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埼玉大学工学部の編入試験を徹底解説|出願資格・試験科目・過去問対策・志望理由書・面接まで

埼玉大学工学部の編入試験を徹底解説の記事アイキャッチ画像。大学編入対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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埼玉大学工学部の編入試験は、高等専門学校・短期大学・大学等に在学または卒業した学生が、入学試験を経て第3年次(3年生)に編入学するための選抜制度で、埼玉大学の募集要項では正式に「第3年次編入学学生募集」と呼ばれています。募集対象は機械工学・システムデザイン学科、電気電子物理工学科、環境社会デザイン学科の3学科で、工学部を構成する5学科のうち情報工学科と応用化学科はこの編入学試験の募集対象に含まれていません。試験科目は数学のみの学力検査(300点)と合否判定のみの面接で構成され、英語や専門科目の筆記試験、小論文は課されません。本記事では、埼玉大学が公表している「令和9年度埼玉大学工学部第3年次編入学学生募集要項」を中心に、直近3年間(令和6〜8年度)の実施状況もあわせて、出願資格、試験科目と配点、日程、倍率、対策の考え方を整理します。年度によって数値や取り扱いが変わるため、出願前には必ず埼玉大学公式サイトの最新の募集要項をご確認ください。

なお、令和9年度の第3年次編入学試験(出願期間:令和8年6月8日〜12日、試験日:令和8年7月4日)は、埼玉大学の公表スケジュールに沿ってすでに実施済みです。次年度以降(令和10年度以降)の募集要項は、例年5月前後に新たに公表される傾向があり、本記事の執筆時点ではまだ公開されていません。これから受験を検討する場合は、本記事で示す出願資格・試験科目・過去3年間の実施状況といった変わりにくい情報を土台にしつつ、募集人員・出願期間・試験日といった年度で変動しやすい項目は、必ず埼玉大学公式サイトで最新の要項を確認するようにしてください。

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目次

①埼玉大学工学部の編入試験(第3年次編入学)の概要

埼玉大学工学部は、機械工学・システムデザイン学科、電気電子物理工学科、情報工学科、応用化学科、環境社会デザイン学科の5学科で構成されています。このうち第3年次編入学試験の募集対象になっているのは、機械工学・システムデザイン学科、電気電子物理工学科、環境社会デザイン学科の3学科のみで、情報工学科と応用化学科は編入学試験を実施していません。志望する分野が情報系や応用化学系にある場合、この編入学試験のルートでは入学できない点をまず確認しておく必要があります。埼玉大学はさいたま市桜区下大久保255にキャンパスを構える国立大学で、工学部の第3年次編入学試験は、一般選抜や学校推薦型選抜、総合型選抜などと並ぶ入学者受け入れ経路の一つとして、毎年一定のサイクルで実施されています。

工学部のアドミッション・ポリシー(入学者受け入れの方針)では、次のような人物像が求める学生像として掲げられています。

  • 高等学校までに学ぶべき事項を幅広く修得しているとともに、入学後の学修において特に必要となる数学、理科、英語の基礎学力を有している人
  • 国際的なプレゼンテーションやコミュニケーションの能力を修得するために必要な基礎学力を有している人
  • 知識を応用問題に活かすために、論理的思考ができる人
  • 工学の問題に関して知的好奇心が旺盛で、自ら学ぼうとする学習意欲のある人
  • 専門技術者として、グローバルな視点に立って国際社会に貢献する意欲のある人
  • 問題を整理し、解決方法を見出して、それを実践する意欲を有する人
  • 幅広い分野・世代の人との議論及び共同作業によって目的を達成する意欲を有する人

第3年次編入学試験については、募集要項の中でさらに具体的に「各学科のカリキュラム・ポリシーに適応可能な能力を見るために数学の試験を課す」こと、そして「面接を課し、他大学等での学修により身につけた理解力、論理的な思考力や表現力などを確認する」ことが明記されています。つまり埼玉大学工学部の編入試験は、専門知識の暗記量を問う試験というよりも、数学の基礎力と、これまでの学びを言語化して説明する力を見る試験だと理解しておくと、対策の方向性を絞りやすくなります。

募集対象となる3学科は、それぞれ学ぶ内容が大きく異なります。機械工学・システムデザイン学科は、材料・熱流体科学、設計生産科学、運動制御を基盤とし、「材料と力学」「エネルギーと流れ」「情報と制御」「設計と生産」といった機械工学の中核科目に加えて、種々の技術を統合・システム化する力を養うシステムデザイン関連の科目を扱います。学科のウェブサイトでは、異分野協働で技術の統合・産業化に取り組めるリーダーシップを備えた機械系技術者の育成を目指す、という方針が示されています。電気電子物理工学科は、「制御・エネルギー・環境」「材料・デバイス・光応用」「回路システム・情報通信」の3分野を軸に、3年次以降は自分の関心に応じて専門科目を選択していく構成です。プラズマや高電圧・大電流、環境センシング、ロボティクスといったテーマから、光・電子デバイス、半導体材料、太陽電池、スピントロニクスといったテーマまで、扱う研究領域は幅広くなっています。環境社会デザイン学科は、地盤・地圏、地震・防災、構造・材料、水理・環境、交通・計画という各分野から編成されており、従来の土木工学と地球科学、環境工学を統合した領域を扱います。道路・鉄道・上下水道・交通といった社会基盤施設の計画・設計・施工・維持管理や、河川などの環境整備、自然災害の軽減・防止に関する教育研究を行っており、環境社会基盤国際コースを通じて海外の協定校と合同セミナーを実施している点も特徴です。志望理由書や面接では、こうした学科ごとの分野構成を理解したうえで、自分がどの分野に取り組みたいのかを具体的に説明できるようにしておくことが重要です。

編入学の時期は毎年4月で、編入学年次は第3年次に固定されています。在学年限は休学期間を除いて6年までと定められているため、出身校での在学期間や修得単位の状況によっては、入学後のスケジュールにも影響します。出身校での修得単位は、学科が定めた認定基準にもとづいて個別に認定される仕組みで、認定される単位数は出身校の履修内容によって変わります。単位認定の詳細は募集要項だけでは分からない部分もあるため、不安がある場合は出願前に埼玉大学大学院理工学研究科支援室工学部係へ確認しておくと安心です。なお、出願書類等の送付先の部署名は、令和8年度募集要項では「埼玉大学工学部係」、令和9年度募集要項では「埼玉大学大学院理工学研究科支援室工学部係」に変わっており、組織名が年度によって更新されている点も、封筒の宛名を作成する際に確認しておきたいポイントです。

第3年次編入学試験は、埼玉大学工学部が毎年1回実施している入試区分です。出願から合格発表までのサイクルは、例年5月前後に募集要項が公表され、6月に出願、6〜7月に試験という流れで進みます。年度によって出願期間・試験日が数日から数週間ずれることはあっても、大枠のサイクルは安定して繰り返されているため、志望を決めた時点で前年度以前の募集要項を参考にしながら、おおまかな準備スケジュールを組み立てることができます。ただし、募集人員・試験科目・出願資格といった制度の根幹に関わる部分についても、変更が加えられる可能性がゼロではないため、最終的な判断は必ずその年度の募集要項で行ってください。

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②募集人員・出願資格

令和9年度埼玉大学工学部第3年次編入学学生募集要項によると、募集学科と募集人員は次のとおりです。3学科とも「若干名」という表記になっており、具体的な人数は公表されていません。この点は令和7年度・令和8年度の募集要項でも同様で、埼玉大学の編入学試験では毎年、学科ごとの募集人員を数値で示さない運用が続いています。

募集学科募集人員
機械工学・システムデザイン学科若干名
電気電子物理工学科若干名
環境社会デザイン学科若干名

出願資格は、募集要項に定められた6つの区分のいずれかに該当することが条件になります。高専・短大・大学在学など、経歴によって該当する区分が異なるため、自分がどの区分にあたるかを最初に確認してください。

区分出願資格の内容
(1)大学を卒業した者、または当該年度3月までに卒業見込みの者
(2)短期大学を卒業した者、または当該年度3月までに卒業見込みの者
(3)高等専門学校を卒業した者、または当該年度3月までに卒業見込みの者
(4)修業年限4年以上の大学において62単位以上を修得し、かつ2年以上在学した者、または当該年度3月までに同要件を満たす見込みの者
(5)専修学校の専門課程(修業年限2年以上、かつ総授業時数1,700時間以上または62単位以上)を修了した者、または当該年度3月までに修了見込みの者。ただし学校教育法第90条第1項に規定する大学入学資格を有する者に限る
(6)外国において学校教育における14年以上の課程を修了した者、または当該年度3月までに修了見込みの者

区分(4)は、いわゆる大学2年次在学者からの受験に対応した規定で、修業年限4年以上の大学であることと、62単位以上の修得、2年以上の在学という3つの条件をすべて満たす必要があります。3年制の短期大学や、修業年限が4年未満の課程はこの区分の対象にならないため、募集要項の文言を正確に読み違えないよう注意してください。また区分(5)の専修学校専門課程は、単に2年以上の課程というだけでなく、大学入学資格を有する者に限定されている点も見落としやすいポイントです。卒業見込みで出願した場合、翌年3月末までに所定の要件を実際に満たせなければ入学は許可されません。見込みで受験する場合は、単位の取得状況や卒業要件の充足見通しを、出願前に出身校の教務窓口などで確認しておくことをおすすめします。

出願資格の該当区分が確認できたら、次に取りかかりたいのが出願書類の準備です。成績証明書や卒業(見込)証明書は出身学校長・学部長の発行が必要で、申請から発行までに数日から数週間かかる学校もあります。高専・大学・専修学校それぞれで発行手続きの締切や必要日数が異なるため、出願期間の直前に慌てて申請することがないよう、出願を検討し始めた段階で発行方法を確認しておくと安心です。出願準備の段階で確認しておきたい項目を整理すると、次のとおりです。

  • 自分がどの出願資格区分(1)〜(6)に該当するか
  • 成績証明書・卒業(見込)証明書の発行申請先と、発行にかかる日数
  • 志望の理由を作成するための指定様式の入手方法
  • 入学検定料30,000円の支払い方法と支払い期限
  • 出願書類の郵送方法(簡易書留速達郵便)と、出願期間内必着という締切の性質

外国人留学生として出願する場合は、在留カードの写しまたは住民票等(在留資格・在留期間の明記されたもの)の提出が必要で、出願時に日本国内に在住していない場合はパスポートの写しで代替する規定になっています。外国語で作成された証明書類には日本語の訳文(本人作成でも可)が必須となる点もあわせて確認してください。

3学科のうち、どの学科に出願資格を満たす自分が向いているかは、出願資格の該当区分よりも、これまでの学習歴と志望分野の一致度で判断するのが基本です。工業高専の機械系学科や、大学の機械工学系学科で学んできた場合は機械工学・システムデザイン学科、電気系・電子系・物理系の学科で学んできた場合は電気電子物理工学科、土木・建設系や環境系の学科で学んできた場合は環境社会デザイン学科が、それぞれ既習内容との接続が図りやすい選択肢になります。出身分野と志望学科が離れているほど、面接での説明に工夫が必要になるため、専門外からの出願を検討している場合は、志望の理由の中で既習内容と志望分野をどうつなげるかを、早い段階から言語化しておくことをおすすめします。

出願資格や出願書類について不明な点がある場合の問い合わせ先は、埼玉大学大学院理工学研究科支援室工学部係です。電話番号は048-858-3429で、受付時間は平日9時から17時までとなっています。募集要項には、問い合わせは原則として志願者本人が行うよう案内されており、保護者や第三者が代理で問い合わせることは想定されていません。出願書類の送付先住所は〒338-8570 さいたま市桜区下大久保255で、封筒の宛名には出願書類提出用の宛名シートを印刷して貼り付ける方式が指定されています。

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③試験科目と配点

埼玉大学工学部の第3年次編入学試験は、3学科とも同一日程・同一問題で実施され、試験科目は数学のみです。募集要項に記載された選抜方法は次のとおりです。

教科等時間出題範囲配点
数学10:00〜11:30(90分)微分積分学、線形代数、常微分方程式300点
面接13:30〜得点化せず、合・否の判定のみ

この配点表からわかるとおり、合否の順位づけは数学300点の得点のみで行われます。選抜方法の項目には「あらかじめ決められた配点により、学力検査の成績に基づいて順位を付けて合否を決定しますが、面接が一定の評価基準に達しない者は、不合格とします」と明記されています。つまり、数学の得点で上位に入ることが合格の前提条件になる一方で、面接で一定の水準に達しなければ、数学の得点にかかわらず不合格になり得るという二段構えの仕組みです。面接は加点要素ではなく、足切りに近い役割を持っていると理解しておくとよいでしょう。

過去のテンプレート的な編入対策情報では、英語や専門科目、小論文が出題科目として紹介されることがありますが、埼玉大学工学部の編入試験にはこれらの科目は含まれていません。募集要項を確認するかぎり、英語の独自試験や外部英語スコア(TOEIC・TOEFLなど)の提出も求められておらず、専門科目の筆記試験や小論文も課されていません。試験科目は数学一本化されているため、対策の優先順位も自然と絞り込みやすくなります。ただし、面接では電気電子物理工学科のみ「大学の第1・2年次に修得する専門的知識の有無を問うことがあります」という注記があり、この学科を志望する場合は面接で専門的な内容を聞かれる可能性を踏まえて準備しておく必要があります。機械工学・システムデザイン学科と環境社会デザイン学科については、募集要項上こうした専門知識に関する明示的な注記はありません。

出願にあたって提出が必要な書類は、次のとおりです。

出願書類内容・注意点
編入学志願票インターネット出願サイトで登録し、検定料支払い後に印刷
成績証明書出身学校長または学部長が作成したもの
卒業(見込)・修了(見込)証明書出身学校長または学部長が作成したもの。出願資格(4)の場合は提出不要
志望の理由本人が記載。埼玉大学ホームページ掲載の指定様式を利用
在留カードの写しまたは住民票等外国人留学生のみ提出
証明書等の翻訳文外国語で作成された証明書がある場合、日本語訳を添付

「志望の理由」は、自由書式ではなく大学が指定する様式を使用する必要がある提出書類です。任意提出ではなく必須の出願書類として位置づけられているため、出願書類をそろえる段階で早めに様式を入手し、内容を練っておく必要があります。この志望の理由は、募集要項上「面接の際に使用し、総合的な判断に用います」と説明されており、面接での質疑応答のベースになる資料でもあります。入学検定料は30,000円で、クレジットカード、ネットバンキング、コンビニエンスストア、ペイジー対応銀行ATMのいずれかで支払う方式です。

出願の手続きは、大きく分けて「志願者登録」「入学検定料の支払い」「出願書類の印刷と郵送」の3段階で進みます。まずインターネット出願サイトでメールアドレスを登録し、マイページを作成したうえで、志望学部・学科などの出願内容を入力します。次に、クレジットカード決済であればその場で、コンビニエンスストアやペイジー対応銀行ATMであれば発行された番号をもとに、指定の支払期限までに検定料を納付します。検定料の支払いが完了して初めて、出願書類一式のPDFがダウンロード可能になる仕組みで、支払い前の時点では書類を印刷できません。印刷した志願票や宛名シートに、成績証明書・卒業(見込)証明書・志望の理由などを封筒にまとめて同封し、簡易書留速達郵便で郵送した時点で、出願手続きが完了します。マイページ上で登録しただけでは出願は完了していないため、必ず書類を郵送するところまで終える必要があります。

出願にあたっては、いくつかの注意事項も明記されています。出願手続き後の記載事項の変更は原則認められず、住所や電話番号の変更があった場合のみ、埼玉大学大学院理工学研究科支援室工学部係へ連絡する必要があります。提出書類の記載事項と事実が相違していた場合、入学後でも入学が取り消されることがある点も明記されているため、証明書の内容と志願票の記載内容に食い違いがないか、提出前に必ず見直してください。また、既納の検定料は原則として返還されませんが、検定料を払い込んだのに出願しなかった場合や、誤って二重に払い込んだ場合など、一部のケースに限り返還請求ができる規定があります。

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④日程・スケジュール

令和9年度埼玉大学工学部第3年次編入学学生募集要項に示された日程は、次のとおりです。あわせて、1年前の令和8年度の実績日程も参考として示します。

項目令和9年度(直近実績)令和8年度(参考)
出願登録・検定料納入開始6月1日(月)から可能6月1日(日)から可能
出願期間(必着)6月8日(月)〜6月12日(金)6月2日(月)〜6月6日(金)
受験票配信予定日6月19日(金)―(出願受付終了後〜試験前日)
試験日7月4日(土)6月28日(土)
試験時間数学10:00〜11:30、面接13:30〜同左
合格通知書の閲覧・合否照会開始7月14日(火)14:007月15日(火)
合否照会期間(WEB速報)7月14日(火)14:00〜7月17日(金)17:007月15日(火)〜7月18日(金)17:00
入学手続日(持参)12月17日(木)9:00〜17:00(予定)12月11日(木)9時〜17時(予定)

この比較からわかるとおり、出願期間・試験日は年によって1週間前後前後するものの、6月上旬に出願、6月末から7月上旬の土曜日に試験、試験から10日前後で合格発表という大まかなサイクルは共通しています。工学部の第3年次編入学試験は、埼玉大学の他の入試区分よりも出願登録の開始が早く設定されており、募集要項にも「工学部3年次編入学試験については6月1日から入力・登録可能」という特記があります。出願準備は、試験の前年度末から始めるくらいの気持ちで、証明書の発行スケジュールや志望の理由の作成を進めておくと、直前に慌てずに済みます。

出願方法はインターネット出願のみで、志願者登録と検定料の支払いをオンラインで行ったうえで、印刷した出願書類一式を封筒にまとめ、簡易書留速達郵便で郵送する必要があります。大学窓口への直接持参は受け付けられません。出願期間の最終日を過ぎて到着した書類は、一定の消印日までのものに限り例外的に受理される規定がありますが、これは救済措置であって前提にすべきものではないため、余裕を持った投函を心がけてください。合格発表は掲示では行われず、合格者にはインターネット出願サイトのマイページで「合格通知書」が交付される方式です。電話での合否結果の問い合わせには一切応じない旨も明記されています。補助手段として、WEB上の合否照会システムでも速報を確認できますが、これはあくまで簡易的な確認手段という位置づけです。

入学手続は入学予定年の12月に設定されており、試験からおよそ5か月の期間が空きます。入学手続日には、埼玉大学工学部第3年次編入学受験票と、大学が指定するその他の書類の提出が必要です。入学料は282,000円(令和9年度予定額)で、授業料は前年度実績で前期267,900円・年額535,800円となっています。入学料・授業料は改定される可能性があるため、確定額は合格後に届く案内で確認する必要があります。経済的理由で納入が著しく困難な場合は、選考のうえ免除・徴収猶予の制度が用意されており、詳細は合格者に個別に案内される仕組みです。

試験成績の開示についても年度で扱いが変わっており、令和9年度募集要項では「開示対象者は不合格となった受験者本人に限る」と明記されました。開示される内容は数学の得点と順位で、請求期間は例年4月中旬から5月下旬に設定されています。開示を請求する際は、専用の請求書と返信用封筒(簡易書留・切手貼付済み)を、本人確認のための受験票のコピー不可の原本とあわせて郵送する必要があり、開示方法は郵送のみで、電話や窓口での回答は行われません。受験票は試験当日の持参だけでなく、入学手続や情報開示請求の際にも必要になるため、試験が終わった後も一定期間は大切に保管しておく必要があります。受験票はインターネット出願システムからダウンロードしてA4片面で印刷する方式で、郵送は行われません。スマートフォンなどの画面表示による提示は受験票として認められないため、試験当日までに必ず紙で印刷しておく必要があります。

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⑤倍率・難易度

埼玉大学工学部は、令和9年度募集要項に過去3年度分の志願者数・合格者数を公表しています。学科ごとの推移は次のとおりです。

学科令和6年度令和7年度令和8年度
機械工学・システムデザイン学科志願32名/合格2名志願27名/合格2名志願34名/合格1名
電気電子物理工学科志願23名/合格6名志願29名/合格7名志願35名/合格6名
環境社会デザイン学科志願18名/合格5名志願17名/合格5名志願14名/合格5名

この人数から単純に倍率(志願者数÷合格者数)を計算すると、機械工学・システムデザイン学科は令和6年度が約16.0倍、令和7年度が約13.5倍、令和8年度は34名の志願に対して合格1名で約34.0倍という結果になります。3学科の中でもっとも狭き門になっているのが機械工学・システムデザイン学科で、直近3年間で倍率が上昇傾向にある点は、対策計画を立てるうえで踏まえておくべき事実です。電気電子物理工学科は、令和6年度が約3.8倍、令和7年度が約4.1倍、令和8年度が約5.8倍で、機械工学・システムデザイン学科ほどではないものの、こちらも緩やかに難化しています。環境社会デザイン学科は、令和6年度が3.6倍、令和7年度が3.4倍、令和8年度が2.8倍と、3学科の中では最も安定して志願者数に対する合格者数の割合が高く推移しています。

ただし、これらの倍率はあくまで単純計算であり、試験自体が数学一発勝負に近い構成である点を踏まえると、一般的な多科目入試の倍率とは意味合いが異なります。試験科目が数学のみである以上、倍率の数値そのものよりも、90分・300点の数学でどれだけ得点を積み上げられるかが合否を分けます。募集人員が「若干名」で固定されているため、志願者数が多い年ほど、また合格者数が少ない学科ほど、要求される得点水準は相対的に上がると考えられます。志望学科を決める際は、倍率の数値だけでなく、自分がその学科の分野(機械系・電気電子系・環境社会系)に本当に取り組みたいかどうかを優先して判断することをおすすめします。倍率を理由に学科を選ぶと、入学後の学びとのミスマッチが生じやすくなるためです。

また、選抜方法の項目にあるとおり、面接が一定の評価基準に達しない場合は、数学の得点にかかわらず不合格になります。合格者数は数学の得点上位者すべてが自動的に合格するわけではないと考えられるため、志願者数と合格者数の比率だけを見て「この学科なら数学さえできれば通る」と単純化しない方が安全です。過去3年間の合格者数は、機械工学・システムデザイン学科が1〜2名、電気電子物理工学科が6〜7名、環境社会デザイン学科が5名で、いずれの学科も合格者数そのものが少人数にとどまっています。少人数選抜である以上、1点の差が合否を分ける可能性が高く、数学の演習量と過去問分析の精度が、そのまま合格可能性に直結すると考えて準備を進めることをおすすめします。

機械工学・システムデザイン学科の倍率が3学科の中で突出して高い背景には、募集人員が「若干名」のまま据え置かれている一方で、志願者数が令和6年度の32名から令和8年度の34名までおおむね高水準で推移している事情があります。合格者数自体は令和7年度2名から令和8年度1名へとむしろ減少しており、志願者数の増減以上に、その年に合格ラインへ届いた受験生の人数が少なかったことが、結果として高い倍率につながったと考えられます。逆に環境社会デザイン学科は、志願者数が令和6年度18名から令和8年度14名へと緩やかに減少する一方、合格者数は3年連続で5名を維持しており、3学科の中では最も予測しやすい選抜状況が続いています。こうした年度ごとのばらつきがあるからこそ、直近1年分の数値だけで難易度を判断せず、複数年の推移を確認したうえで準備量を見積もることが大切です。

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⑥科目別対策(数学)

埼玉大学工学部の編入試験対策は、実質的に数学対策とイコールです。出題範囲は微分積分学、線形代数、常微分方程式の3分野に限定されており、90分で300点分を解答する形式です。出題範囲が明確に絞られていることは、対策計画を立てるうえで大きな利点です。範囲を広げすぎず、この3分野を高専・大学教養レベルで確実に得点できる状態まで仕上げることが、最初の目標になります。

微分積分学では、1変数の微分・積分の計算力に加えて、偏微分、重積分、級数展開など多変数への拡張範囲まで問われる可能性があります。線形代数では、行列の基本演算、行列式、固有値・固有ベクトル、連立方程式の解法といった標準的な単元が対象になります。常微分方程式は、変数分離形や線形微分方程式など基本的な解法パターンを、公式の暗記だけでなく、なぜその解法が使えるのかという理解とセットで身につけておくと、応用的な出題にも対応しやすくなります。3分野とも、公式を覚えるだけでは対応できない計算量の多い問題が出題される可能性があるため、時間内に正確に計算をやりきる訓練が欠かせません。

過去問の入手方法は、埼玉大学が募集要項で案内している2つの方法があります。ひとつは、埼玉大学大学院理工学研究科支援室工学部係の窓口(全学講義棟1号館1階)へ来学して閲覧する方法で、平日8時45分から16時45分まで対応しています。もうひとつは、インターネット上での閲覧で、令和9年度の募集要項では外部サイト「サイバーカレッジ」を通じて過去問題を閲覧できると案内されています。過去問の公開方法は年度によって変更される場合があるため、利用する際は募集要項に記載された最新のリンク先や利用規約を確認したうえで進めてください。また、埼玉大学工学部のニュース・トピックスのページでも、直近年度の入試問題が掲載されていた実績があります。いずれの方法でも、閲覧できる過去問は直近3年分が目安になるため、年度をまたいで出題形式や単元の偏りを比較できるよう、解いた問題は必ず記録しておきましょう。

90分で300点分を解答する試験時間の使い方も、対策の重要な要素です。大問がいくつ出題されるかは年度によって変わり得るため、まずは過去問を時間を計って解き、大問ごとにどのくらいの時間配分が必要かを把握してください。計算ミスによる失点を防ぐ検算の習慣をつけておくと、本番での取りこぼしを減らせます。数学以外の対策としては、面接で聞かれる可能性のある専門的な内容(特に電気電子物理工学科志望者)に備えて、出身校で履修した専門科目の基本事項を、自分の言葉で説明できる状態にしておくことも有効です。

出題範囲の3分野を、もう少し具体的な単元まで分解すると、次のような項目が対策の対象になります。

分野対策で押さえたい主な単元
微分積分学極限、1変数関数の微分・積分、テイラー展開・級数、偏微分、全微分、重積分、広義積分
線形代数行列の基本演算、行列式、逆行列、連立1次方程式の解法、固有値・固有ベクトル、階数(ランク)
常微分方程式変数分離形、1階線形微分方程式、2階線形微分方程式(斉次・非斉次)、定数係数の微分方程式

これらの単元は、高専の専門科目や大学教養課程の微分積分学・線形代数の授業で扱う標準的な内容と重なります。出身校の授業ですでに履修済みの単元は復習中心にとどめ、未履修または理解が浅い単元に学習時間を優先的に配分すると、限られた準備期間を効率よく使えます。特に多変数関数の偏微分・重積分や、2階線形微分方程式の非斉次方程式(特殊解の求め方)は、1変数の微積分だけを学んできた受験生にとって新しく学ぶ内容になりやすいため、早めに着手しておくことをおすすめします。

準備期間の目安として、出願・試験までの学習スケジュールを整理すると、次のようになります。

時期取り組むこと
半年以上前募集要項と出願資格を確認し、微分積分学・線形代数・常微分方程式の基礎を教科書レベルで一巡させる
3〜4か月前過去問を入手し、出題形式・単元の偏り・必要な計算量を分析しながら、弱点単元の演習を重ねる
1〜2か月前時間を計って過去問・類題を解き、90分で大問をどう配分するかを固める。志望の理由の初稿を作成する
出願期間中成績証明書・卒業(見込)証明書などの発行状況を確認し、志望の理由を完成させて出願書類を郵送する
直前期数学の頻出単元・過去に間違えた問題を見直し、面接想定問答(特に電気電子物理工学科志望者は専門知識の確認)を仕上げる

数学の演習を進める際は、解けた問題と解けなかった問題を分けて記録し、解けなかった問題は答えを見て終わりにせず、自力で解答を再現できるまで繰り返すことが効果の出やすい方法です。特に線形代数の固有値・固有ベクトル問題や、常微分方程式の非斉次方程式は、解法のパターンを覚えているつもりでも、実際に手を動かすと計算の途中でつまずくことが少なくありません。1回で理解した気になるのではなく、同じ問題を期間を空けて複数回解き直し、毎回同じ手順で正解にたどり着けるかを確認することで、本番の緊張下でも手が止まらない状態に近づけます。また、90分という試験時間の中では、難しい問題に固執して時間を使い切ってしまうと、他の問題で得点できたはずの点数を落とすことになりかねません。分からない問題は一旦保留し、解ける問題から確実に得点するという試験時間中の判断力も、過去問演習を通じて養っておく必要があります。

⑦面接・志望理由書・過去問分析(出題予測)

志望の理由(提出書類)の書き方

埼玉大学工学部の編入試験で提出する「志望の理由」は、大学指定の様式を使う必須書類であり、面接時に参照される資料でもあります。一般論や大学名への憧れだけを書いても説得力は生まれません。効果的な志望の理由に共通するのは、これまでの学習歴(出身校でどのような科目・実験・演習に取り組んできたか)、志望する学科の分野(機械系・電気電子系・環境社会系のどの領域か)、その分野を埼玉大学工学部で学びたい理由、入学後に取り組みたい内容という流れが、一本の筋でつながっている点です。

特に、志望する学科の分野構成を理解したうえで書くことが重要です。機械工学・システムデザイン学科を志望する場合は、材料・熱流体科学、設計生産科学、運動制御といった分野のどこに関心があるのかを具体的に書けると、書類に説得力が生まれます。電気電子物理工学科を志望する場合は、「制御・エネルギー・環境」「材料・デバイス・光応用」「回路システム・情報通信」のうち、自分の既習内容や関心がどの分野に近いのかを明確にしておくとよいでしょう。環境社会デザイン学科の場合は、地盤・地圏、地震・防災、構造・材料、水理・環境、交通・計画という分野構成の中から自分の問題意識に合うテーマを選び、具体的な事例や経験と結びつけて説明すると伝わりやすくなります。

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面接で聞かれること・学科ごとの違い

面接は得点化されず、合否判定のみに使われますが、一定の評価基準に達しない場合は不合格になるという重要な位置づけを持っています。募集要項の記載から、面接では他大学等での学修によって身につけた理解力、論理的な思考力、表現力が確認されると考えられます。具体的には、志望の理由に書いた内容の深掘り、これまでの学習歴の説明、志望学科で学びたい内容の説明、入学後の学習計画などが質問される可能性が高いといえます。

電気電子物理工学科については、募集要項に「面接では、大学の第1・2年次に修得する専門的知識の有無を問うことがあります」という注記が明記されています。この注記があるのは3学科の中で電気電子物理工学科のみです。この学科を志望する場合は、電気回路、電磁気学、電子工学の基礎など、大学1・2年次で学ぶ標準的な内容を、出身校の履修状況に応じて復習しておく必要があります。機械工学・システムデザイン学科と環境社会デザイン学科については、募集要項上こうした専門知識に関する明示的な注記はありませんが、志望の理由に書いた内容と矛盾のない受け答えができるよう、基本的な専門用語は自分の言葉で説明できるようにしておくと安心です。

面接で聞かれる可能性のある質問を、募集要項の記載や志望の理由の位置づけから想定すると、次のような項目が挙げられます。

  • なぜ埼玉大学工学部、なぜこの学科を志望するのか
  • 出身校でこれまでどのような科目・実験・演習に取り組んできたか
  • 志望する学科で具体的にどの分野(機械系・電気電子系・環境社会系のどのテーマ)を学びたいか
  • 数学の試験対策として、どのように学習を進めてきたか
  • 編入学後、6年以内という在学年限の中でどのように学修計画を立てるか
  • (電気電子物理工学科志望の場合)大学1・2年次に相当する専門科目の基礎知識

これらはあくまで募集要項の記載から想定される項目であり、実際の質問内容や順序は年度・面接担当者によって変わり得ます。丸暗記した回答を再現するのではなく、志望の理由に書いた内容を自分の言葉で説明し直せる状態を作っておくことが、面接対策の本質的な目的になります。

試験当日の持ち物や注意事項は、募集要項そのものではなく、受験票と同時にダウンロードされる「受験案内」に記載される仕組みになっています。電卓や辞書などの持ち込み可否は受験案内で個別に案内されるため、募集要項の記載だけで判断せず、受験票がダウンロード可能になった時点で必ず受験案内の内容を確認してください。受験票はA4片面で印刷し、スマートフォンなどの画面表示では入室が認められないため、試験前日までに印刷を済ませておく必要があります。

過去問分析からみる出題傾向(募集要項ベースの出題予測)

埼玉大学工学部の編入試験の過去問は、大学の窓口またはサイバーカレッジを通じて閲覧できますが、本記事では長文の転載は行わず、募集要項に明記された出題範囲から読み取れる傾向を整理します。出題範囲が「微分積分学、線形代数、常微分方程式」の3分野に固定されている点から、毎年この3分野からまんべんなく出題される可能性が高いと予測できます。3学科共通の試験問題であることも踏まえると、特定学科の専門性に偏った出題ではなく、工学系の学部で共通して必要とされる数学の基礎力・応用力を測る問題構成になっていると考えられます。

過去問を実際に入手できた場合は、年度ごとに大問数、各大問の分野(微分積分・線形代数・常微分方程式のどれに該当するか)、記述式か計算のみかといった出題形式、必要な計算量を記録し、自分の得意・不得意と照らし合わせて優先順位をつけてください。90分という試験時間を踏まえると、全問を丁寧に解こうとして時間切れになるリスクもあるため、過去問演習の段階から時間配分の感覚を養っておくことが、本番での得点最大化につながります。過去問が入手できない、または閲覧できる年数が限られている場合は、高専や大学工学部の教養課程で使われる標準的な微分積分学・線形代数・常微分方程式の教科書・問題集で類題演習を重ね、出題範囲に沿った基礎力を底上げする方針が現実的です。

3学科共通の試験問題であるという事実からは、もうひとつの出題予測が導けます。学科ごとの専門分野(機械・電気電子・環境社会)にかかわらず正答できる内容である必要がある以上、特定の専門分野に強く依存した応用問題よりも、汎用性の高い計算・証明が中心になりやすいと考えられます。電気電子物理工学科の面接だけに専門知識の確認という注記が付いている裏を返せば、数学の学力検査そのものは学科の専門性を問う設計にはなっていないと読み取れます。したがって対策の軸足は、特定学科の専門知識ではなく、微分積分学・線形代数・常微分方程式という3分野の基礎から応用までを、幅広い問題形式に対応できる形で仕上げることに置くのが合理的です。

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⑧併願戦略・内部リンク

埼玉大学工学部の第3年次編入学試験は、例年6月末から7月上旬の土曜日に実施されます。この時期は他の国立大学工学部の編入試験とも重なりやすいため、併願を検討する場合は、志望する複数の大学の試験日程を早めに一覧化し、出願期間・試験日・合格発表日が重複していないかを確認しておく必要があります。出願書類の準備(証明書の発行や志望の理由の作成)も大学ごとに様式が異なるため、併願校が多いほど準備の負担は大きくなります。

他大学の工学部・学域の編入試験についても、募集要項ベースで出願資格や試験科目、面接・志望理由書の傾向を整理した記事を公開しています。併願候補を検討する際の参考としてご覧ください。東北大学工学部の編入試験を徹底解説では高専・工学系短大出身者を対象とした共通科目と専門科目の構成を、金沢大学融合学域の編入試験を徹底解説では英語外部試験・小論文・口述試験による選抜の仕組みを、兵庫県立大学工学部の編入試験を徹底解説ではコースごとに専門科目が異なる出題構成を取り上げています。大学ごとに試験科目の構成がまったく異なるため、埼玉大学の数学一本化された試験だけを基準に対策範囲を判断しないよう注意してください。

大学編入という制度そのものの仕組みや、難易度、費用、出願から入学までのスケジュールについて幅広く整理した記事として、大学編入とは?仕組み・難易度・費用・スケジュールを徹底解説【完全ガイド】もあわせてご確認ください。編入試験は大学ごとに出願資格・試験科目・選抜方法が大きく異なるため、志望校を1校に絞り込む前に、複数校の要項を比較しておくことをおすすめします。数学の対策と併願校ごとの書類・面接対策を並行して進める必要がある場合、独学だけで管理しきれないと感じたときは、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入対策コースのように、大学編入に特化した個別指導を活用して、科目対策と出願スケジュール管理を同時に整理する方法もあります。

併願校のスケジュールを整理する際は、出願期間の開始・締切、試験日、合格発表日、入学手続日をひとつの表にまとめておくと、証明書の発行依頼や志望の理由の作成が重ならないよう調整しやすくなります。埼玉大学工学部は出願登録が6月1日から可能で、出願期間は6月上旬から中旬、試験日は6月末から7月上旬という比較的早い時期に設定されています。他大学の編入試験の中には、これより早い時期や、逆に秋以降に実施される大学もあるため、併願を検討する場合は自分が受験を希望する全ての大学・学科の日程を一覧化し、証明書の発行申請や志望の理由の作成、面接練習のスケジュールが特定の週に集中しすぎないよう分散させておくことをおすすめします。

試験科目の構成は大学によって大きく異なります。埼玉大学工学部が数学のみの学力検査と合否判定用の面接という構成であるのに対し、他大学の工学系編入試験では、数学に加えて専門科目の筆答試験や英語外部スコア(TOEIC・TOEFLなど)の提出、小論文、口述試験などを組み合わせているケースがあります。併願校ごとに必要な対策科目がまったく違うため、埼玉大学の対策で身につけた数学力がそのまま他大学で通用するとは限らない一方、微分積分学・線形代数といった基礎数学の力は多くの大学の専門科目の土台にもなります。併願校を決める際は、科目の重なりが大きい大学同士を組み合わせると、限られた準備期間を効率的に使いやすくなります。

併願を検討する段階で確認しておきたい項目を整理すると、次のとおりです。

  • 各大学の出願期間・試験日・合格発表日が重複していないか
  • 各大学で求められる試験科目(数学・専門科目・英語・小論文・面接の有無)
  • 証明書や志望の理由など、大学ごとに異なる提出書類の様式と発行にかかる日数
  • 入学手続日や入学金の納付期限が、他大学の合格発表と重ならないか

特に、埼玉大学工学部のように合格発表から入学手続までの期間が数か月ある大学と、合格発表後すぐに入学手続の意思表示が必要な大学を併願する場合は、どちらを優先するかを事前に決めておくと、合格後の判断に迷いにくくなります。

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よくある質問(FAQ)

埼玉大学工学部の編入試験の募集人員は何名ですか。

機械工学・システムデザイン学科、電気電子物理工学科、環境社会デザイン学科の3学科とも「若干名」と公表されており、具体的な数値は示されていません。令和6〜8年度の志願者数・合格者数の実績を参考にすることはできますが、募集人員そのものは年度・学科ごとに固定されていない点にご注意ください。

試験科目は数学だけですか。英語や専門科目はありませんか。

令和9年度募集要項によると、学力検査は数学(300点、出題範囲は微分積分学・線形代数・常微分方程式)のみで、英語の独自試験や外部スコアの提出、専門科目の筆記試験、小論文は課されていません。面接は実施されますが得点化されず、合否判定のみに使われます。

面接では何を聞かれますか。

募集要項の記載から、他大学等での学修により身につけた理解力、論理的な思考力や表現力が確認されると考えられます。志望の理由に書いた内容の深掘りや、これまでの学習歴、入学後に学びたい内容が質問される可能性が高いといえます。電気電子物理工学科のみ、大学の第1・2年次に修得する専門的知識の有無を問われることがあると明記されています。

出願資格はどの区分に該当するか自分で判断できますか。

大学卒業(見込み)、短大卒業(見込み)、高専卒業(見込み)、大学在学で62単位以上・2年以上在学、専修学校専門課程修了(見込み)、外国での14年以上の課程修了という6区分が定められています。区分によって必要な証明書や条件が異なるため、少しでも判断に迷う場合は、埼玉大学大学院理工学研究科支援室工学部係に事前に問い合わせることをおすすめします。

倍率はどれくらいですか。

令和6〜8年度の実績では、機械工学・システムデザイン学科が約13.5〜34.0倍、電気電子物理工学科が約3.8〜5.8倍、環境社会デザイン学科が約2.8〜3.6倍で推移しています。試験科目が数学一本化されているため、一般的な多科目入試の倍率とは意味合いが異なる点に留意してください。

過去問はどこで確認できますか。

埼玉大学大学院理工学研究科支援室工学部係の窓口での閲覧と、インターネット上での閲覧(令和9年度は外部サイト「サイバーカレッジ」を案内)の2つの方法があります。公開方法や公開年数は年度によって変わる場合があるため、最新の募集要項に記載されたリンク先や利用条件を確認してください。

合格発表はいつ、どのように分かりますか。

掲示による発表は行われず、合格者にはインターネット出願サイトのマイページで合格通知書が交付されます。あわせてWEB上の合否照会システムで速報を確認できる期間が数日間設けられていますが、電話での問い合わせには一切対応していません。合格通知書は、試験翌年3月末まで長期間マイページから閲覧できる設定になっています。出願はインターネット出願サイトでの登録・検定料支払いのうえ、印刷した出願書類一式を簡易書留速達郵便で郵送する方法のみで、大学窓口への直接持参は受け付けられません

情報工学科や応用化学科に編入学することはできますか。

できません。埼玉大学工学部の第3年次編入学試験は、機械工学・システムデザイン学科、電気電子物理工学科、環境社会デザイン学科の3学科のみを募集対象としており、情報工学科と応用化学科はこの編入学試験を実施していません。情報系・応用化学系を志望する場合は、他大学の編入学試験や、埼玉大学の別の入試区分に該当するものがないか、公式サイトで確認する必要があります。

まとめ

埼玉大学工学部の第3年次編入学試験は、機械工学・システムデザイン学科、電気電子物理工学科、環境社会デザイン学科の3学科を対象に、数学300点の学力検査と合否判定のみの面接という、比較的シンプルな科目構成で実施されています。出題範囲が微分積分学・線形代数・常微分方程式に絞られているぶん、90分でどれだけ正確に得点を積み上げられるかが合否を左右します。倍率は学科によって差があり、特に機械工学・システムデザイン学科は直近3年間で難化傾向にあるため、志望学科は倍率だけでなく学びたい分野との一致度も踏まえて検討してください。

出願は6月上旬からのインターネット出願のみで、証明書や志望の理由といった提出書類の準備には一定の時間がかかります。出願期間・試験日・提出書類の様式は年度ごとに変わる可能性があるため、この記事の内容を出発点としつつ、出願前には必ず埼玉大学公式サイトで最新の募集要項を確認したうえで準備を進めてください。数学の演習と、学科の分野構成を踏まえた志望の理由・面接対策を並行して進めることが、限られた募集人員の中で合格の可能性を高める現実的な道筋になります。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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