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認定心理士とは|資格の取り方と公認心理師との違い

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認定心理士とは、公益社団法人日本心理学会が、大学などで心理学に関する標準的な基礎知識と基礎技術を修得したことを認定する資格です。試験に合格して得る専門資格ではなく、「大学で心理学の基礎をきちんと学びました」ということを学会が証明してくれる、いわば学びの土台を可視化する資格だと考えるとわかりやすいでしょう。心理系の大学院進学や、公認心理師・臨床心理士を目指す方の多くが、この資格の位置づけがよくわからないまま検索にたどり着きます。

特に混同されやすいのが公認心理師と臨床心理士です。結論を先に言うと、公認心理師は国家資格、臨床心理士は民間の専門資格、認定心理士は民間の基礎資格という、それぞれ性質が異なる3つの資格です。認定心理士だけを取得しても心理職の専門家として直接働けるわけではありませんが、公認心理師や臨床心理士を目指す道のりの中で、必要な基礎科目を自然に満たせることが多く、進路選びの初期段階で違いを理解しておく価値があります。

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本記事では、認定心理士の資格の位置づけ、公認心理師・臨床心理士との違い、取得に必要な条件と36単位の内訳、申請の流れと費用、そして「意味がない」と言われることがある理由まで、放送大学や日本心理学会が公開している一次情報にもとづいて整理します。心理系大学院を目指す方に向けて、認定心理士の学習の先にどんな進路があるのかも合わせて確認できる内容にしています。

これから心理学を学び始める大学生・社会人や、独学で心理系大学院を目指している方にとって、認定心理士・公認心理師・臨床心理士という3つの資格の関係を最初に整理しておくことは、遠回りを避けるうえで大きな意味を持ちます。それぞれの資格がどの段階で必要になるのかを知ったうえで、自分に合った学習計画を立てていきましょう。

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目次

認定心理士とは|日本心理学会が認定する心理学の基礎資格

認定心理士は、公益社団法人日本心理学会が運営する認定制度です。放送大学が公開している「認定心理士資格取得の手引き」では、認定心理士について「公益社団法人日本心理学会が心理学に関する標準的な基礎知識と基礎技術を正規の課程において修得していることを認定する資格」と説明されています。つまり、「大学で心理学の標準的な基礎教育を受けてきました」ということを日本心理学会が認定するものであり、資格そのものが特定の業務を独占的に行える免許ではありません。

この資格の取得者数は、放送大学の資料によれば2025年3月現在で76,600人に達しています。心理学部・心理学科以外の学部を卒業した人や、放送大学のような通信制大学で学んだ人にとって、「大学で心理学の基礎を体系的に学んだ」ことを客観的に示す手段として、長年にわたって使われてきた資格です。放送大学だけでも、これまでに15,400人以上が認定心理士の資格申請を行っています。

認定心理士には、試験による選抜がありません。大学(または大学院修士課程)で、日本心理学会が定める心理学関係の所定単位を修得し、申請書類を提出して審査に通れば取得できます。「入学試験」ではなく「単位の修得状況」で可否が決まる点が、公認心理師の国家試験や臨床心理士の資格試験と大きく異なるところです。逆に言えば、単位を計画的に積み上げてさえいけば、誰でも取得を目指せる資格だとも言えます。

「基礎資格」という位置づけを正しく理解する

認定心理士を指して使われる「基礎資格」という言葉は、専門性が低いという意味ではなく、大学の正規課程で心理学を体系的に学んだという「土台」の部分を証明する資格という意味です。専門職として心理支援を行うための資格ではなく、あくまで学習歴の証明という役割にとどまる点を理解したうえで、資格取得後にどう活用するかを考えることが大切です。

認定心理士(心理調査)という関連資格もある

日本心理学会には、認定心理士に加えて「認定心理士(心理調査)」という関連区分もあります。通称、心理調査士とも呼ばれるこの資格は、心理調査に関連する専門科目を履修した認定心理士を対象とする制度で、実験・調査・観察・面接・検査などの心理学的研究法を用いて問題を解決する知識を備えていることを示すものです。認定心理士を取得したうえで追加申請する形になるため、まずは本記事で扱う認定心理士の基本を押さえておくとよいでしょう。

認定心理士という名称の由来

「認定心理士」という名称は、日本心理学会が心理学の学習を「認定」する資格であることに由来します。心理系の資格には、公認心理師・臨床心理士・認定心理士のほかにも、産業カウンセラーや学校心理士など多様な民間資格が存在しますが、認定心理士は大学の正規課程で学んだ内容そのものを対象とする点で、実務経験や研修受講を主な要件とする他の民間資格とは性格が異なります。あくまで「大学での学び」を評価対象とする資格である、という点を押さえておくと、他の心理系資格との違いも整理しやすくなります。

民間資格であり業務独占資格ではない

認定心理士は日本心理学会という学術団体が認定する民間資格であり、国家資格ではありません。また、業務独占が定められているわけでもなく、名称独占資格でもありません。この点は、後述する公認心理師・臨床心理士との大きな違いのひとつであり、「資格を取っても何ができるのか分かりにくい」と感じられやすい理由でもあります。

大学卒業と同時に取得を目指す人が多い

認定心理士は、大学在学中に卒業要件と並行して単位を積み上げ、卒業と同時に申請するケースが典型的です。放送大学のように、心理学以外の学位(教養学部の学士など)を得る大学であっても、心理学関係の対応科目を計画的に履修すれば、卒業と同時に認定心理士の資格取得を目指せる仕組みが整えられています。すでに大学を卒業している社会人が、通信制大学などで不足単位のみを修得して申請する例も少なくありません。

資格取得後は「認定心理士の会」で学びを続けられる

日本心理学会は、認定心理士の資格を取得した人向けに「認定心理士の会」という会員コミュニティを設けています。資格取得後も学会の講座や情報配信を通じて心理学の知識をアップデートできる仕組みがあり、大学卒業後に心理学から離れず学び続けたい人にとっての受け皿にもなっています。資格を取って終わりにするのではなく、その後の学びをどう続けるかまで考えておくと、資格を生かせる場面も広がりやすくなります。

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認定心理士の資格の位置づけ|公認心理師・臨床心理士との違い

認定心理士・公認心理師・臨床心理士は、いずれも「心理学」という言葉が関わる資格ですが、性格がまったく異なります。認定心理士は基礎学習の証明、公認心理師は国家資格、臨床心理士は民間の専門資格と整理すると理解しやすくなります。まずは3資格の違いを一覧で確認しましょう。

項目認定心理士公認心理師臨床心理士
資格の性格民間資格(基礎資格)国家資格民間資格(専門資格)
認定・所管公益社団法人日本心理学会国(公認心理師法・文部科学省と厚生労働省の共管)公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会
取得方法試験なし。所定単位修得後に書類審査国家試験に合格資格試験(筆記・口述面接)に合格
主な取得ルート4年制大学卒業+心理学関係36単位以上大学・大学院で必要科目を履修するルート等指定大学院修了などの受験資格を満たす
資格更新更新制度なし更新制度なし(生涯資格)5年ごとに研修ポイントで更新が必要
業務独占・名称独占なし名称独占資格法律上の独占はなし(民間資格)

公認心理師は、2015年9月16日に公布され2017年9月15日に施行された公認心理師法にもとづく、わが国初の心理職の国家資格です。文部科学省と厚生労働省が共管し、医療・保健、福祉、教育、司法・矯正、産業といった幅広い領域を活動範囲とする名称独占資格として位置づけられています。認定心理士の単位取得が、そのまま公認心理師の受験資格に直結するわけではありませんが、心理学の基礎科目を学ぶ過程は重なる部分が多くあります。

一方の臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が実施する資格試験に合格した人に与えられる民間資格です。受験資格の中心となるのは同協会が指定する指定大学院の修了で、令和8年4月1日現在、全国で151の大学院が指定を受けています。臨床心理士は生涯資格ではなく、5年ごとに研修実績をポイント換算して15ポイント以上を満たすことで資格を更新する仕組みが採られています。これに対して、公認心理師と認定心理士にはいずれも更新制度がなく、一度取得すれば有効期限を気にする必要はありません。

心理職を目指す場合の代表的な3つの進路パターン

心理学を学んだ人がその後どのような進路を選ぶかは、目指すキャリアによって大きく3つのパターンに分かれます。自分がどのパターンに近いかを整理しておくと、認定心理士を取得する意味も判断しやすくなります

進路パターン主な特徴
心理職(公認心理師・臨床心理士)として専門的に働く大学院進学が必要になることが多く、認定心理士の基礎科目が土台として役立つ
心理学の知識を他業種の仕事で生かす人事・教育・福祉などの現場で知識を応用。認定心理士は学習歴の証明として活用しやすい
大学院には進まず学部卒業までで区切る認定心理士を取得しておくと、心理学を学んだことの客観的な証明として残せる

いずれのパターンを選ぶ場合でも、心理学概論・研究法・実験といった基礎科目を体系的に学んでおくこと自体には価値があります。進路を確定できていない段階でも、基礎科目の履修を先に進めておけば選択肢を狭めずに済みます

認定心理士は公認心理師・臨床心理士の「前提知識」にあたる位置づけ

認定心理士に必要な心理学概論・心理学研究法・心理学実験といった基礎科目は、公認心理師や臨床心理士を目指すうえでも避けて通れない土台の知識です。そのため、認定心理士そのものを取得するかどうかは別として、「認定心理士に必要な単位の内容」を理解しておくことは大学院入試対策にも役立ちます。公認心理師と臨床心理士の違いをより詳しく知りたい方は、公認心理師と臨床心理士の違いを徹底比較|資格・仕事・年収・大学院選びまででも解説していますので参考にしてください。

認定心理士と公認心理師の必要科目はどこが重なるか

放送大学が公開している認定心理士の対応科目表には、各科目が公認心理師の「大学における必要な科目」にも対応しているかどうかを示す欄があります。この表を見ると、基礎科目から選択科目まで、多くの科目に公認心理師の必要科目との対応が付いています。つまり、認定心理士のために基礎科目を履修すること自体が、公認心理師を目指す場合の必要科目の一部を先取りして学ぶことにもつながりやすいということです。ただし、公認心理師「大学における必要な科目」は、認定心理士の対応科目だけですべて満たせるわけではないため、公認心理師を明確に目指す場合は、大学のカリキュラムが公認心理師の指定科目に対応しているかを個別に確認する必要があります。

3資格を混同すると進路選びで遠回りしやすい

心理職を目指す人が最初につまずきやすいのが、この3資格の違いを理解しないまま学習を進めてしまうことです。たとえば「認定心理士を取れば心理カウンセラーとして働ける」と誤解して単位取得だけに時間を使い、専門職として働くために本来必要な公認心理師や臨床心理士の受験資格を確認しないまま進学時期を迎えてしまう、といったケースが起こり得ます。早い段階で3資格の役割の違いを押さえておくことが、遠回りを避けるために大切です。

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認定心理士の取得条件|3つの申請資格

日本心理学会は、認定心理士の資格取得に必要な条件を3つ定めています。2014年の基準改定にもとづく現行基準では、次の3条件をすべて満たす必要があります。

  • 条件1:四年制大学を卒業し学士の学位を取得、もしくは大学院修士課程を修了し修士の学位を取得していること
  • 条件2:16歳以降、通算2年以上日本に滞在した経験を有していること
  • 条件3:認定心理士認定資格細則が指定する心理学関係の所定単位(36単位以上)を修得していること

この3条件のうち、多くの受験者にとって最も重要になるのが条件1と条件3です。4年制大学の卒業(または大学院修士課程の修了)が大前提であり、短期大学(2年制・3年制)の卒業だけでは申請できません。放送大学の案内でも、認定心理士は大学で心理学に関する標準的な基礎知識と基礎技術を修得していることを認定するものであり、この場合の「大学」は4年制の大学を指すため、短期大学で修得した単位は資格取得申請に利用できないと明記されています。

大学院修士課程の単位も条件を満たせる

条件1は「四年制大学卒業」だけでなく「大学院修士課程修了」でも満たせます。ただし、大学院で修得した科目が使えるのは一部の領域に限られます。主に選択科目(後述するd〜h領域)やその他の科目(i領域)としての利用が中心です。b領域(心理学研究法)として使える大学院科目も例外的に存在しますが、基本的には学部段階での基礎科目の修得が前提になると考えておくとよいでしょう。すでに4年制大学を卒業していて、心理学とは異なる専攻で学位を得ている人が、大学院修士課程で心理学を学び直すケースでは、この点を踏まえて履修科目を選ぶ必要があります。

心理学部・心理学科出身でなくても取得できる

条件3にある「心理学関係の所定単位」は、心理学部や心理学科の卒業を求めているわけではありません。他学部・他学科の卒業生であっても、在学中や卒業後に心理学関係の科目を36単位以上修得すれば申請できます。実際、放送大学のように教養学部で心理学以外の学位を得る大学でも、対応科目を履修することで認定心理士の資格取得を目指せる仕組みが整えられています。文学部・教育学部・社会学部など、心理学と隣接する学部の出身者はもちろん、理系学部の出身者であっても、条件を満たす単位さえ修得すれば申請対象になります。

日本滞在要件が問われる理由

条件2の「16歳以降通算2年以上の日本滞在経験」は、海外の大学で心理学を学んだ人や、留学経験の長い人にとって特に注意が必要な条件です。日本の大学で標準的なカリキュラムに沿って学んだ人であれば通常は問題になりませんが、海外の教育機関での修得単位を組み合わせて申請を検討している場合は、この滞在要件も含めて事前に日本心理学会へ確認しておくと安心です。

認定心理士を目指す一般的なタイミング

認定心理士を目指すタイミングは、大学在学中に卒業要件と並行して申請するケースと、大学卒業後に社会人として不足単位を修得するケースの大きく2つに分かれます。在学中に目指す場合は、入学時点から履修計画を立てておくことでスムーズに単位を積み上げられます。特に基礎科目のc領域(心理学実験)は面接授業の定員に限りがあるため、低学年のうちから履修時期を確保しておくと安心です。

一方、社会人になってから認定心理士を目指す場合は、放送大学などの通信制大学に入学し、必要単位のみを修得して申請するルートが一般的です。仕事と両立しながら学ぶことになるため、c領域の面接授業やライブWeb授業を受講できる時期を先に確保し、それ以外の科目を放送授業で埋めていくという順序で計画を立てると、無理なく単位を積み上げやすくなります。

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認定心理士に必要な36単位の内訳|基礎科目・選択科目・その他科目

認定心理士の資格取得で最もつまずきやすいのが、単位の内訳です。日本心理学会は、認定の対象となる心理学関係科目を基礎科目(a・b・c領域)、選択科目(d・e・f・g・h領域)、その他の科目(i領域)という3つのグループに分け、それぞれに必要な単位数と条件を定めています。全体の必要単位数は36単位以上です。

グループ領域内容必要単位数
基礎科目(合計12単位以上)a:心理学概論心理学を構成する主な領域に関する均衡のとれた基礎知識4単位以上
b:心理学研究法心理学における実証的研究方法の基礎知識b・c領域合わせて8単位以上
c:心理学実験実験的方法による知覚・認知・社会などの体験的学習うち最低4単位はc領域
選択科目(合計16単位以上)d〜hの5領域(知覚・学習/生理・比較/教育・発達/臨床・人格/社会・産業)5領域のうち3領域以上で、それぞれ4単位以上合計16単位以上
その他の科目i:心理学関連科目、卒業論文・卒業研究複数領域にまたがる心理学関連科目必須ではない(卒論・卒業研究は4単位まで申請可)

基礎科目12単位と選択科目16単位で合計28単位になりますが、残り8単位は基礎科目・選択科目・その他の科目のどのグループから修得してもかまいません。全体で36単位以上を満たしていれば条件を充足します。選択科目のd〜h領域は、知覚心理学・学習心理学、生理心理学・比較心理学、教育心理学・発達心理学、臨床心理学・人格心理学、社会心理学・産業心理学という5つの分野に対応しており、興味のある分野に偏りすぎないよう、少なくとも3領域以上を選ぶ必要がある点にも注意しましょう。

c領域(心理学実験)は「体験」が条件になる

基礎科目のc領域(心理学実験)は、単位数だけでなく学習内容そのものにも条件があります。知覚・認知・社会など基本的な内容の課題を4つ以上含む、計6課題以上を体験的に学習することが求められ、各課題について目的・方法・結果・考察を含む標準的なレポートを作成している必要があります。放送大学の案内では、この条件を確実に満たすため、c領域の必要単位のうち3単位以上は「基本主題」となる心理学実験科目で修得することが推奨されています。副次主題の科目を中心に履修した場合、単位数の条件は満たせても、実験実習の内容そのものが条件を満たしていないと判断される可能性があるため注意が必要です。

基本主題と副次主題という区分に注意する

単位認定の際は「基本主題」と「副次主題」という区分も重要です。基本主題は各領域で最も重要とされる必修的な知識・技術の科目で、修得単位数がそのまま認定単位数になります。一方の副次主題は、基本主題としては認められないものの当該領域に含められる科目で、認定単位数は修得単位数の半分に減額されます。同じ単位数を修得していても、基本主題を中心に履修したほうが効率よく必要単位を満たせるため、履修計画を立てる段階で、対象科目が基本主題か副次主題かを必ず確認しておきましょう。

選択科目5領域にはどんな科目が含まれるか

選択科目のd〜h領域は、それぞれ扱うテーマが異なります。どの領域を選ぶかによって、大学院進学後に生かせる専門知識の方向性も変わってきます。日本心理学会の資料をもとに、各領域の主なテーマ例を整理すると次のようになります。

領域分野名主なテーマ例
d領域知覚心理学・学習心理学知覚心理学、感覚心理学、認知心理学、学習心理学、思考心理学、言語心理学など
e領域生理心理学・比較心理学生理心理学、比較心理学、動物心理学、神経心理学、精神生理学など
f領域教育心理学・発達心理学教育心理学、発達心理学、児童心理学、青年心理学、生涯発達心理学、学校心理学など
g領域臨床心理学・人格心理学臨床心理学、人格心理学、健康心理学、福祉心理学、心理療法、カウンセリング、犯罪心理学など
h領域社会心理学・産業心理学社会心理学、集団心理学、家族心理学、産業心理学、組織心理学、消費者の心理など

心理系大学院で臨床心理学や公認心理師を目指すルートを検討している人は、g領域(臨床心理学・人格心理学)を重点的に選ぶと、大学院入試の専門科目対策とも直結しやすくなります。反対に、産業・組織分野でのキャリアを考えている人はh領域、発達支援や学校現場に関心がある人はf領域を厚めに履修するなど、将来の進路を見据えて選択科目の領域を選ぶという考え方も有効です。

単位認定基準は今後改定される可能性がある

2027年度からは単位認定基準が一部改訂される予定であることが、放送大学の資料で案内されています。詳細は日本心理学会からの発表を待つ必要があるため、2026年度以降に単位修得を始める方は、申請直前に日本心理学会の公式サイトで最新の基準を必ず確認してください。長期的な履修計画を立てる場合は、年度ごとの基準変更にも対応できるよう、余裕をもった単位取得を心がけると安心です。

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認定心理士の取得方法|大学での単位修得から申請までの流れ

認定心理士の取得は、大まかに次の流れで進みます。試験による選抜がない分、計画的な履修と正確な書類作成が合否を左右します。

  1. 必要書類を入手する(日本心理学会発行の「認定心理士資格申請の手引き」、在籍大学の履修案内など)
  2. 大学(または大学院)に入学し、認定対象科目の履修計画を立てる
  3. 基礎科目・選択科目・その他の科目をあわせて36単位以上修得する
  4. 四年制大学を卒業し学士の学位(または大学院修士課程を修了し修士の学位)を取得する
  5. 日本心理学会に電子申請または郵送で資格を申請する
  6. 審査料を振り込み、必要書類(成績・単位修得証明書、卒業証明書など)を郵送する
  7. 審査に合格すると、認定証とIDカードが発行される

すでに4年制大学を卒業している人が、卒業後に改めて認定心理士を目指す場合は、放送大学などの通信制大学で不足分の単位のみを修得して申請するケースが一般的です。卒業した大学の専攻が心理学と無関係でも、後から心理学関係の単位を36単位以上修得すれば申請できます。社会人が働きながら夜間や週末を使って単位を積み上げていくルートも珍しくありません。

履修計画を立てる際の注意点

基礎科目のc領域(心理学実験)は、面接授業やライブWeb授業といった対面性の高い科目でしか修得できないことが一般的です。放送大学の案内でも、c領域以外の領域は放送授業(オンデマンド型)での修得を推奨する一方、c領域は面接授業やライブWeb授業の受講が必須とされています。こうした授業には受講定員が設けられ、申請多数の場合は抽選になることもあるため、早めに履修計画を立てておくことが大切です。特に社会人や遠方に住んでいる人は、開講される学習センターの場所や時期にあわせてスケジュールを調整する必要があります。

科目名が同じでも領域が異なる場合がある

同じ科目名でも、開講年度によって対応する領域や認定単位数が異なる場合があります。単位を修得した年度の対応領域を必ず確認し、申請時に迷った場合は、在籍(在籍していた)大学の担当窓口や日本心理学会に問い合わせるとよいでしょう。過去に修得した単位を組み合わせて申請する場合は、閉講科目の扱いも含めて年度別の対応表で確認する習慣をつけておくと、申請直前になって単位が足りないと気づくような事態を避けられます。

履修状況を自分で確認できるツールもある

放送大学は、認定心理士の申請書類の一部である様式3(心理学関係科目修得単位表)・様式4(基礎科目c領域実験・実習課題リスト)を作成できる「認定心理士単位表作成ツール」をウェブサイトで公開しています。認定条件を満たしていない場合は赤字でメッセージが表示される仕組みになっており、履修中に自分の単位取得状況が条件を満たしているかどうかを随時確認できます。在籍する大学に同様のツールがない場合でも、日本心理学会が公開している単位認定基準の一覧と照らし合わせながら、履修状況を定期的にチェックする習慣をつけておくとよいでしょう。ただし、他大学で修得した単位や統計学に関する科目については、こうしたツールで自動チェックできない場合があるため、その部分は自分で基準を確認する必要があります。

b領域の認定条件には統計学の科目が必要になる場合がある

基礎科目のb領域(心理学研究法)は、心理学研究法そのものの科目に加えて、統計学に関する科目を認定単位数1単位以上履修する必要があると案内されている大学もあります。放送大学の場合、「心理学統計法」や「統計学」といった科目が対応科目として挙げられており、心理学研究法の科目だけでは条件を満たせない点に注意が必要です。履修計画を立てる段階で、心理学研究法の科目と統計学関連の科目をセットで履修するよう意識しておくと、あとから単位が足りないと気づく事態を防げます。

卒業論文・卒業研究の扱いにも注意する

i領域にあたる卒業論文・卒業研究は、必ずしも必須ではありませんが、申請すれば最大4単位として認定されます。ただし、卒業研究が認定の対象となるのは指導教員が心理学分野の教員である場合に限られます。所属コースが心理学系であっても、指導教員の専門分野が心理学でない場合は認定単位として認められないことがあるため、卒業研究のテーマや指導教員を選ぶ段階から意識しておくとよいでしょう。

単位取得でよくある失敗パターン

ここまでの内容を踏まえると、認定心理士の単位取得でつまずきやすいポイントは、おおむね次のように整理できます。単位数だけを見て、基礎科目の認定条件を見落としてしまうケースが特に多いため、履修計画の段階から意識しておくとよいでしょう。

  • c領域(心理学実験)の面接授業・ライブWeb授業を後回しにして、受講定員の抽選に外れてしまう
  • c領域の単位を副次主題の科目だけで満たそうとし、実験・実習の内容そのものが認定条件を満たさない
  • b領域(心理学研究法)で統計学に関する科目の履修を忘れ、単位数は足りていても認定条件を満たせない
  • 選択科目を1〜2領域に偏って履修し、5領域のうち3領域以上という条件を満たせない
  • 同じ科目名の科目を複数年度で履修し、対応領域の違いに気づかないまま申請してしまう

これらはいずれも、日本心理学会や放送大学の案内で注意喚起されているポイントです。履修計画を立てる段階で認定条件まで確認しておけば、多くは避けられる失敗といえます。

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認定心理士の申請方法と費用|電子申請・郵送申請のポイント

認定心理士の申請方法には、電子申請と郵送での申請の2つがあります。日本心理学会は利便性の高さから電子申請を推奨しています。

申請方法特徴
電子申請日本心理学会のウェブサイトから直接申請。科目選択機能で科目情報が自動入力される。郵送が必要な書類は成績・単位修得証明書と卒業(見込)証明書のみに限定される
郵送申請日本心理学会のウェブサイトから申請書類をダウンロードして作成し、審査料振込後に必要書類を添えて郵送する

いずれの方法でも、申請の流れは「単位修得→申請書類の準備→審査料の振込→必要書類の郵送」という順番になります。電子申請ではクレジットカード・コンビニ支払い・銀行振込(オンライン)から審査料の支払い方法を選べるほか、申請ホーム画面で審査の進捗状況を随時確認できる点がメリットです。書類に不備があった場合の差し戻しも、電子申請の方がスムーズに把握しやすいとされています。

認定心理士の取得にかかる費用

認定心理士の取得には、大学の学費とは別に、日本心理学会に支払う審査料・認定料がかかります。日本心理学会の公式発表によると、認定料は2024年4月開催の第199回認定委員会から33,000円に改定されており(改定前は30,000円)、審査料についてはこの改定で変更はないとされています。審査料の具体的な金額は、複数の大学の公式案内で11,000円と紹介されていますが、日本心理学会の一次ページで直接の金額表記までは確認できなかったため、正確な最新金額は申請前に日本心理学会の公式サイトで必ずご確認ください。

このほか、大学(または通信制大学)で単位を修得するための入学料・授業料が別途必要です。たとえば放送大学の場合、2026年度の入学料は全科履修生で24,000円、授業料は1単位あたり6,000円とされており、4年制大学を既に卒業した人が認定心理士に必要な36単位のみを修得するケースでは、授業料だけで216,000円程度かかる計算になります(基本主題のみを選択した場合の目安)。副次主題を多く選ぶと必要科目数が増えるため、授業料はこれより高くなる点にも留意してください。実際の費用は在籍する大学や履修する科目数によって変わるため、最新の学生募集要項でご確認ください。

通信制大学の学生区分によって入学料が異なる

放送大学のように学生の種類を複数用意している通信制大学では、卒業を目指すかどうかによって選ぶべき学生区分が変わり、入学料も異なります。2026年度の放送大学の場合、学生区分ごとの入学料の目安は次のとおりです。

学生の種類特徴入学料(2026年度)
全科履修生卒業を目指す。最長10年間在学可24,000円
選科履修生好きな科目のみ履修。1年間在学9,000円
科目履修生好きな科目のみ履修。半年間在学7,000円

すでに4年制大学を卒業していて、認定心理士に必要な単位のみを修得したい場合は、卒業を目指さない選科履修生・科目履修生でも申請は可能です。ただし面接授業やライブWeb授業を入学学期当初から登録する場合は出願手続きが通常と異なるため、志望する大学の学生募集要項を必ず確認してください。

申請時に必要となる主な書類

申請には、成績・単位修得証明書や卒業(見込)証明書のほかに、履修した科目のシラバスの提出が必要になる場合があります。放送授業やオンライン授業のシラバスは大学のウェブサイトから印刷できることが多い一方、開講年度が古い面接授業科目については、講義内容の詳細が記録として残っていないこともあります。実験・実習内容を自分で正確に思い出せない場合は対応科目を改めて履修することを勧める案内も見られるため、早い段階から記録を残しておく習慣をつけておくと安心です。

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認定心理士は意味がない?活かせる仕事・キャリアでの使い方

「認定心理士は意味がない」という声がインターネット上で見られることがあります。この背景には、認定心理士には独占業務がなく、資格がなくても心理カウンセラーとして働けてしまうという制度上の特徴があります。認定心理士という職業があるわけではなく、あくまで「大学で心理学の基礎を学んだ」ことの証明にとどまる資格である点は、取得前に理解しておく必要があります。

一方で、認定心理士がまったく役に立たないわけではありません。医療・介護・福祉・教育・一般企業など、心理学の知識を必要とする現場は幅広く存在します。履歴書や職務経歴書に「心理学を体系的に学んだ」ことを客観的に示す材料として使えることや、大学時代の専攻が心理学以外だった人にとって、他学部出身であることの説明を補う役割を果たすことは、実務上のメリットとして挙げられます。人事担当者が採用選考や社内研修の設計に心理学の知識を役立てるケースや、ボランティア活動の現場で対人支援の基礎知識として活かされるケースも紹介されています。

「意味がない」と感じやすいケース

すでに大学で心理学部・心理学科を卒業し、卒業証明書や成績証明書で心理学の履修歴を十分に示せる人にとっては、追加で認定心理士を取得する実利は相対的に小さくなります。反対に、他学部出身で心理学の学習歴を客観的に示す手段が少ない人にとっては、学習の証明として取得する意味が大きくなりやすいといえます。自分の状況に照らして、取得のメリットが大きいかどうかを冷静に判断することが大切です。

資格の有無より学習内容を語れることが大切

大学院入試の面接や志望理由書では、「認定心理士を持っています」という事実そのものよりも、どのような科目をどう学び、何を身につけたのかを具体的に語れるかどうかが重視される傾向にあります。認定心理士の資格取得を目指す過程で、自分が履修した科目の内容や、心理学実験で取り組んだ課題の中身を振り返っておくと、大学院入試の面接対策にもそのまま生かせます。

心理系大学院を目指す土台として使う

認定心理士のために修得する心理学概論・心理学研究法・心理学実験といった科目は、心理系大学院の入試で問われる専門科目の基礎と重なります。認定心理士そのものの取得を目的化するのではなく、公認心理師や臨床心理士を目指す大学院入試対策の一環として、必要な基礎科目を計画的に履修していくという位置づけで捉えると、学習の意味を見出しやすくなります。単位取得の記録が、大学院入試の面接や志望理由書で学習歴を説明する材料になる場合もあります。

認定心理士の知識が生きる主な現場

資格情報を扱う各種メディアの解説では、認定心理士が学ぶ心理学の基礎知識を生かせる現場として、次のような例が紹介されています。いずれも「認定心理士」という肩書きそのものが必須ではなく、知識を業務に応用する形での活用が中心になります。

  • 医療機関や介護・福祉施設での利用者・患者とのコミュニケーション
  • 教育現場での児童・生徒理解や学習支援
  • 一般企業の人事・労務部門での採用選考や社内研修
  • ボランティア活動など対人支援を伴う現場での基礎知識の活用

これらはいずれも、認定心理士でなければ担当できない業務ではなく、心理学の基礎知識があることで業務の質を高めやすい場面という位置づけです。就職・転職の際は、認定心理士の学習内容(履修した科目や修得単位数)を具体的に説明できるようにしておくと、資格の価値を伝えやすくなります。

取得の優先度をチェックする

認定心理士を取得すべきかどうかは、自分がどのような状況にあるかによって変わります。以下の整理を参考に、自分の状況に近いものを確認してみてください

状況取得の優先度の考え方
心理学部・心理学科の卒業生で、卒業証明書だけで学習歴を示せる優先度は相対的に低め。卒業証明書で代替できる場合が多い
他学部出身で、心理学の学習歴を客観的に示す手段が少ない優先度は高め。学習の証明として活用しやすい
心理系大学院(公認心理師・臨床心理士ルート)への進学を検討している優先度は高め。基礎科目の学習が入試対策の土台になる
資格そのものより心理学の体系的な知識だけを得たい資格申請にこだわらず、必要な科目だけを履修する選択肢もある

資格取得の目的を先に決めておく

認定心理士を取得するかどうか迷った場合は、「何のために取得するのか」を先に整理しておくと判断しやすくなります。就職活動でのアピール材料として使いたいのか、心理系大学院進学の準備として基礎科目を学び直したいのか、目的によって履修計画の立て方も変わってきます。目的があいまいなまま単位取得だけを進めてしまうと、時間と費用をかけたわりに実感できるメリットが小さくなりがちです。

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認定心理士から公認心理師・臨床心理士を目指すには|大学院進学という選択肢

心理職として専門的に働きたい場合、多くの人が次のステップとして公認心理師や臨床心理士を目指すことになります。どちらも大学院進学が主要な受験ルートに含まれるため、認定心理士に必要な基礎科目の学習は、大学院入試の専門科目対策とも重なる部分が多くあります

公認心理師を目指す場合、大学で必要な科目を履修したうえで、大学院でさらに必要な科目を履修するルートが中心的な位置づけにあります。臨床心理士を目指す場合は、日本臨床心理士資格認定協会が指定する指定大学院(令和8年4月1日現在、全国151大学院)を修了することが主な受験資格となります。いずれのルートも学部段階での心理学の基礎学力が土台になる点は共通しています。認定心理士のために基礎科目を体系的に学んでおくことは、大学院入試の専門科目試験で問われる知識の土台づくりにもつながります。

社会人・他学部出身者が大学院入試で直面しやすい壁

他学部出身の社会人が心理系大学院を目指す場合、心理学概論や心理学研究法といった基礎知識を独学で体系的に身につける必要があり、専門科目の筆記試験や研究計画書の作成で苦戦しやすい傾向があります。認定心理士の単位取得を通じて基礎科目を学び直すことは有効な方法の一つですが、志望校の出題傾向に沿った専門的な指導を並行して受けることも有効です認定心理士から公認心理師・臨床心理士を目指す大学院入試対策では、社会人や他学部出身者を対象に、専門科目・研究計画書・面接まで個別に対応しています。

研究計画書や面接対策も並行して進める

大学院入試では、基礎科目の知識だけでなく、研究計画書の作成や面接対策も合否を左右する重要な要素です。認定心理士のための基礎科目学習と、研究計画書・面接対策は本来並行して進めるべきものであり、単位取得だけに時間を使いすぎて出願直前に研究計画書に着手する、といった進め方は避けたいところです。志望する研究科・研究室が決まっている場合は、早い段階から先行研究を読み込み、自分の研究テーマの方向性を固めておくことをおすすめします。

働きながら学ぶ場合のスケジュール感

社会人が働きながら認定心理士の単位を積み上げ、その後さらに心理系大学院を目指す場合、単位取得だけでも1年から2年程度を見込んでおくのが現実的です。基礎科目の学習と大学院入試の専門科目対策を並行して進められるよう、早い段階から逆算したスケジュールを立てておくことが、遠回りを防ぐポイントになります。

認定心理士を経由するかどうかの判断軸

心理系大学院を目指すにあたって、必ずしも認定心理士の資格そのものを取得する必要はありません。重要なのは資格の有無ではなく、大学院入試で問われる基礎科目の知識を身につけているかどうかです。すでに心理学部・心理学科に在籍していて、心理学概論・研究法・実験などの科目を大学のカリキュラムとして履修する予定がある人は、認定心理士の申請をするかどうかにかかわらず、結果的に必要な基礎知識を身につけられます。

一方、他学部に在籍しながら心理系大学院を目指す人や、社会人として学び直しをする人にとっては、認定心理士の単位認定基準を「学習の設計図」として活用するという考え方が役立ちます。日本心理学会が定める基礎科目・選択科目の枠組みに沿って科目を選んでいけば、体系立った学習計画を自分で一から組み立てる手間を省きながら、大学院入試に必要な基礎知識を漏れなくカバーしやすくなるためです。資格の取得自体を目的にしなくても、この枠組みを履修計画の参考にする価値はあります。

公認心理師・臨床心理士それぞれの詳しい取得方法

公認心理師になるための大学・大学院ルートや社会人からの目指し方は、公認心理師になるには|資格取得までの完全ガイドで詳しく解説しています。臨床心理士の仕事内容や資格の取り方をより詳しく知りたい方は、臨床心理士とは|仕事内容・なり方を徹底解説もあわせてご覧ください。認定心理士の学習を最初のステップとして位置づけると、進路全体の見通しが立てやすくなります。

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よくある質問(FAQ)

認定心理士は国家資格ですか?

国家資格ではありません。認定心理士は公益社団法人日本心理学会が認定する民間資格です。国が認定する心理職の資格としては公認心理師があり、両者は運営主体も性格も異なります。認定心理士は試験による選抜がなく、所定単位の修得と書類審査で取得できる点も、国家試験に合格する必要がある公認心理師とは異なります。

認定心理士は独学・通信制大学でも取得できますか?

放送大学のような通信制大学に在籍し、対応する科目を履修すれば取得を目指せます。ただし、基礎科目のc領域(心理学実験)は面接授業やライブWeb授業といった対面性のある授業でしか修得できないのが一般的で、完全な独学のみで取得することはできません。通信制大学であっても、面接授業やライブWeb授業のスクーリングは避けて通れない点に注意しましょう。放送授業やオンライン授業だけで完結する科目はテキストと映像で自分のペースで学べますが、c領域の実験・実習だけは、学習センターなどに実際に足を運んで受講する必要があります。

認定心理士だけで心理カウンセラーとして働けますか?

認定心理士には業務独占がなく、資格がなくても心理カウンセラーと名乗ること自体は可能です。ただし、認定心理士は大学での基礎学習の証明にとどまる資格であり、専門的な心理支援業務を担うための実務資格ではありません。専門職として働きたい場合は、公認心理師や臨床心理士などの取得を検討する人が多いのが実情です。

認定心理士と心理調査士は何が違いますか?

心理調査士は、正式名称を「認定心理士(心理調査)」といい、認定心理士のうち心理調査に関連する専門科目を履修した人を対象とする関連区分です。実験・調査・観察・面接・検査などの心理学的研究法の知識を示す資格で、認定心理士を取得したうえで追加で申請する形になります。

認定心理士の資格取得にかかる費用はどのくらいですか?

大学の学費とは別に、日本心理学会への審査料・認定料が必要です。日本心理学会の公式発表によれば、認定料は2024年4月から33,000円に改定されており、審査料はこの改定で変更されていません。審査料の具体的な金額は大学の案内では11,000円とされていますが、最新の金額は日本心理学会の公式サイトで確認することをおすすめします。このほかに大学の入学料・授業料が別途必要になる点も見落とさないようにしましょう。通信制大学で不足単位のみを修得する場合でも、入学料と単位あたりの授業料はかかるため、総額で数十万円規模の費用を見込んでおくと安心です。

認定心理士から公認心理師を目指すことはできますか?

認定心理士の資格そのものが公認心理師の受験資格に直結するわけではありませんが、認定心理士のために学ぶ心理学概論・研究法・実験といった基礎科目は、公認心理師を目指す大学院入試の専門科目対策とも重なります。基礎学習の土台として活用する人は少なくありません。公認心理師を目指す場合は、大学のカリキュラムが公認心理師「大学における必要な科目」に対応しているかどうかを、志望する大学のウェブサイトなどで別途確認することが欠かせません。

短期大学卒業でも認定心理士を取得できますか?

短期大学の卒業のみでは認定心理士を申請できません。認定心理士は4年制大学卒業(または大学院修士課程修了)を条件としているためです。ただし、短期大学から4年制大学に編入した場合、既に修得した単位が編入先の大学で一括認定されることがあります。

認定心理士の資格に有効期限はありますか?

認定心理士には更新制度がなく、一度取得すれば有効期限はありません。臨床心理士のように5年ごとに研修ポイントを満たして更新する必要はない点は、公認心理師と共通しています。

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まとめ|認定心理士は心理系大学院・国家資格への土台になる基礎資格

認定心理士は、日本心理学会が認定する「大学で心理学の基礎を学んだこと」を示す民間の基礎資格であり、国家資格の公認心理師や、民間の専門資格である臨床心理士とは性質が異なります。試験による選抜はなく、心理学関係の所定単位を36単位以上修得し申請することで取得できます。3資格それぞれの位置づけを正しく理解したうえで、自分が本当に必要としている資格はどれなのかを、早い段階で見極めておくことが遠回りを防ぐ第一歩になります。

  • 認定心理士は日本心理学会が認定する民間の基礎資格で、業務独占はない
  • 公認心理師は国家資格、臨床心理士は民間の専門資格という位置づけの違いがある
  • 取得条件は「4年制大学卒業(または大学院修士課程修了)」「16歳以降通算2年以上の日本滞在」「心理学関係36単位以上の修得」の3つ
  • 36単位は基礎科目12単位以上・選択科目16単位以上・残り8単位は自由に組み合わせる構成
  • c領域(心理学実験)は6課題以上の体験的学習が条件で、面接授業やライブWeb授業の受講が必要になりやすい
  • 申請には日本心理学会への審査料・認定料が別途必要で、2024年4月から認定料は33,000円に改定されている
  • 公認心理師・臨床心理士を目指す土台として、基礎科目の学習を位置づけると意味を見出しやすい

認定心理士そのものの取得を目的化するのではなく、その先の進学を見据えて基礎科目を積み上げていくことが大切です。独学での大学院入試対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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