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大学院研究計画書テンプレート|そのまま使える構成と注意点

大学院研究計画書テンプレート|そのまま使える構成と注意点の記事アイキャッチ。そのまま使える構成と注意点を落ち着いたトーンで示す図解。
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研究計画書 テンプレートを探してこのページにたどり着いた方が、まず手に入れたいのは「そのまま空欄を埋めれば形になる構成」だと思います。結論から言うと、研究計画書は「研究タイトル・研究の背景・先行研究・研究目的とリサーチクエスチョン・研究方法・研究計画(スケジュール)・期待される成果・参考文献」という8つのブロックを、この順番で並べれば骨格が完成します。研究計画書とは、大学院で「何を・なぜ・どうやって研究するのか」を採点者に伝えるための設計図であり、志望理由書とは別に、あなたの研究遂行能力そのものを見せる書類です。このページでは、その8ブロックをそのままコピーして使える雛形として提示し、各ブロックに何を書くかの記入ガイド、字数の配分目安、穴埋め式の記入例まで一気にそろえます。

ただし、テンプレートをコピペするだけで完成する書類ではない、という点も最初にお伝えしておきます。様式が募集要項で指定されている大学院もあれば、A4で1〜2枚と枚数だけ決まっている大学院、字数だけ「2,000字程度」と指定される大学院もあり、体裁のルールは研究科ごとにばらばらです。テンプレートは「型」を用意するものであって、中身はあなた自身の研究テーマと先行研究で埋めなければ、採点者にはすぐに見抜かれます。この記事では、型を渡すだけでなく、その型を自分の研究へ落とし込む手順と、テンプレ利用でやりがちな失敗もあわせて解説します。

具体的には、まず研究計画書の全体像と8ブロックの役割を確認し、続いてコピーしてそのまま使えるテンプレート本体(見出し+記入ガイド)を提示します。そのうえで、ブロックごとの字数配分の目安を表にまとめ、穴埋め式の記入例で「実際に文章がどう埋まるか」を見せ、様式が指定される場合とされない場合の使い分け、Word・PDFで提出するときの体裁の整え方、そしてテンプレをそのまま出すことの危険と自分の研究への落とし込み手順まで扱います。項目ごとのくわしい書き方や分野別のフル例文は別の記事に用意していますので、この記事は「テンプレートを手に入れて、自分用に加工しきる」ことに集中してお読みください。

なお、テンプレートを使う目的は「時間の節約」だけではありません。型が決まっていれば、あなたは文章の並び順で悩む必要がなくなり、そのぶんの労力を先行研究を読み込むことや研究方法を具体化することといった、本来もっとも時間をかけるべき中身の作業に回せます。研究計画書で差がつくのは、見た目の整いよりも、この中身の密度です。逆に言えば、型さえ手元にあれば、あとは各ブロックを自分の研究語彙で丁寧に埋めていくだけで、採点者に「研究として成立している」と伝わる書類に近づきます。この記事のテンプレートは、その「埋める作業」に集中するための土台として使ってください。それでは、まず研究計画書全体の設計思想から順に見ていきましょう。

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目次

研究計画書テンプレートの全体像|8ブロック構成の役割を理解する

テンプレートをそのまま使えるようにするには、まず「なぜその順番でブロックが並んでいるのか」を理解しておく必要があります。研究計画書は、思いつきをメモした書類ではなく、読み手が上から順に読むだけで「この人は研究として成立することを分かっている」と判断できるように設計された論理の連なりです。順番を入れ替えたり、途中のブロックを抜いたりすると、その論理が途切れて評価が下がります。ここでは、テンプレートを構成する8つのブロックが、それぞれどんな問いに答える場所なのかを整理します。

研究計画書を構成する8つのブロック

研究計画書の骨格は、次の8ブロックで考えると迷いません。多くの大学院で共通して求められる要素であり、この順に並べれば、指定様式がない場合の見出しとしてそのまま使えます。

ブロック答えるべき問い採点者が見ているところ
1. 研究タイトル何を研究するのか(一言で)テーマが具体的に絞られているか
2. 研究の背景なぜ今その研究が必要か社会的・学術的な文脈を捉えているか
3. 先行研究の整理これまで何が分かっているか文献を読み込み、位置づけができているか
4. 研究目的・リサーチクエスチョンこの研究で何を明らかにするか問いが明確で答えられる大きさか
5. 研究方法どうやって明らかにするか方法が問いに対応し、実行可能か
6. 研究計画(スケジュール)いつ何をするか期間内に無理なく進められるか
7. 期待される成果・意義分かると何が良いか学術的・社会的な貢献を説明できるか
8. 参考文献何を根拠にしているか形式が整い、実在する文献か

この8ブロックは「背景から成果へ」という一本の流れを持っています。背景で問題意識を示し、先行研究で「まだ分かっていないこと」を切り出し、そのすき間を埋める問いを研究目的として立て、方法でその問いに答える段取りを示す。ここまでが一続きの論理で、計画・成果・参考文献はそれを支える情報です。テンプレートの見出しだけを埋めても、この流れが通っていなければ評価されないという点を、最初に押さえておいてください。

この流れは、言い換えると「大きな問題(背景)から、あなたが答えられる具体的な問い(目的)へと絞り込み、その問いに答え(方法)、答えた先に何が見えるか(成果)を示す」という漏斗の形をしています。上に行くほど話が広く、下に行くほど話が具体的になる。この形が保たれていると、採点者は最初の数行で「この人は研究の枠組みを理解している」と判断できます。逆に、背景がいきなり細かい話から始まったり、目的が背景と無関係だったりすると、漏斗の形が崩れ、内容の良し悪し以前に構成の未熟さで減点されます。テンプレートを使うときは、この漏斗の向き(広い→狭い)を意識して各ブロックを配置してください。

志望理由書・研究テーマとの違いに注意する

テンプレートを使い始める前に混同しやすいのが、研究計画書と志望理由書の役割の違いです。志望理由書は「なぜこの大学院・この研究室を志望するのか」という動機を書く書類で、研究計画書は「何をどう研究するのか」という計画そのものを書く書類です。両方の提出を求める大学院では、志望動機を研究計画書に書きすぎると、肝心の研究方法や先行研究の分量が足りなくなります。テンプレートに沿って書くときは、動機や熱意の話は志望理由書側に寄せ、研究計画書は事実と計画で埋める、と切り分けておくと分量配分を誤りません。

また、研究テーマがまだ固まっていない段階でテンプレートを埋めようとしても、タイトルと目的の欄で手が止まります。テーマの決め方そのもので悩んでいる場合は、テンプレートに戻る前にテーマを絞る作業を先に済ませたほうが早く、その進め方は研究テーマが決まらないときの決め方と相談先で扱っています。テーマが一言で言える状態になってから、このページのテンプレートに戻ってくるのが効率的です。

様式指定の有無で「テンプレートの使い方」が変わる

もう一つ、全体像として理解しておきたいのが、この記事のテンプレートが「どんな場面で役立つのか」です。大学院の研究計画書は、大きく分けて三つのパターンがあります。第一に、大学院が配布する所定様式(記入欄が決まったフォーム)に書くパターン。第二に、様式は自由だが「A4で2枚以内」「2,000字程度」など枠だけ決まっているパターン。第三に、何の指定もなく白紙から作るパターンです。このうち、後半の二つでこの記事のテンプレートがそのまま骨格として使えます。所定様式の場合でも、各欄に何を書くかの中身はこの8ブロックの考え方で埋められますので、まずは型を頭に入れておく価値があります。様式ごとの具体的な使い分けは、後半のセクションでくわしく整理します。

加えて、研究計画書は「提出したら終わり」ではなく、その後の面接や口頭試問で自分の言葉として問われる書類だという点も、全体像として理解しておいてください。8ブロックのそれぞれが、面接での質問に対応しています。背景を書けば「なぜこのテーマを選んだのか」、先行研究を書けば「既存研究との違いは何か」、方法を書けば「なぜその方法なのか」と問われるのが典型です。つまりテンプレートを埋める作業は、そのまま面接で答える準備にもなっています。この視点を持っておくと、各ブロックを「面接で説明できる形で書く」という意識が生まれ、後半で扱う落とし込みの手順にもつながっていきます。テンプレートは、書類作成と面接対策を一本の線でつなぐ設計図なのだと捉えてください。

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そのまま使える研究計画書テンプレート本体|見出し+記入ガイド

ここが、この記事の中心となる「そのまま使えるテンプレート本体」です。以下の見出しをそのままコピーして自分の文書に貼り付け、各見出しの下にある記入ガイドを目印に本文を書いていけば、抜けのない研究計画書の骨格ができます。記入ガイドは「この欄に何を、どういう文の形で書くか」を示したもので、この記事の後半にある穴埋め記入例と合わせて使うと、実際の文章まで一気に埋められます。

コピーして使うテンプレート見出しと記入ガイド

次の順で見出しを並べ、それぞれの記入ガイドに沿って書き進めてください。見出しの文言は、様式が自由な場合はこのまま使えますし、所定様式がある場合は各欄の対応する内容を書く目安として使えます。

  1. 研究テーマ(タイトル):これから取り組む研究を一文で表す。「〈対象〉における〈着目点〉に関する研究」のように、対象と着目点が分かる40字以内の名詞句にする。
  2. 研究の背景:そのテーマに取り組む理由を、社会的な状況(現実に起きている問題)と学術的な状況(研究の世界での位置づけ)の両面から書く。「近年、〜という状況がある。一方で〜という点はまだ十分に検討されていない」という流れで組み立てる。
  3. 先行研究の整理:関連する研究を数本挙げ、「誰が・何を・どこまで明らかにしたか」を要約したうえで、「しかし〜については未解明である」と残された課題を示す。ここがあなたの研究の入り口になる。
  4. 研究目的・リサーチクエスチョン:先行研究で示した「未解明の部分」を埋めるための問いを、一文で明確に立てる。「本研究では〜を明らかにすることを目的とする」と言い切る。
  5. 研究方法:その問いにどう答えるかを、対象・データ・手法・分析の順で具体的に書く。文系なら調査・資料・分析枠組み、理系なら実験・測定・解析の手順を、読み手が再現を想像できる粒度で示す。
  6. 研究計画(スケジュール):入学から修了までの期間を、半期〜1年単位で区切り、各時期に何をするかを並べる。文献収集・調査・分析・執筆・学会発表などを時系列で配置する。
  7. 期待される成果・意義:研究が成功したときに何が分かり、それが学術・社会にどう役立つかを書く。「本研究により〜が明らかになれば、〜に貢献できる」とつなぐ。
  8. 参考文献:本文で触れた文献を、著者名・発表年・タイトル・掲載誌/出版社の順で列挙する。分野の慣行に沿った形式でそろえる。

この8見出しがテンプレートの本体です。書き始めるときは、上から順に埋めようとせず、まず研究目的(4番)を一文で書き切ってから、その問いを支えるように背景・先行研究・方法を前後に足していくと、論理がぶれにくくなります。目的が決まれば、背景は「その問いが必要な理由」、方法は「その問いへの答え方」として自然に定まるからです。

おすすめの記入順を具体的に示すと、次のとおりです。第一に研究目的(4番)を一文で仮に立てる。第二に、その問いに答えるための研究方法(5番)を書き、問いが実際に答えられるサイズかを確かめる。ここで「この方法では答えられない」と気づいたら、目的の問いを狭めます。第三に、その問いが必要な理由として背景(2番)と先行研究(3番)を書く。第四に、方法から自然に導かれる研究計画(6番)と期待される成果(7番)を書く。最後に、全体を一言で表す研究タイトル(1番)を決め、本文で触れた文献を参考文献(8番)に整えます。タイトルを最初ではなく最後に決めるのは、中身が固まってからのほうが、内容を的確に表す一文を作れるからです。この順で回すと、目的と方法という研究計画書の核が最初に固まり、そこに肉付けしていく形になるので、途中で論理が破綻しにくくなります。

各ブロックの記入ガイド早見表

見出しだけでは何を書くか迷いやすいので、各ブロックの「書き出しの型」と「よくある不足」を一覧にしました。書きながら手元に置いておくと、埋め忘れや薄さを防げます。

ブロック書き出しの型(例)ありがちな不足
研究テーマ「〜における〜に関する研究」テーマが広すぎて絞れていない
研究の背景「近年、〜という状況がある」社会的背景だけで学術的背景がない
先行研究「〜は〜を明らかにした。しかし〜」文献名を並べるだけで批評がない
研究目的「本研究では〜を明らかにする」問いが大きすぎて答えられない
研究方法「〜を対象に、〜により〜する」手順が抽象的で実行可能に見えない
研究計画「1年次は〜、2年次は〜」時期の区切りがなく丸投げ
期待される成果「〜が明らかになれば〜に貢献」成果が方法とつながっていない
参考文献著者・年・題名・出典の順本文で触れていない文献を列挙

この早見表は、見出しの下に書いた本文が「型を満たしているか」を確認するためのチェック用でもあります。各ブロックを書き終えたら、「書き出しの型」に沿っているか、「ありがちな不足」に当てはまっていないかを一度見返してください。ブロック単位で見直すと、全体を通しで読むよりも弱点が見つけやすくなります。なお、この記事は型と記入ガイドの提供に集中しているため、各項目を評価される文章に磨き上げるくわしい書き方は、研究計画書の書き方と例文のほうに具体的に整理しています。テンプレートで骨格を作ったあと、文章の質を上げる段階でそちらを参照してください。

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研究計画書の字数配分の目安|ブロックごとの分量バランス

テンプレートの見出しをそろえたら、次に迷うのが「どのブロックにどれだけ書くか」という分量の問題です。全体の字数が同じでも、背景ばかり長くて研究方法が数行しかない計画書は、採点者から見ると「実行できるか分からない研究」に映ります。逆に、方法を厚く、背景と目的を締まった分量でまとめると、同じ字数でも計画として引き締まって見えます。ここでは、指定字数別に、各ブロックへどう字数を割り振るかの目安を示します。

指定字数別の配分目安

研究計画書の字数指定は、2,000字程度のものから、A4で数枚・8,000字を超えるものまで幅があります。まず「全体をどのブロックに何割ずつ配分するか」の比率を決め、その比率を指定字数に掛けて各ブロックの目標字数を出すのが、迷わない進め方です。標準的な配分比率は、背景40〜50%・目的と意義10〜20%・方法30〜40%を軸に考えると安定します。以下は、その比率をもとにした字数の目安です。

ブロック配分の目安2,000字の場合4,000字の場合
研究の背景25〜30%約500〜600字約1,000〜1,200字
先行研究の整理15〜20%約300〜400字約600〜800字
研究目的・問い10〜15%約200〜300字約400〜600字
研究方法25〜35%約500〜700字約1,000〜1,400字
研究計画・成果・意義10〜15%約200〜300字約400〜600字

この配分は絶対的なルールではなく、あくまで出発点です。分野や研究の性質によって重心は動きます。たとえば新しい調査手法を提案する研究なら方法を厚く、既存の議論の空白を突く理論研究なら先行研究と背景を厚くする、といった調整が必要です。それでも、最初に比率で目標字数を決めておくと、書きながら特定のブロックだけが肥大化する事故を防げます。書き終えたら実際の字数を数え、目安から大きく外れたブロックがないかを確認してください。

実際の使い方をイメージするために、「2,000字程度」と指定された場合の割り振り手順を具体的に追ってみます。まず全体を2,000字と決め、上の比率を掛けます。背景に約550字、先行研究に約350字、目的に約250字、方法に約600字、計画・成果・意義に約250字。この5つの目標字数をメモしておき、各ブロックを書くたびに文字数カウントで実際の字数を確認します。方法を書いていて600字を大きく超えそうなら、対象の説明を削って手法の記述に集中する。背景が550字で足りないと感じても、一般論を足すのではなく先行研究のブロックに回す。こうして目標字数を物差しにすると、「なんとなく長くなった/短くなった」という感覚頼みの書き方から抜け出せます。字数配分は、書く前の設計図であると同時に、書きながら現在地を確認する地図でもあります。

字数指定の読み方と超過・不足の扱い

募集要項の字数指定には独特の読み方があります。「2,000字程度」とある場合、一般に前後1割ほどの幅、つまり1,800〜2,200字に収めるのが無難とされます。「2,000字以内」とあれば上限厳守で、超過は形式点を落とす原因になります。「2,000字以上」なら下限を割ってはいけません。指定がどの型かで、目標にすべき字数がまったく変わりますので、まず要項の一文を正確に読み取ってください。字数の数え方(句読点や英数字を含むか、原稿用紙換算かなど)まで指定されることもあり、細かな条件は大学・研究科により異なりますので、必ず募集要項でご確認ください。

字数が埋まらない・超えるときの調整法

実際に書くと、字数が足りない、または超えるという状況によく直面します。埋まらないときに背景の一般論を水増しするのは逆効果で、採点者には薄い計画に見えます。足りないときは、先行研究をもう一本読み込んで「未解明の部分」の記述を具体化する、研究方法の手順を一段細かく分ける、という方向で中身を増やすのが正攻法です。逆に超えるときは、背景の一般的な説明を削り、目的と方法の記述を優先して残します。次の指針を目安にしてください。

  • 足りないとき:先行研究を追加して課題の記述を具体化する/研究方法を対象・データ・分析の段階に分けて詳述する。
  • 超えるとき:背景の一般論や誰でも書ける説明を削る/同じ内容の言い換えや重複表現をまとめる。
  • 共通:削るときも足すときも、研究目的(問い)は最後まで一文で明確に残す。
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研究計画書テンプレートの穴埋め記入例|空欄を埋めるとこうなる

テンプレートと記入ガイドがあっても、「実際に文章にすると、どのくらいの具体度で書けばいいのか」がつかめないと手が止まります。そこで、テンプレートの各ブロックを穴埋め式で示し、空欄を埋めた完成イメージを添えます。〈 〉の部分をあなた自身の研究内容に置き換えれば、そのまま各ブロックの下書きになります。ここでは分野に依存しない汎用の型として示しますので、文系・理系それぞれのフルサイズの例文がほしい場合は、後述のリンク先で分野別の完成例をご覧ください。

穴埋め式テンプレート(各ブロック共通の型)

次の空欄付きの文型を、各ブロックの書き出しとして使ってください。〈 〉を自分の研究語彙に入れ替えるだけで、論理の通った一文が立ち上がります。

  • 研究テーマ:「〈研究対象〉における〈着目する現象・課題〉に関する研究」
  • 背景:「近年、〈社会的な状況・変化〉がみられる。この動きに伴い〈生じている問題〉が指摘されている。しかし〈まだ検討されていない側面〉については、十分に明らかにされていない。」
  • 先行研究:「〈研究者A〉は〈明らかにしたこと〉を示した。また〈研究者B〉は〈別の側面〉を検討している。しかし、これらの研究では〈残された課題〉が扱われていない。」
  • 研究目的:「本研究では、〈残された課題〉を対象に、〈明らかにしたいこと〉を明らかにすることを目的とする。」
  • 研究方法:「本研究では、〈対象・データ〉を〈収集・作成の方法〉により用意し、〈分析・実験の手法〉によって〈分析する内容〉を検討する。」
  • 期待される成果:「本研究により〈明らかになる見込みの内容〉が示されれば、〈学術的・社会的な貢献〉に寄与すると考えられる。」

空欄を埋めた記入例(汎用サンプル)

上の型に、仮の研究内容を入れると、たとえば次のような下書きになります。これは書き方の粒度を示すためのサンプルで、内容そのものを流用するためのものではありません。あくまで「このくらい具体的に埋める」という目安として読んでください。

研究テーマ:地方都市の商店街における空き店舗活用に関する研究

背景:近年、地方都市の中心市街地では人口減少にともなう商店街の空き店舗の増加がみられる。この動きに伴い、地域コミュニティの拠点が失われるという問題が指摘されている。しかし、空き店舗を一時的に活用する取り組みが、その後の商店街全体の来街者数に与える影響については、十分に明らかにされていない。

先行研究:これまでの研究では、空き店舗活用の事例紹介や、活用の担い手となる主体の類型化が進められてきた。一方で、活用がその後の来街者数や周辺店舗の継続に及ぼす効果を、活用前後で比較して検証した研究は限られている。本研究は、この検証の空白を対象とする。

研究目的:本研究では、一時的な空き店舗活用の取り組みを対象に、それが商店街の来街者数と店舗継続に与える影響を明らかにすることを目的とする。

研究方法:本研究では、活用事例のある複数の商店街を対象に、来街者数の統計と店舗主への聞き取り調査によりデータを用意し、活用前後の比較分析によって効果の有無を検討する。

期待される成果:本研究により、空き店舗活用が来街者数と店舗継続に与える効果の有無が示されれば、限られた予算のなかで活用策を選ぶ自治体や商店街組織の判断材料に貢献できると考えられる。

このサンプルを見ると、テーマから成果まで同じ語(空き店舗活用・来街者数・店舗継続)が一貫して使われていることが分かります。テンプレートを埋めるときにもっとも大切なのは、この「語の一貫性」です。背景で挙げた問題、先行研究で切り出した空白、目的で立てた問い、方法で扱う対象、成果で示す貢献が、別々の言葉になっていると、採点者には話がつながって見えません。逆に、キーワードが一本の糸のように全ブロックを貫いていれば、たとえ内容が発展途上でも「筋の通った計画」に見えます。穴埋めのときは、テーマで決めたキーワードを、以降のブロックでも意識的に繰り返してください。もう一つの読みどころは、各ブロックの具体度がそろっていることです。背景だけ詳しくて方法が一行、という不均衡があると、そこで論理が痩せて見えます。サンプルのように、どのブロックも同じくらいの解像度で書けているかを、埋めたあとに見比べてください。分野に即したフルサイズの例文で全体像をつかみたい場合は、文系大学院の研究計画書例文、あるいは理系大学院の研究計画書例文で、テーマ設定から方法論まで通した完成例を確認できます。最初の一文の書き出しだけで迷っている場合は、研究計画書の書き出し例も参考になります。

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研究計画書テンプレートの入手先と選び方|使う前に確認すること

ここまで、この記事のテンプレート本体をそのまま使える形で示してきましたが、実際にはWeb検索や書籍、大学配布のフォームなど、いくつもの入手先から雛形を手に入れることができます。ただし、入手先によって信頼度と使い勝手は大きく変わります。どこから手に入れた雛形かを意識せずにコピーして使うと、そのまま提出できない体裁だったり、志望先の様式と合わなかったりして、かえって手戻りが増えます。ここでは、テンプレートの主な入手先ごとの特徴と、ダウンロードした雛形を使う前に確認すべき点を整理します。

入手先ごとの特徴と向き・不向き

研究計画書のテンプレートは、大きく分けて次の入手先があります。それぞれ「型としての信頼度」と「そのまま使えるか」が異なりますので、自分の状況に合った入手先を選んでください。

入手先特徴使う前の注意
志望大学院の配布様式その研究科が求める欄・字数がそのまま反映されている最優先で従う。欄構成を勝手に変えない
大学院入試の解説書・専門書分野の慣行を踏まえた型で、記入例つきのものが多い掲載例の内容は流用せず、型だけ借りる
Web上の無料テンプレート(この記事など)すぐ入手でき、見出しの型を素早く把握できる汎用型のため、志望先の指定に合わせて調整が要る
先輩・研究室の過去提出例志望先の実際の水準や書き方が分かる個人情報・研究内容の流用は避け、構成のみ参考にする

基本の考え方は「志望大学院の配布様式があればそれが最優先、なければWebや書籍の汎用型を骨格として使い、自分の研究で埋める」という順番です。どの入手先の雛形であっても、そのまま中身を写して提出できるものではなく、型を借りて中身を自分で書く、という使い方は共通しています。この記事のテンプレートは、この表でいう「Web上の無料テンプレート」に当たり、汎用の骨格をすぐ手に入れるための入手先として使ってください。

ダウンロードした雛形を使う前のチェック

Webからダウンロードした雛形(Word・PDFファイルなど)をそのまま使うときは、開いた直後に次の点を確認してください。配布元によっては、体裁が自分の提出条件と合わない、古い、あるいは分野が違うということがあります。

  • 体裁が志望先の指定と合うか:ファイルの用紙サイズ・余白・字数の枠が、募集要項の指定と食い違っていないかを確かめる。合わなければ、体裁は自分の提出条件に合わせて上書きする。
  • 見出し・欄構成が過不足ないか:この記事の8ブロックと照らし、抜けている項目(先行研究や研究計画など)がないか、逆に不要な欄がないかを確認する。
  • 記入例が残っていないか:ダウンロード版には見本の文章が入っていることがあり、消し忘れるとそのまま提出してしまう。自分の内容に置き換えるか、一度すべて削除してから書き始める。
  • ファイル形式が編集できるか:PDFのみの雛形は直接書き込めないため、Wordなど編集可能な形式で作り直すか、同じ見出しを自分の文書に写して使う。

ダウンロードした雛形は「そのまま提出する完成品」ではなく「自分用に作り替える下地」として扱うのが安全です。とくに、無料配布のテンプレートは分野をまたいだ汎用型が多く、志望する研究科の慣行にそのまま合うとは限りません。入手した雛形をいったん自分の文書に写し、この記事の記入ガイドと字数配分に沿って埋め直すことで、入手先に左右されない、自分の研究に合った計画書に仕上がります。

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様式が指定される場合とされない場合の使い分け

ここまで汎用のテンプレートを示してきましたが、実際の提出では「様式が指定されているかどうか」で、テンプレートの使い方が変わります。指定を無視して自分の型を貫くと、それだけで形式点を落としかねません。逆に、指定がないのに何の構成も決めずに書き始めると、まとまりのない書類になります。ここでは、様式指定の三つのパターンごとに、テンプレートをどう使うかを整理します。

所定様式(記入フォーム)が配布される場合

大学院によっては、記入欄があらかじめ決まった所定様式を配布します。この場合の鉄則は、様式の欄構成と字数枠を最優先することです。この記事のテンプレートの見出しをそのまま持ち込むのではなく、様式の各欄が求める内容を、8ブロックの考え方で埋めていきます。たとえば様式に「研究の目的」という欄しかなくても、その欄の中で背景・問い・意義を圧縮して書く、という具合です。欄ごとに文字数の上限が設けられていることも多いので、記入前に各欄の枠を確認し、超過しないように配分してください。所定様式では、体裁を勝手に変えない(欄を増やさない、フォントや余白を指定どおりにする)ことが、内容と同じくらい重視されます。

所定様式で失敗しやすいのは、8ブロックのすべてを詰め込もうとして、欄からあふれさせてしまうケースです。様式の欄が少ないということは、大学院側が「この欄でこれだけ書けば十分」と枠を示しているということでもあります。欄が3つしかなければ、8ブロックを3つのまとまりに束ねる発想が必要です。たとえば「研究の背景と目的」という一つの欄なら、背景・先行研究・目的の3ブロックをその欄の中に順に配置し、「研究方法」の欄には方法と計画を、「期待される成果」の欄には成果と意義をまとめる、といった対応をします。8ブロックは分解して再結合できる部品だと考えると、どんな欄構成の所定様式にも当てはめられます。記入前に、様式の各欄が8ブロックのどれに対応するかを一度書き出しておくと、迷わず埋められます。

枠だけ決まっている場合(自由様式・字数や枚数の指定あり)

「A4で2枚以内」「2,000字程度」のように、様式は自由だが枠だけ決まっているパターンが、この記事のテンプレートがもっとも活きる場面です。8ブロックの見出しをそのまま使い、先ほどの字数配分表に沿って各ブロックの目標字数を割り振れば、枠にぴったり収まる計画書になります。見出しを立てるかどうか(「1. 研究の背景」のように番号付きの見出しを置くか、見出しなしの文章で流すか)は、読みやすさ優先で判断してかまいません。枚数指定の場合は、後述のWord・PDFの体裁を整えることで、指定枚数に収まるかどうかが変わってきます。

何も指定がない場合(白紙から作る)

指定がまったくない場合は、この記事の8ブロックをそのまま採用するのが安全です。指定がないからといって形式を軽く見ると、構成の甘さがそのまま評価に響きます。目安として、白紙指定のときはA4で1〜2枚、字数にして2,000〜4,000字程度を一つの基準にすると、多くの研究科で過不足のない分量になります。ただし、これは一般的な目安であり、適切な分量は大学・研究科により異なりますので、志望先の過去の傾向や研究室訪問で得た情報も踏まえて判断してください。研究室訪問で指導予定の教員に直接確認できる場合は、望ましい分量や重視される観点を尋ねておくと、テンプレートの使い方が定まります。研究室訪問の進め方は研究室訪問の完全ガイドにまとめています。

様式パターン別の使い分け早見表

どのパターンに当たるかを判断するには、募集要項の該当箇所を丁寧に読む必要があります。確認すべきなのは、様式ファイルの配布があるか、字数や枚数の指定はあるか、文字サイズや余白の指定はあるか、提出形式はデータか紙か、という点です。これらは募集要項の「出願書類」や「提出物」の欄に書かれていることが多く、見落とすと形式点を落とす原因になります。要項に書かれていない部分は自分で判断してよい部分ですが、判断に迷う場合は出願前に大学院の窓口へ問い合わせるのが確実です。三つのパターンの使い分けを一覧にすると、次のとおりです。提出前に、自分がどのパターンに当たるかを募集要項で確認してから、テンプレートの使い方を選んでください。

様式パターンテンプレートの使い方最優先する点
所定様式あり8ブロックの考え方で各欄を埋める欄構成・字数枠・体裁を厳守
枠だけ指定(自由様式)8見出しをそのまま使い字数配分指定字数・枚数に収める
指定なし(白紙)8ブロックをそのまま採用2,000〜4,000字を目安に構成
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Word・PDFで提出するときの体裁の整え方

内容が整っても、ファイルの体裁が崩れていると印象が落ちます。研究計画書は多くの場合Wordで作成し、PDFに変換して提出します。ここでは、テンプレートを実際の提出物に仕上げるときの、文書の体裁面での注意点を整理します。細かなルール(フォント指定や余白の数値など)は募集要項に書かれていることがあるため、まずは要項の記載を確認し、記載がない部分をここの目安で補ってください。

Wordで作るときの基本設定

研究計画書の体裁は、内容を邪魔しない「地味で読みやすい」状態が理想です。凝ったデザインや色文字は不要で、むしろ悪印象につながることがあります。学術的な文書として、余計な装飾のない端正な見た目を目指してください。以下に、Wordで研究計画書を作るときの、汎用的に無難な設定を挙げます。指定がある場合は必ずそちらを優先してください。

  • 用紙・余白:A4縦。余白は上下左右を標準(25mm前後)にすると、詰め込みすぎず読みやすい。
  • フォント:本文は明朝系(游明朝・MS明朝など)を10.5〜11ポイント。見出しはゴシック系で少し大きくすると区別がつく。
  • 行間:やや広め(1.15〜1.5倍相当)にして、読み手が目で追いやすくする。
  • 見出し:番号付き(1./2.)や太字で階層を示し、どこに何が書いてあるか一目で分かるようにする。
  • 氏名・受験番号:様式で位置が指定されていればそれに従い、指定がなければ1枚目の冒頭に書く。

PDF変換と提出前の最終確認

提出はPDF指定であることが多く、Wordのまま送ると相手の環境でレイアウトが崩れる恐れがあります。必ずPDFに書き出し、書き出した後のPDFを開いて、見た目が意図どおりかを目で確認してください。とくに、表やスケジュールが途中で改ページされて分断されていないか、文字化けや余白の乱れがないかを見ます。ファイル名も、指定がなければ「研究計画書_氏名」のように中身が分かる形にしておくと、受け取る側が扱いやすくなります。手書き・郵送が指定される大学院もありますので、提出方法(データか紙か、アップロードか郵送か)も要項で必ず確認してください。

読みやすさを左右する細部の整え方

体裁で差がつくのは、実は大きな設定よりも細部です。同じ内容でも、次のような点に気を配ると、採点者にとって格段に読みやすくなります。第一に、一段落を長くしすぎないこと。一つの段落が10行を超えると、どこに要点があるか追いにくくなります。ブロックの切れ目や論点の変わり目で段落を分けてください。第二に、専門用語や略語は初出でひらいて説明すること。あなたには当たり前でも、専門が少し違う採点者には伝わらないことがあります。第三に、研究スケジュールを載せる場合、文章でだらだら書くより、時期と作業を対応させた簡潔な一覧にすると一目で伝わります。ただし、様式やファイル形式によっては表組みが崩れやすいので、PDF化後の見た目を必ず確認してください。第四に、数値や年号、固有名詞(研究者名・理論名・機関名)は、変換ミスがないか単独で見直すこと。こうした固有名詞の誤りは、内容以前に「詰めが甘い」という印象を与えます。細部の一つひとつは小さくても、積み重なると全体の信頼感を大きく左右します。

体裁チェックリスト

提出直前に、次の項目を一つずつ確認してください。内容の見直しとは別に、体裁だけを通しで点検すると、うっかりミスを防げます。

  • 募集要項の様式・字数・枚数・提出形式(PDF/紙)の指定に合っているか
  • 氏名・受験番号・出願する専攻名の記載に漏れがないか
  • 指定フォント・文字サイズ・余白の指定があれば従っているか
  • 表やスケジュールが改ページで分断されていないか
  • 参考文献の形式が本文と対応し、体裁がそろっているか
  • PDFに変換した状態で、レイアウトの崩れや文字化けがないか
  • 誤字脱字・変換ミス・年号や数値の誤りがないか
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テンプレートをコピペするだけの危険|自分の研究への落とし込み手順

ここは、この記事でもっとも強調したいところです。テンプレートは骨格を素早く用意するための道具であって、空欄を埋めれば合格水準になる魔法ではありません。テンプレートの文型をそのまま残したまま、中身だけ最小限に差し替えた計画書は、採点者にとって「どこかで見た型」に映り、あなた固有の研究が見えてきません。ここでは、テンプレ利用でやりがちな失敗と、それを避けて自分の研究へ落とし込む手順を示します。

テンプレをそのまま出すと起きる失敗

コピペ止まりの研究計画書によく現れる問題を挙げます。自分の下書きに当てはまっていないか、見直しの観点として使ってください。

  • 型の文言が残る:「〈対象〉における」といった穴埋めの痕跡や、一般論的な言い回しがそのまま残り、内容が抽象的になる。
  • 先行研究が薄い:テンプレートの「〜は〜を明らかにした」という枠だけ埋め、実際には具体的な文献を読み込んでいないため、批評が浅い。
  • 問いと方法がずれる:目的の欄は立派でも、方法がその問いに答える手順になっておらず、テンプレの各欄が独立してしまう。
  • 志望先と噛み合わない:どの大学院にも出せそうな汎用的内容で、その研究室で研究できる理由が読み取れない。
  • 面接で説明できない:自分で組み立てていないため、口頭試問で「なぜこの方法なのか」と問われると答えに詰まる。

とくに最後の点は見落とされがちです。研究計画書は提出して終わりではなく、多くの大学院で面接・口頭試問の土台になります。書類は通っても、そこに書いたことを自分の言葉で説明できなければ、面接で評価を落とします。テンプレートで作った文章を、口に出して説明できる状態まで自分のものにしておくことが、書類対策と面接対策をつなぐ鍵になります。

自分の研究へ落とし込む5ステップ

テンプレートを「自分の計画書」に変えるには、次の手順で進めるのが確実です。上から順に一巡すると、型の痕跡が消え、あなた固有の研究として立ち上がります。

  1. 研究目的を一文で言い切る:テンプレートの目的欄を、他人の研究では成立しない具体的な問いにする。ここが定まると全体の軸ができる。
  2. 先行研究を実際に読む:枠を埋めるためでなく、「未解明の部分」を自分の目で確かめるために、関連文献を数本読み込み、要約と課題を自分の言葉で書く。
  3. 方法を問いに合わせて具体化する:目的で立てた問いに答えられるよう、対象・データ・手法を、実行できる粒度まで細かくする。
  4. 志望先の文脈に寄せる:志望研究室の専門や設備で実現できる内容か、指導を受けられるテーマかを確認し、そこに寄せて調整する。
  5. 声に出して説明できるか確かめる:完成した計画書を見ずに、内容を口頭で説明してみる。詰まる箇所が、面接で問われて弱い箇所なので、そこを書き直す。

この5ステップのうち、特に2番と5番は、テンプレートだけでは代替できない、あなた自身の作業です。ここを飛ばすと、見た目は整っていても中身の伴わない計画書になります。時間はかかりますが、この手順を踏んだ計画書は、書類選考でも面接でも一貫して説明できる強い計画書になります。

なぜ採点者にはテンプレ止まりが見抜かれるのか、と疑問に思うかもしれません。理由は単純で、採点者は研究のプロだからです。研究テーマを絞り込んだ経験、先行研究を読んで課題を切り出した経験、方法を問いに合わせて設計した経験——それらを何度も繰り返してきた人が読めば、「実際に手を動かした痕跡があるか」はすぐに分かります。具体的には、先行研究のブロックに固有名詞や具体的な知見が出てくるか、方法のブロックに「この対象だからこの手法を選んだ」という必然性が書かれているか、といった部分に、本当に考えた跡が現れます。逆にテンプレの枠だけ埋めた文章は、どの語を別の研究に差し替えても成立してしまう「置換可能な文」になりがちで、そこが見抜かれます。ですから、落とし込みの作業では「この一文は、自分の研究でしか書けない一文になっているか」を基準に見直すと、テンプレの痕跡を効率よく消せます。

第三者の目を借りて仕上げる

自分の研究に落とし込んだあとは、第三者に読んでもらうと完成度が上がります。書いた本人には、論理の飛躍や説明不足が見えにくいためです。読んでもらう相手としては、指導を受けたい教員、研究計画書に慣れた予備校や専門の指導者、同じ分野の先輩などが考えられます。それぞれ得意な指摘の範囲が異なり、誰に頼むべきかは目的によって変わります。頼み先ごとの違いは大学院の研究計画書添削は誰に頼むべきかで整理していますので、テンプレートで骨格を作り、自分の研究へ落とし込んだあとの仕上げ段階で参考にしてください。研究計画書の書き方全体を体系的に押さえたい場合は、研究計画書の書き方を徹底解説したガイドもあわせてご覧ください。

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よくある質問(FAQ)

研究計画書のテンプレートはそのままコピペして使ってもいいですか

見出しや構成の型としてコピーして使うのは問題ありませんが、中身の文章をそのまま流用するのは避けてください。テンプレートは骨格を素早く用意するための道具であり、背景・先行研究・方法はあなた自身の研究テーマで埋める必要があります。穴埋め部分を自分の研究語彙に置き換え、面接で口頭説明できる状態まで書き込んではじめて、評価される計画書になります。

研究計画書に決まったテンプレート・様式はありますか

全国共通の決まった様式はありません。大学院ごとに、所定のフォームを配布する場合、字数や枚数だけ指定する場合、まったく指定しない場合があります。指定がない場合は、この記事で示した「研究テーマ・背景・先行研究・目的・方法・計画・成果・参考文献」の8ブロックを見出しにすれば、抜けのない構成になります。まずは志望先の募集要項で様式指定の有無を確認してください。

研究計画書は何文字くらい書けばよいですか

大学院によって幅があり、2,000字程度から8,000字を超えるものまであります。字数指定がある場合はそれに従い、「○○字程度」なら前後1割ほどの幅に収めるのが無難です。指定がない場合は、A4で1〜2枚、2,000〜4,000字程度が一つの目安になります。ただし適切な分量は大学・研究科により異なりますので、募集要項でご確認ください。

テンプレートのどのブロックに一番字数を割くべきですか

研究の背景と研究方法に重心を置くのが基本です。目安として、背景に25〜30%、方法に25〜35%を配分し、目的・先行研究・計画で残りを埋めると、計画として引き締まって見えます。特に研究方法が薄いと「実行できるか分からない研究」と受け取られやすいため、対象・データ・手法を具体的に書き込んでください。ただし、これは出発点の目安です。新しい手法を提案する研究なら方法を、理論の空白を突く研究なら先行研究と背景を厚くするなど、研究の性質に応じて重心を動かしてかまいません。

研究計画書はWordとPDFのどちらで提出すべきですか

提出形式は募集要項で指定されることが多く、PDF指定が一般的です。Wordで作成し、提出前にPDFへ書き出して、レイアウトの崩れや文字化けがないかを確認してから提出してください。手書きや郵送を求める大学院もありますので、データ提出か紙提出か、アップロードか郵送かも必ず要項で確認しましょう。

まだ研究テーマが決まっていなくてもテンプレートを埋められますか

テーマが固まっていないと、タイトルと研究目的の欄で必ず手が止まります。テンプレートを埋める前に、まず研究テーマを一言で言える状態にすることをおすすめします。順序としては、興味のある領域から先行研究を数本読み、「まだ分かっていないこと」を見つけ、そこを問いに変える、という流れでテーマが定まっていきます。テーマ設定で悩んでいる場合は、決め方や相談先を扱った記事を先に読んで、テーマを絞ってからテンプレートに戻るのが効率的です。

文系と理系でテンプレートの構成は変わりますか

8ブロックという骨格は文系・理系で共通ですが、研究方法の中身の書き方が大きく異なります。文系では調査対象・資料・分析枠組みを、理系では実験計画・測定・解析手順を具体的に書きます。骨格は共通のテンプレートを使い、方法のブロックだけ分野に合わせて書き分けると考えてください。分野別の完成例は、文系・理系それぞれの例文記事で確認できます。

テンプレートで作った研究計画書は誰かに添削してもらうべきですか

できれば第三者に読んでもらうことをおすすめします。書いた本人には論理の飛躍や説明不足が見えにくく、他者の指摘で完成度が上がるためです。指導を受けたい教員、専門の予備校や指導者、同分野の先輩などが候補になり、それぞれ得意な指摘の範囲が異なります。誰に頼むかは目的に応じて選ぶとよいでしょう。提出前に一度でも他者の目を通すと、独りよがりな説明や専門用語の説明不足に気づけます。

まとめ|テンプレートは型、中身は自分の研究で埋める

研究計画書のテンプレートは、書き始めの負担を大きく減らしてくれる有効な道具です。何を、どの順番で書けばよいかで悩む時間がなくなるだけでも、白紙に向き合う心理的なハードルは大きく下がります。ただし、それはあくまで「型」であり、評価される計画書になるかどうかは、その型をどれだけ自分の研究で埋めきれるかにかかっています。テンプレートは合格を約束するものではなく、あなたが本来かけるべき労力を中身に集中させるための土台です。この記事の要点を、最後に整理します。

  • 研究計画書の骨格は「研究テーマ・背景・先行研究・目的・方法・計画・成果・参考文献」の8ブロックで、この順に並べれば抜けのない構成になる。
  • 見出しはそのままコピーして使え、各ブロックの記入ガイドと穴埋めの文型に沿えば、下書きを一気に埋められる。
  • 字数は背景と方法に重心を置き、指定字数に比率を掛けて各ブロックの目標字数を決めると配分を誤らない。
  • 様式は「所定様式・枠だけ指定・指定なし」の三つに分かれ、パターンごとにテンプレートの使い方を変える。
  • 提出はPDF化して体裁を最終確認し、様式・字数・提出形式の指定に合っているかをチェックリストで点検する。
  • テンプレをコピペするだけでは中身が薄く、面接で説明できない。先行研究を実際に読み、方法を問いに合わせ、声に出して説明できる状態まで落とし込む。
  • 仕上げは第三者に読んでもらい、論理の飛躍や説明不足を潰してから提出する。

テンプレートで骨格を作ったら、あとは先行研究を自分の目で読み、研究方法を実行できる粒度まで具体化し、志望研究室の文脈に寄せていく——この地道な作業こそが、他の受験生と差がつくところです。テンプレートは、その作業に集中するための時間を作ってくれる出発点だと考えてください。焦って一気に完成させようとせず、まず目的を一文で言い切り、次に先行研究を読み込み、そこから方法を組み立てる、という順で少しずつ精度を上げていくのが、結果的にいちばん近道になります。書いては読み返し、第三者の目を借りて直す。この往復を数回繰り返すうちに、テンプレの痕跡は消え、あなたにしか書けない計画書になっていきます。

項目ごとのくわしい書き方や分野別の完成例文は、この記事からリンクした各記事に用意しています。骨格をこの記事で作り、中身を各記事で磨くという流れで進めると、迷いなく仕上げられます。研究計画書は、大学院入試の中でもとりわけ準備に時間のかかる書類ですが、型が手元にあれば最初の一歩は確実に踏み出せます。まずはこの記事のテンプレートをコピーして、空欄をひとつずつ埋めることから始めてみてください。独学での研究計画書づくりや、面接で説明できる状態まで持っていくことに不安がある場合は、大学院入試対策コースのように、研究計画書の作成から面接対策まで一貫して見てもらえる専門の指導を活用するのも一つの方法です。

無料相談でプロ講師があなた専用の合格プランを提案(LINEで簡単30秒・志望校未定でもOK)

この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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