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聖心女子大学の編入学試験を徹底解説|学科別の募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】

聖心女子大学の編入学試験を徹底解説|学科別の募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】の記事アイキャッチ画像。大学編入対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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聖心女子大学の編入学試験は、法政大学や中央大学のように学部ごとに複数の入試制度が並立しているわけではありません。募集する学科はすべて現代教養学部に属し、実施されるのは「総合型選抜(編入学試験)」というただ1つの試験だけです。出願期間も試験日もすべての学科で共通、80分の学科別筆記試験と面接という同一形式で行われます。その代わり、学科ごとの筆記試験の中身は英語の長文読解、歴史用語の論述、社会学的資料の分析、教育学のキーワード論述と、専門分野の数だけまったく別物になります。

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この記事では、聖心女子大学が公表している2027年度の学生募集要項と、2022年度から2026年度までの5年分の志願・合格者数の実績、さらに2022年度から2026年度までの公開過去問をもとに、学科別の募集人員・受験資格・試験科目・日程・倍率を整理します。あわせて、学科ごとの過去問から読み取れる出題テーマと、そこから逆算した対策の順序、さらに編入学者向けの学費・奨学金・学寮といった生活面の支援制度まで、大学が一次情報として公開している範囲に絞って踏み込んで解説します。

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目次

聖心女子大学の編入学試験は「総合型選抜(編入学試験)」という1つの制度だけ

聖心女子大学の学部組織は現代教養学部の1学部のみで、その下に英語文化コミュニケーション学科・日本語日本文学科・哲学科・史学科・人間関係学科・国際交流学科・心理学科・教育学科(教育学専攻・初等教育学専攻)の9学科・専攻があります。大学は「入学時に学科や学ぶ分野を決定する必要はなく、多様な学問に触れながら本当に必要な学問を選び、組み合わせることで学びを深めるカリキュラム」を特色として掲げており、学科の枠を越えた履修がもともと前提になっている大学です。

編入学試験の名称は「総合型選抜(編入学試験)」で、この中に「一般選抜」と「社会人特別選抜」という2つの出願区分があります。多くの大学のように編入学試験・社会人編入学試験・転部試験・継続学士入学試験が別々の要項として存在するのではなく、聖心女子大学ではこの1つの要項・1つの試験日に一般選抜と社会人特別選抜の両方の出願者が同居します。後述する志願者数・合格者数の表で( )内に示される数字が社会人特別選抜の内数です。要項の名称に「総合型選抜」という語が含まれているため、他大学の総合型選抜(新卒の高校生向け入試)と混同しないよう注意してください。あくまで編入学希望者を対象とした試験区分です。

編入学年次は2年次のみです。法政大学や中央大学のように3年次編入を並行して実施している学部・学科はありません。短期大学・高等専門学校・専修学校専門課程などから2年次に入り直す、という一択の設計になっている点が、まず最初に押さえておくべき構造です。

そしてこの大学は女子大学であるため、出願できるのは女子に限られます。一般選抜の出願資格の条文にも「次の各号のいずれかに該当する女子」と明記されています。共学化していない女子大学への編入を検討している方にとって、この点は制度理解の大前提になります。

学科別の募集人員【2027年度】

2027年度の募集人員は次のとおりです。史学科と国際交流学科は学科の中にコースが分かれていますが、募集人員はコース単位ではなく学科単位で公表されています。

学科・専攻コース編入学年次募集人員
英語文化コミュニケーション学科2年次6名
日本語日本文学科2年次6名
哲学科2年次4名
史学科日本史コース/世界史コース2年次2名(コース合計)
人間関係学科2年次2名
国際交流学科グローバル社会コース/異文化コミュニケーションコース2年次2名(コース合計)
心理学科2年次4名
教育学科教育学専攻2年次4名

合計の募集人員は30名(推薦入学者若干名を含む)です。この表から読み取れる重要な点を整理します。

教育学科は教育学専攻のみが編入学試験の対象です。教育学科にはもう1つ初等教育学専攻がありますが、この専攻は編入学試験の募集学科・専攻の一覧に含まれていません。小学校教員免許の取得を前提としたカリキュラムの積み上げが必要な専攻であるため、途中年次からの編入に対応していないと考えられます。教員養成系のカリキュラムを持つ専攻ほど編入を受け入れにくいという傾向は他大学でも見られますが、聖心女子大学もその例に漏れません。初等教育学専攻を志望する場合は、編入ではなく一般選抜など別の入学経路を検討する必要があります。

史学科と国際交流学科は、学科としての募集人員をコースで分け合う設計です。史学科は日本史コースと世界史コースのどちらを受けても合計2名の枠を争うことになり、国際交流学科もグローバル社会コースと異文化コミュニケーションコースの合計で2名です。学科の合格枠がコース単位でさらに細分化されているわけではない点に注意してください。

募集人員がもっとも大きいのは英語文化コミュニケーション学科と日本語日本文学科の6名で、もっとも小さいのは史学科・人間関係学科・国際交流学科の2名です。後述する志願者数の実績を見ると、この募集人員の大小と実際の志願者数の多寡は必ずしも一致しません。

受験資格|自分が出願できるかを先に確かめる

聖心女子大学の受験資格は学科ごとに分かれておらず、全学科共通です。これは学科別に受験資格の網が細かく分岐する法政大学などとは対照的な設計です。ただし「一般選抜」と「社会人特別選抜」の2区分でそれぞれ条件が異なるため、まずどちらの区分で出願するかを確定させてください。

一般選抜の受験資格

次のいずれかに該当する女子が対象です。

  • 短期大学を卒業した者および2027年3月卒業見込みの者
  • 高等専門学校を卒業した者および2027年3月卒業見込みの者
  • 専修学校の専門課程のうち、文部科学大臣の定める基準(修業年限2年以上かつ課程修了に必要な総授業時間数1,700時間以上)を満たすものを修了した者および2027年3月までに修了見込みの者。ただし学校教育法第90条第1項に規定する大学入学資格を有する者に限る
  • 大学(短期大学を除く)に1年以上在学し(休学期間を除く。2027年3月までに1年以上在学する者を含む)、30単位以上修得している者および2027年3月までに修得見込みの者。または個別の出願・入学資格審査により大学が同等以上の学力があると認める者
  • 高等学校の専攻科のうち、文部科学大臣が定める基準を満たすものを修了した者および2027年3月までに修了見込みの者(この号に該当する者は、出願前に個別出願・入学資格審査を受ける必要があります)

外国の教育機関(文部科学大臣の指定する外国大学日本校を含む)において上記に相当する課程を経ている者は、出願前に個別出願・入学資格審査を受ける必要があります。個別審査を申請する場合は、出願資格事前審査申請書を2026年9月末日(消印有効)までに郵送またはメール添付で提出しなければなりません。出願直前ではなく、出願の1か月以上前に動き出す必要がある手続きです。

在留資格「留学」で入学を予定する場合は、上記いずれかの出願条件を満たしたうえで、日本語能力試験(JLPT)N2レベル以上に出願日までの3年以内に合格していることが必要です。

社会人特別選抜の受験資格

一般選抜の資格を満たしたうえで、2年以上の学歴以外の経験を持つ者(2027年3月までに2年以上になる見込みの者を含む)が対象です。授業は昼間開講のみで、社会人向けの夜間・通信課程は用意されていません。

見込みで出願する場合の注意

修了・修得見込みで出願し合格しても、2027年3月末日までに所定の要件を満たせなかった場合は入学資格を失い、合格が取り消されます。この場合、翌年度への繰り越しはできません。単位の修得や卒業が微妙なラインにある方は、出願前に在籍校の事務局とスケジュールを詰めておく必要があります。

試験科目|学科によって出題内容がまったく違う【2027年度】

試験は「学科別の筆記試験(80分)」と「面接」の2つで構成され、この基本形式自体はどの学科も共通です。しかし80分間で何を問われるかは学科ごとにまったく違います。大学が公表している学科別の出題内容は次のとおりです。

学科・コース筆記試験(80分)の内容英語の扱い
英語文化コミュニケーション学科学科での学修に必要な英語の学力をはかる問題英語中心
日本語日本文学科基礎的な学力および学科での学修内容についての基礎的な理解を問う問題英語の出題・解答なし
哲学科基礎的な学力および学科での学修内容についての基礎的な理解を問う問題一部英語の出題・解答を含む場合あり
史学科(日本史コース)基礎的な学力および学科での学修内容についての基礎的な理解を問う問題英語の出題・解答なし
史学科(世界史コース)基礎的な学力および学科での学修内容についての基礎的な理解を問う問題一部英語の出題・解答を含む場合あり
人間関係学科基礎的な学力および学科での学修内容についての基礎的な理解を問う問題英語の出題・解答なし
国際交流学科(グローバル社会コース)コースの学修内容を理解するのに十分な基礎的な学力を問う問題一部英語の出題を含む場合あり
国際交流学科(異文化コミュニケーションコース)同上一部英語の出題を含む場合あり
心理学科基礎的な学力および学科での学修内容についての基礎的な理解を問う問題英語の出題・解答なし
教育学科(教育学専攻)基礎的な学力および学科での学修内容についての基礎的な理解を問う問題英語の出題・解答なし

この表と、後述する公開過去問を突き合わせると、学科間の違いがさらにはっきりします。

英語文化コミュニケーション学科だけは試験そのものが英語です。大学の公表文言では「英語の学力をはかる問題」とだけ書かれていますが、実際の過去問を見ると英語長文の読解・語彙・英作文まで含む総合的な英語試験になっています。

「英語の出題・解答はありません」と明記されている学科が5学科あります。日本語日本文学科・史学科(日本史コース)・人間関係学科・心理学科・教育学科です。これらの学科では英語力そのものは問われず、日本語での読解力・論述力・専門分野の基礎知識が中心になります。

哲学科と史学科(世界史コース)、国際交流学科の両コースは「一部英語を含む場合がある」という中間的な扱いです。実際、後述する過去問では、哲学科の設問に英語原典(トマス・ホッブズ『リヴァイアサン』)の抜粋が使われた実績があります。日本語での学科試験だと思って対策すると、英語の資料が出た瞬間に対応できなくなるリスクがあるということです。

面接は全学科で実施されます。学科別の筆記試験に加えて、志望動機や学修意欲を確認する面接が課される二段構えです。

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日程・スケジュール【2027年度】

項目日程
個別出願・入学資格審査の申請締切(該当者のみ)2026年9月末日(消印有効)
出願期間(WEB登録・郵送受付)2026年10月1日(木)~10月29日(木)締切日消印有効(WEB登録は締切日20:00まで)
試験日2026年11月14日(土)
合格発表日2026年11月19日(木)
入学手続締切日2026年11月27日(金)締切日消印有効

出願期間はちょうど1か月弱しかありません。しかも提出書類には出身校発行の成績証明書(出願前3か月以内に作成されたもの)や卒業・修了見込み証明書など、発行に日数がかかるものが複数含まれます。出願期間に入ってから証明書を取り寄せ始めると間に合わない可能性が高く、10月に入る前、遅くとも9月中には出身校に証明書発行を依頼しておく必要があります。

試験日から合格発表までは5日間、合格発表から入学手続締切までは8日間しかありません。入学金・授業料等の納付金を用意する期間も短いため、合格を見込んで資金計画を前倒しで立てておくことをお勧めします。

入学検定料は35,000円で、WEB出願システム経由で出願締切日の20:00までに納入する必要があります。納入後は原則として返還されません。

倍率・難易度|2022年度から2026年度までの5年間の実績

聖心女子大学は編入学試験(総合型選抜)の学科別志願者数・合格者数を5年分さかのぼって公表しています。多くの大学が直近1年分しか開示しないなかで、この開示範囲の広さ自体が貴重な一次情報です。ただし、大学が公表しているのは志願者数と合格者数のみで、実際に受験した人数(受験者数)は公表されていません。そのため以下で示す倍率は、正確には「志願者数÷合格者数」で算出した志願倍率であり、受験者数を分子にした実質倍率ではない点にご注意ください。

学科2022年 志願/合格/倍率2023年 志願/合格/倍率2024年 志願/合格/倍率2025年 志願/合格/倍率2026年 志願/合格/倍率
英語文化コミュニケーション学科16/9/1.78倍7/5/1.40倍3/3/1.00倍4/3/1.33倍5/4/1.25倍
日本語日本文学科5/3/1.67倍1/1/1.00倍3/2/1.50倍2/1/2.00倍1/1/1.00倍
哲学科3/3/1.00倍6/6/1.00倍1/1/1.00倍0/―/―1/0/―
史学科2/2/1.00倍1/1/1.00倍1/1/1.00倍4/4/1.00倍1/0/―
人間関係学科7/1/7.00倍2/1/2.00倍2/1/2.00倍6/5/1.20倍0/0/―
国際交流学科3/1/3.00倍2/2/1.00倍3/3/1.00倍6/4/1.50倍0/0/―
心理学科9/3/3.00倍4/2/2.00倍5/3/1.67倍3/3/1.00倍6/3/2.00倍
教育学科9/5/1.80倍6/4/1.50倍4/4/1.00倍3/3/1.00倍2/2/1.00倍
合計54/27/2.00倍29/22/1.32倍22/18/1.22倍28/23/1.22倍16/10/1.60倍

( )内の社会人特別選抜志願者数の内数は、合計で2022年5名・2023年1名・2024年2名・2025年2名・2026年2名です。学科別では心理学科と英語文化コミュニケーション学科で社会人特別選抜の実績が比較的多く見られる一方、史学科や国際交流学科では社会人特別選抜での志願実績が公表データの中に現れていない年が目立ちます。社会人からの編入を検討している場合は、志望学科でどの程度の実績があるかを、この内数の推移からも確認しておくとよいでしょう。

この表から読み取れることを整理します。

合計の志願倍率は1.22倍から2.00倍のレンジで推移しており、突出して高い年はありません。全体で見れば、出願者の大半が合格している試験です。

ただし学科単位で見ると、年によって倍率が大きく振れます。もっとも極端なのは人間関係学科で、2022年は志願7名に対して合格1名(7.00倍)だった一方、2025年は志願6名に対して合格5名(1.20倍)でした。募集人員が2名という小さな枠のため、その年にたまたま志願者が集中するかどうかで倍率が数倍単位で変わります。同じ学科の「例年の難易度」を語ることに、そもそも大きな母数がないという前提を踏まえてください。

哲学科と史学科は2026年に志願者はいたものの合格者がゼロという実績があり、哲学科は2025年には志願者そのものがゼロでした。本記事の「学科によって出題内容がまったく違う」の章で扱った哲学科の過去問が2024年度実施分になっているのは、2025年度は志願者がおらず学科別試験そのものが実施されなかったためです。募集人員が4名や2名という小さな学科では、特定の年に受験者がまったく現れない、あるいは受験しても全員が不合格になるということが実際に起こります。

逆に、多くの学科で「志願者数=合格者数」、つまり倍率1.00倍の年が繰り返し見られます。英語文化コミュニケーション学科2024年、日本語日本文学科2023年・2026年、哲学科2022〜2024年、史学科2022〜2025年、国際交流学科2023〜2024年、心理学科2025年、教育学科2024〜2026年と、8学科すべてで倍率1.00倍の年が存在します。これは「出願要件を満たし、学科別筆記試験で最低限の水準を示し、面接で学修意欲を伝えられれば、多くの場合合格に至る」試験である可能性を示唆します。ただしこれは推測であり、大学が合格最低点や採点基準を公表しているわけではない点は明記しておきます。

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学科ごとに、何から手をつけるべきか

学科別の筆記試験の性格が大きく異なるため、対策の出発点も学科ごとに変わります。次章で扱う過去問の内容も踏まえた優先順位です。

英語文化コミュニケーション学科|英語長文の精読と150語程度の英作文

学科別試験の実質が英語の総合力試験です。同意語選択・空所補充といった語彙・文法の基礎から、下線部和訳、内容説明、語句整序、そして自分の経験を150語程度でまとめる英作文まで、大学入試の英語よりも記述量の多い構成になっています。まず英字の評論・エッセイを一定量読む習慣をつけ、そのうえで150語程度の自由英作文を書く練習を積んでおくことが有効です。

日本語日本文学科|現代文の要約力と漢字・文学史の基礎知識

言語学や現代日本語論に関する評論文を400字程度に要約する力と、漢字の読み書き、そして文学史の基礎知識(和歌集や近代文学の作家名など)を横断的に問われます。現代文の要約練習に加えて、高校レベルの国語便覧・文学史年表を一通り復習しておくと安定します。

哲学科|英語原典を含む思想史の読解と自分の意見を論じる力

価値相対主義のような哲学的なテーマについて自分の考えを400〜600字で論じる問題と、英語の思想史上の原典(過去にはトマス・ホッブズの著作が出題)を200字程度の日本語に要約する問題が組み合わされます。倫理学・哲学の基本的な立場(相対主義・普遍主義など)を整理しておくことに加え、英語で書かれた人文書の抜粋を日本語で要約する訓練が必要です。

史学科|日本史・世界史の重要事象を選んで論じる力

指定された歴史的事象の語群から任意の数を選び、その内容と歴史的意義を数行で説明する問題と、ある国の非常事態(戦争・内乱・感染症・自然災害など)がもたらした変化を具体例を挙げて論じる問題が中心です。日本史・世界史それぞれの主要事象を、単なる暗記ではなく「意義」を一言で説明できる形で押さえておくことが対策の軸になります。

人間関係学科|社会学・キャリア論の学術資料を読み解く力

学術書からの抜粋資料を読み、データの傾向を180字程度で説明したり、インタビュー内容を400字程度でまとめたりする問題が出されます。ジェンダーや労働、キャリア形成といった社会学的なテーマの新書・学術書を普段から読んでおくと、資料の読み方に慣れることができます。

国際交流学科|グローバル化をめぐる評論文の要約と英語での意見表明

グローバリゼーション論の評論文を要約したうえで、自分の学びたい分野と絡めて意見を論じ、さらにその意見を英語で要約する、という3段構成です。日本語の論述力と英語での要約力の両方が同時に問われるため、国際関係・異文化理解に関する評論を読みながら、自分の意見を英語でも書く練習をしておく必要があります。

心理学科|時事的なテーマを心理学の枠組みで論じる力

新型コロナウイルス感染症のような時事的なテーマを取り上げ、心理学的な観点から論じさせる形式です。特定の知識よりも、社会的な出来事を発達心理学・臨床心理学の概念で説明し直す訓練が有効です。

教育学科(教育学専攻)|教育学のキーワードを図表とともに論じる力

「エクイティ」のような教育学の重要概念について、図表を参考にしながら600〜800字で自分の考えを論じる問題です。平等(イコーリティ)と公正(エクイティ)の違いのような、教育学で近年注目されている対概念を整理しておくと対応しやすくなります。

過去問はどこで手に入るか

聖心女子大学は「総合型選抜(編入学試験)」のページで、2022年度から2026年度までの5年分の過去問題PDFを公開しています。多くの大学が直近1〜2年分しか公開していないなかで、5年分をアーカイブとして残し続けているのは編入学試験の過去問公開状況としてはかなり手厚い部類です。

ただし年度によって実施されていない学科があります。前述のとおり、志願者がいなかった年はその学科の学科別試験そのものが実施されていないため、過去問にも収録されていません(2025年度の哲学科がその例です)。志望する学科の過去問が最新年度に見当たらない場合は、直近で実施された年度までさかのぼって確認してください。

また、多くの学科の問題文では、新書や学術書からの抜粋・評論文などの著作物を使用した設問について「著作物の使用部分については、著作権の関係により掲載できません」という注記とともに本文が伏せられています。それでも出典の書誌情報(著者名・書名・出版社・出版年、場合によってはページ番号まで)は明記されているため、出典さえ分かれば、実際にその本を読んで対策することができます。

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公開されている過去問から読み取れる出題テーマ

ここからは学科別に、実際に公開されている過去問(特記のない学科は2025年度実施分、哲学科は2025年度に志願者がいなかったため2024年度実施分)から読み取れる出題テーマ・形式・大学が示した評価の観点を整理します。実際の問題文は著作権の関係で転載できないため、出題テーマと形式、大学が公開している出典情報に絞って解説します。

英語文化コミュニケーション学科(2025年度)|移民と言語をめぐる英文エッセイ

出題テーマ:スペイン語を母語とする移民が英語という「ガラスの壁」をどう乗り越えてきたかを描いた英文エッセイ。出典はAriel Dorfman, “Breaking Down the Glass Walls of Language,” in Becoming Americans: Four Centuries of Immigrant Writing(ed. Ilan Stavans, 2009年, pp.350-51)と大学が明記しています。

形式:下線部の同意語を4択から選ぶ語彙問題が9問、空所補充問題が5問、本文中の指示内容を日本語で説明する問題、語句を正しい順序に並べ替える整序問題、二重下線部の日本語訳、そして「あなたが初めて英語に接したときの経験」を150語程度の英語で述べる自由英作文、という構成です。試験時間80分の中に読解・文法・和訳・英作文が一通り詰め込まれています。

自社の解説:単語のレベルは大学入試の標準的な語彙(crept、recollected、secluded、segregateなど)が中心で、極端に難解な語彙は問われていません。むしろ配点上厚いのは、内容を正確につかんだうえで日本語・英語の両方でアウトプットする記述量です。移民・多言語社会・アイデンティティといったテーマの英文に日常的に触れ、150語程度の自由英作文を時間内に書き切る練習を重ねることが直接的な対策になります。

日本語日本文学科(2025年度)|言語学の新書と身体経験をめぐるエッセイ

出題テーマ:大問の1つは、今井むつみ・秋田喜美の共著『言語の本質――ことばはどう生まれ、進化したか――』(中公新書)の一節を一部改変した文章。もう1つの大問は、身体経験と言語の結びつき(環境音や「身体に根ざした経験」)をテーマにしたエッセイです。

形式:『言語の本質』の一節を400字以内に要約する問題。身体経験をめぐるエッセイでは、カタカナ語を漢字に改める問題、傍線部の漢字の読み方をひらがなで答える問題に加えて、「八代集」「樋口一葉」「役割語」という文学史・国語の基礎用語についてそれぞれ知るところを述べる問題が出されています。

自社の解説:現代文の要約力と、高校国語で学ぶ古典文学史・近代文学史の基礎知識が両方問われる構成です。『言語の本質』は2023年刊行のベストセラー新書で、ことばの起源と進化を扱った内容です。同書のような言語学系の新書に目を通し要約する練習をしておくと同時に、和歌集の名称(八代集など)や近代の代表的作家(樋口一葉など)、役割語のような国語学の基礎用語を一通り確認しておくことが有効です。

哲学科(2024年度実施。2025年度は志願者なしのため試験自体が実施されず)|価値相対主義とホッブズの英語原典

出題テーマ:ものごとの善悪は人それぞれの価値観によって判断が異なり、意見を一致させることはできないとする「価値相対主義」という哲学的立場。あわせて、トマス・ホッブズの『リヴァイアサン』の英語原典からの抜粋。

形式:問題1は、価値相対主義についてどう考えるかを400〜600字程度で論じる小論文。問題2は、ホッブズが価値相対主義を受け入れながらも「戦争は悪である」という点で人々が一致できるのではないかと論じた英語原典の抜粋を、200字程度の日本語に要約する問題です。

自社の解説:日本語での自分の意見を論じる力と、英語で書かれた哲学書の一節を正確に読み日本語で要約する力の両方が求められます。相対主義・普遍主義といった倫理学の基本的な対立軸を理解しておくと同時に、社会契約説など近代政治哲学の古典(ホッブズ、ロック、ルソーなど)の英訳原典に慣れておくことが直接的な対策になります。なお2025年度は志願者がいなかったため学科別試験自体が実施されておらず、哲学科を目指す場合は最新の過去問が必ずしも公開されているとは限らない点に留意してください。

史学科(2025年度)|16の歴史的事象から選ぶ論述と「非常事態がもたらす変化」

出題テーマ:アヘン戦争・インド大反乱・大塩平八郎の乱・米騒動・ロシア革命・十字軍・承平天慶の乱・白村江の戦い・西南戦争・第二次世界大戦・ナチ党・パレスチナ分割案・フランス革命・関ケ原の戦い・和田合戦・島原天草一揆という、日本史・世界史にまたがる16の歴史的事象。もう1つは、戦争・内乱・感染症の流行・自然災害といった「非常事態」が国にもたらす変化。

形式:大問Iは、16個の事象の中から任意の4つを選び、それぞれの内容と歴史的意義を4行以内で説明する問題。大問IIは、ある国が経験した非常事態によってその国にどのような変化がもたらされたかを、具体的な事例を挙げて説明する問題(字数指定なし、解答用紙2枚使用可)です。

自社の解説:大問Iは日本史・世界史のどちらか一方に極端に偏った対策では対応できません。古代(白村江の戦い、承平天慶の乱)から近現代(第二次世界大戦、パレスチナ分割案)まで、そして日本と世界の双方から任意に選べる設計なので、得意な時代・地域を自分で選んで深く説明できるように準備しておく方が効率的です。大問IIは「非常事態と社会変化」という一段抽象化されたテーマ設定なので、特定の戦争や感染症を1つ、変化の内容まで具体的に説明できるレベルで用意しておくことが対策になります。

人間関係学科(2025年度)|女性の昇進・管理職をめぐる学術資料

出題テーマ:資料1は大槻奈巳「昇進――自分のやりたいことを実現する立場」(駒川智子・金井郁編著『キャリアに活かす雇用関係論』世界思想社、2024年)に掲載された、新入社員の管理職志向を入社1年目・3年目・5年目で比較した調査データ。資料2は同じく大槻奈巳「女性管理職の声から考える――管理職志向の変化と職場重視モデル」(大沢真知子編著・日本女子大学現代女性キャリア研究所編『なぜ女性管理職は少ないのか』青弓社、2019年)に掲載された、女性管理職3名へのインタビュー内容です。

形式:問1は資料1のデータから読み取れる傾向を180字程度で説明。問2は資料2のインタビューについて、女性が働くうえで不利だったこと・評価されて管理職になったと思う点・管理職になってよかったことの3項目を、それぞれ400字程度で説明。問3は、管理職になりたくないという会社員へのアドバイスを、資料1・2の内容を踏まえて600字程度で論じる、という統合的な出題です。

自社の解説:資料の読み取りから自分の意見の構築までを1つの流れで問う、社会学的なデータリテラシーが試される構成です。ジェンダーと労働、女性のキャリア形成というテーマの新書・学術書に日頃から触れ、データや証言を要約し自分の考えにつなげる練習を重ねておくことが対策になります。

国際交流学科(2025年度)|「国際化」と「グローバル化」の違いを論じる評論文

出題テーマ:伊豫谷登士翁『グローバリゼーションとは何か 液状化する世界を読み解く』(平凡社、2002年、pp.35-37より抜粋)を素材に、「国際化」と「グローバル化」の違いを論じさせる問題。

形式:問1は「国際化」と「グローバル化」の違いを踏まえた筆者の考えを300字以内で要約。問2は、国際交流学科に編入して学びたい分野を1つ取り上げ、その分野でグローバル化がもたらす課題を説明し、自分の意見を述べる問題。問3は、問2で述べた意見の要約を英語で作成する問題です。

自社の解説:日本語の評論文読解・要約力、自分の意見を構築する論述力、そしてその要約を英語で書く力までを1つの大問の中で連続して問う設計です。グローバリゼーション論の入門書に触れておくと同時に、自分の意見を100〜150語程度の英語でまとめる練習をしておくとよいでしょう。

心理学科(2025年度)|コロナ禍の生活様式の変化が子どもの心に与えた影響

出題テーマ:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大期に生じた生活様式の変化が、子どもの心にもたらした、あるいは今後もたらしうる影響。

形式:生活様式の変化をいくつか取り上げ、それが子どもの心に与えた影響、または今後与えうる影響について、心理学的な観点から論じる記述式の問題です(字数指定なし、解答用紙裏面使用可)。

自社の解説:特定の学説名を答えさせる知識問題ではなく、時事的な出来事を発達心理学・臨床心理学の枠組みで説明し直す応用力が問われています。マスク着用、対面交流の減少、オンライン授業といった具体的な生活変化を、愛着形成・社会性の発達・ストレス反応といった心理学の概念と結びつけて説明できるように準備しておくことが対策になります。

教育学科 教育学専攻(2025年度)|「エクイティ」という教育学の重要概念

出題テーマ:教育現場をはじめさまざまな場で注目される「エクイティ」という言葉。出典として、Interaction Institute for Social Change(アーティスト:Angus Maguire)による図が提示されています。

形式:提示された図を参考にして、「学校教育におけるエクイティの実現」についての自分の考えを600〜800字で述べる問題です。

自社の解説:平等(イコーリティ)と公正(エクイティ)の違いを説明する図表は教育学・福祉分野で広く使われる定番の教材です。均等な資源配分ではなく、一人ひとりの状況に応じた資源配分こそが公正であるという考え方の枠組みを理解したうえで、日本の学校教育の具体例(特別支援教育、家庭環境による教育格差など)に落とし込んで論じられるように準備しておくとよいでしょう。

過去問から導ける学習の順番として、次の3段階を提案します。

  1. まず志望学科の過去問を大学公式サイトから直接ダウンロードし、実際の問題形式(字数・大問構成・英語の有無)を確認する
  2. 出典として明記されている書籍(『言語の本質』『リヴァイアサン』『グローバリゼーションとは何か』など)や、同系統のテーマを扱う新書・学術書を実際に読み、要約する練習を積む
  3. 時間を計って80分で解答を書き切る練習を重ね、面接で聞かれる志望理由・学修計画の準備と並行して進める

本節で扱った出題テーマ・形式・出典情報は、いずれも聖心女子大学が公開している2022年度から2025年度(哲学科は2024年度)の過去問題資料に基づいています。出題内容は年度によって変わるため、出願前には必ず大学公式サイトで最新の公開資料をご自身で確認してください。

編入後の学び方|学科を固定しない現代教養学部のカリキュラム

聖心女子大学の現代教養学部は、入学時に学科・専攻を固定したうえで、他学科の科目も柔軟に履修できるカリキュラムを特色としています。編入学試験も学科・専攻単位で募集されますが、入学後の学びは志望学科の専門科目だけに閉じているわけではありません。

編入学前に他の大学・短期大学等で修得した単位については、大学の定める基準に従って単位認定が行われます。編入学後にどの科目が認定されるかは在籍していた大学のカリキュラムと聖心女子大学の教育課程との対応関係によって決まるため、出願前の時点で確定的な認定単位数を知ることはできません。出願を検討する段階で、これまで履修した科目のシラバスや成績証明書を手元に整理しておくと、出願後・入学後の手続きがスムーズになります。

また入学後は、授業レポートや論文作成、情報検索などでパソコンを利用する機会が多くあります。大学は対面形式の授業に加えて一部の科目をオンライン形式で開講しており、自宅でもキャンパスでも使える専用ノートパソコンと自宅等のネットワーク環境の準備を必須としています。編入学が決まってから慌てないよう、必要スペックは合格後に大学から案内される情報を確認しておくとよいでしょう。修学に際して合理的配慮を必要とする場合は、入学前から大学の学生サポート制度に相談することも可能です。

学費・奨学金・学寮|編入学後にかかる費用と支援制度

編入学者が入学初年度に納める学費等納付金は、大学が公表している2026年度参考額で入学金250,000円・授業料760,000円・施設教育等充実費420,000円の合計1,430,000円です。前期・後期の分納を選ぶ場合は前期840,000円・後期(10月納付)590,000円という内訳になります。入学金は入学年次のみの負担で、2年次以降は授業料と施設教育等充実費のみが必要になります。なお納付金は在学期間中に改定される場合があるため、実際の金額は合格通知書に同封される入学手続要領で必ず確認する必要があります。

このほか、大学では現在指定の制服を導入しており、入学式までに指定業者で用意する制服仕立費用が約45,000円(2026年度参考)かかります。制服は登校開始から約3週間と、入学式・卒業式などの大学行事の際に着用が義務づけられています。

編入学者が対象になる奨学金として、大学・同窓会による給付型の奨学金が4種類公表されています。

名称金額人数受給条件
聖心女子大学特別奨学金年間授業料の半額3名成績優秀な3年次生
聖心女子大学振興基金修学支援奨学金年間授業料の半額5名経済的理由により特に奨学金が必要であると認められる1〜4年次生
宮代会特別奨学金年額500,000円3名成績優秀な4年次生
エリザベス・ブリット基金奨学金年額700,000円2名貸与奨学金受給学生かつ経済的理由により特に奨学金が必要であると認められ、成績基準を満たす2〜4年次生(新編入学生を除く)

エリザベス・ブリット基金奨学金だけは「新編入学生を除く」という条件がついている点に注意してください。編入した年度はこの奨学金の対象にならず、対象になるのは編入後2年目以降ということになります。一方、聖心女子大学特別奨学金・振興基金修学支援奨学金・宮代会特別奨学金にはそうした除外規定は明記されていません。これらはいずれも希望者が入学後に申請する制度で、出願時点で申し込むものではありません。

このほか、独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)による給付・貸与奨学金、大規模自然災害の被災世帯を対象とする学費減免制度、地方公共団体や民間育英団体による奨学制度も利用できます。詳細はいずれも大学公式サイトの入学者選抜情報のページで確認してください。

大学にはキャンパス内に学寮があり、居住地域にかかわらず入寮できます。合格者のうち入寮を希望する場合は、学寮課に直接電話で連絡し、所定の志願書を提出する流れです。定員になり次第締め切られるため、地方から編入学する場合は合格発表後、早めに問い合わせることをお勧めします。

併願をどう組むか

聖心女子大学の編入学試験は出願期間が2026年10月1日〜10月29日、試験日が2026年11月14日(土)です。同時期に多くの私立大学が編入学試験・社会人編入学試験を実施しており、出願期間や試験日が重なる大学がないかを早めに確認しておく必要があります。証明書の取り寄せに時間がかかることを踏まえると、併願を検討する場合は9月中に候補となる大学の募集要項をすべて集め、出願期間・提出書類・試験日の一覧表を自分で作っておくことをお勧めします。

とくに聖心女子大学は女子大学であるため、共学を含めた併願先を検討する場合は、女子大学に限定するのか、共学校まで含めて検討するのかを早い段階で決めておくと、志望理由書や面接での回答の一貫性を保ちやすくなります。併願計画を立てる際の実務的な手順としては、次の3つを順番に進めることをお勧めします。

  1. 志望学科が近い大学をリストアップし、それぞれの募集要項PDFを9月中にすべてダウンロードする
  2. 出願期間・出願書類・試験日・合格発表日を1枚の表にまとめ、証明書の発行申請が必要な時期を逆算する
  3. 学科別筆記試験の内容(英語の有無、記述式か資料読解型かなど)を比較し、対策の優先順位と時間配分を決める

提出書類の中には、出願前3か月以内に発行された成績証明書のように「出願直前にしか取得できないが、取得に時間がかかる」書類が含まれます。複数の大学を併願する場合は、大学ごとに必要な証明書の種類・部数を一覧化し、出身校の窓口対応日数も踏まえてスケジュールを組んでください。

よくある質問

Q. 聖心女子大学の編入学試験は3年次でも出願できますか。

A. できません。聖心女子大学の編入学試験(総合型選抜)は2年次のみの実施で、3年次編入は行われていません。

Q. 男子は出願できますか。

A. 出願できません。一般選抜の出願資格は「女子」に限定されています。

Q. 教育学科は編入できますか。

A. 教育学科のうち教育学専攻は編入学試験の募集対象です。もう一方の初等教育学専攻は、2027年度の募集学科・専攻の一覧に含まれていません。

Q. 高等専門学校を卒業していれば出願できますか。

A. 一般選抜の出願資格の1つに「高等専門学校を卒業した者および2027年3月卒業見込みの者」が含まれているため、出願できます。

Q. 社会人でも出願できますか。

A. 社会人特別選抜という区分があります。一般選抜の資格を満たしたうえで、2年以上の学歴以外の経験(2027年3月までに2年以上になる見込みを含む)があれば出願できます。ただし授業は昼間開講のみです。

Q. 試験科目に英語はありますか。

A. 学科によって異なります。英語文化コミュニケーション学科は英語中心の試験、日本語日本文学科・史学科(日本史コース)・人間関係学科・心理学科・教育学科は英語の出題・解答がありません。哲学科、史学科(世界史コース)、国際交流学科の両コースは一部英語を含む場合があります。

Q. 編入学試験の倍率はどれくらいですか。

A. 2022年度から2026年度までの合計の志願倍率(志願者数÷合格者数)は1.22倍から2.00倍の範囲で推移しています。ただし学科別・年度別に見ると振れ幅が大きく、倍率1.00倍(志願者がほぼ全員合格)の年もあれば、募集人員2名の学科で7倍を超えた年もあります。なお大学は受験者数を公表していないため、この数値は実質倍率ではなく志願倍率です。

Q. 過去問はどこで手に入りますか。

A. 大学公式サイトの「総合型選抜(編入学試験)」のページで、2022年度から2026年度までの過去問題PDFが公開されています。ただし志願者がいなかった年は、その学科の学科別試験自体が実施されていないため過去問も存在しません。

Q. 出願にあたって特に注意すべき点は何ですか。

A. 出願期間が2026年10月1日から10月29日までの約1か月しかないうえ、出願前3か月以内に作成された成績証明書など発行に時間がかかる書類が必要です。証明書の準備は出願期間に入る前、9月中に始めておくことをお勧めします。また外国の教育機関出身者や高等学校専攻科修了者など個別の出願資格審査が必要な場合は、2026年9月末日までに審査を申請しなければなりません。

Q. 出願にはどのような書類が必要ですか。

A. 志願票・写真票、面接資料(所定様式:編入学-1)、経歴記入用紙(所定様式:編入学-2)、卒業(見込み)証明書・修了(見込み)証明書または在籍証明書、出身学校発行の成績証明書、履修中の科目がある場合は単位修得見込み証明書または履修証明書が必要です。所定様式はWEB出願システムからダウンロードし、自筆(黒色の万年筆かボールペン)で記入します。外国人留学生の場合は在留カードの写しやJLPT成績証明書なども追加で必要になります。

Q. 個別出願・入学資格審査とは何ですか。

A. 高等学校専攻科修了者や、外国の教育機関で学んだ方など、出願資格の該当性が要項の条文だけでは自明でないケースについて、大学が事前に出願資格を審査する手続きです。該当する場合は出願資格事前審査申請書を2026年9月末日(消印有効)までに郵送またはメール添付で提出する必要があります。出願期間(10月1日〜10月29日)が始まる前に済ませておくべき手続きなので、該当する可能性がある方は早めに大学公式サイトで詳細を確認してください。

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まとめ

聖心女子大学の編入学試験は、法政大学や中央大学のように複数の入試制度・複数の学部が並立する複雑な構造ではなく、現代教養学部の8つの学科・専攻を対象にした「総合型選抜(編入学試験)」という1つの試験に集約されています。編入学年次は2年次のみ、出願できるのは女子に限られ、試験は学科別の筆記試験(80分)と面接という共通の形式で実施されます。

その一方で、80分の学科別筆記試験の中身は学科ごとにまったく異なります。英語文化コミュニケーション学科は英語の総合力試験、哲学科は英語原典を含む思想史の読解と論述、史学科は日本史・世界史を横断する事象の説明、人間関係学科は社会学的なデータとインタビューの読解、国際交流学科は評論文の読解と英語での意見表明、心理学科は時事的なテーマを心理学の枠組みで論じる論述、教育学科は教育学のキーワードをめぐる論述と、志望する学科によって準備すべきものはほとんど重なりません。

倍率の面では、5年間の実績を通して合計で1.22倍から2.00倍という水準にとどまっており、多くの学科・年度で志願者のほとんどが合格しています。ただし募集人員が2〜4名という小さな枠のため、特定の年に志願者が集中すれば倍率は数倍に跳ね上がりますし、逆に志願者がゼロの年もあります。過去の「倍率が低かった」という情報だけを見て安心せず、学科別の筆記試験でその年に何が問われても対応できるだけの基礎力を、出典を確認しながら地道に積み上げることが遠回りに見えて最短の対策になります。

また、出願期間が約1か月と短く、成績証明書など発行に時間のかかる書類が必須であること、個別の出願資格審査が必要な場合は9月末日までに申請が必要であることも、聖心女子大学の編入学試験を検討するうえで見落としやすいポイントです。学科別の筆記対策と並行して、出願スケジュールの逆算を早い段階から始めておくことをお勧めします。

本記事の数値は聖心女子大学が公表する2027年度学生募集要項(総合型選抜・編入学試験)および2022年度から2026年度の入学者選抜結果情報に基づいています。制度・日程・募集人員・試験科目は年度によって変更される可能性があるため、出願前には必ず聖心女子大学が公表する最新の学生募集要項をご自身でご確認ください。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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