ご質問やお問い合わせはお気軽に
東京外国語大学の編入試験まとめ|言語文化・国際社会学部の難易度と対策

東京外国語大学の編入は、言語文化学部・国際社会学部の第3年次編入学試験として実施されており、それぞれ募集人員は10人です。選抜は「第1次選考(書類選考)」と「第2次選考(筆答試験+口頭試問)」の2段階で行われ、専攻言語として英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・ロシア語を選ぶ場合は、外部試験のスコアが筆答試験の代わりにそのまま評価されます。つまり東京外国語大学 編入を目指すうえで、外部試験のスコアメイクは実質的な最初の関門といえます。
直近の公式データを見ると、2026(令和8)年度は言語文化学部が志願45人に対して最終合格11人(倍率は単純計算で約4.1倍)、国際社会学部は志願26人に対して合格10人でした。年度によっては国際社会学部のように、合格者数が募集人員(10人)を下回ることも実際に起きています。数字だけを見ると難しそうに感じるかもしれませんが、東京外国語大学の編入試験は審査の観点が募集要項に比較的明確に示されているため、対策の筋道は立てやすい試験でもあります。
この記事では、東京外国語大学 編入の制度全体・最新の出願資格と日程・倍率の読み方・外国語スコアの考え方・志願理由書と口頭試問の対策・入学後の学費や単位認定までを、ハブ記事として一通り整理します。言語文化学部・国際社会学部それぞれのより詳しい対策は個別記事に譲り、まずは「全体像をつかんで自分に合った準備の順序を決める」ことを目的にした内容です。なお本記事は2027年度(令和9年度)募集要項および公式の入学者選抜状況データに基づいています。年度により募集内容が変わる可能性があるため、出願の際は必ず最新の募集要項を大学公式サイトで確認してください。
東京外国語大学の編入試験とは|3年次編入の制度と募集学部の全体像
東京外国語大学の編入学試験は、正式には「第3年次編入学試験」といい、大学の3年次に編入して修業年限2年(在学年限は最大4年)で卒業を目指す制度です。一般入試(共通テスト+個別試験)とは異なり、書類選考と専攻言語・口頭試問を中心とした選抜設計になっているのが特徴で、受験科目数自体は少ない一方、語学力と学修計画の完成度がより直接的に問われる試験だといえます。
編入を実施している学部は言語文化学部・国際社会学部・国際日本学部の3つです。言語文化学部と国際社会学部はいずれも4月入学で、同じ日程・同じ募集要項の枠組みで選抜が行われます。一方、国際日本学部の編入は10月入学で、言語文化・国際社会とは別日程・別要項(タイプA=ダブルディグリープログラム〈DDP〉編入、タイプB=一般編入)として案内されており、志願者数も少ない特殊な枠です。詳細情報は英語ページで案内されているため、興味がある場合は大学公式サイトで個別に確認しましょう。この記事では主に言語文化学部・国際社会学部の編入を中心に扱います。
編入という選択肢が向いている人
- 在籍中の大学・短大・高専で語学力を伸ばしてきたが、専門的に地域研究や国際関係を学び直したい人
- 仮面浪人や再受験ではなく、今の学籍を活かしながら次のステップに進みたい人
- 社会人として実務経験を積んだうえで、専攻言語や国際社会分野を体系的に学び直したい人
- 留学経験や語学検定のスコアを、進学という形で活かしたい人
編入は一般入試と違い、在学中の大学に籍を置いたまま出願・受験できる点が大きなメリットです。全落ちしても現在の学籍は失われないため、社会人・大学生問わず比較的リスクを抑えて挑戦しやすい仕組みといえます。まずは大枠をつかみ、より詳しい試験対策や倍率の推移を知りたい方は、東京外国語大学 編入 完全ガイドもあわせてご覧ください。
東京外国語大学 編入の募集人数と出願資格|大学2年次修了・短大・高専・社会人まで
募集人員は言語文化学部・言語文化学科が10人、国際社会学部・国際社会学科が10人です。いずれも第3年次編入・4月入学の枠になります。ここで注意したいのは、募集要項に「合格者数が募集人員を下回る場合がある」と明記されている点です。実際に2025(令和7)年度の国際社会学部では、最終合格者が6人にとどまりました。募集人員はあくまで上限であり、必ずしもその人数まで合格者が出るとは限らないという理解が必要です。
出願資格を4タイプで整理
出願資格は(1)〜(12)の12区分に細かく定められていますが、大まかに次の4タイプに整理すると理解しやすくなります。
| タイプ | 主な該当者 |
|---|---|
| 現役大学生 | 修業年限4年以上の大学で2年次以上を修了(見込み)の者 |
| 短大・高専・専修学校 | 短期大学・高等専門学校卒業(見込み)者、高校等専攻科修了者、専修学校専門課程(修業年限2年以上)修了者 |
| 既卒・社会人 | 学士の学位を取得(見込み)している者、上記いずれにも該当しない場合は個別の入学資格審査(入学年3月31日までに20歳に達する者が対象)を経て出願 |
| 海外の大学出身・留学生 | 外国における14年以上の学校教育課程を修了した者など |
なお、東京外国語大学に現在在籍している学生は、この編入学試験に出願できません。個別の入学資格審査を利用する場合は申請期限が例年8月上旬に設定されているため、早めに大学へ問い合わせておくと安心です。
見落とし注意の「62単位要件」
出願資格のうち一部の区分((2)(7)(8)(9)に該当する者)で出願する場合、編入学時点で大学等において62単位以上を修得済みであることが必須条件です。この要件を満たさない場合、たとえ試験に合格しても入学することはできません。外国の大学出身者は、大学が定める計算式に従って単位を換算し、換算シートを提出する必要があります。在学中の方は、出願前に自分の見込み単位数を必ず確認しておきましょう。
留学生の追加要件
日本国籍を有しない志願者は、日本留学試験(EJU、日本語科目・総合科目)の受験票コピーと、日本語能力試験N1の証明書の提出が必要です。ただし、日本の高校・中等教育学校を卒業した者などは免除される場合があります。詳しい免除条件や提出書類の指定回次は、必ず最新の募集要項で確認してください。
東京外国語大学 編入試験の日程とスケジュール【2027年度最新】
2027年度(令和9年度)の第3年次編入学試験は、出願期間が2026年8月17日(月)から20日(木)までの必着、第1次選考合格発表が2026年10月2日(金)午前10時、第2次選考が2026年10月24日(土)に東京外国語大学(東京都府中市朝日町3-11-1)で実施され、最終合格発表は2026年11月20日(金)午前10時に予定されています。障害等のある志願者向けの事前相談は2026年7月31日までとされているため、配慮が必要な方は早めに大学へ連絡しておく必要があります。
年間サイクルの傾向
参考までに、2026年度の実績では出願が2025年8月18日〜21日、第1次選考発表が10月3日、第2次選考が10月25日、最終合格発表が11月21日、入学手続期日が2026年1月9日でした。2027年度の日程と比較すると、例年ほぼ同じ時期(8月出願・10月下旬試験・11月下旬発表)というサイクルで実施されていることがわかります。ただし、募集要項は例年夏前後に新しいものが公表されるため、来年度以降に出願を考えている方も、必ず最新版の要項を大学公式サイトで確認してください。
出願から逆算した準備スケジュール
出願は郵送のみで、持参は認められていません。また、外部試験の証明書は原則として試験実施機関から大学へ直送する手配が必要で、申込からスコア発行・郵送までに一定の日数がかかります。8月の出願に間に合わせるには、遅くとも出願の2〜3か月前にはスコアを確定させておく必要があると考えておきましょう。在学中の方は、前期の履修や定期試験の時期と出願準備が重なりやすいため、春先から逆算してスケジュールを組むことをおすすめします。
東京外国語大学 編入の選抜方法|書類選考と筆答試験・口頭試問の2段階
選抜は大きく2段階に分かれます。第1次選考は書類選考で、志願理由書の内容(希望指導教員・履修コースと学修計画の整合性、学修計画の実現可能性など)と、言語検定試験証明書等が審査されます。国際社会学部では特に、学修計画に関連する言語検定試験証明書等の提出が「積極的な判断材料となる」と募集要項に明記されている点も押さえておきたいポイントです。第2次選考は、提出書類に加えて筆答試験と口頭試問による総合評価です。
段階別に見る合否の分かれ目
公式の入学者選抜状況データを見ると、2026年度の言語文化学部は志願45人のうち第1次選考通過は20人(通過率は約44%)、第2次選考を受験した19人のうち最終合格は11人でした。一方、国際社会学部は志願26人のうち第1次選考通過は19人(通過率は約73%)と比較的高めですが、第2次選考を受験した19人のうち最終合格は10人にとどまっています。
この数字から読み取れるのは、言語文化学部は第1次選考(書類・スコアの完成度)で絞り込まれる度合いが相対的に大きく、国際社会学部は第2次選考(当日の筆答試験・口頭試問)での比重が大きいという傾向です。あくまでデータに基づく解釈であり断定はできませんが、準備の配分を考えるうえでの一つの目安にはなるでしょう。書類は事前に時間をかけて磨き込める部分であるため、差がつきやすいポイントでもあります。志願理由書の書き方については志望理由書の書き方の解説記事、口頭試問対策は面接試験の準備の仕方の解説記事も参考にしてください。
言語文化学部の編入試験の内容と難易度|専攻言語27言語と2つのコース
言語文化学部の第2次選考では、筆答試験「専攻言語」が90分(10:00〜11:30)実施されます。この試験は単なる語学力測定ではなく、「その言語が使用されている国や地域に関連する知識を問う内容」を含むとされており、言語運用力と地域研究的な知識の両方が問われる性格の試験です。筆答試験のあとには口頭試問(12:30〜)が行われます。
27の専攻言語と筆答免除の仕組み
言語文化学部で選択できる専攻言語は、英語・ドイツ語・ポーランド語・チェコ語・フランス語・イタリア語・スペイン語・ポルトガル語・ロシア語(ロシア地域/中央アジア地域)・モンゴル語・中国語・朝鮮語・インドネシア語・マレーシア語・フィリピン語・タイ語・ラオス語・ベトナム語・カンボジア語・ビルマ語・ウルドゥー語・ヒンディー語・ベンガル語・アラビア語・ペルシア語・トルコ語の27言語です。選択した言語がそのまま入学後の専攻言語になるため、志願理由書に書く学修計画との整合性が重要になります。
このうちドイツ語・フランス語・スペイン語・ロシア語を専攻言語に指定する場合、大学での筆答試験(専攻言語)は行われず、提出した外部試験の成績で代替評価されます。つまりこの4言語で受験する場合は、外部試験のスコアメイクが実質的な筆記試験対策になるということです。なお、ロシア語(中央アジア地域)を選択する場合は、入学後にウズベク語が必修・ロシア語が選択必修となり、ウズベク語での受験はできない点にも注意してください。
地域コース・超域コースと指導教員の選び方
言語文化学部には地域コースと超域コースの2つのコースがあり、募集は一括で行われ、入学後に希望する指導教員の所属するコースに配属される仕組みです。超域コースの教員の中には、受験言語を指定している教員や、年度によって受入を行わない教員もいるため、最新の要項や教員一覧を必ず確認しておく必要があります。難易度の目安としては、2026年度が志願45人に対し最終合格11人(単純計算で約4.1倍)、2025年度は志願38人に対し最終合格11人(約3.5倍)でした。学部の対策をより詳しく知りたい方は、言語文化学部 編入 完全ガイドもあわせて確認してください。
国際社会学部の編入試験の内容と難易度|英語の共通問題と3つのコース
国際社会学部の第2次選考は、言語文化学部よりもう一段構成が複雑です。筆答試験「専攻言語」60分(10:00〜11:00、入学後の学修に必要な言語の読解力を測る内容)に加えて、筆答試験「共通問題」60分(11:30〜12:30)、そして口頭試問(13:30〜)が実施されます。
英語出題・日本語解答の「共通問題」
共通問題は学術的な基礎能力を問う内容で、英語で出題され日本語で解答する形式です。英文読解力に加えて、社会科学分野の基礎的な概念理解、そして日本語での論述力という複数の力が同時に問われます。政治学・経済学・歴史学など社会科学の基礎を棚卸しし、必要に応じて補強しておくことが対策の軸になります。
英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・ロシア語を専攻言語に指定した場合は専攻言語の筆答試験が免除されますが、共通問題と口頭試問は免除されません。そのため、これらの言語で受験する場合は「外部試験スコアの提出+共通問題対策」が学習の中心になります。専攻地域と専攻言語の組み合わせで志望先を選ぶ仕組みのため、研究したい対象が附表にない場合(日本研究など)の選択肢についても要項の指針を確認しておきましょう。
3つのコースと志願動向
国際社会学部には地域社会研究・現代世界論・国際関係の3コースがあります。2026年度は国際関係コースへの志願が14人と最多で最終合格6人でしたが、2025年度は国際関係コースへの志願13人に対し最終合格が0人という年もありました。コースやテーマと指導教員の研究分野との整合性が合否に影響している可能性はありますが、これはあくまでデータからの示唆であり断定はできません。学部の詳しい対策は国際社会学部 編入 完全ガイドで確認できます。
東京外国語大学 編入の倍率推移|志願者数・合格者数データで見る難易度
公式の入学者選抜状況データをもとに、直近2年の倍率を整理すると次のようになります。
| 年度 | 学部 | 志願者数 | 最終合格者数 | 倍率(単純計算) |
|---|---|---|---|---|
| 2026年度 | 言語文化学部 | 45人 | 11人 | 約4.1倍 |
| 2026年度 | 国際社会学部 | 26人 | 10人 | 約2.6倍 |
| 2025年度 | 言語文化学部 | 38人 | 11人 | 約3.5倍 |
| 2025年度 | 国際社会学部 | 30人 | 6人 | 約5.0倍 |
この表からもわかるように、国際社会学部は年度によるブレが大きく、2.6倍から5.0倍まで開きがあります。また、合格者数が募集人員(10人)に満たない年もあり、「枠が埋まらなくても、基準に達していなければ合格しない」という試験である点は理解しておく必要があります。段階別に見ると、1次選考の通過率と2次選考の通過率の掛け合わせで最終的な倍率が決まるため、単純な倍率の数字だけでなく、どの段階で絞り込まれているかを見ることが実質的な難易度把握につながります。
なお、志願者層には語学専攻の学生や留学経験者など、もともと準備水準の高い層が多く含まれると考えられるため、倍率の数字以上に実質的な難易度がある可能性もあります。過度に恐れる必要はありませんが、油断せず着実に準備することが大切です。国際日本学部のDDP編入は志願者数人という特殊な枠になっています。過年度も含めたより詳しい推移は完全ガイド記事で確認できます。
東京外国語大学 編入に必要な外国語スコアの目安|TOEIC・TOEFL・IELTS・各言語検定
専攻言語として英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・ロシア語を指定する場合、外部試験の成績証明書(有効期限内の原本)の提出が両学部共通で必須です。英語で提出可能な外部試験は次の8種類です。
| 言語 | 提出可能な外部試験 |
|---|---|
| 英語 | ケンブリッジ英語検定/IELTS/実用英語技能検定(英検)/TEAP/TEAP CBT/GTEC/TOEIC L&R・TOEIC S&W/TOEFL iBT |
| ドイツ語 | ゲーテ・ドイツ語検定(GZD)/telc/ÖSD/独検/TestDaF |
| フランス語 | TCF/DELF・DALF/仏検 |
| スペイン語 | DELE/SIELE(全パート)/西検 |
| ロシア語 | ロシア連邦教育科学省認定試験/ロシア語能力検定 |
特に注意したいのは、募集要項に「4技能の資格・検定試験であること」という注記がある点です。TOEICで出願する場合はL&RとS&Wの両方の提出が必要で、L&R単独では4技能要件を満たしません。これに気づかず出願直前になって慌てるケースは避けたいところなので、早い段階で要件を確認しておきましょう。
基準スコアは非公表。それでもスコアを磨く意味
大学は合格に必要な基準スコアを公表していません。募集要項にも具体的な足切り点の記載はなく、この点は断定せず「非公表」として理解しておく必要があります。ただし、ドイツ語・フランス語・スペイン語・ロシア語(および国際社会学部では英語も含む)で受験する場合、大学での筆答試験は行われず、提出した外部試験のスコアがそのまま評価の対象になります。つまり、これらの言語で受験する場合は、外部試験のスコアそのものが「筆記試験の得点」として扱われる構造になっているため、スコアを高めておくほど有利に働くと考えられます。学部別の合格者傾向に基づいたより具体的な目安は、言語文化学部・国際社会学部の各完全ガイドで紹介しています。
有効期限と直送手配のリードタイム
外部試験の証明書は有効期限内の原本が必要で、任意提出書類(全国通訳案内士合格証明書等)は過去2年以内のものに限られます。証明書は原則として試験実施機関から大学へ直送で手配する必要があり(TOEFL iBTのETS登録コードは「3059」)、この手配には日数がかかります。4技能型の検定(英検・TEAP・IELTS等)とTOEIC型を使い分けつつ、出願の数か月前から逆算してスケジュールを組み、スピーキング対策にも早めに着手しておくことをおすすめします。
東京外国語大学 編入の志願理由書・口頭試問対策|第1次選考を突破する準備
志願理由書は所定様式に自筆で記入する形式で、記載項目は(1)志願理由、(2)希望指導教員の選択理由、(3)入学後の学修計画、(4)学修に必要とされる言語能力の4つです。募集要項には、第1次選考で「希望指導教員・履修コースと学修計画の整合性」「学修計画の実現可能性」が審査観点として明記されているため、何を書けば評価されやすいかがある程度逆算できる試験だといえます。
言語文化学部の第1次選考通過率が約44%であることを踏まえると、書類選考が最初の、そして大きな関門になり得ることがわかります。付け焼き刃で書ける内容ではないため、早い段階から準備を始めることが重要です。
希望指導教員の調べ方
- 公式サイトのコース案内・ゼミ案内で、専攻したい分野の教員を確認する
- 各教員の研究業績を調べ、自分が学びたいテーマとの接点を整理する
- 受入を行っていない教員や、受験言語を指定している教員がいないか、最新の要項で確認する
- 志願票には希望指導教員を最大2名まで記入でき、少なくとも1名の記入が必須
「なぜ東京外国語大学なのか」「なぜこの教員のもとで学びたいのか」「編入後の2年間で何を研究するのか」という一貫したストーリーを組み立てることが、志願理由書のクオリティを左右します。口頭試問は志願理由書の内容をベースに進められることが多いため、研究計画の深掘り・言語能力・卒業後の展望などについて、想定問答をあらかじめ準備しておくとよいでしょう。自筆の書類は書き直しのコストが高いため、出願の2〜3か月前から下書きと添削のサイクルを回すことをおすすめします。社会人の方は実務経験と研究テーマの接続を、留学生の方は日本語での応答練習を重点的に行うとよいでしょう。志願理由書と口頭試問それぞれの詳しい対策は、志望理由書の書き方と面接試験の準備の仕方の記事も参考にしてください。
東京外国語大学 編入合格への全体戦略|学習スケジュールと併願プラン
出願の約1年前から逆算したモデルスケジュールとしては、前年の秋冬に専攻言語のスコアメイクを始めつつ、指導教員やコースのリサーチを進め、春にスコアを確定させて研究テーマを固め、初夏に志願理由書の作成・添削と新年度要項のチェックを行い、8月に出願、9〜10月に筆答対策(言語文化学部は専攻言語と地域知識、国際社会学部は共通問題の英語論述)と口頭試問の練習を重ね、10月下旬の試験に臨むという流れが一つの目安になります。
受験者タイプ別の戦略
- 大学2年次生: 62単位要件と在籍大学の履修計画の両立を意識し、単位取得の見込みを早めに確認する
- 短大・高専生: 卒業見込みでの出願要件を確認し、在学中の成績・活動と学修計画を結びつける
- 社会人: 個別の入学資格審査を利用する場合は申請期限を確認し、実務経験と研究テーマの接続を志願理由書で丁寧に説明する
- 留学生: 日本留学試験・日本語能力試験N1の受験時期を逆算し、余裕を持って準備する
併願を考える場合、語学・国際系の分野で編入を実施している大学として上智大学外国語学部などがあり、外部試験のスコアを併願先でも使い回せる場合があります。日程や出願要件は大学ごとに異なるため、各校の最新募集要項を比較して計画を立てましょう。詳しくは上智大学外国語学部 編入 完全ガイドもご覧ください。全落ちのリスクに備え、在籍している大学の学籍は編入試験の結果が出るまで維持しておくことをおすすめします。スコアメイクなど独学で進めやすい部分がある一方、志願理由書の添削や口頭試問の練習は第三者からのフィードバックが特に効果を発揮しやすい部分でもあります。
東京外国語大学 編入後の学費・単位認定・卒業までの流れ
出願にかかる検定料は30,000円(コンビニエンスストアまたはクレジットカード払い、レターパックライト代430円が上乗せ)です。入学後の費用は、入学料282,000円、授業料が前期267,900円・後期267,900円で年額535,800円となっています。これは国立大学の標準的な水準であり、私立大学への編入や4年間通い直す場合と比べて費用面での負担が抑えられる点は編入のメリットの一つといえます。
62単位の自動認定と卒業要件
第3年次編入学の場合、入学時点で62単位が自動的に認定されます。内訳は学部・専攻地域によって異なり、たとえば言語文化学部では専攻言語20単位・教養12単位などの構成になっています(詳細は学部・専攻ごとに要項で確認してください)。卒業に必要な最低修得単位数は125単位のため、編入後の2年間で残り約63単位を修得していくイメージです。修業年限は2年、在学年限は最大4年と定められているため、計画的な履修が前提となりますが、制度上は2年間での卒業が可能です。
コース配属から卒業研究まで
入学後は、希望する指導教員の所属するコース(言語文化学部は地域コース・超域コース、国際社会学部は地域社会研究・現代世界論・国際関係の3コース)に配属され、4年次には卒業研究(論文や作品)に取り組みます。言語文化学部を卒業した場合の学位は学士(言語・地域文化)です。なお国際社会学部の学位名称については募集要項の記載を精査中のため、この記事では言語文化学部の情報のみを記載しています。正式な学位名称は必ず大学の公式情報で確認してください。編入学試験の過去問題はウェブ非公開・郵送不可で、入試課窓口での閲覧のみとなっています(持ち出し不可、事前に電話042-330-5179で氏名・来学日時を連絡し、身分証を持参。受付は平日9:00〜12時・13:00〜17:00)。
2028年度(令和10年度)以降の日程・募集人員はまだ公表されていません。募集要項は例年7月頃に公表される傾向があるため、出願を検討している方は必ず最新の要項を大学公式サイトで確認するようにしてください。
よくある質問(FAQ)
東京外国語大学の編入試験は大学2年生でも受験できますか?
可能です。修業年限4年以上の大学に在学し、2年次以上を修了見込みであれば出願資格を満たします。ただし編入学時点で62単位以上の修得が必須となっており、これを満たさない場合は合格しても入学できません。在籍している大学の履修計画を先に確認しておきましょう。
TOEICは何点あれば東京外国語大学に編入できますか?
大学は基準となるスコアを公表していません。また、TOEICで出願する場合はL&R(リスニング&リーディング)とS&W(スピーキング&ライティング)の両方の提出が必要で、L&Rのみでは4技能要件を満たしません。英語などの専攻では外部試験のスコアが筆答試験の代わりにそのまま評価される仕組みのため、スコアが高いほど有利に働くと考えられます。より詳しい目安は学部別の記事で紹介しています。
編入試験の過去問は入手できますか?
ウェブでの公開や郵送での提供は行われておらず、入試課窓口での閲覧のみとなっています(持ち出しは不可)。事前に電話(042-330-5179)で氏名と来学日時を伝え、当日は身分証明書を持参する必要があります。受付時間は平日9:00〜12:00、13:00〜17:00です。
社会人でも受験できますか?
可能です。学士の学位を持っている方や、短大・専修学校などを卒業した方はそれぞれの出願資格で出願できます。いずれにも該当しない場合でも、個別の入学資格審査(入学年の3月31日までに20歳に達することが条件で、申請期限は例年8月上旬)を経て出願できる道があります。実務経験と学修計画をどう結びつけて説明するかが重要になります。
国際日本学部にも編入できますか?
実施されていますが、10月入学で言語文化学部・国際社会学部とは別日程・別の募集要項(DDP編入のタイプA、一般編入のタイプB)となっています。募集情報は主に大学の英語ページで案内されており、志願者数も少ない特殊な枠です。検討する場合は最新の要項を大学公式サイトで必ず確認してください。
英語以外の言語でも受験できますか?
できます。言語文化学部では27の専攻言語から選択が可能です。このうちドイツ語・フランス語・スペイン語・ロシア語を選ぶ場合は、外部検定(ゲーテ・ドイツ語検定、DELF/DALF、DELE、ロシア語能力検定など)の提出が必須で、大学での筆答試験は免除されます。それ以外の言語を選んだ場合は、大学が実施する筆答試験を受験する形になります。
まとめ|東京外国語大学 編入で押さえるべきポイント
東京外国語大学の編入は、言語文化学部・国際社会学部それぞれ10人の募集枠に対し、書類選考(第1次選考)と筆答試験+口頭試問(第2次選考)という2段階の選抜が行われる試験です。専攻言語によっては外部試験のスコアがそのまま筆答試験の代わりに評価されるため、早期からのスコアメイクが合否を左右する重要な要素になります。ここまでの内容を整理すると、次のようになります。
- 募集人員は言語文化学部・国際社会学部ともに10人(4月入学)。国際日本学部は10月入学の別枠
- 出願資格は12区分あり、大学2年次修了見込み・短大高専卒業・既卒社会人・留学生などが対象。62単位要件に注意
- 2027年度は出願2026年8月17日〜20日、第2次選考2026年10月24日、最終合格発表2026年11月20日の日程で実施予定
- 選抜は書類選考+筆答試験・口頭試問の2段階。言語文化学部は書類の比重、国際社会学部は当日の試験の比重が相対的に大きい傾向
- ドイツ語・フランス語・スペイン語・ロシア語(国際社会学部は英語も)の専攻では、外部試験スコアが筆答試験の代替評価となる
- 倍率は年度・学部によって変動があり、国際社会学部は合格者数が募集人員を下回る年もある
- 志願理由書と口頭試問の対策は、指導教員・コースと学修計画の整合性を軸に、早い段階から準備することが重要
倍率だけを見ると身構えてしまうかもしれませんが、審査の観点が募集要項にある程度明示されている試験でもあるため、外国語スコアの確保・志願理由書の作成・口頭試問対策という3つの軸に沿って計画的に取り組めば、対策の道筋は十分に立てられます。学部ごとのより詳しい対策や合格者傾向は、言語文化学部・国際社会学部それぞれの完全ガイド記事もあわせて参考にしてください。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。
専門講師による個別指導をご希望の方は、大学編入対策コースの詳細をご覧ください。



