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金沢大学大学院 人間社会環境研究科の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

金沢大学大学院 人間社会環境研究科の外部院試を徹底解説の記事アイキャッチ画像。大学院入試対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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金沢大学大学院人間社会環境研究科は、人文学専攻・経済学専攻・地域創造学専攻・国際学専攻の4専攻からなる博士前期課程(修士課程)と、博士後期課程を設置する大学院です。外部院試とは、金沢大学の学部以外の出身者が、募集要項に定める出願資格を満たしたうえで一般選抜などの区分で受験することを指します。この研究科の外部院試は専攻ごとに試験科目の作り方が大きく異なり、人文学専攻・地域創造学専攻には当日の筆記試験がある一方、経済学専攻・国際学専攻には当日の筆記試験がなく、出願時に提出する研究計画の小論文や卒業論文で代える仕組みになっています。

本記事は、令和8(2026)年度10月入学・令和9(2027)年度4月入学の学生募集要項(2026年5月12日公表)と、研究科公式サイトで確認できた過去問公開状況・入学者数データにもとづき、募集人員・出願資格・試験科目・研究計画書の要否・日程を整理します。倍率という言葉は研究科の公式資料には使われておらず、公表されているのは志願者数・合格者数・入学者数の実数のみです。創作した数値は使わず、確認できた事実に限定して解説しますので、出願前には必ず研究科公式サイトの最新募集要項でご確認ください。

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目次

金沢大学大学院人間社会環境研究科とは|4専攻の構成と外部院試の位置づけ

人間社会環境研究科は2006年4月に設置された大学院です。グローバル化・情報ネットワーク化・少子高齢化といった社会の急速な変化に対応するため、人文学・経済学という既存の専門分野と、地域創造学・国際学という「環境」の概念で包括される学際的な分野を組み合わせた教育研究を行っています。研究科が掲げる目標は、専門的知識・方法・技術を修得した高度専門職業人の育成、北陸地方をはじめとする学際・総合型の人文社会系研究拠点の形成、そして社会人学生・留学生の受け入れを通じた地域・国際貢献の3点です。外部から受験する場合も、この目標がどのような学生を求めているかを理解したうえで、志望理由や研究計画を組み立てることが評価につながります。

博士前期課程は、人文学専攻・経済学専攻・地域創造学専攻・国際学専攻の4専攻で構成され、入試はこの専攻単位で実施されます。取得できる学位は専攻ごとに異なり、人文学専攻は修士(文学)・修士(学術)、経済学専攻は修士(経済学)・修士(経営学)・修士(学術)、地域創造学専攻は修士(地域創造学)・修士(学術)、国際学専攻は修士(国際学)・修士(学術)です。人文学専攻には人間科学コース、歴史学・文化資源学コース、言語・文学コース、公認心理師養成コースが、経済学専攻には経済理論・政策コース、国際社会・経済コース、経営情報コースが、地域創造学専攻には地域創造学コース、教育支援開発学コースが、国際学専攻には国際関係・地域研究コース、日本語教育・日本文化研究コースが置かれています。

令和8(2026)年4月には、全専攻に「データプライバシー・エキスパート養成プログラム」が新設されました。人文学専攻のデジタル人文コース、経済学専攻のデジタル経済コース、地域創造学専攻のデジタル地域創造コース、国際学専攻のデジタル国際コースという形で各専攻の下に置かれ、統計調査士または社会調査士(キャンディデイト)の資格を入学時までに取得した者に限り、入学後4月に所属専攻内での転コースを受け付ける仕組みです。日本語のみで実施されるプログラムで、募集はいずれも一般選抜のみです。

専攻名主なコース授与される学位
人文学専攻人間科学/歴史学・文化資源学/言語・文学/公認心理師養成/デジタル人文修士(文学)・修士(学術)
経済学専攻経済理論・政策/国際社会・経済/経営情報/デジタル経済修士(経済学)・修士(経営学)・修士(学術)
地域創造学専攻地域創造学/教育支援開発学/デジタル地域創造修士(地域創造学)・修士(学術)
国際学専攻国際関係・地域研究/日本語教育・日本文化研究/デジタル国際修士(国際学)・修士(学術)

出典:金沢大学大学院人間社会環境研究科(博士前期課程)学生募集要項Ⅰ-1〜2ページ(2026年5月12日版)

研究科には博士後期課程も設置されていますが、本記事では外部からの受験者が多い博士前期課程の外部院試に絞って解説します。博士後期課程の出願資格・試験科目・日程は博士前期課程とは別に募集要項が公表されているため、博士後期課程への進学を検討している場合は、研究科Webサイトの博士後期課程ページで別途ご確認ください。

経済学専攻・地域創造学専攻の2専攻には、仕事を続けながら1年で修士の学位を取得できる短期(1年)在学型制度が設けられています。対象は自治体・企業・学校・非営利組織などで社会人経験を積んだ人で、仕事を通じて育てた問題意識や蓄積した資料をもとに、一定の理論的整理を行いながら論文(リサーチペーパー)をまとめることを想定した制度です。修了後に博士後期課程への進学は前提とされておらず、進学を希望する場合は通常の社会人特別選抜に出願することになっています。このほか、仕事や育児・介護等と両立しながら標準修業年限を超えて学べる長期履修制度も用意されています。

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実施専攻・募集人員・出願資格|語学スコアが必要になるのは2専攻だけ

令和8(2026)年度10月入学・令和9(2027)年度4月入学の学生募集要項によると、令和9年度4月入学の博士前期課程全体の募集人員は57名です。令和8年度から人文学専攻の定員が23名から27名に変更され、そこにデータプライバシー・エキスパート養成プログラムの各コース分が加わった結果、以前の年度より総数が増えています。10月入学の募集人員は各専攻とも「若干名」としか示されておらず、主要な募集は4月入学に置かれています。

専攻・コース令和8年10月入学令和9年4月入学
人文学専攻(人間科学/歴史学・文化資源学/言語・文学の3コース)若干名19名
人文学専攻 公認心理師養成コース5名
人文学専攻 デジタル人文コース3名
経済学専攻(3コース)若干名3名
経済学専攻 デジタル経済コース3名
地域創造学専攻(2コース)若干名13名
地域創造学専攻 デジタル地域創造コース1名
国際学専攻(2コース)若干名9名
国際学専攻 デジタル国際コース1名
合計57名

公認心理師養成コースについては、7月試験の合格者数を勘案したうえで12月試験を実施するかどうかを令和8年9月中旬に研究科Webサイトで告知するとされています。12月試験が必ず実施されるとは限らないため、このコースを志望する場合は9月中旬の告知を確認してから出願準備を進める必要があります。

出願資格は各選抜共通で、学校教育法第83条に定める大学を卒業した者、学士の学位を授与された者、外国において16年の学校教育課程を修了した者、文部科学大臣が指定する専修学校の専門課程(修業年限4年以上)を修了した者、他大学院に在学中で本研究科が学力を認めた者、大学に3年以上在学し15年の課程を優れた成績で修了したと認められた者など、複数の号にわたって定められています。22歳以上であれば個別の入学資格審査により、大学卒業者と同等以上の学力があると認められれば出願できる道も用意されています。

選抜区分は一般選抜のほか、社会人特別選抜・外国人留学生特別選抜・短期(1年)在学型選抜・学内推薦特別選抜の5種類です。社会人特別選抜は入学までに通算3年以上の社会人経験(常勤・非常勤を問わず、家事従事者や自営業も含む。ただし主たる身分が学生だった時期の非常勤経験は含まない)を持つ人が対象で、外国人留学生特別選抜は日本国籍を持たない人が対象です。短期(1年)在学型選抜は経済学専攻・地域創造学専攻のみに設置され、通算3年以上の職歴があり在職したまま大学院に在学して1年で修士を取得したい人で、勤務先の承諾を得ていることが条件になります。学内推薦特別選抜は金沢大学の学士課程4年次に在学し卒業見込みで、指導希望教員の推薦を受けた人が対象なので、外部からの受験生が使える区分ではありません。参考までに、学内推薦特別選抜の出願要件となる通算GPA値は、人文学専攻・経済学専攻・国際学専攻が概ね2.5、地域創造学専攻が2.9と専攻ごとに基準が異なっており、外部生であっても志望する専攻の教育水準を測る目安として押さえておく価値があります。短期(1年)在学型選抜は、仕事を通じて育てた問題意識や蓄積した資料を理論的に整理し、論文(リサーチペーパー)にまとめることを想定した制度で、博士後期課程への進学を前提とするものではないと案内されています。

外国の大学を卒業した志願者は、卒業(見込)証明書・成績証明書を英語または日本語で発行してもらう必要があります。大学が英語・日本語の証明書を発行できない場合は、CHSI日本が発行する英語版の学歴認証報告書の原本もあわせて提出することが求められており、大学改革支援・学位授与機構で出願資格を得る場合は学位授与証明書などの提出が必要です。証明書の準備には時間がかかることが多いため、外国の大学出身者は早めに発行手続きを進めておくことをおすすめします。

在職しながら受験する社会人特別選抜の志願者向けには、出願時に選択できる制度も用意されています。大学院設置基準第14条に基づく教育方法の特例は、担当指導教員の許可・指導のもとで夜間や特定の時間・時期に授業や研究指導を受けられる制度で、希望する場合は入学志願票の該当欄にチェックを入れ、勤務先が作成した受験承諾書を提出します。仕事や家事・育児・介護等と両立しながら標準修業年限を超えて学べる長期履修制度も、短期(1年)在学型制度の適用者を除く全専攻に用意されており、入学志願票の該当欄で希望を申請できます。

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語学スコア提出が必須になる専攻・選抜区分

語学スコアの扱いは専攻によって大きく異なります。TOEIC(L&R)・TOEFL-iBT(Home Editionを含む)・IELTSいずれかの公式スコア証明書の提出が必須なのは、経済学専攻(一般選抜のうちデジタル経済コースを除く区分と外国人留学生特別選抜)と国際学専攻(一般選抜・社会人特別選抜・外国人留学生特別選抜)だけです。人文学専攻・地域創造学専攻は外部スコアの提出を求めておらず、その代わりに専門科目の記述試験の中に英語文献読解問題が含まれることがあります。提出した証明書の原本は試験当日に返却されます(デジタル公式認定証を除く)。原本を紛失しないよう、出願前にコピーを手元に残しておくと安心です。

専攻外部英語スコアの提出備考
人文学専攻不要専門科目の記述試験に英語文献読解を含む科目が多い
経済学専攻必須(一般選抜・外国人留学生特別選抜)デジタル経済コース・社会人特別選抜・短期在学型選抜は対象外
地域創造学専攻不要原則日本語で実施、口述試験でも日本語力を確認
国際学専攻必須(一般選抜・社会人特別選抜・外国人留学生特別選抜)英語母語話者相当の英語力を持つ者は提出不要

提出できるスコアにも条件があり、TOEIC(L&R)-IPやTOEFL-ITPの成績証明書は使用できません。経済学専攻は出願期間最終日から3年以内に実施された試験のスコアに限定される一方、国際学専攻は試験の実施時期を問わないとされており、同じ研究科でも専攻ごとに条件が異なる点に注意が必要です。TOEIC(L&R)を国際ビジネスコミュニケーション協会の試験で受けた場合はQRコード付きのデジタル公式認定証、TOEFL-iBTの場合は受験者アカウントからダウンロードしたPDFに加えて指定コード「G126」でのスコア直送手配が必要です。研究科別のTOEIC対策の考え方も参考にしながら、志望専攻がスコア提出の対象かどうかをまず確認してください。

出願時に用意する書類は、全専攻共通のものと、専攻・選抜区分ごとに追加されるものに分かれます。早い段階で全体量を把握しておくと、証明書の発行待ちで出願期間に間に合わないという事態を避けやすくなります。

書類位置づけ
入学志願票全専攻共通、Web出願システムでの登録が前提
研究計画書(様式1)全専攻共通の必須書類
卒業(見込)証明書・成績証明書原本のみ受付、外国の大学は英語または日本語のものを提出
証明写真データWeb出願システムへのアップロードが必要
英語外部試験の証明書経済学専攻(一部区分)・国際学専攻(一部区分)のみ該当
推薦書(様式4)学内推薦特別選抜の該当者のみ
返信用封筒出願資格事前審査を行う場合などに必要
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試験科目|専攻ごとに「筆記試験がある専攻」と「事前課題で代える専攻」に分かれる

この研究科の外部院試で最初に押さえておきたいのは、入学者選抜が記述試験・口述試験・研究計画書・出身大学の成績等を総合して行われるという建て付けそのものが、専攻によって中身の異なる形で実装されている点です。一般選抜・社会人特別選抜・外国人留学生特別選抜では、記述試験(または記述試験に代わる事前課題)が200点、口述試験が300点の合計500点満点という配点は4専攻で共通しています。配点は共通でも試験の実施方法は専攻ごとに別物だと考えて準備する必要があります。

専攻記述試験・事前課題配点口述試験の内容配点
人文学専攻当日の記述試験(専門科目1科目選択)200研究計画書・専門科目を中心に実施300
経済学専攻出願時提出の事前課題(小論文)200出願書類・事前課題を中心に実施300
地域創造学専攻当日の記述試験(専門科目1科目選択)200研究計画書・専門科目を中心に実施300
国際学専攻出願時提出の卒業論文または研究レポート200研究計画書・卒業論文等を中心に実施300

配点は選抜区分を問わず同じ200点・300点の内訳ですが、評価の視点には選抜区分ごとの違いがあります。社会人特別選抜では社会人としての経験等を積極的に評価するほか、外国人留学生特別選抜では留学生の言語背景等を考慮して評価すると募集要項に明記されています。一般選抜と同じ答案・書類を作ればよいわけではなく、自分の経験や言語背景を研究計画とどう結びつけて説明するかが、選抜区分ごとの評価軸に対応した準備になります。

人文学専攻の記述試験は、入学後に専攻したい科目を1つ選ぶ方式です。認知科学・ジェンダー学・哲学・心理学・社会学・地理学・文化人類学・文化資源学・日本史学・東洋史学・西洋史学・考古学・文化遺産学・比較文化学・比較文学・日本語学日本文学・中国語学中国文学・英語学英米文学・ドイツ語学ドイツ文学・言語学という20前後の科目から選ぶ構成で、半数以上の科目に英語文献読解問題が含まれることが備考欄で示されています。哲学は英語・ドイツ語・フランス語から1か国語を選ぶ外国語文献読解を含み、比較文学は比較文学に関する共通問題(小論文)と、日本文学・中国文学・英米文学・ドイツ文学・フランス文学の5分野から2分野を選ぶ選択問題で構成されます。日本語学日本文学は回によって出題構成が変わり、10月入学は専門問題のみ、4月入学(7月試験)は外国語問題+専門問題、4月入学(12月試験)は専門問題のみとなっています。記述試験は9時30分から12時30分の3時間、口述試験は14時からです。

科目出題の特徴
認知科学英語文献読解問題を含むことがある
ジェンダー学共通問題(概説)+選択問題(2分野から1題選択)
哲学英語・ドイツ語・フランス語から1か国語の文献読解を含む。辞書貸与の場合あり
心理学・社会学・地理学・文化人類学英語文献読解問題を含むことがある
文化資源学考古学・文化遺産学・比較文化学の3分野から計3題を解答
日本史学関係史料の読解問題を含み、英語文献読解を出題することもある
東洋史学・西洋史学研究に必要な外国語文献・関係史料の読解を含む
考古学・文化遺産学英語文献読解問題を含む
比較文化学・比較文学共通問題(小論文)+5分野(日本文学等)から2分野選択
日本語学日本文学研究計画書のテーマに応じて3分野から1分野を選択
中国語学中国文学読解力・語学・文学の3分野から出題
英語学英米文学読解力・表現力・英語学/英米文学の3分野から出題
ドイツ語学ドイツ文学読解力・表現力・語学/文学の3分野から出題
言語学英語文献読解問題を含むことがある

公認心理師養成コースの記述試験は、事例問題と臨床心理学を中心とした心理学分野から出題され、英語文献読解問題も含まれます。口述試験は記述試験と別の日に実施される点が他コースと異なり、出願書類・記述試験の内容にもとづく一次選抜を通過した人だけが口述試験に進みます。一次選抜合格者と口述試験の集合時間は、記述試験当日の19時頃に研究科Webサイトで発表される運用です。

地域創造学専攻の記述試験も、志望する第一希望の指導希望教員の専門領域に対応する科目を1つ選ぶ方式です。地域創造学コースは人と自然の共生・地域協働・共生社会、教育支援開発学コースは教育開発研究・アートプランニング研究・コンサートプランニング研究・家庭生活研究・スポーツ指導研究という科目構成で、いずれも基礎問題と応用問題から出題されます。記述試験は10時30分から12時30分、口述試験は14時からで、原則日本語で実施し口述試験でも日本語能力を問うと明記されています。

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事前課題・卒業論文で記述試験に代える経済学専攻・国際学専攻

経済学専攻・国際学専攻には、当日教室で解答する筆記試験がありません。経済学専攻は、入学後の研究課題について研究目的・先行研究の動向と自らの研究の独自性・想定される研究方法を、和文なら4,000字程度、英文なら1,500語程度で文章化した「事前課題」を出願時に提出し、これが記述試験の200点に充てられます。他者の代筆や生成AIの利用は不正行為として明記されており、口述試験では提出された出願書類と事前課題をもとに、学習・研究状況や今後の研究計画が問われます。国際学専攻は、卒業論文または研究レポートの提出をもって記述試験に代え、口述試験では研究計画書・卒業論文・研究レポートの内容が中心になります。

試験科目とは別に、専攻によっては卒業論文そのものの提出が求められる場合があります。人文学専攻の一般選抜・外国人留学生特別選抜では、既卒の志願者に卒業論文またはこれに代わるレポートの提出が求められ、国際学専攻の一般選抜・社会人特別選抜・外国人留学生特別選抜でも、コースに応じて卒業論文または研究レポートの提出が必要です。在学中で卒業論文提出前の志願者への対応はコースによって異なり、国際関係・地域研究コースとデジタル国際コースは所属(していた)学士課程で卒業論文を課されていない場合や提出前の場合は提出自体が不要である一方、日本語教育・日本文化研究コースは計画段階の卒業論文要旨(目次・参考文献表を含め日本語4,000〜5,000字程度)をPDFで提出する代替措置が用意されています。志望専攻・コースの該当有無は、募集要項の出願書類一覧で必ず確認してください。

データプライバシー・エキスパート養成プログラムの4コース(デジタル人文・デジタル経済・デジタル地域創造・デジタル国際)は、一般選抜のみで実施され、記述試験はなく口述試験だけで500点満点です。提出された出願書類にもとづき、これまでの学習・研究状況と今後の研究計画が問われます。学内推薦特別選抜も同様に、全専攻で口述試験のみ500点という配点です。

入試は、提出書類や選抜方法に特別な記載がない限り日本語で実施されます。英語での受験・修学を希望する場合は事前に指導希望教員へ相談することが必要で、データプライバシー・エキスパート養成プログラムは日本語のみのプログラムのため英語での受験はできません。大学院入試の面接対策で押さえておきたい基本姿勢は共通しますが、この研究科では専攻ごとに問われる資料そのものが違う点を踏まえて準備する必要があります。

入試とは別の話として、教職大学院・法科大学院を除く本学大学院では、原則として一定以上の英語外部検定試験のスコア取得を修了要件の1つに位置づけています。これは入学試験の合否条件ではなく在学中の修了要件であり、入試の英語スコア提出とは目的が異なる制度です。案内されている基準は、TOEIC(L&R)760点・TOEFL-iBT80点・TOEFL-ITP550点・IELTS6.0のいずれか以上のスコアを取得するか、それに満たない場合はTOEIC(L&R)600点相当以上のスコアを取得したうえで所定の学修を修めることとされています。入試段階の語学スコアと在学中の修了要件を混同しないよう、募集要項と学修案内をそれぞれ別に確認しておくと安心です。

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研究計画書と指導希望教員への事前連絡|「任意」ではなく必須の準備

この研究科の出願書類には、様式1の研究計画書が含まれます。研究計画書は全専攻で出願時に提出する必須書類であり、任意提出ではありません。所定の用紙に、入学後の希望研究テーマ、これまでの研究分野、志望の動機、今後の研究計画を具体的に記入する形式です。経済学専攻の志願者(デジタル経済コース・学内推薦特別選抜を除く)は、事前課題と内容が重複しやすいため、研究計画書を1ページ以内に収めるよう指定されています。

指導を希望する教員の選定と事前連絡も、この研究科の外部院試では欠かせない手続きです。募集要項には「出願前までに指導希望教員と直接連絡を取り、指導希望教員に受験の内諾を得てください」と明記されており、受験の内諾を得ることそのものが募集要項上の手続きとして位置づけられています。連絡先は研究科Webサイトの「博士前期課程>専攻>コースを選択>担当教員一覧」で確認でき、研究科が公開しているメール文例に倣って、志願者自身が直接連絡することが求められます。

  1. 研究テーマから、担当教員一覧で指導を希望する教員を選ぶ
  2. 研究科Webサイトのメール文例に倣い、指導希望教員へ直接メールで連絡する
  3. 研究内容や志望動機を伝え、受験の内諾を得る
  4. 内諾を踏まえて研究計画書を仕上げ、出願書類として提出する

研究室訪問のメールにおける一般的な作法に加えて、この研究科では指導希望教員への連絡自体が募集要項上の必須ステップとして明記されている点を、まず理解しておく必要があります。連絡を怠ったまま出願すること自体は可能ですが、研究テーマと指導可能な分野がずれていた場合、口述試験で研究計画の実現可能性を問われたときに説明が苦しくなりやすくなります。特に経済学専攻・国際学専攻は、事前課題や卒業論文・研究レポートという形ですでに研究の方向性を文章化した状態で出願するため、指導希望教員との事前のすり合わせが甘いまま提出書類を仕上げてしまうと、口述試験で指摘を受けたときの修正余地が小さくなりやすい点にも注意してください。

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出願資格事前審査が必要になるケースと必要書類

出願資格の一部の号(他大学院に在学中の人、大学に3年以上在学した人、22歳以上で個別審査を受ける人など)に該当して出願しようとする場合は、出願前に個別の出願資格事前審査を受ける必要があります。提出書類には、出願資格事前審査申請書、最終学校の卒業(見込)証明書、成績証明書、教育課程表・シラバスの写しに加えて、800字程度の志望理由書と研究業績調書が含まれます。締切は10月入学・4月入学(7月試験)は4月30日、4月入学(12月試験)は9月30日で、通常の出願期間よりかなり早い時期に設定されています。該当する可能性がある場合は、早めに研究科Webサイトで対象の号を確認しておくと安心です。

出願資格事前審査の結果は、10月入学・4月入学(7月試験)ルートが令和8年5月中旬、4月入学(12月試験)ルートが令和8年10月中旬までに通知される予定です。通常の出願期間が始まる直前に結果が届く設計になっているため、該当する号で出願する場合は、審査申請から結果通知までの期間を見越して、研究計画書や指導希望教員への連絡をそれ以前に済ませておくとスケジュールに余裕が生まれます。提出した書類は返却されず、日本国外に在住している場合はメール添付での提出が案内されています。

入試は、提出書類や選抜方法に特別な記載がない限り日本語で実施されます。英語での受験・修学を希望する志願者は、出願期間前までに指導希望教員へ事前相談することが必要とされており、この事前相談も指導希望教員への連絡と合わせて済ませておく事項の1つです。ただしデータプライバシー・エキスパート養成プログラムは日本語のみで実施されるプログラムのため、英語での受験・修学の対象にはなりません。研究計画書の内容を指導希望教員と共有する際に、受験言語についても認識をそろえておくと、口述試験当日の行き違いを防げます。

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出願から合格発表までの日程|7月試験と12月試験の2ルート

令和8(2026)年度10月入学・令和9(2027)年度4月入学の選抜は、7月試験と12月試験の2つのルートで実施されます。7月試験は10月入学と4月入学の両方に対応する試験で、12月試験は4月入学のみを対象とした追加募集です。本記事執筆時点(2026年7月中旬)では7月試験はすでに実施済みで、合格発表は2026年7月30日(木)16時の予定です。これから出願を検討する場合、次の出願機会は12月試験になります。

事項7月試験(10月入学・4月入学)12月試験(4月入学のみ)
事前相談・事前審査2026年4月30日(木)まで2026年9月30日(水)まで
出願期間2026年5月18日(月)9:00〜5月22日(金)17:002026年10月30日(金)9:00〜11月6日(金)17:00
Web事前登録開始2026年5月11日(月)〜2026年10月26日(月)〜
受験票印刷可能日2026年6月22日(月)9時頃2026年12月7日(月)9時頃
選抜期日2026年7月4日(土)・5日(日)2026年12月19日(土)・20日(日)
合格発表2026年7月30日(木)16時(予定)2027年1月28日(木)16時頃(予定)
入学手続10月入学:2026年9月上旬/4月入学:2027年3月上旬2027年3月上旬

選抜期日の2日目(7月5日・12月20日)は、人文学専攻公認心理師養成コースの口述試験だけに使われる日程で、他の専攻・コースは初日1日で記述試験と口述試験の両方が終わります。学内推薦特別選抜の出願資格審査結果は、7月試験ルートが6月12日(金)16時頃、12月試験ルートが11月20日(金)16時頃に研究科Webサイトで発表され、審査を通過した人だけが選抜期日に口述試験を受ける流れです。なお学内推薦特別選抜は、10月入学・4月入学(7月試験)・4月入学(12月試験)のいずれか1回にしか出願できません。試験会場は金沢大学人間社会第1講義棟または第2講義棟が予定されており、詳細は受験票印刷時に確認する案内になっています。

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出願書類の郵送方法と必着のルール

出願書類のうち原本での提出が必要なもの(卒業証明書・成績証明書など)は、Web出願システムで印刷した出願確認票・宛名ラベルとあわせて、市販の角形2号封筒(240mm×332mm)を使い書留速達郵便で郵送することが指定されています。締切日を過ぎて到着した書類は、出願期間最終日の前日までの日本国内発信局の日付印がある書留速達郵便に限り受理されるという例外はあるものの、原則として出願期間内必着です。日本国外に在住している場合は、郵送の代わりにWeb出願システムへ全書類をアップロードする方式に切り替わります。

合格発表は、合格者の受験番号を研究科Webサイトで発表するほか、金沢大学(入試情報)Webサイトの「オンライン合否照会システム」からも確認できます。電話等による合否の照会には一切応じないと明記されているため、発表当日は研究科Webサイトかオンライン合否照会システムで確認してください。合格通知書が必要な場合もこのシステムからダウンロードする方式で、郵送はされません。合格者は、指定の様式で「入学意思確認届」を人間社会系事務部学生課へメールで提出する手続きも必要です。

出願手続きは、Web出願システムへの登録、一部書類のアップロード、一部書類の郵送または持参という3段階で行います。日本国外から出願する場合は、郵送または持参の代わりにWeb出願システムへのアップロードで対応します。入学検定料は大学院一律30,000円で、別途Web出願システム利用のサービス利用料990円がかかります。支払いはコンビニ・銀行ATM・クレジットカード・ネットバンキングで可能ですが、PayPay銀行とセブン銀行のネットバンキングは利用できません。学内進学者や国費外国人留学生は検定料の支払いが不要です。出願書類受理後は理由を問わず検定料は返還されませんが、支払後に出願自体を取りやめた場合は令和9(2027)年3月31日(水)までに手続きを行うことで返還を受けられます。自然災害等で被災した志願者向けの検定料免除措置も設けられているので、該当する可能性がある場合は出願前に大学へ相談してください。

合格後にかかる費用としては、入学料282,000円(予定額)と、前期・後期合わせて年額535,800円(前期267,900円・後期267,900円)の授業料が案内されています。金額はいずれも予定額で、在学中に改定された場合は改定後の金額が適用されます。国費外国人留学生は入学料・授業料ともに納入不要です。授業料は本学指定の金融機関による口座振替制度で納入する仕組みで、経済的理由で納付が困難かつ学業成績優秀な場合は授業料の全額・半額免除の制度も用意されています。

身心に障がいがあり受験・修学に特別な配慮が必要な場合は、出願資格事前審査と同じ締切(10月入学・4月入学[7月試験]は4月30日、4月入学[12月試験]は9月30日)までに所定の書類を提出して事前相談を行う案内になっています。提出書類は、氏名・住所・連絡先・志望コース、障がいの種類・程度、受験および修学に配慮を希望する事項などを記載した事前相談書(様式任意)、医師の診断書(写しも可)、障害者手帳の写しなどの参考書類の3点です。配慮が必要な場合は通常の出願期間より早く動く必要があるため、該当する場合は早めに研究科Webサイトで手続きを確認してください。なお、人文学専攻公認心理師養成コースに限り、3月の入学手続きの結果、欠員が生じた場合に「追加合格」を通知する制度があり、該当者には入学手続期間終了翌日以降に出願システム登録済みの電話番号へ連絡が入る運用です。

研究科が置かれているのは、金沢大学角間キャンパスです。JR金沢駅兼六園口(東口)から北陸鉄道バス「金沢大学(角間)」行きに乗車し、終点「金沢大学(角間)」で下車して徒歩約3分(人間社会第2講義棟まで)、金沢駅からの所要時間は約40分と案内されています。試験当日の入退室時間や交通事情を踏まえ、選抜期日の会場入りは余裕を持って計画してください。出願や試験に関する問い合わせ先は、金沢大学人間社会系事務部学生課(入試・学生募集担当)で、電話番号は076-264-5600、住所は〒920-1192石川県金沢市角間町です。

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志願者数・合格者数から見る難易度|「倍率」は公式には非公表

金沢大学大学院人間社会環境研究科は、募集要項や研究科Webサイトのどこにも「倍率」という言葉を使っていません。公表されているのは、専攻別・期別の入学志願者数・合格者数・入学者数という実数の一覧だけです。倍率という指標そのものが研究科の公式資料には存在しないため、本記事では公表されている実数をそのまま示し、参考として志願者数÷合格者数の目安を併記します。

研究科が公開している「入学者数等一覧」(2026年4月更新、4月入学分のみ)から、令和8(2026)年度4月入学の実数を見ると、次のとおりです。この一覧はあくまで4月入学分の集計であり、10月入学分の志願者数・合格者数は同じ形式では公表されていません。10月入学を検討している場合も、傾向をつかむ参考として4月入学の実数を確認しておくとよいでしょう。

専攻募集回志願者数合格者数入学者数
人文学専攻第1次20108
人文学専攻第2次411
人文学専攻第3次533
経済学専攻第1次222
経済学専攻第2次333
経済学専攻第3次111
地域創造学専攻第1次866
地域創造学専攻第2次976
地域創造学専攻第3次222
国際学専攻第1次444
国際学専攻第2次985
国際学専攻第3次100

この実数から志願者数÷合格者数を単純計算すると、専攻や回によって1.0倍台から2倍前後まで幅があります。経済学専攻は志願者と合格者がほぼ同数の回が多く、国際学専攻は第2次で志願9名に対し合格8名、第3次で志願1名に対し合格0名と、回によって振れ幅が大きいことが読み取れます。人文学専攻は第1次で志願20名に対し合格10名と、4専攻の中では選抜の実質倍率が高めに出やすい回があります。ただし、これは単年度・単一回の実数であり、年度や回によって大きく変動するため、複数年度の傾向として見る必要があります。経済学専攻は4月入学の募集人員が3名という少人数枠であるため、1〜2名の志願者数の増減が実質倍率を大きく動かす点も、他専攻と単純比較しにくい理由の一つです。

過去数年の推移を見ても、専攻ごとの志願者数の変動幅は小さくありません。人文学専攻は令和6年度に1次28名・2次27名の志願があった一方、令和7年度は1次19名・2次19名、令和8年度は1次20名・2次4名・3次5名と、年度によって回ごとの分布が変わっています。「この専攻は毎年これくらいの倍率」と固定的に考えるより、出願を検討する年度の実数を研究科Webサイトの最新一覧で確認するほうが実態に近い準備ができます。

4月入学分について、公式の「入学者数等一覧」に掲載された各募集回の志願者数・合格者数を年度ごとに合算すると、次のようになります。合計値は研究科が公表する回ごとの実数を単純に合算したもので、研究科自身が算出した年度別集計ではない点にご留意ください。

専攻令和5年度令和6年度令和7年度令和8年度
人文学専攻(志願/合格)37/2755/2738/2029/14
経済学専攻(志願/合格)12/97/46/46/6
地域創造学専攻(志願/合格)31/1630/1912/619/15
国際学専攻(志願/合格)13/75/16/614/12

この4年分だけを見ても、人文学専攻は令和6年度の55名から令和8年度の29名までほぼ半減し、国際学専攻は令和6年度の5名から令和8年度の14名まで増加するなど、専攻ごとに増減の方向性そのものが異なります。他大学院との比較も参考にしつつ、最終的にはこの研究科自身が公表する実数で判断することをおすすめします。

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過去問の公開状況と出題予測、口述試験(面接)対策

過去の記述試験問題は、研究科Webサイトの「入試情報>博士前期課程」ページにまとめて掲載されています。過去問が公開されているのは人文学専攻と地域創造学専攻の2専攻のみです。経済学専攻・国際学専攻は当日教室で解答する記述試験そのものが存在しないため、過去問という形の資料が公開されていません。この2専攻を志望する場合は、過去問演習ではなく、事前課題や卒業論文・研究レポートの完成度を高める方向で準備時間を配分する必要があります。

経済学専攻・国際学専攻は当日の筆記試験がないため過去問そのものは存在しませんが、募集要項から見た出題予測という形で対策の方向性は立てられます。経済学専攻の事前課題は、入学後の研究課題について研究目的・先行研究の動向と自らの研究の独自性・想定される研究方法という4点を文章化する構成が募集要項に明記されているため、口述試験ではこの4点それぞれを深掘りする質問が想定されます。国際学専攻は募集要項の口述試験欄に「研究計画書・卒業論文等を中心に実施」と明記されているとおり、提出した卒業論文・研究レポートの研究テーマ、先行研究の理解、研究方法の妥当性を問われる方向で準備するのが、この2専攻における実質的な出題予測にあたります。

公開されている人文学専攻・地域創造学専攻の過去問についても、募集要項には「受験者がいないコース・プログラムの過去問題は、公表していません」と明記されており、志望するコース・プログラムによっては過去問自体が掲載されていない場合があります。研究科Webサイトには2017年度前後から直近年度までの募集回別の過去問が年度ごとに整理されて掲載されており、複数年度をまたいで出題傾向を追える点は、この2専攻を志望するうえで活用しやすい情報です。閲覧できる範囲や最新の掲載状況は、出願前に研究科Webサイトの「博士前期課程>過去の入試問題」で直接確認してください。

募集要項に記載された科目ごとの備考欄からは、出題形式についてかなり具体的な情報が確認できます。たとえば人文学専攻のジェンダー学は「共通問題(概説的な問題)と選択問題(文学・文化学的アプローチ/社会科学的アプローチから1題)」という構成が明記されており、文化資源学は「考古学・文化遺産学・比較文化学の各分野から1題、計3題を解答」と定められています。これらは予測ではなく募集要項に明記された事実なので、志望する科目の備考欄を精読するだけでも、過去問を解く前の準備段階でかなりの情報が得られます。

地域創造学専攻は、志望する第一希望の指導希望教員の専門領域に対応する科目を選ぶ方式のため、出題予測は科目選びより先に指導希望教員選びから始まります。地域創造学コースの人と自然の共生・地域協働・共生社会、教育支援開発学コースの教育開発研究・アートプランニング研究・コンサートプランニング研究・家庭生活研究・スポーツ指導研究は、いずれも基礎問題と応用問題という二段構成が明記されているため、基礎知識の確認と応用力を問う問題の両方を想定して過去問にあたる必要があります。

口述試験(面接)は、人文学専攻・地域創造学専攻では提出された研究計画書と受験した専門科目を中心に、経済学専攻では出願書類と事前課題を中心に、国際学専攻では研究計画書・卒業論文・研究レポートを中心に実施されます。どの専攻でも「提出した書類の中身」が質問の起点になるという共通点があるため、研究計画書や事前課題を書きっぱなしにせず、口頭で説明し直す練習をしておくことが実質的な面接対策になります。公認心理師養成コースだけは、記述試験と出願書類にもとづく一次選抜を経てから口述試験に進む二段階選抜で、臨床実践に対する考えや理解も問われます。

口述試験の開始時刻は専攻ごとに9時30分または14時からと決まっていますが、受験生一人ひとりの終了時刻は募集要項に明示されていません。当日の集合時間や実施順は受験票印刷時や当日の案内で確認する必要があるため、移動や宿泊の計画には余裕を持たせておくと安心です。記述試験が課される選抜区分で記述試験を受けなかった場合は、口述試験を受けられない点もあわせて確認しておいてください。

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併願を考えるときの視点と内部リンク

金沢大学大学院人間社会環境研究科を第一志望としつつ併願先を考える場合、まず確認したいのは志望専攻の試験方式です。人文学専攻・地域創造学専攻は当日の筆記対策に時間を割く必要がある一方、経済学専攻・国際学専攻は出願前の書類作成(事前課題・卒業論文・研究レポート・研究計画書)に準備の重心が置かれます。併願校の試験日程や提出書類の締切と、この研究科の出願期間・選抜期日が重ならないかを早めに照合しておくことが、直前期の負担を減らします。

7月試験と12月試験という2つの出願機会があることも、併願戦略を立てるうえで押さえておきたい点です。7月試験に間に合わなくても12月試験(4月入学)という選択肢が残っているため、他大学院の合否結果を見てから金沢大学大学院人間社会環境研究科を検討する、という順番の併願も設計しやすくなっています。ただし公認心理師養成コースは12月試験の実施有無が7月試験の結果次第で決まるため、このコースを軸に併願を組む場合は9月中旬の告知を待つ必要があります。

準備の重心該当する専攻併願時に意識したいこと
当日の筆記対策人文学専攻、地域創造学専攻選抜期日(7月4日または12月19日)の午前中に、専門科目の答案作成力を仕上げておく必要がある
出願前の書類作成経済学専攻、国際学専攻事前課題(4,000字程度)や卒業論文・研究レポートを、出願期間(5月18〜22日または10月30日〜11月6日)までに完成させておく必要がある
口述試験のみデータプライバシー・エキスパート養成プログラム4コース、学内推薦特別選抜資格要件(統計調査士等)や在学要件を満たしているかを先に確認する

金沢大学大学院人間社会環境研究科は4専攻10コースとデジタル4コースを抱えるため、併願先の研究計画書をそのまま流用すると、どの専攻・コースにも当てはまる一般論で終わりやすくなります。人文学専攻・地域創造学専攻は口述試験で、経済学専攻・国際学専攻は事前課題や卒業論文と合わせて、「なぜこの専攻のこのコースでなければならないか」を指導希望教員の研究内容と接続して説明できているかが必ず確認されます。複数校の様式に合わせて字数や構成を調整するだけでなく、専攻ごとに異なる教育研究の目的や、指導を希望する教員の専門領域への理解を反映させることが、併願校が多い場合でも評価を下げないための工夫になります。

指導希望教員への事前連絡から始まり、専攻ごとに異なる記述試験・事前課題・研究計画書を仕上げていくこの研究科特有の準備の流れは、大学院入試対策の完全ガイドで解説している一般的な準備手順とあわせて確認すると、どこまでがこの研究科固有の対応で、どこからが大学院入試全般に共通する準備なのかを切り分けやすくなります。併願先を検討する段階では大学院入試の難易度ランキングで他研究科の傾向もあわせて確認しておくと安心です。専攻によって記述試験の有無や配点の中身がここまで変わる研究科は多くないため、自分の準備がこの研究科の評価軸に合っているかを、大学院入試対策コースのような専門的な指導を通じて第三者に確認してもらう価値は特に大きいといえます。

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よくある質問(FAQ)

経済学専攻と国際学専攻には専門科目の筆記試験がないのですか?

当日教室で解答する記述試験はありません。経済学専攻は出願時に提出する事前課題(和文4,000字程度・英文1,500語程度の研究計画に関する小論文)、国際学専攻は卒業論文または研究レポートの提出をもって、記述試験の200点に充てる仕組みです。口述試験では、これらの提出書類の内容が中心に問われます。

TOEICなどの外部英語スコアは全専攻で必要ですか?

全専攻ではありません。提出が必須なのは、経済学専攻の一般選抜(デジタル経済コースを除く)・外国人留学生特別選抜と、国際学専攻の一般選抜・社会人特別選抜・外国人留学生特別選抜です。人文学専攻・地域創造学専攻は外部スコアの提出を求めていません。TOEIC(L&R)・TOEFL-iBT(Home Editionを含む)・IELTSのいずれかで、TOEIC(L&R)-IPやTOEFL-ITPは使用できない点にも注意してください。

出願前に指導教員へ連絡しないと出願できませんか?

募集要項には「出願前までに指導希望教員と直接連絡を取り、指導希望教員に受験の内諾を得てください」と明記されています。研究科Webサイトの担当教員一覧から連絡先を確認し、研究科が公開しているメール文例に倣って、志願者自身が直接メールで連絡して受験の内諾を得る流れになります。

研究計画書は任意提出ですか?

いいえ、全専攻で出願時に提出する必須書類です。所定の様式1に、入学後の希望研究テーマ・これまでの研究分野・志望動機・今後の研究計画を具体的に記入します。経済学専攻の志願者(デジタル経済コース・学内推薦特別選抜を除く)は、事前課題との重複を避けるため研究計画書を1ページ以内に収めるよう指定されています。

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過去問はどこで確認できますか?

研究科Webサイトの「博士前期課程>過去の入試問題」ページで、人文学専攻・地域創造学専攻の過去問が2017年度前後から直近年度まで公開されています。経済学専攻・国際学専攻は当日の記述試験がないため過去問は存在しません。「受験者がいないコース・プログラムの過去問題は、公表していません」と明記されているため、志望するコース・プログラムによっては掲載がない場合があります。

データプライバシー・エキスパート養成プログラムとはどのようなプログラムですか?

令和8(2026)年4月に全専攻へ新設された、統計調査士または社会調査士(キャンディデイト)の資格取得者を対象とする日本語のみのプログラムです。人文学専攻のデジタル人文コースなど各専攻にコースが置かれ、一般選抜のみ(1次入試7月・2次入試12月)で募集し、口述試験のみ500点満点で選抜します。入学後4月に、資格を取得した人に限り所属専攻内での転コースを受け付けます。

倍率はどれくらいですか?

研究科は「倍率」という言葉を使った数値を公表していません。公表されているのは志願者数・合格者数・入学者数の実数のみです。令和8年度4月入学の実数では、専攻・回によって志願者数と合格者数がほぼ同数の回もあれば、志願者数が合格者数の2倍前後になる回もあり、年度によっても変動します。出願を検討する年度の最新の実数を、研究科Webサイトの入学者数等一覧で確認することをおすすめします。

英語だけで受験・修学することはできますか?

提出書類や選抜方法に特別な記載がない限り、入試は日本語で実施されます。英語での受験・修学を希望する場合は、事前に指導希望教員へ相談したうえで判断される仕組みです。ただし、令和8年4月に新設されたデータプライバシー・エキスパート養成プログラムは日本語のみで運営されるプログラムのため、このプログラムに限っては英語での受験はできません。

まとめ|金沢大学大学院人間社会環境研究科の外部院試は専攻ごとの選抜方式の違いから逆算する

金沢大学大学院人間社会環境研究科の外部院試は、人文学専攻・地域創造学専攻の「当日筆記+口述」型と、経済学専攻・国際学専攻の「出願前の書類作成+口述」型という、性格の異なる2つの選抜方式が同居しています。志望専攻がどちらの型にあたるかを最初に確認することが、準備計画を立てるうえでの出発点になります。

出願前の指導希望教員への連絡と研究計画書の作成は、専攻を問わず必須の準備です。7月試験と12月試験という2つの出願機会があることも踏まえながら、最新の学生募集要項を研究科Webサイトで確認し、出願資格・試験科目・日程を自分の状況に照らして早めに整理していきましょう。

倍率という数値がそもそも公表されていないこの研究科では、志願者数・合格者数の実数や過去問の公開状況といった一次情報を自分で読み解く作業自体が対策の一部になります。専攻ごとの選抜方式・出願資格・提出書類の違いを早期に整理し、指導希望教員への連絡から逆算したスケジュールで研究計画書と各専攻固有の試験対策を進めていくことが、外部院試を突破するための現実的な道筋です。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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