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東京大学の編入学試験を徹底解説|工学部・理学部GSCの募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】

東京大学の編入学試験を徹底解説|工学部・理学部GSCの募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】の記事アイキャッチ画像。大学編入対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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「東京大学 編入」で検索すると、他大学のように「法学部2年次」「経済学部3年次」といった学部別の編入学試験があるように見えるかもしれません。しかし結論を先に言うと、東京大学に一般的な編入学試験は存在しません。他大学の途中年次に在籍する学生が、私立大学のような学部別編入学試験を受けて東京大学に移る制度そのものが無いのです。これは東京大学自身が入学案内サイトで明言している事実です。

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ただし例外が2つだけあります。ひとつは高等専門学校(高専)の卒業者だけを対象にした工学部の編入学、もうひとつは海外の大学で2年以上学んだ学生だけを対象にした理学部化学科のGlobal Science Course(GSC)です。この記事では、東京大学が公表している2027年度の工学部編入学学生募集要項と、2016〜2026年度の編入学・学士入学者状況の統計を基に、この2つの制度の募集人員・受験資格・試験科目・日程・倍率を整理します。あわせて、法学部・文学部だけに存在する「他大学卒業者向けの学士入学」という隣接ルートの実態、工学部編入学で公開されている過去問から読み取れる出題テーマまで踏み込んで解説します。

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目次

結論|「東京大学に編入学」は原則存在しない。例外は2つだけ

東京大学は入学案内サイトの「編入学」ページで、次のように明記しています。

他大学の途中年次に在籍する者に対する本学への編入学は実施しておりません。ただし、工学部については、高等専門学校卒業者を対象として、若干名の編入学を認めております。

つまり大学として公式に「編入学」と呼んでいる制度は、工学部の、高専卒業者だけを対象にしたもの一つに限られるというのが建前です。法学部・経済学部・文学部・理学部・農学部といった他の学部に、他大学の1〜3年次に在籍中の学生が編入する制度は存在しません。

ところが、大学が毎年公表している「編入学・学士入学者状況」という内部統計を見ると、実はもう一つ「編入学」という区分で人数が計上されている学部があります。理学部です。これは理学部化学科が運営するGlobal Science Course(GSC)という、海外の大学で学んだ留学生だけを3年次相当で受け入れる英語コースで、日本語の入学案内トップページ(e06.html)には掲載されておらず、理学部・GSCの専用サイト(英語)でのみ募集要項が案内されています。つまり、東京大学の「編入学」を名乗る制度は実質的に2つあるにもかかわらず、公式の入学案内一覧では1つしか可視化されていないという情報の断片化が起きています。この記事ではこの2つを両方とも扱います。

さらに、学位を持つ人が3年次から入り直す「学士入学」という別制度もあります。こちらは東京大学の卒業生が他学部に移る「本学士入学」は全10学部で実施されていますが、他大学の卒業者を受け入れる「他学士入学」を実施しているのは法学部と文学部の2学部だけです。「東京大学 編入」で検索して法学部や文学部を志望する人が実際に使うのは、多くの場合この他学士入学になります。ただし後述するとおり、法学部は2026年1月に学士入学制度そのものの廃止を決定しており、2027年度入学者向けの実施を最後に無くなる予定です。この記事の後半で詳しく解説します。

東京大学10学部を一覧で見る|編入学・学士入学の実施状況

大学が毎年公表している統計をもとに、10学部すべてについて編入学・本学士入学・他学士入学の実施状況を整理すると、次のようになります(2026年度の募集人員欄)。

学部編入学本学士入学他学士入学
法学部実施なし若干名若干名
医学部実施なし若干名実施なし
工学部若干名(高専卒業者限定)若干名実施なし
文学部実施なし10名10名
理学部定めていない(GSC・化学科限定)定めていない実施なし
農学部実施なし(制度上の欄はあるが未実施)若干名実施なし
経済学部実施なし若干名募集なし
教養学部実施なし募集なし募集なし
教育学部実施なし若干名募集なし
薬学部実施なし若干名実施なし

この表から分かることが3つあります。第一に、「編入学」という区分そのものを持つのは工学部と理学部だけで、他の8学部にはこの区分自体が存在しません。第二に、教養学部だけは本学士入学も他学士入学もいずれも「募集なし」です。教養学部の後期課程(3・4年次)は進学選択で内部進学する学生のための組織であり、外部からの学位取得者を後期課程として受け入れる枠組みがそもそも設計されていません。第三に、農学部は統計表に「編入学」の欄自体はあるものの、2016〜2026年度のいずれの年も志願者・実施の記録がなく、制度はあっても運用されていない状態が続いています。

他学士入学を実施する法学部・文学部についても内実は異なります。法学部の他学士入学は「本学他学部及び他大学卒業生」の両方を「他学士」として扱う独自の区分ですが、経済学部は逆に「本学経済学部卒業生」だけを本学士とし、他学部卒業者向けの他学士入学は「募集なし」としています。同じ「学士入学」という言葉でも、学部によって対象範囲の定義が異なる点は見落とされがちです。

なぜ東京大学には「学部別の編入学試験」が無いのか

私立大学の多くは、2年次または3年次に他大学から学生を受け入れる編入学試験を学部ごとに実施しています。しかし東京大学の学部教育は、他の大学とは根本的に異なる仕組みで運営されています。

東京大学に入学した学生は、まず全員が教養学部の前期課程に2年間在籍します。文科・理科の科類ごとに教養教育を受けたのち、2年生の夏に「進学選択」という学内選抜を経て、法学部・工学部・医学部といった後期課程の各学部・学科に振り分けられる仕組みです。つまり東京大学における「学部に入る」という行為自体が、外部からの編入学ではなく、学内の進学選択によって行われることが前提になっています。

この構造のため、他大学の1〜2年次を修了した学生を外部から後期課程の学部に直接受け入れる一般的な編入学試験という発想自体が、制度設計の出発点から存在しません。工学部の編入学とGSCは、この原則に対する明確な例外として、それぞれ別の理由で設けられている特殊枠だと理解してください。工学部編入学は高専(5年制の高等教育機関)卒業者という、大学の前期課程に相当する教育を別ルートで修了した人を想定した枠、GSCは日本の大学入試を経ずに海外で高等教育を受けてきた人を国際的に受け入れるための枠です。

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工学部編入学|学科別の試験科目と募集人員【2027年度】

工学部編入学の出願資格は「高等専門学校を卒業した者及び2027年3月卒業見込の者」に限定されています。高専以外の大学・短期大学に在籍する学生は出願できません。16学科体制の工学部のうち、編入学試験の対象となるのは次の学科・学科群です。

受験区分学科(群)試験科目理科の指定募集人員
2科目受験学科社会基盤学科英語・数学なし各学科若干名
建築学科
都市工学科
システム創成学科
3科目受験学科(群)機械系学科群(機械工学科・機械情報工学科)英語・数学・理科物理分野2問以上各学科(群)若干名
航空宇宙工学科物理分野のみ3問
精密工学科物理分野2問以上
電子・情報系学科群(電子情報工学科・電気電子工学科)物理分野2問以上
物理工学科物理分野のみ3問
計数工学科物理分野のみ3問
化学生命工学科化学分野2問以上
マテリアル工学科分野は問わず3問
応用化学科・化学システム工学科分野は問わず3問

理科の試験は「物理3問・化学3問の計6問から3問を選択解答」という共通の問題冊子になっていますが、学科によって選択できる分野の指定が異なります。航空宇宙工学科・物理工学科・計数工学科は物理分野のみから3問を選ばなければならず、化学生命工学科は化学分野から2問以上、マテリアル工学科・応用化学科・化学システム工学科は分野を問わず3問を自由に選べます。志望学科の指定に合わない解答をすると、その学科への志望自体が無効になるため注意が必要です。

また社会基盤学科・建築学科・都市工学科・システム創成学科の4学科は理科の試験がなく、英語と数学の2科目だけで判定されます。文系科目である小論文や専門科目の記述式試験は、工学部編入学には一切課されません。

工学部16学科の内訳とコース編成

工学部は現在16学科体制で、学部学生約2000名・大学院学生約3000名の規模で運営されています。編入学試験の対象となる学科(群)には、それぞれ次のようなコースが設けられています。

  • 社会基盤学科:設計・技術戦略、政策・計画、国際プロジェクト
  • 建築学科:建築学
  • 都市工学科:都市環境工学、都市計画
  • 機械系学科群:機械工学科(機械工学)、機械情報工学科(機械情報工学)
  • 航空宇宙工学科:航空宇宙システム学、航空宇宙推進学
  • 精密工学科:精密工学
  • 電子・情報系学科群:電子情報工学科(電子情報工学)、電気電子工学科(電気電子工学)
  • 物理工学科:物理工学
  • 計数工学科:数理情報工学、システム情報工学
  • マテリアル工学科:バイオマテリアル、環境・基盤マテリアル、ナノ・機能マテリアル
  • 化学・生命系学科群:応用化学科(応用化学)、化学システム工学科(化学システム工学)、化学生命工学科(化学生命工学)
  • システム創成学科:環境・エネルギーシステム、システムデザイン&マネジメント、知能社会システム

入学後にどのコースへ進むかは学科ごとの制度によって決まり、出願段階でコースそのものを選ぶわけではありません。志望理由を書く際は、学科(群)単位の専門分野に加えて、その学科がどのコース編成を取っているかまで調べておくと、後期課程で何を学ぶことになるのかがより具体的にイメージできます。

学科群には合格後の配属という仕組みがある

募集要項は、機械系学科群(機械工学科・機械情報工学科)、電子・情報系学科群(電子情報工学科・電気電子工学科)、化学・生命系学科群(応用化学科・化学システム工学科・化学生命工学科)の3つについて、「学科群としてまとまって編入学試験を行い、合格後(または入学後)に各学科群において個別の学科への配属を行う」と定めています。出願段階では学科群単位でしか志望できず、入学してから具体的な学科が決まる仕組みです。志望する学科がこの学科群のどれかに含まれる場合、出願書類には学科群の名称を記入する必要があります。

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工学部編入学の受験資格・出願書類・検定料

出願資格は「高等専門学校を卒業した者及び卒業見込の者」のみです。大学在学者・短期大学卒業者・専門学校卒業者は対象に含まれません。この点は多くの私立大学の編入学試験と大きく異なります。

出願書類は次の12点で構成されており、その中に「志望理由書」という名称の書類は存在しません。

  • 志願者名票
  • 出身学校長の推薦書(厳封)
  • 調査書(厳封)
  • 成績証明書(厳封)
  • 志望調査票
  • 検定料振込金受付証明書(C票)
  • 写真票・受験票
  • 受験承諾書(官公庁・会社等に在職している者のみ)
  • 英語に関する語学力の証明書の写し(TOEFL・TOEIC・英検・IELTS等。提出は任意
  • 返送用封筒(受験票在中用・第2次試験結果通知在中用)
  • 科目別得点通知希望者のみ、別途返送用封筒

ここで注意したいのは、英語外部試験のスコア提出が任意であるという点です。募集要項に「◯点以上必要」という基準スコアの明記はありません。私立大学の編入学試験でよくある「英語は外部試験スコアのみで判定」という方式とは異なり、東京大学工学部編入学では英語も筆記試験(後述)で得点します。外部試験スコアはあくまで任意提出の参考資料という位置づけです。

検定料は30,000円で、国費外国人留学生は納入が不要です。出願は書留郵便による郵送のみで、オンライン出願は実施されていません。

工学部編入学の日程・選抜方法【2027年度】

2027年度(2026年に実施される試験)の日程は次のとおりです。

項目日時
出願期間2026年5月7日(木)〜5月8日(金)(消印有効)
筆記試験(第1次試験)英語2026年6月27日(土)9:30〜11:00
筆記試験(第1次試験)数学2026年6月27日(土)12:30〜14:30
筆記試験(第1次試験)理科2026年6月27日(土)15:15〜16:45(該当学科(群)志願者のみ)
第1次合格発表2026年7月6日(月)午前10時頃
口述試験(第2次試験)2026年7月10日(金)11時から
第2次合格発表2026年7月24日(金)午後2時頃

出願期間はわずか2日間しかありません。5月7日・8日という短い窓に、書留郵便で12点の書類一式を間に合わせる必要があります。出身学校長の推薦書や調査書は学校側の発行に時間がかかることもあるため、出願直前に慌てて依頼するのではなく、年度が明けた早い段階で在籍する高専の担任・進路担当に相談しておく必要があります。

選抜方法は「筆記試験(第1次試験)・口述試験(第2次試験)・出身学校の調査書」の3本立てです。口述試験は第1次試験の合格者だけが対象で、実施日は7月10日、詳細は第1次合格発表時に工学部Webサイトで案内されます。すべての受験者について出身学校の調査書による学習状況の総合判断も行われるため、高専在学中の成績も選考要素に含まれます。

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工学部編入学の倍率|2016→2026年度の推移

東京大学は編入学・学士入学の状況を毎年5月1日時点で統計公表しています。工学部編入学(全学科合計、男女計)の推移は次のとおりです。

年度志願者数受験者数合格者数入学者数倍率(受験者/合格者)
平成28(2016)年度70651817約3.6倍
令和5(2023)年度75732019(うち留学生2)約3.65倍
令和7(2025)年度66632020約3.15倍
令和8(2026)年度60581918(うち留学生1)約3.05倍

4時点を通して、志願者数は60〜75名、合格者数は18〜20名というレンジで安定しており、倍率はおおむね3倍台前半で推移しています。学科(群)別の内訳は統計上公表されておらず、全学科合計の数字しか確認できません。16学科のどこに志願が集中しているか、どの学科群が高倍率かは大学発表の資料からは読み取れないため、この点は「非公表」として扱うべきです。募集人員も「各学科若干名」としか公表されておらず、具体的な人数は開示されていません。

単年度の数字だけを見て「3倍程度なら入りやすい」と判断するのは早計です。母数がもともと60〜75名と小さく、しかも出願できるのは高専卒業(見込)者に限られるという狭い母集団です。高専側では機械・電気電子・情報系など学科ごとに定員が限られており、そもそも東京大学工学部編入学を志望できる高専生の絶対数自体が少ないという前提を踏まえて数字を読む必要があります。

理学部Global Science Course(GSC)|化学科限定・海外大学生向けの3年次編入

理学部のGlobal Science Course(GSC)は2014年4月に開始された、海外の高校教育と大学2年間の課程を修了した学生を、国籍を問わず理学部の3年次相当に受け入れる英語コースです。2026年時点で受け入れているのは化学科のみで、他の学科への展開はまだ行われていません。授業はすべて英語で行われ、卒業時には東京大学から理学士(Bachelor of Science)の学位が授与されます。

GSCは「理学部の編入学」として大学全体の統計には計上されているものの、日本語の入学案内トップページには掲載がなく、募集要項も英語のGSC専用サイトでのみ公開されています。日本語で「東京大学 編入 理学部」を調べても見つけにくい制度である点は、知っておく価値があります。

GSCの出願資格

GSC専用サイトが公開している出願資格は次のとおりです。

  • 海外で中等教育(中学・高校相当)を最低6年、かつ大学レベルの高等教育を海外で最低2年修了していること
  • 出願時点でフルタイムの大学生であり、GSC入学までに学部1〜2年次の課程を修了済み、または修了見込みであること
  • 化学の基礎科目に加え、数学・物理・生物のうち少なくとも2科目の基礎科目を履修済みであること
  • 東京大学の単位制度換算で最低62単位を修得していること(2単位=東京大学の105分授業13回相当が目安)
  • 英語が母語、または中等・高等教育を英語で継続して8年以上受けていない場合は、TOEFL iBT80点以上・TOEFL PBT550点以上・IELTS Academic6.5以上のいずれかのスコア証明が必要(スコアは出願期限までにGSC事務局へ試験実施機関から直接送付される必要がある)

ダブルメジャーの選択肢は用意されておらず、化学科の学生として単独で学ぶことになります。合格後は自動的に東京大学の学生として登録され、卒業要件を満たせば学位が授与されます。

GSCの出願スケジュールと選考方法

GSC専用サイトが公開しているスケジュールは次のとおりです(毎年秋入学の1回のみ実施)。

段階時期内容
STAGE 012月下旬まで次年度の募集要項を更新・公開
STAGE 11月下旬〜3月下旬オンライン出願・必要書類の提出
STAGE 24月〜5月書類選考。通過者にはオンライン面接を実施する場合がある
STAGE 36月上旬まで合否通知(メールおよび正式な合格通知書)
STAGE 46月中旬まで入学の意思確認・必要書類の提出
STAGE 510月入学(東京大学での学生生活を開始)

公式FAQでは「面接は選考プロセスの必須要素ではないが、必要な場合には応募者に連絡して実施する」「最低GPA基準は設けておらず、成績・語学スコア・志望理由書・推薦状など全体を総合的に審査する」と説明されています。工学部編入学が筆記試験中心であるのに対し、GSCは書類とオンライン面接による総合評価型の選考です。

GSCの倍率|2016→2026年度の推移

年度志願者数受験者数合格者数入学者数
平成28(2016)年度20(全員留学生)2065
令和5(2023)年度5533
令和7(2025)年度151544
令和8(2026)年度171753(うち留学生3)

募集人員はいずれの年度も「定めていない」と公表されており、工学部編入学のような「若干名」という表現すら使われていません。年による変動が大きく、志願者5名の年もあれば20名の年もあります。化学科という単一学科・単一学年での運用のため、母数がきわめて小さいまま推移している点に注意してください。

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学士入学という別の道|法学部・文学部だけが「他大学卒業者」を受け入れる

学士入学は、4年制以上の大学を卒業した人が、選考のうえで後期課程(3年次相当)に入学できる制度です。編入学とは別の入試区分として運用されています。

東京大学の卒業生が他学部に移る「本学士入学」は全10学部(法・医・工・文・理・農・経済・教養・教育・薬)で実施されていますが、他大学の卒業者を受け入れる「他学士入学」を実施しているのは、2016〜2026年度のいずれの統計でも法学部と文学部の2学部だけです。医学部・工学部・理学部・農学部・薬学部の他学士入学欄は「実施なし」、教養学部・経済学部・教育学部は「募集なし」と明記されています。

★2026年1月、法学部の学士入学制度は廃止が決定済み

ここで必ず押さえておくべき重要な変化があります。東京大学法学部は2026年1月23日付で「学士入学制度の廃止について」を公表し、本学士・他学士の両方を廃止することを決定しました。法学部の告知文はこう明記しています。

東京大学法学部では、近年における修学課程の多様化や出願状況等を考慮して、学士入学制度を廃止することにいたしました。これに伴い、2028年度入試(2027年度実施)から、学士入学選考は実施いたしませんので、お知らせいたします。

つまり、2027年度入学者向け(2026年秋に実施される試験)が法学部学士入学の最後の実施回になります。法学部は2026年8月時点で「2027年度学士入学試験・選考要項配付について」を公表しており、選考要項の配布は2026年9月3日(木)から、出願期間は2026年9月28日(月)〜10月2日(金)(郵送は消印有効)、入学許可人員は若干名、過去問は非公開と案内されています。この告知には「過去3年の入学者数」として2024〜2026年度の実績(他学士入学:2024年度志願13・合格0、2025年度志願14・合格1、2026年度志願22・合格1)も示されています。この最後の募集を逃すと、2028年度以降は法学部への他大学卒業者向けルートそのものが無くなります。

文学部の学士入学は2027年度も継続実施

一方、文学部の学士入学は2026年8月時点で廃止の告知はなく、2027年度募集要項が通常どおり公表されています。文学部が公表する2027年度学士入学学生募集要項の要点は次のとおりです。

  • 出願資格:大学を卒業した者及び2027年3月31日までに卒業見込みの者(学士の学位取得者・取得見込者を含む)
  • 選抜方法:筆記試験(①外国語 ②専門科目 ③小論文)+口述試験+出身学校の学業成績
  • 募集する専修課程:人文学科の16専修課程(哲学・中国思想文化学・インド哲学仏教学・倫理学・宗教学宗教史学・美学芸術学・イスラム学・美術史学・中国語中国文学・インド語インド文学・ドイツ語ドイツ文学・フランス語フランス文学・スラヴ語スラヴ文学・イタリア語イタリア文学・現代文芸論・西洋古典学)で合計10名
  • 外国語試験:専修課程ごとに指定される2か国語(または必須言語+選択1か国語)の組み合わせが異なる
  • 小論文:全専修課程共通の問題
  • 出願期間:2026年10月13日(火)〜10月19日(月)(消印有効)、出願は郵送のみ
  • 検定料:30,000円(銀行振込のみ、ATM・インターネットバンキング不可)
  • 試験日程:第1次(筆記)2027年1月23日(土)、第1次合格発表2027年2月4日(木)、第2次(口述)2027年2月5日(金)、入学許可内定発表2027年2月19日(金)
  • 卒業に要する修業年限:2年
  • 入学時の費用:入学料282,000円(予定額)、授業料前期321,480円(年額642,960円、予定額)
  • 過去問:文学部が直接配布するのではなく、「文学部複写センター(日本興業社)」という学内の外部複写業者に問い合わせる方式

ここで重要な事実があります。文学部の学士入学にも「小論文」が全専修課程共通の筆記試験科目として課されています。専修課程ごとに違うのは外国語の組み合わせと専門科目の内容だけで、小論文は共通問題です。つまり、東京大学で小論文が課される学士入学・編入学ルートは法学部だけではなく、文学部にも存在します。「東京大学 編入 小論文」を調べる際は、志望が法学部か文学部かによって、外国語・専門科目の準備内容がまったく異なる点に注意してください。

法学部・文学部の他学士入学の倍率推移

法学部の他学士入学と文学部の他学士入学(募集人員10名)の倍率推移は次のとおりです。

年度法学部・他学士入学文学部・他学士入学(募集10名)
平成28(2016)年度志願25/受験22/合格0志願52/受験37/合格6
令和5(2023)年度志願10/受験9/合格1志願29/受験23/合格4
令和7(2025)年度志願14/受験14/合格1志願32/受験19/合格3
令和8(2026)年度志願22/受験20/合格1志願32/受験24/合格5

法学部の他学士入学は、2016年度に受験者22名に対して合格者0名という年があるほど狭き門です。法学部自身が公表する参考値では、2024年度も志願13名に対して合格者0名でした。文学部は募集人員10名(本学士・他学士の合計)に対して、2026年度の志願者数は本学士・他学士をあわせて40名、受験28名、合格9名で、実質倍率は3倍程度でした。「東京大学 編入」を調べて法学部・文学部を志望する人の多くは、実際にはこの学士入学のルートを検討することになりますが、法学部は2027年度の実施を最後に無くなるという前提で計画を立てる必要があります。本サイトでは、学士入学試験全般の対策を別記事東京大学編入の小論文対策|出題傾向と書き方のコツで解説していますので、あわせて参照してください。

過去問はどう入手するか|工学部は郵送請求のみ

工学部編入学試験の過去問は、法政大学のようにWebサイトで無料公開されている形式ではありません。「過去問題請求申込書」に氏名・連絡先・出身高専名を記入し、510円分の切手を貼った返信用封筒(角形2号)を同封して工学部学務課に郵送するという請求制です。この申込書は工学部Webサイトの入試案内ページからダウンロードできます。

この方式のため、過去問には解答例や出題意図、配点といった採点基準の公開は含まれていません。法政大学の編入学試験過去問(本サイトの法政大学の編入試験を徹底解説で紹介)が解答例・出題意図まで公開しているのとは対照的です。東京大学工学部編入学の過去問から読み取れるのは、あくまで出題テーマと形式までにとどまります。

公開されている過去問(2016〜2020年度)から読み取れる出題テーマ

ここでは、工学部編入学試験の過去問のうち、英語・数学・理科(物理・化学)の2016〜2020年度分をもとに、出題テーマと形式を整理します。問題文そのものは掲載できないため、テーマと形式、そこから導ける対策の方向を中心に解説します。

数学|微分方程式・複素関数論・線形代数・確率が4本柱、年度により大問数が変動

数学の試験時間・大問数は年度によって変わります。2020年度は9:00〜11:00の2時間で大問4問、2018年度は12:30〜15:00の2時間30分で大問5問という構成でした。2020年度は第1問が微分方程式(2階線形非同次方程式、変数分離形、連立微分方程式で表される軌跡の図示)、第2問が確率(確率密度関数の条件、分岐を繰り返す経路モデルの期待値)、第3問が複素関数論(複素平面上の図示、正則関数とコーシー・リーマンの関係式、留数定理を用いた定積分の計算)、第4問が線形代数(固有値・固有ベクトル、行列のべき乗の表現、線形変換)という構成でした。

2018年度は5問構成で、第1問が微分方程式(変数分離形、階数を下げる変数変換、非同次方程式)、第2問が幾何確率(円周上に一様分布する点についての期待値・分散・線分交差の確率)、第3問が積分(二次形式で定まる楕円体状の領域の体積を、行列による座標変換を使って求める問題)、第4問が複素関数論(方程式の解法と複素平面上への図示、写像による領域の変換、留数定理を用いた定積分)、第5問が線形代数(対称行列の固有値分解、直交行列の構成、軌跡の図示)でした。

年度を通して、微分方程式・複素関数論・線形代数・確率(統計)の4分野がほぼ固定で出題される一方、大問の数や試験時間、確率分野が「確率密度関数」中心か「幾何確率」中心かといった出題の切り口は年度によって変わります。工業高等専門学校のカリキュラムで学ぶ範囲を超えるものではありませんが、大学教養レベルの微分方程式と複素関数論を、限られた試験時間内で確実に得点する練習が欠かせません。

理科|学科群ごとに物理・化学の出題数指定が異なる

理科は物理分野3問・化学分野3問の計6問が1冊子にまとめられており、志望学科(群)の指定に従って3問を選択解答する方式です。2020年度の物理分野は、剛体(コマ)の角運動量とジャイロ効果、LC並列回路のインピーダンスと共振周波数、N個の粒子がバネで連結された系の強制振動と分散関係という3テーマでした。化学分野は、純物質の気液平衡とクラウジウス・クラペイロンの式、水性ガスシフト反応の熱力学(ギブズエネルギーと平衡定数)、リチウムの結晶構造・溶融塩電解・かん水からの分離精製、有機化合物の酸性度とカルボカチオンの安定性・立体配座に基づく脱離反応の異性、という構成でした。

物理は力学・電磁気学・振動波動という古典的な3分野から満遍なく出題される一方、化学は無機化学(電池・金属精製)と有機化学(酸性度・脱離反応の立体化学)、物理化学(熱力学)を横断する出題です。志望学科群によって解答できる問題数の指定(物理のみ3問/物理2問以上/化学2問以上/分野不問3問)が異なるため、まず自分の学科群がどの指定に該当するかを確認したうえで、対応する分野を優先的に固める必要があります。

英語|学術論文の読解と和文英訳・英文和訳の両方向、リスニングや自由英作文が出た年度もある

英語の構成も年度によって変わります。2020年度は3問構成・90分(9:30〜11:00)で、第1問がグローバル人材論に関する学術論文からの下線部和訳(6箇所)、第2問が統計学(差分の差分法・自然実験)に関する日本語の説明文の英訳、第3問が脳科学とAIに関する長文読解で、空所補充・内容一致・記述式の設問が組み合わされていました。

一方、2017年度は5問構成・2時間(9:00〜11:00)で、第1問がリスニング試験でした。試験開始の約30分後に書籍の一部を朗読した約3分の英文が2回放送され、空所補充と内容一致(○×)で解答する形式です。第2問はAI倫理に関する英文の和訳、第3問は科学技術と社会(環境保全・高齢化社会・産学官連携)に関する日本語の英訳、第4問はエスカレータの利用方法をめぐる社会調査の英文読解、そして第5問は「大学における軍事研究実施の是非について、150語程度の英文で自分の意見を理由とともに述べよ」という自由英作文で、「どのような立場を取るかは採点には影響しない」と明記されていました。

つまり、ある年度にはリスニングと自由英作文が課され、別の年度にはこの2つが無く長文読解と和文英訳・英文和訳だけになるなど、出題形式そのものが年度によって大きく変わります。単なる語彙・文法問題ではなく、工学・情報科学・統計学・社会科学に関連する学術的な内容を、和訳・英訳・要約・意見論述という複数の形式で正確に処理する力が求められます。理系の専門用語を含む文章を構文を崩さずに訳す練習に加えて、リスニングや自由英作文が出題される年度に備えて、時事的な科学技術政策のテーマについて自分の意見を英語でまとめる練習もしておくと安心です。

過去問から導ける学習の順番

  1. まず数学の微分方程式・複素関数論・線形代数・確率統計の4分野を、大学教養レベルの標準的な問題集で解けるようにする
  2. 志望学科(群)の理科指定(物理のみ/物理中心/化学中心/分野不問)を確認し、対応する範囲を優先して固める
  3. 英語は学術文章の和訳・英訳を継続的に練習し、理系分野の専門語彙に慣れておく
  4. 過去問そのものは工学部学務課への郵送請求でしか入手できないため、出願を検討し始めた時点で早めに請求し、直近数年分で出題形式の変化を確認する

本節で扱った出題テーマ・形式は、いずれも東京大学工学部の編入学試験として過去に出題された2016〜2020年度分の資料に基づいています。出題内容・形式は年度によって変わるため、対策にあたっては工学部学務課への過去問請求により最新の資料を必ずご自身で確認してください。

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単位認定と卒業要件

工学部編入学生の卒業要件は「3年以上在学し、所定の単位を取得し、かつ卒業論文試験に合格すること」と定められています。高等専門学校で修得した単位のうち、編入学後に本学部の卒業単位として認定される単位(基礎科目・総合科目・専門教育科目)は最大で43単位です。高専で多くの専門科目を修得していても、認定の上限は43単位までという点を踏まえてスケジュールを組む必要があります。

経済的支援としては、国の修学支援新制度(多子世帯無償化を含む給付奨学金・入学料授業料減免)に加え、東京大学独自の入学料・授業料免除制度が用意されています。編入学する学生が入居できる学生宿舎(豊島国際学生宿舎A棟・B棟)も案内されており、宿舎費は月額1万円前後からとなっています。

高専生が何から手をつけるべきか

工学部編入学を目指す高専生にとって、対策の順番は次のようになります。

まず志望学科(群)と理科の指定を確定させる

2科目受験(社会基盤・建築・都市工・システム創成)か、3科目受験かで準備する範囲がまったく変わります。3科目受験の中でも理科の指定(物理のみ/物理中心/化学中心/分野不問)が学科群ごとに異なるため、志望学科(群)を早期に固めることが、その後の学習計画すべての前提になります。

英語外部試験は「任意」だが検討する価値はある

出願書類に英語外部試験スコアの提出欄はありますが任意です。基準スコアの指定もありません。ただし提出書類の一つとして活用できる以上、時間に余裕があれば取得しておいて損はありません。ただし東京大学工学部編入学における配点上の位置づけは公表されていないため、「提出すれば有利」という確証はなく、あくまで筆記試験(英語・数学・理科)の得点力を最優先に準備するべきです。

出願書類は学校側の協力が前提になる

出身学校長の推薦書・調査書は学校側が発行する書類です。出願期間が5月7日〜8日の2日間しかないことを踏まえると、高専の担任・進路指導担当には年度が明けた早い時期から相談し、書類の準備スケジュールを共有しておく必要があります。

過去問は早めに請求する

過去問は工学部学務課への郵送請求でしか入手できません。出願を検討し始めた段階で請求手続きを行い、直近数年分の出題形式を確認したうえで学習計画を立ててください。

海外大学生がGSCを目指す場合の準備

GSCを目指す場合、対策の性質は工学部編入学とはまったく異なります。筆記試験は課されないため、重視すべきは次の3点です。

出願資格の要件を早期に確認する

「海外で中等教育6年以上+大学レベルの高等教育2年以上」「化学の基礎科目+数学・物理・生物のうち2科目以上の履修」「東京大学の単位換算で62単位以上」という要件を、出願期限(1月下旬〜3月下旬)までに満たせるかどうかを早い段階で確認してください。単位の換算については、GSC選考委員会が個別に審査するとされています。

英語スコアの提出期限に注意する

英語が母語でない、かつ英語による教育を継続8年以上受けていない場合は、TOEFL iBT80点・TOEFL PBT550点・IELTS Academic6.5のいずれかのスコアを、試験実施機関から直接GSC事務局に送付してもらう必要があります。出願期限までに到着している必要があるため、スコアの有効期限(提出時点で2年以内)とあわせて逆算したスケジュール管理が必須です。

書類選考通過後のオンライン面接に備える

GPAの最低基準は設けられていませんが、書類選考を通過した場合はオンライン面接が実施されることがあります。志望理由書・推薦状の内容と一貫した受け答えができるよう、化学を中心とした学問的な関心と、GSCで学ぶ意義を言語化しておく準備が求められます。

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3つのルートを比較する

ここまで解説した、他大学・高専・海外大学から東京大学に入り直せる3つのルートを一覧で比較すると、対象者・選考方法・費用の違いがはっきりします。

比較項目工学部編入学理学部GSC法・文学士入学
対象者高専卒業(見込)者のみ海外の大学で2年以上学んだ学生(国籍不問)4年制大学卒業(見込)者・学士号取得者
受け入れ年次後期課程(3・4年次相当)3年次相当後期課程(3・4年次相当)
選考方法筆記試験(英語・数学・理科)+口述試験書類選考(原則面接なし、必要な場合はオンライン面接)筆記試験(外国語・専門科目・小論文)+口述試験
出願方法書留郵便のみオンライン出願のみ郵送のみ(法学部は簡易書留、文学部も簡易書留)
検定料30,000円必須・クレジットカード決済(金額は公式サイト未公開)30,000円
過去問の入手方法工学部学務課へ郵送請求(無料公開なし)公開の言及なし法学部は非公開/文学部は外部複写業者(有償)
実施状況継続実施中継続実施中法学部は2027年度実施を最後に廃止/文学部は継続

3つのルートは対象者がまったく重ならないため、併願という概念自体が成立しません。高専生は工学部編入学一択、海外大学生はGSC一択、学位保有者は法学部(2027年度が最後)か文学部の学士入学一択という、それぞれ独立した検討になります。

併願と関連記事

高専から大学への編入学は、東京大学工学部以外にも多数の国立大学工学部・工業大学が受け入れを行っています。志望学科によっては、東京大学と試験日程が近い大学、あるいは出題傾向が似ている大学を組み合わせて併願計画を立てることが一般的です。旧帝大の編入学試験全体の傾向は、本サイトの旧帝大 編入を徹底解説|大学別一覧・出願資格・倍率・難易度・対策で整理しています。

また、東京大学への編入・学士入学を検討する方向けに、本サイトでは次の関連記事も公開しています。

よくある質問

Q. 文系の学部(法学部・経済学部など)に東京大学から編入学することはできますか

A. 一般的な意味での編入学試験はありません。他大学に在学中の学生を対象にした制度は、工学部の高専卒業者向け編入学と、理学部化学科のGSC(海外大学生向け)の2つに限られます。文系学部を目指す場合、学位取得後に法学部または文学部の他学士入学を検討することになります。

Q. 社会人でも東京大学に入り直せますか

A. 社会人だけを対象にした特別な選抜制度はありません。社会人が検討できる現実的なルートは、工学部編入学(高専卒業者であること)、理学部GSC(海外大学の要件を満たすこと)、法学部・文学部の他学士入学(学士の学位を持っていること)のいずれかの出願資格を満たしているかどうかで決まります。

Q. 高専以外(大学・短期大学)に在籍していても工学部の編入学試験は受けられますか

A. 受けられません。出願資格は「高等専門学校を卒業した者及び卒業見込の者」に限定されており、大学・短期大学に在籍する学生は対象外です。

Q. 工学部編入学の試験に小論文はありますか

A. ありません。試験科目は英語・数学(理科の指定がある学科は理科を含む)の筆記試験と、第1次合格者のみの口述試験です。小論文が課されるのは法学部・文学部の学士入学試験です。

Q. TOEICなど英語外部試験のスコアは提出必須ですか

A. 工学部編入学では任意提出です。基準スコアの指定もありません。理学部GSCでは、英語が母語でない、かつ英語による教育を継続8年以上受けていない場合に限り、TOEFL iBT80点・TOEFL PBT550点・IELTS Academic6.5のいずれかの提出が必須になります。

Q. 工学部編入学の過去問はネットで無料公開されていますか

A. されていません。工学部学務課宛てに「過去問題請求申込書」と切手を貼った返信用封筒を郵送して請求する方式です。解答例・出題意図・配点の公開もありません。

Q. GSCは化学科以外の学科でも実施されますか

A. 2026年時点では化学科のみです。GSC公式サイトのFAQでも「現在は化学科のみが受け入れを行っている。他学科の情報は随時ウェブサイトで確認してほしい」と案内されています。

Q. 東京大学工学部編入学の倍率はどのくらいですか

A. 2016〜2026年度の統計では、全学科合計で受験者60〜75名に対して合格者18〜20名程度、倍率にすると3倍台前半で推移しています。ただし学科別の内訳は公表されておらず、志望学科ごとの実質倍率は確認できません。

Q. 高専卒業見込みでの出願は可能ですか

A. 可能です。出願資格には「高等専門学校を卒業した者及び2027年3月卒業見込の者」(2027年度の場合)と明記されており、卒業見込みでの出願が認められています。

Q. 工学部編入学の出願はオンラインでできますか

A. できません。出願は検定料を納入したうえで、志願者名票・推薦書・調査書など12点の書類一式を書留郵便で工学部学務課宛てに郵送する方式のみです。理学部GSCは逆にオンライン出願のみで、書留郵便での提出は求められていません。

Q. 農学部にも編入学の制度はありますか

A. 大学の統計表には農学部にも「編入学」という区分の欄がありますが、2016〜2026年度のいずれの年度も志願者・実施の記録がなく、制度はあっても運用されていない状態が続いています。

Q. 法学部の学士入学はまだ受けられますか

A. 2026年1月23日付で廃止が決定しており、2027年度入学者向け(2026年秋実施)が最後の実施回です。2026年9月3日から選考要項が配布され、出願期間は2026年9月28日〜10月2日の予定です。2028年度入学者向け(2027年度実施)からは実施されません。

Q. 文学部の学士入学にも小論文はありますか

A. あります。文学部の学士入学は、外国語・専門科目・小論文の3科目が筆記試験として課され、小論文は全16専修課程共通の問題です。専修課程ごとに違うのは外国語の組み合わせと専門科目の内容です。

まとめ

東京大学の「編入学」は、多くの受験生が私立大学をイメージして検索する一般的な学部別編入学試験とは、まったく異なる制度です。実施されているのは、高専卒業者だけを対象にした工学部の編入学(英語・数学・理科の筆記試験+口述試験)と、海外の大学で2年以上学んだ留学生だけを対象にした理学部化学科のGSC(書類選考+場合によりオンライン面接)の2つに限られます。

この2つは対象者も選考方法もまったく異なるため、「東京大学に編入したい」という漠然とした志望のままでは対策が立てられません。まず自分がどちらの出願資格に該当するのか、あるいはどちらにも該当しないのかを最初に確認してください。該当しない場合は、学位を取得したうえで法学部・文学部の学士入学を検討するか、他の国公立大学・私立大学の編入学試験を志望先として検討することになります。

学士入学については、法学部が2026年1月に廃止を決定し、2027年度入学者向け(2026年秋実施)が最後の実施回になるという、時期的にきわめて重要な変化が起きています。2028年度以降、他大学卒業者が学位を活かして東京大学に入り直せる学部は、実質的に文学部(募集人員10名、外国語・専門科目・小論文の筆記試験+口述試験)だけになる見通しです。法学部への出願を考えている方は、2026年9月3日から配布される選考要項を必ず確認し、9月28日〜10月2日の出願期間を逃さないようにしてください。

倍率は工学部編入学が3倍台前半、GSCは年による変動が大きく、法学部・文学部の学士入学(他学士入学)は文学部で3〜9倍程度という水準です。ただしいずれも母数が数十名規模と小さいため、単年度の数字を過度に重視せず、複数年度の傾向として捉えることが重要です。

本記事の数値は、東京大学が公表する2027年度工学部編入学学生募集要項、2016〜2026年度の編入学・学士入学者状況、理学部Global Science Course公式サイトの募集要項、法学部「学士入学制度の廃止について」(2026年1月23日付)および「2027年度学士入学試験・選考要項配付について」(2026年8月付)、文学部「2027(令和9)年度東京大学文学部学士入学学生募集要項」に基づいています。制度・日程・募集人員・試験科目・出願資格は年度によって変更される可能性があるため、出願前には必ず東京大学および各学部が公表する最新の募集要項をご自身で確認してください。

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この記事を書いた人

株式会社Spring Knowledge 代表取締役社長。筑波大学 社会・国際学群 社会学類へ編入学し、都内国公立大学大学院 法学政治学研究科 修士課程を修了。大学編入・大学院進学を自ら経験した立場から、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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