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国際基督教大学(ICU)の編入試験を徹底解説|転編入学制度の出願資格・試験科目・倍率と対策【2027年度】

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「国際基督教大学 編入」で検索してこのページにたどり着いた方の多くは、法政大学や中央大学のような、学部ごとに枝分かれした「編入学試験」を想像していると思います。しかしICU(国際基督教大学)の仕組みはまったく違います。ICUには独立した編入学試験がなく、用意されているのは転編入学制度という仕組みだけです。その中身は「一般選抜(もしくは総合型選抜 English Language Based Admissions)を、一般の受験生とまったく同じ試験・同じ基準で受験する」というもので、学部も教養学部アーツ・サイエンス学科の1つしかありません。法政大学のように学部ごとに試験科目や倍率が分かれることもありません。

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この記事では、ICUが公式サイトで公開している転編入学制度の出願資格・選考方法、2025・2026年度の入学者選抜結果(志願者数・合格者数の内訳)、そして2026年度の一般選抜過去問題(大学公表の出題意図を含む)をもとに、転編入本科学生として出願する場合に実際に何が起きるのかを整理します。確認できない数値は「非公表」として扱い、推測では埋めていません。

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目次

ICU(国際基督教大学)とはどんな大学か|1学部1学科のリベラルアーツ大学

編入を検討する前提として、ICUがどのような大学かを確認しておきます。ICUは東京都三鷹市に本部を置く私立大学で、学部組織は教養学部アーツ・サイエンス学科という1学部1学科だけで構成されています。法学部・経済学部・理工学部といった専門学部への分化を行わず、入学後に文系・理系の枠を越えて幅広く学びながら、登録3学期目に31の「メジャー」(専攻分野)の中から自分の専門を選び取る、リベラルアーツ教育を掲げる大学です。

教育の仕組みにもいくつか独自の特徴があります。1年を3つの学期に分ける3学期制、少人数・対話型の授業、そして日本語と英語の両方を教育言語として使う日英バイリンガル教育です。必修語学プログラムは、日本語話者を主な対象とするリベラルアーツ英語プログラム(ELA)と、英語話者を主な対象とする日本語教育プログラム(JLP)の2種類があり、どの入学者選抜で合格したかによって、入学後にどちらのプログラムが必修になるかが決まります(後述)。

この「学部・学科が1つしかない」「教育言語が日英両方」という構造が、他大学と比べたときのICUの編入(転編入学制度)の特殊性に直結しています。学部選びという概念がなく、その代わりに「どの試験区分・どの教育言語のルートで出願するか」という選択が編入希望者にとっての最初の分岐点になります。

ICUの「編入」はなぜ特殊なのか|転編入学制度の仕組み

ICUは教養学部アーツ・サイエンス学科という1学科だけで構成されるリベラルアーツ大学です。学部・学科をまたぐ「編入」という発想自体が、そもそも成立しません。他大学・短大・高専で学んだ人がICUに入る唯一の公式ルートが転編入学制度です。

ICU公式サイトの説明は明確です。「出願方法は一般選抜と同じくWeb出願システムを利用します」「選考方法:一般選抜を受験してください」「合否判定は一般選抜受験者と区別なく行われます」。つまり転編入学制度という名前の独立した試験問題は存在せず、通常の高校卒業見込み者と同じ問題・同じ配点・同じ合格基準で選考されるということです。入試Q&Aでも「転編入学の試験は一般選抜とまったく同じなのですか」という質問に対し、大学は「一般選抜と同じ試験を受けます」と回答しています。

合格した場合の入学時の身分は「転編入本科学生」となり、通常の入学者(本科学生)と区別されます。ただしこの区別は主に単位認定の扱いに関するもので、授業や卒業要件そのものが別ルートになるわけではありません。

もう一つ押さえておきたいのが、いわゆる「学士入学制度」がICUには存在しないという点です。一般教育科目や語学科目、保健体育科目などが免除される制度を期待している場合、ICUではその期待は成立しません。既に学士号を持っている人がICUに入り直す場合も、転編入学制度を使うか、通常の一般選抜を1年次として受験するかのいずれかになります。

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出願資格|自分が出願できるかを先に確かめる

転編入学制度の出願資格は、大学・短大・高専のどこにいたかによって次の3パターンのいずれかを満たすことです。

  • 日本または外国の大学で本科学生として1年以上在学した者(見込みの者を含む)※休学期間は在学期間に含まない
  • 日本または外国の短期大学を卒業(短期大学士/準学士/Associate Degree)した者(見込みの者を含む)
  • 高等専門学校を卒業した者(見込みの者を含む)

法政大学のような「2年次以上在学かつ30単位以上修得」といった単位数の下限は設けられていません。大学在学であれば1年以上という在学期間だけが条件です。

転編入学には日本語ルートと英語ルートの2つの入り口がある

出願資格を満たしたうえで、どの試験を受けるかにはもう一段階の選択があります。ICUの公式Q&Aは次のように整理しています。

  • 日本語による入学者選抜(転編入学制度):一般選抜と同じ試験を受け、4月入学の転編入本科学生となる
  • 英語による入学者選抜(転編入学制度):総合型選抜 English Language Based Admissions(ELBA)を受験して、4月入学ないし9月入学の転編入本科学生となる

日本語ルートには追加の英語力要件はありません。一方、英語ルート(ELBA)を選ぶ場合は、ELBA自体の出願資格としてIELTS(アカデミック・モジュール)6.5以上、またはTOEFL iBT 79以上(2026年1月21日以降受験は4.5以上に基準変更)が最低条件として課されます。この基準を満たさない場合、そもそもELBAには出願できません。

つまり「ICUの編入に英語資格が必須かどうか」は一律には答えられず、どの入り口を使うかで変わります。日本語ルートの中でも、後述する「英語外部試験利用」区分を選ぶ場合は同様にIELTS 6.5以上・TOEFL iBT 79以上級の外部試験スコアが第一次選考の出願要件になります。日本語ルートの「人文・社会科学選択」「数理・自然科学選択」「日英バイリンガル面接利用」の3区分には、そうした外部試験スコアの提出義務はありません。

ルート試験区分外部英語試験スコアの出願要件
日本語ルート(一般選抜)人文・社会科学選択無し
数理・自然科学選択無し
日英バイリンガル面接利用無し(面接で日英両方のスピーキング力を確認)
英語外部試験利用IELTS 6.5以上/TOEFL iBT 79以上 等が第一次選考の要件
英語ルート(総合型選抜)English Language Based AdmissionsIELTS 6.5以上/TOEFL iBT 79以上が出願資格そのもの

自分の英語力次第で選べるルートが変わるため、出願資格の確認は「大学に1年以上在学したか」だけでなく、「どの試験区分に出願できる英語力を今持っているか」まで含めて行う必要があります。

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募集人員|「一般選抜に含む」の意味

ICU公式サイトの転編入学制度ページには、募集人員について次のように書かれています。

教養学部アーツ・サイエンス学科:一般選抜に含む

これは、転編入学制度だけの独立した募集枠が存在しないことを意味します。日本語ルートで出願する場合、転編入本科学生は下表の一般選抜の人員の中に混ざって選考されます。

区分募集人員【2027年度】
人文・社会科学選択110名
数理・自然科学選択40名
日英バイリンガル面接利用20名
英語外部試験利用10名
English Language Based Admissions(総合型選抜)100名(4月・9月合算)

この人数は転編入本科学生と、高校卒業見込みの一般の受験生を合わせた定員です。転編入本科学生に何名分の枠が確保されているかという内訳は公表されていません。ただし後述するとおり、ICUは志願者数・合格者数の実績データについては「( )内=転編入本科学生(内数)」という形で、一般の実績とは別に転編入本科学生の数だけを括弧書きで公開しています。募集人員は一体化していても、実績は分離して追えるという点がICUの特徴です。

試験科目【一般選抜4区分+ELBA】

日本語ルートの試験科目は次のとおりです(2027年度概要)。

区分試験科目配点面接
人文・社会科学選択①人文・社会科学 ②総合教養【ATLAS】 ③英語各80点・満点240点
数理・自然科学選択①数理・自然科学 ②総合教養【ATLAS】 ③英語各80点・満点240点
日英バイリンガル面接利用<第一次>①総合教養【ATLAS】②英語 <第二次>オンライン個人面接(日本語・英語)第一次満点160点
英語外部試験利用<第一次>①総合教養【ATLAS】②英語外部試験公式スコア <第二次>オンライン個人面接(日本語)ATLAS素点で合否判定

4区分に共通しているのが総合教養【ATLAS】です。ATLASは Aptitude Test for Liberal ArtS の略で、多肢選択のマークセンス方式・試験時間約70分・配点80点の試験です。ICU独自の出題形式で、①資料冊子を読み、②総合教養に関する講義を「聴き」、③問題冊子の設問に解答する、という3段階で構成されます。一般的な知識暗記型の試験ではなく、その場で提示される資料と講義内容を理解し、論理的に処理できるかを見る試験です。

「人文・社会科学選択」と「数理・自然科学選択」は、ATLASと英語に加えてもう1科目(人文・社会科学、または数理・自然科学)を受験する形で、実質的にICUの「標準ルート」に当たります。数理・自然科学は数学・物理・化学・生物の4分野から2分野を選択して解答し、マークセンス方式に加えて一部記述方式を含みます。

「日英バイリンガル面接利用」と「英語外部試験利用」は、第一次選考(筆記)と第二次選考(オンライン面接)の2段階選考です。両区分は併願できません(人文・社会科学選択・数理・自然科学選択とはそれぞれ併願可能)。

English Language Based Admissions(ELBA)の選考

英語ルートのELBAは、Type A(書類選考のみ)とType B(書類選考+オンライン個人面接)に分かれます。Type Aは日本または米国の高校卒業見込み者、IB Diploma取得見込み者、UK GCE A Level取得見込み者などが対象で、SAT・ACT Plus Science and Writing・IB・GCE A Levelいずれかのスコア提出が必要です。Type Aの対象条件に当てはまらない国・地域からの出願者はType Bとなり、書類選考に加えてオンライン面接が課されます。ELBAの詳細スケジュールは英語版サイトでのみ公開されており、日本語版では「英語のみ」と案内されている点に注意してください。

選考方式の特徴|中央値補正法とは

ICUの一般選抜(人文・社会科学選択/数理・自然科学選択/日英バイリンガル面接利用/英語外部試験利用)では、各試験科目の得点を中央値補正法で調整したうえで合否判定を行います。ICU公式Q&Aによる説明は次のとおりです。

中央値補正法とは、各試験科目の成績順の中央に位置する人(101人の受験者の場合、51番目の人)の得点をその科目の満点の5割の点数(100点満点の場合は50点)となるように全体を補正するものです。満点と0点は動かしません。

この方式の意味は、素点の合計だけで合否を決めると、その年にたまたま平均点が高かった科目・低かった科目の影響を強く受けてしまう、という問題を避けることにあります。全科目を中央値補正した得点で合否判定するため、「数理・自然科学は難しい年だった」「英語は易しい年だった」といった年度差による有利・不利が小さくなるよう設計されています。「数理・自然科学」については4分野(数学・物理・化学・生物)ごとに補正が行われる点も公式に説明されています。

解答方式についても確認しておきます。「人文・社会科学」「総合教養」「英語」はすべて多肢選択のマークセンス方式で、「数理・自然科学」のみ多肢選択に加えて一部記述方式が含まれます。法政大学のような「小論文で差がつく」試験ではなく、ICUはマークセンス方式が中心という点は、対策の性質そのものを変える情報です。

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日程・スケジュール【2027年度】

ICUが公式サイトで公開している2027年度一般選抜の日程は次のとおりです。「入学試験要項」自体は2026年10月下旬公開予定のため、以下は現時点で公開されている概要です。

項目人文・社会科学選択/数理・自然科学選択日英バイリンガル面接利用/英語外部試験利用
Web出願期間2027年1月6日(水)10:00 ~ 1月19日(火)23:59(日本時間)
出願書類提出期限2027年1月20日(水)当日消印有効(海外からの送付物は締切日必着)
試験日2027年2月6日(土)第一次選考:2027年2月6日(土)
面接第二次選考:2027年2月20日(土)
合格発表2027年2月12日(金)第一次結果2/12→合格発表2027年2月26日(金)
入学手続締切2027年2月22日(月)2027年3月8日(月)

出願期間は約2週間しかありません。この間に、選んだ区分に必要な書類をすべて揃える必要があります。転編入学制度で出願する場合、一般選抜の共通書類(入学願書・高等学校調査書)に加えて、次のいずれかの証明書の提出が必須です。

  • 大学在学者・卒業者:大学が発行した在学期間証明書(入学年月・休学有無・休学期間が分かるもの、原則ICU指定様式)
  • 短期大学・高等専門学校卒業者(見込み含む):卒業証明書または卒業見込み証明書

入学検定料は1区分出願30,000円・2区分併願40,000円・3区分併願50,000円です(Web出願システム手数料は別途)。「人文・社会科学選択」「数理・自然科学選択」「日英バイリンガル面接利用」「英語外部試験利用」のうち最大3区分まで併願できますが、「日英バイリンガル面接利用」と「英語外部試験利用」の2つは互いに併願できません。

倍率・難易度|転編入本科学生だけを分離した実績【2025・2026年度】

ここがこの記事の中心です。ICUは「入学者選抜結果(志願者数含む)」ページで、区分ごとの志願者数・合格者数を公表しており、そこに「( )内=転編入本科学生(内数)」という注記付きで、転編入本科学生だけの人数が括弧書きで示されています。この内数を区分横断で合算すると、公式には一覧化されていない「転編入本科学生だけの倍率」を算出できます。ICUは受験者数(欠席を除いた実際の受験者)を公表していないため、以下の倍率はすべて志願者数に対する倍率です。

2026年度実績

区分志願者(内・転編入)合格者(内・転編入)
人文・社会科学選択907(40)267(9)
数理・自然科学選択239(6)85(2)
日英バイリンガル面接利用146(11)15(0)
英語外部試験利用95(10)5(1)
ELBA(4月入学)225(17)33(2)
ELBA(9月入学)697(14)239(5)
転編入本科学生 合計9819

転編入本科学生だけを合計すると、2026年度は志願98名に対して合格19名、倍率は約5.16倍でした。ルート別に見ると、日本語ルート(一般選抜4区分の内数合計)は志願67名・合格12名で約5.58倍、英語ルート(ELBAの内数合計)は志願31名・合格7名で約4.43倍です。

2025年度実績

区分志願者(内・転編入)合格者(内・転編入)
人文・社会科学選択885(52)256(6)
自然科学選択198(7)73(0)
日英バイリンガル面接利用132(14)19(1)
英語外部試験利用93(3)6(0)
ELBA(4月入学)180(10)95(5)
ELBA(9月入学)585(26)206(10)
転編入本科学生 合計11222

2025年度は志願112名・合格22名で倍率約5.09倍でした。ただしルート別の内訳を見ると、2025年度と2026年度で様相が大きく変わっています。2025年度は日本語ルートが志願76名・合格わずか7名で倍率約10.86倍、英語ルート(ELBA)は志願36名・合格15名で倍率約2.40倍と、英語ルートのほうが大幅に通りやすい年でした。ところが2026年度は日本語ルート志願67名・合格12名で約5.58倍、英語ルート志願31名・合格7名で約4.43倍と、両ルートの差が縮まり、日本語ルートの合格率もむしろ改善しています。

この2年分の変化から言えることは、ルート別の倍率は年度によって大きく振れるという点です。日本語ルートと英語ルートのどちらが「入りやすい」かを固定的に語ることはできません。母数(転編入本科学生の合格者は多くても十数名)が小さいため、数名の増減が倍率を大きく動かします。

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転編入本科学生の合格率は一般の受験者より高いか低いか

もう一つ、公開データから読み取れる重要な傾向があります。区分を問わず全体(一般の受験生+転編入本科学生)の合格率と、転編入本科学生だけの合格率を比べると、次のようになります。

年度全体の合格率(志願者数に対する合格者数)転編入本科学生だけの合格率
2026年度約27.9%(志願2,309・合格644)約19.4%(志願98・合格19)
2025年度約31.6%(志願2,073・合格655)約19.6%(志願112・合格22)

2年連続で、転編入本科学生だけの合格率(約19%台)は、区分全体の合格率(約28〜32%)よりはっきり低くなっています。転編入学制度は「一般選抜と区別なく選考される」という建前どおり、選考基準そのものが緩和されているわけではありません。むしろ結果を見る限り、転編入本科学生の合格率のほうが構造的に低い可能性があります。

理由について大学は公式に説明していないため、以下は本記事による推測であることを明記します。考えられる要因としては、ATLASを含む試験科目が高校で学ぶ内容との連続性を前提に設計されている可能性があること、英語外部試験利用・ELBAのように出願時点で一定の英語スコアが必須の区分では、そのスコアを満たす転編入希望者の母数自体が限られること、などが挙げられます。いずれにせよ、2年分という限られたデータでの傾向であり、来年度以降も同じ傾向が続くとは限りません。単年度の数字を「入りやすい/入りにくい」と断定する材料にはせず、参考値として扱ってください。

転編入本科学生はどのくらいの規模で入学しているのか

倍率とは別に、絶対数として「毎年何人くらいが転編入本科学生としてICUに入学しているのか」も志望校選びの参考になります。2026年度は6区分の内数を合算すると志願98名に対し合格19名、2025年度は志願112名に対し合格22名でした。2年分の平均を取ると、年間およそ20名前後が転編入本科学生として合格している計算になります。

区分別に見ると、日本語ルートの中では「人文・社会科学選択」の内数が最も多く(2026年度志願40名・合格9名、2025年度志願52名・合格6名)、志願者の絶対数という点ではこの区分が転編入希望者にとっての主戦場になっていることが読み取れます。一方、「日英バイリンガル面接利用」は2年連続で合格者が0〜1名にとどまっており、絶対数としては狭き門です。英語ルート(ELBA)は9月入学の内数が4月入学より一貫して多く、2026年度はELBA9月だけで志願14名・合格5名でした。

いずれの区分も合格者が一桁〜十数名という小さな母数である点は変わりません。特定の区分・特定の年度の倍率だけを見て「入りやすい」「入りにくい」と判断するのではなく、複数年度・複数区分を横断して規模感をつかんでおくことが、出願区分を選ぶ際の現実的な判断材料になります。

単位認定と修業年限|合格後に効いてくる条件

転編入学制度で合格した場合、入学前に他大学・短大・高専で修得した単位のうち、ICUの授業科目と同等と認められ、かつ100点満点の評点で70点以上を得たものについて、入学後の所定手続きを経て単位認定を受けられます。ただし上限が科目区分ごとに細かく定められています。

  • 一般教育科目:12単位まで
  • 保健体育講義科目:1単位まで
  • 保健体育実技科目:1単位まで
  • 専門科目のうち基礎科目:9単位まで
  • 専門科目のうち選択科目:41単位まで
  • 編入が認められる単位数の上限:合計60単位

そのうえで、本学を卒業するには、最終学年を含め3年以上ICUに在学しなければならないという規定があります。つまり60単位分の認定を受けたとしても、在学期間そのものを2年未満に短縮することはできません。「編入すれば最短2年で卒業できる」という他大学に多いパターンとは前提が異なります。

メジャー(専攻分野)選択についても独自のルールがあります。ICUでは入学後、登録3学期目にメジャー選択を行う仕組みになっており、入学前にメジャーを選ぶことはできません。志望理由書や面接で「入学後に学びたいメジャー」を語ることはできても、出願時点でメジャーそのものへの出願を行うわけではない点は、他大学の学部・学科別編入とは大きく違います。

なお、身分変更についても制限があります。転編入本科学生として合格した場合、入学後に本科学生へ身分を変更することはできません。逆に、他大学で修得した単位を活かしたいが転編入学制度は使わず一般選抜で第1年次として入学した場合は、語学科目・一般教育科目・保健体育科目について70点以上のものを最大30単位まで認定できますが、この場合も入学後に「転編入本科学生」へ身分変更することは認められません。出願前にどちらの制度で進むかを確定させる必要があります。

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過去問はICUが公式に公開している

ICUは一般選抜の試験問題・解答(または解答例)・出題の意図を、直近年度分に限り公式サイトで公開しています。2026年度については、総合教養【ATLAS】・人文・社会科学・数理・自然科学・英語の4科目すべてで、試験問題(PDF)・解答(PDF)に加えて、英語のリスニング音声・ATLASの講義音声(mp3)まで公開されています。さらに「出題の意図」という2ページのPDFが別途公開されており、各科目でどのような力を測ろうとしているかが大学の言葉で説明されています。

公式サイトには「この入学試験問題(総合教養の講義および英語リスニングの音声を含む)の全体、または一部をみだりに複写または複製して使用すること、および本学の許可なく刊行物等にすることはご遠慮ください」という注意書きがあります。本記事では問題文そのものは一切引用せず、大学が公開している「出題の意図」の記述と、試験の形式面(ページ数・構成・試験時間)のみを紹介します。なお公開されているのは直近年度分のみで、2025年度以前の問題は掲載されていません。

公開されている2026年度過去問から読み取れる出題テーマ

ICUが公開している2026年度「一般選抜 出題の意図」(PDF)をもとに、4科目それぞれで何を測ろうとしているかを整理します。問題文そのものではなく、大学が公表した出題意図の要約と、試験冊子の形式面を扱います。

総合教養【ATLAS】|資料冊子16ページ・問題冊子20ページの疑似講義体験

ATLASは、資料冊子(16ページ)を読み、その内容に関する講義を音声で「聴き」、問題冊子(20ページ)の設問に解答するという3段階構成です。試験時間は約70分、配点80点で、多肢選択のマークセンス方式が中心です。

大学が公開している出題意図では、「教科の枠を超えた横断的な総合問題を通じて、数量的領域、言語的領域、分析的領域におけるリベラルアーツ教育への適性を測る」ことが目的とされています。ICUの一般教育の授業を疑似体験させることで、「これまでに学んだ知識や技能だけでなく、アドミッション・ポリシーに示された知的好奇心、創造力、的確な判断力、論理的思考力などを柔軟に活用し、複雑な課題や変化する要求を問題解決してゆく能力」を評価する、と説明されています。

この説明から分かるのは、ATLASが暗記量を測る試験ではないという点です。事前に「この分野を勉強しておけば有利」という単純な範囲指定ができない設計になっており、対策としては、初見の資料・音声情報を短時間で構造化して理解し、設問に応用する練習を積むことが有効です。公開されている過去の資料冊子・問題冊子・音声を実際の試験と同じ70分で解いてみることが、もっとも直接的な準備になります。

人文・社会科学|32ページ、哲学・宗教・文学・芸術・歴史・政治・経済・社会の学術論文から出題

「人文・社会科学」は問題冊子32ページの多肢選択式(配点80点)で、大学の出題意図では「哲学、宗教、文学、芸術、歴史、政治、経済、社会など人文・社会科学に関わるトピックの学術論文について、これまでに学んだ知識を用いる設問、問題文の趣旨や論拠を理解・解釈する設問、概念や法則などを具体的場面に応用する設問、問題文を構成している要素・関係・原理などを分析する設問、問題文から学んだ要素や部分を総合する設問などを出題する」と説明されています。

また、より大きなテーマとして「人間と社会がどのように形成され、それが文学や芸術作品にどう反映されてきたのか、また愛・美・善・真といったテーマがいかに各国や地域が相互に社会的影響を及ぼしながら多様に発展しているかなどを、学術的な資料を通じて読み解く素養を評価する」とも述べられています。特定の分野の知識を問うというより、学術論文レベルの文章を正確に読み、論理構造を分析し、既有知識と結びつける読解力そのものが問われる試験だと理解できます。

数理・自然科学|52ページ、4分野から2分野選択・一部記述式

「数理・自然科学」は問題冊子52ページで、数学・物理・化学・生物の4分野から2分野を選択して解答する形式です(配点80点)。多肢選択方式に加えて、一部に用語・数式・化学式などの記述方式を含みます。出題範囲は、数学が数学Ⅰ・数学Ⅱ・数学A・数学B(数列)・数学C(ベクトル)、物理が物理基礎・物理、化学が化学基礎・化学、生物が生物基礎・生物と、公式に明示されています。

出題意図としては、「自然界の諸現象をめぐる文脈のある課題について、これまで学んだ自然科学的知識を用いて読み解く資質と能力を評価する」とされ、人文・社会科学と同様に「知識を用いる設問」「趣旨や論拠を理解・解釈する設問」「概念や法則を具体的場面に応用する設問」「要素・関係・原理を分析する設問」「要素や部分を総合する設問」という5タイプの出題パターンが公表されています。単純な公式当てはめではなく、与えられた文脈(現象の説明文など)の中で知識を運用できるかが評価軸になっています。

英語|28ページ、リスニング約25分+リーディング約45分の2部構成

「英語」は問題冊子28ページ・配点80点で、リスニング(約25分)とリーディング(約45分)の2部構成です。大学の出題意図では、「多様な文化的背景を持つ人々との対話ができる資質とグローバルなコミュニケーション能力をリベラルアーツ英語教育への適性の観点から出題する」とされています。

リスニングについては「キャンパス環境における会話を通じて他者の意見を理解し、適切に応答する力」「アカデミックな講義の要旨を理解し、的確に判断する力」を測定するとされ、リーディングについては「人文科学、社会科学、自然科学、および学際的分野のトピックについての英文テクストを批判的、分析的に読む力」を測定するとされています。語彙・文法能力については「文脈において適切な語彙を選択できるかを評価する」とあり、和文英訳・英文和訳のような日本の大学入試に多い出題形式ではないことが明言されています。

なお「日英バイリンガル面接利用」区分の第二次選考(面接)では「高等学校卒業レベルの日本語および英語スピーキング技能について、自分の考えを表現し、討論する力」が確認され、「英語外部試験利用」区分では外部試験でCEFRレベルを確認済みのため、面接では日本語スピーキング技能のみが確認される、という違いも公式に説明されています。

過去問から導ける学習の順番

ここまでの情報を踏まえると、ICU転編入学制度の対策は次の順番で進めるのが合理的です。

  1. 自分がどのルート(人文・社会科学選択/数理・自然科学選択/日英バイリンガル面接利用/英語外部試験利用/ELBA)で出願するかを、英語力の現状を踏まえて確定させる
  2. 英語外部試験利用・ELBAを選ぶ場合は、IELTS 6.5・TOEFL iBT 79相当のスコアづくりを最優先で進める(出願要件そのものになるため)
  3. ICU公式サイトで公開されている2026年度のATLAS資料冊子・問題冊子・音声を、実際の試験時間(約70分)で解いてみる
  4. 人文・社会科学選択/数理・自然科学選択を選ぶ場合は、選択する専門科目(人文・社会科学、または数理・自然科学2分野)の過去問を同様に本番同様の条件で解く
  5. 大学が公開している「出題の意図」の記述と自分の解答プロセスを照合し、単純な暗記では対応できない設問形式に慣れる

本節で扱った出題テーマ・出題意図・試験形式は、いずれもICUが公開している2026年度の過去問題資料に基づいています。出題内容・公開範囲は年度によって変わるため、必ず最新の公開資料をご自身で確認してください。

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出願ルート別に、何から手をつけるべきか

人文・社会科学選択で受ける場合

ICUの転編入で最も志願者数が多いのがこの区分です(2026年度の転編入本科学生の内数だけでも40名)。試験はATLAS・人文社会科学・英語の3科目、いずれもマークセンス方式中心で面接がありません。つまり評価は3科目の筆記試験だけで決まり、面接での挽回や志望理由の説明で補正される余地がありません。ATLASと人文・社会科学はどちらも「初見の資料を論理的に処理する」タイプの出題なので、暗記中心の勉強より、時間を計って過去問を解き切る練習の比重を上げるのが合理的です。

数理・自然科学選択で受ける場合

数学・物理・化学・生物から2分野を選択する形式のため、まず「どの2分野で受けるか」を早期に確定させる必要があります。出題範囲(数学Ⅰ・Ⅱ・A・B(数列)・C(ベクトル)、物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物)が公式に明示されているので、選んだ2分野についてはこの範囲を漏れなく仕上げることが土台になります。一部記述式が含まれる点も踏まえ、多肢選択の演習だけでなく、用語・数式・化学式を正確に書く練習も必要です。

日英バイリンガル面接利用で受ける場合

第一次選考はATLASと英語(人文・社会科学選択/数理・自然科学選択と同一内容)、第二次選考はオンライン個人面接(日本語・英語)です。2026年度は転編入本科学生の内数で志願11名に対し合格0名という結果でした。母数が小さく単年度の数字を過度に一般化すべきではありませんが、筆記を通過したうえで日英両言語での討論力まで問われる区分である以上、面接対策(日本語・英語双方でのディスカッション練習)を筆記対策と並行して進める必要があります。

英語外部試験利用で受ける場合

出願の時点でIELTS 6.5以上・TOEFL iBT 79以上級のスコアを確定させておく必要があります。第一次選考はATLASのみが筆記で、英語は外部試験スコアで判定されるため、当日の英語力で逆転する戦い方は成立しません。第二次選考は日本語での面接です。対策の優先順位は「外部試験スコアの取得」→「ATLAS対策」→「日本語面接対策」の順になります。

English Language Based Admissions(英語ルート)で受ける場合

ICUで唯一「日本語を使わずに出願・受験できる」ルートです。IELTS 6.5以上・TOEFL iBT 79以上を出願資格として満たしたうえで、Type A(SAT・ACT Plus Science and Writing・IB・GCE A Levelいずれかのスコアによる書類選考)またはType B(書類選考+オンライン面接)で選考されます。合格した場合の必修語学科目は日本語教育プログラム(JLP)となり、他の区分(必修語学科目は英語=リベラルアーツ英語プログラム)とは入学後のカリキュラムの前提が変わります。詳細スケジュールは英語版サイトでのみ公開されているため、英語での情報収集が前提になる点も踏まえておいてください。

日本語ルートと英語ルート、どちらを選ぶべきか

ICUの転編入学制度は、日本語ルート(一般選抜4区分)と英語ルート(ELBA)のどちらでも4月入学の転編入本科学生になれます(英語ルートはさらに9月入学も選べます)。どちらを選ぶかは、単に「英語が得意かどうか」だけでなく、入学後の必修語学プログラムまで含めて判断する必要があります。

ICU公式Q&Aは、必修語学プログラムについて次のように説明しています。English Language Based Admissionsに合格した場合は日本語教育プログラム(JLP)、それ以外の選考(日本語ルートの4区分すべて)に合格した場合はリベラルアーツ英語プログラム(ELA)が必修になります。そして入学後に必修語学プログラムを変更することはできません。つまり、英語ルートで合格すると入学後は「日本語を伸ばす」プログラムが必修になり、日本語ルートで合格すると「英語を伸ばす」プログラムが必修になるという、一見すると直感に反する設計です。すでに英語力が高い人ほど、入学後は日本語教育プログラム(JLP)で日本語運用力を鍛える立て付けになっている、と理解しておくとよいでしょう。

実務的な判断基準を整理すると、次のようになります。

  • IELTS 6.5・TOEFL iBT 79相当のスコアを既に持っている、または短期間で到達できる見込みがある場合:英語外部試験利用またはELBAが選択肢に入ります。特にELBAはType Aであれば書類選考のみで完結する可能性があり、日本語での筆記試験(ATLAS・人文社会科学など)を避けたい場合の有力なルートです。
  • 外部英語試験のスコアメイクに時間がかかりそうな場合:人文・社会科学選択または数理・自然科学選択が現実的です。英語は自校作成の筆記試験(配点80点)として課されますが、外部試験の基準スコアを満たす必要はありません。
  • 日本語・英語どちらのスピーキング力にも自信がある場合:日英バイリンガル面接利用も選択肢になりますが、2年連続で合格者数が1名以下という狭き門である点は踏まえておく必要があります。

入学後にどちらの語学プログラムで学びたいかという長期的な視点と、出願までに用意できる時間・スコアという短期的な制約の両方を照らし合わせて、出願区分を決めることが重要です。

併願をどう組むか

ICUは日本語ルートの中で最大3区分まで併願できます(「日英バイリンガル面接利用」と「英語外部試験利用」の組み合わせを除く)。試験日はすべて2027年2月6日に集約されているため、他大学の編入学試験と日程が重ならないかを早めに確認してください。

ICUと同じ「教養学部」という学部名を持つ大学(埼玉大学・東京大学・東海大学・放送大学等)との出願資格・選考方式の違いは、当サイトの教養学部の大学編入を徹底解説|出願資格・試験科目で横断的に整理しています。ICUの転編入学制度が「一般選抜統合型」という他に例のない方式であることは、他大学と比較するとより明確になります。あわせて確認してください。

併願先を決める実務的なコツは、出題形式が重なる大学を組み合わせることです。ICUのATLAS・人文社会科学・数理自然科学はいずれもマークセンス方式中心で、小論文型の試験とは対策の性質が異なります。マークセンス方式・多肢選択方式を採用している大学、あるいは英語外部試験スコアで出願できる大学と組み合わせると、1つの対策が複数校の準備を兼ねやすくなります。逆に、小論文・面接中心の大学とICUを併願する場合は、対策の種類そのものを並行して進める必要がある点を織り込んでスケジュールを組んでください。

よくある質問

ICUに編入学試験はありますか。

独立した編入学試験という名称の試験はありません。ICUが用意しているのは転編入学制度で、これは一般選抜(または総合型選抜English Language Based Admissions)を一般の受験生とまったく同じ試験・同じ基準で受験する仕組みです。合格すると「転編入本科学生」という身分で入学します。

ICUの編入(転編入学制度)の倍率はどれくらいですか。

ICUは制度別の倍率を直接は公表していませんが、志願者数・合格者数のデータに付記されている「転編入本科学生(内数)」を区分横断で合算すると、2026年度は志願98名・合格19名で約5.16倍、2025年度は志願112名・合格22名で約5.09倍でした。いずれも志願者数に対する倍率で、受験者数(欠席を除く実受験者数)は公表されていません。

転編入本科学生は一般の受験生より合格しやすいですか。

公開データを見る限り、その逆の傾向が出ています。2026年度は区分全体の合格率が約27.9%だったのに対し、転編入本科学生だけの合格率は約19.4%、2025年度も全体約31.6%に対し転編入本科学生は約19.6%でした。2年連続で転編入本科学生の合格率のほうが低く出ています。ただし母数が小さいデータであり、大学がこの差の理由を公式に説明しているわけではない点に注意してください。

2年次・3年次のどちらに編入できますか。

ICUの募集要項には「2年次編入」「3年次編入」という区分自体がありません。転編入本科学生として入学したのち、修得済み単位のうち最大60単位分が認定される仕組みで、学年としての編入年次は選択制ではありません。ただし卒業には最終学年を含め3年以上の在学が必要とされており、単位認定が多くても在学期間そのものを2年未満に短縮することはできません。

ICUの編入にTOEFLやIELTSは必須ですか。

出願するルートによります。「人文・社会科学選択」「数理・自然科学選択」「日英バイリンガル面接利用」の3区分には外部英語試験スコアの提出義務はありません。一方、「英語外部試験利用」区分とEnglish Language Based Admissions(総合型選抜)は、IELTS 6.5以上またはTOEFL iBT 79以上級のスコアが出願の前提条件になります。

過去問はどこで手に入りますか。

ICU公式サイトの一般選抜ページで、直近年度(2026年度)の試験問題・解答(解答例)・出題の意図がPDFで公開されています。総合教養【ATLAS】・人文・社会科学・数理・自然科学・英語の4科目すべてで、英語のリスニング音声やATLASの講義音声も公開されています。ただし2025年度以前の問題は掲載されていません。

短期大学卒業でもICUの転編入学制度に出願できますか。

出願できます。転編入学制度の出願資格は「大学に本科学生として1年以上在学」「短期大学を卒業(見込みを含む)」「高等専門学校を卒業(見込みを含む)」のいずれかを満たすことで、短期大学卒業(見込み)者は対象に含まれています。

ICUに学士入学制度はありますか。

ありません。一般教育科目・語学科目・保健体育科目などが免除される、いわゆる学士入学制度はICUには設けられていません。既に学士号を持っている場合でも、転編入学制度(一般選抜またはELBAを受験)か、通常の一般選抜を第1年次として受験するかのいずれかになります。

転編入学制度と一般選抜(1年次入学)はどちらが単位認定で有利ですか。

単位認定の上限で比べると転編入学制度のほうが有利です。転編入学制度は最大60単位まで認定される一方、他大学等での修得単位を持って一般選抜で第1年次として入学した場合の単位認定は、ELAに相当する科目以外の語学科目・一般教育科目・保健体育科目に限り最大30単位までです。ただし転編入学制度で入学した場合、卒業までの在学期間は最終学年を含め3年以上必要である点も併せて検討してください。なお、入学後に本科学生と転編入本科学生の身分を相互に変更することはできません。

ICUの編入試験の面接はどのように行われますか。

「日英バイリンガル面接利用」「英語外部試験利用」区分では、第一次選考(筆記)通過者を対象にオンライン個人面接が行われます。前者は日本語・英語の両方でのスピーキング力(自分の考えを表現し、討論する力)、後者は外部試験で英語力を確認済みのため日本語スピーキング技能のみが確認されます。面接日は第一次選考の結果通知から2週間以内に別途オンラインで実施されます。

転編入学制度で入学した場合、授業は日本語と英語のどちらで受けますか。

合格した選考によって決まります。English Language Based Admissionsで合格した場合は日本語教育プログラム(JLP)が必修語学科目となり、それ以外の日本語ルート4区分で合格した場合はリベラルアーツ英語プログラム(ELA)が必修語学科目となります。ICUの授業は科目によって日本語・英語のどちらでも開講されており、必修でないほうの語学プログラムも選択科目として履修できます。入学後に必修語学プログラムそのものを変更することはできません。

転編入学制度に必要な出願書類は何ですか。

一般選抜と共通の入学願書・高等学校調査書に加えて、出願資格の区分に応じた証明書の提出が必要です。大学に1年以上在学した者は、大学が発行した在学期間証明書(入学年月・休学有無・休学期間が分かるもの、原則ICU指定様式)、短期大学・高等専門学校の卒業者(見込みを含む)は卒業証明書または卒業見込み証明書を提出します。

まとめ

ICUの編入について、公式サイトが公開している情報から確認できることを整理します。

まず、ICUには独立した編入学試験がなく、転編入学制度は一般選抜(または総合型選抜English Language Based Admissions)を一般の受験生と完全に同じ試験・同じ基準で受験する仕組みです。募集人員も「一般選抜に含む」とされ、転編入学制度だけの独立枠はありません。

次に、出願ルートは日本語ルート(一般選抜4区分)と英語ルート(ELBA)に分かれ、区分によって外部英語試験スコアの要件が大きく異なります。「英語外部試験利用」とELBAはIELTS 6.5・TOEFL iBT 79相当のスコアが出願の前提条件になる一方、それ以外の3区分にはその義務がありません。

そして倍率については、大学が直接公表していない「転編入本科学生だけの倍率」を、志願者数・合格者数に付記された内数から算出すると、2025・2026年度ともに約5.1〜5.2倍でした。さらに転編入本科学生だけの合格率(約19%台)は、区分全体の合格率(約28〜32%)よりも2年連続で低く、転編入だからといって選考基準が緩和されているわけではないことがデータから読み取れます。

最後に、ICUは一般選抜の過去問を解答例・出題意図まで含めて直近年度分を公開しています。ATLASという独自形式の試験を含め、暗記量ではなく初見の資料・音声を論理的に処理する力が問われる設計です。公開されている過去問を本番同様の時間で解き、大学が公表した出題意図と自分の解答を照合するところから対策を始めてください。

法政大学や中央大学のように「学部ごとの募集人員・試験科目・倍率」を比較する編入対策とは、そもそも比較の単位が違うという点が、ICUの転編入学制度を理解するうえでの出発点です。学部選びではなく「区分選び」であり、区分ごとに要求される英語力の水準がまったく異なります。志望理由書の完成度や面接での印象で筆記の弱さを補う、という戦略が成立しにくい試験でもあります。ATLASを含む筆記試験の配点比重が大きい区分ほど、時間を計った過去問演習の反復が対策の中心になります。

本記事の数値はICUが公表する2027年度一般選抜・転編入学制度の概要(学生募集要項は2026年10月下旬公開予定)および2025・2026年度の入学者選抜結果(志願者数含む)に基づいています。制度・日程・募集人員・試験科目は年度によって変更されるため、出願前には必ずICUが公表する最新の学生募集要項をご確認ください。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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