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大阪大学大学院経済学研究科の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

大阪大学大学院経済学研究科の研究計画書で重要なのは、興味のあるテーマを長く説明することではなく、志望する専攻・コースの教育体系の中で、修士論文まで到達できる問いと方法を示すことです。2027年度博士前期課程では、研究科所定の様式を使い、日本語または英語でA4横書き3枚以内にまとめます。限られた紙幅だからこそ、問題意識、先行研究、研究上の問い、方法、実現可能性、志望先との接続を一つの論理として組み立てる必要があります。
大阪大学大学院経済学研究科の研究計画書とは、入学後に何を、なぜ、どの方法で研究するかを示す出願書類です。公式の募集要項では、研究計画書等の提出書類、筆記試験、口頭試問などを総合して判定するとされています。さらに、研究計画書に基づく口頭試問を通じて、志望分野に必要な基礎的能力、修士論文作成への意欲と展望、論理的思考能力などが確認されます。文章として整っているだけでなく、質問を受けても根拠を説明できる計画にすることが大切です。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
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本記事は、出願資格、日程、倍率、英語スコアや筆記試験を詳しく繰り返すものではありません。それらは大阪大学大学院経済学研究科の外部院試解説で確認できます。ここでは公式の専攻・コースとカリキュラム、教員一覧を土台に、テーマを研究科の構造へ接続し、所定3枚に落とし込む方法に集中します。専攻、履修、教員、方法の整合性を順に確認すれば、自分のテーマが阪大経済学研究科に合うかも判断しやすくなります。
なお、募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。この記事の制度情報は2027年度博士前期課程の公表資料を基準にしています。
大阪大学大学院経済学研究科で研究計画書がどう扱われるか
所定様式はA4横書き3枚以内
2027年度の公式様式では、使用言語は日本語または英語です。日本語の場合は1枚40字×30行、英語の場合は1ページ30行を目安とし、A4横書き3枚以内に収めます。参考文献を記載する場合も3枚に含めます。PCで作成することが原則で、片面印刷1部を提出します。様式には記入日、氏名、生年月日の欄があり、本文の見出しは「入学後の研究計画」です。
日本語なら形式上の目安は最大3,600字相当ですが、見出し、段落間、参考文献が入るため、本文を上限いっぱいに詰め込む発想は向きません。情報量よりも問いと方法の対応を優先するのが基本です。研究背景を広げすぎず、何が未解明で、自分は何を観察・推定・比較するのかが読める状態を目指します。
| 確認項目 | 2027年度の公式仕様 | 執筆上の意味 |
|---|---|---|
| 様式 | 経済学研究科所定様式 | 独自レイアウトに作り替えない |
| 言語 | 日本語または英語 | 最も正確に議論できる言語を選ぶ |
| 分量 | A4横書き3枚以内 | 参考文献も含めて圧縮する |
| 日本語の目安 | 1枚40字×30行 | 見出し込みの配分を先に決める |
| 内容 | 入学後の研究計画 | 自伝や志望動機だけにしない |
| 提出 | 出願時、片面印刷1部 | 締切前に印刷状態まで点検する |
研究計画書は口頭試問の質問設計図になる
募集要項のアドミッション・ポリシーは、研究計画書に基づく口頭試問を行うと明記しています。したがって、計画書の一文一文は、面接官が確認する質問の入口になり得ます。「先行研究では十分に扱われていない」と書けば、どの文献をどの基準で調べたのか、「因果効果を推定する」と書けば、識別戦略や利用データを説明できる必要があります。
書けることではなく説明できることを書くと考えると、過度に壮大な表現を避けられます。未入手のデータを使う場合は、入手先、対象期間、観測単位、代替案まで示します。理論モデルなら主要な主体、選好や制約、既存モデルとの差を言葉で説明できるようにします。歴史研究なら史料の所在、対象時期、比較軸を確認しておきます。
入試日程や専門科目は年度や夏季・冬季で扱いが変わるため、本記事では詳述しません。研究計画書の設計と並行して、公式の博士前期・後期課程入試情報と既存の外部院試記事を照合してください。
2専攻5コースの構造と研究テーマの対応
経済学専攻は三つのコースで研究の型が異なる
経済学専攻には、経済学コース、応用経済コース、経済制度・事例分析コースがあります。名称が近くても、育成目的と重視する方法は同じではありません。研究計画書では、テーマの名詞だけでコースを選ぶのではなく、問いへの答え方と修了後の方向まで含めて整合させます。
経済学コースは、理論・実証分野と経済史・経営史分野の研究者育成を主目的とします。理論・実証ではミクロ経済、マクロ経済、計量経済が基礎になります。経済史・経営史では独自の基本科目が置かれています。研究者養成に接続する基礎科目との整合が見えなければ、問いが魅力的でも履修計画が弱く映ります。
応用経済コースは、経済学の最先端のツールを用いて経済社会を分析する能力を育て、高度専門職業人の養成を第一の目的とします。政策や企業課題を扱う場合でも、単なる現状紹介ではなく、経済学の概念と分析手法で検証可能な問いに変える必要があります。経済制度・事例分析コースは、資料調査、ケーススタディ、国際比較に加え、理論的・統計的アプローチによる制度観察を重視します。制度がどう形成され、どのような帰結を生んだかを、史資料や比較枠組みで解明する計画と相性があります。
経営学系専攻は研究者養成と高度職業人養成を分けて考える
経営学系専攻には、経営研究コースとビジネスコースがあります。経営研究コースは経営学研究者の育成を主目的とし、2年間の研究指導演習I〜IVと修士論文が教育の軸です。先行研究の理論枠組み、仮説、測定概念、分析方法を明確にした研究計画が求められる構造です。
ビジネスコースは、高度な専門知識を備えた職業人の養成を第一の目的とします。ただし、実務上の困りごとをそのまま研究課題にするのではありません。個別企業の課題を一般化可能な問いに変換する必要があります。たとえば「自社の離職を減らしたい」から、組織行動論や人的資源管理論の概念を用い、どの要因がどの従業員行動と関連するかを検証する問いへ変えます。
| 専攻・コース | 公式に示された中心目的・方法 | 計画書で前面に出す接続 |
|---|---|---|
| 経済学専攻・経済学コース | 理論・実証、経済史・経営史の研究者育成 | 基礎理論、先行研究上の位置、修士論文への発展 |
| 経済学専攻・応用経済コース | 最先端のツールによる経済社会分析 | 政策・社会課題と分析手法の対応 |
| 経済学専攻・経済制度・事例分析コース | 資料調査、事例、国際比較、制度観察 | 史資料・比較対象・制度変化の観察可能性 |
| 経営学系専攻・経営研究コース | 経営学研究者の育成 | 理論枠組み、仮説、研究指導との接続 |
| 経営学系専攻・ビジネスコース | 高度な専門知識を備えた職業人の育成 | 実務課題の一般化と学術的方法 |
コース選択の最終判断は、「何を扱うか」「どう調べるか」「何のために学ぶか」の三点で行います。企業を扱うから経営学、政策を扱うから経済学と単純化せず、同じ対象でも問いと方法で所属先は変わると理解してください。
迷ったときは同じテーマを五つの研究型に書き分ける
志望コースを決められないときは、一つの関心を各コースの研究型で書き分けます。たとえば地域企業の事業承継に関心があるなら、経済学コースの理論・実証では、承継が企業の雇用や投資へ与える影響をデータで検証する問いにできます。経済史・経営史では、特定地域・時期の企業資料から承継慣行の形成を明らかにする問いが考えられます。
応用経済コースでは、事業承継支援策の効果や地域金融機関の役割を、経済学の分析手法で評価する方向になります。経済制度・事例分析コースなら、承継を支える制度の変化を資料調査や地域間比較で観察します。経営研究コースでは、後継者選抜、組織アイデンティティ、戦略転換などを既存理論へ位置づけます。ビジネスコースでは、現場の課題を一般化し、専門職業人として活用できる知見を学術的に導く設計が中心になります。
この書き分けによって、自分が本当に知りたいのが政策の効果なのか、制度の形成なのか、組織内のプロセスなのかが見えてきます。テーマ名が同じでも、従属変数、比較対象、使う文献、必要な資料が変わります。コースは対象ではなく問いの立て方で選ぶという原則を、具体的に確認できる方法です。
五案を作ったら、各案について主要文献を3本ずつ探し、データ・史料の入手可能性を調べます。文章として魅力的でも、必要資料が非公開なら修士研究として進めにくい場合があります。反対に、公開データと蓄積された理論がある案は、短期間でも研究設計を深めやすくなります。最後に公式カリキュラムと教員一覧へ戻り、教育上の接続が最も具体的な案を残します。
カリキュラムと修了要件から逆算する研究の型
1年目の基礎科目に耐えられる計画かを見る
博士前期課程は2年間です。公式カリキュラムによると、経済学専攻では1年目の基本科目を通じて研究に必要な基礎知識を修得し、それらがスクリーニングも兼ねます。理論・実証分野ではミクロ経済、マクロ経済、計量経済が基本科目です。研究計画書に高度な実証分析を書く一方で、経済理論や統計的推測との接続がないと、履修体系とのずれが生じます。
たとえば最低賃金の雇用効果を研究するなら、政策前後の平均値比較だけでは足りません。労働需要の理論、政策変更がなかった場合の反実仮想、地域や産業の異質性、推定上の仮定をどこまで学ぶ必要があるかを示します。入学前にすべてを完成させる必要はありませんが、不足する基礎を履修で補う見通しは書けます。
経済史・経営史分野では、経済史と経営史の基本科目が置かれています。史料を紹介するだけではなく、研究史上の論点、史料批判、時期区分、比較対象を設計します。経済制度・事例分析コースを志望する場合も、事例の面白さだけでなく、その事例からどの制度的メカニズムを観察するかが要点です。
研究指導と修士論文から逆算する
経営研究コースでは研究指導演習I〜IVが2年間にわたり置かれ、修士論文へつながります。研究計画書は入試のためだけの文章ではなく、入学後に文献レビュー、研究設計、データ収集、分析、執筆へ展開できる初期設計であるべきです。2年間で完結する作業単位に問いを絞ることが重要です。
テーマの実現可能性は、対象、期間、変数、資料、方法の五点で点検できます。「日本企業のイノベーションを研究する」は広すぎます。「国内上場製造業を対象に、特定期間の公開データを用いて、研究開発投資と新製品成果の関係を検討する」のように、観察単位と範囲を限定します。データの利用条件や欠測が不明なら、公開資料による代替案も用意します。
理論研究では、モデルを複雑にするより、既存研究のどの仮定を変更し、どの命題を検討するかを明確にします。質的研究では、インタビュー人数を先に大きく掲げるより、対象選定、質問設計、分析手順、研究倫理を説明します。歴史研究では史料館やデータベースの所在を確認し、閲覧不能時の代替史料も考えます。これらはすべて、修士論文までの道筋を現実的にする作業です。
カリキュラムから逆算すると、阪大向けの計画書に必要なのは華やかな将来像ではありません。基礎科目で理論と方法を補強し、研究指導で問いを磨き、修士論文として検証可能な成果へ到達する流れです。履修科目名の羅列ではなく研究上の必要性を説明してください。
教員の研究分野マップと指導可能性の調べ方
経済学専攻は方法と対象の両方から探す
公式教員一覧では、経済学専攻について、たとえば次の氏名と研究分野が掲載されています。実証研究を考える場合、テーマの対象だけでなく、必要となる推定方法と接続する分野があるかを確認します。
| 専攻 | 教員 | 公式掲載の専門分野 |
|---|---|---|
| 経済学専攻 | 氏名:海道宏明教授 | 計量経済学。 |
| 経済学専攻 | 氏名:林真講師 | ミクロ計量経済学・処置効果。 |
| 経済学専攻 | 氏名:西脇雅人准教授 | 実証産業組織論。 |
| 経済学専攻 | 氏名:小野哲生教授 | マクロ経済学・公共経済学。 |
| 経済学専攻 | 氏名:佐々木周作准教授 | 行動経済学・実験経済学・公共政策。 |
| 経済学専攻 | 氏名:高槻泰郎教授 | 経済史・経営史・金融史。 |
教員名を飾りとして書かないことが大切です。「専門が近いから志望する」で終わらず、自分の問いのどの部分が、その研究分野と接続するかを明示します。ただし、教員の研究分野が近いことは指導受入れを保証しません。論文、担当科目、最新の公式情報を確認し、研究計画の適合を自分で検証します。
経営学系専攻は理論領域と分析方法を組み合わせる
経営学系専攻についても、公式教員一覧から代表例を確認できます。組織や消費者を扱う計画では、何を説明変数・結果変数とするか、どの理論で関係を予測するかまで詰めます。
| 専攻 | 教員 | 公式掲載の専門分野 |
|---|---|---|
| 経営学系専攻 | 氏名:開本浩矢教授 | 組織行動論・人的資源管理論・クリエイティビティ・マネジメント。 |
| 経営学系専攻 | 氏名:勝又壮太郎教授 | マーケティング・マーケティング・サイエンス。 |
| 経営学系専攻 | 氏名:松村真宏教授 | データマイニング・テキストマイニング・仕掛学。 |
| 経営学系専攻 | 氏名:村宮克彦教授 | 財務会計・ファンダメンタル分析。 |
| 経営学系専攻 | 氏名:西原理教授 | 金融工学。 |
| 経営学系専攻 | 氏名:渡辺周准教授 | 経営戦略論・経営組織論・企業統治論。 |
氏名と専門分野の対応を確認したうえで、対象領域と方法領域を交差させて候補を探すと、単なるキーワード一致を避けられます。
教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に必ず最新の大阪大学経済学研究科の教員一覧で確認してください。公式一覧にない専門を推測で付け足したり、過去の所属情報を現在の情報として扱ったりしないようにします。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
- 志望校が決まっていなくてもOK
\ 合格がグッと近づく/
LINE登録でもらえる4大特典 : ①プロ講師の映像授業 ②合格までのロードマップシート ③受験校検索サイト ④「今から間に合うか」の判断材料
(費用は一切かかりません)
自分の研究テーマが研究科に合うか判定する手順
問い、方法、教育、教員の四層で照合する
適合判定は、テーマ名から始めるより、研究上の問いを一文にするところから始めます。「地域経済に興味がある」ではなく、「ある政策変更が地域企業の雇用に与えた影響は何か」のように、説明したい関係を示します。そのうえで、因果推論、構造推定、理論分析、史料分析、国際比較、ケーススタディなど、答えを出す方法を仮置きします。
- 研究上の問いを、対象と関係が分かる一文にする
- 問いに答えるための理論枠組みと方法を決める
- 2専攻5コースの目的と、必要な基礎科目を照合する
- 公式教員一覧で対象分野と方法分野の接点を探す
- データ・史料の入手可能性と2年間の工程を確認する
- 接続しない箇所があれば問いの範囲か方法を修正する
四層すべてに根拠がある状態が適合の目安です。教員だけ合っても、コースの育成目的や基礎科目とずれていれば弱い計画です。反対に、カリキュラムに合っていても、研究分野の近い教員が公式一覧で確認できなければ、指導可能性の検討が不足しています。
テーマを狭める三つの質問
第一は「誰または何を観察するのか」です。個人、企業、自治体、国、制度、文書など観察単位を決めます。第二は「どの期間・場面の変化を見るのか」です。第三は「何と何を比較するのか」です。これらに答えるだけでも、「日本経済の格差」のような広いテーマを、検証可能な研究へ近づけられます。
経済学の実証研究なら、結果変数、主要な説明変数、比較対象、交絡要因を整理します。経営学の質問紙調査なら、理論概念の測定方法と対象者へのアクセスを確認します。歴史研究なら、一次史料の種類、作成主体、保存場所、史料が持つ偏りを検討します。方法の名前よりデータが答えを支える仕組みを説明できるかが重要です。
判定の途中で志望先に合わないと分かることは失敗ではありません。問いを小さくする、比較対象を変える、方法を基礎科目に合わせる、別コースを検討するという修正ができます。大学名を先に決めて研究を無理に寄せるより、修士論文として成立する接点を探す方が、口頭試問でも一貫した説明になります。
出願前の教員連絡について、2027年度博士前期課程の一般入試ページと募集要項では、研究生制度のような事前内諾を一般出願者に一律に求める記載は確認できません。研究生の内諾制度と博士前期課程入試を混同しないようにします。年度ごとの要項や公式案内に指示がある場合は、それを優先してください。
所定3枚に収める研究計画書の構成と分量配分
一つの論理線として七項目を並べる
公式様式の本文欄は「入学後の研究計画」とされ、細かな小見出しは指定されていません。そこで、読み手が論理を追えるように、研究題目、背景と問題意識、先行研究、研究上の問い、方法、期待される成果、入学後の工程、参考文献を整理します。見出しを使う場合も、細分化しすぎて本文が断片的にならないようにします。
| 項目 | 配分の目安 | 書く内容 |
|---|---|---|
| 題目 | 1〜2行 | 対象・関係・方法が推測できる名称 |
| 背景・問題意識 | 15% | 社会的背景と学術的な問題を区別 |
| 先行研究と課題 | 25% | 到達点、対立、未解明点 |
| 研究上の問い | 10% | 答えられる一文と必要なら仮説 |
| 研究方法 | 30% | データ、対象、分析、識別・比較 |
| 意義・成果 | 10% | 先行研究に何を加えるか |
| 入学後の工程 | 10% | 履修、収集、分析、執筆の順序 |
配分は固定ルールではありませんが、先行研究と方法に全体の半分以上を使うと、関心表明から研究設計へ移りやすくなります。社会問題の深刻さを長く説明しても、学術的に何が分かっていないかは自動的に示されません。統計やニュースを背景に使う場合も、先行研究上の論点へ早めに接続します。
先行研究は要約ではなく研究上の空白を導く
先行研究は「AはXと述べ、BはYと述べた」という読書記録にしません。研究群を理論、対象、データ、方法、結論で比較し、どの条件で結論が一致しないのか、何が観察されていないのかを示します。そこから自分の問いが自然に出てくる構成にします。
文献を探す手順は、概説書から用語を得て、レビュー論文で論点を把握し、主要論文の引用・被引用をたどる流れが効率的です。検索方法は研究計画書のための先行研究の探し方も参考にしてください。引用する文献は実際に読み、問い、データ、方法、結果、限界を自分の言葉で説明できるようにします。
先行研究表を作って3枚の文章へ変換する
文献を読んだら、著者と結論だけをメモするのではなく、研究上の問い、理論、対象、期間、データ、方法、主要結果、限界を横一列にした表を作ります。同じ列で比較すれば、研究間の違いが見えます。ある結論の違いが対象国によるものか、データ期間によるものか、推定方法によるものかを切り分けられます。
表の次に、文献を三つ程度の研究群へまとめます。たとえば最低賃金研究なら、雇用量への平均的効果、企業・労働者の異質性、賃金以外の調整経路という分け方ができます。各群について共通点と相違点を一文ずつ書き、最後に群をまたいで残る課題を示します。論文単位の要約から論点単位の比較へ移ることが、短い紙幅でレビューを書く鍵です。
未解明点は、何も研究されていない空白だけではありません。研究はあるが結論が一致しない、特定の制度条件でしか検証されていない、測定方法に限界がある、平均効果しか分からない、といった形もあります。自分のデータや方法で実際に扱える空白を選びます。大きな空白を掲げても、3枚の計画と2年間の研究で答えられなければ実現可能性が下がります。
本文へ変換するときは、各文献の紹介を均等に並べません。問いを導くために必要な研究だけを本文に残し、周辺文献は参考文献や口頭試問用メモへ回します。引用の目的を「権威づけ」ではなく「自分の研究位置を座標化すること」と捉えると、先行研究と問いのつながりが明確になります。
方法は再現できる粒度で書く
実証分析なら、データ名だけでなく、観測単位、対象期間、標本、主要変数、推定方法、必要な仮定を示します。「回帰分析を行う」だけでは、問いに答えられる理由が分かりません。政策評価なら、処置群と対照群をどう作り、政策がなかった場合をどう推定するかを説明します。
質的研究なら、対象者の選び方、調査手続、記録方法、分析方法、倫理的配慮を記します。ケーススタディなら、その事例を選ぶ理由と、何への一般化を目指すかを示します。歴史研究なら、史料群とその限界、年代、比較の軸を明示します。データと問いの間を方法が橋渡しする状態を作ってください。
一般的な構成例やNG例を比較したい場合は、研究計画書の書き方と例文も利用できます。ただし、例文の表現を移すのではなく、大阪大学経済学研究科のコース、基礎科目、教員分野に合わせて設計し直す必要があります。
データ・史料の実現可能性を四段階で確認する
第一段階は存在確認です。データベース名や史料名を見つけただけで終わらず、目的の期間、地域、変数が収録されているかを確認します。集計値しかないのか、個票を利用できるのかによって可能な分析は変わります。歴史史料なら、目録だけでなく欠号や閲覧制限の有無も見ます。
第二段階はアクセス確認です。一般公開、学内契約、申請制、有料、現地閲覧のどれかを区別します。申請制なら審査期間や利用場所を調べ、有料なら費用を見積もります。入学後でなければ利用できないデータについては、その条件を正直に書き、公開集計や別データによる事前分析を代替案にします。
第三段階は変数確認です。研究概念を測る変数が本当にあるか、定義が年度をまたいで一貫しているか、欠測がどの程度あるかを確認します。「生産性」「イノベーション」「幸福度」のような概念には複数の測り方があります。利用可能な変数から問いを逆算しすぎない一方、測れない問いを掲げないバランスが必要です。
第四段階は分析単位と標本数の確認です。政策が都道府県単位で変わるのに個人データの件数だけを見ても、有効な比較単位は増えません。企業パネルなら脱落や合併、業種変更を考えます。インタビューなら人数の多さより、問いに必要な多様性を確保できる選定かを確認します。これらを経て、主案、縮小案、代替案の三つを用意します。
計画書には全確認過程を書く必要はありませんが、データの入手先、対象、期間、主要変数、分析方法、代替案を短く入れます。口頭試問用には、利用条件を確認した日付やページ、想定される制約をメモします。アクセス確認まで済ませた方法は説得力が違うため、早めの調査が有効です。
評価されにくい研究計画書の共通点と直し方
研究科の射程外か、コース選択の根拠がない
最初の失敗は、社会的に重要なテーマであっても、経済学・経営学の研究上の問いになっていないことです。「少子化を解決したい」「地域を活性化したい」だけでは、何を説明・検証するのかが分かりません。経済主体の意思決定、制度、企業行動、市場、組織などの概念を使い、観察可能な問いへ変えます。
コース名を志望理由に書くだけで、研究の型が合っていない場合もあります。経済学コースで理論・実証研究を目指すなら、基礎科目との関係を示します。経済制度・事例分析コースなら、資料調査や比較、制度観察の設計を具体化します。ビジネスコースなら、実務経験を学術的な問いへ翻訳することが必要です。
指導可能性を教員名の一致だけで判断する
教員一覧に自分のテーマと同じ単語があるだけでは、適合を十分に示せません。対象が近くても方法が異なる場合があり、方法が近くても必要なデータへのアクセスがない場合があります。公式プロフィールや研究成果を確認し、自分の問いのどこが公開研究分野と接続するかを説明します。
反対に、研究分野が確認できない教員を推測で候補にするのも避けます。古いブログ、過去年度の資料、第三者の一覧ではなく、最新の公式教員一覧を基準にします。教員名を多く並べるより、一つか二つの分野接続を正確に示す方が研究設計として明瞭です。
方法が実行不能か、先行研究との関係がない
全国の企業への大規模調査、非公開の社内データ、短期間での海外多地点調査など、アクセスの見通しがない方法は実現可能性を損ないます。必要な許可、費用、倫理審査、データの欠測まで考え、公開データや対象縮小による代替案を用意します。
先行研究を引用していても、自分の問いとの関係がなければ装飾に見えます。既存研究が何を明らかにし、どの対象・期間・方法に限界があり、自分が何を追加するかを一続きで書きます。「日本では研究が少ない」という主張は、検索範囲が狭いだけかもしれません。日本語と英語の文献を調べ、断言を避けて根拠を示します。
最後に、研究計画書と口頭試問を別々に準備する失敗があります。本文の各段落について「なぜこの問いか」「なぜこの方法か」「代替方法は何か」「結果が仮説と逆ならどう解釈するか」を答える練習をします。弱点を隠すより限界と対応策を示す方が、研究遂行の見通しを説明できます。
出願までの逆算スケジュール
6か月前から問いと資料を往復する
研究計画書は、締切直前に文章だけを整えて完成する書類ではありません。テーマの仮決定、先行研究の探索、教員・コースの確認、データや史料の確認、初稿、口頭試問練習を往復します。英語スコアや専門科目も並行するため、研究計画書だけに使える時間を現実的に見積もります。
| 時期 | 主な作業 | 完了基準 |
|---|---|---|
| 出願6〜5か月前 | 関心領域、2専攻5コース、主要教員分野を調査 | 問いの候補を3本作る |
| 5〜4か月前 | レビュー論文と主要文献を読む | 先行研究表と未解明点を作る |
| 4〜3か月前 | データ・史料、方法、対象範囲を確認 | 実行案と代替案を一つずつ作る |
| 3〜2か月前 | 所定様式で初稿を作成 | 七項目が一つの論理でつながる |
| 2〜1か月前 | 第三者の指摘を受けて改稿 | 曖昧語と根拠のない断言を除く |
| 出願前 | 3枚、参考文献、個人欄、印刷を確認 | 提出版と面接用控えを確定 |
| 試験前 | 口頭試問練習 | 1分・3分・5分で説明できる |
最初の1か月は、文章量を増やすより問いの比較に使います。候補ごとに、先行研究、必要データ、方法、コース、教員分野を一枚に整理すると、実現可能性の差が見えます。早い段階で捨てる問いを決めることも重要な研究設計です。
推敲は論理、事実、形式の三巡で行う
第一巡は論理です。背景から問い、問いから方法、方法から期待される成果へ飛躍がないかを確認します。第二巡は事実です。教員の職位・所属・研究分野、コース名、科目名、データの利用条件、引用文献を原典と照合します。第三巡は形式です。所定様式、3枚以内、参考文献、記入日、氏名、生年月日、片面印刷を点検します。
口頭試問の練習では、全文暗記を目指しません。研究上の問い、既存研究との差、方法、実現可能性、阪大で学ぶ必要性をそれぞれ短く答えます。反論を受けたときに結論を守り続けるより、仮定や限界を認め、どのように修正できるかを述べる方が研究的な応答になります。
経済学の実証研究を計画書へ落とす例
実証研究では、関心から問いへ進む間に、説明したい因果関係を明確にします。たとえば「テレワークと生産性に関心がある」だけでは、企業が生産性の高い職種にテレワークを導入したのか、テレワークによって生産性が変化したのかを区別できません。対象を企業、事業所、従業員のどの単位で見るのか、導入前後を比較できるのか、制度変更など外生的な変化があるのかを検討します。
計画書では、最初に社会的背景を短く示し、次に先行研究がどのデータと方法で何を明らかにしたかを整理します。そのうえで、日本の特定産業や雇用形態など、既存研究と異なる対象を使う学術的理由を示します。「日本の研究が少ない」だけではなく、雇用慣行や職務設計の違いが既存の結論を変える可能性を理論的に説明します。
方法の段落では、利用候補の統計、観測単位、期間、主要変数を記します。単純な相関と因果効果を区別し、選択バイアスへどう対処するかを検討します。差の差法を使うなら、処置群と対照群、処置時点、平行トレンドの確認方法を説明します。操作変数法を使うなら、操作変数が結果へ直接影響しないと考える理由が必要です。手法名ではなく仮定を説明することで、方法を理解して選んだことが伝わります。
結果を先に決めないことも大切です。「テレワークは生産性を高めることを証明する」と書くと、反対の結果を排除する計画に見えます。「平均的な効果と職種による異質性を検証する」とすれば、正負どちらの結果も研究上の知見になります。期待される貢献は、望ましい結論ではなく、どの未解明点に証拠を加えるかで表現します。
理論研究を計画書へ落とす例
理論研究では、現実の複雑さをすべてモデルに入れるのではなく、どのメカニズムを抽出するかを決めます。プラットフォーム市場を扱うなら、消費者、出店者、プラットフォームのうち誰が意思決定主体で、価格、手数料、情報、ネットワーク効果のどれを中心に置くかを絞ります。既存モデルの仮定を列挙し、自分が変更する仮定と、その変更が必要な現象を説明します。
研究上の問いは「どの条件の下で、どの均衡が生じるか」という形にできます。モデルの設定、均衡概念、比較静学、厚生分析など、予定する分析を順に示します。数学的な詳細を3枚に詰め込みすぎず、経済的直観を言葉で添えます。入学後に必要となるミクロ経済や数理的手法との関係を示せば、経済学コースの基礎科目から研究へ進む道筋が見えます。
理論研究の実現可能性は、データ入手ではなく、問題設定の範囲と技術的準備で決まります。多主体、動学、不完備情報を一度に扱うと、修士課程では過大な計画になり得ます。まず静学または単純な情報構造から始め、基本モデルを解いた後に拡張する工程を示します。最小モデルと拡張を分けると、研究の核と将来課題が明確になります。
歴史・制度研究を計画書へ落とす例
歴史研究や制度研究では、過去の出来事を詳しく叙述すること自体が目的ではありません。どの制度がどの主体の行動を変え、その帰結がどの資料に表れるかを問います。たとえば近代の金融制度を扱うなら、制度改正、銀行行動、企業金融、地域経済のどの関係を明らかにするかを決めます。
史料は種類ごとに作成目的と偏りがあります。官庁統計、企業記録、議会資料、新聞、日記では、観察できる主体と情報が異なります。計画書では、主要史料がどこに所蔵され、どの期間をカバーし、何を観察できるかを示します。史料が断片的な場合は、複数資料の照合や比較地域の設定で補う方法を考えます。
国際比較や事例比較を行うなら、似ている事例を選ぶのか、異なる制度を選ぶのか、その選択が問いにどう役立つかを書きます。成功例と失敗例を結果だけで選ぶと、選択バイアスが生じます。比較の前提となる産業構造、法制度、時期をそろえ、異なる条件をどこまで統制できるかを検討します。経済制度・事例分析コースとの接続では、資料調査と理論的な制度観察を結ぶ点を明確にします。
経営学の定量研究を計画書へ落とす例
経営学の定量研究では、日常語と理論概念を区別します。「働きやすさ」「企業文化」「ブランド力」といった語は、そのままでは測定できません。先行研究でどのように概念化され、どの尺度や代理変数が使われているかを確認します。組織行動論なら、従業員の態度と行動、個人レベルとチームレベルを混同しないようにします。
質問紙調査を予定する場合、対象者へのアクセス、必要標本数、回答バイアス、共通方法バイアスを検討します。従属変数と独立変数を同じ回答者から同時に集める設計には限界があります。可能であれば時点を分ける、上司評価や客観指標を組み合わせるなどの案を考えます。修士課程で実施できる規模へ限定し、協力が得られない場合の二次データ案も示します。
企業財務や会計の研究なら、財務データの定義、連結・単体の違い、会計基準、業種差、外れ値の扱いを確認します。マーケティング研究なら、購買履歴、実験、質問紙、テキストデータのどれが問いに適するかを比較します。測りたい概念と観測変数を区別することで、分析可能な計画になります。
経営学の質的研究を計画書へ落とす例
質的研究は、少人数へのインタビューを行えば成立するわけではありません。なぜ質的な方法が問いに適しているのか、どの理論的サンプリングで対象を選ぶのか、どの時点で十分なデータが得られたと判断するのかを説明します。新しい組織慣行が定着する過程など、時間的プロセスや当事者の意味づけを扱う問いに向いています。
半構造化インタビューなら、質問項目を先行研究と概念枠組みから導きます。録音・文字起こし・匿名化の方法、コード化、カテゴリー形成、反例の検討を工程に含めます。研究協力者へ目的と利用範囲を説明し、同意を得る手続も考えます。企業名を匿名化しても、役職や業界の組合せで個人が推定される可能性があるため、データ管理まで含めた倫理的配慮が必要です。
単一事例から何を主張できるかも限定します。統計的一般化ではなく、理論的なメカニズムの提示や既存理論の精緻化を目指す場合、その貢献を明示します。複数事例を比較するなら、事例選択の論理と共通の観察項目を決めます。事例の面白さと研究上の貢献を分けることで、ビジネス紹介から研究へ移行できます。
3枚へ圧縮するときの編集手順
初稿は所定枚数を少し超えても構いません。最初から短く書こうとすると、問いを支える根拠まで落としがちです。まず背景、文献、問い、方法、意義、工程をそろえたうえで、段落単位に役割を書き出します。役割が重複する段落を統合し、問いに直接つながらない背景を削ります。
次に、抽象語を具体語へ置き換えます。「多角的に分析する」は、どのデータをどの方法で分析するかに変えます。「先行研究を踏まえる」は、どの研究群のどの限界を扱うかに変えます。「さまざまな要因」は主要な要因を列挙します。具体化すると文字数が増えるように見えますが、曖昧な補足説明が不要になり、全体は短くなります。
引用は必要なものに絞り、参考文献表の形式を統一します。同じ事実を背景と意義で繰り返さず、各段落の最初に要点を置きます。一文に複数の論点を入れず、主語と述語の距離を短くします。削る基準は問いへの貢献があるかです。読み手が問いと方法を復元するために必要な情報は残します。
最後に印刷して確認します。画面上で3ページでも、フォントや余白、プリンタ設定により崩れる場合があります。所定の記入欄を削除していないか、ページ番号があるか、参考文献が3枚内に収まるかを点検します。提出用とは別に、口頭試問用の控えを作り、文献やデータの補足メモを添えておきます。
口頭試問を想定したセルフレビュー
完成稿を段落ごとに読み、「この主張の根拠は何か」と質問します。背景の数値なら出典、先行研究の評価なら検索範囲、方法なら仮定、教員分野なら公式一覧を答えられるようにします。答えられない文は、根拠を調べるか、主張の強さを下げます。
次に、代替説明を考えます。観察した関係が別の要因で生じる可能性、逆の因果、測定誤差、対象選択を列挙します。すべてを入試段階で解消する必要はありませんが、主要な脅威を認識し、入学後にどう検討するかを話せれば、計画への理解が深まります。
さらに、「なぜ大阪大学経済学研究科なのか」を大学の知名度以外で説明します。志望コースの育成目的、基礎科目、研究指導、公式教員一覧の研究分野が、自分の問いを進めるうえでどのように必要かを結びます。科目名や教員名を並べるのではなく、研究上の不足と教育資源を対応させることがポイントです。
説明時間も変えて練習します。1分版は問い、方法、貢献を一文ずつ述べます。3分版は背景と先行研究の空白を加えます。5分版はデータ、仮定、工程、志望先との接続まで説明します。長い説明しかできない場合は研究の核が定まっていない可能性があります。短い版から作り、質問に応じて詳細を足せる構造にします。
提出前の最終チェックを二人の読み手で行う
最終稿は、専門分野を知る読み手と、その分野を専門にしない読み手の両方に確認してもらうと効果的です。専門の読み手には、先行研究の理解、理論と方法の選択、データの限界を見てもらいます。専門外の読み手には、研究上の問いが一度で分かるか、段落間のつながりに飛躍がないか、専門用語が定義されているかを確認してもらいます。
指摘を受けたら、表現だけを直す前に、指摘が研究設計のどの層に関わるかを分類します。「問いが分からない」は文章の問題ではなく、対象と関係が定まっていない可能性があります。「方法が弱い」は、データが問いに対応していない場合があります。「阪大で学ぶ理由が薄い」は、コース、基礎科目、研究分野との照合不足かもしれません。表面修正と設計修正を区別することで、改稿の優先順位が決まります。
改稿履歴は別ファイルに残します。問い、対象、方法、データを変更した理由を書いておけば、口頭試問で研究計画の形成過程を尋ねられたときにも説明できます。複数の助言が矛盾した場合は、所定様式、公式カリキュラム、主要先行研究という一次的な基準へ戻り、自分の問いに必要な修正を選びます。助言をすべて盛り込んで焦点を失わないようにします。
校正では、主語のない長文、二重否定、定義していない略語、同じ語の表記ゆれを確認します。文献の著者名と年、和文・欧文の書式、本文引用と参考文献の対応も点検します。数字や制度名は出典へ戻り、古い年度の情報が混じっていないかを見ます。教員情報は最新の公式一覧で再確認し、公式にない研究分野を推測で加えません。
印刷後はページの順序、ページ番号、文字切れ、表や記号の崩れを確認します。提出部数、片面印刷、綴じ方なども公式様式の注意事項に合わせます。郵送前にPDF化した控えを保存し、口頭試問では提出版と同じ内容を参照します。出願後に新しい文献や方法上の問題を見つけた場合は、隠さず、どのように修正するかを説明できるよう準備します。
研究計画書と専門科目対策を連動させる
研究計画書の準備は、専門科目の勉強と切り離す必要はありません。実証研究を志望するなら、ミクロ経済、マクロ経済、計量経済の学習で得た概念を、自分の問いへ当てはめます。理論上の予測を立て、推定式の意味を説明し、仮定が崩れた場合の影響を考える作業は、筆記と口頭試問の双方に役立ちます。
経営学系では、組織、戦略、マーケティング、会計、金融などの主要理論を、単なる用語暗記にしません。自分の対象をどの理論で説明でき、競合理論なら何を予測するかを比較します。歴史分野では、時代背景の知識と史料批判を研究計画へ接続します。計画書を専門知識の応用問題として使うと、準備の重複を減らせます。
週単位では、文献読解、専門科目、計画書改稿を別々の日に置くだけでなく、一つの論点を三つの作業で扱います。たとえば因果推論の章を学んだ週に、関連する実証論文を読み、自分の識別戦略を改稿します。理解できない箇所が計画書に現れれば、学び直す範囲が明確になります。出願直前には新しい方法を増やすより、採用した方法の前提と限界を説明する練習へ移ります。
専門科目や出願手続を含む全体スケジュールは、大阪大学大学院経済学研究科の外部院試記事と最新募集要項で確認してください。研究計画書の添削や院試対策を個別に進めたい場合は、大阪大学大学院の研究計画書対策に対応する大学院入試コースも選択肢になります。
よくある質問(FAQ)
大阪大学大学院経済学研究科の研究計画書は何字ですか
2027年度の所定様式は、字数そのものではなくA4横書き3枚以内と指定しています。日本語は1枚40字×30行が目安なので、形式上は3,600字相当ですが、見出しや参考文献も3枚に含みます。最大字数を埋めるより読みやすい余白と論理を優先してください。
日本語と英語のどちらで書けますか
公式様式では日本語または英語を使用できます。英語の場合は1ページ30行が目安です。選んだ言語で先行研究と方法を正確に説明し、口頭試問でも内容を説明できるよう準備します。年度や選抜区分により条件が異なる可能性があるため、該当する最新要項を確認してください。
指導希望教員への事前連絡は必要ですか
2027年度博士前期課程の一般入試ページと募集要項では、研究生制度のように事前内諾を一律に求める記載は確認できません。ただし、制度は変更され得ます。博士前期課程入試と研究生出願を区別し、自分が出願する年度・区分の公式指示を優先してください。
経済学専攻と経営学系専攻はどう選びますか
研究対象だけでなく、問い、方法、必要な基礎科目、修了後の方向で選びます。企業を対象にしても産業組織や労働経済の問いなら経済学専攻と接続し、政策を扱っても組織や戦略の問いなら経営学系専攻と接続する場合があります。2専攻5コースの公式説明と教員分野を照合してください。
データがまだ入手できなくても計画書を書けますか
書けますが、入手可能性の確認は必要です。データの提供元、対象期間、利用条件、必要な申請、想定する変数を調べます。入手できない場合に備えて公開統計や対象縮小などの代替案を示すと、研究の実現可能性を具体的に説明できます。
研究計画書は口頭試問でどう使われますか
公式募集要項では、研究計画書に基づく口頭試問によって、志望分野に必要な基礎的能力、修士論文作成への意欲と展望、論理的思考能力などを判定するとされています。研究上の問い、先行研究との差、方法を短く説明し、仮定や限界への質問にも答える練習をしてください。
社会人経験を研究テーマにできますか
実務経験は問題発見の出発点になります。ただし、社内事情の説明や改善提案だけでは研究計画になりません。組織行動、人的資源管理、戦略、会計、マーケティングなどの理論と先行研究を用い、他の組織にも意味を持つ問いへ一般化します。機密情報や調査倫理にも配慮が必要です。
研究計画書はいつから準備すべきですか
目安として出願6か月前にはテーマ候補と志望コースの調査を始めます。先行研究を読み、利用データや史料を確認してから初稿を書くためです。専門科目と英語スコアも並行するので、遅くとも3か月前には所定様式の初稿を作り、改稿と口頭試問練習の時間を確保します。
まとめ|大阪大学経済学研究科の教育体系から研究計画を組み立てる
大阪大学大学院経済学研究科の研究計画書は、所定3枚に情報を詰める競争ではありません。研究上の問いを定め、先行研究の到達点から未解明点を導き、利用可能なデータ・史料と方法で答える道筋を示す書類です。その道筋が、志望コースの目的、基礎科目、研究指導、教員の公開研究分野と整合しているかを確認します。
- 2027年度博士前期課程は所定様式、日本語または英語、A4横書き3枚以内です
- 研究計画書は提出書類として総合判定され、内容に基づく口頭試問にも使われます
- 経済学専攻3コースと経営学系専攻2コースでは、育成目的と研究の型が異なります
- カリキュラムの基礎科目、研究指導、修士論文から実現可能な計画へ逆算します
- 教員は最新の公式一覧にある氏名・所属・研究分野だけを根拠に検討します
- 背景より、先行研究、研究上の問い、方法に多くの紙幅を使います
- 完成稿の各主張を口頭で説明し、限界と代替案も答えられるようにします
問い・方法・コース・教員の四点を一貫させることが、阪大経済学研究科向けに設計する中心です。まず公式カリキュラムと教員一覧を開き、自分の問いがどこに接続するかを一枚の表にしてください。その後、先行研究とデータを確認し、3枚の本文へ圧縮します。
募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。提出前には、所定様式の注意事項と募集要項の提出書類欄をもう一度丁寧に照合し、内容だけでなく印刷や記入を含む形式面の不備も防ぎましょう。独学での対策に不安がある場合は、研究計画書の論理、研究科との適合、口頭試問まで一貫して確認できる専門の指導を活用するのも一つの方法です。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
- 志望校が決まっていなくてもOK
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