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埼玉大学のMBA(経済経営系大学院)を徹底解説|出願資格・入試科目・学費・難易度

埼玉大学の経済経営系大学院は、大学院人文社会科学研究科の経済経営専攻と国際日本アジア専攻 日本アジア経済経営コースを両輪とする大学院の通称で、平日夜間・土曜日に通学できる社会人向けの経営系大学院です。経済経営専攻では修士(経済学)または修士(経営学)のいずれかの学位を、国際日本アジア専攻日本アジア経済経営コースでは修士(経済学)を修得でき、いわゆる欧米型のケーススタディ中心のビジネススクールとは異なり、自らの実務経験を土台に研究テーマを設定し、理論と分析を積み上げていく研究型の経営系大学院という性格を持っています。
本記事は「埼玉大学 MBA」「埼玉大学 経済経営系大学院」と検索して情報を探している社会人・大学生の方向けに、2027年度学生募集要項をもとに出願資格・入試科目・学費・難易度を整理したものです。埼玉大学の経済経営系大学院は東京都心の秋葉原駅周辺のサテライト教室と、さいたま市桜区の本キャンパスの2拠点で授業が行われ、平日の勤務終了後や土曜日でも通学しやすい時間割が組まれている点が大きな特徴です。専門筆記試験を課さず、研究計画書と面接を中心に選考する点も、他の国立大学のMBA・経営系大学院と比べて独自色の強い部分です。
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「埼玉大学 MBA」という検索語からは経営学修士(MBA)そのものを想起する方が多いと思いますが、実態としては経済学・経営学・会計学・法学・政治学・行政学・公共政策という複数の専門分野を横断的にカバーする社会科学系大学院である点も押さえておきたいポイントです。取得できる学位は修士(経済学)または修士(経営学)であり、狭い意味での「MBA」という学位名称そのものではありません。この違いを理解したうえで志望校を検討することが、入学後のミスマッチを避けるうえで重要になります。
結論からお伝えすると、埼玉大学の経済経営系大学院は2027年度も学生募集を継続中で、募集停止や大幅な組織改編の情報は確認できませんでした。ただし専攻の構成や出願資格の区分がやや複雑で、社会人入試の要件や研究計画書の書き方を誤解したまま出願準備を進めてしまうケースも少なくありません。特に、専門科目の筆記試験がないことを「対策不要」と誤解してしまうと、書類審査の段階でつまずくリスクが高まります。本記事では最新の募集要項に基づき、募集人員・出願資格・入試科目・学費・倍率・対策のポイントまでを網羅的に解説します。なお本記事に記載の年次・人数・金額等の数値は執筆時点で確認できた2027年度募集要項に基づくものであり、変更される可能性があるため、出願前には必ず最新の学生募集要項でご確認ください。
スプリング・オンライン家庭教師では、こうした社会人向け大学院入試における研究計画書の設計や面接対策を専門講師とともに進める指導を行っています。まずは埼玉大学の経済経営系大学院がどのような大学院で、どのような人に向いているのかを具体的に見ていきましょう。
埼玉大学の経済経営系大学院とは|プログラムの概要と特徴
埼玉大学の経済経営系大学院は、大学院人文社会科学研究科に置かれる経済経営専攻と、国際日本アジア専攻 日本アジア経済経営コースの総称です。人文社会科学研究科にはこのほか国際日本アジア専攻日本アジア文化コースと文化環境専攻からなる「学際系」、ダイバーシティ科学専攻(修士課程)がありますが、経済学・経営学・会計学分野を扱うのが経済経営系大学院という位置づけです。経済経営専攻は修士(経済学)・修士(経営学)のいずれかの学位を、国際日本アジア専攻日本アジア経済経営コースは修士(経済学)の学位を対象とします。
最大の特徴は、社会人が働きながら通いやすいように設計された開講形式です。授業は東京都千代田区・秋葉原駅周辺のサテライト教室と、さいたま市桜区の本キャンパスの2拠点で行われ、いずれも平日夜間と土曜日を中心に時間割が組まれています。フルタイムで働く社会人が、勤務終了後にそのまま授業へ参加できる立地・時間帯が確保されている点は、通学負担を重視する受験生にとって重要な判断材料になります。都心のオフィス街からアクセスしやすい秋葉原周辺での開講は、通学時間を最小限に抑えたい社会人にとって特に大きなメリットといえるでしょう。
入学後のプログラムは3種類に分かれています。1つ目は主指導・副指導の2名体制で研究を進め修士論文を作成する「修士論文作成プログラム」、2つ目はコースワークに重点を置き、経済学・経営学の専門知識を体系的に修得したうえで修士論文の代わりに課題レポート2本の提出で修了する「課題研究プログラム」、3つ目は博士後期課程への進学を見据える社会人向けにリサーチワークを重視した「インテンシブプログラム」です。国際日本アジア専攻日本アジア経済経営コースは、このうち修士論文作成プログラムと課題研究プログラムの2つで構成されています。
入試の段階では「研究能力」と「研究テーマの明確性」の2つの観点で合否を判定し、研究能力が合格レベルに達した人は課題研究プログラムに参加でき、両方の観点で合格レベルに達した人は修士論文作成プログラムと課題研究プログラムを自分で選択できる仕組みになっています。反対に、課題研究プログラムから修士論文作成プログラムへの入学後の変更は認められていないため、どちらのプログラムで学びたいかは出願段階からある程度イメージしておくことが望ましいといえます。
専任教員の研究領域も経済学・経営学の広い範囲をカバーしており、募集要項には経営戦略論・経営組織論・マーケティング論・財務会計論・管理会計論・コーポレートファイナンス・労働経済論・金融論・国際経営戦略・数理統計学など、実務家が関心を持ちやすいテーマの専門教員が名を連ねています。研究計画書では、これら教員リストの中から主指導を希望する教員を選び、その理由を具体的に示すことが求められる点も特徴の一つです。
| 研究領域(例) | 実務との接点の例 |
|---|---|
| 経営戦略論・経営組織論 | 事業戦略の立案、組織改革・人材マネジメントの実務経験 |
| マーケティング論・国際マーケティング論 | 商品企画・販促施策の効果検証、海外市場展開の実務経験 |
| 財務会計論・管理会計論・コーポレートファイナンス | 経理・財務・IR業務、資金調達や投資判断の実務経験 |
| 労働経済論・雇用関係論 | 人事・労務、採用・人材育成に関する実務経験 |
| 金融論・数理統計学・数理ファイナンス | 金融機関でのリスク管理・商品設計の実務経験 |
| 財政学・地方財政論・公共政策 | 官公庁・地方自治体での政策立案・予算編成の実務経験 |
上記はあくまで募集要項に掲載された専任教員リストから読み取れる研究領域と実務経験の対応関係の一例であり、実際に主指導を希望する教員を選ぶ際は、埼玉大学研究者総覧で各教員の詳しい業績・専門分野を確認したうえで検討することが推奨されます。
どのような社会人に向いているかという観点で見ると、経済経営系大学院は「業務で感じた課題を、理論やデータで裏付けながら体系的に整理し直したい」というタイプの学び直しに相性の良い大学院だといえます。たとえば人事・労務の実務経験を労働経済論の枠組みで分析したい、マーケティング施策の効果を計量的に検証したい、地方自治体の政策立案に財政学や地方財政論の知見を取り入れたいといった、実務課題と学問領域が具体的に結びついている人ほど、研究計画書を書き進めやすい設計になっています。逆に、経営全般の知識を体系的に一通り学び直したいだけという場合は、後述する専門職大学院型のMBAと比較検討したうえで志望校を決めることをおすすめします。
募集要項には「入学後のプログラムについて」という項目があり、経済経営専攻は3プログラム、国際日本アジア専攻日本アジア経済経営コースは2プログラムという構成が明記されています。入学後にどちらのコースへ進むかは、書類審査・面接での「研究能力」「研究テーマの明確性」の評価結果に応じて決まる仕組みのため、出願時点でプログラムを自由に選択できるわけではない点は理解しておく必要があります。
社会人が「修士論文作成プログラム」と「課題研究プログラム」のどちらを志望するか迷う場合、判断材料になるのは修了後に求める成果の性質です。修士論文の作成には主指導教員との継続的なやり取りと、独自性のある研究成果をまとめ上げる粘り強さが求められる一方、課題研究プログラムは基礎科目・専門科目の体系的な履修に重心を置き、課題レポート2本の提出で修了できる分、仕事との両立を優先したい社会人にとって現実的な選択肢になり得ます。博士後期課程への進学や、学会発表・論文投稿を見据えて研究実績を積みたい場合は、リサーチワークを重視するインテンシブプログラム(経済経営専攻のみ設置)を検討する価値があるでしょう。いずれのプログラムを志望する場合も、出願段階の書類審査・面接では「研究能力」「研究テーマの明確性」の両方が評価対象になるため、志望するプログラムに応じて研究計画書の書き方の重心を変えておくことが望ましいといえます。
募集人員・出願資格(実務経験年数等)
2027年度募集要項によると、募集人員は経済経営専攻が19名、国際日本アジア専攻が34名(日本アジア経済経営コースと日本アジア文化コースの合計)とされています。国際日本アジア専攻については経済経営系コースと学際系コースの合計人数のみが公表されており、日本アジア経済経営コース単独の募集人員は明示されていないため、詳しい内訳は最新の学生募集要項でご確認ください。専攻名に「経済経営」という名称が入っていない国際日本アジア専攻も、コース選択によって経済経営系の学位取得が可能な点は見落とされやすいので、志望専攻を検討する際には両専攻の違いを整理しておくとよいでしょう。
| 専攻 | 募集人員 | 取得できる学位 |
|---|---|---|
| 経済経営専攻 | 19名 | 修士(経済学)または修士(経営学) |
| 国際日本アジア専攻 日本アジア経済経営コース | 34名(日本アジア文化コースと合算) | 修士(経済学) |
出願資格の基本条件は、日本の大学を卒業した者・卒業見込みの者、大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された者、外国において16年の学校教育課程を修了した者など、一般的な大学院出願資格①~⑧のいずれかに該当することです。加えて大学に3年以上在学し優れた成績を修めたと研究科が認める者などを対象とした⑨~⑭の個別審査枠もありますが、こちらは個別の出願資格審査(書類提出・自書論文7,000字以上等)が必要になるため、該当する場合は早めに研究科へ確認することをおすすめします。
入試区分は一般入試・社会人入試・外国人留学生入試・外国人留学生推薦特別入試・学内推薦特別入試・英語による教育プログラム特別入試の6区分です。このうち社会人入試の出願資格は、出願時点の資格を満たした上で、2027年3月31日現在、公的機関・民間企業・非営利組織(NPO等)において社会人として2年以上の経験がある者と定められています。アルバイトやインターンシップ等の就業経験は実務経験としてカウントされない点に注意が必要です。また社会人入試での出願にあたっては、研究計画と社会人としての経験との密接な関連性があることが前提とされており、研究計画書にその実務経験の内容を具体的に記述することが求められます。2年以上の社会人経験がない人は自動的に一般入試の対象となり、一般入試・社会人入試いずれの区分でも専門筆記試験は課されません。
学内推薦特別入試は、5年一貫教育制度で大学院進学を計画する埼玉大学経済学部生のうち、卒業見込みで演習指導教員の推薦書を提出できる者が対象です。外国人留学生については、出願資格に加えて日本語能力試験1級・N1相当の合格、または日本留学試験の「日本語」で読解・聴解聴読解の合計240点以上かつ記述30点以上を満たす必要があります(日本の大学卒業者等は除く)。海外の大学出身者や複数の在留資格に関わる要件は個別性が高いため、該当する方は最新の学生募集要項および研究科支援室への確認をおすすめします。
基本の出願資格①~⑧をもう少し詳しく見ると、①日本の大学卒業者・卒業見込み者、②大学改革支援・学位授与機構による学士の学位授与者、③外国において16年の学校教育課程を修了した者、④外国の学校の通信教育を我が国で履修し16年課程を修了した者、⑤文部科学大臣指定外国大学日本校の課程修了者、⑥外国の大学等で修業年限3年以上の課程を修了し学士相当の学位を得た者、⑦文部科学大臣指定の専修学校専門課程修了者、⑧防衛大学校・海上保安大学校・気象大学校等の各省大学校修了者、という構成です。大卒者の大半は①でそのまま出願資格を満たせますが、短大・高専・専修学校専門課程出身者などは⑨~⑭の個別審査枠に該当するかどうかを事前に確認しておく必要があります。
⑨~⑭の個別審査枠のうち、大学に3年以上在学した者を対象とする⑨~⑬については、出願時点で大学3年次に在学し入学時点で在学期間が3年間に達すること、3年次前期終了時点で4.0スケールのGPAが3.0以上であることという2条件をいずれも満たす必要があります。この枠で合格した場合、学部学生としての身分は退学扱いとなり、学部卒業を要件とする各種資格の受験資格を失う点は十分に注意すべき重要な条件です。個別審査を希望する場合は、入学試験出願資格個別審査申請書・成績証明書・在籍証明書・受験承諾書に加え、志望分野に関連する自書論文(日本語で7,000字以上)を、通常の出願期間より前の指定期間内に郵送で提出する必要があります。
実際に社会人受験生からの相談で多いのは、「社会人経験2年以上」の起算日をどう考えればよいかという点です。募集要項では2027年3月31日現在の経験年数で判定される旨が明記されているため、出願時点でぎりぎり2年に達していない場合でも、入学予定年度の3月末までに2年以上の経験に達する見込みであれば社会人入試の対象になり得ます。ただし、公的機関・民間企業・非営利組織における就業経験に限られ、アルバイト・インターンシップ等は除外される点、また複数の職歴を通算できるかどうかなど細かな判断が必要になる場合は、出願前に研究科支援室へ直接確認しておくと安心です。
出願資格の判定でもう一つ迷いやすいのが、社会人経験の「業種・職種」に条件があるかどうかです。募集要項を見る限り、社会人経験として認められる分野を経済・経営に関連する業種に限定する記載はなく、公的機関・民間企業・非営利組織であれば業種を問わず対象になり得ると読み取れます。ただし研究計画書では、その実務経験と研究テーマとの関連性を具体的に説明することが前提となるため、異業種からの出願であっても、自分の職務内容のどの部分を経済学・経営学の理論的枠組みに接続できるかを整理しておくことが出願準備の出発点になります。転職や部署異動を経ている場合は、複数の職歴のうちどの経験を研究計画の中心に据えるかを早めに絞り込んでおくと、研究計画書要旨の作成もスムーズに進められるでしょう。
入試科目と選考方法|小論文・面接・研究計画書
埼玉大学の経済経営系大学院の入試で特徴的なのは、専門科目の筆記試験が課されないという点です。募集要項の「出題内容」欄には、経済学・経営学・会計学・法学・政治学・行政学・公共政策のいずれの専門分野についても、内容は「研究計画書等に基づく書類審査及びその合格者に対する面接試験」とのみ記載されています。つまり選考の中心は研究計画書を含む提出書類の審査と、それに合格した人だけが進める面接試験の2段階です。
提出書類等審査では、大学学部レベルでの学修経験(社会人の場合はこれまでの実務経験)によって研究計画を遂行できる十分な学術的知見・研究能力を有しているか、研究計画が明確で十分な実行可能性を有しているかという2つの視点で審査されます。この審査に合格した人にのみ、面接試験の日時が案内される仕組みです。書類審査の合否結果は、面接試験のおおむね1週間前までに郵送で通知されます。
提出書類の中核となる研究計画書は、日本語で4,000字程度にまとめる所定様式(Word)で、研究テーマの概要・具体的な説明・入学後の研究計画・学術実務上の実績の4項目で構成されます。研究テーマの具体的な説明では、テーマを選ぶ理由や研究の意義、立てる仮説、使用するデータや分析手法まで踏み込んで記述する必要があります。入学後の研究計画では、標準2年間の在学期間でどのようなタイムテーブルで研究を進めるかを順序立てて説明することが求められます。
学術・実務上の実績の項目では、大学学部等でこれまで履修した科目や自主学習で学んだ内容に加え、社会人入試枠の受験生は研究計画と関連する実務経験、そこから得た知見を具体的に記述する必要があります。さらに研究計画書の中で「研究科教員(経済経営系)の主な研究領域」の教員リストから主指導を希望する教員を選び、その理由も示さなければなりません。これに加えて研究計画書(ア)~(エ)の要旨をA4判1枚にまとめた「研究計画書要旨」も別途提出が必要です。
面接試験では、この研究計画書に基づいて研究能力と研究テーマの実現可能性・明確性の2つの観点から採点が行われます。募集要項には、他人の文章のコピーを提出するといった不正行為には厳正に対処する旨や、参考文献の明示・引用箇所の明示など学術論文としての形式面のルールを守るよう明記されており、研究計画書は単なる志望動機文ではなく学術文書として作成する意識が求められます。専門科目の筆記対策よりも、実務経験を先行研究や理論的枠組みに接続して説明する研究計画書の完成度が、合否を左右する最大のポイントといえるでしょう。
提出書類は入試区分によって異なりますが、共通して必要になるのは志願票・研究計画書・研究計画書要旨・受験票及び写真票・検定料の収納証明書貼付用紙・受験票返送用封筒・出願書類チェックリストです。これに加えて一般入試・社会人入試・外国人留学生入試では出身大学の卒業(見込)証明書と成績証明書、学内推薦特別入試・外国人留学生推薦特別入試では推薦書、外国人留学生入試・外国人留学生推薦特別入試では在留カードの写しや日本語能力試験・日本留学試験の成績が必要になる場合があります。書類ごとに提出方法がメールと郵送で分かれているため、募集要項添付のチェックリストを使って過不足なく準備することが重要です。
試験会場は埼玉大学内で実施され、詳細は提出書類等の審査結果合格通知に同封される「受験案内」で案内される仕組みです。書類審査の段階で不合格となった場合は面接試験に進めないため、研究計画書を含む提出書類の完成度を出願期間内にどこまで高められるかが、実質的な最初の関門になります。面接試験の具体的な時間は、書類審査結果の合格通知の中で個別に案内される形式のため、通知が届いてから面接当日までの間に、想定質問への回答を整理し直す時間を見込んでおくとよいでしょう。
専門筆記試験を課さない選考方式は、経済学・経営学・会計学・法学・政治学・行政学・公共政策という複数の専門分野を横断的に扱う研究科であることとも関係していると考えられます。単一の専門科目の到達度で受験生を序列化するのではなく、それぞれの受験生が持ち込む実務経験・問題意識と、志望する専門分野の理論的枠組みをどれだけ結びつけられているかを見る選考設計だといえるでしょう。裏を返せば、経済学・経営学いずれか一方の知識だけを詰め込んでも合否には直結しにくく、自分の研究テーマに関連する分野を横断的に押さえておく学習姿勢が、書類審査・面接の両方で評価されやすいと考えられます。
入試日程・出願スケジュール
2027年度入試は、第1回入試と第2回入試の年2回の実施です。第1回入試の出願期間は2026年7月9日(木)~7月21日(火)必着で、試験日は原則2026年10月3日(土)、志願者が多い場合は10月4日(日)も含めた2日間のうちの指定日となります。最終合格者発表は2026年10月16日(金)14時(予定)です。
| 区分 | 第1回入試 | 第2回入試 |
|---|---|---|
| 出願期間 | 2026年7月9日(木)~7月21日(火)必着 | 2026年11月9日(月)~11月20日(金)必着 |
| 試験日(面接) | 2026年10月3日(土)、多数時は10月4日(日) | 2027年2月6日(土)・8日(月)、多数時は2月7日(日)も |
| 合格発表 | 2026年10月16日(金)14時(予定) | 2027年2月26日(金)14時(予定) |
| 入学手続締切 | 2026年11月24日(火)必着 | 2027年3月12日(金)必着 |
第2回入試の出願期間は2026年11月9日(月)~11月20日(金)必着で、試験日(面接)は原則2027年2月6日(土)・8日(月)のいずれか1日、志願者多数の場合は2月7日(日)を加えた3日間のうちの指定日です。ただし社会人入試の出願者は原則2月6日(土)に実施される点は覚えておく必要があります。合格発表は2027年2月26日(金)14時(予定)で、合格者の受験番号は研究科ホームページ上でのみ発表され、掲示は行われません。
出願資格⑨~⑭(大学3年次在学中の飛び入学的な出願等)で出願を予定している場合は、上記の一般的な出願期間より前に、個別の出願資格審査の申請が必要です。第1回入試向けの申請期間は2026年6月22日(月)~6月26日(金)必着、第2回入試向けは2026年10月5日(月)~10月9日(金)必着で、いずれも郵送のみの受付です。該当する場合は通常の出願準備よりも早い段階からのスケジュール管理が欠かせません。
社会人の場合、第1回入試と第2回入試のどちらを選ぶべきか迷うケースも多いと思います。第1回入試は出願が7月、面接が10月と比較的早い時期に合否が決まるため、翌年度4月からの就学を早めに確定させたい人に向いています。一方、第2回入試は出願が11月、面接が2月で、研究計画書の完成度を高める時間を確保したい人や、業務の繁忙期を避けて出願準備を進めたい人に向いています。いずれの回も、研究計画書の作成には一定の準備期間が必要になるため、出願期間の1~2ヶ月前には構想を固め始めることをおすすめします。
入学検定料は30,000円で、コンビニエンスストア(ローソン・ミニストップ・セブン-イレブンのマルチコピー機等)からの払い込みが必要です。出願期間を過ぎると受付できないため、期間前でも早めに払い込みを済ませておくことが推奨されています。志願票・研究計画書・研究計画書要旨はExcel・Word所定様式のままメールでの提出、その他の書類は郵送(レターパックまたは簡易書留)となっており、メールと郵送の両方を不備なく完了しないと出願が認められない点は特に注意すべきポイントです。
身体等に障がいがあり受験上・修学上の配慮を必要とする場合は、出願に先立って研究科支援室大学院係へ事前相談の申請を行う必要があります。申請書と医師の診断書(発行後6ヶ月以内)を提出し審査を受ける仕組みで、申請書提出時期の目安は第1回入試が2026年8月24日(月)、第2回入試が11月26日(木)とされていますが、それ以降でも対応可能な場合があるため、該当する方は早めに相談しておくことが推奨されます。また出願手続後に住所・電話番号・メールアドレスに変更があった場合は、速やかに研究科支援室大学院係へ連絡する必要があります。
不合格になった場合、受験者本人に限り書類審査及び面接試験(該当者のみ)の得点について入試情報の開示を請求できます。2027年度入試では、開示請求期間は2027年5月10日(月)~5月14日(金)で、申請書・返信用封筒・受験票を同封して郵送する方式です。不合格の理由を客観的に把握したい場合に活用できる制度として押さえておくとよいでしょう。
年2回の入試機会があるとはいえ、第1回・第2回のどちらの回で出願するかによって、研究計画書の作成に充てられる準備期間は大きく変わります。第1回入試を狙う場合、出願は7月上旬から中旬で、実質的な準備期間は春先から出願締切までの数ヶ月間に限られるため、年度初めの繁忙期と準備期間が重なりやすい職種の人は早めに着手する必要があります。第2回入試であれば出願は11月ですが、その分だけ研究計画書のブラッシュアップに時間をかけられる一方で、年末年始の業務繁忙とも重なりやすく、結局のところどちらの回を選んでも「実務が落ち着いている時期に研究計画書の骨子を固めておく」という準備の考え方自体は変わりません。
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(費用は一切かかりません)
学費・奨学金・教育訓練給付制度
2027年度募集要項によると、入学料は282,000円(予定額)、授業料は半期321,480円(年額642,960円、予定額)です。在学中に授業料改定が行われた場合は改定時から新授業料が適用される可能性があるほか、入学時には学生教育研究災害傷害保険料などの諸経費も別途必要になる場合があります。国立大学の標準的な水準に準じた学費設定であり、私立大学のビジネススクールと比べて学費負担を抑えやすいのが埼玉大学の経済経営系大学院の特徴の一つです。標準修業年限の2年間で修了した場合、入学料282,000円と2年分の授業料642,960円×2年を合わせた総額はおおむね157万円前後(予定額ベース)が目安になりますが、長期履修学生制度の利用や授業料改定の有無によって実際の負担額は変わるため、あくまで概算として捉えてください。
| 費目 | 金額(予定額) |
|---|---|
| 入学料 | 282,000円 |
| 授業料(年額) | 642,960円(半期321,480円) |
| 入学検定料 | 30,000円 |
経済的理由等で入学料・授業料の納入が著しく困難と認められる場合には、選考のうえ免除または徴収猶予する制度があるとされていますが、具体的な免除基準や申請方法は合格者に個別に案内される仕組みのため、詳細は合格後の案内または最新の学生募集要項でご確認ください。
働きながら標準修業年限の2年間での修了が難しい場合は、「長期履修学生制度」を利用できます。これは修業年限を最長4年まで延長し、通常2年間で納める授業料の総額を、認められた在学期間で按分して各年度に納付する制度です。在学中に支払う授業料の総額は通常と同額ですが、1年あたりの負担額を抑えられるため、繁忙期のある職種や家事・育児・介護等の事情を抱える社会人にとって現実的な選択肢になります。入学手続時の申請のほか、入学後2年次になる時点(2028年2月末日までの申請)でも認められる場合がありますが、入学後の申請では支払う授業料の総額が増額となる点には注意が必要です。
たとえば標準修業年限2年で通算642,960円(年額)の授業料を4年に延長した場合、単純計算では1年あたりの授業料負担はおおむね半分程度まで下がる計算になりますが、実際の按分方法や在学期間の設定は個別の審査で決まるため、あくまで目安として捉えてください。長期履修を希望する場合は、入学後の履修計画・研究計画のタイムラインとあわせて、入学手続きの段階から申請の要否を検討しておくとスムーズです。
大学院進学で見逃せないのが一般教育訓練給付制度の対象になっているかどうかです。埼玉大学の経済経営系大学院では、博士前期課程経済経営専攻・博士前期課程国際日本アジア専攻(日本アジア経済経営コース)・博士後期課程経済経営専攻の3講座が、厚生労働省の一般教育訓練給付制度の指定講座となっています。対象となるのは2023年度以降に指定講座へ入学した人で、入学時に雇用保険に加入して就業している、または離職後1年以内であること、保険加入期間が1年以上あることなどの条件をすべて満たし、かつ修了後に給付要件を満たす必要があります。給付率などの詳細は厚生労働省やハローワーク、大学の支援室への確認が必要になるため、制度の活用を検討している場合は出願前に条件を確認しておくと安心です。
検定料の返還についても募集要項に規定があります。検定料を払い込んだが出願しなかった場合、検定料を誤って二重に払い込んだ場合、出願時に検定料免除を申請し後日罹災証明書が提出された場合には返還請求が可能です。また学資負担者が2026年4月1日以降に災害救助法適用地域で被災し、全壊・流失・半壊の罹災証明を得られた志願者については、検定料そのものを免除する制度も設けられています。これらはあくまで例外的な措置であり、通常は一度受理された書類・検定料は返却・返還されない点が原則です。
費用面では、入学料・授業料以外に日本学生支援機構の貸与型奨学金や、金融機関の教育ローンを検討する社会人受験生もいます。国立大学の学費水準自体は私立大学のビジネススクールと比べて抑えめですが、在職中の収入減や学習時間確保に伴う機会費用まで含めて資金計画を立てておくと、入学後の生活設計にゆとりが生まれます。長期履修学生制度を利用して修業年限を延ばす場合は、年あたりの授業料負担が下がる一方で在学期間そのものは長くなるため、教育訓練給付制度による還付のタイミングとあわせて、トータルでのキャッシュフローを事前にシミュレーションしておくことをおすすめします。
倍率・難易度
埼玉大学の経済経営系大学院は、募集要項上で具体的な倍率(志願者数・合格者数)を公表していません。公表された倍率データが確認できないため、正確な数値は最新の入試結果や学生募集要項でご確認ください。そのうえで、募集要項の記載内容から難易度の傾向を整理すると、次のような特徴が見えてきます。
第一に、専門科目の筆記試験がなく、選考が研究計画書を中心とした書類審査と面接のみで行われる点です。一般的な国立大学院の入試で課される専門科目の筆記対策が不要な一方で、研究計画書の完成度そのものが合否を大きく左右する構造になっています。学部レベルの専門知識(社会人の場合は実務経験)が研究計画を遂行するのに十分かどうか、研究計画が明確で実行可能性を備えているかどうかという2つの観点で厳しく審査されるため、「筆記試験がないから入りやすい」とは言い切れない入試設計になっています。
この点は、専門科目の筆記試験で相対的な学力差が可視化されやすい他大学の経営系大学院との大きな違いです。筆記試験であれば過去問演習によって対策の方向性が比較的つかみやすいのに対し、書類審査・面接中心の選考では受験生ごとに評価の材料が異なるため、独学で「何をどこまでやれば合格ラインなのか」を把握しにくいという難しさがあります。研究計画書の完成度を第三者に客観的に評価してもらう機会を作ることが、対策の質を底上げするうえで有効です。
第二に、募集人員が経済経営専攻19名、国際日本アジア専攻(日本アジア経済経営コースと日本アジア文化コースの合計)34名と、決して大人数ではない点です。年2回の入試機会があるとはいえ、専攻単位で見れば少人数選抜であることに変わりはなく、研究計画のテーマ設定や指導を希望する教員との適合性が重視される選考である以上、志望する研究領域を担当する教員の状況によって実質的な倍率感は変動しうると考えられます。
第三に、社会人入試の対象となるためには社会人として2年以上の実務経験が必要であり、かつ研究計画と実務経験の関連性が明確に問われる点です。単に「MBAを取得したい」という動機だけでなく、自身の実務経験を学術的な研究テーマへと具体化できるかどうかが実質的な合否のボーダーラインになっていると考えられます。倍率という数字だけでなく、研究計画書の完成度と面接での説明力が難易度を決める大学院である、という理解が実態に近いといえるでしょう。
第四に、入試が年2回実施される点も難易度を考えるうえで押さえておきたいポイントです。第1回入試で不合格となった場合でも、出願資格や研究計画の内容を見直したうえで第2回入試に再チャレンジする余地があります。ただし第1回・第2回いずれも出願書類の準備には一定の時間がかかるため、「第2回があるから」と準備を先延ばしにしないことが重要です。特に社会人入試での出願を予定している場合は、実務経験と研究計画の関連性を裏付ける具体的なエピソードや資料を、早い段階から整理しておくことをおすすめします。
なお、外国人留学生および安全保障輸出管理規則上の特定類型該当者(外国政府の影響下にある居住者など)については、技術の提供や貨物の輸出の観点から入学者受け入れに関する厳格な審査が実施される旨も募集要項に明記されています。規制事項に該当すると判断された場合、合格後であっても入学が許可されなかったり、入学後の研究活動が制限されたりする可能性があるため、該当する可能性がある方は事前に大学の安全保障輸出管理規則を確認しておくことが望ましいといえます。
難易度を数字だけで語れない大学院である以上、対策の出発点は「自分の実務経験が、経済経営系大学院で扱う研究テーマとしてどこまで具体化できるか」を早期にセルフチェックすることです。研究テーマの概要を第三者に説明してみて、質問が返ってこない、あるいは的外れな質問しか出てこない場合は、テーマ設定がまだ抽象的すぎるサインと捉えるとよいでしょう。逆に、専門的な追加質問が自然に出てくるようであれば、研究計画としての具体性がある程度備わっていると判断できます。
出願書類対策(研究計画書・志望理由書)・面接対策
募集要項には「研究計画書の書き方について」という専用の解説ページが設けられており、そこには埼玉大学の経済経営系大学院が求める人物像が明確に示されています。すなわち「大学学部を卒業した後に、新たに経済経営系分野を初歩から学ぶ場ではなく、これまで学んできたことを前提に、研究課題を自ら設定し、先行研究を踏まえ、自ら仮説を立て、その検証のための理論モデルの構築やデータ分析を行い、結論を提示する研究を行う場」であるという点です。「学び直したい」という漠然とした動機だけでは不十分で、研究として成立するテーマ設定が求められます。
研究計画書の作成にあたっては、次の4つの項目を漏れなく具体的に記述する必要があります。
- 研究テーマの概要(大学院で研究したいテーマの概要)
- 研究テーマの具体的な説明(選ぶ理由・意義・仮説・使用するデータや分析手法)
- 入学後の研究計画(2年間の在学期間でのタイムテーブル)
- 研究計画を遂行する基盤となる学術・実務上の実績(履修科目・自主学習・実務経験・希望する主指導教員とその理由)
特に社会人入試枠で出願する場合は、4項目目で研究計画と関連する実務経験、そこから得た知見を具体的に書くことが求められます。単に「営業部門で〇年勤務した」という経歴の羅列ではなく、その実務経験の中でどのような問題意識を持ち、それが研究計画書で設定したテーマや仮説とどうつながっているのかを、論理的に接続して説明することが重要です。加えて研究計画書は学術文書として扱われるため、参考文献の明示や引用箇所の明確化など、論文としての形式面のルールを守って作成する必要があります。他人の文章のコピーといった不正行為には厳正に対処するとも明記されているため、先行研究の要約や参照はすべて出典を示した上でまとめることが前提です。
面接試験は、書類審査に合格した人のみが進める第2段階の選考で、研究計画書に基づいて研究能力と研究テーマの実現可能性・明確性の2つの観点から採点されます。募集要項には具体的な質問内容の記載はありませんが、研究計画書に書いた仮説の根拠や、想定しているデータ・分析手法の妥当性、先行研究との違い、希望する主指導教員の研究領域との整合性などを、口頭で一貫して説明できるかどうかが問われると考えられます。研究計画書を提出して終わりにするのではなく、記載した内容を自分の言葉で説明し直す練習を重ねておくことが、面接対策として有効です。
スプリング・オンライン家庭教師では、社会人の実務経験を学術的な研究計画に落とし込む構成づくりや、面接での想定質問への回答準備を、大学院入試に精通した講師と一緒に進めるサポートを行っています。研究計画書の骨子づくりに不安がある方は、早めに相談しておくと出願までのスケジュールに余裕が生まれます。
研究計画書要旨(A4判1枚)の作成も見落とされがちなポイントです。要旨は研究計画書本体(ア)~(エ)の内容を1枚に凝縮するため、本体よりもかえって要約力が問われる作業になります。要旨だけを読んだ審査担当者に研究テーマと問題意識が伝わるよう、結論やキーワードを冒頭に置く、専門用語には簡潔な補足を添えるといった工夫を意識すると、書類全体の一貫性が高まります。中国の大学等の出身者は学位取得証明書・成績証明書についてCHSI等が発行する英文証明書の提出が必要になるなど、出身大学によって提出書類の要件が細かく分かれているため、該当する場合は募集要項の該当ページを早めに確認しておくと安心です。
研究計画書の作成は、最初から4,000字を一気に書き上げようとするとテーマが拡散しやすいため、研究テーマの概要を100~200字で言い切る練習から始めるのがおすすめです。一文で言い切れないテーマは、まだ論点が絞り切れていないサインと捉え、実務経験のどの部分を切り取って先行研究と接続するかを整理し直すとよいでしょう。そのうえで仮説・データ・分析手法・タイムテーブルを肉付けしていくと、書類審査・面接の双方で一貫した説明ができる研究計画書に仕上がります。
面接対策としては、研究計画書に書いた内容を暗記して読み上げるのではなく、想定される追加質問に自分の言葉で答える準備を重ねることが重要です。特に「なぜ埼玉大学の経済経営系大学院でなければならないのか」「なぜこの教員のもとで研究したいのか」という志望理由の核心部分は、他の大学院と比較したうえで説明できるようにしておくと、面接官に対する説得力が増します。研究計画書の提出後に自分自身で想定質問リストを作り、回答を声に出して練習しておくと、当日の受け答えに落ち着きが生まれやすくなります。
他のMBA・経営系大学院との違い・併願を考える際のポイント
国内には国公立・私立を合わせて数多くのMBA・経営系大学院があり、専門職大学院として実務家教員によるケーススタディを中心とするタイプと、埼玉大学のように研究者教員のもとで研究計画に基づく修士論文(または課題レポート)を作成するタイプに大きく分かれます。埼玉大学の経済経営系大学院は後者にあたり、実務経験を理論・データ分析に接続して掘り下げる研究志向の大学院であるという点を理解した上で志望校を選ぶことが重要です。
専門職大学院型のMBAでは経営戦略・マーケティング・会計・組織論といった科目をケーススタディ形式で幅広く学ぶプログラムが中心となる一方、埼玉大学経済経営専攻や国際日本アジア専攻日本アジア経済経営コースでは、入学時点である程度絞り込んだ研究テーマを持ち、それを2年間かけて深掘りしていくスタイルが基本です。将来的に博士後期課程への進学や、専門性の高い分野での研究成果の発信を視野に入れている社会人には、埼玉大学のインテンシブプログラムのような研究重視のコースが適している場合があります。
もう一つの大きな違いは学位の名称と選考方法です。専門職大学院型のMBAでは、修業年限や必要単位数を満たせば修了できるカリキュラム設計が一般的で、入試も筆記試験・小論文・面接の組み合わせが多く見られます。これに対し埼玉大学の経済経営系大学院は、修士(経済学)または修士(経営学)という学術学位を、研究計画書と面接のみで選考する点が際立った違いです。修了要件も、修士論文作成プログラムでは論文審査、課題研究プログラムでは基礎科目・専門科目18単位以上と研究指導2単位を含む合計30単位以上の履修に加え、課題レポート2本の合格が必要とされています。
一方で、幅広い経営知識を体系的にケーススタディで学びたい、他業種の社会人ネットワークを広げたいという志向であれば、専門職大学院型のMBAと併願を検討する価値もあります。学費水準や開講形式(通学頻度・オンライン対応の有無)、専門筆記試験の有無など大学院ごとの違いは大きいため、複数のMBA・経営系大学院を横並びで比較したうえで併願先を検討することをおすすめします。国内MBA全般の比較や予備校選びについては、スプリング・オンライン家庭教師の国内MBAおすすめ比較|難易度・学費・予備校の選び方でも詳しく解説しています。
併願を考える際は、出願期間・試験日程が重ならないかを早めに確認しておくことも欠かせません。埼玉大学の経済経営系大学院は第1回入試の出願が7月、第2回入試の出願が11月というスケジュールのため、他大学の秋入試・冬入試との重複がないか、研究計画書の提出締切が集中しすぎないかをカレンダー上で整理しておくと、直前になって準備が破綻するリスクを減らせます。特に社会人の場合は業務との両立が前提になるため、どの時期にどの書類を仕上げるかを出願の数ヶ月前から逆算しておくことが重要です。
また、社会人向け大学院入試全般の対策方法や、研究計画書の書き方に不安がある場合は、大学院入試の対策方法まとめもあわせてご覧ください。研究計画書の構成づくりや面接練習を専門講師とマンツーマンで進めたい方は、大学院入試対策コースもご検討ください。埼玉大学の経済経営系大学院のように、専門筆記試験がなく研究計画書と面接が選考の核となる大学院では、独学よりも第三者による添削・面接練習の効果が出やすい傾向があります。
よくある質問(FAQ)
埼玉大学の経済経営系大学院はMBA(経営学修士)を取得できますか。
経済経営専攻では修士(経済学)または修士(経営学)のいずれかの学位を取得できます。修士(経営学)を選択する場合、欧米型のMBAとは選考・カリキュラムの設計が異なる研究型の学位である点を理解しておくとよいでしょう。国際日本アジア専攻日本アジア経済経営コースでは修士(経済学)の学位が対象です。修士(経済学)と修士(経営学)のどちらを取得できるかを分ける具体的な基準(履修科目・研究テーマ等)は募集要項に詳しく記載されていないため、詳細は出願前に研究科支援室へご確認ください。
専門科目の筆記試験はありますか。
2027年度募集要項によると、経済学・経営学・会計学・法学・政治学・行政学・公共政策のいずれの専門分野についても、専門筆記試験は課されず、研究計画書等に基づく書類審査とその合格者に対する面接試験によって選考されます。
社会人入試で出願するための実務経験年数の条件は何ですか。
2027年3月31日現在、公的機関・民間企業・非営利組織(NPO等)において社会人として2年以上の経験があることが条件です。アルバイトやインターンシップ等の就業経験は対象に含まれません。また研究計画と実務経験との密接な関連性を研究計画書に具体的に記述する必要があります。
授業はどこで、いつ受けられますか。
東京都千代田区の秋葉原駅周辺のサテライト教室と、さいたま市桜区の本キャンパスの2拠点で、平日夜間および土曜日を中心に開講されています。フルタイムで働く社会人でも通学しやすい時間帯・立地が設定されています。
学費はどのくらいかかりますか。
2027年度募集要項によると、入学料は282,000円(予定額)、授業料は年額642,960円(半期321,480円、予定額)です。このほか学生教育研究災害傷害保険料などの諸経費が別途必要になる場合があります。詳細や最新の金額は最新の学生募集要項でご確認ください。
教育訓練給付制度の対象になりますか。働きながら2年間で修了するのが難しい場合はどうすればよいですか。
博士前期課程経済経営専攻・博士前期課程国際日本アジア専攻(日本アジア経済経営コース)・博士後期課程経済経営専攻の3講座が、一般教育訓練給付制度の指定講座となっています。2023年度以降の入学者が対象で、雇用保険の加入状況等の条件を満たす必要があるため、詳細は大学の支援室やハローワークへの確認をおすすめします。また働きながら2年間での修了が難しい場合は、長期履修学生制度を利用することで標準修業年限2年を最長4年まで延長できます。授業料の総額は通常と同額のまま、認められた在学期間で按分して納付する仕組みのため、1年あたりの負担を抑えながら計画的に履修を進められます。入学手続時に申請するのが基本ですが、入学後1年未満のタイミング(2年次になる年の2月末日まで)でも申請可能です。なお出願手続や提出書類に関する問い合わせは、埼玉大学大学院人文社会科学研究科支援室大学院係(電話048-858-3320、平日9時~17時)で受け付けていますが、試験内容そのものに関する問い合わせには応じられないとされているため、研究計画の内容面についてはスプリング・オンライン家庭教師のような大学院入試対策の専門講師に相談することをおすすめします。
倍率はどのくらいですか。
募集要項では具体的な倍率(志願者数・合格者数)は公表されていません。専門筆記試験がなく研究計画書と面接を中心とした選考のため、数値上の倍率よりも研究計画の完成度と実務経験の言語化が難易度を左右する大学院といえます。正確な倍率は最新の入試結果や学生募集要項でご確認ください。
研究計画書はどのくらいの分量で書けばよいですか。書類の提出方法も教えてください。
研究計画書本体は日本語で4,000字程度が目安とされています。加えて、研究計画書(ア)~(エ)の要旨をA4判1枚(横書き)にまとめた「研究計画書要旨」も別途提出する必要があります。本体と要旨のどちらも、研究テーマの概要・具体的な説明・入学後の研究計画・学術実務上の実績という4つの観点を漏れなく盛り込むことが求められます。提出方法は、志願票・研究計画書・研究計画書要旨がExcel・Word所定様式のままのメール提出、それ以外の書類がレターパックまたは簡易書留による郵送提出で、メール・郵送のどちらか一方のみでは出願として認められません。
まとめ|埼玉大学の経済経営系大学院で押さえるべきポイント
ここまで、埼玉大学の経済経営系大学院(経済経営専攻・国際日本アジア専攻日本アジア経済経営コース)について、プログラムの概要から出願資格、入試科目、学費、難易度、対策のポイントまでを整理してきました。専門筆記試験がなく研究計画書と面接が中心という選考の特徴を踏まえ、最後に出願を検討する際に押さえておきたい要点をまとめます。
- 経済経営専攻(修士は経済学・経営学のいずれか)と国際日本アジア専攻日本アジア経済経営コース(修士は経済学)からなる社会人向け大学院で、2027年度も学生募集を継続しています。
- 秋葉原周辺のサテライト教室とさいたま本キャンパスの2拠点で、平日夜間・土曜開講のため働きながら通学しやすい設計です。
- 専門科目の筆記試験はなく、研究計画書を中心とした書類審査と面接のみで選考されます。
- 社会人入試の対象は社会人経験2年以上(アルバイト・インターンは除く)で、研究計画と実務経験の関連性が重視されます。
- 2027年度入試は年2回、第1回出願は2026年7月9日~21日、第2回出願は2026年11月9日~20日の日程です。
- 入学料282,000円・年額授業料642,960円(いずれも予定額)で、経済経営専攻など3講座は一般教育訓練給付制度の対象です。
- 公表された倍率はなく、研究計画書の完成度と実務経験の言語化力が実質的な難易度を左右します。
埼玉大学の経済経営系大学院は、専門筆記試験がない一方で、研究計画書と面接という2段階の選考で研究者としての適性を厳しく見極める大学院です。実務経験をどう学術的な研究テーマに落とし込むか、どの教員の研究領域と自分の関心が重なるかを、出願期間よりも前から整理しておくことが合格への近道になります。特に社会人入試での出願を検討している方は、実務経験と研究計画の関連性を裏付ける具体的なエピソードを早めに棚卸ししておくと、研究計画書と面接の両方で一貫した説明がしやすくなります。
研究計画書の構成づくりや面接対策を第三者の視点で確認したい方は、スプリング・オンライン家庭教師の大学院入試対策コースもあわせてご検討ください。なお本記事の数値・日程等は執筆時点の情報であり、募集要項は年度によって内容が変更される可能性があるため、必ず最新の学生募集要項で最終確認したうえで出願準備を進めてください。
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