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関西学院大学大学院司法研究科「冬入試」の傾向と対策

関西学院大学大学院司法研究科(ロースクール)は、年3回の入試機会を設けており、その最後にあたるのが「C日程」です。C日程は出願が1月、試験が2月に実施されることから、実務上「冬入試」と呼ばれる入試区分にあたります。A日程(夏)・B日程(初秋)を逃した受験生や、他大学の入試結果を見極めてから出願先を確定したい受験生、あるいは秋以降に本格的に対策を始めた受験生にとって、C日程は年度内最後の受験チャンスになります。
本記事では、関西学院大学司法研究科C日程の出願資格・出願期間・試験科目・配点を大学公式の入試情報にもとづいて整理したうえで、2026年度C日程で実際に公開された過去問(論文・憲法・民法・商法・刑法)の出題テーマと、直近年度の入試結果から見えるC日程特有の難易度、さらに学費・奨学金制度までを一次情報にもとづいて解説します。あわせて、出願から合格発表までを見据えた逆算スケジュールもまとめました。制度を眺めるだけでなく、自分がどの区分で出願し、試験日までに何を仕上げるべきかまで判断できる構成です。
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先に結論から述べると、C日程は既修者・未修者のどちらも出願できる貴重な冬の入試機会である一方、募集人員が全日程(A・B・C)合計で決まっているため、A・B日程で多くの合格枠が埋まったあとに実施される「絞られた枠を争う入試」という性格が強くなります。この構造を理解したうえで出願戦略を立てることが、C日程を有効に使う第一歩です。実際、後述する直近年度の入試結果では、A日程・B日程で合格者の大半が決まったあとのC日程は、既修者・未修者ともに合格者が数名にとどまるという結果になっています。
なお、本記事に掲載する出願資格・日程・配点・入試結果・学費は、いずれも関西学院大学司法研究科の公式サイトで公開されている情報にもとづいています。募集要項の内容は年度により変わるため、出願にあたっては必ず最新の入試要項で確認してください。
C日程を単なる追加募集のように捉えるのは適切ではありません。一般入試のほか、法曹コース修了見込者向けの開放型選抜、社会人などの経験を評価する特性評価型が並び、受験者の経歴によって選ぶ入口が変わるからです。さらに、既修者と未修者では試験科目だけでなく学部成績の扱いや面接の有無も異なります。最初に出願区分と配点を確定し、自分の強みが評価される方式を選ぶことが、限られた準備期間を有効に使う鍵です。
関西学院大学司法研究科「C日程(冬入試)」とは何か
関西学院大学司法研究科は、学部成績・筆記試験・面接試験それぞれに強みを持つ多様な人材を求めるため、年3回(A日程・B日程・C日程)の入試を実施しています。C日程とは、出願期間が1月中旬〜下旬、試験日が2月上旬に設定されている、年度内で最後に実施される入試区分です。A日程が7〜8月、B日程が8〜9月に実施されるのに対し、C日程は年をまたいだ冬の時期に位置づけられており、これが「冬入試」と呼ばれる所以です。
教育理念とスクールモットー
司法研究科は「Mastery for Service(奉仕のための練達)」というスクールモットーを基礎に、高度専門職業人の養成に特化した専門職大学院として、「人権感覚豊かな、かつ、現代社会の多様な法的ニーズに応える市民法曹として、法曹にふさわしい良き仕事(Good Work)を遂行できる人材の養成」を目的として掲げています。求める人物像としては、論理的思考力・分析力・表現力を有する者、将来法曹となったときにその特長を活かし社会に寄与する活動が期待できる者、ロースクール教育に必要な法学の基本的学識を有する者が挙げられています。C日程を含むどの入試区分でも、この人物像に沿った出願書類・答案・面接での自己アピールが評価の土台になります。
なぜ年3回の入試があるのか
法科大学院入試を年3回に分けて実施する目的は、受験生の多様な状況に対応することにあります。学部の早期卒業・卒業見込者は夏のA日程やB日程で出願しやすい一方、就職活動や他大学院の受験結果を見極めてから進路を決めたい受験生、あるいは社会人として法曹を志すことを決めた受験生にとっては、年明けのC日程が現実的な選択肢になります。関西学院大学司法研究科のC日程は、こうした「最後まで進路を確定できなかった層」の受け皿としても機能しています。
C日程の対象者
C日程は、法学既修者・法学未修者のどちらも出願できる入試区分です。既修者・未修者のどちらにも門戸が開かれているのは、A・B日程と共通する特徴です。既修者は法律科目の知識を前提とした筆記試験(民法・商法・憲法・刑法)を受験し、未修者は法律未学習者でも受験できる論文試験と面接試験で選考されます。社会人などこれまで法律を専門的に学んでこなかった人については、後述する「特性評価型入試」という別の入試区分もC日程で用意されています。大学院入試対策の詳細はこちらもあわせてご確認ください。
C日程で実施される3つの入試区分と出願資格
関西学院大学司法研究科のC日程では、性格の異なる3つの入試区分が実施されます。「一般入試」「開放型選抜入試」「特性評価型入試」の3区分で、それぞれ出願資格や選考方法が異なります。まず全体像を表で整理します。
| 入試区分 | 対象 | 主な出願資格 | 募集人員 |
|---|---|---|---|
| 一般入試 | 既修者・未修者 | 早期卒業見込・卒業見込・新卒者(2023年4月以降卒)・既卒者 | 既修者20名程度・未修者10名程度(全日程・全形態合計) |
| 開放型選抜入試 | 既修者のみ | 連携協定を締結していない大学の法曹コース修了見込者(2027年3月31日までに早期卒業・卒業見込) | 既修者5名(A・C日程合計) |
| 特性評価型入試 | 未修者のみ | 幅広い分野で顕著な行動歴や専門的な能力・資格を持つ者(早期卒業見込・卒業見込・新卒・既卒) | 未修者若干名(B・C日程) |
一般入試の出願資格
一般入試の出願資格は、早期卒業見込者(3年次飛び級を含む)、卒業見込者(早期卒業見込・3年次飛び級を含む)、新卒者(2023年4月1日以降に大学を卒業した者)、既卒者(新卒者を含む学部既卒業者)の4区分に分かれます。出願資格の共通条件として、司法研究科の在籍者自身は出願できません。既修者・未修者いずれもこの4区分の枠組みで出願することになり、区分によって後述する配点の内訳(学部成績の比重)が変わってきます。
この区分分けで重要なのは、同じ筆記試験を受けても総合点に占める学部成績の比率が違うことです。早期卒業見込者や卒業見込者は学部成績の配点が大きく、既卒者は学部成績を含めずに選考されます。そのため、名称だけで区分を選ぶのではなく、自分の卒業時期がどの定義に当たるかを確認しなければなりません。証明書の発行に日数を要する大学もあるため、卒業時期と必要証明書は出願開始前に照合しておくと、短い出願期間にも対応しやすくなります。
開放型選抜入試とは
開放型選抜入試は、関西学院大学司法研究科と法曹養成連携協定を締結していない大学の法曹コースを修了見込みの既修者を対象とした入試区分です。募集人員は5名で、A日程とC日程の合計枠になります。選考方法は筆記試験と書類審査(学部成績)のみで、面接試験は課されません。連携協定を結んでいない大学の法曹コース出身者に開かれた入り口という位置づけで、法曹コースを経由しながらも協定校ルートに乗れなかった受験生の受け皿になっています。
特性評価型入試とは
特性評価型入試は、法学未修者のうち「幅広い分野において顕著な行動を行った者」や「専門的な能力・資格を有する者」で、将来法曹となったときにその特長を十分に生かし、社会的に寄与する活動が期待できる者を対象とした入試区分です。B日程とC日程で実施され、募集人員は若干名です。社会人としての実務経験や専門資格を持つ受験生が想定されている入試区分で、選考は筆記試験・面接試験・書類審査(特性評価)によって行われます。ただし後述するとおり、直近年度のC日程では合格者が出なかった区分でもあり、募集人員が「若干名」にとどまることも踏まえて出願を検討する必要があります。
C日程の出願期間・試験日程・試験地・合格発表(2027年度入学試験)
C日程の日程は、A日程・B日程と比べて年をまたいで実施される点が特徴です。以下は2027年度入学試験(2026年8月時点で公表されている最新スケジュール)の一覧です。
出願期間・試験日程
| 日程 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| A日程 | 2026年7月7日(火)〜7月21日(火) | 既修者2026年8月1日(土)・未修者2026年8月2日(日) | 2026年8月7日(金) |
| B日程 | 2026年8月11日(火)〜8月25日(火) | 既修者2026年9月5日(土)・未修者2026年9月6日(日) | 2026年9月11日(金) |
| C日程 | 2027年1月12日(火)〜1月26日(火) | 既修者2027年2月6日(土)・未修者2027年2月7日(日) | 2027年2月12日(金) |
C日程の出願期間は2027年1月12日から1月26日までのわずか2週間です。試験日は既修者が2月6日、未修者が2月7日と1日ずつずれて設定されており、開放型選抜入試(既修者)は既修者の試験日と同じ2月6日、特性評価型入試(未修者)は未修者の試験日と同じ2月7日に実施されます。合格発表は全区分共通で2027年2月12日です。出願期間が短いぶん、出願書類(履歴事項・志望理由書・学部成績証明書など)は年内のうちに準備を終えておくのが安全です。
試験地・合格発表後の手続き
C日程の試験地は西宮・東京の2会場です。A日程が西宮・東京・岡山・福岡の4会場、B日程が西宮・東京・福岡の3会場で実施されるのに対し、C日程は会場数が絞られる点にも注意が必要です。遠方から受験する場合は、会場までの移動・宿泊も含めて早めに計画しておく必要があります。合格発表後の入学手続きは、C日程の場合「入学手続I」が合格発表〜2027年2月26日、「入学手続II」が2027年2月12日〜3月12日という日程になっています。入学手続IIの締切は全日程共通で3月12日に設定されているため、A・B日程で合格した人と同じタイミングで入学準備を進めることになります。
遠方の受験生は、試験地の選択と同時に前日の移動手段も決めておきましょう。冬は交通の乱れも想定されるため、当日移動だけに依存しない計画が安心です。合格発表から入学手続Iの締切までは約2週間であり、他校の手続期限と比較する時間も長くありません。入学意思を決める基準や資金の準備を受験前に整理しておけば、合格後に慌てず判断できます。受験計画には試験日だけでなく、合格後の手続期限まで入れることが大切です。
C日程の試験科目・配点—既修者と未修者の違い
C日程の試験科目は既修者と未修者で大きく異なります。既修者は法律科目の筆記試験のみ、未修者は論文試験と面接試験という構成です。
既修者の試験科目・配点
既修者の筆記試験科目は「民法・商法120分、憲法80分、刑法80分」で、全日程共通です。面接試験は課されません(5年一貫型教育選抜入試の既修者は面接30分がありますが、5年一貫型はA日程のみの実施でC日程にはありません)。配点は出願資格区分によって異なり、早期卒業見込者は筆記350点+学部成績200点+資格能力加点10点の合計550点満点、卒業見込者は筆記350点+学部成績100点の合計450点満点、新卒者は筆記350点+学部成績50点の合計400点満点、既卒者は筆記350点のみ(学部成績なし)の350点満点です。開放型選抜入試(既修者)は、筆記試験350点満点を300点に換算したうえで学部成績250点・資格能力加点10点を加えた550点満点で評価されます。
未修者の試験科目・配点
未修者の筆記試験科目は論文90分のみで、法律の専門知識は前提とされません。未修者には筆記試験に加えて約15分の面接試験が課される点が既修者との大きな違いです。配点は、早期卒業見込者が筆記200点+面接50点+学部成績150点+語学能力加点10点の合計400点満点、卒業見込者が筆記200点+面接50点+学部成績100点の合計350点満点、新卒者が筆記200点+面接50点+学部成績50点の合計300点満点、既卒者が筆記200点+面接50点(学部成績なし)の合計250点満点です。特性評価型入試(未修者)は筆記200点+面接50点+特性評価等の加点50点の合計300点満点で、学部成績は加味されません。
加点制度と履修免除試験
既修者には「資格能力加点」があり、司法試験予備試験の短答式試験合格や、法学検定試験アドバンスト〈上級〉合格が対象になります。未修者には「語学能力加点」があり、英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語・ロシア語・中国語・韓国語のいずれかの語学力が評価対象です。既修者・未修者とも、専門試験の得点だけでなく蓄積してきた資格・語学力が加点に反映される仕組みになっている点は、出願準備の段階から意識しておきたいポイントです。また、合格者(法学既修者)のうち希望者は、入学後に民事訴訟法・刑事訴訟法の履修免除試験を受験できます(法学未修者は対象外)。これは既修者として入学したあと、学部段階などですでに一定の学習を積んでいる科目について、履修を免除してもらえる制度で、うまく活用できれば他の科目の学習に時間を割きやすくなります。
配点から決める学習の優先順位
既修者の筆記試験は350点で、一般入試の既卒者はこの筆記だけが総合点になります。卒業見込者や新卒者も筆記の比重が大きいため、資格加点の有無にかかわらず4科目の答案完成度を上げることが中心です。民法・商法は合わせて120分、憲法と刑法は各80分なので、知識の確認に加えて時間内に論点を選び、規範と当てはめを配置する練習が欠かせません。既修者は過去問を時間どおりに解き、科目間の時間配分まで固定すると、本番での再現性を高められます。
未修者は筆記200点が中心ですが、面接50点も無視できません。学部成績が加味されない既卒者や特性評価型では、当日の筆記と面接が総合評価の大部分を占めます。論文対策だけに偏らず、志望理由、これまでの経験、法曹として取り組みたい課題を短く一貫して説明する準備が必要です。出願書類と面接回答の内容が食い違わないよう、提出前に想定質問を書き出し、第三者に説明してみると論理の飛躍を見つけやすくなります。
学費・奨学金—C日程で入学した場合の注意点
C日程での受験を検討するうえで、学費と奨学金制度も確認しておきたいポイントです。関西学院大学司法研究科は、入試日程にかかわらず在学生全員が給付型奨学金の対象になり得る仕組みを用意していますが、奨学金の種別は入試区分・成績によって変わります。
初年度・2年目以降の学費
2026年度入学生の学費(初年度納入金)は、入学金200,000円(本学の学部・大学院出身者は半額の100,000円に減免)、授業料1,055,000円、教育充実費225,000円、その他諸費5,000円の合計1,485,000円です。2年目以降は入学金がなくなり、授業料1,145,000円、教育充実費225,000円、諸費3,000円の合計1,373,000円になります。標準修業年限(既修者2年間・未修者3年間)を超えた場合は、履修単位数に応じて授業料を支払う単位制学費制度が適用されます。
| 費目 | 初年度 | 2年目以降(年額) |
|---|---|---|
| 入学金 | 200,000円(本学出身者は100,000円) | − |
| 授業料 | 1,055,000円 | 1,145,000円 |
| 教育充実費 | 225,000円 | 225,000円 |
| その他諸費 | 5,000円 | 3,000円 |
| 合計 | 1,485,000円 | 1,373,000円 |
給付型奨学金の仕組みとC日程受験生への影響
関西学院大学司法研究科は「法科大学院支給奨学金(給付型)」を用意しており、標準修業年限内は在学生全員がいずれかの種別で受給できるとされています。2026年度初年度学費を基準にした金額は、学費全額相当の特別支給が1,280,000円、学費半額相当の第1種支給が640,000円、国立大学ロースクールとの差額相当の第3種支給が476,000円で、これに入学金相当額の入学支給(本学出身者以外200,000円・本学出身者100,000円)が加わります。実質的な学費負担額は、ゼロから国立大学ロースクールの学費相当までに抑えられる設計です。
ここで注意したいのは、A日程入試の入学者は全員「特別支給奨学金」と「入学支給奨学金」の受給が保証されているのに対し、C日程を含むそれ以外の入試での入学者は、1年ごとの継続審査を経て奨学金の種別が決まる点です。日本学生支援機構奨学金(貸与)との併給も可能ですが、進級不可や成績不良の場合は支給種別が変更されたり、対象外になったりする可能性がある旨も公式に案内されています。C日程での入学を検討する場合は、奨学金の種別が入学後の審査で決まりうることを前提に、入学後の学習計画も含めて資金計画を立てておくと安心です。
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A日程・B日程との違いと併願の考え方
C日程を検討するうえで欠かせないのが、A日程・B日程との関係の理解です。募集人員は「既修者20名程度・未修者10名程度」という数字が、A・B・C日程および5年一貫型・開放型選抜入試を含めた全形態の合計として設定されています。つまりC日程だけの独立した募集枠があるわけではなく、先に実施されるA日程・B日程で埋まらなかった枠を争う入試という構造になっています。
併願の可否
併願について、大学公式サイトでは「5年一貫型入試」および「開放型入試」は、同一日程で実施する一般入試および特別入試と併願できると案内されています。5年一貫型教育選抜入試はA日程のみの実施のため、C日程で併願を検討する対象になるのは開放型選抜入試です。C日程の開放型選抜入試(既修者)は、同じC日程で実施される一般入試(既修者)と併願できる仕組みになっています。特性評価型入試と一般入試の併願可否を含め、区分ごとの詳細な取り扱いは4月中旬〜5月初旬頃に発行される入試要項で必ず確認してください。
C日程が最後の入試機会である意味
A日程は7〜8月、B日程は8〜9月に実施されるため、C日程(1〜2月)の時点では、すでに多くの合格者が決まっています。後述するとおり、直近年度の実績ではA日程・B日程で合格者の大半が決まり、C日程で合格する人数はごくわずかという結果になっています。C日程は「まだ間に合う最後の機会」であると同時に、「残された枠を争う狭き門」でもあるという二面性を正しく理解しておくことが、出願戦略上重要です。他大学の併願を検討している場合は、他校の合格発表・入学手続きの締切とC日程の日程が重なっていないかも確認しておきましょう。法科大学院の入試日程一覧【2026年度】|主要ロースクールの出願・試験・合格発表スケジュールでは、他大学も含めた日程の全体像を確認できます。
【2026年度C日程】公開されている過去問から読み解く出題テーマ
関西学院大学司法研究科は、2022年度から2026年度までの各日程分の入試過去問題を、解答例・出題趣旨・講評つきで公式サイトに公開しています。問題文そのものは著作権上の制約から本記事では転載しませんが、公表された出題テーマと評価のポイントは対策上有用な情報です。ここでは直近の2026年度C日程で出題された5科目のテーマと、大学公式の出題趣旨・講評の要点を紹介します。なお出題内容は年度によって変わるため、対策にあたっては必ず最新の公開資料を確認してください。
未修者(論文)
2026年度C日程の論文問題は、国際政治学者の著作からの抜粋を題材に、筆者の主張を指定字数(300字程度・500字程度)で要約させる設問構成でした。大学が公表している出題趣旨は「一定の長さのある文章の論旨を理解し、指示された観点および字数でまとめ、表現する能力を試すもの」であり、これはいずれも法曹にとって重要な基礎的能力とされています。講評では、一部の具体例紹介や自己の主張に偏る答案が多かったと指摘されており、「問いに答える姿勢」の重要性が繰り返し強調されていました。字数指定を守りながら筆者の主張の核心を過不足なく拾う訓練は、未修者にとって最優先の対策といえます。
既修者(憲法・民法)
憲法問題は、租税法律主義(憲法84条)に関する知識問題と、クリスマス礼拝時の警察警備を題材にした政教分離原則(憲法20条3項)の事例問題という2構成でした。政教分離原則の事例問題では、津地鎮祭事件判決・愛媛玉串料事件判決・孔子廟事件判決などの判例を踏まえた検討が求められています。大学の講評では「統治機構分野の学習を疎かにしないこと」と「条文上の根拠を明示する習慣を身につけること」が明確に指摘されており、司法試験の短答式試験でも統治分野のウェイトが高いことに触れられています。
民法問題は、保証契約の基本知識(保証債務の内容・催告の抗弁・検索の抗弁・求償権の範囲)を問う設問と、保証契約における錯誤の主張(最判平成28年1月12日を参照)、そして他人物売買契約における売主の債務不履行責任(最判昭和41年9月8日を参照)を問う設問で構成されていました。講評では、条文を正確に挙げられた答案は多かった一方、関連判例の事案・射程を意識した検討ができている答案は少数にとどまったことが指摘されています。基本論点であっても、判例のリーディングケースの事案・結論・射程をセットで押さえておくことが得点差につながる科目といえます。
既修者(商法・刑法)
商法問題は、事業譲渡の意義・要件(最大判昭和40年9月22日が示した定義)と、株主総会特別決議を欠く事業譲渡の効力(最判昭和61年9月11日)を問う事例問題でした。講評では「事業譲渡の要件」と「事業譲渡が適法・有効に行われるための要件」を取り違えている答案が相当数見られたと指摘されており、基本概念の正確な理解が強く求められています。
刑法問題は、不作為による殺人罪の成否、保護責任者不保護致死罪の成否、不作為による幇助の成否を問う事例問題で、大判大正4年2月10日、最決平成元年12月15日、最判平成30年3月19日などの判例を踏まえた検討が求められました。講評では、不作為の因果関係(作為義務の履行により結果を回避できたことが合理的な疑いを超える程度に確実であったか)を正確に理解していない答案が少なからず見られたと指摘されています。過去問と解答例・出題趣旨・講評の全文は、大学公式サイトの入試過去問題ページから閲覧できます。
過去問から見える出題傾向の共通点
5科目に共通して読み取れるのは、単なる知識の暗記ではなく「条文・判例を根拠に、事実関係へ丁寧に当てはめる力」が重視されている点です。憲法・民法・商法・刑法のいずれの講評でも、結論だけを示す答案や、根拠条文・判例を示さない答案への厳しい指摘が繰り返されています。論文(未修者)についても、要約対象の文章を正確に読み取り、指示された観点・字数を守るという基本の徹底が求められています。過去問演習にあたっては、正誤だけでなく「なぜその条文・判例を使うのか」を説明できるかを自己点検することが有効です。
過去問を使った復習の手順
公開過去問は、最初から解答例を読むのではなく、まず本番と同じ時間で答案を作ると効果的です。答案作成後に出題趣旨と講評を読み、自分が拾えなかった論点、示せなかった条文、当てはめが薄かった事実を色分けして記録します。解答例は文章を暗記する材料ではなく、論点をどの順序で示し、根拠から結論までをどう接続しているかを確認する材料として使います。
- 時間を計り、資料を見ずに答案または要約を作る
- 出題趣旨で、問われた能力と中心論点を確認する
- 講評で、受験者に多かった誤りと採点上の注意を拾う
- 不足した条文・判例・読解手順を学び直す
- 数日後に同じ問題の答案構成だけを短時間で再現する
既修者は、憲法で統治機構を落とさない、民法で判例の射程を意識する、商法で概念と有効要件を分ける、刑法で不作為犯の因果関係を丁寧に示すという科目別課題に変換します。未修者は、文章全体の主張と具体例を区別し、指定された観点だけを字数内に収める訓練へ落とし込みます。大学の講評を次回答案の確認項目へ変換することが、過去問を解きっぱなしにしないコツです。出題内容は年度によって変わるため、必ず最新の公開資料も確認してください。
C日程の入試結果に見る難易度—「最後の狭き門」の実態
関西学院大学司法研究科は、日程別・出願資格区分別の入試結果を公式サイトで公表しています。直近に実施された2026年度入学試験の実績を見ると、C日程が絞られた枠であることが数字から分かります。
A・B・C日程の合格者数比較
一般入試(既修者)の合格者数は、A日程が受験者128名に対して38名、B日程が受験者73名に対して9名だったのに対し、C日程は受験者64名に対してわずか1名(卒業見込者のみ、倍率30.00倍)にとどまりました。未修者も同様の傾向で、A日程は受験者95名に対して合格22名、B日程は受験者38名に対して合格7名だったのに対し、C日程は受験者20名に対して合格1名(新卒者のみ、倍率2.00倍)という結果でした。
| 日程 | 既修者 受験者→合格者 | 未修者 受験者→合格者 |
|---|---|---|
| A日程 | 128名→38名 | 95名→22名 |
| B日程 | 73名→9名 | 38名→7名 |
| C日程 | 64名→1名 | 20名→1名 |
C日程では、特性評価型と開放型はいずれも合格者0名という結果でした。特性評価型入試は受験者5名、開放型選抜入試は受験者2名です。一般入試・特性評価型入試・開放型選抜入試を合わせたC日程全体で見ると、受験者91名に対して合格者はわずか2名という数字になります(2026年度入学試験の実績)。
合格者の総点の目安(参考値)
大学が公表している合格者概要によると、A日程一般入試(既修者・卒業見込者)の総点最低点は450点満点中285点、新卒者は400点満点中240点でした。B日程一般入試(既修者・卒業見込者)は450点満点中251点です。未修者はA日程卒業見込者が350点満点中282点、新卒者が300点満点中248点、B日程卒業見込者が350点満点中282点でした。C日程は合格者が5名未満の区分ばかりだったため、大学の集計ルール(5名未満は非公表)により総点の詳細は公表されていませんが、A・B日程の水準から大きく外れない得点が求められると見込んでおくのが妥当です。
この数字から読み取れること
この結果は、募集人員が全日程合計で決まっているという制度設計をそのまま反映したものです。A日程・B日程の時点で既修者・未修者ともに募集人員の大半が埋まるため、C日程まで残る枠は非常に少なくなります。ただし、この数字はあくまで直近1年度分の実績であり、年度によって出願者数・合格者数・倍率は変動します。C日程での合格を目指す場合は、「枠が少ない中での勝負になる」ことを前提に、答案の完成度を極限まで高める準備が必要だと理解しておくことが大切です。最新の入試結果は、出願前に必ず大学公式サイトで確認してください。
出願〜合格までの逆算スケジュールと対策法
C日程は出願期間が2027年1月12日〜26日、試験が2月6日・7日と、A日程・B日程に比べて準備期間を長く取れる反面、直前の追い込みだけでは間に合いません。合格発表(2月12日)から出願(前年1月中旬)までを逆算し、遅くとも試験前年の秋には対策を本格化させるのが現実的なスケジュールです。
| 時期 | 既修者がやること | 未修者がやること |
|---|---|---|
| 〜9月頃 | 民法・商法・憲法・刑法の基本書・判例百選で知識を固める | 評論文・時事論考の要約練習を習慣化する |
| 10〜12月 | 過去問演習で事例問題・判例参照型論述に慣れる | 面接での志望理由・自己アピールを言語化する |
| 1月(出願期間) | 出願書類(学部成績証明書等)を提出、直前は誤りやすい論点を総ざらい | 出願書類を提出、要約の型を最終確認する |
| 2月(試験) | 民法・商法(120分)、憲法・刑法(各80分)を受験 | 論文(90分)と面接(約15分)を受験 |
既修者の対策スケジュール
既修者は民法・商法・憲法・刑法の4科目を短時間で解答する必要があります。まず基本書・判例百選レベルの知識を秋までに固め、11月〜12月にかけて過去問演習で出題形式(事例問題・判例参照型の論述)に慣れることが重要です。今回紹介した2026年度C日程の講評でも、条文上の根拠を明示すること、関連判例の射程を意識することが繰り返し指摘されていました。1月の出願準備と並行して、直近の演習で誤りやすい論点(不作為犯の因果関係、政教分離原則の判断枠組み、事業譲渡の要件など)を総ざらいする時間を確保しましょう。
週単位では、知識確認、答案作成、復習の3種類を分けて回します。平日に条文と判例を確認し、週末に複数科目を続けて解けば、本番に近い集中力も鍛えられます。復習時には、論点を知っていたかだけでなく、問題文のどの事実からその論点を見つけたかを言葉にしてください。答案構成の理由を説明できる状態まで復習することで、見たことのない事例にも対応しやすくなります。
未修者の対策スケジュール
未修者は論文90分・面接約15分が課されます。論文試験は法律知識ではなく、文章の論旨を正確に読み取り指定字数でまとめる読解・要約力が問われるため、時事問題や社会科学系の評論文を要約する練習を継続的に積むことが有効です。面接試験に向けては、志望理由や法曹を目指す動機を言語化しておくとともに、特性評価型入試での出願を検討している場合は、これまでの実務経験や専門資格をどう法曹としての活動に生かせるかを整理しておく必要があります。法科大学院予備校はいつから?未修者・既修者別の準備計画もあわせて参考にしてください。
要約練習では、読み終えてすぐ書き始めず、段落ごとの役割を短い言葉で整理します。筆者の結論、理由、対立する見方、具体例を区別し、設問が求める観点に必要な部分だけを残します。書き終えたら、主語と述語の対応、同じ内容の重複、字数、自己意見の混入を確認してください。面接は長い説明を暗記するよりも、結論、理由、具体的経験の順で1分程度にまとめ、追加質問へ自然に答える練習が有効です。
出願書類と直前期の確認
出願書類は、締切直前に初めて集めると証明書の発行や記載確認が間に合わないおそれがあります。大学が指定する書式とオンライン出願の手順を最新要項で確認し、年内に取得できる書類は先にそろえておきましょう。志望理由書では、関西学院大学司法研究科を選ぶ理由、既修・未修の選択、将来像を一つの流れにします。特性評価型であれば、経験や資格の列挙に終わらせず、それを将来の法曹活動にどう生かすかまで説明する必要があります。
試験前の最終週は、新しい教材を広げるより、過去問演習で判明した弱点と当日の動線を確認します。受験票、会場、集合時刻、移動経路を確認し、既修者は使う条文・判例の想起、未修者は要約の見直し手順と面接の軸を整えます。出願準備と学習を別々の予定として管理すると、書類対応で答案練習が止まる事態を防ぎやすくなります。
よくある質問(FAQ)
関西学院大学司法研究科のC日程(冬入試)はいつ出願すればいいですか?
2027年度入学試験のC日程は、2027年1月12日(火)から1月26日(火)が出願期間です。試験は既修者が2027年2月6日(土)、未修者が2027年2月7日(日)、合格発表は2027年2月12日(金)です。日程は年度により変更される可能性があるため、出願前に必ず最新の入試要項で確認してください。
C日程は既修者・未修者どちらも受けられますか?
はい、C日程の一般入試は既修者・未修者のどちらも出願できます。既修者は民法・商法・憲法・刑法の筆記試験、未修者は論文試験と面接試験で選考されます。加えて、既修者向けの開放型選抜入試、未修者向けの特性評価型入試もC日程で実施されています。
C日程とA日程・B日程は併願できますか?
大学公式サイトによると、5年一貫型入試と開放型入試は同一日程の一般入試・特別入試と併願できると案内されています。5年一貫型教育選抜入試はA日程のみの実施のため、C日程で併願を検討できるのは開放型選抜入試です。区分ごとの詳細な併願可否は入試要項で必ず確認してください。
C日程(冬入試)の倍率はどのくらいですか?
2026年度入学試験の実績では、C日程一般入試(既修者)は受験者64名に対して合格者1名(倍率30.00倍)、未修者は受験者20名に対して合格者1名(倍率2.00倍)でした。特性評価型入試・開放型選抜入試は合格者0名という結果でした。倍率は年度によって変動するため、あくまで直近1年度の参考値として捉えてください。
開放型選抜入試と特性評価型入試の違いは何ですか?
開放型選抜入試は、連携協定を締結していない大学の法曹コース修了見込者を対象とした既修者向けの入試区分で、筆記試験と書類審査(学部成績)で選考されます。特性評価型入試は、幅広い分野で顕著な実績や専門資格を持つ未修者を対象とした入試区分で、筆記試験・面接試験・書類審査(特性評価)で選考される点が異なります。
C日程の過去問はどこで入手できますか?
関西学院大学司法研究科の公式サイトにある入試過去問題ページで、2022年度から2026年度までの各日程分の問題・解答例・出題趣旨・講評が公開されています。C日程分も論文・憲法・民法・商法・刑法の各科目が掲載されており、対策の一次情報として活用できます。
社会人でもC日程は受験できますか?
社会人など多様な経験を持つ人を対象とした特性評価型入試が、未修者向けにB日程とC日程で実施されています。また、一般入試の既卒者区分でも出願は可能です。ご自身の経歴に応じてどの入試区分が適しているか、募集要項の出願資格を確認したうえで検討することをおすすめします。
C日程で不合格だった場合、次に目指せる選択肢はありますか?
C日程は年度内最後の入試機会にあたるため、同年度中に再受験することはできません。次年度のA日程からの再挑戦のほか、他大学の法科大学院の入試スケジュールを確認する、あるいは司法試験予備試験ルートを検討するなど、複数の選択肢を並行して検討しておくことが望まれます。法科大学院入試を徹底解説|受験資格・試験科目・日程・難易度と合格戦略【2026年度】では、法科大学院入試全体の仕組みを整理しています。
まとめ|関西学院大学司法研究科C日程(冬入試)の要点
- C日程は関西学院大学司法研究科が年3回実施する入試のうち、出願1月・試験2月に行われる年度内最後の入試区分
- 一般入試(既修者・未修者)に加え、開放型選抜入試(既修者)、特性評価型入試(未修者)の3区分が実施される
- 2027年度入学試験のC日程は、出願2027年1月12日〜26日、試験は既修者2月6日・未修者2月7日、合格発表2月12日
- 試験科目は既修者が民法・商法・憲法・刑法の筆記試験のみ、未修者が論文試験+面接試験
- 募集人員は全日程合計(既修者20名程度・未修者10名程度)のため、C日程は残された枠を争う狭き門になりやすい
- 2026年度実績ではC日程全体の受験者91名に対し合格者はわずか2名(年度により変動する点に留意)
- 学費は初年度1,485,000円・2年目以降1,373,000円だが、給付型奨学金により実質負担はゼロ〜国立大学水準まで抑えられる設計
- 過去問(2022〜2026年度)は解答例・出題趣旨・講評つきで大学公式サイトに公開されており、対策の一次情報として活用できる
関西学院大学司法研究科のC日程は、既修者・未修者どちらにとっても年度内最後のチャンスであると同時に、A日程・B日程よりも合格枠が絞られやすい入試です。出願資格・試験科目・配点という制度面の理解に加え、公開されている過去問の出題テーマと大学公式の講評を読み込み、指摘されている弱点(判例の射程理解、条文根拠の明示、要約力など)を意識した対策を積み重ねることが合格への近道になります。募集要項の内容は年度により変わるため、出願前には必ず最新の入試要項をご確認ください。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。大学院入試対策の詳細はこちらから、関西学院大学司法研究科をはじめとした法科大学院入試のサポート内容をご覧いただけます。
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