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東北芸術工科大学の編入試験を徹底解説|学部別の募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】

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東北芸術工科大学の編入学試験は、他大学の多くとは前提からして違います。まず年次は2年次編入のみで、3年次編入は実施していません。そして芸術学部・デザイン工学部のほぼすべての学科・コースが対象になっているものの、募集人員はいずれも「若干名」で、学科・コースにより試験科目は筆記試験ではなく作品提出やポートフォリオ、小論文が中心です。同じ「編入学試験」という名前でも、学科・コースが変われば提出物も評価方法もまったく別物になります。

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この記事では、東北芸術工科大学が公表している2027年度の編入学試験学生募集要項と、要項に掲載されている2023〜2026年度の4ヶ年の入試結果(志願者数・受験者数・合格者数)をもとに、学科・コース別の募集人員・出願資格・選考方法・日程・実績を整理します。あわせて、学科・コースごとに公表されている小論文テーマや提出物の条件から、何を準備すべきかまで踏み込んで解説します。

東北芸術工科大学は、山形県山形市上桜田3-4-5に所在する私立大学で、芸術学部(美術科・歴史遺産学科・文芸学科・工芸デザイン学科)とデザイン工学部(プロダクトデザイン学科・建築・環境デザイン学科・グラフィックデザイン学科・映像学科・企画構想学科)の2学部体制です。編入学試験はこの2学部のほぼ全学科・コースを対象に、山形会場のみで実施されています。

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目次

東北芸術工科大学の編入学試験は「2年次編入のみ・専願」が大前提

まず押さえておくべき前提が2つあります。

ひとつは、編入年次が2年次のみだという点です。東北芸術工科大学の学生募集要項には「編入年次:2年次編入」とだけ記載されており、3年次編入の制度自体がありません。要項には「本学では1年次より専門教育を行っておりますので、本学1年次修了学生と同等の専門性を有することが合格の条件です」という注記が付いています。つまり、他大学で1年以上専門教育を受けていても、東北芸術工科大学の1年次カリキュラムに相当する専門性が身についているかどうかが合否の基準になります。3年次への編入を希望している場合、この大学は選択肢に入らない点をまず確認してください。

もうひとつは、学内併願ができない「専願」だという点です。要項は「専願となります。他学科・コースとの併願はできません」と明記しています。複数の学科・コースに関心がある場合でも、出願できるのは1つだけです。志望する学科・コースを1つに絞ったうえで出願することになります。

試験会場も山形会場(東北芸術工科大学)のみで、東京会場などのサテライト受験は用意されていません。出願はインターネット出願(Web出願)で完結し、募集要項の冊子送付は行われていません。

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募集学部・学科と募集人員【2027年度】

2027年度(2027年1月31日実施)の編入学試験で募集対象となっている学科・コースは、芸術学部9学科・コースとデザイン工学部10学科・コースの合計19です。このうち美術科グラフィックアーツコースのみ、2027年度は募集がありません。募集人員はすべて「若干名」で、上限人数は公表されていません。

学部学科・コース募集人員
芸術学部歴史遺産学科 文化財保存修復コース若干名
歴史遺産学科 歴史遺産コース若干名
美術科 日本画コース若干名
美術科 洋画コース若干名
美術科 グラフィックアーツコース募集なし
美術科 彫刻・キャラクター造形コース若干名
美術科 総合美術コース若干名
工芸デザイン学科若干名
文芸学科若干名
デザイン工学部プロダクトデザイン学科若干名
建築・環境デザイン学科若干名
グラフィックデザイン学科 グラフィックデザインコース若干名
グラフィックデザイン学科 イラストレーションコース若干名
映像学科 キャラクター・ゲームコース若干名
映像学科 CG・アニメーションコース若干名
映像学科 映像クリエイションコース若干名
企画構想学科 企画構想コース若干名
企画構想学科 地域デザインコース若干名
企画構想学科 食文化デザインコース若干名

この表から読み取れる点を整理します。

芸術学部・デザイン工学部の全学科・コースがほぼ対象です。美術科グラフィックアーツコースだけが今回「募集なし」となっていますが、他はすべて若干名の枠が用意されています。芸術系単科色の強い大学の編入学試験としては、対象範囲がかなり広い部類に入ります。

ただし「若干名」であって、具体的な人数の上限は公表されていません。後述する過去4年間の実績を見るとわかりますが、実際の志願者数は学科・コースあたり年0〜3名程度ときわめて少数です。募集人員の表だけを見て「広く門戸が開かれている」と判断するのは早計で、実態は各学科・コースとも小規模な選抜です。

美術科は1つの学科の中に5つのコースがある構造です。日本画・洋画・グラフィックアーツ・彫刻キャラクター造形・総合美術という5コースに分かれ、コースごとに募集の有無や選考内容が異なります。「美術科を受ける」という括り方ではなく、コースまで決めてから準備を進める必要があります。同様に、グラフィックデザイン学科は2コース、映像学科は3コース、企画構想学科は3コースに分かれています。

学部単位で見ると、芸術学部は美術・工芸・文芸・歴史遺産という「表現と研究」寄りの学科構成、デザイン工学部はプロダクト・建築・グラフィック・映像・企画構想という「デザインと企画」寄りの学科構成になっています。同じ大学の編入学試験でも、志望する学部によって求められる資質(実技・表現力を軸にするか、企画・提案力を軸にするか)が大きく変わる点は、志望理由書を書く段階から意識しておくべきです。

出願資格|自分が出願できるかを先に確かめる

東北芸術工科大学の編入学試験(2年次編入)の出願資格は、次のいずれかに該当するもの、または2027年3月31日までに該当する見込みの者です。

  • ①他の大学に1年以上在学し、卒業要件として認定される単位のうち36単位以上を取得した者
  • ②短期大学または高等専門学校を卒業した者、または卒業見込みの者
  • ③修業年限が2年以上でかつ授業総時間数が1,700時間を超える専修学校の専門課程を修了した者、または修了見込みの者
  • ④日本の国籍を有し、事情により外国における正規の学校教育を受けた方は、帰国生特別選抜試験の出願資格に準ずる

①〜③に該当する外国人留学生は、別途「外国人留学生特別選抜試験」の出願資格・出願書類に準じる必要があります。日本語能力については、日本留学試験(EJU)で「日本語」を受験し「読解」+「聴解・聴読解」の合計点が280点以上であること、または日本語能力試験(JLPT)でN1に合格していることが条件です。また出願時点で「留学」の在留資格を有している必要があります。

この4パターンを見て、まず確認すべきことが2つあります。

ひとつは、①の「36単位以上」という基準です。法政大学など多くの大学が2年次編入の共通資格を「30単位以上」としているのに対し、東北芸術工科大学は36単位以上を要求しています。これは前述の「1年次修了学生と同等の専門性」という編入年次の説明とも整合しており、他大学の1年次で幅広く単位を取得しているだけでは足りず、認定される単位数そのものが基準に達している必要があります。自分の見込み単位数が36単位に届くかどうかは、出願前に在籍校の成績証明書で必ず確認してください。

もうひとつは、③の専修学校の基準です。「修業年限2年以上」かつ「授業総時間数1,700時間超」という条件は、法政大学など他大学の編入学試験でもしばしば見られる基準と同じ水準です。美術系・デザイン系の専門学校からの編入を考えている場合、在籍する専修学校がこの基準を満たしているかどうかを学校の事務局に確認する必要があります。

また、出願資格④の「帰国生特別選抜試験の出願資格に準ずる」という規定は、日本国籍を有しながら事情により外国の正規の学校教育を受けた方向けの特例です。海外の高校・大学等に在籍していた期間がある方は、通常の①〜③のルートではなく、この特例に該当するかどうかを別途要項の該当章で確認する必要があります。

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選考方法は学科・コースでまったく違う【学科別完全ガイド】

東北芸術工科大学の編入学試験を理解するうえで最も重要なのが、この選考方法の章です。全学科・コース共通で「作品・資料の提出」及び「書類審査・面接」が課されますが、その中身は学科・コースによってまったく異なります。ある学科は既存の作品を持参するだけで小論文がなく、別の学科は逆に小論文だけでポートフォリオが求められない、という具合に設計思想がバラバラです。志望する学科・コースの提出物を正確に把握してから準備を始めてください。

学科・コース選考方法・提出物提出期限・方法
文化財保存修復学科
文化財保存修復コース
①小論文「自身の興味のある保存修復分野(東洋絵画修復・西洋絵画修復・立体作品修復・保存科学から選択)の現状と課題について」2,000字以上で提出(必須)
②ポートフォリオ(任意)
出願期間内に出願書類と併せて提出
歴史遺産学科
歴史遺産コース
①小論文「自身の興味のある歴史遺産(遺跡・古文書・無形文化財・歴史的建造物などから選択)の保護と活用について」2,000字以上で提出(必須)
②ポートフォリオ(任意)
出願期間内に出願書類と併せて提出
美術科 日本画コース①日本画作品(20号以上2点)、写生及び水彩画(10枚以上)
②作品ポートフォリオ(A4程度のファイルにこれまでの作品をまとめたもの)
当日持参
美術科 洋画コース①油彩画作品(20号以上2点)
②作品ポートフォリオ(A4程度のファイルにこれまでの作品をまとめたもの)
当日持参
美術科 グラフィックアーツコース募集無し
美術科 彫刻・キャラクター造形コース①作品ポートフォリオ(掲載作品にはタイトル・制作年月日・材質・寸法を明記。彫刻作品以外も掲載可)
②小論文(1,200字程度)テーマ「彫刻について考えること」
①当日持参
②出願期間内に出願書類と併せて提出
美術科 総合美術コース①ポートフォリオ、作品等(最近のもので専門性がわかるもの)
②小論文(1,200字程度)テーマ「自身のこれまでの活動(作品・研究など)を社会でどのように活かしたいと思っているのか」
①当日持参
②出願期間内に出願書類と併せて提出
工芸デザイン学科作品ポートフォリオ(最近のもので専門性がわかるもの)当日持参
文芸学科小説、エッセイ、批評、小論文などの散文作品(4,000字程度)、またはマンガ(20ページ程度)。小説・マンガの場合ジャンルは問わない。エッセイ・批評・小論文の場合もテーマは自由。手書きもしくはプリントアウトした原稿出願期間内に出願書類と併せて提出
プロダクトデザイン学科作品ポートフォリオ(最近のもので専門性がわかるもの)当日持参
建築・環境デザイン学科作品ポートフォリオ(最近のもので専門性がわかるもの)当日持参
グラフィックデザイン学科
全コース
作品ポートフォリオ(A4〜A3程度のファイルにこれまでの作品をファイルしたもの)当日持参
映像学科
全コース
①作品、ポートフォリオ等(最近のもので専門性がわかるもの)
②小論文(1,000字程度)テーマ「これまでの影響を受けた映像体験と本学映像学科で学びたいことの関連性について」
①当日持参
②出願期間内に出願書類と併せて提出
企画構想学科
全コース
小論文(800字以上〜1,000字以内)テーマ「自分が体感した『最も優れた企画』の概要と、その理由を述べよ。」出願期間内に出願書類と併せて提出

※以上の提出物等は、すべて日本語で作成するよう要項で定められています。

この表を学科群ごとに読み解いていきます。

歴史遺産学科・文化財保存修復学科|2,000字の小論文が必須

歴史遺産学科(文化財保存修復コース・歴史遺産コース)は、いずれも小論文2,000字以上が必須で、ポートフォリオは任意という組み立てです。テーマはコースで完全に対応しており、文化財保存修復コースは「保存修復分野(東洋絵画修復・西洋絵画修復・立体作品修復・保存科学から選択)の現状と課題」、歴史遺産コースは「歴史遺産(遺跡・古文書・無形文化財・歴史的建造物などから選択)の保護と活用」です。

どちらも「分野・対象をひとつ選択したうえで、現状と課題(または保護と活用)を論じる」という共通の型になっています。まず自分がどの分野・対象に関心があるかを先に決め、その分野の現状(何が課題になっているか、どんな保護活動が行われているか)を調べたうえで論を組み立てる必要があります。ポートフォリオは任意なので必須ではありませんが、実際に模写や実測などの経験があるなら添えることで専門性を補強できます。

美術科|コースによって「作品持参のみ」と「小論文つき」に分かれる

美術科は5コースあり、選考方法がコースで大きく二分されます。

日本画コース・洋画コースは、実技の新作課題(デッサン等)がなく、既存の完成作品を持参する方式です。日本画コースは日本画作品20号以上2点に加えて写生・水彩画10枚以上、洋画コースは油彩画作品20号以上2点が必要で、いずれもポートフォリオ(A4程度のファイルにこれまでの作品をまとめたもの)を当日持参します。作品の裏面にタイトルと氏名を明記することが求められている点も見落とせません。つまり、試験当日に何かを描かされるのではなく、これまでに制作した実制作の質と量そのものが評価対象になります。編入を決めてから慌てて枚数を揃えるのではなく、日頃の制作を継続的に積み重ねておく必要があります。

彫刻・キャラクター造形コースと総合美術コースは、ポートフォリオに加えて1,200字程度の小論文が課されます。彫刻・キャラクター造形コースのテーマは「彫刻について考えること」で、彫刻作品以外の作品も掲載可とされています。総合美術コースのテーマは「自身のこれまでの活動(作品・研究など)を社会でどのように活かしたいと思っているのか」で、自分の活動と社会との接続を問う内容です。作品を見せるだけでなく、その活動をどう言語化するかという能力もあわせて評価される設計です。

グラフィックアーツコースは2027年度の募集がありません。志望していた場合は次年度以降の募集要項で最新の実施状況を必ず確認してください。

工芸デザイン学科・プロダクトデザイン学科・建築・環境デザイン学科・グラフィックデザイン学科|ポートフォリオのみで完結

この4学科(グラフィックデザイン学科は2コースとも)は、いずれも「作品ポートフォリオ(最近のもので専門性がわかるもの)」のみが提出物で、小論文は課されません。グラフィックデザイン学科はA4〜A3程度のファイルにこれまでの作品をファイルしたものと指定されており、他の3学科より提出物の形式がやや具体的に示されています。

小論文がない分、評価はポートフォリオの内容と面接での受け答えに集中します。「最近のもので専門性がわかるもの」という条件は、単に量をそろえればよいという意味ではなく、志望するコースの専門領域(プロダクト、建築・環境、グラフィックデザイン、工芸)に沿った作品を選んで構成する必要があるということです。面接では持参した作品について問われることが想定されるため、なぜその作品を選んだのか、制作の意図は何かを言語化しておく準備が欠かせません。

文芸学科|テーマ自由の創作、字数とジャンルの条件だけが決まっている

文芸学科は他の学科・コースと大きく性格が異なります。提出物は「小説、エッセイ、批評、小論文などの散文作品(4,000字程度)、またはマンガ(20ページ程度)」で、小説・マンガの場合はジャンルを問わず、エッセイ・批評・小論文の場合もテーマは自由です。手書きもしくはプリントアウトした原稿を提出します。

テーマも形式もほぼ自由という点で、他の学科・コースの「テーマ指定型の小論文」とは対照的です。自由度が高い分、何を書くかという企画力そのものが問われます。散文かマンガか、どちらの形式で自分の力を最も発揮できるかを早めに決め、4,000字程度(またはマンガ20ページ程度)というボリュームを実際に書き切る練習を重ねる必要があります。

映像学科|3コース共通で「映像体験」を問う小論文

映像学科は、キャラクター・ゲームコース、CG・アニメーションコース、映像クリエイションコースの3コースいずれも共通で、①作品・ポートフォリオ等(最近のもので専門性がわかるもの)の当日持参、②小論文1,000字程度の出願前提出、という2段構えです。小論文のテーマは「これまでの影響を受けた映像体験と本学映像学科で学びたいことの関連性について」です。

このテーマは「好きな映像作品を挙げよ」という単純な設問ではありません。自分がどんな映像体験に影響を受けてきたか(過去)と、映像学科で何を学びたいか(未来の学習計画)の両方を書き、その2つを関連づけて論じることが求められています。過去の体験を語るだけで終わる答案や、学びたいことだけを羅列する答案では、この「関連性」という要求に応えられません。3コースのどれを志望するかによって、挙げるべき作品・体験の種類も変わってくるはずです。

企画構想学科|800〜1,000字で「最も優れた企画」を論じる

企画構想学科は企画構想コース、地域デザインコース、食文化デザインコースの3コースとも、作品ポートフォリオの提出がなく、小論文(800字以上〜1,000字以内)のみで選考されます。テーマは「自分が体感した『最も優れた企画』の概要と、その理由を述べよ。」です。

この設問は、①どんな企画を選ぶか(具体例の質)、②その企画の概要を簡潔に説明できるか(要約力)、③なぜ「最も優れている」と評価するのかという理由づけ(論理性)の3つが同時に問われる構成です。800〜1,000字という短い字数の中に具体例・概要・理由をすべて収める必要があるため、思いついたことをそのまま書くのではなく、先に構成(何を何字で書くか)を決めてから執筆する練習が有効です。企画構想コース・地域デザインコース・食文化デザインコースのどれを志望するかによって、選ぶべき企画の分野(地域振興、食、商品・サービスなど)も変わってきます。

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日程・検定料【2027年度】

2027年度の編入学試験の日程は次のとおりです。

項目2027年度
出願登録期間2027年1月6日(水)9:00〜1月12日(火)16:00
検定料支払期限出願登録した翌日の23:59まで(ただし出願登録期間最終日は16:00まで)
出願書類郵送締切日(消印有効)1月12日(火)
試験日1月31日(日)
合格発表2月12日(金)10:00〜
第一次入学手続締切日2月26日(金)
第二次入学手続締切日3月5日(金)

検定料は33,000円で、クレジットカード、コンビニ、ペイジーのいずれかの方法で納入します。東北芸術工科大学を2回目以降受験する場合には「再受験割」が用意されています。

この日程を見て確認しておくべき点が2つあります。

出願登録期間は1週間弱と短い期間です。2027年1月6日から1月12日までの実質7日間(登録は16:00まで)で、出願書類の郵送締切も同じ1月12日(消印有効)です。歴史遺産学科の小論文(2,000字以上)や映像学科・美術科の小論文(1,000〜1,200字程度)は出願書類と併せて提出する必要があるため、小論文はこの出願登録期間が始まる前、遅くとも年内には書き上げておく必要があります。1月に入ってから書き始めるのでは間に合いません。

試験日から合格発表までは約2週間です。1月31日の試験から2月12日の合格発表までの期間があり、その後2月26日の第一次入学手続、3月5日の第二次入学手続と続きます。年度末に近い日程になるため、在籍している大学・短期大学・専門学校の卒業要件(単位取得の見込み等)の確認と並行してスケジュールを組む必要があります。

出願書類と面接の実務ポイント

出願書類は、①経歴書(本学所定の様式。日本人用・外国人留学生用の2種類)、②最終出身学校の在学証明書または卒業証明書・卒業見込証明書(申請時より3ヶ月以内に発行)、③最終出身学校の成績証明書(申請時より3ヶ月以内に発行)、④Web志願票、⑤エントリーシート、⑥出願時提出物(学科・コースにより異なる。前章の表を参照)です。

エントリーシートは、本学ホームページ内のURLからダウンロードして印刷し、各項目ごとにその様式におさまる字数でボールペンの手書き(消せるボールペンは不可)で記入することが求められています。手書きが難しい事情がある場合は、出願登録期間開始の1ヶ月前までにメールで入試課へ連絡するよう案内されています。

外国人留学生の方は、上記に加えて⑦パスポートの写し(カラー)、⑧在留カードの写し(日本国内在住者のみ)、⑨日本語能力レベルを証明する書類の提出が必要です。要項には「これら全ての出願書類が出願時に揃っていない場合、あるいは出願書類が揃っていても日本留学試験の受験回の誤りや合計点不足など不備があった場合は、いかなる理由があっても出願を認めません」という強い注意書きがあります。書類不備は理由の如何を問わず出願不可となるため、早めに準備し、募集要項を読み込んでから提出することが重要です。

面接については、開始時刻が9:00と定められています。面接では自己アピールのための制作物・資料等の持ち込みが認められていますが、次の条件をすべて満たす必要があります。

  • 受験生自身が制作したもの
  • 受験生自身が容易に持ち運びできるもの(台車など使用不可)
  • 大学の施設を破損または汚損しないもの
  • 作品の開梱や梱包に時間を要しないもの
  • 食品を含まないもの

プレゼンテーションのための機材や電源等は用意されず、制作物・資料等は全て持参するものとし、事前に大学へ送付することはできません。当日、自分の手で運べる範囲の作品・資料で自己アピールを完結させる準備が必要です。なお、学科・コースにより事前提出が求められている場合(前章の表で「出願期間内に提出」とされている小論文等)は、別途その期限・方法に従う必要があります。

「台車など使用不可」「容易に持ち運びできるもの」という条件は、美術科やプロダクトデザイン学科・建築・環境デザイン学科など立体作品や大判の作品を扱う学科・コースにとって、実務上の制約になり得ます。日本画コース・洋画コースで求められる20号以上の作品は決して小さくないサイズなので、面接会場までの運搬方法(誰が運ぶか、どう梱包するか)は出願前に具体的に想定しておく必要があります。また面接自体は9:00開始と定められているため、当日の集合時間や移動手段は要項の該当ページで必ず確認してください。

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単位認定と修業年限

編入学試験に合格した場合、次の合計36単位が認定されます。

  • 編入する学科・コースの1年次専門演習(必修)全科目
  • 基盤科目[全学共通](教養)から適合する科目

認定される単位数が36単位という点は、前述の出願資格①「他の大学に1年以上在学し、卒業要件として認定される単位のうち36単位以上を取得した者」という基準と符合します。つまり、他大学で36単位以上を取得していることが出願の前提であり、合格後もその36単位分が編入先の1年次相当として認定される、という設計です。専門演習(必修)科目がまるごと認定対象になっている点から見ても、東北芸術工科大学が1年次の専門教育をどれだけ重視しているかがうかがえます。

注意すべきは、認定対象が「編入する学科・コースの1年次専門演習(必修)全科目」に限定されている点です。前籍校で専門演習以外の実技科目・座学科目をどれだけ多く取得していても、それらが基盤科目[全学共通]に適合しない限り、追加の単位認定は行われません。分野が近い学科・コースからの編入であっても、前籍でどんな科目を履修していたかによって、編入後に履修しなければならない科目数は変わります。志望する学科・コースのカリキュラム(シラバス)は、要項のQ&Aで案内されている「NETBUS」から事前に確認しておくと、入学後の見通しが立てやすくなります。

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過去4年間(2023〜2026年度)の入試結果から見る実態

東北芸術工科大学は、編入学試験の入試結果を「過去4ヶ年」まとめて要項内で公表しています。志願のあった学科・コースのみが記載されており、学科名称は当時のものです(2026年4月に学科・コース再編が行われているため、年度によって学科名の表記が変わっています)。

2026年度編入学試験結果

学科・コース志願者数受験者数合格者数
文化財保存修復学科111(2年次)
美術科 日本画コース100
美術科 彫刻コース110
建築・環境デザイン学科331(2年次)
グラフィックデザイン学科111(2年次)
映像学科110

2025年度編入学試験結果

学科・コース志願者数受験者数合格者数
美術科 日本画コース110
文芸学科110
建築・環境デザイン学科100
企画構想学科222(2年次)

2024年度編入学試験結果

学科・コース志願者数受験者数合格者数
歴史遺産学科111(2年次)
美術科 洋画コース100
美術科 総合美術コース110
建築・環境デザイン学科222(2年次)
グラフィックデザイン学科110

2023年度編入学試験結果

学科・コース志願者数受験者数合格者数
プロダクトデザイン学科110

なお、要項の入試結果表に登場する学科名は「当時のもの」と注記されています。東北芸術工科大学は2026年4月に学科・コース再編を行い、グラフィックアーツコース・彫刻キャラクター造形コース・イラストレーションコース・キャラクター・ゲームコース・CG・アニメーションコース・食文化デザインコースの6コースを新設しています。過去の年度の結果に「美術科彫刻コース」のように現行の正式名称(彫刻・キャラクター造形コース)と表記が異なる学科名が残っているのは、このためです。工芸デザイン学科やグラフィックデザイン学科イラストレーションコース、映像学科の一部コースなど、直近4年間の公表結果に学科・コース単位の名称として登場していないものもありますが、これが「志願者が皆無だった」ことを意味するのか、再編前は別の学科名でカウントされていたことによるのかは、公表資料からは判別できません。

この4年分のデータから読み取れることを整理します。

志願者数そのものが極めて少数です。4年間を合計しても、志願者数は2026年度8名・2025年度5名・2024年度6名・2023年度1名で、年によって記載される学科・コースの数も2〜6と変動します。募集対象が19学科・コースにわたるにもかかわらず、実際に出願する受験生は年間数名という規模感です。これは、東北芸術工科大学の編入学試験が「広く募集はしているが、実際の受験者は非常に少ない狭き門」であることを意味します。

建築・環境デザイン学科は4年中3年で志願者が発生しており、相対的に動きのある学科です。2026年度3名(合格1名)、2025年度1名(受験者0名)、2024年度2名(合格2名)と、3年連続で志願者がいます。2024年度は受験した2名がいずれも合格しており、2026年度も3名受験して1名が合格しています。他の学科・コースが単発の志願にとどまる中で、建築・環境デザイン学科はまとまった数の受験実績があります。

美術科系のコース(日本画・洋画・彫刻・総合美術)は、4年間の公表データの範囲では合格者が確認できません。2026年度の日本画コース(志願1・受験0)と彫刻コース(志願1・受験1・合格0)、2025年度の日本画コース(志願1・受験1・合格0)、2024年度の洋画コース(志願1・受験0)と総合美術コース(志願1・受験1・合格0)と、いずれも合格者が0となっています。母数が1〜2名ときわめて小さいため断定はできませんが、美術科の各コースを志望する場合は、実技作品の水準そのものを高めておく必要性がうかがえます。

企画構想学科は2025年度に志願2名・受験2名・合格2名と、全員合格の実績があります。ただし1年分・2名という母数なので、この結果をもって「入りやすい」と判断するのは危険です。翌年に応募者が増えれば数字は変わります。

倍率の数字を読むときの注意

ここまでの数字を見て、学科・コースごとの「倍率」を計算したくなりますが、その前に押さえておくべき注意点が2つあります。

ひとつは、母数が1〜3名程度ときわめて小さいことです。受験1名・合格0名なら倍率は無限大、受験1名・合格1名なら倍率は1.0倍という計算になりますが、どちらも「その年にたまたま1名しか受けなかった」という結果にすぎません。翌年に3名が受験すれば数字はまったく変わります。単年度・1学科あたりの倍率を「その学科の難易度」として固定的に読むのは適切ではありません。

もうひとつは、志願者数と受験者数が一致しない年があることです。2026年度の美術科日本画コース(志願1・受験0)、2025年度の建築・環境デザイン学科(志願1・受験0)、2024年度の美術科洋画コース(志願1・受験0)のように、出願はしたものの受験に至らなかったケースが複数あります。これが単願先の合格による受験辞退なのか、他の事情によるものなのかは要項からは読み取れません。いずれにせよ、志願者数だけを見て倍率を語ることはできず、受験者数・合格者数まで含めて評価する必要があります。

志望学科・コース別に、何から手をつけるべきか

ここまでの情報を、志望学科・コース別の行動に落とし込みます。

歴史遺産学科・文化財保存修復学科を志望する場合

まず2,000字以上の小論文が必須である点を最優先に考えてください。テーマは「自身の興味のある分野・対象を選択したうえで、現状と課題(または保護と活用)を論じる」という構成なので、①関心のある分野・対象を早めに決める、②その分野の現状・課題に関する資料(専門書、自治体や文化庁等の公開資料など)を調べる、③論の骨格(現状→課題→自分の考え)を作ってから2,000字に肉付けする、という順番で進めるのが効率的です。ポートフォリオは任意ですが、模写・実測・調査などの経験があれば添付して専門性を補強してください。

美術科(日本画・洋画コース)を志望する場合

この2コースは小論文がなく、既存の完成作品の質と量そのものが評価対象です。日本画コースは日本画作品20号以上2点+写生及び水彩画10枚以上、洋画コースは油彩画作品20号以上2点が必要で、いずれも当日持参します。試験直前に作品を仕上げるのではなく、日頃から継続的に制作し、20号サイズの完成作品を複数持てる状態を維持しておく必要があります。過去4年間の公表データでは日本画・洋画コースの合格者は確認できていないため、作品の完成度に相当な水準が求められていると考えるべきです。

美術科(彫刻・キャラクター造形コース、総合美術コース)を志望する場合

ポートフォリオに加えて1,200字程度の小論文が必要です。彫刻・キャラクター造形コースのテーマ「彫刻について考えること」は抽象度が高いテーマなので、自分の制作経験や興味のある作家・作品と結びつけながら、彫刻という表現について自分なりの考えを展開する練習が必要です。総合美術コースのテーマ「自身のこれまでの活動を社会でどのように活かしたいと思っているのか」は、自分の作品・研究とその社会的な意義を接続させる論述力が問われます。どちらも「作品を見せる力」と「言語化する力」の両方が必要になる点を意識してください。

工芸デザイン学科・プロダクトデザイン学科・建築・環境デザイン学科・グラフィックデザイン学科を志望する場合

この4学科・コースは小論文がなく、ポートフォリオのみで選考されます。「最近のもので専門性がわかるもの」という条件を踏まえ、志望する専門領域に沿った作品でポートフォリオを構成することが最優先です。建築・環境デザイン学科は過去4年間で3回志願者が発生し、うち2024年度は受験2名とも合格しているなど、他の学科・コースに比べて動きのあるデータが確認できます。ポートフォリオのみの選考である以上、面接での作品説明の練習もあわせて行ってください。

文芸学科を志望する場合

小説・エッセイ・批評・小論文などの散文(4,000字程度)、またはマンガ(20ページ程度)を提出します。ジャンル・テーマとも自由なので、まず自分がどの形式(散文かマンガか)で最も力を発揮できるかを決め、実際に規定のボリュームで1本書き上げる練習を早めに始めてください。自由度が高い課題ほど、締め切り直前に着手すると質を保てません。

映像学科(3コース)を志望する場合

①作品・ポートフォリオの当日持参、②「これまでの影響を受けた映像体験と本学映像学科で学びたいことの関連性について」という1,000字程度の小論文提出、の両方が必要です。小論文は過去の体験と将来の学習計画を関連づけて書く必要があるため、まず自分が影響を受けた映像作品・体験を複数挙げ、そこから志望するコース(キャラクター・ゲーム、CG・アニメーション、映像クリエイション)で学びたいことへどうつながるかを整理してから執筆してください。

企画構想学科(3コース)を志望する場合

小論文(800字以上〜1,000字以内)のみで、テーマは「自分が体感した『最も優れた企画』の概要と、その理由を述べよ。」です。短い字数の中に具体例・概要・理由を収める必要があるため、まず構成(具体例に何字、概要に何字、理由に何字)を決めてから書く練習が有効です。2025年度は志願2名・受験2名・合格2名という実績が公表されていますが、母数が2名にとどまるため、この数字をもって「入りやすい」と判断せず、他の学科・コースと同様に準備を尽くしてください。

過去問題は公開されているか

東北芸術工科大学は、一般選抜入学試験については「過去問題・参考解答」のページで過去5年分の入学試験問題・参考解答集を公開しています。しかし、確認できる範囲では、編入学試験(2年次編入)についての専用の過去問題集は公開されていません。

その代わりに、この記事の「選考方法は学科・コースでまったく違う」の章で紹介したとおり、次回(2027年度)の編入学試験で課される小論文のテーマそのものが、学生募集要項の中で学科・コースごとに具体的に公表されています。多くの大学の編入学試験では、小論文の出題テーマは試験当日まで公開されませんが、東北芸術工科大学の場合は出願前の段階からテーマが明示されており、しかも多くの学科で小論文を出願書類と併せて事前提出する方式が採られています。

この方式のもとでは、過去問を探して傾向を推測する必要がありません。志望する学科・コースのテーマが要項にそのまま書かれているため、そのテーマに沿って実際に小論文(または創作作品)を書き上げ、出願書類と一緒に提出する、という準備がそのまま試験対策になります。ポートフォリオのみが課される学科・コースについても、過去問演習ではなく、日頃の制作物を専門性が伝わる形に編集する作業が対策の中心になります。

なお、募集要項に記載されている小論文テーマ・提出物の条件は年度によって変更される可能性があります。ここで紹介したテーマは2027年度の学生募集要項に基づくものであり、実際に出願する年度の最新の募集要項で必ず確認してください。

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併願をどう組むか

東北芸術工科大学の編入学試験は2027年1月31日に山形会場のみで実施されます。専願制のため学内で複数コースに出願することはできず、他大学との併願を考える場合は、この試験日と重ならない日程の大学を選ぶ必要があります。

美術・デザイン系の編入学試験は、大学によって「実技デッサンが中心」「ポートフォリオと小論文の組み合わせ」「書類審査のみ」など選考方法の設計が大きく異なります。東北芸術工科大学のようにポートフォリオ・小論文中心で実技の新規制作課題がない大学と、実技試験そのものを課す大学とでは準備の方向性が変わるため、併願校を選ぶ際は選考方法の型が近い大学を組み合わせると、ひとつの準備が複数校に効きやすくなります。

また、通信制大学からの編入を検討している場合は、当サイトの通信制大学 2年次 編入を徹底解説!2年次編入できる31大学一覧から具体的な対策までもあわせて参考にしてください。

準備期間の逆算も重要です。試験日は1月31日、出願登録期間は1月6日〜1月12日ですが、歴史遺産学科・美術科の一部コース・映像学科・企画構想学科の小論文(または文芸学科の創作作品)は出願書類と併せて提出するため、実質的な提出期限は1月12日です。年明けから書き始めるのでは、2,000字や4,000字程度のまとまった文章を仕上げる時間が足りません。在籍する大学・短期大学・専門学校の秋学期の課題と並行して、遅くとも前年の秋には下書きに着手しておくことをすすめます。日本画・洋画コースのように完成作品そのものを持参する学科・コースの場合は、さらに長い制作期間が必要になるため、出願を検討し始めた時点で具体的な作品計画を立ててください。

よくある質問

東北芸術工科大学の編入学試験は何年次からですか。

2年次編入のみです。3年次編入の制度はありません。要項には「本学では1年次より専門教育を行っておりますので、本学1年次修了学生と同等の専門性を有することが合格の条件です」と明記されています。

どの学部・学科が編入学試験の対象ですか。

芸術学部(歴史遺産学科2コース、美術科5コースのうち4コース、工芸デザイン学科、文芸学科)とデザイン工学部(プロダクトデザイン学科、建築・環境デザイン学科、グラフィックデザイン学科2コース、映像学科3コース、企画構想学科3コース)の合計19学科・コースが対象です(2027年度は美術科グラフィックアーツコースのみ募集なし)。募集人員はいずれも「若干名」です。

編入学試験に実技デッサンはありますか。

学科・コースにより異なります。美術科日本画コース・洋画コースは既存の完成作品(20号以上2点等)の持参が中心で、試験当日に新たにデッサン等を描かせる課題は要項上確認できません。工芸デザイン学科やプロダクトデザイン学科など多くの学科・コースは、既存のポートフォリオ提出のみで選考されます。

小論文はどの学科・コースで必要ですか。

歴史遺産学科(2コースとも、2,000字以上・必須)、美術科彫刻・キャラクター造形コースおよび総合美術コース(いずれも1,200字程度)、映像学科(全コース、1,000字程度)、企画構想学科(全コース、800〜1,000字以内)で小論文が課されます。テーマはいずれも2027年度の学生募集要項で公表されています。工芸デザイン学科、プロダクトデザイン学科、建築・環境デザイン学科、グラフィックデザイン学科は小論文がなく、ポートフォリオのみです。

編入学試験の倍率はどれくらいですか。

要項が公表する過去4ヶ年(2023〜2026年度)の実績では、志願のあった学科・コースの多くが志願者1〜3名程度、合格者0〜2名程度という規模です。建築・環境デザイン学科は3年連続で志願者があり、2024年度は受験2名とも合格しています。美術科系のコースは公表データの範囲では合格者が確認できていません。母数がきわめて小さいため、単年度の倍率をそのまま難易度として読むのは適切ではありません。

学内で複数の学科・コースに出願できますか。

できません。要項に「専願となります。他学科・コースとの併願はできません」と明記されています。志望する学科・コースを1つに絞って出願する必要があります。

編入後、何単位が認定されますか。

編入する学科・コースの1年次専門演習(必修)全科目と、基盤科目[全学共通](教養)から適合する科目をあわせて、合計36単位が認定されます。

出願資格に単位数の条件はありますか。

他の大学に1年以上在学して出願する場合、卒業要件として認定される単位のうち36単位以上を取得している必要があります。短期大学・高等専門学校の卒業(見込み)者、または修業年限2年以上・総授業時間数1,700時間超の専修学校専門課程の修了(見込み)者も出願資格を満たします。

過去問題は公開されていますか。

一般選抜入学試験については過去5年分の入学試験問題・参考解答集が公式サイトで公開されています。ただし編入学試験専用の過去問題集は確認できる範囲では公開されていません。その代わり、次回の編入学試験で課される小論文のテーマ自体が学生募集要項の中で学科・コースごとに公表されています。

試験は山形会場以外でも受けられますか。

要項には「山形会場」のみが記載されており、東京会場など他地域でのサテライト受験は確認できません。試験会場の所在地・交通手段は要項の該当ページで確認してください。

検定料はいくらですか。

33,000円です。クレジットカード、コンビニ、ペイジーのいずれかの方法で納入します。東北芸術工科大学を2回目以降受験する場合には「再受験割」が用意されています。

外国人留学生でも出願できますか。

出願できます。ただし出願資格①〜③のいずれかに該当する外国人留学生は、別途「外国人留学生特別選抜試験」の出願資格・出願書類に準じる必要があり、パスポートの写し・在留カードの写し・日本語能力を証明する書類(日本留学試験の「日本語」読解+聴解・聴読解の合計280点以上、またはJLPT N1合格)の提出が追加で求められます。

まとめ

東北芸術工科大学の編入学試験について、要項と実績データから確認できることを整理します。

まず、編入年次は2年次のみで、3年次編入は実施されていません。芸術学部・デザイン工学部の合計19学科・コース(2027年度は1コース募集なし)が対象で、募集人員はいずれも「若干名」です。学内併願はできず、専願での出願になります。

次に、選考方法は学科・コースによってまったく異なります。歴史遺産学科は2,000字以上の小論文が必須、美術科は日本画・洋画コースが完成作品の持参のみである一方、彫刻・キャラクター造形コースと総合美術コースは1,200字程度の小論文つき。工芸デザイン学科・プロダクトデザイン学科・建築・環境デザイン学科・グラフィックデザイン学科はポートフォリオのみ、文芸学科はテーマ自由の創作、映像学科は1,000字程度の小論文、企画構想学科は800〜1,000字の小論文のみと、志望する学科・コースによって準備すべきものがまったく違います。

そして過去4年間(2023〜2026年度)の実績では、志願者数そのものが学科・コースあたり年0〜3名程度ときわめて少なく、建築・環境デザイン学科のように複数年で志願者が発生している学科がある一方、美術科系のコースは公表データの範囲で合格者が確認できていません。母数が小さいため、単年度の数字だけで難易度を判断せず、志望する学科・コースの選考方法(ポートフォリオか小論文か、その両方か)に沿った準備を早めから積み重ねることが重要です。

最後に、編入学試験専用の過去問題は公開されていませんが、次回試験の小論文テーマ自体が学生募集要項で公表されているという点は、他大学にはあまり見られない特徴です。志望する学科・コースのテーマに沿って、実際に小論文や創作作品を書き上げる準備が、そのまま試験対策になります。

志願者数そのものが年間数名という規模である以上、情報を集めにくいのがこの入試の実情です。だからこそ、要項に書かれている条件(出願資格の単位数、選考方法、提出物の形式、テーマ)を一つひとつ正確に読み込み、公表されている過去4年間の実績と照らし合わせて準備を進めることが、他の受験生との差になります。

本記事の数値は東北芸術工科大学が公表する2027年度編入学試験学生募集要項および同要項に掲載された2023〜2026年度の志願・受験・合格者数一覧に基づいています。制度・日程・募集人員・選考方法は年度によって変更されるため、出願前には必ず東北芸術工科大学が公表する最新の学生募集要項をご確認ください。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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