選抜)令和9年度入学試験要項各出願書類作成における一連の過程で、生成AIの活用を認める。書類に虚偽の事項を記載したものは受理できない

「認めない」と明記している大学の書き方

もっとも踏み込んでいるのが立命館大学です。2027年度(総合型選抜)AO選抜入学試験要項の出願書類の注意事項に、「出願書類は志願者本人が作成したものに限ります」「作成にあたって、生成AI等を用いることは認めません」「生成AIを用いて作成した内容を本人が作成したものとして提出した場合、不正行為とみなすことがあります」と記載されています(出典: 立命館大学 2027年度(総合型選抜)AO選抜入学試験要項)。募集要項そのものに書かれている点が重要で、出願した時点でこの条件に同意したことになります。

山梨大学は入試広報のページで、志望理由書等について「生成AIにより生成された文章等をそのまま使用することは一切認められません。判明した場合は、不正行為とみなし合格を取り消します」と公表しています(出典: 山梨大学「入学者選抜における生成AIの取扱いについて」)。日本大学も「生成AIによって生成されたものを受験生独自の成果物とは一切みなしません」と公表しており(出典: 日本大学「入学者選抜における生成AIツールの取扱いについて」)、大阪工業大学は「不正行為に該当する場合があります」という表現を用いています(出典: 大阪工業大学「入学者選抜における生成AIの利用について」)。

「利用の有無を問わない」「認める」とする大学もある

反対の立場も存在します。東京農工大学は2024年12月18日付けで、「生成AIを利用して作成した内容に関する責任は、すべて出願者本人がとることとしたうえで、生成AIの利用の有無は問わないこととします」と公表し、「生成AIの利用が評価に影響を与えることはありません」と明記しています。同時に、出力に誤りが含まれる可能性の確認と著作権侵害への留意を注意点として挙げ、出願書類に加えて学力検査や口頭試問を組み合わせて評価する方針を示しています(出典: 東京農工大学「出願書類等における生成AIの取扱いについて」)。

さらに踏み込んだのが近畿大学情報学部です。令和9年度の総合型選抜入学試験要項には、出願書類の注意事項として「各出願書類作成における一連の過程で、生成AIの活用を認めます」と書かれています(出典: 近畿大学 令和9年度入学試験要項)。大学の発表によれば、自己PR動画の制作やプレゼンテーションの準備におけるアイデア出し・構成の検討・スライド作成などが対象で、生成AIの利用の有無にかかわらず受験生自身の能力や思考、独自性を重視して選考し、利用しない受験生が不利益を受けないよう利用環境の違いにも配慮するとされています。同時に「書類に虚偽の事項を記載したものは受理できません」という条件も付されています。

なぜ大学によって判断が分かれるのか

並べてみると、判断の分かれ目が見えてきます。「認めない」側の大学は、出願書類そのものを本人の能力を測る資料として扱う立場を取っています。山梨大学が「本学への適性や能力を確認するために大変重要なもの」と前置きしてから禁止を述べているのは、その表れです。書類が評価の中心にあるなら、本人以外の手が入ると評価が成り立たなくなります。

反対に「問わない」「認める」側の大学は、書類以外の評価方法を組み合わせる設計を前提にしています。東京農工大学は、出願書類に加えて学力検査や口頭試問を組み合わせて複数の専門分野の教員が評価すると明記しています。近畿大学情報学部は、生成AIを使いこなす力そのものを情報分野で学ぶうえで必要な能力の一つと位置づけ、第2次審査でプレゼンテーションと口頭試問を課す設計を取っています。書類の外に確認の場があるなら、書類作成の過程を縛らなくても評価は成立するという考え方です。

この違いは、学部の性格とも結びついています。情報系の学部が生成AIの活用を認めるのは、その分野の実務でAIを使うことが前提になっているからです。同じ大学でも学部によって扱いが変わりうるということでもあります。志望校の方針を調べるときは、大学単位ではなく、出願する学部・選抜区分の単位で確認してください。

ここで押さえたいのは、同じ2027年度入試で「認めません」と「認めます」が併存しているという事実です。「大学入試では生成AIは禁止」と一括りに理解するのも、「最近は認められてきている」と理解するのも、どちらも正確ではありません。なお、全国の大学のうち何校がこうした方針を公表しているかについては、網羅的な集計を確認できませんでした。各大学の公表状況は未確認であり、ここで挙げた6校はあくまで確認できた例です。

無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(LINEで簡単30秒・志望校未定でもOK)

志望校の生成AI方針を確認する手順|募集要項のどこを見るか

大学ごとに違うのであれば、受験生がやるべきことは一つに絞られます。志望校の記載を自分で確認することです。ここでは実際の探し方を手順にします。

確認する場所は4か所

  1. 募集要項の出願書類のページ。書類の一覧と様式の説明の前後に「注意事項」としてまとめられていることが多い場所です
  2. 募集要項の冒頭の共通注意事項・不正行為に関する記載。不正行為の定義と取扱いがここに書かれます
  3. 大学の入試情報サイトのお知らせ欄。募集要項とは別に「入学者選抜における生成AIの取扱いについて」といった単独のお知らせを出す大学があります
  4. 大学全体の生成AIポリシー。在学生向けの方針が入試にも準用されると書かれている場合があります

実際にやってみると、記載の場所は大学によってまちまちだと分かります。立命館大学のAO選抜入学試験要項では、学部ごとの出願書類を説明する欄に「注意事項」として置かれており、要項の冒頭の総則にはありません。近畿大学の入学試験要項でも、情報学部の出願書類の注意事項の(2)という位置に1行で書かれています。目次を眺めるだけでは見つからない位置にあるため、全文検索が要ります。

PDFの募集要項なら、閲覧ソフトの検索機能で「生成」「AI」の2語を検索するのが確実です。「生成AI」で見つからなくても「AI」と全角で書かれていることがあるため、両方で試してください。学部別に要項が分かれている大学では、自分が出願する学部の要項を見る必要があります。近畿大学の例のように、特定の学部の総合型選抜だけ扱いが違うケースがあるためです。

記載が見つからないときの考え方

探しても何も書かれていない大学のほうが、現時点では多いのが実情です。その場合、「書いていない=自由に使ってよい」と読むのは早計です。文部科学省の資料が例示していたC大学のように、「自らの責任において十分に考えたものを提出してください」という趣旨の一般的な求めだけが書かれていることもあります。加えて、実施要項が大学に周知を求めている「記入事項、提出書類等の真正性の確保」は、生成AIの記載がなくても出願書類全般に及ぶ条件です。

安全側に倒すなら、「自分が書いた文章として提出できるか」を基準にするのが実務的です。第三者に見せて「これはあなたが考えたことですか」と聞かれたときに、材料も理由も自分の言葉で説明できるなら、その文章は自分のものです。

大学に問い合わせるときの聞き方

判断がつかない場合は、入試課に問い合わせても構いません。その際は「使っていいですか」ではなく、用途を具体的に示して確認するほうが正確な回答を得られます。「志望理由書の内容は自分で考えますが、誤字脱字や文法の確認に生成AIを使うことは問題ありませんか」といった聞き方です。回答をもらったら、日付と担当部署をメモに残しておくと、後で確認が必要になったときに役立ちます。

無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(LINEで簡単30秒・志望校未定でもOK)
\ 大学院入試専門 /

まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?

スプリング・オンライン家庭教師のプロ講師が、現在の学力・志望校・残り期間に合わせて、必要な対策を個別に整理します。

  • 大学院入試のプロ講師が最適な受験戦略を提案
  • 今後の大学院入試の勝ち筋が見える。
  • 志望校が決まっていなくてもOK

\ 合格がグッと近づく/

(費用は一切かかりません)

不正と判断された場合の取扱い|募集要項に書かれていること

この論点は不安をあおる形で語られがちですが、実際に確認できるのは各大学が公表している文言だけです。ここでは公表されている内容を淡々と確認します。

実施要項が大学に求めていること

令和9年度大学入学者選抜実施要項の第13の6「受験者による不正行為の防止」では、大学は必要な出願書類を適正に設定するとともに、募集要項等において次の点を周知し出願書類の適正性を確認するとされています。①記入事項、提出書類等の真正性の確保、②持込禁止物を試験時間中に発見した場合の取扱い、③不正行為に該当する行為及び罰則、④必要に応じて追加的な確認を行ったり、警察に被害届を提出したりする場合があること、の4点です。

つまり、何が不正行為に当たり、どのような取扱いになるのかは、志望校の募集要項に書かれているということです。一般論で不安になるより、志望校の該当箇所を1回読むほうが確実です。

公表されている取扱いの例

実際の文言は大学によって強さが異なります。山梨大学は「判明した場合は、不正行為とみなし合格を取り消します」と明記しています。立命館大学は「不正行為とみなすことがあります」という表現です。大阪工業大学は「不正行為に該当する場合があります」としています。断定的に取消と書く大学と、可能性として書く大学があることが分かります。

一方、東京農工大学や近畿大学情報学部のように利用を問わない・認める大学でも、虚偽の記載については別です。近畿大学の要項には「書類に虚偽の事項を記載したものは受理できません」と書かれています。生成AIの利用を認める大学でも、事実に反する内容の記載は認められないという構造です。ここは全大学に共通する線と考えてよいでしょう。

もう一つの論点は入学後のミスマッチ

大学の公表文には、不正防止とは別の理由づけも書かれています。文部科学省の資料が挙げるC大学の例は、「不正が疑われたり、入学後に学修上のミスマッチが起きたりしないよう、自らの責任において十分に考えたものを提出してください」という言い回しでした。山梨大学の公表文にも、禁止を述べたあとに「不正が疑われたり、入学後に学修上のミスマッチが起きたりしないよう、受験生が自分で考え作成した成果物を提出してください」という一文が置かれています。

ここで言われているのは、志望理由書が大学と受験生の相性を確かめる書類でもあるということです。AIが生成した志望理由に合わせて入学した結果、実際の教育課程と関心が合わずに苦しむのは本人です。大阪工業大学はさらに踏み込み、生成AIに全面的に頼ることは「経験に基づく創造力、問題解決能力、批判的思考力など、皆さんが持つさまざまな能力の健全な発達を損なうリスクがある」と注意を促しています。禁止の理由は取り締まりだけではないということが、公表文から読み取れます。

件数の統計は確認できない

「実際に取り消された人はいるのか」という疑問については、公的な統計を確認できませんでした。文部科学省の公表資料にも各大学の公表資料にも、生成AIの利用を理由とする不合格・合格取消の件数はありません。件数や確率を推測で語ることはできないため、この記事では扱いません。分かるのは「そう取り扱うと公表している大学がある」という事実までです。

無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(LINEで簡単30秒・志望校未定でもOK)

AIが書いた志望理由書が評価されにくい理由|評価の仕組みから考える

ルールの話を離れて、評価の観点からも考えておきます。仮に生成AIの利用が認められている大学であっても、AIに丸ごと書かせた志望理由書が高く評価されるとは限りません。理由は入試の設計そのものにあります。

志願者本人が記載する資料は必ず評価に使われる

令和9年度大学入学者選抜実施要項では、総合型選抜を「詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせることによって、入学志願者の能力・適性や学習に対する意欲、目的意識等を総合的に評価・判定する入試方法」と定義し、志願者本人の記載する資料を必ず評価に活用すると定めています。ここでいう資料が、活動報告書・大学入学希望理由書・学修計画書などです。志望理由書は「参考資料」ではなく、評価対象そのものだということです。

データで見る|総合型選抜で実際に使われている評価方法

制度上の建前だけでなく、実際の利用率も公表されています。文部科学省の令和7年度委託調査(令和8年2月公表)は、大学の21,692の総合型選抜の選抜区分を対象に、学力検査以外に考慮する資料等の利用率を集計しています(出典: 令和7年度 大学入学者選抜の実態把握及び分析等に関する調査研究)。

評価方法総合型選抜での利用率参考: 一般選抜
面接86.5%14.9%
大学入学希望理由書、学修計画書等77.7%12.9%
小論文34.3%8.8%
活動報告書31.3%5.7%
口頭試問25.4%2.4%
プレゼンテーション15.3%0.4%

この表から読み取れるのは、志望理由書と面接がセットで使われているという実態です。志望理由書等を使う区分が77.7%、面接を使う区分が86.5%ですから、大半の総合型選抜では書類を書いたうえで面接を受けることになります。口頭試問を課す区分も25.4%あり、書類の内容に踏み込んだ質問が想定されます。書類だけで完結する入試はむしろ例外だということです。

2027年度入試から面接が原則必須になる

同じ要項で、令和9年度から総合型選抜・学校推薦型選抜のいずれについても、志望する学問分野に対する意欲や適性等に係る面接による評価を必ず行うこととされました。ここでいう面接には、ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問が含まれ、オンラインでの実施も含まれます(非公募型の学校推薦型選抜で丁寧なマッチングが図られている場合は、大学の判断で面接の要否を決められます)。

書類の内容は、面接で口頭で確認されるという構造が制度として固定されたことになります。書類に「地域医療の担い手不足に関心がある」と書いたなら、なぜ関心を持ったのか、どんな一次情報に触れたのか、そこから何を考えたのかを、自分の言葉で答えられる必要があります。AIが生成した滑らかな文章ほど、この掘り下げに耐えられないことが起こりがちです。

生成AIの文章は平均的な表現になりやすい

大学入試研究ジャーナル第35号に掲載された高校教員への調査研究では、生成AIの出力が「訓練データセットの平均的な内容や表現」になりやすいと考察されています(加美山若奈・倉元直樹, 2025、出典: 志願者本人記載書類作成に関する文章生成AIの影響懸念)。志望理由書で評価されるのは、その人にしか書けない具体的な経験と、そこから立ち上がった問いです。平均的な表現は、読みやすくはあっても、選ぶ理由にはなりにくいという構造があります。

実際に多くの受験生が同じサービスに同じような指示を出せば、似た構成・似た語彙の書類が並びます。大学側から見たときに区別がつかない書類は、生成AIの利用が判明したかどうかとは無関係に、評価の材料が乏しい書類になります。

無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(LINEで簡単30秒・志望校未定でもOK)

使ってよい範囲と避けるべき範囲|生成AI利用の境界線を引く

ここまでの事実をもとに、実務的な線引きを整理します。前提として、志望校が生成AIの利用を認めていない場合は、以下の「補助的な使い方」も含めて使わない判断になります。禁止と書かれている大学では、補助的な利用も禁止の対象です。志望校の方針を確認したうえで読み進めてください。

用途別の整理

用途性質考え方
志望理由書の全文を生成させて提出する代筆文部科学省が「一般に不適切」とする「そのまま用いる」に該当。禁止を明記する大学では不正行為の対象
体験や実績をAIに脚色・誇張させる虚偽記載利用を認める大学でも受理されない。真正性の問題であり生成AIの可否とは別の論点
自分が書いた原稿の誤字脱字・文法を確認する補助禁止していない大学では一般的な校正の範囲。ただし記載があれば要項の指示に従う
自分の原稿の弱い箇所を指摘してもらう補助指摘を受けて自分で書き直すなら、書いた主体は自分に残る
質問を出してもらい、自分の経験を掘り下げる補助ガイドラインの「足りない視点を見つけ議論を深める」使い方に近い
志望学部の研究内容や制度をAIに調べさせる要注意出力に虚偽が含まれる可能性がある。大学公式サイトでの裏取りが必要

例で見る|平均的な文章と自分の文章の違い

言葉で説明するより、書き比べたほうが早い部分があります。以下は本記事で作成した架空の例です。まず、指示だけを与えて生成させたときに出てきやすい、平均的な志望動機の書き出しを想定したものです。

例1(平均的な文章)「私は貴学の看護学部を志望します。高齢化が進む現代社会において、地域医療を支える看護師の役割はますます重要になっています。貴学は充実した実習環境と少人数教育を特色としており、実践力を身につけたいと考える私にとって最適な学習環境です。入学後は積極的に学び、地域に貢献できる看護師を目指したいと考えています。」

読みやすく、破綻もありません。ただし、この文章は誰が書いても成立してしまうという弱点があります。学部名を入れ替えれば別の大学にもそのまま使えますし、書き手がどんな人物なのかが一行も分かりません。面接で「なぜ地域医療なのですか」と聞かれたときに答える材料が、この文章の中にないのです。

例2(自分の経験から書いた文章)「祖母が退院した週、訪問看護師の方が最初にしたのは血圧の測定ではなく、台所の動線を見て回ることでした。転倒しやすい場所を家族に指さしで教え、鍋の位置を一段下げるよう助言して帰っていきました。私はそのとき、看護が病院の中だけで完結する仕事ではないと知りました。生活の場に入って初めて見えるものがあると分かってから、私は地域看護の授業を持つ大学を探すようになりました。」

後者には、実際に見た場面と、そこから考えが変わった瞬間が書かれています。面接で「その訪問看護師の方は他に何をしていましたか」と聞かれても答えられますし、「なぜ地域看護に絞ったのですか」という質問にも自分の経験から答えられます。材料が自分の中にある文章は、掘り下げの質問に耐えます。生成AIに任せて出てくるのは例1の側の文章であり、例2を書くには自分の記憶を掘る作業が要ります。

この作業を助ける使い方であれば、補助の範囲に収まります。たとえば「祖母の退院のときの出来事を志望理由に使いたいのですが、面接官なら何を質問しますか」と尋ね、返ってきた質問に自分で答えていく形です。出力を貼り付けるのではなく、出力を材料に自分が書くという順序が保たれているかどうかが分かれ目になります。

3つの問いで自分の使い方を点検する

迷ったときは、次の3つを自分に問いかけてみてください。この3つに答えられる使い方なら、代筆ではなく補助の側にあります

  • 材料は自分のものか。書かれている経験・数字・エピソードは、自分が実際に体験したことか
  • 判断は自分がしたか。どの経験を選び、どう並べ、何を主張するかを決めたのは自分か
  • 説明できるか。一文ずつ「なぜこう書いたのか」を面接で口頭で説明できるか

3つのうち1つでも「いいえ」があるなら、その部分は書き直しの対象です。とくに3つ目は実効性のあるチェックになります。説明できない文は、面接で説明できない文だからです。

使う場合に守りたい3つのこと

補助として使う場合でも、いくつか気をつける点があります。第一に、入力する情報の扱いです。文部科学省の事務連絡は、生成AIへの入力を通じて個人情報が意図せず流出する可能性を指摘しています。氏名・住所・学校名・受験番号を入力しないのが基本です。サービスによっては入力内容を学習に使わせない設定ができることも同資料に記載されています。

第二に、出力の裏取りです。学部の教育課程、研究室の名称、取得できる資格といった事実は、大学の公式サイトや募集要項で確認してください。生成AIは実在しない情報をもっともらしく出力することがあります。志望理由書に書いた事実が誤っていれば、面接でその場で分かります

第三に、記録を残すことです。初稿から完成稿までの下書きを日付入りで保存しておくと、自分がどう考えを進めたかの経過が残ります。面接で「どのように考えを深めましたか」と聞かれたときに、そのまま話す材料になります。推敲の跡は、書いた主体が自分であることの一番の説明にもなります。

付け加えると、生成AIは種類によって出力の質が変わります。文部科学省の事務連絡も、有料版か無料版かによって成果物に差が生まれ得ることに留意が必要だと指摘しています。近畿大学が利用を認めるにあたって「利用環境の違いにも十分配慮します」と明記したのは、この差が受験生の間の不公平につながらないようにするためです。高いツールを使えば有利になる入試ではないということでもあり、道具にお金をかけるより、自分の経験を掘り起こす時間に投資したほうが結果につながります。

無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(LINEで簡単30秒・志望校未定でもOK)

先生や塾の添削とAI利用は何が違うのか|「書いてもらう」と「気づかせてもらう」

「高校の先生に添削してもらうのはよくて、AIに直してもらうのはだめなのか」という疑問はよく聞かれます。この問いには、調査データにもとづく手がかりがあります。

高校教員220人の調査が示す現場の受け止め

先ほど挙げた大学入試研究ジャーナルの調査は、2023年8月から10月にかけて878校へ調査票を送り、有効回答220件を得たものです(回答者の97%が志願者本人記載書類の指導経験あり)。生徒が志願者本人記載書類の作成に文章生成AIを用いることの可否を尋ねた結果は次のとおりです。

回答生徒が使うこと教員が指導で使うこと
全般的に利用可3.6%4.6%
補助的な利用は可49.6%65.9%
利用不可46.8%29.6%

生徒の利用について「全般的に利用可」はわずか3.6%で、「補助的な利用は可」が49.6%、「不可」が46.8%とほぼ拮抗しています。全面的に任せる使い方はほとんど支持されていない一方、補助としての利用には一定の許容があるという構図です。自由記述で生成AIに言及した44件のうち最も多かった18件は「教員の添削と同様」という見方でした。

同じ調査で、生成AIが選抜に与える影響について尋ねた12項目のうち平均値が最も高かったのは「書類よりも面接や筆記試験を重視すべきだ」(5段階でM=4.30)でした。「生成AIの登場で、これまで以上に生徒の実力がわかりにくくなる」もM=4.04と高い値です。現場の先生方は、書類の比重が下がる方向を予想しているということになります。なおこの調査は2023年時点の生成AIの性能を前提としており、その旨は論文自体に明記されています。

違いは「誰が決めたか」にある

添削とAI利用の線引きは、ツールの種類ではなく、最終的な文章を誰が決めたかに置くのが妥当です。良い添削は、答えを書き与えるのではなく、「この経験を選んだ理由は何ですか」「ここで言いたいことは2つに分かれていませんか」と問いを返してきます。書き手はその問いに答えるために考え直し、自分の言葉で書き直します。この過程を経た文章は、書き手のものです。

この違いは、生成AIの使い方にもそのまま当てはまります。「志望理由書を書いて」と指示して出てきた文章を提出するのは、模範解答を写す行為に近いものです。一方で、自分の原稿を読ませて「この段落で説明が足りていないのはどこですか」「読み手が疑問に思う点を3つ挙げてください」と尋ね、返ってきた指摘に自分で答えていくなら、決めているのは最後まで自分です。ツールが同じでも、指示の出し方で立ち位置が変わります。

反対に、模範解答をそのまま受け取って写す形なら、相手が人間でも生成AIでも、書いた主体は自分ではなくなります。立命館大学の要項が「出願書類は志願者本人が作成したものに限ります」としたうえで、高等学校等に作成を依頼する書類は別と断っているのも、誰が作成したのかを明確にするためだと読めます。

指導を受けるときに確認したいこと

志望理由書の指導を誰かに頼むなら、次の点を最初に確認しておくと安心です。第一に、書き上げた文章を渡してくるのか、改善点の指摘と問いかけで自分に書かせるのか。第二に、生成AIを使う場合、どの工程でどう使うのかを説明してもらえるか。第三に、志望校の募集要項の生成AIに関する記載を一緒に確認してくれるか。代筆に近い指導は、面接段階でつまずくことになります。

総合型選抜専門のオンライン塾アドミでは、AIを使った添削システムを「合格逆算システム」として提供していますが、設計思想は文章を書き与えないことに置いています。改善点の指摘と問いかけによって本人に書き直してもらう方式で、出願書類から面接までを一続きで組み立てます。独学で書いてみて手応えが得られない場合は、無料相談で現在の原稿の課題を確認するのも一つの方法です。書類と面接の接続については、大学編入の事例ですが大学編入の面接対策|質問例と志望理由の答え方も考え方の参考になります。

無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(LINEで簡単30秒・志望校未定でもOK)

よくある質問(FAQ)

志望理由書をChatGPTで書いたことは大学に分かりますか

分かるとも分からないとも断定できません。OpenAIは自社の文章判定ツールについて、精度の低さを理由に2023年7月20日で提供を終了したと公表しており、文部科学省も判定ツールの結果を過信しないことが重要としています。一方で、書類の内容は面接で口頭で確認されるため、自分の言葉で説明できない内容は評価の場で明らかになります。検出の可否ではなく、志望校の募集要項の定めに従って判断してください。

募集要項に生成AIのことが何も書かれていない場合はどうすればよいですか

記載がないことは、自由に使ってよいという意味にはなりません。実施要項は大学に対し「記入事項、提出書類等の真正性の確保」を募集要項等で周知するよう求めており、これは生成AIの記載がなくても出願書類全般に及びます。判断がつかない場合は、用途を具体的に示して入試課に問い合わせるのが確実です。

誤字脱字のチェックだけにChatGPTを使うのも禁止されますか

大学によります。立命館大学のように「作成にあたって、生成AI等を用いることは認めません」と書かれている場合は、校正目的の利用も含めて使わない判断になります。一方、東京農工大学のように利用の有無を問わないとする大学もあります。志望校の記載を確認し、記載がなければ、内容の判断はすべて自分で行ったうえでの校正にとどめるのが安全側の対応です。

AIに書かせた文章を自分で書き直せば問題ありませんか

表現を入れ替えただけでは、書いた主体は自分になりません。判断の基準は、材料が自分の経験であるか、構成と主張を決めたのが自分であるか、一文ずつ理由を説明できるかの3点です。この3点を満たさない状態で語尾だけ変える作業は、書き直しではなく上書きです。禁止を明記している大学では、そもそも作成過程での利用が対象になります。

面接でAIの利用について聞かれることはありますか

公表資料の範囲では、面接で生成AIの利用を直接尋ねると明記している大学は確認できませんでした。ただし2027年度入試からは総合型選抜・学校推薦型選抜のいずれでも面接による評価が必ず行われることになっており、書類の記述を掘り下げる質問は当然に想定されます。書いた内容の背景や、そこから何を考えたかを説明できるよう準備しておくことが実質的な対策になります。

学校推薦型選抜や指定校推薦でも同じルールですか

出願書類の真正性が求められる点は共通です。生成AIに関する各大学の公表方針も、多くは「入学者選抜において」という書き方で選抜区分を限定していません。ただし方針の適用範囲は大学ごとに異なるため、自分が出願する選抜区分の募集要項を確認してください。なお2027年度からは、非公募型の学校推薦型選抜で丁寧なマッチングが図られている場合を除き、学校推薦型選抜でも面接による評価が必ず行われます。

AIで情報を調べて志望理由書に書くのは問題ありませんか

調べ方としては注意が必要です。文部科学省の事務連絡は、大規模言語モデルが確率的に語句を並べる仕組みである以上、生成内容に虚偽が含まれる可能性があると指摘しています。学部の教育課程や研究室の名称を誤ったまま書けば、面接でその場で分かります。大学の公式サイトやシラバス、募集要項で裏を取ったうえで書いてください。高校段階のガイドラインでも、質の担保された教材を用いる前に安易に使うことは不適切な例に挙げられています。

無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(LINEで簡単30秒・志望校未定でもOK)

まとめ|志望理由書とChatGPTの境界線は志望校の要項で決まる

志望理由書における生成AI利用の判断材料を、事実の範囲で整理してきました。要点は次のとおりです。

  • 「バレるか」を基準にしない。OpenAIは自社の判定ツールを精度の低さを理由に2023年7月に提供終了しており、文部科学省も判定ツールの結果を過信しないことが重要としている
  • 文部科学省は入試での生成AI利用について全国一律の禁止も許可も定めておらず、ルールづくりは各大学に委ねられている。令和9年度大学入学者選抜実施要項の本文に「生成AI」の語はない
  • 同じ2027年度入試でも、立命館大学のAO選抜は「認めません・不正行為とみなすことがあります」、近畿大学情報学部の総合型選抜は「活用を認めます」と、判断が分かれている
  • 不正行為に該当する行為と罰則は、実施要項により各大学の募集要項等で周知することとされている。何が不正かは志望校の要項に書かれている
  • 生成AIの利用を認める大学でも、虚偽の記載は受理されない。真正性は共通の線である
  • 2027年度入試から総合型選抜・学校推薦型選抜で面接による評価が必ず行われる。書類の内容は口頭で確認される
  • 高校教員220人への調査では、生徒の利用について「全般的に利用可」は3.6%にとどまり、「補助的な利用は可」49.6%と「不可」46.8%が拮抗していた

この記事で確認できなかったことも、あわせて書き残しておきます。全国の大学のうち何校が入試での生成AI方針を公表しているかという網羅的な集計、大学が出願書類にAI判定ツールを使っているかどうか、日本語の志望理由書に対する判定ツールの精度、そして生成AI利用を理由とする不合格・合格取消の件数。これら4点はいずれも一次情報を確認できませんでした。ここを推測で埋めた情報が出回りやすい領域なので、数字を見かけたら出典を確かめることをおすすめします。

やることは単純です。まず志望校の募集要項をPDFの検索機能で「生成」「AI」の2語で調べ、記載があればその指示に従います。記載がなければ、材料は自分のものか、判断は自分がしたか、一文ずつ説明できるかの3点で自分の原稿を点検します。この点検を通る文章は、生成AIを使ったかどうかにかかわらず評価の土俵に乗る文章です。

志望理由書は、うまい文章を書く競争ではありません。自分がなぜその大学のその学部で学びたいのかを、自分の経験に紐づけて説明する書類です。生成AIは、その説明を代わりに考えてくれる道具ではなく、自分の考えを整理し検証するための道具として位置づけるのが、制度上も評価上も無理のない使い方になります。書いてみたものの自分の言葉になっている自信が持てない場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。総合型選抜専門オンライン塾アドミでは出願書類から面接までを一続きで設計しており、無料相談で現在の原稿の課題を確認できます。大学編入や大学院入試の志望理由書をお探しの方は、大学編入志望理由書の添削ガイド大学編入対策完全ガイドもあわせてご覧ください。

\ 大学院入試専門 /

まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?

スプリング・オンライン家庭教師のプロ講師が、現在の学力・志望校・残り期間に合わせて、必要な対策を個別に整理します。

  • 大学院入試のプロ講師が最適な受験戦略を提案
  • 今後の大学院入試の勝ち筋が見える。
  • 志望校が決まっていなくてもOK

\ 合格がグッと近づく/

(費用は一切かかりません)

この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

目次