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福島大学大学院 地域デザイン科学研究科の入試対策|出願資格・研究計画書・面接まで【2027年度】

福島大学大学院で「人文社会科学研究科」を検索している方の多くは、人文・社会科学系の大学院進学先を探しているはずですが、この名称の研究科は現在の福島大学には存在しません。令和5(2023)年4月に人文系・社会系の既存3研究科が統合され、現在は「地域デザイン科学研究科」という名称で運営されています。「福島大学 大学院 人文社会科学研究科」というキーワードで検索してこのページにたどり着いた方は、まずこの前提を押さえておく必要があります。名称を勘違いしたまま出願準備を進めてしまうと、指導教員への問い合わせや書類作成の段階でつまずきかねません。
地域デザイン科学研究科とは、人間文化専攻・地域政策科学専攻・経済経営専攻の3専攻からなる福島大学大学院の修士課程で、旧・人文社会科学研究科をはじめとする人文系・社会系の研究教育機能を引き継いだ組織です。かつて別々の研究科だった専攻が一つの研究科の下にまとまったため、志望校を調べる過程で名称の食い違いに戸惑う受験生は少なくありません。大学院案内のパンフレットや先輩の合格体験記に古い名称が残っていることもあり、情報が錯綜しやすい分野でもあります。
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この記事では、2027年度(令和9年度)入試を対象に、福島大学の公式募集要項に基づいて、地域デザイン科学研究科の3専攻それぞれの出願資格・募集人員・試験日程・選抜方法を整理します。そのうえで、合否を大きく左右する研究計画書の書き方、面接で聞かれやすい質問、過去問の入手方法までを具体的に解説していきます。
「人文社会科学研究科」という名前で探していた方は、まずこの名称変更の経緯を押さえておくと、以降に出てくる専攻名・コース名の関係がスムーズに理解できるはずです。人間文化専攻・地域政策科学専攻・経済経営専攻という3つの専攻名を頭に入れたうえで、まずは研究科全体の成り立ちから見ていきましょう。
福島大学大学院「人文社会科学研究科」は現在どうなっている?地域デザイン科学研究科への統合を解説
結論として、福島大学大学院に「人文社会科学研究科」という名称の研究科は現在存在しません。福島大学の公式サイトによれば、令和5(2023)年4月の大学院改組により、人文系・社会系の既存3研究科が統合されて「地域デザイン科学研究科」が新設されました。同じタイミングで食農科学研究科が新設され、教員養成の専門職課程は教職実践研究科として独立するなど、大学院全体の再編が行われています。
地域デザイン科学研究科は、「自然との共生のなかで、一人ひとりが豊かに希望に満ちて生きていけるライフスタイルを創造する」ことを研究科全体のミッションに掲げており、人文・社会科学の専門性と地域社会への実践的貢献を結びつける教育を目指している点が特徴です。旧来の学問領域別の縦割りではなく、地域という共通のフィールドを軸に3専攻が連携する構成になっており、専攻を横断した学際的な研究テーマにも対応しやすい体制といえます。
3専攻は福島大学の学部組織(人文社会学群)に対応している
地域デザイン科学研究科の3専攻は、福島大学の学部組織である人文社会学群を構成する3学類、すなわち人間発達文化学類・行政政策学類・経済経営学類にそれぞれ対応しています。人間文化専攻は人間発達文化学類、地域政策科学専攻は行政政策学類、経済経営専攻は経済経営学類の研究を大学院段階で発展させる専攻という位置づけです。福島大学の学部から進学する場合はもちろん、他大学から人文・社会科学系の大学院を探している場合も、この対応関係を知っておくと専攻選びがしやすくなります。
福島大学の学部段階での人文社会学群への入学ルートとしては、一般選抜のほかに福島大学の編入試験を徹底解説した記事で扱っている大学編入という選択肢もあります。学部から福島大学に入り直してから大学院に進むか、他大学に在籍したまま大学院入試で直接地域デザイン科学研究科を目指すかは、残された受験準備期間や現在の所属によって判断が分かれるところです。編入で福島大学に入学し、学類所属生特別入試という優遇ルートで大学院に進む道もあれば、他大学に在籍したまま一般入試で直接挑戦する道もあり、どちらが適しているかは研究テーマの熟度や指導教員との相談状況によって変わってきます。
「人文社会科学研究科」で検索した場合に知っておきたい3つのポイント
- 現行の正式名称は「地域デザイン科学研究科」であり、募集要項や出願書類もすべてこの名称で統一されている
- 研究科としての人文・社会科学分野の研究教育機能自体は、3専攻に分かれる形で維持されている
- 古い情報源(過去の合格体験記や一部の進学情報サイトなど)では、統合前の研究科名が残っている場合がある
出願書類を作成する際に旧名称を使ってしまうと、書類不備として扱われる可能性があります。指導教員への相談メールや研究計画書のタイトルなど、大学名・研究科名を明記する場面では、必ず「福島大学大学院地域デザイン科学研究科」の表記で統一してください。研究科名の誤記は書類の第一印象を損ないかねないため、出願前のチェックリストに研究科名の確認項目を加えておくことをおすすめします。
なお、大学のウェブサイトや刊行物によっては、専攻の説明の中で旧研究科時代の沿革に触れている場合もあります。こうした記述は歴史的経緯としては正確ですが、現在出願する際の正式名称ではない点に注意が必要です。志望理由書や研究計画書で大学院の沿革に言及する場合も、現行の研究科・専攻名を主軸に据えたうえで、必要に応じて改組の経緯を補足する書き方が無難です。
地域デザイン科学研究科の3専攻(人間文化・地域政策科学・経済経営)を徹底比較
地域デザイン科学研究科は、研究領域も選抜方法も異なる3つの専攻で構成されています。志望する研究テーマによって出願すべき専攻が決まるため、まずは3専攻の全体像を比較して自分の関心がどこに該当するかを確認しましょう。いずれも修士課程で、標準修業年限は2年です。
| 専攻 | 主な研究領域 | コース・領域構成 | 募集人員 | 学位 |
|---|---|---|---|---|
| 人間文化専攻 | 言語学・文化学・スポーツ健康科学・音楽学・美術学・心理学など | 言語文化/地域文化/スポーツ・芸術文化/人間発達心理(教育心理学・幼児教育・臨床心理)の4コース | 20名 | 修士(人間文化) |
| 地域政策科学専攻 | 法学・政治学・行政学・社会学 | 法・政策コース/コミュニティ探究コース | 8名 | 修士(地域政策) |
| 経済経営専攻 | 経済学・経営学 | 経済学コース/経営学コース | 14名 | 修士(経済学) |
募集人員は2027年度(令和9年度)募集要項に基づくA日程・B日程(経済経営専攻はC日程を含む)の合計です。人間文化専攻が20名と最も定員が多く、言語学から心理学まで研究領域の幅も広いのが特徴です。一方、地域政策科学専攻は法学・政治学・行政学・社会学を横断的に扱う学際的な専攻で、募集人員は8名と3専攻の中で最も少数精鋭です。経済経営専攻は経済学・経営学・会計学を扱い、社会人が実務経験を活かして進学するケースも多い専攻です。
人間文化専攻の4コースの違い
人間文化専攻には言語文化コース・地域文化コース・スポーツ芸術文化コース・人間発達心理コースの4コースがあります。言語文化コースは日本語学・日本文学・漢文学・国語科教育学・英語学・英米文学・英語科教育学の7分野、地域文化コースは歴史学・地理学・経済学・倫理学・家庭科教育学の5分野、スポーツ芸術文化コースはスポーツ科学から音楽・美術まで6分野(実技・作品提出を伴う分野を含む)から、それぞれ入学後に研究する分野を1つ選択する仕組みです。人間発達心理コースはさらに教育心理学領域・幼児教育領域・臨床心理領域の3領域に分かれ、臨床心理領域だけは外国語科目の試験が課される点で他の3コースと選抜方法が異なります。
スポーツ芸術文化コースの音楽分野では、ピアノ・管弦打楽器・声楽・作曲指揮のいずれかで実技演奏が課され、美術分野では作品提出または筆記試験のいずれかを選ぶ形式になっています。実技を伴う分野は準備期間が長くかかるため、志望する分野が決まっている場合は早い段階から出願要項を確認し、必要な提出物や練習時間を逆算しておくことが重要です。
地域政策科学専攻・経済経営専攻の学際性
地域政策科学専攻は、法・政策コースとコミュニティ探究コースの2コース制です。法・政策コースは憲法・刑法・地方自治法・国際法・民法など法学系科目を、コミュニティ探究コースは社会計画論・地域環境論・社会調査論・地域社会学・都市計画学など社会学・地域研究系科目を出題範囲としています。経済経営専攻は経済学コースと経営学コースに分かれ、マクロ・ミクロ経済学から経営組織、会計学まで、実務にも直結する専門科目が並びます。
この2専攻に共通するのは、地域社会の実際の課題と学問領域を結びつける視点が重視される点です。研究テーマが複数分野にまたがる場合は、出願前に指導を希望する教員へ相談することが募集要項でも推奨されています。地域政策科学専攻の法・政策コースとコミュニティ探究コースのどちらで出願すべきか迷う場合、法制度そのものを分析したいのか、地域社会の実態調査を軸にしたいのかという研究アプローチの違いで判断すると整理しやすくなります。
3専攻のどれに出願すべきか迷ったときの考え方
研究テーマが複数の専攻にまたがって見える場合は、卒業後にどのような学位・専門性を得たいかを軸に考えると絞り込みやすくなります。たとえば地域の子育て支援を研究したい場合でも、心理発達の側面を中心に据えるなら人間文化専攻(人間発達心理コース)、行政の子育て支援政策を中心に据えるなら地域政策科学専攻、支援サービスの事業運営を中心に据えるなら経済経営専攻というように、同じ社会課題でも切り口によって適した専攻は変わります。出願前に希望する指導教員へ相談できる制度がある専攻では、この段階で研究テーマと専攻の適合性を確認しておくと、出願後のミスマッチを避けやすくなります。
【2027年度】出願資格を専攻別に確認|一般入試・特別入試の違い
地域デザイン科学研究科の修士課程出願資格は、学校教育法第83条に規定する大学を卒業した者、または学士の学位を授与された者などが基本です。令和9(2027)年3月までに卒業見込みの者も出願できます。大学を卒業していない場合でも、個別の入学資格審査により、令和9年3月31日までに満22歳に達し、大学卒業者と同等以上の学力があると認められれば出願資格を得られます。個別審査を希望する場合は、出願前に本学入試課への相談が必須です。
この個別審査ルートは、高等専門学校や専門学校からのステップアップ、あるいは学位授与機構経由での学士取得を予定していない社会人などにとって重要な選択肢です。ただし審査には一定の準備期間が必要なため、該当する可能性がある場合は出願期間の数か月前から入試課に相談を始めておくと安心です。
専攻ごとの入試区分
基本の出願資格に加え、専攻によって受験できる入試区分が異なります。一般入試はすべての専攻で実施されるほか、社会人や現職教員、福島大学の学類所属生などを対象にした特別入試が専攻ごとに用意されています。
| 専攻 | 実施される入試区分 |
|---|---|
| 人間文化専攻 | 一般入試/学類所属生特別入試(臨床心理領域を除く)/現職教員特別入試(臨床心理領域を除く) |
| 地域政策科学専攻 | 一般入試/社会人特別入試/社会人特別推薦入試/外国人留学生特別入試 |
| 経済経営専攻 | 一般入試/学類所属生特別入試/社会人特別入試/商業科・公民科教員特別入試/修士再履修特別入試 |
学類所属生特別入試は、福島大学の当該学類に在学し、指導教員の推薦を得られる学生を対象とした入試です。経済経営専攻では専門領域科目のGPA平均が2.75以上であることも条件になります。社会人特別入試は専攻によって年齢要件(令和9年3月31日時点で満27歳以上など)や就労要件(週20時間以上の就労など)が定められているため、該当するかどうかは早めに確認しておきましょう。年齢要件と就労要件はいずれか一方を満たせば足りるため、20代後半に届いていない社会人でも、定職に就いていれば出願できる可能性があります。
外国人留学生・現職教員向けの入試区分
地域政策科学専攻には外国人留学生特別入試があり、日本国籍を有しない者を対象に、専門科目の筆記試験を日本語で論述する形式で実施されます。人間文化専攻には、学校教育法第1条に定める学校種で3年以上の教職経験を持つ者を対象とした現職教員特別入試があり、教育現場での実践を踏まえた研究テーマに取り組みたい社会人教員に向いています。経済経営専攻の商業科・公民科教員特別入試も同様に、高等学校の教育職員免許状(商業または公民)を持つ現職・元職の教員を主な対象としています。
経済経営専攻にはさらに、社会科学系列の内容ですでに修士や博士の学位を取得している者を対象とした修士再履修特別入試という珍しい区分もあります。一度大学院を修了した社会人が学び直すケースを想定した制度で、研究の継続性や問題意識の一貫性が重視される入試です。なお、出願資格の詳細な号数(学校教育法上の根拠条文など)は年度によって表現が更新されることがあるため、出願直前には必ず最新の募集要項で該当号を確認してください。
出願時に共通して必要になる書類
専攻・入試区分による違いはあるものの、入学志願票・出願資格を証明する書類・研究計画書の3点はほぼ全区分で共通して必要になります。卒業(見込)証明書や成績証明書は出身大学の窓口発行に日数がかかることが多いため、出願期間が始まってから慌てないよう、志望を固めた時点で早めに請求しておくと安心です。学類所属生特別入試や社会人特別推薦入試のように、指導教員や所属長の署名・推薦を要する書類は、依頼から受け取りまでの調整期間も見込んでおく必要があります。証明書の発行待ちで出願に間に合わないという事態は避けたいところです。
出願スケジュールと試験日程|A日程・B日程・C日程の違いと検定料
地域デザイン科学研究科の入試は、専攻によってA日程・B日程・C日程が用意されており、複数回チャレンジできる仕組みになっています。人間文化専攻と地域政策科学専攻はA日程・B日程の2回、経済経営専攻はA日程・B日程・C日程の3回です。地域政策科学専攻・経済経営専攻ではA日程で募集人員に満たない場合、欠員が後続の日程に繰り越されます。
| 日程 | 専攻 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|---|
| A日程 | 人間文化・地域政策科学・経済経営(共通) | 令和8年9月17日(木)〜9月25日(金) | 令和8年10月28日(水) | 令和8年11月5日(木) |
| B日程 | 人間文化専攻 | 令和9年1月4日(月)〜1月7日(木) | 令和9年2月3日(水) | 令和9年2月9日(火) |
| B日程 | 地域政策科学専攻 | 令和9年1月27日(水)〜2月1日(月) | 令和9年2月10日(水) | 令和9年2月16日(火) |
| B日程 | 経済経営専攻 | 令和9年1月4日(月)〜1月7日(木) | 令和9年1月30日(土) | 令和9年2月9日(火) |
| C日程 | 経済経営専攻のみ | 令和9年2月14日(日)〜2月19日(金) | 令和9年3月6日(土) | 令和9年3月20日(土) |
すべての出願はインターネット出願です。ただし、インターネット出願登録だけでは手続は完了せず、出願書類一式を簡易書留速達で郵送するか持参する必要があります。出願期間最終日当日の消印では受理されないため、余裕を持った準備が欠かせません。試験会場はすべて福島大学(福島市金谷川)です。A日程は9月出願・10月試験という早いスケジュールのため、研究計画書の準備は夏休み前から始めておく必要があります。
A日程で不合格だった場合でも、人間文化専攻・地域政策科学専攻はB日程で、経済経営専攻はB日程・C日程でも再チャレンジできます。ただし試験科目や配点は日程によって変わる場合があるため、A日程で受験した専門科目の手応えをもとに、次の日程に向けて対策の重点を見直すことが有効です。特に地域政策科学専攻はB日程で口述試験が追加されるため、A日程止まりの対策では不十分になる点に注意してください。
検定料・入学料・授業料の目安
検定料は30,000円で、クレジットカード・ネットバンキング・コンビニエンスストア・郵便局銀行ATMのいずれかで支払います(別途支払手数料が必要)。検定料免除申請を行う場合は、出願時に検定料を支払わないよう注意してください。東日本大震災・東京電力福島第一原子力発電所事故・激甚災害で被災した方については、要件を満たせば検定料の全額免除措置があります。
| 費目 | 金額(予定) |
|---|---|
| 入学料 | 282,000円 |
| 授業料(前期分) | 267,900円 |
| 授業料(後期分) | 267,900円 |
| 授業料年額 | 535,800円 |
入学料・授業料は改定される可能性がある「予定」額として公表されているため、実際の納入額は入学手続の際に届く案内で必ず確認してください。社会人で就労を継続しながら通う場合は、2年分の授業料で3〜4年計画の修学ができる長期履修学生制度も用意されています。夜間・土曜日や夏季・冬季休業期間中の授業開講にも対応しており、在職者や育児・介護と両立したい方の選択肢になります。経済的な事情がある場合は入学料・授業料の減免制度も選考のうえ利用できるため、家計状況に不安がある場合は早めに教務課へ相談しておくとよいでしょう。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
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選抜方法と試験科目|筆記試験・口述試験・面接の中身
選抜方法は専攻ごとに大きく異なり、研究計画書を軸に据える専攻と、筆記試験の配点が大きい専攻に分かれます。出願前にどの試験区分でどの科目が課されるのかを把握しておくことが、直前期の対策効率を大きく左右します。
| 専攻 | 一般入試の主な試験内容 |
|---|---|
| 人間文化専攻 | 専門科目筆記試験(コース内の分野から1つ選択)、面接。人間発達心理コース臨床心理領域のみ外国語(英語)筆記試験も実施 |
| 地域政策科学専攻(A日程) | 専門科目筆記試験2科目(研究計画に即した科目+全専門科目から1科目)、面接(研究計画書が中心) |
| 地域政策科学専攻(B日程) | 専門科目筆記試験1科目、口述試験(卒業研究または小論文に基づく)、面接 |
| 経済経営専攻 | 外国語科目筆記試験(英語・留学生は日本語)、専門科目筆記試験(7科目から1科目選択)、面接。配点は各100点の300点満点 |
人間文化専攻の外国語科目は、人間発達心理コース臨床心理領域を除き課されません。ただし、言語文化コースの英語学・英米文学・英語科教育学分野は専門科目自体に英語による出題が含まれます。臨床心理領域の外国語試験では通常の紙の辞書の持ち込みが認められており、3年以上の教職経験がある者は研究業績の提出による代替も可能です。代替措置を使う場合は研究業績書の準備も必要になるため、該当する可能性がある人は早めに募集要項の代替措置の条件を確認しておきましょう。
面接の位置づけは専攻によって異なる
人間文化専攻の面接は「入学後の研究計画を中心」に行われ、研究しようとする分野の基礎知識を問われる場合もあります。地域政策科学専攻・経済経営専攻の面接は、いずれも提出済みの研究計画書を中心に実施される点が共通しています。つまり、面接対策は事前に提出した研究計画書の内容を自分の言葉で説明し、想定質問に答えられるよう準備することとほぼ同義です。筆記試験の対策に気を取られて研究計画書の見直しがおろそかにならないよう、試験直前期には両方をバランスよく振り返るスケジュールを組んでおくことをおすすめします。
経済経営専攻の学類所属生特別入試・社会人特別入試の配点
経済経営専攻の学類所属生特別入試は、専門領域科目のGPA平均(50点、GPA4.0で50点・2.75で0点となるよう比例換算)と、研究計画書に基づく面接(100点)の合計150点満点で判定されます。社会人特別入試では、面接開始前に研究計画に関連する事項について400字程度・90分以内で文章を作成し、この文章も面接時の資料として使われる仕組みです。事前に自分の研究テーマを400字程度で簡潔に説明できるよう練習しておくとよいでしょう。
筆記試験がない社会人特別入試だからといって対策が不要というわけではありません。むしろ研究計画書と口頭説明の一貫性が唯一の評価軸になるため、通常の筆記試験対策以上に、自分の問題意識を論理立てて説明する練習に時間を割く必要があります。
商業科・公民科教員特別入試や修士再履修特別入試も、研究計画書とそれに基づいた面接、その他の提出書類を総合して判定される点は社会人特別入試と共通しています。筆記試験がない入試区分ほど書類と面接の比重が大きいという原則を踏まえ、出願区分を選ぶ段階から、自分がどの区分で最も実力を発揮しやすいかを検討しておくとよいでしょう。
合否を分ける研究計画書の書き方|専攻別の様式と評価ポイント
地域デザイン科学研究科の一般入試では、3専攻すべてで研究計画書の提出が必須です。人間文化専攻では「研究計画および履歴等」という様式名になっていますが、実質的な内容は研究計画書と同じです。試験の得点として直接配点されない専攻であっても、面接がこの研究計画書をもとに進行するため、事実上すべての専攻で合否を左右する最重要書類といえます。
経済経営専攻の研究計画書は3項目・3,000字程度
経済経営専攻の社会人特別入試における研究計画書は、A研究の背景と目的、B研究方法、C研究成果の3項目で全体3,000字程度にまとめる様式が指定されています。Aではこれまでの仕事や問題関心と関連づけて研究テーマ設定の背景・目的を具体的に記述し、関連する参考文献や資料があれば明示します。Bでは在学期間中の研究の進め方を学修計画とあわせて具体的に、Cでは在学期間に得られる研究成果や能力が仕事等とどう結びつくのかを、支障のない範囲で記述する構成です。学類所属生特別入試の研究計画書も同じく3,000字程度が目安とされています。
この3項目の構成は、社会人特別入試以外の区分で研究計画書を書く際にも応用できる型です。背景・方法・成果という3段階で整理すると、研究テーマの説得力を客観的にチェックしやすくなります。
研究計画書に盛り込むべき要素
- 研究テーマ(何を明らかにしたいのか、できるだけ具体的に)
- 研究テーマを設定した背景(問題意識・これまでの学習や実務経験との関連)
- 先行研究や関連する参考文献・資料の把握状況
- 研究方法(調査手法、分析方法、在学期間中のおおまかな計画)
- その専攻・その指導体制でなければ研究を進められない理由
特に最後の「なぜこの専攻・この指導教員でなければならないのか」という視点は、汎用的な研究計画書ではなく福島大学地域デザイン科学研究科向けに書かれた計画書であることを示すために欠かせません。人間文化専攻・地域政策科学専攻では出願前に希望する指導教員へ相談することが推奨されており、事前相談を通じて研究テーマの方向性をすり合わせておくと、計画書の説得力が高まります。
書き上げた後の見直しポイント
研究計画書は一度書き上げて終わりではなく、複数回の見直しを経て精度を高めていくものです。見直しの際は、研究テーマが一文で言い切れるほど絞り込まれているか、先行研究への言及が具体的な著者名・調査名を伴っているか、研究方法が在学期間内に実行可能な規模に収まっているかという3点を重点的にチェックすると効果的です。在学期間で実行できない壮大すぎる計画は、意欲は評価されても実現可能性の面で疑問視されやすい点にも注意してください。
研究計画書は一人で仕上げようとすると、専門用語の使い方や論理展開の粗さに気づきにくいものです。第三者に添削してもらいながら仕上げたい場合は、大学院入試対策の専門コースを利用して、研究計画書の構成から文章表現まで個別に磨き上げる方法もあります。
面接対策|聞かれること・準備すべきこと
地域デザイン科学研究科の面接は、すべての専攻・すべての入試区分で実施されます。前章で触れた通り、多くの専攻で面接は研究計画書の内容を中心に進行するため、対策の出発点は研究計画書そのものを深く理解し直すことにあります。提出した書類の内容を自分自身が忘れかけている、というのは意外とよくある失敗パターンです。
想定される質問の傾向
募集要項の記載からは、次のような質問が想定されます。人間文化専攻の一般入試では「入学後の研究計画」を中心に、研究しようと考えている分野の基礎的知識が問われる場合があるとされています。学類所属生特別入試・現職教員特別入試では「志望動機や研究の見通し」について、出願書類をもとに質問されます。地域政策科学専攻・経済経営専攻でも、提出した研究計画書の内容を深掘りする形の質問が中心になると考えられます。
- なぜこのテーマを研究したいのか(背景・問題意識)
- なぜ福島大学地域デザイン科学研究科でなければならないのか
- 研究をどのような方法・手順で進めるつもりか
- これまでの学習内容や実務経験と、研究テーマとの関係
- 研究の視点となる分野の基礎知識(専攻・コースによる)
- 修了後の進路・研究成果の活かし方(社会人特別入試など)
面接直前にやっておきたい準備
研究計画書の提出後、面接までの期間にできる準備は主に3つあります。1つ目は、研究計画書に書いた内容を口頭で1〜2分にまとめて説明できるよう練習すること。2つ目は、志望する分野の基礎的な学術用語・先行研究について、大学レベルの教科書や参考図書で最新の議論を確認しておくこと。3つ目は、想定される質問に対して一問一答式で答えを丸暗記するのではなく、自分の言葉で研究への熱意と根拠を説明できるようにしておくことです。
経済経営専攻の社会人特別入試のように、面接開始前に短時間で文章を作成させる区分もあります。時間内に自分の研究関心を簡潔にまとめる訓練は、こうした形式にも直結する準備になります。面接では丸暗記した回答よりも一貫した論理が評価されやすいため、想定問答を作る際は「なぜ」を何度も自問しながら組み立てるとよいでしょう。
模擬面接で確認しておきたいこと
可能であれば、大学の指導教員や社会人であれば職場の同僚・先輩など、第三者に模擬面接を依頼して客観的なフィードバックをもらうことをおすすめします。自分では筋が通っていると思っていても、初めて研究計画書を読む相手には説明が飛躍して聞こえる箇所が意外と多いものです。説明の順番や間の取り方も含めて練習しておくと、本番での緊張を和らげる効果があります。
過去問の入手方法と対策の進め方
福島大学は入試課のウェブサイトで大学院入学試験の過去問題を公開しています。地域デザイン科学研究科分については、令和6・7・8年度の過去問題が科目単位でPDF形式で掲載されています。ただし、ページ上部には「公開準備が整い次第、随時リンクをつけていく」旨の注記があり、すべての専攻・すべての分野・すべての年度の問題が揃っているとは限りません。出願を検討している専攻・分野の過去問が公開されているかは、出願前に必ず入試課の該当ページで直接確認してください。
過去問が入手できない分野の対策
希望する分野の過去問が未公開だった場合でも、対策の手がかりはあります。地域政策科学専攻の募集要項には「筆記試験専門科目出題範囲一覧」が掲載されており、各専門科目名ごとに出題範囲の概要と対応する授業科目名が示されています。経済経営専攻についても、各専門科目の出題範囲と参考図書(マクロ・ミクロ経済学、経営組織、会計学など)が明記されているため、これらを手がかりに市販の教科書・参考書で対応する範囲を学習する方法が現実的です。
人間文化専攻についても、専門科目は分野ごとの名称(日本語学・歴史学・スポーツ社会学など)が明示されているため、対応する学部レベルの概説書から着手し、余裕があれば当該分野の学術雑誌や専攻教員の著作にまで学習範囲を広げていくとよいでしょう。
過去問と募集要項を使った対策の進め方
- 志望する専攻・コース・分野の出題範囲一覧または参考図書リストを募集要項で確認する
- 入試課ウェブサイトで該当分野の過去問が公開されていないか確認し、公開されていれば年度をさかのぼって解く
- 過去問がない、または年度が少ない分野は、募集要項記載の参考図書を中心に基礎知識を固める
- 専門科目の学習と並行して、研究計画書のテーマに関連する先行研究・時事的な論点を押さえる
- 面接では専門科目の基礎知識を問われる場合もあるため、筆記試験の範囲と研究計画のテーマの両方を最後まで往復して確認する
大学院入試は学部入試と異なり、専攻・分野ごとの出題範囲や配点が細分化されており、独学で全体像をつかみにくいという声もよく聞かれます。出題範囲一覧と過去問を組み合わせて学習計画を立てることで、限られた準備期間でも優先順位をつけた対策が可能になります。福島大学に限らず、他大学の大学院入試の難易度感や外部生の狙い目を知っておきたい場合は、大学院入試の難易度ランキングを解説した記事もあわせて参考にしてください。
過去問の分析、専門科目の基礎固め、研究計画書のブラッシュアップ、面接練習という4つの対策を、限られた準備期間の中でどう配分するかは受験生ごとに悩みどころです。出願までに研究計画書を固め、出願後は筆記・面接対策に比重を移していくというように、出願というマイルストーンを基準に対策の優先順位を切り替えていくと、直前期に慌てずに済みます。
よくある質問
福島大学大学院に「人文社会科学研究科」という名前の研究科はまだありますか?
いいえ、現在は存在しません。令和5(2023)年4月の改組により、人文系・社会系の既存3研究科が統合されて「地域デザイン科学研究科」となりました。出願書類や指導教員への連絡では、必ず現行の正式名称「地域デザイン科学研究科」を使用してください。旧研究科名で問い合わせても、入試課の側では現行名称に読み替えて対応してもらえる場合が多いですが、書類上は正確な名称の記載が求められます。
地域デザイン科学研究科とはどんな研究科ですか?
人間文化専攻・地域政策科学専攻・経済経営専攻の3専攻からなる修士課程です。言語学・文化学・心理学から法学・政治学・社会学、経済学・経営学まで、人文・社会科学の幅広い分野を扱いながら、地域社会への実践的な貢献を重視している点が特徴です。修業年限は2年で、社会人向けの長期履修制度も利用できます。
福島大学以外の大学(学部)出身でも地域デザイン科学研究科を受験できますか?
受験できます。一般入試の出願資格は「大学を卒業した者または卒業見込みの者」など学校教育法に基づく要件が中心で、出身大学は問われません。人間文化専攻の入学者選抜も出身大学に関わらず一般入試として実施されます。なお、他大学出身の場合は成績証明書など出身大学発行の書類提出が必要になるため、早めに準備しておくと安心です。
社会人でも出願できますか?
専攻によって社会人特別入試・社会人特別推薦入試が用意されています。地域政策科学専攻・経済経営専攻では、年齢要件(出願年度末に満27歳以上など)または就労要件(週20時間以上の就労)のいずれかを満たせば出願できます。長期履修学生制度を利用すれば、2年分の授業料で3〜4年かけて計画的に修学することも可能です。
研究計画書はどのくらいの分量・内容で書けばよいですか?
経済経営専攻の社会人特別入試・学類所属生特別入試では3,000字程度という目安が募集要項に明記されています。他の専攻・区分では明確な字数指定がない場合もありますが、研究テーマ・背景・研究方法・その専攻でなければならない理由を過不足なく盛り込むには、同程度の分量を意識して書くのが現実的です。
面接では何を聞かれますか?
多くの専攻・入試区分で、提出した研究計画書の内容を中心に質問されます。研究テーマを選んだ背景、研究の進め方、志望する分野の基礎知識などが典型的な質問です。丸暗記した回答よりも、自分の言葉で一貫した説明ができることが重視されます。
過去問はどこで手に入りますか?
福島大学入試課のウェブサイトで、令和6〜8年度分の過去問題が科目単位でPDF公開されています。ただし公開は順次進められている段階のため、志望する専攻・分野の問題が必ずしも揃っているとは限りません。未公開の分野は、募集要項に記載された出題範囲一覧や参考図書を手がかりに学習を進める必要があります。
学費(入学料・授業料)はどのくらいかかりますか?
2027年度(令和9年度)の予定額は、入学料282,000円、授業料が前期267,900円・後期267,900円の年額535,800円です。いずれも「予定」額として公表されており、入学時・在学中に改定される可能性があるため、実際の金額は入学手続の案内で確認してください。経済的な事情がある場合は、入学料・授業料の減免制度も用意されています。検定料・入学料・授業料をあわせた総費用の目安を早めに把握しておくと、社会人特別入試や長期履修制度の利用可否も含めた資金計画が立てやすくなります。
まとめ|福島大学大学院地域デザイン科学研究科の2027年度入試対策
福島大学大学院で「人文社会科学研究科」を探していた場合、目指すべき先は現在の「地域デザイン科学研究科」です。人間文化専攻・地域政策科学専攻・経済経営専攻という3つの専攻に分かれ、研究領域も選抜方法も異なるため、まずは自分の研究テーマがどの専攻に該当するかを見極めることが出発点になります。
- 「人文社会科学研究科」は令和5(2023)年4月に地域デザイン科学研究科へ統合され、現存しない
- 3専攻の募集人員は人間文化専攻20名、地域政策科学専攻8名、経済経営専攻14名(2027年度・A〜C日程合計)
- 出願資格は大学卒業(見込)者が基本だが、個別審査による22歳以上の出願ルートもある
- 試験はA日程・B日程(経済経営専攻はC日程も)に分かれ、検定料は30,000円
- 選抜方法は専攻ごとに異なるが、多くの専攻で研究計画書が面接の中心資料になる
- 過去問は入試課ウェブサイトで順次公開中だが、専攻・分野によって公開状況に差がある
研究計画書の完成度と面接での説明力は、筆記試験の得点以上に合否へ直結しやすいポイントです。出願資格・日程・選抜方法という制度面の理解と、研究計画書・面接という中身の準備は、どちらか一方だけでは合格に近づけません。福島大学人文社会学群からの内部進学を検討している場合は福島大学人文社会学群の編入試験を解説した記事も参考にしながら、学部段階からの研究テーマの一貫性を意識しておくと、大学院入試の研究計画書にも説得力が生まれます。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。
名称が変わっても、福島大学が長年培ってきた人文・社会科学系の研究教育の蓄積そのものが失われたわけではありません。研究科の看板ではなく専攻・コースの中身で志望校を選ぶという視点を持てば、「人文社会科学研究科」という古い名称にとらわれず、自分の研究テーマに最も合った専攻を落ち着いて選べるはずです。2027年度入試に向けて、まずは志望する専攻の募集要項を手元に用意し、出願資格・日程・研究計画書の様式を一つずつ確認するところから始めてみてください。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
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