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指定校推薦とは?校内選考の仕組みと評定の条件

指定校推薦とは、大学があらかじめ指定した高校に推薦枠を配り、その高校の中で選ばれた生徒だけが出願できる入試方式のことです。制度上の正式な区分は「学校推薦型選抜」であり、文部科学省が毎年通知する大学入学者選抜実施要項には、実は「指定校推薦」という言葉そのものが登場しません。要項の中でこれに当たるものは「非公募型の学校推薦型選抜であって合格した際には入学することを入学志願者が確約して受験するもの」と表現されています。大学が高校を選び、高校が生徒を選ぶ。この二段構えが、指定校推薦という仕組みの正体です。
そのため、指定校推薦で合否を実質的に左右するのは大学の試験ではなく、高校の中で行われる校内選考になります。校内選考で最も重く扱われるのが、調査書に記載される「全体の学習成績の状況」、いわゆる評定平均です。この数値は、すべての教科・科目の評定の合計を評定の数で割り、小数点以下第2位を四捨五入して算出すると実施要項に定められています。高校1年生の1学期から積み上がる数値であり、3年生になってから短期間で作り替えることが難しい指標でもあります。
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日程の骨格も全国共通で決まっています。学校推薦型選抜の出願は11月1日以降、合格発表は12月1日以降というルールがあり、2027年度入試(令和9年度入試)であれば出願受付は2026年11月1日以降になります。大学への出願が11月であるということは、高校の中の校内選考はそれより前、夏から秋にかけて動くということです。指定校推薦を考えるなら、逆算の起点は大学の出願日ではなく校内選考の締め切りに置く必要があります。
この記事では、指定校推薦とはどのような制度なのかという定義から、公募制推薦や総合型選抜との違い、校内選考が動く順序、評定の正確な計算方法、2027年度入試のスケジュール、大学側の選考方法、そして2027年度入試から始まる面接の原則必須化までを、高校生と保護者の方が自分の進路計画に落とし込める順番で整理します。制度の数値と日程はすべて文部科学省の一次資料に当たって確認し、出典を示しました。
指定校推薦とは?大学が高校を指定して推薦枠を配る入試
制度上は「学校推薦型選抜」の一形態
指定校推薦は、独立した入試区分として存在しているわけではありません。現在の大学入試は「一般選抜」「総合型選抜」「学校推薦型選抜」の3区分で整理されており、指定校推薦はこのうち学校推薦型選抜の中の運用形態のひとつという位置づけになります。大学が募集要項で「指定校制」と呼んでいるだけで、文部科学省のルール上は学校推薦型選抜として扱われます。
令和9年度大学入学者選抜実施要項は、学校推薦型選抜を「一般選抜とは異なる観点や方法により評価を行うという前提のもと、出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料としつつ」評価・判定する入試方法と定義しています。ここで決定的に重要なのが、続く一文です。要項は学校推薦型選抜について「入学志願者自らの意志のみで出願できるものではなく、特定の大学・学部等で教育を受けるにふさわしい能力・意欲・適性等を有する入学志願者を高等学校長が判断するものである」と明記しています。
つまり、指定校推薦において受験生本人が「出願したい」と考えるだけでは出願は成立しません。高校長の推薦という手続きが必要であり、その推薦を誰に出すかを決めるのが校内選考です。この構造を理解しないまま「評定さえ足りていれば出願できる」と思い込むと、校内選考の存在に気づいた時点で準備期間が足りなくなります。
なお、実施要項は各大学に対し「推薦要件を可能な限り具体的に設定し、募集要項等により示さなければならない」とも求めています。推薦の条件を曖昧なままにせず、明文化して示すことが大学側の義務になっているということです。ただし、後述するとおり指定校制の要項は一般公開されず高校に直接送られるため、受験生が自力で条件を調べることは基本的にできません。
「指定校」は大学が高校を選んで通知する
指定校の枠は、高校が申請して獲得するものではなく、大学側が高校を選定して通知するのが一般的です。実際の運用例として、文化学園大学は自校サイトで「6月中旬に、本学より指定校に選定した高等学校および中等教育学校へ『指定校決定通知』および『2027年度学校推薦型選抜(指定校制)入学試験要項』を送付します」と案内しています。要項が届く先は生徒ではなく学校です。
受験生側から見ると、この情報の流れが指定校推薦の最大の特徴になります。目白大学は2027年度入試の案内で、指定校推薦の出願資格について「6月上旬以降、在籍校に確認してください」とだけ記載し、大学サイト上では基準値を公開していません。同じページで公募推薦(前期)については学科ごとの評定基準を公開しており、心理カウンセリング学科3.3以上、人間福祉学科3.0以上、社会情報学科3.2以上、韓国語学科3.4以上などと明示されています。公開される公募制と、高校経由でしか分からない指定校制という違いがはっきり表れている例です。
したがって、志望校に指定校枠があるかどうかを確かめる方法はひとつしかありません。在籍する高校の進路指導室に置かれている指定校一覧を見ることです。この一覧は毎年更新され、前年にあった枠が今年は消えていることも、その逆もあります。過去の先輩の進学実績をもとに「あの大学の枠はあるはずだ」と考えるのは危険で、必ず当該年度の一覧で確認する必要があります。
専願・入学確約が前提になる理由
指定校推薦は、合格したら入学することを前提に受験する方式です。茨城キリスト教大学は指定校推薦の出願資格として「本学を第一志望とし、合格した場合は必ず入学する者」という条件を掲げています。上智大学の推薦入学試験(指定校制)も、「他大学、および本学の推薦入学試験(公募制)との併願はできない」と明記しています。
専願がどの程度徹底されているかは、データでも確認できます。文部科学省の委託により実施された令和7年度「大学入学者選抜の実態の把握及び分析等に関する調査研究」(令和8年2月、株式会社リベルタス・コンサルティング)によると、私立大学の学校推薦型選抜のうち指定校の区分(5,760区分)では93.4%が専願、他大学との併願を認めるものは0.9%にとどまります。同じ調査で公募型は専願34.4%、他校併願可59.1%でしたから、性格の違いは明確です。
この専願条件は、大学と高校の信頼関係の上に成り立っています。大学は特定の高校を指定することで安定した入学者を確保でき、高校は生徒の進路を早期に確定できます。辞退が続けば翌年以降の枠が減らされる可能性があるため、高校側も生徒の辞退には非常に慎重になります。制度としての強制力があるというより、枠を維持するための実務的な約束事として運用されているわけです。
そのため、指定校推薦にエントリーする前の段階で「本当にこの大学に4年間通う意思があるか」を固めておく必要があります。合格してから迷うことは、事実上できないと考えておくのが安全です。
附属校・系列校からの推薦との関係
大学の附属高校や系列高校から進学する枠を、指定校推薦と同じものだと考えている人もいます。制度上は、これらも学校推薦型選抜の内側にあります。実施要項の募集人員の規定は「学校推薦型選抜の募集人員は、附属高等学校長からの推薦に係るものも含め、学部等募集単位ごとの入学定員の5割を超えない範囲において各大学が定める」と書かれており、附属校からの推薦が学校推薦型選抜の枠の中に位置づけられていることが分かります。
受験生の実感としての違いは、枠の安定性です。附属校・系列校の推薦は学校法人の内部の進学制度として毎年一定数が用意されるのに対し、他校に配分される指定校の枠は大学側の判断で増減します。枠があること自体が毎年の前提ではないという点が、指定校推薦を考える際の出発点になります。
指定校推薦・公募制推薦・総合型選抜の違いを比較する
3方式の違いを表で整理する
高校生が混同しやすいのが、指定校推薦・公募制推薦・総合型選抜の3つです。指定校推薦と公募制推薦はどちらも学校推薦型選抜に含まれ、総合型選抜だけが別区分になります。実施要項の定義にもとづいて整理すると、次のようになります。
| 項目 | 指定校推薦(非公募型) | 公募制推薦 | 総合型選抜 |
|---|---|---|---|
| 制度上の区分 | 学校推薦型選抜 | 学校推薦型選抜 | 総合型選抜 |
| 出願できる人 | 大学が指定した高校の在校生のうち校内選考を通過した人 | 出願資格を満たし高校長の推薦を得られる人 | 出願資格を満たす人が自らの意志で出願 |
| 高校長の推薦 | 必要 | 必要 | 不要(公募制) |
| 校内選考 | 原則あり | 推薦人数に制限がある場合はあり | 原則なし |
| 専願かどうか | 専願・入学確約が前提 | 大学により専願と併願可の両方がある | 大学により異なる |
| 出願時期(2027年度入試) | 2026年11月1日以降 | 2026年11月1日以降 | 2026年9月1日以降 |
| 合格発表(2027年度入試) | 2026年12月1日以降 | 2026年12月1日以降 | 2026年11月1日以降 |
表の中で最も本質的な違いは「出願できる人」の行です。総合型選抜は実施要項で「入学志願者自らの意志で出願できる公募制」と定義されており、高校の許可を得る必要がありません。一方で指定校推薦は、高校が推薦してくれなければ土俵に上がれません。同じ「推薦」という言葉が付いていても、受験生の側から見た自由度がまったく違います。
準備の中身も方式ごとに変わる
方式が違えば、力を入れるべき準備も変わります。指定校推薦で最初に越えるべき壁は校内選考であり、そこで見られるのは3年間の成績と生活記録です。総合型選抜で最初に越えるべき壁は大学の書類審査であり、そこで見られるのは志望理由書や活動報告書に書かれた内容の中身です。前者は積み上げ型、後者は表現型と言い換えることもできます。
どちらにも共通しているのは、高校3年生の夏休みには勝負の大枠が決まっているという点です。指定校推薦なら3年1学期までの評定が確定し、総合型選抜なら9月出願に向けて書類を仕上げる時期にあたります。高校2年生の段階でどちらを主軸にするか決めておくと、動きに無駄がなくなります。
募集人員の上限は入学定員の5割まで
学校推薦型選抜には、募集人員の上限が定められています。実施要項は「学校推薦型選抜の募集人員は、附属高等学校長からの推薦に係るものも含め、学部等募集単位ごとの入学定員の5割を超えない範囲において各大学が定める」としています。短期大学については、他の入試方法における受験機会の確保にも配慮して各短期大学が適切に定めるという扱いです。
ここで押さえておきたいのは、この5割枠の中に指定校推薦と公募制推薦の両方が含まれるという点です。さらに附属高校からの推薦も同じ枠に入ります。つまり、ある学部の指定校推薦の枠が大きく見えても、それは学校推薦型選抜全体の一部にすぎません。なお総合型選抜には、実施要項上こうした募集人員の上限規定はありません。
校内選考の仕組み|推薦枠が届いてから推薦者が決まるまで
推薦枠は6月頃に高校へ届く
校内選考は、大学から高校へ指定校の通知が届くところから始まります。先に挙げた文化学園大学の例では6月中旬に通知と要項が高校へ送付されます。高校側はこれを取りまとめ、進路指導部が指定校一覧として整理し、3年生に公開します。一覧が出そろうのは例年6月から7月頃で、この時点で初めて「今年どの大学に何人分の枠があるか」が確定します。
枠の数は学部・学科ごとに1名、2名といった小さな単位であることが多く、希望者が枠を上回れば校内で選ぶ手続きが必要になります。これが校内選考です。校内選考の基準は文部科学省が定めるものではなく、各高校が独自に決めています。したがって全国共通の正解はなく、在籍校の基準を確認することが唯一の正確な方法になります。
実際に公開されている校内基準を見る
基準の実物を見ると、校内選考が何を見ているのかが具体的に分かります。ある私立高校が公開している「指定校推薦・公募推薦 校内基準」(2024年12月改訂)では、応募資格が次のように定められています。
- 当該の学校(大学側)が定めている基準(成績、出欠席、人物評価等)を満たしていること
- 3年間の欠席の合計が15日以内を目安とする
- 3年間の遅刻・早退の合計が30日以内である
- 3年間の欠課時数の合計が100回以内である
- 懲戒処分を受けていない
長期の通院や入院等によりこの基準を超えた生徒で、現在健康上支障がない場合は、選考会議で審議のうえ適否を決定するという例外規定も置かれています。欠席日数や遅刻の記録が数値で条件化されている点は、この方式を考えるうえで見落とせません。
選考方法についても明文化されています。同基準は「評定平均、模擬試験成績、出欠席の結果を考慮し決定する」としたうえで、「基本的に評定平均を第一に考え、あまり差がない場合に模擬試験の結果等を考慮する」と定めています。美術系の学校を志望する場合は美術の専門科目の成績も考慮するという但し書きもあります。
興味深いのは、この高校が一部の大学・学部について特別枠を設けている点です。早稲田大学の文化構想学部・文学部・商学部、上智大学の理工学部情報理工学科については、通常の指定校推薦とは異なり評定平均以外に模擬試験成績等も同等に考慮し、総合的に判断して推薦者を決定するとしています。難関大学の枠ほど評定以外の指標も見られる運用があるということです。
さらに、コースによる優先枠の規定もあります。理系学部の募集枠は国公立理系・特進数理(理科選択)を優先し、文系学部の募集枠は国公立文系・特進文系等を優先する、学部・学科の優先枠は3年次に「一般入試の主な受験科目」を履修している者に与える、といった内容です。同じ評定でも、履修している科目の組み合わせによって優先順位が変わる場合があるということになります。
ただし、これはあくまで1校の運用例です。欠席日数の基準も選考の順序も学校ごとに異なりますから、この数値をそのまま自分の高校に当てはめることはできません。必ず在籍校の進路指導部で最新の基準を確認してください。
選考会議と校長面接という二段階
推薦者が決まるまでの手続きも、同じ校内基準に具体的に書かれています。流れを整理すると次のようになります。
- 進路指導が推薦枠をデータベースに登録し、希望者の担任に知らせる
- 応募を希望する生徒が「推薦願い及び誓約書」を締め切りまでに提出してエントリーする
- セレクション会議(進路指導主任、進路指導学年チーフ、推薦担当者、3学年主任、希望者の担任が出席)で内定者を選出する
- 内定者を対象に校長面接を実施し、その結果をもって推薦の可否が決定される
- 校長面接と並行して出願書類を準備し、生徒本人が出願手続きをする
注目したいのは、校内で内定しても校長面接という関門が残る点です。会議の結果がそのまま推薦の決定になるわけではありません。同基準では、内定後に欠席日数が規定を超えるなど応募資格を満たさない状況になった場合、出願前であれば内定取り消しとなることも明記されています。校内選考を通過した後も、生活面の管理が求められるということです。
内定したら原則として辞退できない
校内選考の結果には、強い拘束力が伴います。同じ校内基準は「セレクション会議で推薦者として内定した場合、原則として辞退はできない。したがって、専願を前提とする総合型選抜入試や公募推薦に応募している生徒はエントリーできない」と定めています。他方式との併走そのものが認められていないわけです。
この一文は、受験戦略の設計に直結します。総合型選抜に出願して結果を待ちながら、うまくいかなければ指定校推薦に切り替えるという動き方は、少なくともこの高校では成立しません。どちらを本命にするかを先に決める必要があり、その判断は校内選考のエントリー締め切り、つまり夏から秋にかけて訪れます。
なお、合格後の指導についても記載があります。同基準は「合格した後も勉強を継続するよう指導する。原則として共通テストを受験させる」としています。12月に進路が決まっても学習を止めない前提で運用されている高校がある、という実例として押さえておくとよいでしょう。
保護者の方が関わる場面も、この段階で発生します。同じ校内基準では、担任が「希望する生徒の保護者に『推薦願い及び誓約書』を提出させる」という手順が定められており、エントリーの時点で保護者の署名が必要になる運用が示されています。家庭内での合意はエントリー前に済ませておく必要があるということです。学費や通学経路を含めた進学後の条件は、校内選考が動き出す前に話し合っておくと迷いがなくなります。
評定の条件|「全体の学習成績の状況」はこう計算される
正式名称と計算式
受験生が「評定平均」と呼んでいる数値の正式名称は、調査書の「全体の学習成績の状況」です。実施要項の別紙様式1と「調査書記入上の注意事項等について」に、算出方法が具体的に定められています。
全体の学習成績の状況は、指導要録に基づき、すべての教科・科目の評定の合計数をすべての評定数で除した数値を、小数点以下第2位で四捨五入して記入します。実施要項の計算例では、評定の合計120を評定数31で割った3.87という値が示され、四捨五入して「3.9」と記入すると説明されています。
教科ごとの数値も別に記載されます。「各教科の学習成績の状況」は、各教科ごとに各科目の評定の合計数を各教科の評定数で除した数値で、こちらも小数点以下第2位を四捨五入します。要項の計算例では、物理基礎3・化学基礎3・生物基礎5を履修した生徒の理科は11÷3=3.66となり、理科の学習成績の状況は3.7と記入されます。大学が「数学および理科の学習成績の状況が3.5以上」といった教科指定の条件を出せるのは、この欄があるためです。
計算の対象になるのは履修したすべての科目で、単位数による重み付けはありません。単位数の多い主要科目も、単位数の少ない科目も、評定としては1つ分として扱われます。実技系の科目の評定も同じ重みで平均に効くという点は、意外と知られていません。なお、留学に係る修得単位については算入する必要がないと定められています。
学習成績概評A〜Eの区分
調査書には、全体の学習成績の状況をもとにした「学習成績概評」という欄もあります。同一学年の生徒全員の3か年間における全体の学習成績の状況を、次の5段階に区分して記入するものです。
| 全体の学習成績の状況 | 学習成績概評 |
|---|---|
| 5.0〜4.3 | A |
| 4.2〜3.5 | B |
| 3.4〜2.7 | C |
| 2.6〜1.9 | D |
| 1.8以下 | E |
調査書にはあわせて「成績段階別人数」の欄があり、A〜Eの各段階に属する人数とその合計を記入することになっています。大学は在籍校全体の成績分布を見た上で個人の位置を把握できる仕組みになっているわけです。募集要項に「学習成績概評A段階以上」といった条件が書かれることがあるのは、この区分に対応しています。
大学は評定を出願要件にできる
評定を出願条件にできる根拠も実施要項にあります。第5の2(2)は「大学が重要と判断する教科・科目を指定し、単位修得や一定水準以上の具体的な評定の獲得を出願要件等として求めることができる」と定めています。全体の学習成績の状況だけでなく、特定教科の数値を条件にすることも認められているということです。
実際に評定が使われている割合も分かっています。文部科学省委託調査によれば、学校推薦型選抜の選抜区分のうち高校の調査書を利用するものは91.7%、そのうち教科の評定平均値を利用するものは83.4%でした。総合型選抜の63.8%、一般選抜の32.2%と比べても高く、評定が学校推薦型選抜の中心的な資料であることが数字に表れています。
同時に、実施要項は「調査書の『3.各教科の学習成績の状況』だけではなく、調査書の他の記載事項も有効に活用する」ことも求めています。出欠の記録、特別活動の記録、総合的な探究の時間の記録、指導上参考となる諸事項など、調査書には評定以外の情報も載ります。評定だけを見て合否を決める入試ではないという建て付けになっています。
指定校推薦で求められる評定の水準は大学・学部によって幅があり、しかも指定校制の場合は高校に送られる要項にしか書かれていません。参考として、目白大学が公開している公募推薦(前期)の基準は学科ごとに3.0以上から3.4以上の範囲でした。この程度の粒度で設定されるのが一般的だと考え、正確な数値は在籍校で確認するのが確実です。
評定は高校1年生から積み上がる
全体の学習成績の状況は3か年間の成績で算出されるため、高校1年生の評定も同じ重みで含まれます。3年生の秋に出願する指定校推薦では、その時点までに確定している評定が使われます。3年生になってから平均を大きく動かすのは難しいのは、分母である評定数がすでに大きくなっているからです。
逆に言えば、高校1年生・2年生の段階で定期テストに向き合っておくことが、そのまま指定校推薦の可能性を広げる作業になります。志望校が決まっていなくても、評定を高く保っておけば選べる枠が増えます。定期テスト対策の進め方に不安がある場合は、総合型選抜・学校推薦型選抜の専門オンライン塾アドミのように評定対策を含めて設計されたサービスを使う方法もあります。
評定を上げる作業には、模試の偏差値を上げる作業とは違う筋道があります。評定の材料になるのは在籍校の定期テストと授業内の評価であり、出題するのは目の前の先生です。出題範囲が明示されている試験で確実に点を取ることが最短距離になります。提出物の期限、授業内の小テスト、実技科目の取り組みも同じ評定に反映されます。単位数の重み付けがないため、副教科の評定を落とさないことが平均を守る現実的な手段になる点も押さえておきたいところです。
もう一つ、教科ごとの数値も見られることを忘れないでください。調査書には教科別の学習成績の状況が並び、大学は重要と判断する教科を指定して条件を設けることができます。志望学部に関係する教科の評定は特に落とさないという意識を持っておくと、後から選択肢が狭まる事態を避けられます。
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指定校推薦の日程|2027年度入試(令和9年度)のスケジュール
全国共通の日程ルール
大学が勝手に日程を早めることはできません。実施要項は学校推薦型選抜について「入学願書受付を令和8年11月1日以降とし、その判定結果を令和8年12月1日以降で一般選抜の試験期日の10日前まで(学校推薦型選抜で大学入学共通テストを活用する場合は前日までのなるべく早い期日)に発表する」と定めています。2027年度入試の主要な日程を整理すると次のとおりです。
| 項目 | 2027年度入試(令和9年度)の期日 | 根拠 |
|---|---|---|
| 学校推薦型選抜の出願受付 | 2026年11月1日以降 | 実施要項 第4の5 |
| 学校推薦型選抜の合格発表 | 2026年12月1日以降(一般選抜の試験期日の10日前まで) | 実施要項 第4の5 |
| 総合型選抜の出願受付 | 2026年9月1日以降 | 実施要項 第4の4 |
| 総合型選抜の合格発表 | 2026年11月1日以降 | 実施要項 第4の4 |
| 大学入学共通テスト(本試験) | 2027年1月16日・17日 | 実施要項 第4の1 |
| 一般選抜の個別試験 | 2027年2月1日〜3月25日 | 実施要項 第4の2 |
| 各大学の選抜内容の発表 | 2026年5月27日〜7月31日 | 実施要項 第7の1 |
この表で見落とされがちなのが最終行です。実施要項第7の1は、各大学が個別テストの実施教科・科目や評価方法など入学者選抜に関する基本的な事項を選抜区分ごとに決定し、2026年5月27日から7月31日までに発表すると定めています。発表後は、大規模な災害などの例外を除き、受験者に不利益を与える恐れのある変更は行わないとされています。夏までに各大学の選考内容が出そろうということです。
学校推薦型選抜でも、教科・科目に係る個別テストを2027年2月1日より前に実施することができるという規定もあります。書類と面接だけとは限らず、教科の試験が課される可能性がある点は覚えておいてください。
高校の中のスケジュールから逆算する
大学の日程が11月からだとしても、受験生にとっての本番はもっと早く訪れます。高校内の動きを含めた標準的な流れは次のようになります。
- 高校1年生4月〜:全体の学習成績の状況の積み上げが始まる
- 高校3年生6月〜7月頃:大学から高校へ指定校の通知が届き、校内で指定校一覧が公開される
- 高校3年生の夏休み前後:希望調査、保護者を含めた面談、エントリー
- 高校3年生9月〜10月頃:校内選考会議、内定、校長面接
- 2026年11月1日以降:大学へ出願
- 2026年11月〜12月:大学の面接や課題(実施する場合)
- 2026年12月1日以降:合格発表、入学手続き
校内選考のエントリー締め切りは高校ごとに違い、複数回に分けて実施する高校もあります。締め切りを逃せばその年の枠には触れられませんから、3年生の1学期のうちに進路指導部で日程を確認しておくのが安全です。
合格後にやること
12月に合格が決まっても、高校生活は3月まで続きます。前述の校内基準のように、合格後も勉強を継続させ原則として共通テストを受験させる高校もあります。大学によっては入学前教育の課題が課されることもありますし、入学手続きの締め切りも早めに設定されます。上智大学の指定校制では合格発表が2026年12月10日、入学手続締切が2027年1月8日と案内されています。合格から手続きまでの期間は1か月程度と考えて、費用の準備を含めて保護者の方と共有しておくとよいでしょう。
指定校推薦の選考方法|大学は書類と面接で何を見るのか
出願書類だけで決めてはいけないルール
指定校推薦は「校内選考を通れば実質的に合格」と語られることがありますが、大学側の選考が形式だけということはありません。実施要項は学校推薦型選抜について、「高等学校の学習成績の状況など調査書・推薦書等の出願書類だけではなく、第6の1から4に掲げる評価方法のうち少なくともいずれか一つを必ず活用し、その旨を募集要項に記述する」と各大学に求めています。
ここでいう第6の1から4とは、次の4つです。
| 区分 | 評価方法 | 具体例 |
|---|---|---|
| 第6の1 | 教科・科目に係る個別テスト | 大学独自の学力試験 |
| 第6の2 | 大学入学共通テスト | 共通テストの成績利用 |
| 第6の3 | 小論文・面接・実技検査等 | 小論文、面接、口頭試問、プレゼンテーション |
| 第6の4 | 資格・検定試験等の成績 | 英検、TOEFL等の4技能試験、国際科学オリンピック |
この規定があるため、調査書と推薦書だけで合否を決める運用は認められません。学力を一切問わない入試ではないという点は、指定校推薦を考えるうえでの前提になります。なお実施要項は、各大学が学校推薦型選抜においても大学入学共通テストを利用できると定めています。
大学ごとの実例
実際の選考方法は大学によって異なります。2027年度入試の公開情報から、3つの例を挙げます。
| 大学 | 選考方法 | 主な日程 |
|---|---|---|
| 上智大学(指定校制) | 高等学校調査書、自己推薦書、レポート等特定課題、面接により総合的に判断 | 出願2026年11月1日〜5日、面接11月29日、合格発表12月10日 |
| 茨城キリスト教大学(指定校推薦) | 調査書、志望理由書、大学で実施する面接試験の成績を総合。面接では基礎学力を把握する質問もある | 出願2026年11月2日〜6日、試験日11月14日、合格発表12月1日 |
| 文化学園大学(指定校制) | 調査書、推薦書、志望理由書・活動報告書の書類により選考 | 合格発表12月1日 |
共通しているのは、志望理由を書かせる書類が必ず含まれている点です。校内選考を通った後の勝負は書類と面接になります。上智大学のように「レポート等特定課題」を課す例もあり、志望学部に関連するテーマで文章を書く力が問われることもあります。
志望理由書の組み立て方そのものは、進学先の種類が変わっても大きくは変わりません。大学編入を題材にした記事ですが、志望理由書の受かる構成と例文をまとめた解説で示している「なぜこの分野か」「なぜこの大学か」「入学後に何をするか」を分けて書く型は、指定校推薦の志望理由書にもそのまま応用できます。学部の学び・カリキュラムと自分の関心を接続して書く作業は、どの入試でも共通です。
書類に加えて事前課題が課される場合もあります。目白大学の指定校推薦は、選考方法を出願書類・事前課題・面接(10分程度)と案内しています。事前課題は出願前後に取り組んで提出する形式が一般的で、提出物の完成度がそのまま評価の対象になります。課題の有無は要項が届くまで分からないため、校内選考を通過した時点で日程に余裕を持たせておくと安心です。
推薦書には何が書かれるのか
指定校推薦では、高校長が作成する推薦書も提出されます。実施要項は推薦書について、「大学・学部等のアドミッション・ポリシーに対応する志願者本人の学習歴や活動歴を踏まえた学力の三要素に関する評価についての記載を求める」と定めています。学力の三要素とは、①基礎的・基本的な知識・技能、②思考力・判断力・表現力等、③主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度の3つです。
推薦書が実際にどれくらい使われているかも、委託調査で確認できます。学校推薦型選抜の選抜区分のうち、推薦書等を利用するものは89.6%、大学入学希望理由書・学修計画書等を利用するものは68.4%、活動報告書を利用するものは18.0%でした。推薦書と志望理由書が二本柱になっていることが分かります。面接については、令和7年度入試の時点で学校推薦型選抜の72.3%が利用し、口頭試問は23.7%でした。この調査は面接が原則必須となる前の年度を対象にしている点に注意してください。
あわせて、実施要項は「生徒の努力を要する点などその後の指導において特に配慮を要するものがあればその内容について記載を求める」ともしています。推薦書は良い点だけを並べる書類ではなく、入学後の指導に必要な情報も伝える書類だということです。日々の授業や課外活動での姿勢が推薦書の材料になると考えておくとよいでしょう。
2027年度入試からの変更点|面接の原則必須化と非公募型の例外
面接による評価を必ず行うこととされた
2027年度入試には、指定校推薦を考える人が知っておくべき制度変更があります。令和9年度大学入学者選抜実施要項等について(通知)(令和8年5月27日付け8文科高第318号)は、前年度からの主な変更点の第1項として「入学志願者の能力・意欲・適性等を多面的・総合的に評価・判定する総合型選抜及び学校推薦型選抜の趣旨に鑑み、面接による評価を必ず行うこととしたこと」を挙げています。
実施要項の本文でも、学校推薦型選抜について「志望する学問分野に対する意欲や適性等に係る面接(ディベート、集団討論、プレゼンテーション、口頭試問等を含む。オンラインによる実施を含む。)による評価を必ず行う」と定められました。面接の形式は個別面接に限られず、集団討論やプレゼンテーションも含まれます。オンラインでの実施も認められています。
非公募型の例外規定と経過措置
ただし、この原則必須化には例外が置かれています。実施要項と通知は、「高等学校との緊密な連携により、意欲や適性等を含め丁寧なマッチングが図られていると考えられる非公募型の学校推薦型選抜であって合格した際には入学することを入学志願者が確約して受験するものについては、大学の実情に応じて面接の要否を判断することができる」としています。
指定校推薦は、まさにこの「非公募型で入学を確約して受験するもの」に該当しうる区分です。そのため、指定校推薦では2027年度入試以降も面接を課さない大学が残る可能性があります。先に挙げた文化学園大学の指定校制が書類選考で完結しているのは、この例外規定の範囲内の運用と理解できます。一方で、上智大学や茨城キリスト教大学のように面接を実施する大学もあります。面接の有無は大学によって分かれるため、要項での確認が欠かせません。
もう一つ、経過措置も設けられています。通知は「令和8年度に既に実施されていた選抜区分であって、令和9年度大学入学者選抜から面接を導入することが難しいものについては、遅くとも令和11年度大学入学者選抜までに面接を導入する」としています。2029年度入試までには、対象となる選抜区分で面接が導入されるという見通しです。現在の高校1年生・2年生が受験する年度には、いま面接がない大学でも面接が加わっている可能性があります。
面接が課される場合、聞かれるのは提出書類の内容です。志望理由書に書いた内容について「なぜそう考えたのか」「その経験から何を学んだのか」と掘り下げられます。想定質問への向き合い方は、面接の質問例と志望理由の答え方を整理した記事が参考になります。大学編入を題材にした内容ですが、志望動機を構造化して答える方法は指定校推薦の面接でも共通です。
学力偏重への是正要請も出ている
同じ通知には、もう一つ注目すべき記載があります。令和8年度入試において、一部の大学の総合型選抜・学校推薦型選抜で「2月1日より前に実施される教科・科目に係る個別テストの配点割合が著しく高い又は他の要素が点数化されていないなどにより、実質的に学力検査の成績に大きく偏って合否判定が行われている」といった、趣旨に合わない事例が見受けられたというものです。これを受けて、大学入学者選抜協議会が各国公私立大学長に対する「大学入学者選抜実施要項の遵守についてのお願い」を取りまとめたと記載されています。
この動きは、推薦系入試を「早期に実施する学力試験」として運用することへの歯止めです。裏を返せば、書類と面接での評価の比重が今後も維持されるということでもあります。指定校推薦を目指す人にとっては、評定と生活記録を整えたうえで、志望理由を自分の言葉で説明できるようにしておく準備の方向性が変わらないことを意味します。
指定校推薦を狙うなら高1・高2からやること|向いている人・向いていない人
数字で見る学校推薦型選抜の規模
指定校推薦を含む学校推薦型選抜が、大学入試全体でどれくらいの位置を占めるのかを見ておきます。文部科学省が公表した令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況(2025年度入試、令和7年11月26日公表)によると、学校推薦型選抜は772大学2,516学部で実施され、入学志願者数535,956人、合格者数309,584人、入学者数221,415人でした。
| 区分 | 入学者数 | 全入学者に占める割合 |
|---|---|---|
| 一般選抜 | 300,249人 | 46.3% |
| 学校推薦型選抜 | 221,415人 | 34.1% |
| 総合型選抜 | 126,766人 | 19.5% |
| 全体 | 648,430人 | 100% |
割合は文部科学省が公表した実数から算出しました。全入学者648,430人のうち3人に1人が学校推薦型選抜で入学している計算になります。設置区分別に見ると、私立大学は入学者512,232人のうち198,977人が学校推薦型選抜で38.8%、国立大学は99,962人のうち12,706人で12.7%、公立大学は36,236人のうち9,732人で26.9%でした。学校推薦型選抜の入学者のうち89.9%が私立大学の入学者という計算になり、私立大学を志望する人にとって特に大きな選択肢だと言えます。
ここで一点、補足が必要です。この実施状況調査は学校推薦型選抜を公募制と指定校制に分けて集計していないため、この資料だけでは指定校推薦の規模は分かりません。内訳が分かるのは、先ほども引用した文部科学省委託調査のほうです。同調査は国公私立の全大学778校・短期大学263校の計1,041校を対象に令和7年度入学者選抜の全84,769選抜区分を調べたもので、回答率は100%と記載されています。
この調査で、学校推薦型選抜の入学者を種類別に見ると次のようになります。ここでいう指定校とは「大学が指定した学校の生徒のみが出願できる学校推薦型選抜(附属高校を除く)」を指します。
| 設置区分 | 公募型 | 附属高校 | 指定校 | その他 |
|---|---|---|---|---|
| 大学全体(219,502人) | 30.4% | 13.4% | 53.1% | 3.1% |
| 国立大学(12,695人) | 98.4% | 0.1% | 0.1% | 1.4% |
| 公立大学(9,728人) | 90.3% | 0.7% | 7.2% | 1.8% |
| 私立大学(197,079人) | 23.1% | 14.9% | 58.8% | 3.3% |
私立大学では、学校推薦型選抜で入学した人の58.8%が指定校の枠から入学しています。附属高校からの推薦14.9%を合わせると7割を超え、公募型は23.1%にとどまります。一方の国立大学は98.4%が公募型で、指定校は0.1%です。公立大学も公募型が90.3%を占めます。「指定校推薦は私立大学が中心」という一般論は、この数字で裏づけられます。
高1・高2でやっておくこと
指定校推薦を選択肢に入れるなら、3年生になる前にやれることが3つあります。順序をつけて整理します。
- 定期テストで評定を積み上げる。全体の学習成績の状況は3か年間の平均であり、1年生の評定も同じ重みで含まれます
- 出欠の記録を整える。校内基準に欠席・遅刻・欠課の上限が数値で定められている高校があります
- 先輩の進学先ではなく、当該年度の指定校一覧を進路指導部で確認する。枠は毎年変わります
3つとも、3年生の秋から始めて間に合う性質のものではありません。特に評定は、1年生の1学期から静かに積み上がっている数値です。志望校が固まっていない段階でも、評定を高く保っておけば選べる枠が増えるという意味で、無駄になることのない準備だと言えます。
向いている人・向いていない人
指定校推薦は、誰にとっても有利な方式というわけではありません。特徴を踏まえると、次のように整理できます。
| 向いている人 | 慎重に考えたい人 |
|---|---|
| 日々の授業と定期テストにコンスタントに取り組める | 模試の成績は良いが定期テストの評定は高くない |
| 第一志望が明確で、合格したら迷わず入学できる | 複数の大学を比較してから決めたい |
| 出欠や生活面の記録が整っている | 欠席や遅刻が校内基準を超えている |
| 在籍校に志望校の指定校枠がある | 志望校の枠が在籍校にない |
右の列に当てはまるからといって、進路が閉じるわけではありません。総合型選抜は高校の推薦を必要としない公募制ですから、指定校枠がない大学でも自分の意志で出願できます。出願は9月1日以降で指定校推薦より2か月早く、準備の開始時期も前倒しになる点だけ注意してください。
併願の設計についても、早い段階で方針を決めておくと動きやすくなります。指定校推薦は専願が前提で、校内選考に内定した時点で他方式への出願が制限される高校もあります。そのため実務的には「指定校推薦を第一の柱にする」「総合型選抜を第一の柱にする」「一般選抜を主軸にして推薦系は使わない」という3つの方向のどれを選ぶかを、3年生の1学期のうちに定めることになります。柱を決めてから細部を詰める順序にすると、時間の使い方がぶれません。
そして、どの柱を選ぶ場合でも共通しているのが、一般選抜に対応できる学力を切らさないことです。校内選考で選ばれなかった場合、そのまま一般選抜に切り替えることになります。指定校推薦の結果が出るのは12月であり、そこから学力を立て直すには時間が足りません。推薦系と一般選抜は二者択一ではなく併走させると考えておくのが現実的です。
入学後にも進路を修正する手段はある
最後に、視野を少し広げておきます。指定校推薦は入学を確約して受験する方式であるため、「入ってから合わなかったらどうしよう」という不安を持つ人は少なくありません。実際には、入学後に学びたい分野が変わった場合の修正手段も残っています。大学の2年次までを終えた段階で別の大学の3年次に移る大学編入という進路があり、実施している大学は少なくありません。
編入試験では、志望理由書と面接、小論文が中心的な評価材料になります。指定校推薦の準備で身につけた力は先でも使えるということです。高校生の段階でこうした選択肢を知っておくだけでも、志望校選びの心理的な負荷は下がります。
よくある質問(FAQ)
指定校推薦は落ちることがありますか?
あります。校内選考の段階で希望者が枠を上回れば選ばれない人が出ますし、大学側の選考でも不合格の可能性は残ります。実施要項は学校推薦型選抜について、調査書・推薦書等の出願書類だけではなく、個別テスト・共通テスト・小論文や面接・資格検定の成績のうち少なくともいずれか一つを必ず活用するよう各大学に求めています。書類を出せば合格が確定する入試ではありません。面接や課題が課される場合は、その内容も合否に反映されます。
指定校推薦に必要な評定平均はどのくらいですか?
大学・学部によって異なり、全国共通の基準はありません。指定校制の要項は高校に直接送付されるため、正確な数値は在籍校の進路指導部でしか確認できません。参考として、目白大学が公開している公募推薦(前期)の基準は学科ごとに3.0以上から3.4以上の範囲でした。加えて、校内選考では同じ枠を希望する生徒同士の比較になるため、大学の基準を満たしていれば通るとは限らない点にも注意が必要です。
指定校推薦は辞退できますか?
制度として禁じられているわけではありませんが、実務上は極めて難しいと考えてください。ある私立高校が公開している校内基準では「セレクション会議で推薦者として内定した場合、原則として辞退はできない」と明記されています。大学側も、茨城キリスト教大学のように「合格した場合は必ず入学する者」を出願資格に掲げている例があります。辞退は翌年以降の後輩の枠にも影響しうるため、エントリー前に意思を固めておく必要があります。
指定校推薦と総合型選抜は併願できますか?
高校の運用によります。前述の校内基準では「専願を前提とする総合型選抜入試や公募推薦に応募している生徒はエントリーできない」と定められており、この高校では併走そのものが認められていません。大学側の条件も厳しく、文部科学省委託調査では私立大学の指定校の区分のうち93.4%が専願で、他大学との併願を認めるものは0.9%でした。日程面でも、総合型選抜の合格発表は11月1日以降、指定校推薦の出願は11月1日以降と接近しています。どちらを本命にするかは、校内選考のエントリー締め切りまでに決めることになります。
指定校推薦の枠がある大学はいつ分かりますか?
高校に通知が届いてからです。文化学園大学の例では6月中旬に指定校決定通知と入学試験要項が高校へ送付されると案内されています。多くの高校では6月から7月頃に指定校一覧が3年生に公開されます。枠の内容は毎年更新されるため、前年にあった大学の枠が今年もあるとは限りません。志望校の枠の有無は、必ず当該年度の一覧で確認してください。
指定校推薦でも大学入学共通テストは受けますか?
大学が指定校推薦で共通テストを課すかどうかは大学によります。実施要項は、各大学が総合型選抜・学校推薦型選抜においても大学入学共通テストを利用できると定めています。また、大学が課さない場合でも、高校の方針として受験させることがあります。ある私立高校の校内基準には「合格した後も勉強を継続するよう指導する。原則として共通テストを受験させる」と書かれています。2027年度の共通テスト本試験は2027年1月16日・17日です。
欠席や遅刻が多いと指定校推薦では不利になりますか?
校内選考の段階で影響する場合があります。ある私立高校の校内基準は、応募資格として3年間の欠席の合計15日以内を目安とし、遅刻・早退の合計30日以内、欠課時数の合計100回以内という数値を定めています。ただし同基準には、長期の通院や入院等により基準を超えた場合で現在健康上支障がないときは選考会議で審議のうえ適否を決定するという例外規定も置かれています。基準は学校ごとに異なるため、事情がある場合は早めに担任や進路指導部へ相談してください。
指定校推薦に面接や小論文はありますか?
大学によって分かれます。2027年度入試から総合型選抜・学校推薦型選抜では面接による評価を必ず行うこととされましたが、非公募型で入学を確約して受験するものについては、大学の実情に応じて面接の要否を判断できるという例外があります。実際、上智大学の指定校制は面接を実施し、文化学園大学の指定校制は書類選考で完結しています。上智大学のように「レポート等特定課題」を課す例もあります。志望校の要項で必ず確認してください。
まとめ|指定校推薦とは何かを一枚で整理する
指定校推薦とは何か、この記事で確認した内容を要点だけ並べておきます。
- 指定校推薦は独立した入試区分ではなく、学校推薦型選抜のうち非公募型の運用形態にあたる。実施要項に「指定校推薦」という語はなく、「非公募型の学校推薦型選抜であって合格した際には入学することを入学志願者が確約して受験するもの」と表現されている
- 出願には高校長の推薦が必要で、志願者自らの意志のみでは出願できない。実質的な関門は校内選考である
- 校内選考の基準は高校ごとに異なる。公開されている例では、評定平均を第一に考え、差が小さい場合に模擬試験成績を考慮し、欠席・遅刻・欠課時数の上限も定められていた
- 評定平均の正式名称は「全体の学習成績の状況」で、すべての教科・科目の評定の合計を評定数で割り、小数点以下第2位を四捨五入して算出する。3か年間の成績が対象になる
- 2027年度入試の日程は、出願2026年11月1日以降、合格発表2026年12月1日以降。校内選考はそれより前の夏から秋に動く
- 学校推薦型選抜の募集人員は、学部等募集単位ごとの入学定員の5割を超えない範囲と定められている
- 2027年度入試から総合型選抜・学校推薦型選抜では面接による評価が原則必須となったが、非公募型で入学を確約するものは大学の実情に応じて面接の要否を判断できる。導入が難しい選抜区分も遅くとも令和11年度入試までに面接を導入する
指定校推薦は、高校3年間の積み重ねがそのまま出願資格になる方式です。評定と生活記録は後から作り直せない一方で、高校1年生・2年生の段階から意識していれば着実に整えられます。校内選考を通過した後は、志望理由書と面接という表現の勝負になり、ここは短期間でも伸ばせる領域です。この2つを別々の課題として扱うと、準備の順序がはっきりします。
本記事で示した日程・要件は令和9年度大学入学者選抜実施要項にもとづく全国共通のルールであり、各大学の具体的な出願資格・選考方法・評定基準は募集要項で必ずご確認ください。指定校制の要項は在籍校に送付されるため、進路指導部への確認が最も確実な情報源になります。評定の上げ方や志望理由書の組み立て、面接での答え方など、独学で仕上げにくい部分に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。総合型選抜・学校推薦型選抜の専門オンライン塾アドミでは、定期テスト対策による評定の底上げから志望理由書の添削、志望校別の面接練習までを一本の流れとして進められます。進め方の相談は無料相談から受け付けています。
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