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杏林大学の編入試験を徹底解説|外国語学部・総合政策学部の学科別募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】

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杏林大学の編入学試験は、外国語学部と総合政策学部の2学部・5学科でのみ実施されています。医学部と保健学部には編入学試験がありません。さらに実施している2学部でも年次は3年次のみで、法政大学のような2年次編入の枠はありません。この構造を知らずに「杏林大学 編入」で調べ始めると、実施していない学部を志望校リストに入れてしまったり、存在しない2年次募集を探して時間を使ってしまったりします。

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加えて杏林大学には、短期大学・高等専門学校・専門学校の卒業(見込)者を対象にした「編入学」と、4年制大学の在学者・卒業者を対象にした「転入学」という、対象者の異なる2つの公募制選抜が並んでいます。この記事では、杏林大学が公表している2027年度の学生募集要項および編入学・転入学選抜の募集要項、2023〜2026年度の入試結果をもとに、学科別の募集人員・出願資格・試験科目・日程・倍率を整理し、公開されている過去問から読み取れる出題テーマまで解説します。

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目次

杏林大学の編入試験は外国語学部・総合政策学部の3年次のみ|「編入学」と「転入学」の2制度がある

杏林大学は医学部・保健学部・総合政策学部・外国語学部の4学部を持ちますが、2027年度の学生募集要項を確認すると、募集区分の一覧表に「編入学・転入学選抜(公募制)」の行があるのは外国語学部と総合政策学部だけです。医学部と保健学部の行にはこの区分そのものが存在しません。保健学部は臨床検査技術学科・健康福祉学科・看護学科(看護学専攻/看護養護教育学専攻)・臨床工学科・救急救命学科・リハビリテーション学科(理学療法学専攻/作業療法学専攻/言語聴覚療法学専攻)・診療放射線技術学科・臨床心理学科という11の学科・専攻を抱える大きな学部ですが、そのいずれにも編入学試験の枠はありません。看護系・医療系専門職の資格課程は実習の年次計画が厳密に組まれているため、途中年次からの編入を受け入れにくいという事情が背景にあると考えられます。志望校を検討する際は、まずこの前提を押さえてください。

そのうえで、杏林大学が「編入学・転入学選抜」と呼んでいるものの中身は、対象者の異なる2つの制度に分かれています。

編入学(公募制)|短大・高専・専門学校の卒業(見込)者が対象

短期大学または高等専門学校を卒業した者(卒業見込みを含む)、あるいは修業年限2年以上・総授業時数1,700時間以上の日本の専修学校専門課程を修了した者(修了見込みを含む)が対象です。ただし専修学校ルートは学校教育法第90条に規定する大学入学資格を有する者に限られます。杏林大学の入学試験要項が「編入学」の語をこの意味で使っている点に注意してください。

転入学(公募制)|4年制大学の在学者・卒業者が対象

大学を卒業した者(卒業見込みを含む)、または大学において2年の課程を修了し62単位以上を修得した者(修得見込みを含む)が対象です。つまり杏林大学の「転入学」は、他大学に在籍している、あるいは卒業した4年制大学生を受け入れるための制度です。法政大学の「転部・転科」が自校の在学生だけを対象にする制度だったのとは異なり、杏林大学の転入学は外部の4年制大学生に開かれています。すでに4年制大学に在籍していて杏林大学への移籍を考えている方は、「編入学」ではなく「転入学」の資格要件を確認してください。

募集人員は編入学と転入学で別枠になっており、転入学は「若干名」としか公表されていません。試験科目・選考方法・日程はいずれも学科ごとに編入学・転入学で共通です。以下、本記事では公開データが豊富な「編入学」を中心に扱いますが、出願資格の違いを除けば内容は転入学にもそのまま当てはまります。

実施年次は第3学年のみ

杏林大学の編入学・転入学選抜(公募制)が案内する編入・転入学年は「第3学年」のみです。2年次相当への編入枠は公募制には設けられていません。3年次からのスタートになるため、卒業までの在学期間は2年間が基本になります。

試験会場はいずれの学部・学科も井の頭キャンパスです。杏林大学は三鷹キャンパス・井の頭キャンパス・八王子キャンパスの3拠点を持ちますが、保健学部・総合政策学部・外国語学部の授業と、両学部大学院(保健学研究科・国際協力研究科)は井の頭キャンパスで行われています。編入学・転入学選抜の対象になる2学部はいずれもこのキャンパスに所属しています。

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外国語学部・総合政策学部で何を学ぶか|学科の特徴

編入学・転入学選抜(公募制)の対象になる5学科は、それぞれ学べる内容が異なります。志望学科を決める前に、大学が公表している学科紹介から特徴を押さえておきます。

外国語学部 英語学科

「英語教育やグローバルビジネスで活躍する人材を養成」を掲げる学科です。杏林大学は、英語を自由に操る能力と異文化を理解する柔軟な心・発想力をもって、ビジネスや英語教育の最前線で活躍する国際的な職業人を育成するとしています。編入学試験でも語学(英語)の筆記試験が課される学科です。

外国語学部 観光交流文化学科

「ホスピタリティ・ビジネスのプロフェッショナルを養成」を掲げる学科です。人々の移動と滞在、それを支えるホスピタリティを多角的に捉え、地域活性化や国際交流の分野で活躍する人材の育成を目的としています。インターンシップやフィールドスタディ(地域での実地学習)といった、教室外での実践科目が用意されている点が特徴です。編入学試験の試験科目は英語学科と同じ(英語・小論文事前提出・面接)です。

外国語学部 中国語学科|2027年4月に「日中韓言語文化学科」へ移行

杏林大学は2027年4月、中国語学科を発展的に改組し、新たに「日中韓言語文化学科」を開設します。日本語・日本語教育コース、中国語コース、韓国語コースの3コースを設置し、多文化共生社会で活躍できる人材を養成するとしています。大学の学科案内では、この新学科について「中国語学科(2026年4月以前入学)」という表記が使われており、2026年4月以前に中国語学科へ入学した学生は、引き続き中国語学科のカリキュラムで卒業まで学ぶ扱いになっています。

ここで重要なのは、2027年度の編入学・転入学選抜(公募制)の募集要項が、この新学科ではなく、従来どおり「中国語学科」の名称で3年次の編入学生・転入学生を募集している点です。2027年4月に編入・転入する学生は、1年次から日中韓言語文化学科で学んできた新入生の学年ではなく、2025年度に中国語学科へ入学し2027年度に3年次へ進級する既存の在校生集団に合流する形になります。中国語学科での学びを前提に出願を検討している場合、この学年構成の違いを理解したうえで、最新年度の募集要項で学科名を必ず確認してください。

総合政策学部 総合政策学科(2026年4月以降の1年次入学者は「法律政治学科」)

総合政策学部は、1年次に法律・政治・国際関係・福祉政策・経済・経営・会計という7つの分野を幅広く学んだあと、2年次から専門分野を掘り下げ、他分野の学びをかけあわせながら多角的に物事を考える力を養うカリキュラムです。データを用いて社会課題を発見する「Data Design Program(DDP)」、批判的思考や海外留学を通じてグローバル化に対応する力を養う「Global Career Program(GCP)」、地域活動を通じて実践的に学ぶ「Community Based Learning(CBL)」という3つのプログラムが用意されています。

杏林大学は2026年4月、総合政策学科を「法律政治学科」に改称しました。社会の枠組みを担う法律と、社会を動かす政治を学び、国際関係・福祉・環境にも学問を横断して分析する学科と説明されています。ただし2027年度の編入学・転入学選抜は、総合政策学部の項で述べたとおり、引き続き「総合政策学科」の名称で募集されています。

総合政策学部 企業経営学科(2026年4月以降の1年次入学者は「経済経営学科」)

2026年4月、企業経営学科は「経済経営学科」に改称されました。経済や経営戦略、マーケティング、会計などを学び、社会に必要なものをめぐらせる術や、根拠を持って組織を動かすための判断力と手段を身につける学科と説明されています。総合政策学科と同様、2027年度の編入学・転入学選抜は従来名の「企業経営学科」で募集されています。

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学部・学科別の募集人員【2027年度】

2027年度(2027年4月入学)の編入学・転入学選抜の募集人員は、杏林大学が「編入学・転入学選抜(公募制)」の専用ページで次のとおり公表しています。

学部学科編入学 募集人員転入学 募集人員
外国語学部英語学科3名若干名
中国語学科1名
観光交流文化学科1名
総合政策学部総合政策学科3名
企業経営学科1名

※編入学の募集人員には、編入学協定校制(指定校推薦にあたる制度)の募集人員が含まれています。つまり、この表の人数がそのまま公募制だけの純粋な枠というわけではなく、協定校からの推薦枠を差し引いた残りが実質的な公募の枠になります。募集人員の内訳(公募と協定校の比率)は公表されていません。

この表からわかる重要な点を整理します。

外国語学部は英語学科が最も枠が大きく、中国語学科・観光交流文化学科はそれぞれ1名です。総合政策学部も総合政策学科3名・企業経営学科1名という配分で、外国語学部・総合政策学部とも「主要学科3名、もう一方の学科1名」という似た構造になっています。

総合政策学部の学科名は、2027年度の編入学・転入学選抜では「総合政策学科」「企業経営学科」のまま募集されています。杏林大学は2026年4月に総合政策学科を法律政治学科へ、企業経営学科を経済経営学科へ改称しました。1年次からの一般入試・総合型選抜・学校推薦型選抜は新学科名(法律政治学科・経済経営学科)で募集する一方、編入学・転入学選抜の募集要項は旧学科名(総合政策学科・企業経営学科)を使い続けています。これは編入学生が3年次に合流する既存の在校生集団が、改称前の学科名で管理されているためと考えられます。出願書類の学科名表記で迷わないよう、この点は覚えておいてください。

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出願資格|自分が「編入学」と「転入学」のどちらに該当するか

杏林大学の編入学・転入学選抜(公募制)の出願資格は、次のいずれかに該当することです。

区分出願資格
編入学(公募制)1. 短期大学または高等専門学校を卒業した者、あるいは2027年3月卒業見込みの者
2. 日本の専修学校(修業年限2年以上の専門課程、修了に必要な総授業時数1,700時間以上)を修了した者、あるいは2027年3月までに修了見込みの者。ただし学校教育法第90条に規定する大学入学資格を有する者に限る
転入学(公募制)1. 大学を卒業した者、あるいは2027年3月卒業見込みの者
2. 日本の大学において2年の課程を修了した者、あるいは2027年3月までに修了見込みの者で62単位以上修得している者、あるいは2027年3月までに62単位以上修得見込みの者

※外国において学校教育における14年以上の課程を修了した者は、出願書類の提出前に杏林大学入学センターへ連絡することが求められています。

ここで重要なのは、短期大学卒業者と4年制大学2年終了者とでは出願する区分が異なるという点です。短大・高専・専門学校の出身者は「編入学」、4年制大学に在籍中または卒業した人は「転入学」に出願します。両方の条件を満たす人(たとえば4年制大学を卒業していて、かつ短大も卒業している場合など)がどちらに出願すべきかは公表されていないため、判断に迷う場合は出願前に杏林大学入学センターに問い合わせるのが確実です。

また、募集人員の表と出願資格の表を重ねて読むと、実質的に杏林大学の編入学試験は「外国語学部の英語学科・中国語学科・観光交流文化学科」「総合政策学部の総合政策学科・企業経営学科」という5つの学科の、いずれかひとつを選んで出願する形になります。学科をまたいだ併願はできません(学科併願不可)。

短期大学卒業者を例にとると、出願できるのは「編入学」区分のみで、外国語学部の3学科か総合政策学部の2学科のいずれかを選ぶことになります。一方、4年制大学の2年次を修了して62単位以上を修得している人(大学を中途退学して編入を考えているケースなど)は「転入学」区分での出願になります。自分の学歴・在籍状況がどちらの資格要件に当てはまるかを、募集要項の原文で必ず確認したうえで出願区分を選んでください。

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試験科目|学科によって英語・中国語・小論文の位置づけが違う

杏林大学の編入学・転入学選抜(公募制)で最も注意すべきなのが、学部によって「語学の筆記試験があるかどうか」と「小論文が事前提出か当日試験か」がまったく異なる点です。

学部・学科書類審査語学試験小論文面接
外国語学部 英語学科/観光交流文化学科学業成績証明書英語(60分)出願時提出/1,600字以内/テーマ固定「外国語学部を志望する理由と今後の抱負」
外国語学部 中国語学科学業成績証明書中国語(60分)出願時提出/1,600字以内/テーマ固定「外国語学部を志望する理由と今後の抱負」
総合政策学部 総合政策学科/企業経営学科学業成績証明書なし試験当日/40分/800字以内/「現代社会」に関するテーマを出題

この表から読み取れる分岐は3つあります。

外国語学部は語学の筆記試験がある代わり、小論文は出願時に完成させておく

外国語学部の3学科はいずれも、志望学科に応じた語学(英語学科・観光交流文化学科は英語、中国語学科は中国語)を60分間で解く筆記試験があります。一方で小論文は「外国語学部を志望する理由と今後の抱負」という固定テーマで、出願時に1,600字以内で書いて提出する形式です。当日の試験会場で書くものではありません。つまり外国語学部志望者にとって、当日勝負になるのは語学試験と面接であり、小論文は出願準備の段階で仕上げておくべき書類のひとつという位置づけになります。

総合政策学部は語学試験がない代わり、小論文をその場で40分で書く

総合政策学部の2学科には語学の筆記試験がありません。その代わり、試験当日に「現代社会」に関するテーマで800字以内・40分の小論文を書きます。テーマは年度によって変わり、事前提出ではないため、時事的な話題について限られた時間で論を組み立てる力が問われます。英語力そのものは選考の直接の対象になっていない点が、外国語学部との大きな違いです。

面接では何が評価されるか

学科を問わず面接が実施されます。杏林大学は編入学・転入学選抜(公募制)の面接について、外国語学部・総合政策学部のいずれの選考方法欄でも「志望理由、勉学意欲、質問の理解力、表現力などを評価する」と明記しています。評価の観点が公表されているため、対策の的が絞りやすい項目です。少なくとも次の4点については、自分の言葉で簡潔に説明できるよう準備しておくべきといえます。

  • 志望理由:なぜ杏林大学のその学科で学びたいのか
  • 勉学意欲:編入後に何をどう学びたいのか、具体的な計画があるか
  • 質問の理解力:面接官の質問の意図を正しく汲み取れているか
  • 表現力:自分の考えを整理して分かりやすく話せているか

杏林大学は選考方法全体を「以下の内容から学習成果を総合評価する」としており、語学試験または小論文と、書類審査、面接を総合して判定する方式です。単一の試験だけで決まるわけではないため、出願書類の完成度から面接まで、一貫して準備を整えておく必要があります。

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日程・スケジュール【2027年度】

2027年度の編入学・転入学選抜(公募制)の日程は、外国語学部・総合政策学部とも共通で次のとおりです。

項目2027年度
出願期間2026年11月2日(月)9:00〜2026年11月12日(木)17:00 出願登録・検定料振込(出願書類は必着)
試験日2026年11月21日(土)
合格発表2026年12月1日(火)15:00〜
入学手続締切2026年12月15日(火)必着

この日程は「学校推薦型選抜と同じ」と学生募集要項に明記されており、実際に外国語学部・総合政策学部の学校推薦型選抜(公募制)の試験日も同じ11月21日〜22日前後に設定されています。試験会場はいずれも井の頭キャンパスです。

出願期間はおよそ10日間と短く、この間に学業成績証明書や卒業(見込)証明書などの出願書類、外国語学部志望者は1,600字の小論文まで準備する必要があります。出願書類の準備には時間がかかるため、出願期間に入ってから慌てないよう、夏から秋にかけて書類の手配を進めておくことをおすすめします。

出願の方法と提出書類

杏林大学はWEB出願を採用しており、「学生募集要項」「入学願書」の冊子配布は行っていません。出願は大学指定のWeb出願サイトから出願登録と検定料の振込を行い、出願書類は郵送で提出します。要項には「出願書類の郵送先は願書センターです。杏林大学(井の頭、三鷹、八王子キャンパス)ではありません」という注意書きがあり、キャンパス宛てに書類を送ってしまうと届かない可能性があるため、郵送先の指定を必ず確認してください。

選考方法の表で示したとおり、書類審査では「学業成績証明書」(卒業(見込)証明書または成績証明書)の提出が求められます。在籍校・出身校で発行に時間がかかる場合があるため、出願期間が始まる前に発行を依頼しておくと安心です。外国語学部志望者は、これに加えて1,600字の小論文を出願時に提出する必要があります。

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倍率・難易度|2023〜2026年度の4年間の実績

杏林大学は入試結果を過去5年間分、学科別・選抜区分別に公表しています。ここでは編入学・転入学選抜(公募制)のみを抜き出し、外国人留学生向けの別枠(外国人留学生編入学・転入学選抜)は除いて4年分を並べます。年度は入学年度(たとえば2026年度は2025年11月に実施された試験で2026年4月に入学する回)で表記します。

学科入学年度募集人員志願者受験者合格者倍率(受験者/合格者)
英語学科2023年度3名8861.3倍
2024年度3名2221.0倍
2025年度3名4441.0倍
2026年度3名7751.4倍
中国語学科2023年度1名110合格者なし
2024年度1名1111.0倍
2025年度1名2221.0倍
2026年度1名1111.0倍
観光交流文化学科2023年度2名7531.7倍
2024年度2名3331.0倍
2025年度1名2221.0倍
2026年度1名5551.0倍
総合政策学科2023年度3名6651.2倍
2024年度3名6651.0倍
2025年度3名7771.0倍
2026年度3名8741.8倍
企業経営学科2023年度1名9881.0倍
2024年度1名3331.0倍
2025年度1名5551.0倍
2026年度1名5551.0倍

4年分を並べると、いくつかの傾向が見えてきます。

ほとんどの年度・学科で倍率は1.0〜1.3倍程度に収まっており、受験すればほぼ合格できる年が多くを占めます。中国語学科は2023年度に受験者1名に対して合格者0名という年がありましたが、それ以外の3年間はすべて全員合格です。企業経営学科も4年連続で受験者数と合格者数がほぼ一致しています。

ただし2026年度は複数の学科で倍率が上振れしました。英語学科は1.4倍(受験7名・合格5名)、総合政策学科は1.8倍(受験7名・合格4名)と、いずれもそれまでの年度より明確に厳しくなっています。志願者数自体が増えた年に倍率が上がる傾向が見て取れます。

観光交流文化学科は募集人員が2023・2024年度の2名から2025・2026年度は1名に減っています。枠が半分になった一方で、倍率自体は1.0倍前後を維持しており、志願者数も枠の縮小に合わせて落ち着いています。

一般選抜(1年次)と比べると、編入学のほうが倍率は低めの学科が多い

参考として、2026年度入試(2026年4月入学)の一般選抜・前期日程の倍率と、同年度の編入学(3年次)の倍率を並べてみます。

学科一般選抜 前期日程の倍率(2026年度)編入学の倍率(2026年度)
英語学科1.1倍1.4倍
中国語学科1.0倍1.0倍
観光交流文化学科1.5倍1.0倍
総合政策学科(法律政治学科)1.5〜1.7倍1.8倍
企業経営学科(経済経営学科)1.5〜2.3倍1.0倍

観光交流文化学科と企業経営学科は、一般選抜より編入学のほうが明確に倍率が低くなっています。一方で総合政策学科は、2026年度に限れば編入学(1.8倍)が一般選抜(1.5〜1.7倍)と同水準か、それ以上でした。英語学科も編入学のほうがやや高めです。「編入学は一般選抜より入りやすい」という単純な図式は学科によって成り立たない年があるため、志望学科ごとに両方の倍率を確認することをおすすめします。

倍率の数字を読むときの注意

この倍率をそのまま「入りやすさ」と読むのは危険です。理由が2つあります。

ひとつは、募集人員に編入学協定校制(指定校推薦にあたる制度)の枠が含まれている点です。杏林大学は編入学の募集人員について「編入学協定校制の募集人員を含む」と明記しています。つまり表の募集人員の一部はすでに協定校からの推薦で埋まっている可能性があり、公募で実際に競争している実質倍率は、表面上の数字よりも高くなっている可能性があります。協定校と公募の内訳は非公表です。

もうひとつは、母数の小ささです。中国語学科は募集1名に対して志願者が1〜2名という規模で推移しており、1人合否が変われば倍率が大きく動きます。単年度の倍率だけで難易度を判断せず、複数年度の推移で見てください。

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学科別に、何から手をつけるべきか

英語学科・観光交流文化学科を志望する場合

この2学科は試験科目が同一(英語60分・小論文事前提出・面接)です。まず着手すべきは、出願時に提出する1,600字の小論文「外国語学部を志望する理由と今後の抱負」です。当日ではなく出願書類として仕上げるものなので、出願期間が始まる前に下書きと推敲を終えておく必要があります。この小論文は面接の質問材料にもなり得るため、書いた内容と面接での受け答えに矛盾がないよう、提出前にコピーを手元に残しておくことをおすすめします。

そのうえで60分の英語筆記試験の対策に時間を配分してください。後述するとおり、公開されている過去問では文法・読解・会話文・広告文読解など複数の形式が組み合わされているため、単一のパターン学習では対応しきれません。とくに大問III(会話文)とIV(広告文読解)は、大学受験レベルの精読中心の学習だけでは触れる機会が少ない形式です。日常的な会話表現や、チラシ・案内文のような実用英文に慣れておくことが得点につながります。

「外国語学部を志望する理由と今後の抱負」をどう書くか

英語学科・観光交流文化学科・中国語学科の3学科は、いずれも同じ固定テーマの小論文(1,600字以内)を出願時に提出します。テーマが「志望する理由」と「今後の抱負」の2つで構成されている以上、答案もこの2つの要素を明確に分けて書くのが基本です。前半で「なぜ杏林大学のその学科なのか」を、前籍校での学びや自身の経験と結びつけて具体的に説明し、後半で「編入後に何を学び、卒業後にどう活かすのか」を、学科のカリキュラム(英語学科であれば語学力と異文化理解、観光交流文化学科であればホスピタリティと地域活性化、中国語学科であれば語学力と多文化理解)に即して書くと、学科側が知りたい情報を過不足なく伝えられます。1,600字という文字数は決して短くないため、抽象的な意欲だけで埋めず、具体的なエピソードや今後の学習計画を盛り込んで説得力を持たせてください。

中国語学科を志望する場合

英語学科・観光交流文化学科と選考方法は同じですが、筆記試験が中国語である点が異なります。公開されている過去問(後述)では、簡体字とピンインの相互変換、語彙の日中訳、文法の空欄補充・誤り指摘、和訳・中訳、指定語句を使った短い作文まで、幅広い形式が出題されています。語彙・文法の暗記だけでなく、日本語⇄中国語の双方向の運用力が問われる構成です。募集人員が1名と小さいため、母数が少ない年は倍率が大きく動く点も踏まえて準備を進めてください。

総合政策学科・企業経営学科を志望する場合

この2学科は語学試験がなく、当日40分・800字以内の小論文と面接が中心です。テーマは「現代社会」に関するものですが、事前には公表されません。したがって対策は、特定の知識を丸暗記することよりも、日頃から社会問題についてニュースや新聞に触れ、自分の意見を根拠とともに述べる練習を積み重ねることが中心になります。杏林大学は小論文形式の問題について解答例・出題意図を公開していないため(後述)、過去に実施されたテーマの傾向から出題領域の幅を把握し、模擬的に書く練習を重ねるのが現実的な対策です。

転入学(4年制大学からの移籍)を検討している場合

すでに4年制大学に在籍していて杏林大学への移籍を考えている場合は、出願区分は「編入学」ではなく「転入学」になります。試験科目・日程・選考方法は編入学と共通ですが、出願資格が「大学卒業(見込み)」または「大学2年課程修了かつ62単位以上修得(見込み)」である点を確認してください。募集人員は「若干名」としか公表されていないため、志望学科の過去の実施状況(志願者がいたかどうか)を大学に問い合わせておくと出願判断がしやすくなります。

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単位認定は62単位が上限

杏林大学は編入学・転入学者の単位認定について、学部を問わず「規程に基づき入学時に62単位を上限に本学の卒業単位として認定する」としています。ただし外国語学部(英語学科・中国語学科・観光交流文化学科)については「前所属校で修得した科目内容によっては、上限の62単位を認めない場合がある」という注記が付いています。認定される単位数によって、3年次・4年次で履修しなければならない科目数が変わるため、卒業までの負担に直結します。

認定単位数の事前確認は出願前に杏林大学入学センターに問い合わせることができるとされています。前籍校での履修内容が杏林大学のカリキュラムとどの程度重なるか不安がある場合は、出願前にこの確認を済ませておくことをおすすめします。

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過去問はどこで手に入るか

杏林大学は入試問題を過去2年間分、大学公式サイトの「入試データ・過去問題」ページで公開しています。編入学・転入学選抜(公募制)についても、外国語学部の英語・中国語の筆記試験は問題・解答・出題意図まで公開されています。一方、総合政策学部の小論文については、大学が「小論文形式の問題については、解答および出題意図の公開はありません」と明記しており、当日出題されたテーマの文章のみが公表されています。

外国語学部の語学試験は「解答」(正答番号や模範解答)と「出題意図」(各大問が何を測る問題かの説明)が両方公開されている点が貴重です。自分で解いてみたあと、正誤の確認だけでなく、その大問が何を評価しようとしているかまで照らし合わせて復習できます。

公開されている2026年度過去問から読み取れる出題テーマ

ここからは、杏林大学が公開している2026年度(2025年11月22日実施)の編入学・転入学選抜過去問題をもとに、学科ごとの出題テーマと形式を整理します。問題文そのものは掲載できないため、大問構成・出題意図・配点など、大学が公表している範囲の情報を中心に解説します。

外国語学部 英語学科・観光交流文化学科|英語(60分・マークシート形式)

英語学科・観光交流文化学科が共通で受ける英語試験は、大学が公開した出題意図によると次の6つの大問で構成されています。

  • I 文法問題:文法や慣用表現の観点から、英文中の空欄に入れる最も適した語句を選ぶ設問。文法・語法の知識を試す
  • II 読解問題:パッセージ中の空欄に入れる最も適した表現を選ぶ設問。文脈・情報の流れを踏まえた読解力を総合的に試す
  • III 会話文問題:会話文中の空欄に入る最も適した発言を選ぶ形式。会話全体の理解力と口語的表現の力を試す
  • IV 読解問題:簡潔な文と項目で示された広告文を読み、内容に合った選択肢を選ぶ問題。口語的表現の理解力と情報を読み取る力を試す
  • V〜VI 読解問題:英語の論説文に付された選択式設問。語彙力・文法語法の知識・文脈把握力を総合的に試す

解答は全問マークシート形式の選択問題で、解答番号は50番まであります。文法単問から長文読解、会話文、広告文といった実務的な文章まで幅広い形式が組み合わされているのが特徴です。単語や文法の暗記だけでなく、広告や会話文のような口語的・実用的な英文に慣れておくことが、大問IIIとIVの対策として有効です。

大問構成を見ると、前半(I〜IV)は文法・語法・会話・実用文といった基礎から応用への積み上げ型、後半(V〜VI)は論説文を用いた総合的な読解力を問う構成になっています。50問という設問数の多さから、1問あたりにかけられる時間は限られます。過去問を時間を計って解き、どの大問で時間を使いすぎているかを把握したうえで、得意な大問から先に解答する順番を決めておくと、本番での時間配分のミスを防ぎやすくなります。

外国語学部 中国語学科|中国語(60分・記述式)

中国語学科の試験は、大学が公開した出題意図によると次の7つの大問で構成されています。

  • I 語彙問題:簡体字をピンインに、ピンインを簡体字に直す設問。正しい表記ができるかを試す(各2点)
  • II 語彙問題:使用頻度の高い単語について、日本語を中国語に、中国語を日本語に訳す設問。語彙力を試す(各2点)
  • III 文法問題:中国語の文中の空欄に適した語を記入する設問。文法知識を試す(各2点)
  • IV 文法問題:中国語の文の中で文法上誤りのある箇所を指摘し、修正する設問。文法知識を試す
  • V 和訳問題:中国語の文章を日本語に訳す設問。語彙力・文法知識・文章読解力に加えて日本語力も測る(20点)
  • VI 中訳問題:日本語の文を中国語に訳す設問。語彙力・文法知識を試す(各3点)
  • VII 作文問題:指示されたテーマについて、指定された語句を用いて中国語で作文する設問。語彙力・文法知識・文章構成力を総合的に試す(50字以内・5点)

配点が公表されている点は対策上有益です。とくに和訳問題(V)に20点という比較的大きな配点があり、語彙・文法の各設問(I〜III・VI)はそれぞれ2〜3点と配分されています。単語の暗記や文法の穴埋めだけに偏らず、まとまった文章を正確に日本語へ訳す力を優先的に鍛えるのが得点効率の面で理にかなっています。作文問題は50字以内と短いものの、指定語句を正しい文法で使いこなす力が問われます。

7つの大問のうち4つ(I・II・III・VI)が語彙・文法の知識を直接問う設問であるため、単語帳や文法書による地道な積み上げが得点に直結しやすい試験だといえます。一方で和訳(V)は文章全体の文脈を踏まえた日本語表現力、作文(VII)は限られた字数の中で指定語句を過不足なく使う構成力が求められ、知識量だけでは対応しきれません。基礎的な語彙・文法を固めたうえで、まとまった量の中国語文章を日本語に訳す練習と、短い字数で意図を伝える作文練習を並行して進めるのが効率的です。

総合政策学部 総合政策学科・企業経営学科|小論文(40分・800字以内)

総合政策学科・企業経営学科の小論文は、学校推薦型選抜と共通のテーマで出題されます。2026年度(2025年11月22日実施)のテーマは次のとおり公表されています。

現在のさまざまな社会現象のなかで、自分の最も関心のあるものを1つ取り上げ、その社会現象がどのようなものかを説明し、それに対して自分が考えていることなどについて、あわせて800字以内で論じなさい。(タイトルは不要である)

杏林大学は小論文形式の問題について解答例・出題意図・配点を公開していません。したがって対策は、模範解答から逆算するのではなく、「関心のある社会現象を選ぶ→その現象を客観的に説明する→自分の考えを根拠とともに述べる」という設問の型そのものに沿って、日頃から時事的なテーマで書く練習を積むことが中心になります。テーマは年度ごとに変わるため、特定の話題を暗記して備えるより、幅広い社会現象について自分の視点を持っておくほうが効果的です。

試験時間は40分と短く、構成を考える時間を差し引くと実質的に書く時間はさらに限られます。本番でゼロから構成を考えるのではなく、「現象の説明(何が起きているか)」「背景(なぜ起きているか)」「自分の考え(どう思うか、根拠は何か)」という3段構成をあらかじめ型として持っておき、どんなテーマが出ても同じ手順で書き出せるように練習しておくと、時間内に800字をまとめやすくなります。総合政策学部が学部紹介で掲げる法律・政治・国際関係・福祉政策・経済・経営・会計という7分野は、そのまま時事テーマの守備範囲の目安にもなります。

過去問から導ける学習の順番

ここまでの情報をまとめると、杏林大学の編入対策は次の順番で進めるのが合理的です。

  1. 自分が「編入学」(短大・高専・専門学校卒)と「転入学」(4年制大学在学・卒業)のどちらに該当するかを最初に確定させる
  2. 志望学科の試験科目(英語学科・観光交流文化学科=英語、中国語学科=中国語、総合政策学科・企業経営学科=小論文のみ)を確認し、対策の中心を決める
  3. 外国語学部志望者は、出願時提出の小論文「外国語学部を志望する理由と今後の抱負」(1,600字)を出願期間前に仕上げておく
  4. 英語・中国語の過去問を解き、公開されている解答・出題意図と照合して、自分の弱点がどの大問にあるかを特定する
  5. 総合政策学部志望者は、模範解答のない小論文であることを前提に、社会現象について書く練習を継続的に積む
  6. 62単位の単位認定上限を踏まえ、前籍校の履修内容が杏林大学のカリキュラムとどの程度重なるか、出願前に入学センターへ確認する

本節で扱った出題テーマ・形式・配点・出題意図は、いずれも杏林大学が公開している2026年度(2025年11月22日実施)の過去問題資料に基づいています。出題内容は年度によって変わるため、必ず最新の公開資料をご自身で確認してください。

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併願をどう組むか

杏林大学の編入学・転入学選抜(公募制)の試験日は2026年11月21日です。他大学との併願を考える場合、この日程と重ならない大学を選ぶ必要があります。出願期間も2026年11月2日〜12日と短いため、複数校を併願する場合は書類の準備をこの時期に集中させる必要がある点も踏まえてスケジュールを組んでください。

杏林大学の編入試験は学科によって「語学試験+出願時提出の小論文」(外国語学部)と「当日小論文のみ」(総合政策学部)に分かれるため、併願先を選ぶ際もこの型に合わせると準備の重複を減らせます。たとえば外国語学部志望であれば英語や中国語の筆記試験がある大学、総合政策学部志望であれば小論文・面接中心の大学と組み合わせることで、同じ準備を複数校の受験に活かせます。また、杏林大学の編入学試験には受験資格として「短大・高専・専修学校卒(編入学)」と「4年制大学在学・卒業(転入学)」という2つの入口があるため、併願校を検討する段階で、自分がどちらの入口に該当するかを先に確定させておくと出願準備がスムーズになります。

関東圏で3年次編入を実施している私立大学については、当サイトの関東の有名私立大学で3年次編入できる大学一覧!【文系編】で整理しています。併願先の候補を洗い出す際に参照してください。

よくある質問

杏林大学に編入できる学部はどこですか。

外国語学部(英語学科・中国語学科・観光交流文化学科)と総合政策学部(総合政策学科・企業経営学科)の2学部・5学科のみです。医学部と保健学部には編入学試験がありません。実施年次は第3学年(3年次)のみで、2年次編入の枠はありません。

保健学部や看護学科に編入することはできますか。

できません。2027年度の学生募集要項の募集区分一覧表を確認しても、保健学部(臨床検査技術学科・健康福祉学科・看護学科・臨床工学科・救急救命学科・リハビリテーション学科・診療放射線技術学科・臨床心理学科)と医学部のいずれにも「編入学・転入学選抜」の区分はありません。

「編入学」と「転入学」は何が違いますか。

対象者が異なります。「編入学」は短期大学・高等専門学校の卒業(見込)者、または一定基準を満たす専修学校専門課程の修了(見込)者が対象です。「転入学」は4年制大学の卒業(見込)者、または大学2年課程修了かつ62単位以上修得(見込)の者が対象です。試験科目・日程・選考方法は共通ですが、募集人員は別枠で、転入学は「若干名」としか公表されていません。

杏林大学の編入の倍率はどれくらいですか。

2023〜2026年度の編入学(公募制)の実績では、多くの学科・年度で倍率は1.0〜1.3倍程度でした。ただし2026年度は英語学科が1.4倍(受験7名・合格5名)、総合政策学科が1.8倍(受験7名・合格4名)と上振れしています。中国語学科は2023年度に合格者0名の年もありました。募集人員には編入学協定校制の枠が含まれるため、表面上の倍率より公募での実質倍率が高い可能性がある点に注意してください。

英語の試験はどのような内容ですか。

英語学科・観光交流文化学科が受ける英語試験は60分のマークシート形式で、文法問題、読解問題、会話文問題、広告文読解、論説文読解の大問で構成されています。単語・文法の知識だけでなく、会話文や広告のような実用的な英文への対応力も問われます。

総合政策学部の小論文はどのようなテーマが出ますか。

「現代社会」に関するテーマが、試験当日に800字以内・40分で出題されます。2026年度(2025年11月22日実施)は「現在のさまざまな社会現象のなかで、自分の最も関心のあるものを1つ取り上げ、その社会現象がどのようなものかを説明し、それに対して自分が考えていることなどについて論じる」というテーマでした。杏林大学は小論文の解答例・出題意図を公開していないため、日頃から社会現象について自分の意見を書く練習を積むことが対策になります。

すでに4年制大学に通っていますが、杏林大学に移りたい場合はどうすればよいですか。

出願区分は「転入学(公募制)」になります。大学を卒業した者、または大学で2年の課程を修了し62単位以上を修得した者が対象です。試験科目・日程・選考方法は編入学と共通です。募集人員は「若干名」としか公表されていないため、志望学科の実施状況について事前に大学へ問い合わせておくことをおすすめします。

編入後、前籍校の単位はどれくらい認められますか。

入学時に62単位を上限に杏林大学の卒業単位として認定されます。ただし外国語学部については、前所属校で修得した科目内容によっては上限の62単位が認められない場合があるとされています。認定単位数の事前確認は、出願前に杏林大学入学センターへ問い合わせることができます。

過去問はどこで手に入りますか。

杏林大学公式サイトの「入試データ・過去問題」ページで、過去2年間分の入試問題が公開されています。編入学・転入学選抜については、外国語学部の英語・中国語試験は問題・解答・出題意図まで公開されていますが、総合政策学部の小論文は出題テーマのみで、解答例や出題意図の公開はありません。

試験会場はどこですか。

外国語学部・総合政策学部とも、編入学・転入学選抜(公募制)は井の頭キャンパスで実施されます。井の頭キャンパスには保健学部・総合政策学部・外国語学部の授業や、保健学研究科・国際協力研究科の大学院授業が置かれています。

中国語学科を志望していますが、2027年4月開設の日中韓言語文化学科とは何が違いますか。

日中韓言語文化学科は、中国語学科を発展的に改組して2027年4月に新設される学科で、日本語・日本語教育コース、中国語コース、韓国語コースの3コースを設置します。2027年度(2027年4月入学)の編入学・転入学選抜は、この新学科ではなく、従来どおり「中国語学科」の名称で3年次の学生を募集しています。編入・転入する学生は、2025年度に中国語学科へ入学し2027年度に3年次へ進級する既存の在校生集団に合流します。今後の年度でこの扱いが変わる可能性もあるため、出願前に最新の募集要項で学科名を確認してください。

編入学と一般選抜(1年次入学)はどちらが入りやすいですか。

学科によって異なります。2026年度入試で比較すると、観光交流文化学科・企業経営学科は編入学のほうが一般選抜(前期日程)より倍率が低くなりました。一方で総合政策学科・英語学科は編入学のほうが一般選抜と同程度か、やや高い倍率でした。「編入学のほうが必ず入りやすい」とは言い切れないため、志望学科ごとに両方の倍率を確認してください。

まとめ

杏林大学の編入学試験について、公式要項と入試結果から確認できることを整理します。

まず、編入学試験を実施しているのは外国語学部(英語学科・中国語学科・観光交流文化学科)と総合政策学部(総合政策学科・企業経営学科)の2学部・5学科だけで、保健学部・医学部には編入学試験がありません。実施年次も第3学年のみで、2年次編入の枠はありません。

次に、対象者の異なる「編入学」(短大・高専・専門学校卒)と「転入学」(4年制大学在学・卒業)という2つの公募制選抜があり、すでに4年制大学に通っている方は「転入学」に出願することになります。募集人員には協定校推薦の枠が含まれているため、公表されている数字がそのまま公募だけの純粋な枠とは限りません。

試験科目は学部で大きく異なり、外国語学部は語学の筆記試験(英語または中国語・60分)と出願時提出の小論文(1,600字)、総合政策学部は語学試験がなく当日提出の小論文(800字・40分)が中心です。倍率は2023〜2026年度の実績で多くが1.0〜1.3倍程度でしたが、2026年度は英語学科・総合政策学科で明確に上昇しており、単年度の数字だけで判断せず複数年度の推移を見る必要があります。

最後に、杏林大学は外国語学部の語学試験については解答・出題意図まで公開している一方、総合政策学部の小論文は出題テーマのみの公開にとどまります。志望学科がどちらに該当するかで、過去問を使った対策の組み立て方も変わってきます。また中国語学科は2027年4月開設の日中韓言語文化学科への移行が進んでおり、2027年度の編入学・転入学選抜は従来名の「中国語学科」で募集されているものの、今後の年度で扱いが変わる可能性があります。出願を検討する年度の最新情報を必ず確認してください。

杏林大学の編入学試験は、法政大学のように多くの学部で2年次・3年次の両方を実施する大規模な編入制度とは異なり、対象学部・学科をあらかじめ絞り込んだ小規模な制度です。募集人員も1〜3名と少人数のため、志望学科の過去の実績を複数年度分確認し、出願書類の準備と面接対策に十分な時間をかけることが、合格に向けた現実的な進め方になります。

とくに外国語学部は語学試験と出願時提出の小論文、総合政策学部は当日の小論文と、学部によって重視されるスキルの種類が明確に分かれています。志望校を決める前の段階で、自分が語学力で勝負したいのか、それとも文章力・思考力で勝負したいのかを整理しておくと、5つの学科の中からどこを軸に対策を進めるべきかが見えやすくなります。

本記事の数値は杏林大学が公表する2027年度学生募集要項・編入学転入学選抜(公募制)の案内、および2023〜2026年度の入試結果に基づいています。制度・日程・募集人員・試験科目は年度によって変更されるため、出願前には必ず杏林大学が公表する最新の学生募集要項をご確認ください。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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