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東京農業大学の編入試験を徹底解説|学部・学科別の募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】

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東京農業大学の編入学試験には、他大学に比べて際立った特徴が2つあります。ひとつは、6学部23学科のすべてが「2年次編入」のみを実施しており、3年次編入という選択肢自体が存在しないことです。もうひとつは、全学部・全学科の募集人員が「若干名」としか公表されておらず、学科ごとの定員数という数字そのものが存在しないことです。この2点を知らずに他大学と同じ感覚で準備を始めると、年次の選び間違いや、定員から倍率を逆算しようとする無駄な作業につながります。

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この記事では、東京農業大学が公表している2027年度の編入学選抜・学士編入学選抜の募集要項と、2021年度から2026年度にかけて大学が公表してきた5回分の選抜結果(志願者・受験者・合格者数)をもとに、学部学科別の試験科目・日程・学費、そして編入学選抜だけの実績倍率を整理します。あわせて、学科によって応募実績に大きな偏りがある実態や、過去問の入手可否、併願の組み方まで踏み込んで解説します。なお大学サイトの編入学選抜の概要ページは本記事執筆時点で試験日程の表示が2024年度実施分のまま更新されていませんが、本記事は「Web出願・募集要項」ページで別途公開されている2027年度募集要項PDFの内容に基づいており、現時点で確認できる最新の一次情報を反映しています。

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目次

東京農業大学の編入学試験には3つの制度がある

東京農業大学が「入学者選抜情報」ページで公表している編入・転入関連の選抜制度は、性格の異なる3つに分かれています。自分がどれに該当するのかを、まず確認してください。

編入学選抜

短期大学(外国の短期大学を含む)、高等専門学校、専修学校の専門課程(修業年限2年以上・総授業時数1,700時間以上または62単位以上)、修業年限2年以上の高等学校専攻科のいずれかを卒業・修了した者(見込みを含む)を対象とする制度です。本記事で中心的に扱うのはこの制度です。

学士編入学選抜

日本国内で学士の学位を取得した者(取得見込みを含む)を対象とする制度です。出願資格が「学士取得」である点を除けば、選抜方法・試験科目・日程は編入学選抜とほぼ共通しており、大学も同じ募集要項の体裁・同じ試験日で運用しています。ただし学科によっては試験科目が編入学選抜と学士編入学選抜で異なる場合があり、これは後述します。

転入学選抜

他大学に在学中の学生が、学籍を東京農業大学に移すための制度です。短期大学・高専・専修学校の卒業者や学士取得者を対象とする編入学選抜・学士編入学選抜とは出願者の母集団が異なります。大学が公表する選抜結果は転入学選抜・編入学選抜・学士編入学選抜が同じ資料の中に並んで掲載されることが多いため、倍率を読む際にはこの3つを混同しないことが重要です。本記事では転入学選抜は参考データとして触れるにとどめ、外部から出願する編入学選抜・学士編入学選抜を中心に解説します。

編入学選抜を実施する6学部とキャンパス

編入学選抜・学士編入学選抜の対象となる6学部は、キャンパスと学問領域がそれぞれ異なります。大学が公表している学部紹介の要旨は次のとおりです。

学部キャンパス学問領域の要旨(大学公表)
農学部厚木キャンパス植物や動物の生命に関する知識・技術を基礎から応用まで科学し、農学の発展につなげる
応用生物科学部世田谷キャンパス農学の知識を食品・発酵・健康・環境・エネルギー分野に応用する
生命科学部世田谷キャンパス微生物の新機能創製から植物育種・動物個体発生・脳機能まで、ミクロからマクロまでの生命機能を扱う
地域環境科学部世田谷キャンパス自然と人間が調和する地域環境・生物資源を保全・管理する科学技術を扱う
国際食料情報学部世田谷キャンパス日本と世界の食料・農業・農村問題の解決に国際的な情報網を活用して取り組む
生物産業学部北海道オホーツクキャンパス生産から流通までを一連の流れとして自然科学・社会経済の両面から探究する

試験会場は農学部が厚木キャンパス、応用生物科学部・生命科学部・地域環境科学部・国際食料情報学部が世田谷キャンパス、生物産業学部のみ世田谷キャンパスと北海道オホーツクキャンパスを出願時に選択できます。学部によって受験地が固定される点は、遠方から受験する場合の交通費・宿泊の計画に直結するため、出願前に確認しておく必要があります。

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学部・学科別の受入年次と募集人員【2027年度】

東京農業大学は農学部・応用生物科学部・生命科学部・地域環境科学部・国際食料情報学部・生物産業学部の6学部23学科で編入学選抜・学士編入学選抜を実施しています。2027年度の募集要項で公表されている受入年次と募集人員は次のとおりです。

学部学科受入年次募集人員試験会場
農学部農学科2年次若干名厚木キャンパス
動物科学科2年次若干名
生物資源開発学科2年次若干名
デザイン農学科2年次若干名
応用生物科学部農芸化学科2年次若干名世田谷キャンパス
醸造科学科2年次若干名
食品安全健康学科2年次若干名
栄養科学科2年次若干名
生命科学部バイオサイエンス学科2年次若干名世田谷キャンパス
分子生命化学科2年次若干名
分子微生物学科2年次若干名
地域環境科学部森林総合科学科2年次若干名世田谷キャンパス
生産環境工学科2年次若干名
造園科学科2年次若干名
地域創成科学科2年次若干名
国際食料情報学部国際農業開発学科2年次若干名世田谷キャンパス
食料環境経済学科2年次若干名
アグリビジネス学科2年次若干名
国際食農科学科2年次若干名
生物産業学部北方圏農学科2年次若干名世田谷または北海道オホーツク(出願時選択)
海洋水産学科2年次若干名
食香粧化学科2年次若干名
自然資源経営学科2年次若干名

この表から読み取れる重要な点は次の2つです。

3年次編入という制度自体が存在しません。法政大学や他の多くの私立大学では学部によって2年次・3年次のどちらか、あるいは両方を実施していますが、東京農業大学は6学部23学科のすべてが2年次編入のみです。3年次からの編入を希望する場合、東京農業大学は選択肢に入りません。

募集人員は全学科「若干名」で、具体的な定員数が一切公表されていません。大学自身も「出願状況および選抜結果などにより合格者数が募集人員を下回る場合があります」とだけ注記しており、何名の枠に何名が挑むのかという構造を定員面から読むことはできません。後述する過去の実績数字を手がかりにするしかありません。

出典:東京農業大学「2027年度 編入学選抜 募集要項」「2027年度 学士編入学選抜 募集要項」(いずれも大学公式サイト「Web出願・募集要項」ページから取得)。

大学サイトの表示に関する注意

東京農業大学の「編入学選抜・学士編入学選抜」の概要ページ(入学者選抜情報配下)は、本記事執筆時点(2026年8月)でも試験日程などの記載が2024年度実施分のまま更新されていません。しかし「Web出願・募集要項」ページからは2027年度の募集要項PDFが実際にダウンロードでき、本記事の日程・試験科目・学費はこの2027年度募集要項に基づいています。大学サイトを直接確認する際は、概要ページの記載を鵜呑みにせず、「Web出願・募集要項」ページの募集要項PDF本体の年度表記を必ず確認してください。

受験資格|自分が出願できるかを先に確かめる

編入学選抜と学士編入学選抜では、出願資格の対象そのものが異なります。

選抜制度共通の出願資格
編入学選抜短期大学(外国の短期大学を含む)を卒業した者または卒業見込みの者/高等専門学校を卒業した者または卒業見込みの者/専修学校の専門課程(修業年限2年以上・総授業時数1,700時間以上または62単位以上)を修了した者または修了見込みの者/修業年限2年以上その他の文部科学大臣が定める基準を満たす高等学校専攻科修了者または修了見込みの者
学士編入学選抜日本国において学士の学位を取得した者、または取得見込みの者

両制度に共通する特記事項として、応用生物科学部栄養科学科のみ、出願資格に「栄養士の資格を有する者、または取得見込みの者」という追加条件が付されています。栄養科学科を志望する場合、短期大学や専修学校を卒業しているだけでは出願できず、栄養士資格(またはその取得見込み)が必須です。他の22学科にはこうした学科固有の追加資格は課されていません。

出願資格の対象となる「専修学校の専門課程」は、修業年限2年以上・総授業時数1,700時間以上または62単位以上という条件を満たす専門学校(いわゆる専門士・高度専門士の付与対象校を含む)を指します。「高等学校専攻科」は、修業年限2年以上などの基準を満たす高校の専攻科(看護科等が代表例)が対象です。自分の出身校がこの条件を満たすかどうかは在籍(在籍していた)学校に直接確認するのが確実です。

受入年次が2年次のみであるため、出願資格の卒業・修了見込み年月も「2027年3月」に統一されています。年度によって出願資格の文言や対象校の範囲が変わることがあるため、出願前には必ず東京農業大学が公表する最新の募集要項を確認してください。

出典:東京農業大学「2027年度 編入学選抜 募集要項」2ページ「出願資格」、「2027年度 学士編入学選抜 募集要項」2ページ「出願資格」。

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試験科目【2年次・全学科共通の90分筆記+面接】

選抜方法はすべての学部学科で「筆記試験90分+個別面接」に統一されています。筆記試験の科目は学科によって大きく異なり、英語を課す学科と課さない学科がはっきり分かれています。

学部学科試験科目(編入学選抜)
農学部農学科英語、生物
動物科学科英語、生物、小論文(800字以内)
生物資源開発学科英語、生物、小論文(800字以内)
デザイン農学科英語、小論文(800字以内)
応用生物科学部農芸化学科英語、化学(無機・分析・有機化学の基礎)、生物(生物化学・分子生物学の基礎)
醸造科学科英語、化学(無機・有機・分析化学)、生物(微生物学)
食品安全健康学科英語、生物、化学
栄養科学科英語、生物、化学
生命科学部バイオサイエンス学科英語、化学、生物(分子生物学)
分子生命化学科英語、化学(一般・無機・有機化学)
分子微生物学科英語、生物、化学
地域環境科学部森林総合科学科小テスト(英語・生物)、小論文(社会常識的内容・400〜800字)
生産環境工学科小論文(生産環境工学に関する内容・800字以内)
造園科学科小論文(800字以内)
地域創成科学科小論文(地域創成に関する内容・800字以内)
国際食料情報学部国際農業開発学科英語、小論文(800字程度)
食料環境経済学科小論文(食料・農業・環境問題に関する内容・800字以内)
アグリビジネス学科小論文(農林水産省「食料・農業・農村白書」に関する内容・800字以内)
国際食農科学科生物・化学、農業経営、小論文(800字以内)
生物産業学部北方圏農学科生物、小論文(800字以内)
海洋水産学科小論文(800字以内)
食香粧化学科生物・化学から1科目選択、小論文(800字以内)
自然資源経営学科小論文(800字以内)

英語試験の有無で学科が二極化している

この表を見ると、英語を筆記試験科目に課しているのは農学部4学科・応用生物科学部4学科・生命科学部3学科・国際農業開発学科・北方圏農学科の13学科にとどまり、地域環境科学部の4学科(森林総合科学科は英語の小テストのみ)、食料環境経済学科、アグリビジネス学科、海洋水産学科、自然資源経営学科など残り10学科は英語の筆記試験そのものがありません。これらの学科は小論文が事実上の主要科目になっており、対策の軸足が語学よりも農業・食料・環境分野に関する時事的な読解力と論述力に置かれます。

もうひとつの特徴は、英語を課す学科であっても、TOEICやTOEFL・英検といった外部試験のスコア提出で判定を代替する仕組みが募集要項に見当たらないことです。法政大学など一部の大学では学部によって外部試験スコアのみで英語を判定するケースがありますが、東京農業大学は英語を課す学科であれば全員が当日の学内筆記試験を受ける前提になっています。出願前にスコアを確定させておけば対策が完了する、という進め方は東京農業大学にはあてはまりません。

出典:東京農業大学「2027年度 編入学選抜 募集要項」3ページ「筆記試験科目」、「2027年度 学士編入学選抜 募集要項」3ページ「筆記試験科目」。

編入学選抜と学士編入学選抜で試験科目が違う学科がある

ほとんどの学科は編入学選抜と学士編入学選抜で試験科目が共通ですが、地域環境科学部の3学科は明確に異なります。森林総合科学科は編入学選抜が「小テスト(英語・生物)+小論文(400〜800字)」の2科目であるのに対し、学士編入学選抜は「小論文(800字以内)」の1科目のみで小テストがありません。造園科学科は編入学選抜が「小論文(800字以内)」という一般的な出題である一方、学士編入学選抜は「小論文(造園に関する内容・800字以内)」とテーマが明示されます。国際農業開発学科の小論文も、編入学選抜が「800字程度」、学士編入学選抜が「国際農業に関する内容・800字程度」とテーマ指定の有無が異なります。学士の学位を持つ受験生には、より専門領域に踏み込んだ出題がなされる傾向がある、と読み取れます。

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日程・スケジュール【2027年度】

2027年度(2026年秋実施)の編入学選抜・学士編入学選抜の日程は次のとおりです。両制度とも同一日程で実施されます。

項目日程
大学出願ネット登録開始2026年9月1日(火)
出願期間2026年11月2日(月)〜11月12日(木)(初日10時〜最終日15時、郵送は消印有効)
入学検定料30,000円(別途、クレジットカード700円/コンビニ350円/ペイジー500円の事務手数料)
試験日2026年11月28日(土)
試験時間筆記試験10:00〜11:30、面接試験13:00〜(個別方式・5〜15分程度)
合格発表2026年12月2日(水)10時(大学出願ネット上で確認)
入学手続期間2026年12月2日(水)〜12月9日(水)

出願期間はわずか11日間、しかも試験日は出願締切から2週間程度しかありません。出願書類には卒業(修了)証明書や成績証明書、専修学校専門課程出身者は専門士・高度専門士の称号証明書類、栄養科学科出願者は栄養士免許証コピーが必要です。取り寄せに時間がかかる書類もあるため、出願が始まる11月に慌てないよう、夏のうちから証明書発行の見込みを確認しておく必要があります。

試験会場は学部ごとに固定で、農学部は厚木キャンパス、応用生物科学部・生命科学部・地域環境科学部・国際食料情報学部は世田谷キャンパス、生物産業学部のみ世田谷キャンパスと北海道オホーツクキャンパスを出願時に選択できます。

試験会場までのアクセス

大学が募集要項で案内している主な交通手段は次のとおりです。

試験会場所在地アクセス
世田谷キャンパス東京都世田谷区桜丘1-1-1小田急線経堂駅下車、南口から徒歩約15分。または東急田園都市線用賀駅からバス(約10分)で「農大前」下車
厚木キャンパス神奈川県厚木市船子1737小田急線本厚木駅(南口)14番のりばからバス(約15分)で「東京農業大学」(終点)下車
北海道オホーツクキャンパス北海道網走市八坂196JR網走駅前3番のりばからバスターミナル行きに乗車(5〜7分)、バスターミナル5番のりばから東京農大行き(約25分)で「東京農大」(終点)下車

特に北海道オホーツクキャンパスは網走駅からバスを乗り継いで30分以上かかるため、生物産業学部を世田谷ではなくオホーツクで受験する場合は、前泊を含めた移動計画を早めに立てておく必要があります。

出典:東京農業大学「2027年度 編入学選抜 募集要項」1・4・8ページ(出願から入学手続までの流れ/募集人員・選抜日程/試験会場)。

出願に必要な書類

募集要項が指定する提出書類は次のとおりです。

  • 志願確認票(大学出願ネットで入学検定料の決済方法を選択後にダウンロード、A4で2枚印刷し1枚を本人控え、1枚を郵送)
  • 卒業(修了)証明書または卒業(修了)見込証明書(短期大学・高等専門学校・専修学校が発行するもの)
  • 成績証明書(卒業見込みの場合は入学時から直近までの成績が記載されたもの)
  • 専門士・高度専門士の称号取得証明書類(専修学校専門課程出身者のみ。平成6年以降の修了者が対象)
  • 栄養士免許証コピーまたは資格取得見込証明書(応用生物科学部栄養科学科の出願者のみ)
  • 外国人の場合は編入学選抜外国人出願者調査票、および短期大学・大学相当の学歴を証明する書類

入学検定料は30,000円で、支払方法によりクレジットカード700円・コンビニエンスストア350円・ペイジー500円の事務手数料が別途かかります。支払期限は決済方法を選択・登録した日の翌々日24時(出願期間最終日前後に登録した場合は出願期間最終日24時)で、期限内に支払いがないと登録情報が無効になる点、支払後は受験学部・学科・会場の変更ができない点は、他大学の編入学試験と共通する一般的な注意点です。

合格発表から入学手続までの流れ

合格発表は大学出願ネット上でのみ行われ、大学からの合格通知の郵送や、試験会場・大学窓口での掲示は行われません。合格した場合は「入学手続」サイトから合格通知をダウンロードし、入学検定料とは別に入学金・授業料等の納付金を金融機関窓口で振り込む形で入学手続を完了させます。自動払込機(ATM)・ゆうちょ銀行・インターネット振込は利用できず、入学手続期間(2026年12月2日〜12月9日)内に窓口での振込が必要です。合否についての大学への問い合わせには応じてもらえないため、発表日時に自分で大学出願ネットを確認する必要があります。

身体の機能等に不自由があり、受験や入学後の修学に特別な配慮を必要とする場合は、出願開始の1ヶ月前までに東京農業大学世田谷キャンパス入学センターへ申し出るよう募集要項に明記されています。該当する場合は出願書類の準備と並行して早めに連絡してください。また、インフルエンザ・麻疹・水疱瘡・新型コロナウイルス感染症など学校保健安全法で出席停止が定められている感染症に罹患し治癒していない場合は受験を控えるよう案内されており、この場合の追試験や検定料の返還は行われません。

出典:東京農業大学「2027年度 編入学選抜 募集要項」5〜9ページ(出願/試験日当日/合格発表/入学手続)。

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学費|2年次編入時と3・4年次以降でいくらかかるか

東京農業大学は学部学科ごとに2年次編入時の納付金明細を公表しています。入学金27万円・授業料40.5万円は全学科共通ですが、実験実習演習費と学生厚生費・諸会費は学科によって差があり、2年次の年間合計は学科によって約14.5万円の開きがあります。

学部学科2年次合計額(年間)
農学部農学科1,593,800円
動物科学科1,613,800円
生物資源開発学科1,613,800円
デザイン農学科1,613,800円
応用生物科学部農芸化学科1,673,800円
醸造科学科1,673,800円
食品安全健康学科1,673,800円
栄養科学科1,793,800円(最高額)
生命科学部バイオサイエンス学科1,673,800円
分子生命化学科1,673,800円
分子微生物学科1,673,800円
地域環境科学部森林総合科学科1,553,800円
生産環境工学科1,593,800円
造園科学科1,543,800円
地域創成科学科1,623,800円
国際食料情報学部国際農業開発学科1,573,800円
食料環境経済学科1,463,800円(最低額)
アグリビジネス学科1,463,800円(最低額)
国際食農科学科1,593,800円
生物産業学部北方圏農学科1,588,800円
海洋水産学科1,623,800円
食香粧化学科1,663,800円
自然資源経営学科1,446,800円

実験設備を多く使う応用生物科学部・生命科学部(実験実習演習費28万円)と、栄養科学科(同40万円、栄養士養成課程のため)が高額側に、小論文中心で実験を伴わない国際食料情報学部の経済・ビジネス系学科と自然資源経営学科(同12万円前後)が低額側に位置しており、学費差の主因は実験実習演習費であることがわかります。なお募集要項には、東京農業大学短期大学部(同一学校法人が運営する短期大学部)の卒業者専用の納付金明細表が別途用意されており、その他諸会費の額が一般の学納金表より軽減されています。試験科目・選抜方法についての区分は募集要項上確認できず、出願資格は他の短期大学卒業者と同じく「短期大学を卒業した者」の区分に含まれます。両料金表の2年次合計額を比較すると次のとおりです。

学部・学科一般の2年次合計額東京農業大学短期大学部卒業者の2年次合計額差額
農学部(各学科)約159.4万〜161.4万円約155.7万〜157.7万円約3.7万円
応用生物科学部・生命科学部(各学科)約167.4万〜179.4万円約163.7万〜175.7万円約3.7万円
地域環境科学部(各学科)約154.4万〜162.4万円約150.7万〜158.7万円約3.7万円
国際食料情報学部(各学科)約146.4万〜159.4万円約142.6万〜155.6万円約3.7万円
生物産業学部(各学科)約144.7万〜166.4万円約141.0万〜162.7万円約3.7万円

差額はどの学部・学科でも一律37,000円で、これは「その他諸会費」の内訳の差にあたります。一般は農友会費11,000円・応援団費2,200円・教育後援会費20,000円・校友会費25,000円の4種(合計58,200円)であるのに対し、短大部卒業者は農友会費10,000円・応援団費1,200円・教育後援会費10,000円の3種(合計21,200円)のみで、校友会費が課されません。入学金・授業料・実験実習演習費・整備拡充費といった学費の本体部分には短大部卒業者向けの割引はなく、差額は諸会費のみに限られます。

教職課程・学術情報課程を履修する場合

東京農業大学は短期大学部を除く学部の学生を対象に、中学校・高等学校の教員免許(一種免許状)を取得できる教職課程と、自然科学系の司書・学芸員を養成する学術情報課程を設けています。編入学後にこれらの課程を履修する場合は、上記の学費とは別に履修料金が必要になると募集要項に明記されています。金額は募集要項上に明示されておらず、詳細を知りたい場合は入学センターへの確認が必要です。教員免許や学芸員資格の取得を編入後の目標にしている場合は、志望学科の選定段階からこの追加費用を考慮に入れておくとよいでしょう。

3年次・4年次の学費も学科別に公表されています。たとえば農学部農学科は3年次133.68万円・4年次138.68万円、栄養科学科は3年次153.68万円・4年次158.68万円などとなっており、2年次入学時だけでなく卒業までの総額を見積もる際は3学年分(2・3・4年次)を合算する必要があります。この「3学年分」という点は、次章の在籍期間の話と直結します。

出典:東京農業大学「2027年度 編入学選抜 募集要項」10ページ「編入学生納付金明細表(学費)」。学士編入学選抜の学費体系も同募集要項10ページで同様に公表されています。

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編入後は卒業まで3年間(2・3・4年次)在籍する

受入年次が2年次のみであるため、合格して入学した後は2年次・3年次・4年次の3学年分を東京農業大学で履修することになります。3年次編入を実施する大学であれば残り2年間で卒業できますが、東京農業大学は制度上その選択肢がありません。大学が公表する納付金明細表も2年次分に加えて3年次・4年次分の学費を学科別に明示しており、3学年分の在籍が前提になっていることが公式資料からも確認できます。短期大学や高等専門学校で2年間、東京農業大学で3年間という「2+3」の学修計画になる点は、他大学の3年次編入(多くは「2+2」または「3+2」)と比較する際に必ず押さえておくべき違いです。

倍率・難易度|編入学選抜だけの実績(2021〜2026年)

東京農業大学は「選抜結果」ページで、編入学選抜・学士編入学選抜・転入学選抜それぞれの学部学科別の志願者・(年度により)受験者・合格者数を公表しています。過去5回分の試験(2021年12月・2022年12月・2023年12月・2024年11月・2025年11月の各試験、大学の資料表記に沿ってそれぞれ「2021年度」〜「2024年度」「2026年度」と記載)の結果を、編入学選抜だけに絞って集計すると次のようになります。

大学の資料表記試験実施時期志願者受験者合格者実質倍率(受験/合格)
2021年度2021年12月16名15名5名3.0倍
2022年度2022年12月25名22名10名2.2倍
2023年度2023年12月16名非公表8名志願/合格で2.0倍
2024年度2024年11月7名6名4名1.5倍
2026年度2025年11月10名9名6名1.5倍

全学6学部23学科を合計した数字であるにもかかわらず、志願者は毎回7〜25名という規模にとどまっています。出典:東京農業大学「選抜結果」ページ配下の各年度「編入学選抜 選抜結果」PDF(2021年度・2022年度・2023年度・2024年度・2026年度の5本)。

年ごとの推移も一定していません。2022年度に志願者25名・合格者10名とこの5回の中で最も多くなった後、2023年度16名、2024年度は7名まで落ち込み、2026年度に10名までやや持ち直しています。全学合計でも母数が一桁台まで縮む年があることから、単年度の数字だけで「今年は狙い目」「今年は厳しい」と判断するのは危険で、複数年の推移を合わせて見る必要があります。

実質倍率だけを見ると2.0〜3.0倍で必ずしも極端に高くはありませんが、これは母数そのものが小さいことの裏返しでもあります。次章で学科別の内訳を見ると、この数字の意味がより具体的につかめます。

学士編入学選抜・転入学選抜の実績

学士編入学選抜と、在学中の他大学生を対象とする転入学選抜(本記事の対象外だが同じ資料に掲載される制度)についても、大学が公表している範囲で実績を整理すると次のとおりです。

大学の資料表記学士編入学選抜(志願/合格)転入学選抜(志願/合格)※参考
2021年度データ確認できず(下記注記参照)11名/4名
2022年度3名/3名非公表(当該資料未確認)
2023年度4名/3名12名/9名
2024年度3名/1名非公表(当該資料未確認)
2026年度1名/0名13名/2名

学士編入学選抜は編入学選抜よりもさらに小規模で、5回のうち合格者が0名の回もありました。転入学選抜は在学中の他大学生が対象であるため出願者の母集団が異なりますが、志願者数の規模感は編入学選抜と大きくは変わりません。

学科によって応募実績に極端な偏りがある

2021〜2026年の5回分の編入学選抜(志願者数ベース)を学科別に集計すると、応募が集中する学科と、まったく応募がない学科に二極化していることがわかります。

学科5年間の志願者合計5年間の合格者合計
造園科学科10名6名
アグリビジネス学科9名4名
食料環境経済学科8名3名
地域創成科学科6名4名
農学科/農芸化学科/森林総合科学科各5名2名/1名/3名
国際農業開発学科4名2名
生物資源開発学科/醸造科学科/バイオサイエンス学科/分子生命化学科/自然資源経営学科各3名0名/0名/3名/0名/2名
栄養科学科/生産環境工学科/食香粧化学科各2名0名/1名/2名
食品安全健康学科1名0名
動物科学科・デザイン農学科・分子微生物学科・国際食農科学科・北方圏農学科・海洋水産学科0名0名

特に注目すべきは最後の6学科です。動物科学科・デザイン農学科・分子微生物学科・国際食農科学科・北方圏農学科・海洋水産学科の6学科は、大学が結果を公表している2021〜2026年の5回すべてで志願者が1名もいませんでした。募集人員は他学科と同じく「若干名」として公表されているものの、実際には編入学選抜の実施実績がほぼない状態が続いています。出願自体は要項上可能ですが、前例が極めて乏しいことを踏まえて出願を検討する必要があります。

対照的に、造園科学科・アグリビジネス学科・食料環境経済学科・地域創成科学科の4学科は毎年のように志願者があり、合格者も継続的に出ています。応募が集まる学科と集まらない学科がここまではっきり分かれる大学は珍しく、志望学科を検討する際は「募集人員」ではなく、この5年間の応募実績を判断材料にするほうが実態に近い情報が得られます。

志願者ゼロが続く6学科に共通する明確な理由は大学から公表されていません。ただし小論文中心で受験科目のハードルが比較的低い学科(造園科学科、アグリビジネス学科など)に志願者が集まる一方、英語・生物・化学など複数科目の筆記試験を課す学科(分子微生物学科など)で志願者が少ない傾向がある点は、5年分のデータからも一定程度読み取れます。もっとも動物科学科・北方圏農学科・海洋水産学科のように英語+理科+小論文を課す学科と、小論文のみで足りる学科の両方がゼロ学科に含まれているため、試験科目の負荷だけで説明しきれない部分も残ります。志望学科の検討にあたっては、公表されている実績数字を一次情報として確認したうえで、大学入学センターへの問い合わせも選択肢に入れてください。

出典:東京農業大学「選抜結果」ページ配下の各年度「編入学選抜 選抜結果」PDF(2021年度・2022年度・2023年度・2024年度・2026年度の5本)を学科別に集計。

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過去問はどこで手に入るか

結論から言うと、東京農業大学は編入学選抜・学士編入学選抜の過去問題をオンラインで公開していません。大学公式サイトには「過去の選抜問題」というページがありますが、これは高校卒業者向けの一般選抜(英語・国語・数学・生物・化学・物理・日本史・地理・世界史・公共政治経済)の過去問と、その出題の意図を公開するページであり、科目構成そのものが編入学選抜(英語・生物・化学・小論文中心)とは異なるため、対策の参考にはなりません。

編入学選抜に特化した過去問・出題例・出題意図は、大学の入試情報ページ・情報の公表ページのいずれにも掲載が確認できませんでした。過去問を確認したい場合は、東京農業大学入学センター(TEL.03-5477-2226)に直接問い合わせるのが確実な方法です。無い情報を推測で埋めることはできないため、本記事では出題テーマの深掘りは行わず、上記の公開状況をそのままお伝えします。

過去問が非公開である以上、対策の軸は募集要項が明示する試験科目の範囲(各学科の指定科目と小論文のテーマ)を正確に押さえることと、農業・食料・環境・生命科学分野の時事的な話題(食料自給率、農林水産省の白書、環境問題など)について自分の意見を論理的に書く練習に置くことになります。

学部・学科ごとに何から手をつけるべきか

英語が必須の学科(農学部・応用生物科学部・生命科学部の大半、国際農業開発学科、北方圏農学科)

英語と理科(生物・化学のいずれかまたは両方)の2本柱です。出願までの期間が短いため、英語は基礎文法・語彙の総復習を早めに終え、理科は募集要項に明記された範囲(たとえば農芸化学科なら「無機化学・分析化学・有機化学の基礎知識」、醸造科学科なら「微生物学に関する内容」など)を学科ごとにピンポイントで絞り込むことが効率的です。

分子生命化学科のように化学2科目(英語・化学)だけで生物を課さない学科や、動物科学科・生物資源開発学科のように英語・生物に加えて小論文まで求める学科もあり、同じ「英語必須」でも科目負荷は学科によって異なります。出願前に募集要項の科目数欄(「計2科目」「計3科目」)を確認し、志望学科の負荷を正確に把握したうえで学習計画を立ててください。

小論文が主科目の学科(地域環境科学部の大半、食料環境経済学科、アグリビジネス学科、海洋水産学科、自然資源経営学科など)

アグリビジネス学科は農林水産省「食料・農業・農村白書」が出題内容として明示されており、最新版に目を通しておくことが直接の対策になります。食料環境経済学科は「食料・農業・環境問題」、地域創成科学科は「地域創成」、生産環境工学科は「生産環境工学」というように、学科ごとに小論文のテーマ領域が公表されているため、他学科の対策をそのまま流用せず、志望学科の指定テーマに沿った時事知識と論述練習を積むことが遠回りを避ける方法です。

一方、5年間で最も志願者を集めている造園科学科は、試験科目が「小論文(800字以内)」とだけ示され、他学科のようなテーマの指定がありません。テーマが限定されない分だけ、造園・ランドスケープに関する時事的な話題(都市緑化、公園整備、景観法など)を自分で幅広く押さえておく必要があります。海洋水産学科・自然資源経営学科も同様にテーマ指定のない「小論文(800字以内)」のみで、対策範囲を自分で見極める必要がある点は共通しています。

栄養科学科を志望する場合

出願資格に栄養士資格(取得見込みを含む)が課されるため、対策以前にまず出願要件を満たせるかどうかの確認が最優先です。試験科目自体は英語・生物・化学で、他の応用生物科学部の学科と共通しています。

5年間志願者ゼロの6学科を志望する場合

動物科学科・デザイン農学科・分子微生物学科・国際食農科学科・北方圏農学科・海洋水産学科は、出願自体は要項上可能ですが、前述のとおり直近5回の結果に応募実績がありません。倍率という形で難易度を測る手がかりがないため、学科の教育内容・カリキュラムへの適合を軸に出願を検討し、事前に大学入学センターへ相談することをおすすめします。

生物産業学部(北海道オホーツクキャンパス)を志望する場合

生物産業学部の4学科(北方圏農学科・海洋水産学科・食香粧化学科・自然資源経営学科)は、他の5学部と異なり試験会場を世田谷キャンパスと北海道オホーツクキャンパスから出願時に選べます。このうち海洋水産学科・北方圏農学科は前述の「5年間志願者ゼロ」の6学科に含まれる一方、食香粧化学科(5年間で志願2名)・自然資源経営学科(同3名)は毎年ではないものの複数回の応募実績があります。北海道での受験を選ぶ場合は、前述のとおり網走駅からのバス移動を含めた前泊の計画が必要になるため、出願書類の準備と並行して交通・宿泊の手配も早めに進めてください。なお試験会場を世田谷・オホーツクのどちらにするかは出願時の選択事項であり、試験科目・募集人員・合格基準が会場によって変わるわけではありません。

併願をどう組むか

東京農業大学の編入学選抜・学士編入学選抜は出願が11月上旬、試験が11月末、合格発表が12月上旬という、1年のうちでもかなり遅い時期に設定されています。多くの国公立・私立大学の編入学試験は夏から秋にかけて実施されるため、東京農業大学はその後に位置する「最後の選択肢」として組み込みやすい日程です。すでに結果が出た他大学の合否を踏まえたうえで出願の最終判断ができる点は、受験計画を立てるうえでのメリットになります。

一方で、出願期間が11月2日〜12日のわずか11日間しかなく、卒業(見込み)証明書・成績証明書などの提出書類を短期間で揃える必要があるため、東京農業大学を選択肢に入れる場合は、他大学の受験校を固める段階から逆算して、夏のうちに証明書発行の手続きを確認しておくことが実務上の注意点です。農学系・生命科学系・食料環境系を横断的に学べる学部構成であるため、同系統を扱う他大学(農学部・生命科学部・食料環境系学部を持つ大学)と併願先の系統がそろえやすい点も特徴です。

農学部系統での併願先を検討する場合、当サイトでは岩手大学農学部・宇都宮大学農学部の編入学試験についても学部別の募集人員・試験科目・倍率を整理しています。あわせて確認してください。

よくある質問

東京農業大学に編入するのは難しいですか。

学科によって実態が大きく異なります。造園科学科・アグリビジネス学科・食料環境経済学科・地域創成科学科などは直近5年間で継続的に志願者・合格者が出ている一方、動物科学科・デザイン農学科・分子微生物学科・国際食農科学科・北方圏農学科・海洋水産学科の6学科は同じ5年間で志願者が1名もいません。募集人員が「若干名」としか公表されないため、志望学科の応募実績を必ず確認してください。

東京農業大学の編入試験の倍率はどれくらいですか。

編入学選抜だけの全学合計実績で、2021年度3.0倍、2022年度2.2倍、2023年度は志願16名に対し合格8名、2024年度1.5倍、2026年度1.5倍でした。ただし全学6学部23学科を合計した数字であり、学科ごとの母数は数名程度ときわめて小さい点に注意が必要です。

3年次編入はできますか。

できません。東京農業大学の編入学選抜・学士編入学選抜は6学部23学科すべてが2年次編入のみで、3年次編入という制度自体が存在しません。3年次からの編入を希望する場合は、他大学を検討する必要があります。

募集人員は何名ですか。

全学部・全学科で「若干名」とのみ公表されており、具体的な定員数は非公表です。大学は「出願状況および選抜結果などにより合格者数が募集人員を下回る場合があります」と注記しています。

編入学選抜と学士編入学選抜の違いは何ですか。

出願資格が異なります。編入学選抜は短期大学・高等専門学校・専修学校専門課程・高校専攻科の卒業(修了)者、学士編入学選抜は学士の学位を取得した者が対象です。試験科目・日程は共通する学科がほとんどですが、森林総合科学科・造園科学科・国際農業開発学科は編入学選抜と学士編入学選抜で試験科目や小論文のテーマ指定が異なります。

栄養科学科を受けるには何が必要ですか。

編入学選抜・学士編入学選抜共通で、栄養士の資格を有する者、または取得見込みの者であることが出願資格に追加されています。他の22学科にはこうした学科固有の資格要件はありません。

過去問は入手できますか。

編入学選抜・学士編入学選抜の過去問は大学公式サイトでは公開されていません。大学が公開している「過去の選抜問題」は一般選抜(高校卒業者向け)のもので、科目構成が異なるため参考になりません。過去問の閲覧可否は東京農業大学入学センターに直接問い合わせる必要があります。

編入後、何年で卒業できますか。

2年次編入のため、卒業までは2・3・4年次の3学年分の在籍が必要です。3年次編入を実施する大学のような「残り2年」での卒業はできません。大学が公表する納付金明細表も3学年分の学費を前提に作成されています。

短期大学以外の出身でも出願できますか。

編入学選抜は短期大学卒業者に加えて、高等専門学校卒業者、専修学校専門課程修了者(修業年限2年以上・総授業時数1,700時間以上または62単位以上)、高等学校専攻科修了者(修業年限2年以上等の基準を満たす者)も出願できます。学士編入学選抜は学士の学位を取得した者(見込みを含む)が対象です。

併願はできますか。

試験日程は東京農業大学が定める1日(2027年度は2026年11月28日)に固定されており、他大学の編入学試験と日程が重ならなければ併願可能です。出願・試験時期が11月と比較的遅いため、他大学の結果を見たうえで出願の最終判断がしやすいという特徴があります。

英語外部試験のスコアだけで受験できますか。

できません。東京農業大学の編入学選抜・学士編入学選抜は、英語を課す学科であっても当日の学内筆記試験(90分)で判定する方式で、TOEICやTOEFL・英検などの外部試験スコア提出で代替する仕組みは募集要項に見当たりません。英語が試験科目に入っている学科を志望する場合は、当日の筆記試験そのものへの対策が必要です。

面接試験ではどんなことを聞かれますか。

募集要項では面接試験は個別方式・5〜15分程度で実施され、出願書類・筆記試験・面接試験を総合的に評価すると案内されているのみで、質問内容の詳細は公表されていません。一般的な編入学試験の面接では、志望理由や前籍校での学習内容、編入後に学びたいテーマとの関連性が問われることが多いため、学科ごとの小論文テーマ(食料・農業・環境問題、地域創成など)と一貫性のある志望理由を準備しておくことが基本になります。

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まとめ

東京農業大学の編入学試験は、6学部23学科のすべてが2年次編入のみという、国内の私立大学の中でも珍しい制度設計になっています。3年次からの編入を考えている場合は最初の時点で選択肢から外れる一方、2年次編入であれば農学・生命科学・食料環境・国際農業といった幅広い分野から志望学科を選べます。

募集人員が全学科「若干名」としか公表されない以上、志望学科を検討する際の実質的な手がかりは、大学が公表してきた実績数字です。2021〜2026年の5回分を見る限り、造園科学科・アグリビジネス学科・食料環境経済学科・地域創成科学科などは継続的に志願者・合格者が出ている一方、動物科学科・デザイン農学科・分子微生物学科・国際食農科学科・北方圏農学科・海洋水産学科の6学科は5回連続で志願者がゼロでした。この偏りを踏まえずに「農学部だから」「国際色があるから」といった学部単位のイメージだけで学科を選ぶと、実際の応募状況とのギャップに気づかないまま出願することになりかねません。

過去問が非公開であることも踏まえると、対策の軸は募集要項が明示する試験科目の範囲を学科単位で正確に押さえることと、英語試験のない学科では小論文のテーマ領域(食料・農業・環境問題、地域創成、農林水産省白書など)に沿った時事知識を積み上げることになります。出願期間が11日間と短いため、証明書類の準備は早めに動き出してください。

試験日程が11月末という他大学より遅い時期に設定されている点、募集人員が「若干名」としか公表されない点、そして過去問が非公開である点は、いずれも情報の少なさにつながる要素です。だからこそ、本記事で示した5年分の学科別実績のように「公表されている数字を漏れなく拾って読む」ことが、東京農業大学の編入学試験を検討するうえでの最も確実な情報源になります。

本記事の数値は東京農業大学が公表する2027年度編入学選抜・学士編入学選抜募集要項、および2021年度から2026年度にかけて公表された編入学選抜・学士編入学選抜・転入学選抜の選抜結果に基づいています。制度・日程・募集人員・試験科目・学費は年度によって変更される可能性があるため、出願前には必ず東京農業大学が公表する最新の募集要項をご自身でご確認ください。学士編入学選抜の2021年度分については、大学サイトの該当リンクが編入学選抜の結果と重複しており、独立したデータを確認できなかったため本記事には含めていません。

本記事で参照した主な一次情報

  • 東京農業大学「編入学選抜・学士編入学選抜」(入学者選抜情報)
  • 東京農業大学「Web出願・募集要項」ページ掲載の2027年度編入学選抜募集要項PDF・学士編入学選抜募集要項PDF
  • 東京農業大学「選抜結果」ページ掲載の2026年度編入学選抜・学士編入学選抜・転入学選抜 選考結果PDF
  • 東京農業大学が公表する2021年度・2022年度・2023年度・2024年度の編入学選抜・学士編入学選抜・転入学選抜 選抜結果PDF(各年度分)
  • 東京農業大学「過去の選抜問題」(一般選抜の過去問公開ページ)
  • 東京農業大学「学部・大学院」ページ(学部紹介)
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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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