無料相談会受付中!

研究計画書のテーマの選び方|先行研究の読み込み方【院試1年1ヶ月前】

研究計画書のテーマの選び方|先行研究の読み込み方【院試1年1ヶ月前】を示すアイキャッチ画像
大学編入・大学院入試・医学部編入専門|無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(志望校未定でもOK・LINEで予約)

研究計画書のテーマの選び方でもっとも重要なのは、興味関心をそのまま書き出すのではなく、先行研究を読み込みながら「まだ十分に答えられていない問い」まで絞り込むことです。院試本番まで残り1年1ヶ月というこの時期は、大まかな興味の種を具体的なリサーチクエスチョンへと磨き上げていく、研究計画書作成の土台固めにあたる段階です。ここで焦って表面的なテーマ設定をしてしまうと、半年後・数ヶ月後の計画書執筆で行き詰まる原因になります。

研究計画書とは、大学院で取り組もうとする研究の目的・意義・方法・おおまかなスケジュールを、審査する教員が実現可能性を判断できる形でまとめた設計図のことです。多くの研究科では、テーマの独自性と先行研究の理解度が合否を左右する重要な要素になるといわれており、この時期にどれだけ丁寧にテーマを練り、先行研究を読み込めるかが、数ヶ月後に書き上げる計画書の完成度を大きく左右します。

\ 大学院入試専門 /

書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?

研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。

  • 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
  • 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
  • 志望校が決まっていなくてもOK

\ 合格がグッと近づく/

LINE登録でもらえる4大特典 : ①プロ講師の映像授業 ②合格までのロードマップシート ③受験校検索サイト ④「今から間に合うか」の判断材料

(費用は一切かかりません)

本記事では、大学院入試「いつから」シリーズの1本として、院試1年1ヶ月前というこの時期に絞り、「研究テーマをどう絞り込むか」「先行研究をどう探し、どう読み込むか」という2つのテーマを具体的な手順で解説します。研究計画書そのものの構成や書き方の詳細については別の記事で扱っているため、本記事では執筆の一歩手前にあたる「テーマ選定」と「調査」のプロセスに焦点を当てています。

文系・理系を問わず、テーマ選びと先行研究の読み込みでつまずくと、その後の計画書執筆全体が停滞しやすくなります。志望する研究科や指導教員によって細かな進め方は異なりますが、ここで紹介する考え方と手順は、多くの大学院入試に共通して使える基本の型として活用できます。焦らず、しかし着実に、この1ヶ月ほどで土台を固めていきましょう。

大学編入・大学院入試・医学部編入専門|無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(志望校未定でもOK・LINEで予約)
目次

なぜ「院試1年1ヶ月前」にテーマ選びと先行研究の読み込みに取り組むべきか

大学院入試までの残り期間から逆算すると、院試1年1ヶ月前は「研究したい大まかな方向性」を「具体的に答えられる問い」へと絞り込んでいく時期にあたります。すでに関心のある分野やキーワードが見えている場合は、それを起点に先行研究を読み込みながらテーマの解像度を上げていく作業に入ります。まだ方向性が固まっていない場合でも、この時期のうちに複数の候補を先行研究とセットで比較検討しておくことで、後の工程で慌てずに済みます。全体の逆算スケジュールについては、大学院入試の準備スケジュールを1年前から逆算してまとめた記事もあわせて参考にしてください。

「研究テーマの種探し」から「絞り込み」への移行期

大学院進学を考え始めた直後の時期には、興味関心の言語化や自己分析を通じて「研究テーマの種」を探すことが中心になります。そこから院試1年1ヶ月前というタイミングまで進んでくると、種のままのテーマを放置せず、先行研究という他の研究者による蓄積と照らし合わせながら、自分の問いを具体化していく段階に移ります。ここで足踏みをしてしまうと、半年前や数ヶ月前に研究計画書の初稿を書こうとしたときに、そもそも何を書けばよいか定まらないという事態に陥りやすくなります。

先行研究の読み込みが後工程を左右する理由

研究計画書の説得力は、テーマ単体の面白さよりも「先行研究との関係の中でどこに位置づく問いなのか」が明確かどうかで決まる部分が大きいといえます。先行研究を十分に読み込まずにテーマだけを決めてしまうと、後になって「実はすでに類似の研究が存在した」「その分野では別のアプローチが主流だった」といった事実が判明し、テーマの練り直しに時間を取られることになりかねません。

この時期に時間をかけて先行研究を読み込んでおくことは、遠回りに見えて、実際には研究計画書全体の完成を早める投資にあたります。志望する研究科の入試傾向や、専門科目の学習で扱っている内容と照らし合わせながら、無理のない範囲でテーマの当たりをつけていくとよいでしょう。

専門科目対策で使っている教科書や講義資料の目次を見返してみると、すでに学んだ内容の中にテーマの手がかりが隠れていることがあります。専門科目の勉強とテーマ探しを切り離して考えるのではなく、日々の学習の中で「この論点をもっと深く知りたい」と感じた箇所をメモしておく習慣をつけると、この時期の先行研究探しがぐっと進めやすくなります。専門科目対策の進め方そのものについては、基礎固めの時期を扱った別の記事もあわせて参考にしてください。

この時期に「完璧なテーマ」を決め切る必要はない

この段階で意識したいのは、最終的な研究計画書に書くテーマを100%確定させることではなく、先行研究と結びついた「検討に値する候補」を2〜3本用意しておくことです。大学院入試では、出願直前や研究室訪問を経てテーマの角度が変わることも珍しくありません。院試1年1ヶ月前の時点では、候補となるテーマそれぞれについて、先行研究でどこまで分かっていて、何が明らかになっていないのかを説明できる状態を目指すとよいでしょう。

テーマ候補を複数持っておくメリットは、研究室訪問や指導教員との面談で関心を伝えたときに、相手からの質問や助言に対して柔軟に軌道修正できる点にもあります。一つのテーマに固執しすぎず、先行研究を読みながら候補を育てていく姿勢が、結果的に説得力のある研究計画書につながります。

テーマ選びにおいては「自分が本当に知りたいこと」という内発的な動機と、「学術的に意味のある問いとして成立するか」という外的な妥当性の両方が必要です。内発的な関心だけで突っ走ると、先行研究を読んだ段階で「すでに答えが出ている問いだった」と気づき、計画の立て直しに時間を取られることがあります。反対に、先行研究の空白を埋めることだけを意識しすぎると、面接で「なぜこのテーマに取り組みたいのか」を聞かれた際に、自分の言葉で語りにくくなることもあります。院試1年1ヶ月前のこの時期は、この2つのバランスを取りながらテーマの解像度を上げていくのに適したタイミングといえます。

テーマ選びは、入試の合否だけでなく、合格したあとの研究生活そのものにも直結するという点も忘れずにおきたいところです。入試を突破することだけを目的にテーマを決めてしまうと、進学後に「思っていた研究と違った」と感じてしまい、モチベーションを保ちにくくなることがあります。院試1年1ヶ月前のこの時期に先行研究を読み込む作業は、入試対策であると同時に、進学後の数年間をどのテーマで過ごすかを見極める作業でもあります。目の前の合格だけでなく、その先の研究生活まで見据えてテーマ候補を検討してみましょう。

なお、この時期に「完璧なテーマ」「完璧な先行研究レビュー」を目指しすぎると、かえって作業が止まってしまうことがあります。最初から精緻な計画を立てようとするより、まず手を動かして先行研究を検索してみるほうが、テーマの輪郭は早くつかめます。検索してみて初めて分かることも多いため、この段階では厳密さよりも試行錯誤の回数を優先してよいでしょう。

大学編入・大学院入試・医学部編入専門|無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(志望校未定でもOK・LINEで予約)

「答えられる問い」に絞り込むためのテーマ選定の考え方

漠然とした興味を研究テーマに変えるための最初のステップは、関心のある事柄を「なぜ〜なのか」「どのように〜なのか」という問いの形に言い換えてみることです。「〇〇に興味がある」という状態のままでは、先行研究を検索する際のキーワードも定まらず、研究計画書に書く文章も抽象的になりがちです。問いの形にしておくことで、次に紹介する先行研究の検索・読み込みの作業にもスムーズに移れます。

興味関心を「問い」の形に言い換える

たとえば「地域による教育格差に関心がある」という興味であれば、「なぜ特定の地域で学力差が生じるのか」「どのような支援策が効果を持つのか」といった複数の問いに分解できます。分解した問いをいくつか書き出し、それぞれについて自分がどこまで具体的に答えられそうかを確認してみましょう。まったく手がかりがない問いよりも、断片的にでも自分の知識や経験と結びつく問いのほうが、先行研究の読み込みも進めやすくなります。

問いを言い換える際は、一つに絞り込みすぎず、最初は3〜5個ほど候補を出しておくのがおすすめです。この段階で選択肢を絞りすぎると、先行研究を読み進める中で「思っていたテーマと違った」と分かったときに、ゼロからやり直すことになりかねません。候補は思いついた順にメモしておき、後の工程で先行研究と照らし合わせながら優先順位をつけていきます。

興味の源を振り返って候補を増やす方法

問いの候補がなかなか出てこない場合は、これまでの学習の中で「もっと詳しく知りたい」と感じた授業やゼミの内容、卒業論文・ゼミ論文で扱ったテーマ、アルバイトや実習で疑問に感じた出来事などを振り返ってみましょう。日常の中で引っかかった違和感や疑問は、学術的な問いに変換できる種になっていることが少なくありません。志望する研究科のシラバスや教員紹介のページを眺め、扱われているキーワードから連想を広げるのも一つの方法です。

候補が複数出てきたら、それぞれを紙やメモアプリに書き出し、1週間ほど寝かせてから見返してみるのもおすすめです。書き出した直後は魅力的に見えたテーマでも、数日置いて読み返すと関心の薄れ方に差が出ることがあります。時間を置いても関心が続くかどうかは、テーマの持続性を見極める簡単な目安になります。

良いテーマかどうかを確認する3つの視点

視点確認すること対応が必要になりやすいサイン
関心の持続性数ヶ月から1年以上取り組んでも興味を保てそうか「流行っているから」など外的な理由が中心になっている
先行研究との関係何が分かっていて、何が分かっていないかを説明できるか先行研究を具体的に1本も挙げられない
実現可能性自分の専門知識やアクセスできる対象・データで取り組めそうか大規模な調査や特別な設備が前提になっている

この3つの視点のうち、特に見落とされやすいのが実現可能性です。大規模なデータ収集や特殊な設備を要するテーマは、興味があっても学部生の段階では扱いにくく、研究計画書の中で実現可能性を疑問視されやすくなります。テーマを絞り込む際は、関心の強さだけでなく、限られた時間と環境の中で取り組めるかどうかも合わせて検討しましょう。

3つの視点は、どれか一つだけを満たせばよいわけではなく、バランスを見ながら候補同士を比較する材料として使うのがおすすめです。3つの視点をそれぞれ5段階程度で自己採点してみると、複数のテーマ候補を客観的に比較しやすくなります。点数が拮抗する候補が複数残った場合は、先行研究をもう少し読み進めてから改めて比較する、というように判断を先送りにしてしまってもかまいません。

問いを分解するときに使える視点

問いをうまく言い換えられないときは、「誰が」「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「どのように」という切り口で自分の関心を分解してみると整理しやすくなります。すべての要素を無理に埋める必要はありませんが、対象・時期・場所のいずれかを具体化するだけでも、問いの輪郭がはっきりしてきます。たとえば「教育格差」という関心であれば、対象を「小学生」に、場所を「特定の地域」に絞るだけで、検索すべき先行研究の範囲がぐっと絞り込まれます。

また、テーマ候補を先行研究にあたる前に、その分野の「レビュー論文」や「研究動向をまとめた展望論文」から探し始めるのも効率的な方法です。レビュー論文には、その分野でこれまでに明らかにされてきたことと、今後の課題が整理されていることが多く、個別の論文を1本ずつ読むよりも短い時間で全体像をつかめます。レビュー論文が見当たらない分野であれば、比較的新しく発行された論文の「先行研究」の章を確認することでも、同様に全体の流れをつかむことができます。

大学編入・大学院入試・医学部編入専門|無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(志望校未定でもOK・LINEで予約)

テーマ選びで陥りやすい失敗パターンと回避策

先行研究を読み込む前の段階で、テーマ選びにはいくつかの典型的な失敗パターンがあります。あらかじめ知っておくことで、自分のテーマ候補が同じ落とし穴にはまっていないかを早めに点検できます。

よくある失敗パターン起こりやすい結果回避のためにできること
テーマが広すぎる・曖昧なまま進める研究計画書が「〜について研究する」で終わり、方法が具体化できない問いを「なぜ」「どのように」の形に分解し、対象・期間・範囲を限定する
先行研究と重なりすぎているすでに十分に研究されていると評価され、独自性を疑われる先行研究で扱われていない対象・時期・切り口を意識的に探す
先行研究がほとんど見つからない実現可能性や妥当性を疑われ、比較対象がなく論を組み立てにくい隣接分野や関連する上位・類似のキーワードまで検索範囲を広げる
志望する研究室・教員の専門とズレている指導を受けられる体制が整わず、面接で指摘されやすい志望する教員の論文リストを確認し、テーマとの接点を作る

「〜について研究する」で止まっていないかを点検する

テーマが広すぎる典型例は、「〇〇について研究する」という文で説明が完結してしまうケースです。「〜について」という言葉が主語になっている間は、まだ問いとして絞り込みが足りていないサインと考えてよいでしょう。対象を特定の地域・年代・条件に限定したり、比較する軸を一つ加えたりするだけでも、テーマの輪郭は大きく明確になります。反対に、対象を限定しすぎて先行研究どころか関連情報自体がほとんど見つからないほど狭いテーマになっていないかも、あわせて確認しておきましょう。広すぎず狭すぎない範囲を見極める作業は一度で決まるものではなく、先行研究を検索しながら何度か調整を重ねていくのが通常の進め方です。

先行研究が多すぎる場合・少なすぎる場合の考え方

先行研究を検索してヒット数が非常に多い場合は、テーマがすでに広く研究され尽くしている可能性があります。この場合は、対象・時期・地域・手法のいずれかを変えることで、独自性を出せる余地がないか検討します。反対に先行研究がほとんど見つからない場合は、検索キーワードの範囲を広げる、あるいは隣接分野の文献も確認することで、実は関連する研究が別の呼び方で存在していることも少なくありません。それでも見つからない場合は、テーマ自体の学術的な位置づけを、志望する教員や先輩に一度相談してみることをおすすめします。

志望する研究室・指導教員の専門とのズレに気づく方法

テーマ自体に問題がなくても、志望する研究室や指導を希望する教員の専門領域と大きくズレている場合、入学後に十分な指導を受けられない可能性があります。このズレは、テーマ選びの初期段階では見落とされやすい失敗パターンです。志望する教員のresearchmapのページや大学の研究者データベース、所属学会のページなどで直近数年の論文タイトルや担当している研究プロジェクトを確認し、自分のテーマ候補と重なる部分がどこにあるかを言葉にしてみましょう。

完全に一致している必要はなく、研究の対象や手法の一部に接点があれば十分です。むしろ教員の専門と100%重なるテーマは、すでにその教員自身が取り組んでいる可能性もあるため、少しずらした角度から関連づけるくらいがちょうどよいバランスになることもあります。接点が見つからない場合は、志望する研究室そのものを再検討するか、テーマの角度を調整するかを、この時期のうちに判断しておくと後の工程がスムーズです。

複数の大学院を併願する場合は、研究科ごとに指導を受けられる教員の専門が異なるため、1つのテーマ候補が併願先すべてで通用するとは限らない点にも注意が必要です。併願先ごとにテーマの見せ方を微調整する前提で、先行研究の読み込みも複数の切り口から進めておくと、出願書類の作成段階で慌てずに済みます。併願校の決め方そのものについては、出願スケジュールを扱う別の記事で詳しく解説します。

大学編入・大学院入試・医学部編入専門|無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(志望校未定でもOK・LINEで予約)

先行研究を効率的に探す方法|データベースの使い分け

先行研究を探す際は、一つのデータベースだけに頼らず、特徴の異なる複数のツールを使い分けることが効率化のポイントです。代表的なデータベースには、それぞれ得意分野があります。

データベース特徴こんなときに使う
CiNii Research日本国内の学協会・大学が運営する論文検索サイトで、日本語表記のため扱いやすい国内の学会誌・紀要・博士論文を幅広く探したいとき
J-STAGE国内の学会が発行する学術誌の本文公開に強みがある該当分野の主要な学会誌を最新号までまとめて確認したいとき
Google Scholar国内外の学術文献を横断的に検索でき、引用数の確認もしやすい海外の研究動向や、分野を横断した関連文献まで広く探したいとき

CiNii Research・J-STAGE・Google Scholarの特徴

CiNii Researchは国内の機関が運営しているため日本語で使いやすく、卒業論文や修士論文の先行研究を探す際の入り口として使われることが多いデータベースです。J-STAGEは国内学会誌の本文が公開されているケースが多く、特定の学会の動向を追いたいときに向いています。Google Scholarは国内外の文献を横断的に検索できる反面、検索結果に玉石混交の情報が含まれることもあるため、掲載誌や著者の所属を確認しながら使う必要があります。加えて、志望する研究科の分野によっては、その分野に特化した専門データベースが用意されている場合もあります。専門科目の指導者や大学図書館のレファレンスサービスに、分野特有のおすすめデータベースがないか尋ねてみるのもよい方法です。

検索キーワードの分解と広げ方

先行研究を探す際は、テーマをそのまま長い文章で検索するのではなく、主要な概念ごとにキーワードへ分解し、組み合わせを変えながら検索することが基本になります。たとえば「地方在住の高校生の進路選択における情報格差」というテーマであれば、「地方」「高校生」「進路選択」「情報格差」のように要素を分け、2〜3個の組み合わせで検索してみます。ヒット数が多すぎる場合はキーワードを増やして絞り込み、少なすぎる場合はキーワードを減らしたり、類義語に置き換えたりして範囲を広げましょう。

一つの論文にたどり着いたら、その論文が引用している文献や、逆にその論文を引用している後続の研究をたどることも有効です。引用関係をたどることで、キーワード検索だけでは見つからなかった重要な先行研究に出会えることがあります。検索の過程で見つけたキーワードや文献は、後で振り返れるようその都度記録しておくことをおすすめします。

検索キーワードは一度決めたら固定するのではなく、先行研究を読み進める中で出会った専門用語や、著者が使っている独自の言い回しを新たなキーワード候補として追加していきましょう。専門用語は分野ごとの「業界用語」のようなもので、一般的な言葉で検索するよりも精度の高い結果が得られることが多くあります。最初に思いついたキーワードだけでは見つからなかった文献が、専門用語を使った検索で一気に見つかることもあります。検索とメモを往復しながら少しずつ精度を上げていく作業と捉えておくと、遠回りに感じにくくなります。

検索式を工夫してヒット数をコントロールする

多くのデータベースでは、複数のキーワードを組み合わせて検索する際に、両方を含む文献に絞り込む方法と、いずれかを含む文献まで広げる方法を使い分けられます。ヒット数が数百件を超えて多すぎる場合はキーワードを足して絞り込み、逆に数件しかヒットしない場合はキーワードを減らしたり、類似する言い回しに置き換えたりして範囲を広げるとよいでしょう。検索結果は発行年の新しい順に並べ替え、まずは直近5年程度の研究動向から確認していくと、その分野の最新の論点をつかみやすくなります。あわせて、被引用数が多い論文を数本チェックしておくと、その分野で基礎文献として位置づけられている研究を見落とさずに済みます。

検索でヒットした論文の中には、本文が有料公開されていたり、そのデータベース上では要旨しか読めなかったりするものもあります。その場合は、別のデータベースで同じ論文の無料公開版(オープンアクセス版)が見つからないか確認する、大学図書館の相互貸借サービスを利用して取り寄せるといった方法があります。本文が読めないからとすぐに諦めず、入手経路を複数試してみることで、重要な先行研究を取りこぼさずに済みます。

大学によっては、大学図書館が契約している有料データベースやOPAC(蔵書検索システム)から、CiNii Researchやその他のデータベースを経由してアクセスできる場合があります。所属校の図書館のウェブサイトを確認し、利用できる検索ツールを事前に把握しておくと、この後の先行研究の読み込み作業をスムーズに進められます。図書館のレファレンスカウンターやガイダンスを活用すれば、自分のテーマに合った検索の組み方を司書に相談できることもあるため、独学で検索式に迷ったときの選択肢として覚えておくとよいでしょう。

英語文献も検索範囲に含めるかどうかの考え方

分野によっては、国内の先行研究だけでなく英語文献まで確認しておくことが望ましい場合があります。英語力に自信がない段階では、まずタイトルと要旨だけでも目を通すことから始めれば十分です。Google Scholarで検索し、要旨(アブストラクト)を確認して自分のテーマとの関連が高いと感じた文献だけを、翻訳ツールなども活用しながら重点的に読み込むという進め方であれば、無理なく取り組めます。志望する研究科によって英語文献の重要度は異なるため、迷った場合は専門科目の指導者や志望する教員に、その分野での英語文献の扱われ方を確認してみるとよいでしょう。英語対策そのものを並行して進めている時期でもあるため、先行研究の英語論文を読む作業を、英語学習の一環として位置づけてしまうのも一つの工夫です。専門用語に慣れておくことは、研究計画書の英語対策にも副次的なプラスになります。

大学編入・大学院入試・医学部編入専門|無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(志望校未定でもOK・LINEで予約)
\ 大学院入試専門 /

書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?

研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。

  • 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
  • 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
  • 志望校が決まっていなくてもOK

\ 合格がグッと近づく/

LINE登録でもらえる4大特典 : ①プロ講師の映像授業 ②合格までのロードマップシート ③受験校検索サイト ④「今から間に合うか」の判断材料

(費用は一切かかりません)

先行研究の読み込み方|読む順番と押さえるべきポイント

先行研究は見つかった論文を上から順番にすべて精読する必要はありません。限られた時間の中で効率よく読み込むには、絞り込みの段階と精読の段階を分けることがポイントです。

タイトル・要旨(アブストラクト)で絞り込む

まずはタイトルと要旨(アブストラクト)を確認し、研究対象・研究方法・大まかな結論を把握します。この段階では本文まで読み込まず、自分のテーマとの関連度に応じて「精読する」「参考程度に留める」「対象外」の3つに仕分けていきます。発行年が古すぎるものは、その後の研究で状況が更新されている可能性があるため、なるべく比較的新しい文献もあわせて確認しましょう。

どこまで読めば十分かという不安は多くの受験生が抱えるものです。読了本数の目安に厳密な決まりはありませんが、テーマ候補ごとに10〜20本程度をタイトル・要旨レベルで確認し、その中から関連度の高い数本〜10本前後を精読する、という進め方であれば、院試1年1ヶ月前の1ヶ月間でも無理なく取り組めます。数を追うこと自体が目的にならないよう、あくまでテーマの絞り込みと研究の位置づけの言語化に必要な範囲で読み進めていきましょう。

本文を読む際に押さえておきたい4つの項目

精読すると決めた論文については、本文を読みながら次の4つの項目を意識してメモを取っていくと、後で振り返りやすくなります。

  • 研究目的:その研究が何を明らかにしようとしたのか
  • 研究方法:どのような対象・データ・手法を用いたのか
  • 結論:何が明らかになったのか
  • 限界・今後の課題:その研究では扱いきれなかった点、著者自身が挙げている今後の課題

特に重要なのが最後の「限界・今後の課題」です。先行研究の著者自身が「今後の課題」として挙げている部分は、自分の研究テーマの独自性につながるヒントになりやすい箇所です。複数の先行研究を読み進める中で、同じような課題が繰り返し指摘されている場合は、その分野でまだ十分に取り組まれていない論点である可能性が高いといえます。

読むペースの目安と、批判的に読む姿勢

1本の論文をすべて均等な密度で読む必要はありません。目的・方法・結論・限界の4項目さえ押さえられれば、途中の議論や統計処理の細部は、テーマ選定の段階では読み飛ばしても大きな支障はないことがほとんどです。まずは幅広く多くの論文に目を通し、深く読み込む論文を後から絞り込んでいく読み方のほうが、限られた時間の中では効率的です。

先行研究を読む際は、書かれている内容をそのまま受け入れるだけでなく、「この研究の対象は自分が考えているテーマと本当に近いのか」「この結論は他の地域・年代でも成り立つのか」といった問いを持ちながら読む姿勢も大切です。批判的に読むことは著者の研究を否定することではなく、自分の研究がその先行研究とどう違う立場を取るのかを明確にするための作業です。この視点を持って読むだけで、次の項目で扱う「研究の意義」の言語化がぐっとしやすくなります。

読書メモの取り方の具体例

先行研究を読みながら取るメモは、長い文章である必要はありません。「目的:〜」「方法:〜」「結論:〜」「限界:〜」の4行程度を論文ごとに書き出し、最後に「自分のテーマとの関係」を一言添えておくだけで、後から見返したときに十分役立つ記録になります。手書きのノートでもデジタルのメモアプリでも構いませんが、あとで検索したり並び替えたりしやすい形式を選んでおくと、先行研究の数が増えてきたときに整理がしやすくなります。

大学編入・大学院入試・医学部編入専門|無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(志望校未定でもOK・LINEで予約)

先行研究から「研究の意義・独自性」を言語化する手順

先行研究を読み込んだあとは、読んだ内容を自分の研究の位置づけへとつなげていく作業に入ります。ここでつまずくと、研究計画書の「研究の意義」の欄が単なる先行研究の要約で終わってしまいます。

「分かっていること」と「分かっていないこと」を仕分ける

読み込んだ先行研究を、テーマ候補ごとに一覧にまとめ、「すでに分かっていること」と「まだ分かっていないこと」に仕分けていきます。この作業は表やリストの形で書き出すと整理しやすくなります。分かっていないことの中でも、自分の関心・知識・アクセスできる対象と結びつきそうな論点があれば、それが研究の独自性を言語化する手がかりになります。

仕分けをする際は、先行研究1本ごとに結論を並べるだけでなく、複数の先行研究を横断して眺めることも意識しましょう。個別の論文では見えなかった共通点や矛盾点が、並べて比較することで初めて見えてくることがあります。矛盾する結論を出している先行研究が複数見つかった場合は、その矛盾自体を自分の研究で扱う問いに発展させられないかを検討してみるのも一つの方向性です。

自分の研究の位置づけを一文で言えるようにする

仕分けが終わったら、「先行研究では〜が明らかにされてきたが、〜については十分に検討されていない。そこで本研究では〜を明らかにする」という形の一文を作ってみましょう。この一文がスムーズに書けるようであれば、テーマと先行研究の関係が整理できている状態といえます。反対に、この一文がうまく書けない場合は、先行研究の読み込みがまだ不十分であるか、テーマの絞り込みそのものを見直す必要があるサインです。この一文は一度作って終わりではなく、先行研究を追加で読むたびに書き直してよいものです。読み込みが進むほど言葉の精度が上がっていくのが自然な流れなので、最初から完璧な一文を目指す必要はありません。

この一文はそのまま研究計画書の「研究の意義」欄の骨格として使えるため、院試1年1ヶ月前のこの時期に仮の形でも作っておくと、後の執筆が格段に進めやすくなります。文章として完成させる必要はなく、箇条書きのメモの状態でも構いません。

「先行研究の限界」を自分の研究の着地点に変換する例

先行研究から研究の意義を導き出す作業は、慣れないうちは難しく感じられるかもしれませんが、具体例をいくつか押さえておくとイメージがつかみやすくなります。たとえば先行研究の多くが「都市部の高校生を対象にした調査」であり、地方在住の高校生を対象にした研究がほとんど見つからなかったとします。この場合、「対象を地方在住の高校生に変える」というだけで、先行研究との違いを言語化できることがあります。同様に、先行研究の多くが特定の時期のデータを扱っている場合は「直近のデータで再検証する」、特定の手法に偏っている場合は「別の手法を組み合わせる」といった形でも、独自性を作ることができます。

この一連の作業に難しい理論は必要なく、先行研究をよく読んで比べることの延長線上にできる作業です。大きな発見や壮大な問いである必要はありません。先行研究の「まだ扱われていない一部分」を丁寧に見つけることのほうが、学部生・院試段階の研究計画書としては現実的で、かつ実現可能性の面でも評価されやすい方向性です。複数の先行研究を並べて比較してみると、対象・時期・手法のどこに共通の空白があるのかが浮かび上がってくることも多いため、1本ずつではなく数本まとめて見比べる作業も並行して行ってみましょう。

指導教員や専門家に相談するタイミング

一文の形にまとめる作業は、一人で抱え込まず、途中の段階で指導教員候補や専門科目の先生、大学院入試対策の専門家に見てもらうことをおすすめします。自分では気づきにくい論理の飛躍や、見落としている先行研究を指摘してもらえることが多く、一人で何週間も悩み続けるよりも早く前に進めます。相談する際は、読み込んだ先行研究の一覧と、仮に作った一文をあわせて見せると、相手も的確なアドバイスをしやすくなります。

大学編入・大学院入試・医学部編入専門|無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(志望校未定でもOK・LINEで予約)

文献の記録・管理の方法と、指導教員候補との整合性チェック

先行研究を読み込む量が増えてくると、どの論文で何を確認したかが分からなくなりがちです。この時期のうちに、簡単でよいので文献を記録・管理する仕組みを作っておくと、後の研究計画書執筆や参考文献リストの作成が大幅に楽になります。

文献リストの作り方(記録フォーマット例)

項目記入する内容
著者名・発行年引用時にそのまま使えるよう正確に記録する
タイトル・掲載誌後で検索し直す手間を省くために記録する
研究目的・対象自分のテーマとの関連を後で振り返れるよう要約する
分かったこと/分からなかったこと意義の言語化に使うため簡潔にメモする
自分のテーマとの関係参考にする点・異なる点を一言でメモする

表計算ソフトやメモアプリなど、使い慣れたツールで構いません。重要なのは形式そのものよりも、読んだ先行研究を後から一覧で見返せる状態にしておくことです。数十本の先行研究を読み進めるうちに、記憶だけでは内容が混ざってしまうため、早い段階から記録する習慣をつけておきましょう。

志望する研究室・教員の論文との照合、研究室訪問のタイミング

先行研究の読み込みと並行して、志望する研究室や指導を希望する教員の論文リストにも目を通しておきましょう。テーマ候補と教員の専門領域に接点があるかどうかは、研究計画書の説得力だけでなく、実際に指導を受けられる体制が整うかどうかにも関わります。教員の論文を読んでおくと、研究室訪問や問い合わせの際に具体的な質問ができるようになり、相手に準備の良さが伝わりやすくなるという利点もあります。研究室訪問そのものの進め方や連絡の取り方については、別の記事で詳しく取り上げる予定です。この時期はまず、訪問前の準備としてテーマと教員の専門との接点を言葉にできる状態を目指しましょう。

記録を続けるコツ|完璧な管理よりも継続を優先する

文献管理の方法を検討し始めると、専用の文献管理ソフトを使うべきか、表計算ソフトで十分かで迷うこともあるかもしれません。この時期に優先すべきなのは、ツールの高度さよりも記録を止めずに続けられる、自分に合った方法を選ぶことです。凝った仕組みを作り込もうとして途中で更新が止まってしまうよりも、シンプルな表に読んだ順番で追記していくほうが、結果的に使える資料として残ります。

1件あたりの記入は数分で終わる分量に留め、先行研究を読み終えたその場でメモを残す習慣をつけておくと、後でまとめて記録しようとして内容を思い出せなくなる事態を防げます。

データの共有・バックアップも忘れずに

文献リストや読書メモは、研究計画書執筆の直前になって初めて見返すことも多い資料です。パソコンの故障やアプリの不具合で記録が消えてしまうと、これまでの読み込み時間が無駄になってしまいます。クラウドストレージに保存する、複数の場所にバックアップを取っておくなど、簡単な対策だけでも講じておくと安心です。指導教員や専門家に相談する際にも、クラウド上のファイルであればその場で共有しやすいという利点もあります。相談の場では、文献リストをそのまま画面で見せながら「ここまで読んだが、この先どう絞り込めばよいか」と具体的に聞くと、限られた面談時間の中でも的確なフィードバックを得やすくなります。

大学編入・大学院入試・医学部編入専門|無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(志望校未定でもOK・LINEで予約)

院試1年1ヶ月前にやるべきことチェックリストとスケジュール例

ここまで紹介した内容を踏まえ、院試1年1ヶ月前のおよそ1ヶ月間で取り組みたいことを、週単位のスケジュール例として整理します。実際の進み方は志望する研究科や専門科目の学習状況によって前後しますので、目安として活用してください。

期間主な取り組み
1週目テーマ候補を3〜5個書き出し、それぞれを「なぜ」「どのように」の問いの形に言い換える
2週目候補ごとにCiNii Research・Google Scholar等で先行研究を検索し、タイトルと要旨で絞り込む
3週目有力な候補2〜3個に絞り、先行研究を本文まで読み込みながら文献リストを作成する
4週目「分かっていること/分かっていないこと」を整理し、志望する研究室・教員との接点を確認する

次回(1年前の中間チェック)までに終えておきたいこと

次の節目である院試1年前の時点では、この時期に絞り込んだテーマ候補をもとに、年間計画の見直しと研究室訪問の準備を本格化させていくことになります。院試1年1ヶ月前のうちに済ませておきたいことを、チェックリストとして整理しておきます。

  • テーマ候補を2〜3個に絞り込み、それぞれを問いの形で言語化できている
  • 候補ごとに先行研究を5本以上検索し、タイトル・要旨レベルでは目を通している
  • 有力な候補については、先行研究の本文まで読み込み、文献リストに記録している
  • 「分かっていること/分かっていないこと」を仕分け、研究の位置づけを一文で言える状態に近づいている
  • 志望する研究室・教員の論文を確認し、テーマとの接点を言葉にできている
  • 専門科目の学習内容とテーマ候補が大きく矛盾していないかを確認している
  • 読んだ先行研究と検索に使ったキーワードを、後から見返せる形で記録できている

これらすべてを完璧に終える必要はありませんが、次回の「1年前の中間チェック」に進む前に、テーマの方向性と先行研究の土台がある程度固まっている状態を目指しましょう。

専門科目の学習や英語対策など、他の対策と並行してこの作業を進める人がほとんどです。スケジュールどおりに進まない週があっても、大きく焦る必要はありません。週単位の計画はあくまで目安であり、1週間分の遅れは翌週以降に少しずつ取り戻せる範囲です。むしろ4週間という区切りにこだわりすぎず、1年前の中間チェックまでの数週間全体を使って帳尻を合わせるくらいの余裕を持っておくと、無理なく続けやすくなります。大切なのは、院試1年前の中間チェックの時点で、テーマ候補と先行研究の読み込みがまったくのゼロという状態を避けることです。

もし1ヶ月が経過してもテーマ候補が1つも定まらない、先行研究がまったく見つからないといった状況が続く場合は、一人で抱え込まず、指導教員や専門科目の先生、あるいは大学院入試対策の専門家に早めに相談することをおすすめします。

働きながら大学院入試を目指す社会人受験生の場合は、平日にまとまった時間を確保しづらいことも多いはずです。その場合は、通勤時間などのすき間時間をタイトルと要旨の確認に、休日のまとまった時間を精読とメモの整理にあてるなど、作業の種類によって使う時間帯を分けると、限られた時間でも着実に読み込みを進められます。1週間ごとの取り組みを完璧にこなそうとせず、1ヶ月というスパンで帳尻を合わせるくらいの気持ちで進めるとよいでしょう。全体のスケジュールと科目別対策の位置づけについては、大学院入試対策の全体像と科目別対策をまとめた完全ガイドもあわせて確認しておくと、この先の見通しが立てやすくなります。

大学編入・大学院入試・医学部編入専門|無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(志望校未定でもOK・LINEで予約)

よくある質問(FAQ)

研究テーマはいつまでに決めればいいですか?

最終的なテーマは、研究計画書の初稿を書き始める数ヶ月前までに固まっていれば十分間に合います。院試1年1ヶ月前の段階では、テーマを1つに確定させる必要はなく、先行研究と結びついた候補を2〜3個持っておく状態を目指すとよいでしょう。研究室訪問や指導教員との相談を経て、テーマの角度が調整されることも珍しくありません。反対に、出願直前になってもテーマがまったく定まっていない状態は避けたいところですので、この時期のうちに候補を絞り込む作業だけは着実に進めておきましょう。

研究計画書のために先行研究はどのくらいの数を読めばいいですか?

分野やテーマの広さによって目安は変わりますが、まずはテーマ候補ごとに5本以上の先行研究にタイトル・要旨レベルで目を通し、そのうち関連度の高いものを数本〜10本程度は本文まで読み込んでおくと、研究計画書に書く「先行研究」の欄に厚みが出ます。本数そのものより、分かっていることと分かっていないことを説明できるかのほうが重要です。

興味のあるテーマの先行研究がほとんど見つからない場合はどうすればいいですか?

検索キーワードの分解の仕方を見直し、関連する上位概念や類義語まで範囲を広げてみましょう。それでも見つからない場合は、隣接する分野の文献まで確認してみると、実は近いテーマが別の切り口で扱われていることがあります。それでも手がかりが乏しい場合は、テーマの学術的な位置づけ自体を、志望する教員や指導者に一度相談してみることをおすすめします。先行研究がまったく存在しないテーマは魅力的に見える一方で、実現可能性や妥当性を審査側から疑われやすいという側面もあるため、隣接分野まで含めて丁寧に調べ切ったうえで判断することが大切です。

一度決めたテーマは途中で変更してもいいですか?

院試1年1ヶ月前の時点であれば、テーマを変更する余地は十分にあります。むしろ先行研究を読み込んだ結果としてテーマを調整するのは自然な流れです。ただし出願直前になってからの大きな方向転換は、先行研究の読み込みや研究室との調整が間に合わなくなるリスクがあるため、変更するとしても早い段階で行うことが望ましいといえます。

文系と理系でテーマの選び方や先行研究の探し方に違いはありますか?

大学によって細かな慣習は異なりますが、一般的には文系では問いの独自性や先行研究との関係の言語化がより重視される傾向があり、理系では実験・データの実現可能性や指導教員の研究室との適合がより強く問われる傾向があります。いずれの場合も、先行研究を読み込んで自分の研究の位置づけを説明できる状態を目指すという基本の考え方は共通しています。

CiNii ResearchとGoogle Scholar、どちらを優先して使えばいいですか?

まずは日本語で扱いやすいCiNii Researchで国内の研究動向を把握し、そのうえでGoogle Scholarを使って海外の研究動向や関連分野まで検索範囲を広げる、という順番がおすすめです。どちらか一方だけに頼らず、複数のデータベースを併用することで、見落としを減らせます。

志望する研究室の教員がまだ決まっていない場合、先行研究はどう絞り込めばいいですか?

この質問はテーマ選び全体の中でもつまずきやすいポイントの一つです。教員が決まっていない段階では、まずはテーマそのものに関する先行研究を幅広く読み込み、その分野で活発に研究している教員や研究室を先行研究の著者から逆算して探すという方法も有効です。先行研究を読み進める中で名前が繰り返し出てくる研究者がいれば、その所属先が志望研究室の候補になることもあります。同じテーマを扱っている研究者が複数の大学院に在籍している場合は、研究テーマだけでなく、研究環境や指導体制も比較材料に加えて志望先を検討していくとよいでしょう。

先行研究を読んでも自分の研究の独自性がよく分かりません。どうすればいいですか?

独自性がすぐに見えないのは珍しいことではありません。読み込んだ先行研究を「分かっていること」と「分かっていないこと」に仕分ける作業を丁寧に行うと、複数の先行研究に共通して残されている論点が見えてくることがあります。それでも整理がつかない場合は、指導者や専門家に読み込んだ内容を説明し、第三者の視点から独自性のヒントをもらうのも有効な方法です。焦って独自性をひねり出そうとするよりも、まずは先行研究の全体像を正確に把握することを優先すると、自然と自分の立ち位置が見えてくることも少なくありません。

大学編入・大学院入試・医学部編入専門|無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(志望校未定でもOK・LINEで予約)

まとめ|テーマ選びと先行研究の読み込みが研究計画書の土台になる

院試1年1ヶ月前のこの時期は、研究計画書そのものを書き始める段階ではなく、テーマを絞り込み、先行研究を読み込んで土台を作る段階です。ここでの取り組みが、数ヶ月後の計画書執筆のスムーズさを大きく左右します。派手な作業ではありませんが、地道にデータベースを検索し、論文を読み、記録を残すという積み重ねが、最終的には面接での受け答えの厚みにもつながっていきます。最後に、本記事のポイントを振り返ります。

  • テーマは「〇〇について研究する」ではなく、「なぜ」「どのように」の問いの形に言い換えて絞り込む
  • 良いテーマかどうかは、関心の持続性・先行研究との関係・実現可能性の3つの視点で確認する
  • 先行研究はCiNii Research・J-STAGE・Google Scholarなど複数のデータベースを使い分けて探す
  • 先行研究はタイトル・要旨で絞り込んでから、目的・方法・結論・限界を意識して精読する
  • 読み込んだ先行研究は「分かっていること/分かっていないこと」に仕分け、研究の位置づけを一文で言語化する
  • 文献は記録・管理する仕組みを早めに作り、志望する研究室・教員の論文との接点も確認しておく
  • この時期にテーマを1つに確定させる必要はなく、候補を2〜3個育てておく姿勢でよい

テーマ選びと先行研究の読み込みは、地道で時間のかかる作業に感じられるかもしれませんが、ここで積み重ねた読み込みの量が、そのまま研究計画書の説得力につながります。派手な成果がすぐに見えにくい時期だからこそ、週単位の小さな目標をこなしていくことを意識すると、1ヶ月後には確実にテーマの解像度が上がっているはずです。

一人で読み進めるのが難しいと感じたときや、テーマの絞り込みに行き詰まったとき、独学での対策に不安がある場合には、専門の指導を活用するのも一つの方法です。大学院入試対策コースでは、研究計画書のテーマ選定から先行研究の読み込み方まで、一人ひとりの志望分野に合わせた個別指導を行っています。テーマが定まらずに時間だけが過ぎてしまうことに不安を感じている場合は、早めに相談してみることで、この先のスケジュールに余裕を持たせやすくなります。次回は院試1年前の中間チェックとして、年間計画の見直しと研究室訪問の始め方を解説します。

\ 大学院入試専門 /

書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?

研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。

  • 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
  • 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
  • 志望校が決まっていなくてもOK

\ 合格がグッと近づく/

LINE登録でもらえる4大特典 : ①プロ講師の映像授業 ②合格までのロードマップシート ③受験校検索サイト ④「今から間に合うか」の判断材料

(費用は一切かかりません)

この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

目次