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指定校推薦は落ちるのか|校内選考と本番の合格率

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指定校推薦は落ちるのか。この問いへの答えは、「落ちる場面が2つあり、そのどちらを指しているかで話がまったく変わる」というものです。1つ目は、高校の中で行われる校内選考で推薦をもらえない場合。2つ目は、推薦をもらって出願した先の大学で不合格になる場合です。ネット上の「指定校推薦はほぼ受かる」という説明の多くは2つ目だけを指していて、1つ目の存在が抜け落ちています。逆に、校内選考の結果を待っている高校生が不安に思っているのは、たいてい1つ目のほうです。

指定校推薦とは、大学が特定の高校に推薦枠を割り当て、その高校の生徒だけが出願できる入試のことを指します。制度上は学校推薦型選抜の一形態で、文部科学省の資料では「非公募型の学校推薦型選抜」という言い方がされます。大学が高校を信頼して枠を預ける仕組みである以上、大学側の選考は一般選抜ほど厳しくはありません。ただし「厳しくない」ことと「落ちない」ことは同じではありません。実際、募集要項には不合格になった場合の取り扱いが書かれています。

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この記事では、指定校推薦で落ちる2つの経路をそれぞれ分けて整理し、そのうえで「合格率はどこまで数字で言えるのか」を文部科学省の統計で確認します。先に結論の一部を書いておくと、指定校型だけを切り出した公的な合格率の統計は存在しません。よく見かける「合格率ほぼ100%」という数値は、少なくとも公的統計からは確認できないものです。したがって本記事では、確認できる数字だけを示し、確認できないものは「確認できない」と書きます。

あわせて、出願したあとに辞退が原則できないこと、合格したあとでも入学できなくなる場合があることを、大学が公開している募集要項の実際の記載から確認します。脅かすためではなく、要項に何が書いてあるかを知っておけば、避けられる事故がほとんどだからです。年度は2027年度入試(令和9年度大学入学者選抜)を基準にしていますが、条件や日程は大学ごとに異なるため、最終的な確認は志望校の最新の募集要項と在籍校の進路指導部でお願いします。

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目次

指定校推薦は落ちるのか|「落ちる」には2つの意味がある

まず、言葉の整理から始めます。「指定校推薦に落ちた」という表現は、次の2つのまったく違う出来事に対して使われています。同じ言葉で語られているせいで、対策も見通しも混ざってしまうのです。

経路①:校内選考で推薦をもらえない

大学から高校に届く推薦枠は、たいてい「1名」「2名」といった少人数です。そこに希望者が3人いれば、少なくとも1人は推薦をもらえません。これが経路①です。校内選考は大学の入試ではなく、高校の内部で行われる選考であり、判定するのは高校の先生方です。評定平均や出欠の記録、模擬試験の成績などをもとに、進路指導部と学年の教員が話し合って決めるのが一般的な形です。

この段階で選ばれなかった場合、そもそも大学に出願する権利が得られません。したがって「大学の入試で不合格になった」わけではなく、記録としても入試の不合格は残りません。切り替えて公募制推薦や総合型選抜、一般選抜に向かうことになります。

経路②:推薦をもらった後、大学の選考で不合格になる

校内選考を通って出願した先で、大学の選考の結果として不合格になる場合が経路②です。指定校推薦は大学と高校の信頼関係を前提にした制度なので、この段階で不合格になる人は多くはないと考えられます。ただし「多くはない」ことと「起こらない」ことは別で、大学の募集要項には不合格者が出た場合の記載がきちんと置かれています。具体的な条文は後の見出しで引用します。

経路③として意識しておきたい「合格後に入学できなくなる」場合

厳密には不合格ではありませんが、読者の不安としてはこの3つ目もよく混ざります。合格したあとに高校を卒業できなかった、指定された大学入学共通テストを受験しなかった、期限までに入学手続をしなかった、といった場合です。これらは合否そのものではなく、入学資格や手続の問題として要項に書かれています。防ぎ方が明確なので、知っておくだけで回避できます。

なぜ「指定校推薦はほぼ受かる」と言われるのか

この通説には、制度上の裏づけがまったくないわけではありません。指定校推薦は大学が高校を指定して枠を配る仕組みで、高校側は大学に推薦して恥ずかしくない生徒を校内で選んでから送り出します。校内選考という絞り込みが先に入っているため、大学に届く時点で候補者は要件を満たした状態になっているわけです。大学側も、高校長の推薦という重みを尊重した判断をします。

加えて、指定校推薦は原則として専願です。合格したら入学する前提で出願するため、大学から見れば合格を出した人数がそのまま入学者数に近づきます。定員を埋める見通しが立ちやすい入試であることも、合格が出やすい方向に働きます。「受かりやすい」という感覚自体は的外れではありません。問題は、その感覚が数字で保証されているかのように語られてしまう点にあります。

自分がどの不安を持っているのかを先に決める

3つの経路は、時期も、相手も、やるべきことも違います。表にすると次のようになります。

経路いつ誰が判定するか主に見られるもの
①校内選考で選ばれないおおむね夏から秋(高校により異なる)在籍する高校評定平均・出欠・校内基準
②大学の選考で不合格11月〜12月出願先の大学出願書類・面接・小論文等
③合格後に入学できない12月〜翌年3月出願先の大学卒業要件・入学手続・指定条件

いま自分が心配しているのがどれなのかを先に決めると、必要な情報だけを取り出せます。以降はこの順番で、経路ごとに一次情報を確認していきます。

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落ちる経路①|校内選考で推薦をもらえない

指定校推薦で「落ちた」と語られる出来事の多くは、この校内選考の段階で起きています。大学入試の統計には表れない一方で、当事者にとっては最初にして最大の関門です。

推薦枠より希望者が多ければ、選ばれない人が出る

校内選考の構造は単純です。枠の数より希望者が多ければ、その差の分だけ選ばれない人が出ます。人気のある大学・学部ほど希望が集中するため、同じ高校の中でも枠によって難易度がまったく違います。逆に、希望者が枠を下回れば校内選考は競争になりません。つまり校内選考の通りやすさは、その年その高校の希望状況しだいで動きます。全国平均のような数字は存在しません

校内選考の時期と呼び方は高校ごとに違う

校内選考がいつ行われるかも、高校によって差があります。大学から高校に推薦枠の通知が届くのが夏前後で、そこから校内の手続きが始まるのが一般的な流れですが、募集をかける回数も締め切りも各校の運用しだいです。前掲の私立高校の資料では、選考の会議が第1回・第2回・第3回以降と複数回設定されており、回によって出席する教員の構成も変わると書かれています。1回で全ての枠が埋まるとは限らないということです。

呼び方も統一されていません。「校内選考」「セレクション」「推薦会議」など、学校ごとに違う名前で呼ばれます。ネットで調べた手順が自分の高校と噛み合わないことは珍しくないので、基準・時期・提出物の3点は在籍校の資料で確認するのが確実です。

実際に公開されている校内基準を見る

校内選考の基準は高校ごとに定められ、多くは校内向けの資料として配られます。ただし、進路指導の資料をウェブ上で公開している高校もあります。ある私立高校が公開している「指定校推薦・公募推薦 校内基準」(2024年12月版)には、応募資格として次のような条件が並んでいます。

  • 当該の学校が定めている基準(成績、出欠席、人物評価等)を満たしている
  • 3年間の欠席の合計が15日以内を目安とする
  • 3年間の遅刻・早退の合計が30日以内である
  • 3年間の欠課時数の合計が100回以内である
  • 懲戒処分を受けていない

選考方法については「評定平均、模擬試験成績、出欠席の結果を考慮し決定する」「基本的に評定平均を第一に考え、あまり差がない場合に模擬試験の結果等を考慮する」と書かれています。評定平均が第一で、差がつかないときに模試や出欠が効いてくるという順序が、資料の言葉として明記されているわけです。長期の通院や入院などで日数の基準を超えた場合は、選考会議で審議のうえ適否を決めるという例外規定も置かれています。

これはあくまで1校の運用例であり、全国共通のルールではありません。数字の基準も校内選考の呼び方も高校によって違います。自分の高校の基準は、在籍校の進路指導部に確認してください。

内定した後でも取り消される場合がある

同じ資料には、選考を通ったあとの扱いも書かれています。校内の会議で推薦者として内定した生徒には校長面接が行われ、「面接の結果をもって、推薦の可否が決定される」とされています。さらに、内定後に欠席日数が規定を超えるなど応募資格を満たさなくなった場合、大学への出願前であれば内定取り消しになると明記されています。出願後の場合は職員会議に諮って対応を決めるとされています。

校内選考は「通ったら終わり」ではなく、出願までは条件を維持する期間が続くという設計です。合格発表までのあいだに生活が乱れると、そこで足元をすくわれる可能性があるということになります。

校内選考に選ばれなかった場合の進み方

校内選考で選ばれなかったとしても、その年の受験が終わるわけではありません。学校推薦型選抜の公募制、総合型選抜、一般選抜という選択肢が残ります。ただし時期の制約があり、総合型選抜は出願が9月1日以降、学校推薦型選抜は11月1日以降という国のルールがあるため、結果が出るタイミングによっては総合型選抜の出願が締め切られていることもあります。動ける選択肢は、結果が判明した日付によって変わります。

なお、校内選考でどう評価されるか、どう準備すればよいかという攻略の話は、この記事の主題からは外れます。ここでは「校内選考は落ちうる場所である」という構造の確認までにとどめます。

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落ちる経路②|大学の選考で不合格になる

次は、推薦をもらって出願した先での不合格です。ここは推測ではなく、大学が公開している募集要項の記載で確認できます。

募集要項は「不合格」を明示的に想定している

東京都立大学は、指定校推薦入試の学生募集要項をウェブ上で公開している数少ない大学の一つです。2027年度の要項には、合格者の発表に関する注意事項として次の一文があります。

「本選考に不合格となった者で、大学入学共通テストを受験したものは、本学の一般選抜を受験することができます。」(東京都立大学 2027年度 学校推薦型選抜(指定校推薦入試)学生募集要項)

この文は、不合格者が出ることを前提に書かれた案内です。指定校推薦であっても大学側の選考は行われ、その結果として不合格になる人が想定されている、ということが要項の言葉から読み取れます。同時に、不合格でも共通テストを受けていれば一般選抜に進める道が用意されていることも分かります。この大学の指定校推薦の募集人員は全学部で合計189名(2027年度)です。

大学は書類だけで合否を決めてはならない

そもそも国のルールとして、出願書類だけで合否を決めることは認められていません。令和9年度大学入学者選抜実施要項は、学校推薦型選抜について調査書・推薦書等の出願書類だけではなく、定められた評価方法のうち少なくとも一つを必ず活用し、その旨を募集要項に記述するよう求めています。ここでいう評価方法とは、教科・科目に係る個別テスト、大学入学共通テスト、小論文・面接・実技検査等、資格・検定試験等の成績の4つです。

つまり、指定校推薦であっても何らかの評価が行われる建て付けになっています。東京都立大学の場合、選考方法は全学部で「出願書類及び面接(口頭試問を含む。)」、経済経営学部だけは「出願書類、集団討論及び面接」と定められています。集団討論では社会・時事問題等について議論し、基礎的知識と、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を評価するとされています。

「極力、入学を許可する」と書く大学もある

一方で、指定校推薦の性格をはっきり書いている大学もあります。上智大学の2027年度推薦入学試験(指定校制)のページには、制度の趣旨として次のように記されています。

「志願者の合否判定に際しては、指定校学校長からの推薦であることを尊重し、極力、入学を許可することを旨とします。」(上智大学 2027年度 推薦入学試験(指定校制))

「極力、入学を許可する」という表現は、できるかぎり合格させる方針だが、無条件ではないことを示しています。同大学の選考方法は「高等学校調査書」「自己推薦書」「レポート等特定課題」「面接」により総合的に判断するとされ、面接は2026年11月29日に実施されます。高校長の推薦を尊重する姿勢と、選考を行うという事実は両立しているわけです。

得点化して合否を判定する大学もある

指定校推薦の選考が数値化されている例もあります。筑紫女学園大学の2026年度指定校選抜(専願制)は、「調査書」「日本語読解力テスト(リーディングスキルテスト)」「志願理由書」「面接」による評価結果を得点化して合否を判定すると公表しており、配分は書類審査(調査書)が40%、志願理由書と面接が60%とされています。読解力を測るテストが課される点も含めて、形式的な面談ではなく評価の実体がある選考だと読み取れます。

大学側が不合格の判断に踏み切りうる場面

要項に不合格の記載があるとして、どのような場合に起こりうるのかは公表されていません。個々の判定理由を大学が明かすことはないためです。ただし、要項に書かれた条件から逆算すれば、注意すべき点は絞り込めます。

  • 出願資格を満たしていない場合(指定された履修科目、学習成績の状況、資格・検定の基準など)
  • 課された選考を受けられなかった場合(面接や小論文の欠席、指定課題の未提出)
  • 選考で評価される内容が、大学の求める水準に届いていないと判断された場合
  • 出願書類の記載に事実と異なる部分が確認された場合

1つ目は本人の意思と関係なく起こりうるため、特に注意が必要です。東京都立大学の2027年度要項では学科ごとに履修科目の要件が定められており、条件を満たしていなければ出願そのものが成立しません。校内選考の段階で高校が確認するのが通常ですが、最終的な責任は出願する本人にあります。

2027年度入試からは面接が原則必須になった

2027年度入試(令和9年度)からの変更点として、総合型選抜および学校推薦型選抜では面接による評価を必ず行うこととされました。ただし通知にはただし書きがあり、高等学校との緊密な連携により丁寧なマッチングが図られていると考えられる非公募型の学校推薦型選抜で、合格した際には入学することを志願者が確約して受験するものについては、大学の実情に応じて面接の要否を判断できるとされています。指定校推薦はこの例外に当てはまりうる区分です。

したがって「指定校推薦だから面接は必ずある」とも「必ずない」とも言えません。面接があるかどうかは志望校の募集要項で確認する必要があります。なお、令和8年度に既に実施されていた選抜区分で面接の導入が難しいものについては、遅くとも令和11年度入試までに導入するという経過措置も置かれています。

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数字で見る合格率|指定校推薦だけの公的統計は存在しない

ここからはデータの話です。結論を先に書くと、指定校型に限定した合格率は、公的統計からは計算できません。存在するのは「学校推薦型選抜全体の志願者数・合格者数」と「学校推薦型選抜の種類別の構成比」という別々の統計で、この2つは掛け合わせられません。順に見ていきます。

学校推薦型選抜全体の実数(令和7年度)

文部科学省が2025年11月26日に公表した「令和7年度国公私立大学入学者選抜実施状況」によると、学校推薦型選抜の実施状況は次のとおりです。

区分実施大学・学部数入学志願者数合格者数入学者数
国立76大学304学部31,953人12,714人12,706人
公立97大学213学部23,032人9,753人9,732人
私立599大学1,999学部480,971人287,117人198,977人
合計772大学2,516学部535,956人309,584人221,415人

この数値から単純に計算すると、学校推薦型選抜全体の合格者数は志願者数の約57.8%です。設置区分別では国立が約39.8%、公立が約42.3%、私立が約59.7%となります。私立でも志願者の約4割は合格者になっていない計算です。参考までに、同じ年度の総合型選抜は志願324,118人に対し合格160,505人で約49.5%でした。

数字を読むうえで、文部科学省が付けている注記を外せません。入学志願者数・受験者数・合格者数は延べ数であり、1人が複数の大学・学部に出願すればその分だけ重複して数えられます。通信教育課程と学士編入学選抜は含まれません。さらに、令和7年度実施要項での区分再整理と外国人留学生対象選抜を含めたことにより、令和6年度の数値との比較はできないと明記されています。したがって前年比の増減を語ることもできません。

この57.8%を指定校推薦に当てはめてはいけない理由

ここが本題です。上の統計は学校推薦型選抜を公募型と指定校型に分けていません。総括表にも選抜区分別の表にも、その内訳の欄そのものが存在しません。学校推薦型選抜の中には、誰でも出願できる公募型、附属高校のみが対象の枠、指定校型が混ざっています。公募型は他校との併願も可能な設計が多く、志願者数が膨らみやすい区分です。その全部を合わせた数字が57.8%であって、指定校型の合格率がこの値だという意味ではありません。

種類別の構成比は別の調査にある

学校推薦型選抜の中身の内訳は、文部科学省の委託調査(令和7年度・調査時点は令和7年7〜9月、大学・短期大学1,041校が回答、回答率100%)に載っています。この調査では学校推薦型選抜を4種類に分け、指定校を「大学が指定した学校の生徒のみが出願できる学校推薦型選抜(附属高校を除く)」と定義しています。

集計単位公募型附属高校指定校その他
入学者数別・大学全体(n=219,502)30.4%13.4%53.1%3.1%
入学者数別・私立大学(n=197,079)23.1%14.9%58.8%3.3%
入学者数別・国立大学(n=12,695)98.4%0.1%0.1%1.4%
選抜区分数別・大学全体(n=21,106)42.4%20.3%27.6%9.7%

入学者ベースで見ると、学校推薦型選抜で入学した人の53.1%が指定校型で、私立大学に限れば58.8%を占めます。一方で国立大学の学校推薦型選抜はほぼ公募型で、指定校型は0.1%にとどまります。指定校推薦が私立大学中心の制度だと言われるのは、この数字が背景にあります。

2つの調査を掛け合わせて合格率は作れない

ここで「実施状況調査の合格者数に、委託調査の53.1%を掛ければ指定校型の合格者数が出るのでは」と考えたくなります。しかしこの計算は成り立ちません。理由は3つあります。

  • 2つは別々の調査で、対象が違う(実施状況調査は大学778校、委託調査は大学・短期大学1,041校)
  • 委託調査の構成比は入学者数と選抜区分数についてのもので、志願者数や合格者数の内訳は集計されていない
  • 指定校型は原則専願のため合格者と入学者がほぼ重なる一方、公募型は併願が多く合格者と入学者の差が大きい。構成比の性質が区分ごとに違う

実際、私立大学の学校推薦型選抜では、合格者287,117人に対して入学者は198,977人で、合格者の約69.3%しか入学していません。これに対し国立大学は合格者12,714人に対し入学者12,706人と、ほぼ全員が入学しています。合格者と入学者のずれ方が区分によって大きく違う以上、全体の比率を一部に当てはめる計算は成り立ちません。

短期大学まで含めると景色がさらに変わる

同じ委託調査には短期大学の集計もあります。短期大学の学校推薦型選抜では、入学者数ベースで指定校が70.4%(私立短大は74.1%)を占め、大学より比率が高くなっています。選抜区分数ベースでは指定校が33.8%です。指定校型への依存度は大学より短期大学のほうが高いという結果です。

一方、先に挙げた実施状況調査は大学のみを対象としており、短期大学の数値は含まれません。統計ごとに対象範囲が違うため、出典を確認せずに数字だけを引用すると話がずれます。数字を見るときは、どの調査の、どの集計単位の値かを毎回確かめる必要があります。

「ほぼ100%」という通説をどう受け止めるか

以上を踏まえると、指定校推薦の合格率として広く語られている数値は、公的統計では確認できないものだと言わざるを得ません。確認できるのは次の3点です。

  • 指定校型だけを切り出した志願者数・合格者数・合格率の公的統計は存在しない
  • 大学の募集要項には、不合格になった場合の取り扱いが実際に書かれている
  • 大学は出願書類だけで合否を決めてはならないとされ、面接等の評価が行われる

数字がないことは「危ない」という意味ではありません。合格しやすい制度であることは、上智大学の「極力、入学を許可することを旨とします」という記載からも読み取れます。ただし数字で保証されているわけではないため、確率の話に頼らず、要項に書かれた条件を一つずつ満たしていく考え方のほうが確実です。

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大学は何を見ているのか|学校推薦型選抜で使われている評価方法

指定校型だけの統計はありませんが、学校推薦型選抜という枠でなら「大学が実際に何を使って評価しているか」の割合が分かります。前述の文部科学省委託調査には、選抜区分ごとの利用状況が集計されています。

学力を把握するために何が使われているか

学校推薦型選抜の選抜区分21,106件(大学全体)について、学力把握の措置として使われているものの割合は次のとおりです(複数回答)。

学力把握の措置利用している選抜区分の割合
高校等における学習成果(調査書等)95.4%
書面(推薦書など)95.2%
面接・討論等77.4%
小論文等32.0%
資格・検定試験の成績28.2%
活動歴・顕彰・表彰23.0%
個別学力検査19.2%
検査(実技検査など)13.2%
大学入学共通テスト5.6%
入学前教育(模擬講義など)5.4%

調査書と書面がほぼ全ての区分で使われている一方、面接・討論等も8割近い区分で使われています。個別学力検査を課す区分も約2割あります。書類を出して終わりという設計は、学校推薦型選抜全体で見れば少数派だということになります。

資料別の利用率でも面接の比重が高い

同じ調査の別の集計では、学力検査以外に考慮する資料等の利用率が資料ごとに出ています。学校推薦型選抜では、面接が72.3%、口頭試問が23.7%、小論文が29.4%、プレゼンテーションが2.7%、討論が0.8%です。基礎学力把握のための筆記による簡易な検査が7.5%、適性検査が3.4%、実技検査が2.5%という数値も出ています。

書類関係では、推薦書等が89.6%、調査書の全般的な利用が91.7%、教科の評定平均値が83.4%で使われています。総合的な学習の時間や専門教科等における探究的な学習成果等に関する資料も34.4%の区分で利用されています。評定平均は出願要件を満たせば終わりではなく、評価の材料としても使われることがこの数字から分かります。

参考までに、総合型選抜では面接が86.5%、小論文が34.3%、評定平均値が63.8%、探究的な学習成果等の資料が38.1%となっています。学校推薦型選抜のほうが調査書と評定への依存が高い一方、総合型選抜のほうが面接と探究資料の比重が高いという傾向が読み取れます。

この数字を自分の志望校に当てはめない

ここまでの割合は全国の選抜区分を集計したものであり、志望校の指定校推薦がどうかを示すものではありません。指定校型は選抜区分数ベースでは学校推薦型選抜の27.6%を占める一部の区分です。実際に何が課されるかは、大学から高校に届く入学試験要項に書かれています。面接があるのか、小論文があるのか、共通テストの受験が条件になっているのかを、出願前に必ず現物で確認してください。

なお、指定校推薦の要項は高校あてに送付され、一般には公開されないことが少なくありません。東京都立大学の場合も、推薦基準と推薦者数は「対象校の学校長宛てに郵送にて別途通知しています」とされ、受験生が直接見ることはできません。この意味でも、情報の入り口は在籍校の進路指導部になります。

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合格した後に入学できなくなるケース|募集要項の実際の記載

不合格そのものではありませんが、合格後に入学できなくなる場合があります。これも推測ではなく、募集要項に条項として書かれています。東京都立大学の2027年度指定校推薦入試の要項から、「合格後の手続及び入学後における注意事項」を確認します。

高校を卒業できなかった場合

要項には「入学手続を完了した者が、高等学校等を卒業できない場合は、入学することができません。」と書かれています。指定校推薦の出願資格は「2027年3月卒業見込みの者」であり、卒業見込みが卒業に変わらなければ前提が崩れるためです。

法令上の根拠もはっきりしています。令和9年度大学入学者選抜実施要項は、大学に出願できる者を、学校教育法等により大学の入学資格を有する者または「大学入学の前までに入学資格を有することとなる見込みの者」と定めています。卒業できなければ入学資格を得られず、合格していても入学には至りません。合格後に出席や単位が崩れると現実に起こりうる事態です。

指定された共通テストを受験しなかった場合

同じ要項の条項には、「経済経営学部、都市環境学部環境応用化学科、健康福祉学部看護学科及び放射線学科の合格者が大学入学共通テストを受験しなかった場合(受験した科目が定められた条件を満たさない場合を含む。)は、入学することができません。」とあります。合格後に共通テストの受験が条件として残る学部・学科があるということです。

ここで注意したいのは、括弧の中身です。受験したけれど科目が条件を満たしていない場合も対象とされています。受験そのものを忘れなくても、指定された教科・科目の組み合わせを外せば同じ扱いになります。合格が決まったあとも、受験案内と要項の該当ページを照らし合わせる作業が必要です。

入学手続を期限までに行わなかった場合

要項には、期日までに入学手続が完了しない者は合格者としての権利を失うこと、その場合は本学および他の国公立大学の一般選抜を受験しても合格者とはならないことが記されています。さらに「学校推薦型選抜の合格者が正当な理由なく入学手続を怠った場合は、翌年度以降、当該学校長からの推薦を受理しないことがあります。」という条項もあります。

この一文は、指定校推薦が高校と大学の関係の上に成り立っていることを端的に示しています。個人の判断が翌年以降の後輩の枠に影響しうるという設計です。手続の期限は要項に明記されているので、合格発表の直後にカレンダーへ書き写しておくのが確実です。

出願書類の内容に事実と異なる記載があった場合

出願書類の真正性については国のルールが大学側に対応を求めています。令和9年度大学入学者選抜実施要項の「受験者による不正行為の防止」の項では、各大学が募集要項等において「記入事項、提出書類等の真正性の確保」「不正行為に該当する行為及び罰則」「必要に応じて追加的な確認を行ったり、警察に被害届を提出したりする場合があること」などを周知し、出願書類の適正性を確認するよう定めています。

さらに同項には「入学時点においても、選抜過程で不正が発生していないことが確認できるよう、本人確認など必要な措置を講じる」とあります。確認は合格時点で終わらず入学時点まで続くという書き方です。実際の罰則の内容は大学ごとに募集要項へ記載されるため、志望校の要項の該当箇所を読んでおくことになります。

合格後に問題行動があった場合

飲酒や喫煙、SNSでの投稿などをきっかけに合格が取り消されたという話は、受験生の間でよく共有されます。ただし、その多くは体験談や伝聞であり、統計として確認できるものではありません。本記事では確認できない事例を並べることはしません。

確認できるのは、高校側の資料に残されている運用のほうです。前掲の私立高校の校内基準では、推薦者として内定した後に応募資格を満たさない状況になった場合、出願前なら内定取り消し、出願後なら職員会議に諮って対応を決めるとされています。大学の合否とは別に、高校の中でも判断が行われる余地があるということです。

入学までに求められることを一覧にしておく

ここまでを整理すると、合格後にやるべきことは次のようになります。要項の言葉で確認してから、自分の志望校の版に置き換えてください。

確認する項目どこに書かれているか外した場合の扱いの例
高校の卒業要件在籍校の進級・卒業規程入学することができない
共通テストの受験義務・指定科目大学の募集要項入学することができない
入学手続の期限と方法大学の募集要項・入学手続要項合格者としての権利を失う
入学前教育・提出課題合格後に届く案内大学ごとに定めがある
出願書類の記載内容大学の募集要項(不正行為の項)大学が定める罰則の対象
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出願したあとは引き返せない|辞退の扱いと専願のルール

指定校推薦を考えるうえで、合否と同じくらい重要なのが「引き返せなくなる時点」です。ここも要項の言葉で確認できます。

出願資格そのものが入学の確約になっている

東京都立大学の2027年度指定校推薦入試の出願資格は、各学部共通で2つあります。1つは指定校の当該学科等を2027年3月に卒業見込みで学校長が推薦する者であること、もう1つが「合格した場合、本学への入学を確約できる者」です。筑紫女学園大学の指定校選抜も、出願資格として「専願(合格した場合、必ず本学に入学する者)であること」を挙げています。

上智大学の指定校制は「他大学、および本学の推薦入学試験(公募制)との併願はできません」と明記しています。確約は精神論ではなく出願資格の一部で、満たせない人はそもそも出願できない構造になっています。

専願がどれくらい徹底されているかは数字にも出る

文部科学省の委託調査では、私立大学の学校推薦型選抜について併願の可否が集計されています。指定校の選抜区分5,760件のうち、専願が93.4%、他校併願可はわずか0.9%でした。これに対し公募型(6,814件)は専願が34.4%、他校併願可が59.1%です。附属高校の区分(4,224件)は専願69.2%、他校併願可22.3%となっています。

私立大学の学校推薦型選抜の種類専願他校併願可
指定校(n=5,760)93.4%0.9%
公募型(n=6,814)34.4%59.1%
附属高校(n=4,224)69.2%22.3%

指定校型が他の区分と比べて突出して専願であることが、選抜区分の数としても確認できます

辞退が認められる条件は限定されている

それでも事情が変わることはあります。東京都立大学の要項は、辞退についてこう書いています。「入学辞退は、特別な事情により入学手続をしない者で、入学手続日までに学校長を通じて、『推薦入学辞退願』が提出され、その理由が正当であると判断された場合に限り認めます。」

読み取れるのは3点です。第一に、本人が直接申し出るのではなく学校長を通じて書面を提出する手続であること。第二に、期限が入学手続日までであること。第三に、理由が正当と判断された場合に限られることです。加えて、合格者は辞退を認められた場合を除き、他の国公立大学の一般選抜を受験しても合格者とはならないとされています。

お金の面でも扱いが違う

学費の返還についても、指定校推薦は他の入試と扱いが分かれます。令和9年度大学入学者選抜実施要項は、3月31日までに入学辞退を申し出た者について原則として授業料等の返還に応じるよう大学に求めていますが、その対象から「専願又は学校推薦型選抜(これに類する入学試験を含む。)に合格して大学等と在学契約を締結した受験者」を除いています。

つまり、一般選抜なら返ってくる納付金が、学校推薦型選抜では返還の原則の外に置かれているということです。辞退が「できない」というより、辞退したときの負担が制度として重く設計されていると理解するのが正確です。

高校の中でも辞退は想定されていない

高校側の運用も同じ方向を向いています。前掲の私立高校の校内基準には「セレクション会議で推薦者として内定した場合、原則として辞退はできない。したがって、専願を前提とする総合型選抜入試や公募推薦に応募している生徒はエントリーできない」と書かれています。校内選考にエントリーする時点で、その大学に進む意思を固めておく必要があるということです。

だからこそ、志望校選びの段階で迷いを残さないことが実質的な対策になります。学部で学ぶ内容、卒業後の進路、通学の条件、学費の見通しまで、家庭で先に話し合っておくと、後戻りできない設計が不利に働きません。

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落ちる可能性を下げるためにできること|出願前・試験前・合格後

ここまで見てきたとおり、指定校推薦で落ちる要因の多くは「知らなかった」「確認していなかった」に由来します。時期ごとに、やることを分けて整理します。

出願前|募集要項の該当箇所を自分の目で読む

指定校推薦の要項は高校あてに送られるため、生徒が全文を持っていないことがあります。担任や進路指導部に依頼して、少なくとも次の項目は現物で確認してください。

  • 出願資格(卒業見込みの年月、学習成績の状況の基準、履修が必要な科目、資格・検定の基準)
  • 選考方法(面接の有無、小論文や課題の有無、集団討論などの形式)
  • 日程(出願期間、試験日、合格発表日、入学手続の期限)
  • 合格後の条件(共通テストの受験義務、入学前教育、提出課題)
  • 不合格だった場合の取り扱い(一般選抜への出願可否)

履修科目の条件は見落とされがちです。東京都立大学の2027年度要項では、学科別要件として履修科目が細かく指定されています。たとえば経済経営学科は数学Ⅰ・Ⅱ・A・B・Cの5科目またはこれらに準ずる科目の履修が求められ、法学科は数学Ⅱ・B・Cに加えて日本史探究・世界史探究・地理探究のうち1科目以上の履修が要件です。科目の履修状況は高2までの選択で決まってしまうため、早い段階で確認する価値があります。

試験前|面接と書類の準備を形式に合わせる

面接が課される場合、聞かれるのは出願書類に書いた内容です。志望理由、高校で力を入れたこと、大学で学びたいこと、卒業後の進路といった定番の質問に対して、書類と口頭の説明が食い違わないようにしておきます。東京都立大学の要項では、面接に口頭試問が含まれ、経済経営学部の集団討論では社会・時事問題等が扱われると明記されています。形式が分かっているなら、その形式で練習するのが最短です。

書類の書き方や面接の答え方の考え方は、大学入試の区分が違っても共通する部分があります。当サイトには大学編入向けの記事ですが、面接で何を聞かれ、どう答えを組み立てるかを整理した記事と、志望理由書の構成を分解した記事があります。志望動機と自分の経験をつなぐ手順は高校生の推薦入試でも流用できるので、型づくりの参考になります。

試験前|評定と出欠を最後まで維持する

校内選考を通ったあとも、出願までは応募資格を維持する必要があります。前掲の校内基準では、内定後に欠席日数が規定を超えた場合、出願前なら内定取り消しとされていました。推薦が決まった時点で気を抜かないことが、そのまま事故の予防になります。

合格後|卒業と手続を確実に終える

合格発表から入学までの期間にやることは、卒業要件を満たすこと、指定があれば共通テストを受験すること、期限内に入学手続を済ませること、案内された課題を提出することの4つです。前掲の私立高校の校内基準にも「合格した後も勉強を継続するよう指導する。原則として共通テストを受験させる」と書かれています。高校側が受験を求めるケースがあることは知っておいて損がありません。

落ちてしまった場合の切り替え方

校内選考で選ばれなかった場合も、大学の選考で不合格になった場合も、次の受験に進めます。学校推薦型選抜の合格発表は令和8年12月1日以降と定められており、一般選抜の個別試験は令和9年2月1日から3月25日の間に行われます。12月に結果が出ても一般選抜まで2か月前後は残っている計算です。東京都立大学の要項が示すとおり、共通テストを受験していれば同じ大学の一般選抜に出願できる場合もあります。

切り替えの前提として、推薦の結果が出るまで一般選抜の勉強を止めないことが効きます。共通テストの出願は9月下旬から10月上旬で締め切られるため、推薦の結果を待ってからでは間に合いません。出願だけは済ませておくという判断が、選択肢を残します。

保護者の立場からできること

指定校推薦は、家庭の判断が入りやすい入試でもあります。専願であること、辞退の負担が重いこと、学費の返還が原則の外に置かれていることは、いずれも家計に直結する話だからです。出願前に学費と通学条件を確認しておくだけで、後から揺れる要素をかなり減らせます。

一方で、校内選考の基準や推薦者数は高校が管理しており、保護者が直接動かせる部分はほとんどありません。できるのは、生徒本人が進路指導部に確認すべきことを整理する手伝いと、体調や生活リズムを保てる環境づくりです。欠席や遅刻の記録が応募資格に関わる以上、日常の積み重ねがそのまま条件になっているという視点は持っておきたいところです。

準備を一人で抱えない

校内選考の基準、志望校の要項、書類の書き方、面接の練習と、確認すべきことは学校・大学・自分の3方向に分かれています。学校の先生に相談するのが第一ですが、担任の先生は学年全体を見ているため、一人ひとりの書類を何度も見る時間は限られます。総合型選抜・学校推薦型選抜を専門に扱うオンライン塾のアドミでは、志望理由書の組み立てや面接の受け答えを個別に扱っています。自分だけで判断がつかない箇所があるときは、無料相談で状況を整理してみるのも一つの方法です。

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よくある質問(FAQ)

指定校推薦で大学に落ちることはありますか

あります。大学の募集要項に不合格者の取り扱いが書かれているためです。東京都立大学の2027年度指定校推薦入試の要項には「本選考に不合格となった者で、大学入学共通テストを受験したものは、本学の一般選抜を受験することができます」という記載があります。ただし、上智大学が「極力、入学を許可することを旨とします」と書いているように、大学側は高校長の推薦を尊重する方針を取っています。合格しやすい制度である一方、無条件ではないと理解するのが正確です。

指定校推薦の合格率は何パーセントですか

指定校型に限定した合格率の公的統計は存在しません。文部科学省の入学者選抜実施状況調査は学校推薦型選抜を公募型と指定校型に分けておらず、種類別の構成比を出している委託調査のほうは志願者数・合格者数を集計していないためです。参考として、令和7年度の学校推薦型選抜全体では志願者535,956人に対し合格者309,584人(約57.8%)でしたが、これは公募型を含む延べ数であり、指定校型の合格率ではありません。

校内選考に落ちたら、その後はどうすればよいですか

公募制の学校推薦型選抜、総合型選抜、一般選抜という選択肢が残ります。ただし出願時期に制約があり、総合型選抜は令和8年9月1日以降、学校推薦型選抜は令和8年11月1日以降が出願開始です。校内選考の結果が出た日付によっては、総合型選抜の出願が締め切られている場合があります。まずは在籍校の進路指導部で、その時点で出願できる選抜を確認してください。

指定校推薦の面接で落ちることはありますか

面接を含む選考で不合格になる可能性は、募集要項上は否定されていません。文部科学省の委託調査では、学校推薦型選抜の選抜区分のうち72.3%が面接を、23.7%が口頭試問を利用しています。加えて2027年度入試からは総合型選抜・学校推薦型選抜で面接による評価を必ず行うこととされました。ただし、非公募型で入学を確約して受験するものについては大学の実情に応じて面接の要否を判断できるという例外規定もあります。

合格した後に入学できなくなることはありますか

要項に定めがあります。東京都立大学の2027年度要項では、入学手続を完了した者が高等学校等を卒業できない場合は入学できないこと、一部の学部・学科の合格者が大学入学共通テストを受験しなかった場合(受験科目が条件を満たさない場合を含む)は入学できないこと、期日までに入学手続が完了しない者は合格者としての権利を失うことが明記されています。出願書類の真正性についても、国の実施要項が各大学に罰則の周知を求めています。

指定校推薦は辞退できますか

出願資格が「合格した場合、入学を確約できる者」となっているため、原則としてできない前提の制度です。東京都立大学の要項では、辞退は特別な事情がある場合に、入学手続日までに学校長を通じて「推薦入学辞退願」を提出し、理由が正当と判断された場合に限り認められるとされています。学費面でも、国の実施要項は3月31日までの辞退者への授業料等の返還を求める対象から、専願または学校推薦型選抜で在学契約を締結した受験者を除いています。

指定校推薦に落ちたら一般選抜は受けられますか

受けられます。東京都立大学の要項は、本選考に不合格となった者で大学入学共通テストを受験した者は同大学の一般選抜を受験できると案内しています。ただし共通テストの出願は例年9月下旬から10月上旬に締め切られるため、推薦の結果を待ってからでは間に合いません。一般選抜の可能性を残すなら、共通テストの出願だけは先に済ませておく判断が現実的です。

合格が決まった後も勉強を続ける必要はありますか

大学の要項で共通テストの受験が条件とされている場合は、そのまま受験勉強が必要です。条件がない場合でも、高校を卒業できなければ入学できないという条項は残ります。ある私立高校の校内基準には「合格した後も勉強を継続するよう指導する。原則として共通テストを受験させる」と書かれており、高校側が受験を求める運用も見られます。入学後の学習に接続するという意味でも、年内で完全に手を止めない設計が無難です。

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まとめ|指定校推薦で落ちる2つの経路を一枚で整理する

指定校推薦は落ちるのか、という問いに対して、この記事で確認できたことを整理します。

  • 「落ちる」には2つの経路がある。①高校の校内選考で推薦をもらえない ②推薦をもらった後に大学の選考で不合格になる。加えて③合格後に入学できなくなる場合がある
  • 経路①は枠と希望者数の関係で決まる。ある私立高校の公開資料では、欠席15日以内・遅刻早退30日以内などの応募資格と、評定平均を第一とする選考方法が示されている
  • 経路②は募集要項で確認できる。東京都立大学の2027年度指定校推薦入試の要項には「本選考に不合格となった者で、大学入学共通テストを受験したものは、本学の一般選抜を受験することができます」と記載されている
  • 指定校型だけを切り出した合格率の公的統計は存在しない。令和7年度の学校推薦型選抜全体は志願535,956人・合格309,584人・入学221,415人で、合格者は志願者の約57.8%(延べ数)
  • 学校推薦型選抜で入学した人の53.1%が指定校型(私立は58.8%)だが、これは入学者数の構成比であり、合格率の計算には使えない
  • 私立大学の指定校型の選抜区分は93.4%が専願。出願資格そのものに入学の確約が組み込まれている
  • 合格後は、高校の卒業、指定された共通テストの受験、入学手続の期限という3点が入学の条件として残る

数字で「ほぼ受かる」と言い切れないのは、そもそもその数字が公表されていないからです。一方で、要項に書かれている条件は誰でも読めます。確率を気にするより、要項の条件を一つずつ確認するほうが結果につながります。出願資格、選考方法、日程、合格後の条件。この4項目を現物で確認しておけば、避けられる失敗のほとんどは避けられます。

制度の運用は年度ごとに変わり、2027年度入試からは面接の扱いにも変更が入りました。最新の情報は志望校の募集要項と在籍校の進路指導部で確認してください。書類や面接の準備で判断に迷う場面が出てきたときは、独学で抱え込まずに専門の指導を活用するのも一つの方法です。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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