ご質問やお問い合わせはお気軽に
京都大学大学院法学研究科の研究計画書の書き方|専攻・カリキュラム・教員の研究分野から逆算する

京都大学大学院法学研究科の研究計画書では、興味のある社会問題を広く語るだけでなく、法政理論専攻のコース、専門研究分野、研究志望科目、教員の研究領域までを一つの研究設計としてつなぐ必要があります。令和9年度(2027年度)入試では、研究者養成コースと先端法務コースの双方に所定様式があり、記載欄は「研究テーマとその説明」、分量は2,000字程度です。短い書類だからこそ、問題意識、先行研究、問い、方法、成果の見通しを役割ごとに配置しなければなりません。
京都大学大学院法学研究科の研究計画書とは、入学後に扱いたい法学・政治学上の問い、その問いを選ぶ学術的理由、検討方法を、志望する研究分野に即して示す出願書類です。研究テーマと研究志望科目の整合が設計の起点になります。願書に記した研究志望科目をもとに指導教員が決まり、その科目は修士課程在籍中、原則として変更できないためです。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
- 志望校が決まっていなくてもOK
\ 合格がグッと近づく/
LINE登録でもらえる4大特典 : ①プロ講師の映像授業 ②合格までのロードマップシート ③受験校検索サイト ④「今から間に合うか」の判断材料
(費用は一切かかりません)
本記事は、出願資格、試験科目、日程、倍率を詳しく繰り返しません。これらは京都大学大学院法学研究科の外部院試を解説した既存記事で確認できます。ここでは大学公式の修士課程入試ページ、教育目標、開講科目、教員一覧をもとに、研究科に合うテーマの見分け方と2,000字への落とし込み方を解説します。
研究計画の設計では、まず研究者養成コースと先端法務コースの目的を区別し、次に基礎法学・公法・民刑事法・政治学から主たる分野を選びます。そのうえで研究志望科目、関連する教員領域、利用できる資料を照合します。この順序を逆にして、先に有名な教員名や流行のテーマを選ぶと、先行研究と方法が後付けになりやすくなります。コースから資料までを上流から順に決めることが出発点です。
募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。とくに研究計画書は様式を改変せず、提出した内容の控えを口述試験まで保存しましょう。書類作成と口述対策を別々に考えないことが、準備全体の一貫性を高めます。この記事を読みながら、自分の候補テーマを一つ用意し、各節の確認事項に当てはめてください。最後まで読んだ時点で、研究志望科目と2,000字の骨格が言語化できる状態を目指します。
京都大学大学院法学研究科で研究計画書がどう扱われるか
所定様式は「研究テーマとその説明」2,000字程度
令和9年度(2027年度)の研究者養成コースと先端法務コースでは、いずれも出願書類様式として研究計画書が公開されています。用紙はA4で印刷し、様式の改変はできません。自署と指定された箇所以外は、手書きとパソコン入力のどちらも認められています。公式様式の中心は「研究テーマとその説明」という一つの大きな記載欄で、2,000字程度と示されています。
項目が細かく分割されていないからといって、自由作文を求めているわけではありません。読み手が知りたいのは、何を、なぜ、どの資料と方法で、どこまで明らかにするのかという研究の連鎖です。一つの欄の中に論理的な小見出し相当の役割を作ると、短い分量でも研究の全体像が伝わります。実際の提出版では、公式様式が許す範囲で段落を分け、問題の所在から方法まで順に進めます。
| 確認項目 | 令和9年度の公式情報 | 準備への意味 |
|---|---|---|
| 提出対象 | 研究者養成・先端法務の所定様式 | 志望コースの様式を取り違えない |
| 記載内容 | 研究テーマとその説明 | 問い・先行研究・方法を自分で構造化する |
| 分量 | 2,000字程度 | 背景説明を絞り研究上の問いを優先する |
| 入力方法 | 自署欄以外は手書き・PC入力可 | 読みやすさと修正履歴の管理を重視する |
| 形式 | A4、様式改変不可 | 余白や欄を独自に作り変えない |
口述試験で再び使われる資料である
研究者養成コースの口述試験では、研究計画書を資料として法学または政治学の学力・素養が試問されます。論文試験を選ぶ場合は、提出論文と研究計画書に基づく口頭試問です。先端法務コースでも、口述試験や社会人特別選考の口頭試問で研究計画書が資料になります。つまり、提出日に完成して終わる書類ではありません。
研究計画書の一文は口頭で根拠を説明できる必要があります。たとえば「比較法的に検討する」と書くなら、比較対象国を選んだ理由、参照する法令・判例・学説、比較によって日本法の何が見えるのかを答えられる状態にします。「実証的に分析する」と書くなら、使うデータ、対象期間、分析単位、入手可能性まで説明します。便利そうな研究用語を置くだけでは、質問を受けたときに計画の空白が露出します。
公式要項は受験者に研究計画書の控えを当日持参するよう求めています。提出前にPDF化またはコピーし、提出版を固定してください。その後に修正案を考えること自体は有益ですが、面接練習では「提出時点の記述」と「現在なら補足する内容」を分けて管理します。これにより、審査側が見ている文面と異なる説明を突然始める事態を避けられます。
入試制度の詳説は既存記事に任せて設計に集中する
研究者養成コースには学科試験、書類選考、論文試験があり、先端法務コースには学科試験と社会人特別選考があります。ただし、選抜方式の条件や試験日程は年度で変化します。本記事で押さえるべき要点は、どの方式でも研究計画書と研究志望科目の関係が重要で、口述の材料になることです。出願資格や試験科目の確認は前掲の既存記事と最新募集要項で行い、ここから先は研究内容の設計に時間を使いましょう。
法政理論専攻の2コースと4つの専門研究分野
研究者養成コースは学術的な問いと論文作成を軸にする
研究者養成コースは、法学・政治学について広い視野に立った学識を修め、自ら課題を定めて研究し、成果を論文にまとめる能力を培うことを目的とします。研究計画書では、社会的に話題であることだけでなく、先行研究に対してどのような学術的意義があるかを示さなければなりません。博士後期課程への進学も視野に入るコースであるため、修士課程で答えられる問いと、その先に残る課題を区別すると長期的な見通しが伝わります。
たとえば「生成AIを法的に規制すべきだ」という主張だけでは、政策的意見にとどまります。著作権法、民法、憲法、行政法など、どの法領域のどの概念を検討するのかを定め、既存の議論が処理できていない場面を特定します。政治学であれば、制度導入の賛否だけでなく、政策形成過程、政党間競争、行政組織、国際比較などの分析枠組みを選びます。
先端法務コースは企業法務上の問題と実行可能な分析を軸にする
先端法務コースは、企業法務を中心とする先端的な法的問題に対応できる高度な調査能力と分析・判断能力を備えた専門家の養成を目的とします。公式案内は、研究者養成コースのような専門学術的・論理的教育を主眼とするものではなく、博士後期課程への進学を前提としない点を明記しています。したがって、実務上の問題場面を具体化し、法的論点を切り分け、既存法の解釈や制度運用をどう検討するかが中心になります。
実務経験を出発点にする場合も、個人的な体験談で終えてはいけません。実務上の違和感を一般化できる法的問いへ変換することが必要です。「勤務先で困った」から一段上げて、どの取引類型で、どの当事者間の利害調整が、どの法規範によって不十分になっているのかを示します。守秘義務に触れる具体情報は避け、公開資料で検証可能な計画に組み直します。
| 比較軸 | 研究者養成コース | 先端法務コース |
|---|---|---|
| 中心目的 | 自ら課題を設定し研究成果を論文化 | 企業法務を中心とする先端問題への対応 |
| 計画書の重心 | 学術的意義、新規性、先行研究との関係 | 問題場面、法的論点、調査・分析の実行性 |
| 成果像 | 修士論文として成立する議論 | 高度専門職業人に必要な分析・判断 |
| 進路との関係 | 博士後期課程も視野 | 博士後期課程進学を前提としない |
4分野から研究志望科目を一つに絞る
法政理論専攻では、基礎法学、公法、民刑事法、政治学という4つの専門研究分野が置かれています。出願者は分野だけでなく、研究を志望する科目を一つ選びます。願書の研究志望科目をもとに指導教員が決まり、その科目は在籍中に原則変更できません。「法学研究科を志望する」では選択の粒度が足りません。自分の問いがどの科目の議論に属するのかまで絞る必要があります。
| 専門研究分野 | 扱いうる研究志望科目の例 | 問いを絞る観点 |
|---|---|---|
| 基礎法学 | 日本法史、ローマ法、法理学、法社会学など | 概念・歴史・社会との関係から法を捉える |
| 公法 | 憲法、行政法、租税法、国際法、環境法など | 国家作用、権利保障、公的規制の根拠を問う |
| 民刑事法 | 民法、商法、知的財産法、労働法、刑法など | 私人間関係、取引、責任、犯罪と手続を問う |
| 政治学 | 国際政治学、比較政治学、行政学、公共政策など | 制度・主体・過程・因果関係を分析する |
境界領域のテーマでは、複数科目に関係すること自体は問題ではありません。しかし、主たる問いを受け止める科目を一つ決めなければ、資料選択も方法も曖昧になります。たとえばプラットフォーム規制は憲法、行政法、競争法、商法、政治過程などに接続しえます。研究計画書では「何を中心に説明したいか」を決め、他領域は補助線として位置づけます。
カリキュラムと修了要件から逆算する研究の型
修士論文から逆算して問いの大きさを決める
研究者養成コースのディプロマ・ポリシーでは、2年以上在学し、研究指導を受け、所定科目の履修と論文指導を経て、所定単位を修得し、修士論文の審査と所定の試験に合格することが修了認定の流れとして示されています。研究計画書は、この教育課程で発展させられる研究の入口です。社会全体を一度に説明する巨大な問いより、修士論文で資料を集め、議論を検証できる大きさが適しています。
問いの大きさを点検するには、対象、時期、法域、制度、資料を限定します。「日本の民主主義を研究する」では広すぎますが、特定の制度改革、対象期間、政治主体、比較対象を定めれば分析可能性が上がります。「デジタル社会の民法」も同様で、契約類型、当事者、問題となる権利、裁判例の範囲を切り分けます。限定はテーマを小さくするのではなく問いを答えられる形にする作業です。
国内外の学術論文を正確に読む準備を示す
研究者養成コースの修得目標には、国内外の学術論文を正確に読解することが含まれます。さらに、外国の理論・制度や隣接分野の知見を踏まえ、多角的な視点から綿密に考察する力が求められています。研究計画書では「外国法も調べる」とだけ書かず、なぜその法域や理論が問いに必要なのかを説明します。
比較対象は有名な国だから選ぶのではありません。制度の系譜が共通している、対照的な規律を採用している、先行する判例や立法があるなど、選択理由を示します。政治学の事例比較でも、結果が似ていて条件が異なる事例を比べるのか、条件が似ていて結果が異なる事例を比べるのかで設計が変わります。資料の名前と選定理由を一組で書くと、調査可能性が伝わります。
科目履修と研究指導につながる計画にする
公式の開講科目一覧ページでは、令和8年度の修士課程授業時間割が公開されています。出願時には最新年度の開講状況を確認し、自分の研究志望科目と関連科目を区別して見ます。ただし、履修したい授業を並べるだけでは研究計画になりません。研究上の不足を補うために、どの領域の知識や方法を学ぶ必要があるかを先に説明し、その後でカリキュラムとの接続を示します。
法史学であれば一次史料の読解と先行研究の批判的分析、実定法学であれば法令・判例・学説の体系的検討、政治学であれば理論枠組みと事例・データの対応が中心になります。テーマごとに必要な訓練は異なります。方法を科目名ではなく実際の研究作業として表現することが大切です。「演習で学ぶ」ではなく、「判例の射程を整理し、対立する学説の前提を比較する」のように書きます。
研究者養成と先端法務で成果の置き方を変える
研究者養成コースでは、新規性ある課題を設定し、論拠に基づく説得的な論文へまとめる流れが中心です。先端法務コースでは、先端的な法的問題への調査・分析・判断能力が中心になります。同じテーマでも成果の置き方は異なります。企業のAI利用を例にすると、研究者養成では既存の責任法理の理論的再構成、先端法務では具体的な取引・組織場面でのリスク配分や規律の解釈が重心になりえます。
コース名に合わせて結論を飾るだけでは不十分です。問題設定、資料、方法、期待される成果のすべてを同じ方向へそろえます。途中の一箇所だけが実務的または学術的でも、全体は一貫しません。初稿後には各段落の役割を「学術的問い」「実務上の問題」「資料」「分析」「成果」とラベル付けし、志望コースに不要な枝葉を削ります。
修了時に求められる能力を初稿の評価表にする
教育目標は大学側の説明であると同時に、初稿を点検する評価表にもなります。研究者養成コースでは、国内外の学術論文を正確に読む力、新規性のある課題を設定する力、外国の理論・制度や隣接分野を踏まえて多角的に考察する力、論拠に基づき説得的に論文を書く力が示されています。計画書の各段落が、これらのどの能力につながるかを確認します。
たとえば外国法への言及がなければ直ちに不適合という意味ではありません。問いに外国法が必要なら、対象を選ぶ理由と読解する資料を示すということです。隣接分野も数を増やせばよいわけではなく、中心となる法学・政治学上の問いを説明するために必要な知見だけを使います。教育目標を飾り文句ではなく研究作業へ翻訳すると、志望理由と方法が結びつきます。
先端法務コースでは、先端的問題を把握する調査力、複数の規律や利害を整理する分析力、具体的場面で選択肢を評価する判断力へ置き換えて点検します。実務上の提案を含めるなら、現行法の解釈で対応できる範囲と立法・制度運用の課題を混同しないことが重要です。どのレベルの解決を論じるのかが明確なら、成果の現実性も伝わります。
教員の研究分野マップと研究志望科目の選び方
公式教員一覧の表記を起点にする
京都大学法学研究科の公式教員一覧は、氏名、職名、研究領域をHTMLで公開しています。研究計画書の準備では、最初にこの一覧で自分の研究志望科目に近い領域が配置されているかを確認し、各教員からリンクされた研究者情報や業績へ進みます。検索結果や古い論文だけで在籍を推測せず、現在の一覧を入口にしてください。
以下は全教員の網羅ではなく、4分野を検討するための代表例です。研究領域の文言は公式一覧の表記に合わせています。教員名を見つけることと指導可能性を確認することは別です。近い言葉があるだけで適合と決めず、近年の論文、担当科目、研究上の問いを読み、自分のテーマとの接点を具体化します。
| 分野の目安 | 教員・職名 | 公式掲載の研究領域 |
|---|---|---|
| 基礎法学 | 伊藤孝夫教授 | 日本法制史。 |
| 基礎法学 | 佐々木健教授 | ローマ法。 |
| 基礎法学 | 近藤圭介教授 | 法理学。 |
| 基礎法学 | 船越資晶教授 | 法社会学。 |
| 公法 | 音無知展准教授 | 憲法。 |
| 公法 | 須田守教授 | 行政法。 |
| 公法 | 岡田陽平教授 | 国際法。 |
| 公法 | 島村健教授 | 環境法。 |
| 民刑事法 | 木村敦子教授 | 民法。 |
| 民刑事法 | 愛知靖之教授 | 知的財産法。 |
| 民刑事法 | 島田裕子教授 | 労働法。 |
| 民刑事法 | 品田智史教授 | 刑法。 |
| 政治学 | 宇治梓紗准教授 | 国際政治経済分析。 |
| 政治学 | 大村華子教授 | 公共政策。 |
| 政治学 | 近藤正基教授 | 政治過程論。 |
| 政治学 | 待鳥聡史教授 | アメリカ政治。 |
教員の所属や研究分野は年度により変わるため、出願前に必ず最新の教員一覧で確認してください。公式一覧に掲載された研究領域は入口となる短いラベルであり、個々の研究テーマの全範囲を表すとは限りません。反対に、一覧に近い語があっても、自分が想定する資料や方法を指導対象としているとは限りません。
基礎法学と公法への接続を確認する
基礎法学では、伊藤孝夫教授の「日本法制史」、佐々木健教授の「ローマ法」、近藤圭介教授の「法理学」、船越資晶教授の「法社会学」が公式一覧に掲載されています。歴史資料を扱うのか、法概念の規範的根拠を問うのか、法と社会の関係を分析するのかで必要な方法は異なります。「法の基礎を研究したい」から資料と方法の選択へ進むことが分野適合の判断になります。
公法では、音無知展准教授の「憲法」、須田守教授の「行政法」、岡田陽平教授の「国際法」、島村健教授の「環境法」などが掲載されています。新しい規制問題を扱う場合、権利保障の問題なのか、行政作用の統制なのか、国際的義務なのか、環境規制の構造なのかを分けます。社会問題の名前が同じでも、問いの立て方によって研究志望科目は変わります。
民刑事法と政治学への接続を確認する
民刑事法では、木村敦子教授の「民法」、愛知靖之教授の「知的財産法」、島田裕子教授の「労働法」、品田智史教授の「刑法」などが掲載されています。私人間の権利義務、創作物や技術の保護、働き方をめぐる規律、犯罪成立要件といった中心問題を区別します。隣接する科目にまたがる場合は、どの法的効果や概念を中心に分析するかを決めます。
政治学では、宇治梓紗准教授の「国際政治経済分析」、大村華子教授の「公共政策」、近藤正基教授の「政治過程論」、待鳥聡史教授の「アメリカ政治」などが掲載されています。国際環境、政策の形成・評価、政党や利益集団を含む政治過程、特定国の制度と行動では、問いに適したデータが違います。研究対象と分析枠組みと資料の三点を一致させることで、単なる時事評論から研究計画へ変わります。
教員名を書くかより研究上の接続を説明する
研究計画書の所定欄は「研究テーマとその説明」であり、教員名を列挙するための欄ではありません。氏名を書く場合も、「著名だから」「学びたいから」ではなく、その研究領域と自分の問いの接続を説明します。限られた2,000字では、教員紹介より研究内容が優先です。教員名を書かなくても、研究志望科目、関連する学説や資料、方法が明確なら適合性を示せます。
公式の募集要項と修士課程入試ページには、出願前の個別教員連絡を一律に必須とする記載は確認できません。したがって、連絡済みであることを前提に計画書を書く必要はありません。ただし、年度や個別事情で案内が変わる可能性があります。連絡を検討する場合は、最新要項と研究科の案内を確認し、研究内容を整理してから適切な方法を選びます。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
- 志望校が決まっていなくてもOK
\ 合格がグッと近づく/
LINE登録でもらえる4大特典 : ①プロ講師の映像授業 ②合格までのロードマップシート ③受験校検索サイト ④「今から間に合うか」の判断材料
(費用は一切かかりません)
自分の研究テーマが適合するか判定する5段階
第1段階は社会的関心を法学・政治学の問いに翻訳する
最初に、ニュースや実務経験から得た関心を一文で書きます。次に「望ましい制度は何か」という大きな問いを分解し、法解釈、法史、規範理論、制度過程、因果分析など、研究として答えられる問いに翻訳します。たとえば「SNS上の偽情報をなくしたい」ではなく、特定の規制手段と表現の自由の調整、プラットフォームの責任、政策形成過程などに分けます。
価値判断の主張より先に解明すべき対象を置くのがコツです。「規制すべきだ」を結論として固定すると、都合のよい資料だけを集めやすくなります。「現行制度はどの場面を処理できないのか」「制度選択を左右した要因は何か」と問えば、反対説や例外も検討対象にできます。
第2段階は先行研究の到達点と空白を確認する
学術論文、専門書、判例評釈、政府・国際機関の一次資料を探し、すでに分かっていることと対立点を整理します。検索時にはテーマの一般語だけでなく、法令名、条文、判例、理論概念、対象国、政策名を組み合わせます。読んだ文献は「結論」「資料」「方法」「限界」の4列でメモすると、要約の羅列を避けやすくなります。
研究上の空白は「誰も研究していない」ことだけではありません。既存研究が異なる結論に分かれる、対象時期が古い、比較対象が限定される、理論と運用が接続されていない、利用可能になった新資料が未検討といった形もあります。先行研究の不足を具体的な作業課題に変えることで、研究目的が自然に導けます。
第3段階は4分野と研究志望科目に割り当てる
作った問いを基礎法学、公法、民刑事法、政治学のどこに置くか検討します。その後、公式の募集要項にある研究志望科目まで絞ります。判断基準は、研究対象の名称ではなく、中心となる概念、資料、方法です。同じ環境問題でも、環境法上の規制手法、国際法上の国家義務、政策過程、企業の民事責任では科目が違います。
迷う場合は、仮に主たる科目を一つ外したとき、研究の中心部分が成立するかを考えます。外して成立しない科目が主科目の候補です。残る領域は隣接分野として計画に組み込みます。この方法なら、学際性を保ちながら主軸を明確にできます。
第4段階は教員・開講科目・資料の三方向から確認する
公式教員一覧に関連領域があるか、開講科目一覧に関連する教育機会があるか、必要な一次資料と先行研究へ現実にアクセスできるかを確認します。三つのうち一つだけでは不十分です。教員の領域が近くても、必要資料が非公開なら方法を再設計する必要があります。科目があっても、自分の問いとの関連を説明できなければ志望理由の飾りになります。
指導可能性と資料入手可能性を同時に点検することが重要です。インタビューを予定するなら対象者への接触経路と倫理的配慮、判例分析なら対象判例の抽出基準、比較法なら原語資料の読解可能性、計量分析ならデータの形式と欠損を確認します。
第5段階は2年間で完了する最小単位へ絞る
最後に、問いを答えるための作業を月単位で並べます。文献収集、資料整理、分析、章立て、執筆、修正が2年間に収まらないなら範囲を狭めます。複数国、複数制度、長期間を扱う計画では、比較の軸を一つに絞るか、代表事例を選びます。研究計画書では「将来取り組みたい全テーマ」ではなく、修士課程で実行する核を示します。
- 関心を法学・政治学上の問いへ翻訳する
- 先行研究の到達点と具体的な空白を示す
- 4分野と研究志望科目へ割り当てる
- 教員、科目、資料の三方向で実行性を確かめる
- 2年間で検証できる対象と範囲へ限定する
この5段階を通過した後に文章化すると、書きながらテーマが揺れる問題を減らせます。汎用的な準備手順は研究計画書の書き方7ステップも参照し、京都大学法学研究科では研究志望科目の選択を早めに組み込んでください。
候補テーマを比較する簡易採点法
候補が二つ以上残る場合は、関心の強さだけで決めず、研究科適合、先行研究の把握、資料入手性、方法の習熟、2年間での完了可能性を各5点で採点します。点数は合否予測ではなく、準備不足の場所を発見する道具です。合計が高くても、研究科適合や資料入手性が極端に低い案は再設計します。
| 評価軸 | 5点の状態 | 低い場合の対応 |
|---|---|---|
| 研究科適合 | 研究志望科目と教員領域を具体的に説明できる | 主問いまたは科目選択を見直す |
| 先行研究 | 主要な対立と未解決点を説明できる | 検索語と関連概念を広げる |
| 資料入手性 | 中心資料を実際に確認済み | 公開資料へ切り替える |
| 方法 | 資料から問いに答える手順を説明できる | 分析単位と比較軸を決める |
| 完了可能性 | 収集・分析・執筆を2年間に配置できる | 対象期間や事例数を減らす |
採点後は、最も低い軸を改善する作業を一週間単位で設定します。先行研究が弱ければ主要論文を追加で読み、資料入手性が弱ければデータベースや図書館所蔵を確認します。テーマ選びを感覚から検証可能な判断へ変えることで、口述で「なぜこのテーマなのか」と問われたときも、研究上の理由を答えやすくなります。
2,000字の研究計画書を項目別に組み立てる方法
最初に字数配分を決めてから書く
2,000字程度の欄へ思いつく順に書くと、背景説明だけで半分以上を使い、方法が数行になることがあります。先に各部分の役割と目安を決めましょう。以下は公式が指定する内訳ではなく、必要要素を欠かさないための実践的な配分例です。テーマの性質に応じて調整してください。
| 構成要素 | 配分の目安 | 書く内容 |
|---|---|---|
| 研究テーマ・問題の所在 | 250〜350字 | 対象、問題場面、中心概念 |
| 先行研究と課題 | 450〜550字 | 到達点、対立、未解決点 |
| 研究目的・問い | 200〜300字 | 何を明らかにするか |
| 資料・方法 | 500〜600字 | 法令、判例、史料、事例、データと分析手順 |
| 期待される成果・研究科との接続 | 250〜350字 | 学術的・実務的意義と研究志望科目 |
字数配分は重要度ではなく読み手の疑問順に決めるものです。テーマを読んだ審査者は、既存研究との違い、答えたい問い、答える方法、実行可能性を順に確かめます。各部分が次の疑問に答えるようつなげると、短くても論理が通ります。
問題の所在は対象と法的・政治学的争点を示す
冒頭ではテーマ名を掲げ、対象と争点を簡潔に示します。社会問題の規模を長く説明するより、現行制度や既存理論では何が問題になるかを早く提示します。「近年注目されている」で始める場合も、統計やニュースの紹介で終わらず、研究対象となる法規範、制度、政治主体へ接続します。
良い問題設定は、範囲の境界も見えます。対象国、期間、取引類型、政策領域、判例群などを示し、扱わない範囲を暗に明確にします。テーマ名は「〇〇に関する研究」より、「〇〇制度における△△原則の適用範囲」のように対象と分析軸を含めると具体性が上がります。
先行研究は要約ではなく研究目的を導く
先行研究の段落では、著者名や文献名を並べるのではなく、議論の構図を示します。主要な見解が何を説明し、どの前提や資料に依存し、どの場面を処理できていないのかを整理します。そのうえで「そこで本研究は」と研究目的へ進みます。先行研究と目的の間に論理的な接続語が置けるかを確認してください。
2,000字では文献レビューを網羅できません。中心となる論点を代表する研究を選び、対立軸や不足を示します。参考文献を別欄で求められていない場合も、本文中で主要研究を識別できる書き方を検討します。ただし、引用形式や様式の細部は最新の所定用紙に従います。
研究目的は一文で答えの形を示す
目的は「検討する」「考察する」だけで終わらせず、何を明らかにするかを書きます。法解釈研究なら規範の適用範囲や判断枠組み、法史なら制度や概念の形成過程、政治学なら因果関係、メカニズム、類型、政策効果など、成果の形を選びます。問いが複数ある場合は主問いを一つにし、副問いを必要最小限に置きます。
仮説を置く研究では、結論を決めつけず、どの資料によって支持または反証されるかを示します。規範研究でも、最初から望ましい結論を宣言するのではなく、対立する価値や原則をどう比較衡量するかを書きます。これにより、研究が主張の補強作業ではなく検討作業であることが伝わります。
方法は資料名と分析手順まで書く
方法の段落は計画の実行性を判断する中心です。「文献を調査する」から一歩進み、どの種類の文献・資料を、どの基準で集め、どの順序で分析するかを示します。法学なら法令、立法資料、判例、学説、外国法資料を区別します。政治学なら議会資料、政策文書、統計、選挙データ、インタビュー、事例記録などを区別します。
資料と方法と研究目的が一対一で対応しているかを点検します。判例の解釈枠組みを明らかにするのに新聞記事だけを使う、政策効果を測るのに制度文書だけを読む、といったずれを避けます。インタビューや個人データを扱う計画では、倫理、同意、匿名化、保存の考え方にも触れる余地を確保します。
最後に京都大学で行う必然性を研究内容から示す
末尾では、志望する研究分野・研究志望科目との接続、必要な研究指導、期待される成果をまとめます。大学の知名度、立地、漠然とした学風だけでなく、公式の教育目標、教員の研究領域、開講科目と自分の課題がどうつながるかを説明します。教員名を書く場合は公式情報で現職と領域を再確認します。
例文やテンプレートの使い方は研究計画書の例文とテンプレートで確認できます。ただし、例文のテーマや表現を移すのではなく、自分の先行研究調査と資料条件に置き換えてください。京都大学の様式では一つの欄に統合するため、テンプレートの見出しをそのまま並べるより、段落間の接続を整えることが重要です。
法学系テーマは規範・資料・解釈手順を対応させる
法学系の計画では、社会的な事実と法的評価を区別します。問題となる出来事を説明した後、適用される法令、判例上の判断枠組み、学説上の対立を特定します。次に、どの要件、原則、権利、法的効果を検討するのかを示します。事実の深刻さを強調しても、法的争点が定まらなければ研究の入口にはなりません。
判例研究なら、代表的判決を一件詳しく読むだけでなく、対象判例を選ぶ基準を考えます。裁判所の段階、対象期間、争点、結論、引用される先例などで判例群を整理し、判断枠組みがどこで変化したかを検討します。立法資料を使うなら、審議会資料や議事録がどの解釈問題に関係するかを示します。資料を挙げた直後にその資料で検証する内容を書くと、方法が具体的になります。
比較法研究では、日本法の説明、外国法の紹介、両者の感想という三段構成で終わらないようにします。比較する制度の機能、解決しようとする問題、法体系上の位置づけをそろえます。表面的に同じ名称の制度でも、権限配分や救済手続が違えば単純比較はできません。比較軸を先に定義し、日本法の解釈または制度設計にどの示唆が得られるかを検討します。
政治学系テーマは理論・仮説・観察対象を対応させる
政治学系の計画では、政治現象を記述するだけでなく、何が結果を生んだのか、どの仕組みで主体の行動が変わったのかを問います。説明したい結果を従属変数として明確にし、原因候補、競合する説明、観察できる証拠を整理します。政策の成否を扱うなら、何をもって成功または失敗とするかを定義します。
事例研究では、注目した事例を選んだ理由を説明します。典型例、逸脱例、決定的事例、比較可能な二事例では、得られる推論が異なります。時系列を追う過程追跡を使うなら、政策決定の節目、関係主体、文書や発言を確認し、想定するメカニズムがどの証拠に現れるかを示します。事例の面白さではなく問いに答える証拠価値で選ぶことが重要です。
計量データを使う場合は、データ名だけでなく、観察単位、対象期間、主要変数、欠損、因果推論上の限界を確認します。相関が見つかることと因果関係を説明できることは別です。質的資料と組み合わせる場合も、数値で傾向を示し、文書や事例でメカニズムを検討するなど、各資料の役割を分けます。
2,000字を削るときは研究の骨格を残す
初稿が字数を超えたら、まず一般的な社会背景、大学への賛辞、同じ意味の言い換えを削ります。次に、先行研究の個別要約を対立軸ごとに統合し、資料の網羅的列挙を中心資料と補助資料へ整理します。研究目的と方法は最後まで残します。ここを削ると、読みやすくなっても計画としての判断材料が失われます。
反対に字数が足りない場合は、背景を増やすのではなく、先行研究の不足、資料の選定基準、分析手順を具体化します。「検討する」の目的語と手順を補い、「比較する」の比較軸を補います。不足字数は研究方法の解像度を上げて埋めると、文章量と内容の厚みを同時に改善できます。
最後に各段落を一文で要約し、問題の所在、先行研究、問い、方法、成果の順に並ぶか確認します。要約だけを読んで論理が飛ぶなら、全文でも飛躍しています。接続を直した後、所定様式へ移し、2,000字程度という指定に収まっているかを文字数カウントと目視の双方で確認します。
評価されにくい研究計画書の共通点と修正法
研究科の射程外または研究志望科目が不明確
最初の失敗は、社会問題としては重要でも、法学・政治学上の問いになっていない計画です。感想、政策提言、事業企画が中心で、どの理論・法規範・制度過程を分析するかが見えません。修正するときは、各段落に含まれる名詞を拾い、研究志望科目の専門概念が使われているか確認します。
もう一つは、複数分野を均等に扱おうとして主軸が消える計画です。学際性は中心科目を決めた後に隣接領域を接続することで成立します。願書で選ぶ研究志望科目を先に仮決定し、その科目を外したら研究が成立するかを試してください。成立するなら、選択した科目が主軸ではない可能性があります。
指導可能な領域との接続を確認していない
テーマが魅力的でも、公式教員一覧の研究領域や開講科目との接続が見えなければ、入学後の研究像が弱くなります。教員名を無理に入れることが解決ではありません。現在の教員一覧、研究者情報、近年の業績、授業情報を順に確認し、自分の問いのどの部分について指導を受けたいかを言語化します。
反対に、教員の研究テーマをそのままコピーするのも避けます。既存研究を理解したうえで、自分が扱う資料、対象時期、事例、問いの違いを示します。教員への賛辞ではなく、研究上の接点を書くことが必要です。
方法が抽象的で実行可能性を判断できない
「国内外の文献を幅広く調査する」「比較法的に検討する」「インタビューを行う」だけでは、何をするのか分かりません。対象資料、選定基準、分析単位、比較軸、アクセス方法を加えます。2,000字に収まらない場合は、すべての候補資料を列挙せず、中心資料と補助資料を分けます。
実行不能な豪華さより限定された検証可能性を優先するべきです。多数国比較、大規模調査、非公開データへの依存、習得していない言語資料のみを前提とする計画は、代替手段を考えます。資料が得られない場合に問いをどう狭めるかも準備しておくと、口述で現実的に答えられます。
先行研究の位置づけがなく新規性を主張する
「この問題は研究されていない」と断定する前に、検索語、データベース、関連概念を広げて調べます。まったく同じ題名の論文がないことは、新規性の証明ではありません。近接領域で同じ理論や資料を用いた研究があれば、その到達点を踏まえる必要があります。
修正では、先行研究を賛成説と反対説に分けるだけでなく、資料、時期、方法、前提を比較します。すると、既存研究が答えていない問いが具体化します。新規性は大げさな宣言ではなく、既存の議論に対して追加する小さく明確な一歩として示します。
口述で説明できない言葉を使っている
「多角的」「実証的」「学際的」「国際的」といった語は便利ですが、具体的内容がなければ質問の標的になります。多角的なら何と何の視点か、実証的ならどのデータか、学際的なら主分野と補助分野は何か、国際的なら比較対象や国際規範は何かを説明します。
初稿ができたら、すべての抽象語に下線を引き、「具体的には」と聞かれたときの答えを書き出します。答えられない語は削るか具体化します。文章を難しく見せる語より質問に耐える定義を選ぶことが、研究計画書と口述の双方を強くします。
出願までの逆算スケジュールと口述準備
6か月前からテーマと研究志望科目を往復する
研究計画書は、文章を書く期間より、テーマを絞り先行研究を読む期間のほうが長くなります。出願の約6か月前から始めるモデルを下表に示します。公式日程は年度で変わるため、月名ではなく出願日からの残り期間で管理します。社会人や外国語文献を多く扱う人は、さらに前倒ししてください。
| 時期 | 主な作業 | 完成条件 |
|---|---|---|
| 出願6〜5か月前 | 関心の分解、4分野・研究志望科目の仮決定 | 問いの候補を3本以内にする |
| 出願5〜4か月前 | 主要先行研究、判例・史料・データの探索 | 議論の対立点と資料入手性が分かる |
| 出願4〜3か月前 | 教員一覧、業績、開講科目との接続確認 | 主たる研究志望科目を一つに絞る |
| 出願3〜2か月前 | 問い、目的、方法、成果を箇条書き化 | 2,000字の設計表ができる |
| 出願2〜1か月前 | 初稿、第三者確認、事実・引用の照合 | 各文の根拠を説明できる |
| 出願直前 | 所定様式へ反映、誤記確認、控え保存 | 願書の科目と完全に一致する |
| 提出後〜口述 | 想定問答、主要文献の再読、3分説明 | 方法の限界を含め口頭説明できる |
初稿前に一枚の設計表を作る
初稿の前に、テーマ、問題の所在、先行研究、空白、問い、資料、方法、研究志望科目、関連教員領域を一枚にまとめます。それぞれが矢印でつながらない場合は文章化を急ぎません。特に「先行研究の空白→研究目的」と「研究目的→方法」の二つの接続を確認します。
設計表で矛盾を直すほうが2,000字の全文を直すより速いためです。複数案があるなら、資料入手性、研究科との適合、2年間での完了可能性を各5点で評価し、最も高い案を主案にします。関心の強さだけで決めず、実行条件も同時に見ます。
推敲は内容・論理・形式の三周に分ける
一度にすべてを直そうとすると見落としが増えます。一周目は事実と内容を確認し、法令名、判例、文献、教員名、研究領域を公式情報と照合します。二周目は論理を確認し、各段落の最初と最後だけを読んでつながりを見ます。三周目は形式を確認し、字数、誤字、表記、様式、願書との一致を点検します。
第三者に読んでもらう場合は、「分かりやすいか」だけでなく、具体的な問いを渡します。研究目的を一文で言い返せるか、方法で目的に答えられるか、研究志望科目を推測できるか、未知の用語がどこかを聞きます。読み手の返答が自分の意図と違えば、説明が不足しています。大学院入試の個別指導を検討する場合は、京都大学大学院法学研究科の研究計画書対策にも対応する大学院入試コースも選択肢になります。
口述では3分説明と反対質問を準備する
提出後は、研究計画を3分、1分、30秒で説明する練習をします。短い版でも、問い、先行研究上の課題、方法が残るようにします。録音して主語と目的語が伝わるか確認することも有効です。説明時間が余るなら背景を増やすのではなく、資料を選んだ理由と分析手順を補います。次に、なぜその科目か、なぜその資料か、比較対象を変えるとどうなるか、予想と異なる結果ならどうするか、研究の限界は何かという質問へ答えます。
反対説や代替仮説への質問も準備します。自説を守ることより、どの根拠なら見解を修正するかを示せるほうが研究姿勢を伝えやすくなります。分からない質問に推測で答えず、現時点で確認できている範囲と今後の調査課題を分けて説明します。
出願直前は願書・計画書・口述メモを横断確認する
最終段階では研究計画書だけを校正せず、願書の専門研究分野、研究志望科目、コース名と横に並べて照合します。用語が一致していても、内容上の中心が別科目に移っていないかを確認します。研究計画書の題名、冒頭の問題設定、方法、結論の見通しから同じ科目が読み取れる状態が理想です。
確認用に、提出版の題名だけを見て「対象」、目的の一文だけを見て「解明すること」、方法の段落だけを見て「使う資料と分析手順」をそれぞれ書き出します。三つが同じ問いを指していれば骨格はそろっています。ずれる場合は、題名を広げず目的と方法の共通範囲まで狭めると修正しやすくなります。
口述メモには、提出版の各段落について想定質問を二つずつ付けます。問題の所在には「なぜ現在扱うのか」、先行研究には「どの研究とどう違うのか」、方法には「その資料で答えられるのか」、成果には「修士課程でどこまで到達するのか」という質問が考えられます。提出書類の弱点を隠すのではなく補足できる形で把握することが重要です。
印刷後には、文字の欠け、改ページ、入力欄からのはみ出し、氏名や年月日の誤記を紙面で確認します。ファイル名と提出版の更新日時も固定することで、別の草稿を誤送付する事故を防ぎます。控えには提出日を記録し、口述まで同じ版を参照します。内容の完成度と同様に、所定様式を正しく扱うことも出願準備の一部です。提出手順も最新要項と照合し、締切直前の修正に依存しない状態を作りましょう。
よくある質問(FAQ)
京都大学大学院法学研究科の研究計画書は何字ですか
令和9年度(2027年度)の所定様式では、「研究テーマとその説明」を2,000字程度で記載します。研究者養成コースと先端法務コースの双方に研究計画書様式があります。年度によって変更される可能性があるため、出願時の公式様式を確認してください。
研究者養成コースと先端法務コースの違いは何ですか
研究者養成コースは、自ら学術的課題を設定し、研究成果を論文にまとめる能力の育成が中心です。先端法務コースは、企業法務を中心とする先端的法的問題への調査・分析・判断能力を備えた専門家の養成が中心で、博士後期課程進学を前提としていません。同じ題材でも問いと成果像をコース目的に合わせる必要があります。
法学部以外の出身でも研究計画書を提出して出願できますか
出願資格を満たせば、出身学部だけを理由に一律に排除される仕組みではありません。ただし、選抜方式ごとの条件や専門試験があり、法学・政治学の基礎知識も問われます。最新募集要項で自分が利用できる選抜方式を確認し、研究計画書では既修分野から法学・政治学上の問いへどう接続するかを明確にしてください。
指導希望教員への事前連絡は必要ですか
確認した令和9年度募集要項と公式入試ページには、出願前の個別教員連絡を一律に必須とする記載は見当たりません。願書に記した研究志望科目をもとに指導教員が決まる仕組みです。方針は変わりうるため、最新の案内を確認し、独自判断で連絡先を転載したり一斉送信したりしないでください。
研究計画書に教員名を書くべきですか
所定欄は「研究テーマとその説明」であり、教員名の記載自体が目的ではありません。氏名を書くなら、公式教員一覧で現職と研究領域を確認し、自分の問いとの研究上の接点を簡潔に示します。限られた字数では、先行研究、問い、方法の説明を優先してください。
研究テーマや研究志望科目は入学後に変更できますか
公式募集要項では、願書に記した研究志望科目をもとに指導教員を決定し、研究志望科目は修士課程在籍中、原則として変更できないとされています。出願前に科目レベルまで適合を検討することが重要です。研究の具体的な問いは指導を通じて精緻化されますが、主軸の科目選択を軽く考えないようにしましょう。
先端法務コースは実務経験がないと受験できませんか
先端法務コースには学科試験と社会人特別選考があり、選抜方式ごとに出願条件が異なります。企業法務に関心のある大学学部卒業生なども受入対象として公式に示されています。実務経験の有無だけで判断せず、最新募集要項で該当方式を確認してください。
口述試験では研究計画書について何を準備すべきですか
研究テーマを選んだ理由、先行研究との差、中心となる問い、資料と方法、研究志望科目との関係、実行可能性を説明できるようにします。提出した研究計画書の控えを使い、各文に「なぜ」「具体的には」と質問を付けて答える練習が有効です。方法の限界や代替案も準備してください。
まとめ|研究志望科目から2,000字の論理を組み立てる
京都大学大学院法学研究科の研究計画書では、広い社会的関心を、法政理論専攻のコース、4つの専門研究分野、研究志望科目、教員の研究領域へ段階的に接続することが重要です。令和9年度(2027年度)の所定様式は2,000字程度と短いため、背景の説明を膨らませるより、先行研究から問いと方法が導かれる構造を優先します。
- 研究者養成と先端法務では、研究計画書の成果像が異なる
- 願書の研究志望科目をもとに指導教員が決まり、原則変更できない
- 基礎法学・公法・民刑事法・政治学から主たる分野を選ぶ
- 公式教員一覧の氏名・研究領域と近年の業績を確認する
- 先行研究の空白、問い、資料、方法を一つの連鎖にする
- 2年間で入手・分析できる資料へ対象を限定する
- 提出版の控えを保存し、口述試験の想定問答へつなげる
最終確認の基準は研究志望科目を知らない読み手にも推測できるかです。推測できなければ、問題設定か方法が広すぎます。逆に、問い、資料、分析方法から選択科目が自然に見えれば、研究科との適合が文章全体に表れています。
募集要項・出願書類の様式・教員の配置は年度により変わるため、出願前に必ず最新の公式情報で確認してください。確認日もメモに残しておきましょう。独学では先行研究の不足や方法のずれに気づきにくいことがあります。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
- 志望校が決まっていなくてもOK
\ 合格がグッと近づく/
LINE登録でもらえる4大特典 : ①プロ講師の映像授業 ②合格までのロードマップシート ③受験校検索サイト ④「今から間に合うか」の判断材料
(費用は一切かかりません)



