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石川県立大学の編入試験を徹底解説|学科別の募集人員・試験科目・日程・倍率と対策【2027年度】

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石川県立大学の編入学試験は、生物資源環境学部の1学部・3学科(生産科学科・環境科学科・食品科学科)しかない単科大学であるにもかかわらず、実施しているのは「3年次編入学」のみで、2年次編入は行われていません。しかも3学科とも試験科目・配点・日程がすべて共通という、他大学にはあまり見られない設計になっています。外国語はTOEIC Listening&Reading公開テストのスコアだけで判定され、当日に英語の筆記試験はありません。
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この記事では、石川県立大学が公表している令和9年度(2027年度)の入学試験概要と、2020年度から2026年度までの7年分の志願・受験・合格者数の実績、さらに大学が公式に公開している令和7・8年度の編入学試験過去問題と解答例をもとに、募集人員・出願資格・試験科目・日程・倍率・出題テーマを整理します。募集人員が「若干名」としか公表されていないこの試験の実態を、公開されている数字だけから読み解きます。
石川県立大学の編入学試験とは|3年次編入のみ・全学科共通の試験
石川県立大学は石川県野々市市にある公立大学で、学部は生物資源環境学部の1つだけです。学科は生産科学科・環境科学科・食品科学科の3学科で、大学は自校を「石川県で唯一、農学に関わるほとんどの科目を学べる」大学と説明しています。
入試情報サイトで公表されている入学試験の区分は、一般選抜(前期・後期)、学校推薦型選抜(A・B・C)、3年次編入学試験、私費外国人留学生特別選抜の4種類です。2020年度から2027年度まで各年度の入学試験概要を確認しましたが、いずれの年度も「2年次編入学試験」という区分は存在せず、編入学試験は3年次のみの実施です。これは法政大学のような複数学部を持つ大規模私立大学とは異なり、学部を跨いだ制度の使い分けがない代わりに、編入で入学できるタイミングが3年次の1回に絞られていることを意味します。
| 入試区分 | 主な対象 | 実施時期(令和9年度) |
|---|---|---|
| 一般選抜(前期・後期) | 高校卒業(見込み)者など | 2月〜3月 |
| 学校推薦型選抜(A・B・C) | 学校長の推薦を受けた高校生 | 11月 |
| 3年次編入学試験 | 大学・短大・高専卒業(見込み)者など | 9月 |
| 私費外国人留学生特別選抜 | 私費外国人留学生 | 1月 |
この記事で扱う3年次編入学試験は、4区分の中で唯一「学士号を持つ者・大学等の在学者」を主な対象とする制度です。他の3区分(一般選抜・学校推薦型選抜・私費外国人留学生特別選抜)は高校卒業段階の入学者を主な対象としており、対象者の属性が根本的に異なります。
もう一つの特徴は、生産科学科・環境科学科・食品科学科の3学科で試験科目・試験時間・配点・日程がすべて共通に設計されている点です。法政大学のように学部ごとに論文のテーマや面接の有無が変わるということはなく、出願する学科によって対策の骨格を変える必要はありません。ただし後述するとおり、面接では専門に関する質問が含まれるため、学科ごとの学びの内容を理解しておくことは重要です。
前身は農業短期大学、4年制大学としては開学20年
大学の沿革によると、石川県立大学の前身は昭和46年(1971年)4月に開学した石川県農業短期大学です。平成14年(2002年)に4年制大学への改組準備が始まり、平成16年(2004年)11月に文部科学省から設立認可を受け、平成17年(2005年)4月に現在の石川県立大学として開学しました。編入学試験を検討するうえで、4年制大学としての歴史が比較的浅い大学であることは、知名度や情報量の少なさを理解する背景として押さえておく価値があります。
学生数は令和7年5月1日現在、生物資源環境学部の学部生が合計546名(生産科学科182名・環境科学科177名・食品科学科187名)、うち3年生は144名です。年間の編入合格者が0〜4名という規模は、この3年生144名という母数と比較すると、既存の3年生集団の1%未満から数%程度が編入生として加わる計算になります。
3年次編入学試験の入学者選抜の基本方針
石川県立大学は令和9年度入学試験概要の中で、3年次編入学試験の入学者選抜の基本方針を次のように説明しています。
3年次編入学試験では、英語と自然科学(2科目)について、専門分野の修学に必要な基礎的な知識と思考力・判断力・表現力を評価します。併せて面接では、生物資源環境学への修学意欲、研究活動への主体性や課題探究能力など、専門分野を学ぶ上で必要な資質を総合的に評価します。
この方針とあわせて大学が公表しているアドミッション・ポリシー(入学者受入方針)では、「農・環境・食・バイオ」をキーワードに、生物生産を目指す人材、人と自然が共生できる社会を築く人材、食の機能と安全を通じて人々の健康に寄与する人材、コース制により農・環境・食・バイオを複合的に学び6次産業化など地域社会のニーズに応える人材の育成を掲げています。求める学生像としては、動植物・微生物などの生命現象の観察と実験に興味があること、自然環境と生物資源への関心、生物生産・食と健康への関心、そして「自ら考える力」と「未知の分野に対する強い探求心とチャレンジ精神」が挙げられています。志望理由書や面接で自分の関心を語る際は、これらのキーワードとどう結びつくかを意識しておくと、大学が示す評価軸に沿った受け答えがしやすくなります。
学科別の募集人員【令和9年度(2027年度)】
石川県立大学が公表している令和9年度の3年次編入学試験の募集人員は、次のとおりです。
| 学部 | 学科 | 募集人員 |
|---|---|---|
| 生物資源環境学部 | 生産科学科 | 若干名 |
| 環境科学科 | 若干名 | |
| 食品科学科 | 若干名 |
3学科とも募集人員は具体的な人数ではなく「若干名」とだけ公表されています。これは法政大学の「学部合計◯名」のような数値公表とは異なり、募集枠の大きさそのものが外部からはわからない設計です。後述する2020年度から2026年度までの実績を見ると、この「若干名」が実際にどの程度の規模なのかが数字として見えてきます。
参考までに、同じ令和9年度入学試験概要では、一般選抜の募集人員が前期日程で3学科合計60名(各学科20名)、後期日程で3学科合計36名(各学科12名)と、具体的な数値で公表されています。編入学試験だけが「若干名」という非公開の枠になっている点は、この試験の位置づけが一般選抜とは異なる、補完的な入学ルートであることを示唆しています。
出願資格|6つの条件のいずれかに該当する必要がある
石川県立大学の3年次編入学試験の出願資格は、学科による違いはなく全学科共通です。次の(1)〜(6)のいずれかに該当することが必要です(令和9年度入学試験概要より)。
- 他の大学を卒業した者および卒業見込みの者
- 短期大学または高等専門学校を卒業した者および卒業見込みの者
- 専修学校の専門課程(修業年限が2年以上であることその他の文部科学大臣の定める基準を満たすものに限る)を修了した者および修了見込みの者(学校教育法第132条に規定する者に限る)
- 国立工業教員養成所または国立養護教諭養成所を卒業した者
- 他の大学において2年以上在学し、かつ62単位以上を修得した者および修得見込みの者
- 高等学校、中等教育学校の後期課程および特別支援学校の高等部の専攻科の課程(修業年限が2年以上であることその他の文部科学大臣の定める基準を満たすものに限る)を修了した者および修了見込みの者(学校教育法第58条の2に規定する者に限る)
この6条件を見ると、法政大学など多くの大学で「3年次は高等専門学校卒業者を対象外とする」という制限があるのに対し、石川県立大学は条件(2)に高等専門学校卒業者を明記しており、3年次からでも高専卒業者が出願できます。これは高専から3年次への編入を考えている受験生にとって、選択肢を狭めない設計です。
また条件(5)の「62単位以上の修得」という基準も、法政大学の3年次共通資格(60単位以上)よりわずかに高く設定されています。大学に2年以上在学しているだけでなく、単位の修得数も要件を満たしているかを個別に確認する必要があります。
修業年限は2年、既修得単位によっては延びる場合がある
3年次編入学生の修業年限について、大学は「2年」と定めています。ただし「入学時における既修得単位の認定数等により、2年を超える在学年数が必要となる場合があります」という注記が付いています。前籍校での履修内容と石川県立大学のカリキュラムがどの程度重なるかによって、既修得単位として認定される科目数が変わり、結果として卒業までに2年以上かかるケースがあり得るということです。入学者選抜方法は学力検査・面接・出願書類の内容を総合的に判定するとされており、単位認定の詳細な基準(どの科目がどの条件で認定されるか)は令和9年度入学試験概要には記載がなく、非公表です。単位認定の見込みについては、出願前に教務学生課へ個別に問い合わせることをおすすめします。
試験科目と配点|英語はTOEIC L&R公開テストのスコアのみ
試験科目は3学科共通で、外国語・自然科学・面接の3つです。令和9年度入学試験概要に基づく内容と配点は次のとおりです。
| 試験科目 | 試験内容 | 配点 |
|---|---|---|
| 外国語 | TOEIC Listening&Reading公開テストのスコア(Official Score CertificateまたはDigital Official Score Certificateの提出) | 100点 |
| 自然科学 | 90分。生物学・化学・物理学から2科目を選択 | 150点 |
| 面接 | 専門に関する設問を含む | 50点 |
| 合計 | 300点 | |
大学は配点について2つの注記を公表しています。「英語はTOEIC Listening&Reading公開テストのスコア990点満点を100点に換算する」こと、そして「面接の配点には出願書類の評価を含む」ことです。面接は単なる口頭試問ではなく、事前に提出した出願書類の内容も含めて50点分が評価される設計になっています。
300点満点のうち自然科学が150点と最も比重が大きく、外国語(100点)、面接(50点)と続きます。TOEICのスコアは出願前に確定しているため、当日の試験でもっとも点差がつきやすいのは自然科学の90分間です。合格ラインが公表されていない以上、どの科目にどれだけ配分すれば安全というシミュレーションはできませんが、配点比率から見れば、自然科学の記述・計算の精度を上げることが総合点への影響が大きいと言えます。
外国語は「TOEIC L&R公開テスト」以外は不可
石川県立大学の外国語試験でもっとも注意すべき点は、認められるスコアの種類が極めて限定されていることです。要項には次のように明記されています。
出願期間最終日から2年以内(令和6年8月28日以降)に英語TOEIC Listening&Reading公開テストを受験し、かつ出願期間中にOfficial Score Certificate(公式認定証)またはDigital Official Score Certificate(デジタル公式認定証)を提出すること。TOEIC L&R IPテスト、TOEIC S&W、TOEIC Speaking、TOEIC Writing、TOEIC Bridge Testのスコアは不可。
つまり、大学や高校で受験することの多いTOEIC L&R IPテスト(団体特別受験制度)のスコアは、この編入学試験では使えません。必ず一般の公開テストを受験し、公式認定証を取得する必要があります。IPテストのスコアで代用できると誤解したまま準備を進めると、出願段階でつまずくことになるため、最初に確認しておくべき点です。
また有効期間は「出願期間最終日から2年以内」に受験したスコアに限られます。令和9年度(2027年度)入試であれば、2024年8月29日以降に受験したTOEIC L&R公開テストのスコアが対象です。英語の得点は試験当日ではなく出願の時点で確定しているため、直前に英語を伸ばして逆転するという戦い方は成立しません。公開テストは結果が出るまで時間がかかるため、出願期間から逆算して余裕を持って受験日程を組む必要があります。
自然科学は生物学・化学・物理学から2科目を選択
自然科学は90分で、生物学・化学・物理学の3科目から2科目を選択して解答する形式です。3科目とも用意されているため、出身の高校や前籍校で履修していた科目に応じて選択できます。後述する過去問の分析で詳しく触れますが、3科目とも大学教養レベルの内容を含む出題があり、高校範囲の延長では対応しきれない設問も含まれます。
日程はわずか5日間の出願期間|令和9年度スケジュール
令和9年度(2027年度)の日程は次のとおりです。
| 項目 | 令和9年度 |
|---|---|
| 出願期間 | 令和8年8月24日(月)〜8月28日(金)【必着】 |
| 試験期日 | 令和8年9月4日(金) |
| 合格発表 | 令和8年9月10日(木) |
| 入学手続 | 令和8年9月11日(金)〜9月18日(金)【必着】 |
出願期間はわずか5日間しかありません。法政大学の12日間と比べても短く、出願書類・TOEICの公式認定証・志望理由書などをすべて揃えて必着で送付する必要があるため、直前に慌てて準備を始めると間に合わない可能性があります。この時期は他大学の秋入試や社会人の在職中の受験とも重なりやすいため、年間の学習計画に早い段階で組み込んでおくべきです。
なお、この概要に記載されている内容はすべて予定であり、正式な内容は学生募集要項(令和8年7月頃配付予定)で確認する必要があると大学は注記しています。出願前には必ず最新の募集要項を確認してください。
過去の年度も出願期間は5〜7日間、試験は8月下旬〜9月上旬に固定
2020年度から2027年度まで、大学が公表してきた出願期間・試験期日を並べると、次のとおりです。
| 年度 | 出願期間 | 試験期日 |
|---|---|---|
| 2020年度 | 8月19日(月)〜8月23日(金) | 8月30日(金) |
| 2021年度 | 8月5日(水)〜8月11日(火) | 8月21日(金) |
| 2022年度 | 8月18日(水)〜8月25日(水) | 9月3日(金) |
| 2023年度 | 8月5日(金)〜8月12日(金) | 8月19日(金) |
| 2024年度 | 8月17日(木)〜8月23日(水) | 9月1日(金) |
| 2025年度 | 8月26日(月)〜8月30日(金) | 9月6日(金) |
| 2026年度 | 8月25日(月)〜8月29日(金) | 9月5日(金) |
| 2027年度 | 8月24日(月)〜8月28日(金) | 9月4日(金) |
8年分を通して見ると、出願期間は5〜8日間、試験日は出願締切からおよそ1〜2週間後という構成が毎年繰り返されています。年度によって具体的な日付は前後しますが、「8月上旬〜下旬に出願し、8月下旬〜9月上旬に試験を受ける」という大枠は安定しています。TOEICスコアの取得や志望理由書の準備は、この時期から逆算して、遅くとも夏に入る前には目処を立てておくべきです。
実施年度別の志願・受験・合格者数【2020年度〜2026年度実績】
石川県立大学は、3年次編入学試験の学科別の志願者数・受験者数・合格者数(年度によっては入学者数も)を、各年度の入学試験概要ページで公表しています。2020年度から2026年度まで、大学が公式サイトに掲載している実績をすべて確認すると、次のとおりでした。
| 年度 | 生産科学科 (志願/受験/合格) | 環境科学科 (志願/受験/合格) | 食品科学科 (志願/受験/合格) | 計 (志願/受験/合格) |
|---|---|---|---|---|
| 2020年度 | 0/0/0 | 0/0/0 | 1/1/0 | 1/1/0 |
| 2021年度 | 2/2/0 | 0/0/0 | 0/0/0 | 2/2/0 |
| 2022年度 | 4/4/1 | 3/3/2 | 2/2/1 | 9/9/4 |
| 2023年度 | 0/0/0 | 0/0/0 | 1/1/0 | 1/1/0 |
| 2024年度 | 2/1/1 | 0/0/0 | - | 2/1/1 |
| 2025年度 | 2/2/1 | 1/1/0 | - | 3/3/1 |
| 2026年度 | 1/1/0 | 1/1/0 | - | 2/2/0 |
表中の「-」は、その年度の該当学科について大学の公表資料上で数値ではなく「-」表示になっている箇所をそのまま転記したものです(2020年度〜2023年度は志願者0名の学科も「0」と数値で表示されているのに対し、2024年度〜2026年度の食品科学科だけは「-」表示になっており、大学の表記が年度によって異なります)。正確な数値が必要な場合は、石川県立大学教務学生課に直接確認してください。
この7年間を合計すると、志願者数はおよそ20名、受験者数はおよそ19名、合格者数は6名です。年間の合格者は0〜4名という規模で、多くの年度は0〜1名にとどまっています。3学科合わせても年間の受験者が1〜3名という年度が7年のうち5回あり、2022年度(9名志願・4名合格)だけが突出して多い年でした。
倍率の数字を読むときの注意
この実績を見るときに気をつけたいのは、母数が極端に小さいことです。1名が受験して1名が合格すれば倍率は1.0倍ですが、これを「入りやすい」と読むのは危険です。逆に0名が合格した年度も複数あり、志願者がいても合格者が出ないことが珍しくありません。単年度の数字を「倍率◯倍」として一喜一憂するのではなく、複数年度を通じて「募集人員が『若干名』であっても、実際に合格に至る人数はごくわずかである」という構造を理解しておくことが重要です。
また、この試験は募集人員を具体的な人数で公表していないため、法政大学のように「募集15名に対して合格3名」といった対比はできません。公表されているのは志願・受験・合格の実数のみであり、大学がどの水準で合格者を絞っているかは、これらの実数の推移から読み取るほかありません。
学科別に見える傾向
学科別の内訳を見ると、生産科学科は2020年度を除く6年度すべてで志願者が出ており、7年間で合計11名が志願、3名が合格しています。環境科学科は2022年度に3名志願・2名合格という年がある一方、それ以外の6年度は志願者0〜1名にとどまっており、年度によるばらつきが大きい学科です。食品科学科は2024年度以降の実績が「-」表示で公表されておらず、2020年度〜2023年度の4年間では合計4名が志願し1名が合格しています。3学科の中で、どの学科が「狙い目」と単純に言えるほどの傾向差は、この母数からは読み取れません。
参考として、生物資源環境学部の3年生は令和7年5月1日現在で合計144名(生産科学科52名・環境科学科46名・食品科学科46名)です。7年間の年平均合格者数(約0.9名)をこの3年生の人数と単純に比較すると、編入学生が3年次の在籍者に占める割合はごくわずかであり、内部進学者が大半を占める学年構成であることがうかがえます。
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過去問は大学が公式に公開している【令和7・8年度】
石川県立大学は、学部入試(学校推薦型選抜・一般選抜前期・一般選抜後期・3年次編入学・私費外国人留学生特別選抜)の過去問題と解答例を、入試情報サイトの「過去問題」ページでまとめて公開しています。2026年8月時点で公開されているのは令和7年度(2024年秋実施)と令和8年度(2025年秋実施)の2年分で、3年次編入学については「理科」の問題冊子と解答例の両方がPDFで無料公開されています。
大学は「入試過去問題活用宣言」という取り組みにも参加しています。これは平成19年4月に国立36・公立26・私立81の全国145大学が宣言した枠組みで、参加大学間で過去問題を共有財産として活用することを目的としています。石川県立大学は必要と認める範囲で、この宣言に参加する他大学の過去問題を使用して出題することがあると明記しており、使用した場合は入試終了後に受験生にわかる形で公表するとしています。編入試験の対策では、石川県立大学自身の過去問だけでなく、この宣言に参加する大学群の出題傾向も広く視野に入れる価値があります。
令和6年度以前の過去問題は公式サイトでは公開されておらず、大学へのメールまたは郵送による請求が必要です(過去問請求のページから請求可能)。したがって、無料でオンライン入手できる直近の過去問は令和7年度・令和8年度の2年分ということになります。
公開されている令和7・8年度過去問から読み取れる出題テーマ
ここからは、石川県立大学が公開している令和7年度・令和8年度の3年次編入学試験「理科」の過去問題と解答例をもとに、生物学・化学・物理学それぞれの出題テーマと形式を整理します。試験は生物学・化学・物理学から2科目を選択する方式ですが、大学は3科目すべての問題と解答例を公開しているため、どの科目を選んでも過去問で傾向を確認できます。問題文そのものは掲載せず、出題されているテーマと、解答例から読み取れる出題の水準・形式を解説します。
生物学|令和8年度は遺伝子発現調節と植生の遷移
令和8年度の生物学は大問2題構成でした。問題1は原核生物の遺伝子発現調節(オペロン説)をテーマにした出題で、プロモーター・オペレーター・リプレッサー・mRNAといった転写調節の基本用語の理解に加え、実験結果(培地の条件を変えたときのコロニーの色の変化)から、正の調節と負の調節がどのように働いているかを考察させる設問が含まれていました。単なる用語の暗記ではなく、実験データを読み解いて調節機構を説明する力が問われています。
問題2は植生の遷移がテーマで、針葉樹林・夏緑樹林・照葉樹林・亜熱帯多雨林といった森林の階層と代表的な樹種の対応、遷移の過程で植物の性質(種子の散布力・乾燥への耐性・耐陰性)がどう変化するかを説明させる設問、さらに硬葉樹林の気候的特徴や、動物の耳の大きさと体温維持の関係(ホッキョクギツネとフェネックギツネの比較)まで、生態学の幅広い範囲から出題されていました。
令和8年度の解答例には、問題1の一部の設問について配点が明記されています。実験結果の解釈を問う設問に10点、調節の条件を問う設問に6点、遺伝子発現調節の意義を説明させる論述に8点が割り振られていました。すべての設問に配点が公開されているわけではありませんが、実験考察や説明記述に相応の配点が置かれていることから、選択式で終わらない記述式の設問を確実に得点源にする準備が必要だとわかります。
生物学|令和7年度は光合成の型と発生・生殖
令和7年度の生物学問題1は、C3植物・C4植物・CAM植物という光合成の3つの型を比較させる出題でした。それぞれの植物が高温・乾燥環境にどう適応しているか、葉肉細胞と維管束鞘細胞の役割の違い、CAM植物が夜間に気孔を開いて二酸化炭素を取り込む仕組みまで、比較生理学的な理解が問われています。
問題2は動物の発生と生殖がテーマで、減数分裂の過程、受精・卵割、動物極と植物極、灰色三日月環の形成といった発生学の基本概念に加え、iPS細胞の作製方法(体細胞に特定の遺伝子を人為的に導入して初期化する仕組み)についても解答が求められていました。発生学の基礎から先端の再生医学的なトピックまで扱う出題です。
化学|令和8年度は電気化学(燃料電池)と高分子化合物
令和8年度の化学問題1は燃料電池をテーマにした電気化学の総合問題でした。負極・正極でのイオン反応式、全体の化学反応式を書かせたうえで、発生した水の物質量から流れた電子の物質量・電気量・電気エネルギーを計算させ、さらに燃焼エンタルピーを用いてエネルギー変換効率を求め、最後は水素吸蔵合金が吸蔵できる水素の質量を状態方程式から計算させるという、電気化学・熱化学・気体の状態方程式を横断する構成でした。ファラデー定数を使った電気量の計算や、有効数字を意識した数値解答が求められる点が特徴です。
問題2は高分子化合物がテーマで、ビニロンの合成(ポリビニルアルコールとホルムアルデヒドの反応)、合成ゴムの構造(イソプレンゴム・クロロプレンゴム)、加硫の仕組み、スチレンブタジエンゴムの分子量計算(重合度を求める計算問題)まで、高分子化学の知識と計算力の両方が問われていました。
化学|令和7年度はアミノ酸の化学平衡と熱化学
令和7年度の化学問題1は、アラニン・システイン・グリシンといったアミノ酸の立体構造(不斉炭素の有無)を問う設問から始まり、酸解離定数(Ka1・Ka2)を用いて等電点でのpHを計算させる出題でした。アミノ酸の構造だけでなく、酸解離平衡の計算まで踏み込む内容です。
問題2は熱化学がテーマで、グルコースの完全酸化反応のエンタルピー変化を生成エンタルピーから計算させたうえで、その反応がギブズエネルギーの観点からなぜ自発的に進行する(不可逆反応である)といえるのかを説明させ、さらに解糖(グルコースから乳酸への反応)の反応エンタルピーも計算させるという、熱力学の考え方を一貫して問う構成でした。
物理学|令和8年度は力学(斜面上の運動)と電磁気(RL・RC回路)
令和8年度の物理学問題1は、斜面を滑り降りた小球が斜面下端から飛び出し、放物運動を経て床に衝突し、さらに跳ね返るという一連の運動を扱う力学の総合問題でした。分力・等加速度運動・水平投射・鉛直方向の運動・反発係数の定義まで、力学の基本概念を順を追って積み上げていく構成です。
問題2は電磁気分野で、コンデンサーとコイルを含む回路の過渡現象(スイッチを入れた直後と十分時間が経過した後の電流・電圧の変化)を扱い、最終的にはコンデンサーとコイルだけからなる閉回路で生じる電気振動(LC振動)のメカニズムを文章で説明させる設問で締めくくられていました。グラフの概形を描かせる設問も含まれています。
物理学|令和7年度は円運動とドップラー効果
令和7年度の物理学問題1は、円筒面上を運動する小物体の円運動を扱い、向心力・力学的エネルギー保存則・垂直抗力が0になる条件(物体が面から離れる瞬間)を求めさせる出題でした。
問題2は音波のドップラー効果がテーマで、音源と観測者の両方が動く場合、さらに風が吹いている場合、反射板で音が反射する場合と、条件を段階的に複雑にしながら観測される振動数を計算させる構成でした。基本公式の丸暗記ではなく、音源・観測者・風・反射のそれぞれが振動数にどう影響するかを、そのつど正しく立式できるかが問われています。
過去問から導ける学習の順番
令和7・8年度の2年分を通して見ると、石川県立大学の自然科学は、高校の教科書レベルの基本概念を土台にしながらも、実験データの考察・グラフの読み取り・計算過程の記述まで求める大学入試(旧センター試験や個別試験の記述式)に近い水準の出題です。学習の順番としては、次の進め方が効率的です。
- まず生物学・化学・物理学のうち、自分が2科目として選択する科目を早期に決める(前籍校での履修状況を踏まえる)
- 選択した2科目について、高校教科書の該当範囲を一通り復習し、計算問題は途中式まで書く練習をする
- 令和7年度・令和8年度の過去問を実際に解き、解答例と照らし合わせて、単なる暗記では届かない設問(実験考察・図表の読み取り・計算過程の記述)を特定する
- 面接で問われる「専門に関する設問」に備えて、志望する学科(生産科学科・環境科学科・食品科学科)の研究内容を理解し、志望理由と結びつけておく
本節で扱った出題テーマ・形式・計算の流れは、いずれも石川県立大学が公開している令和7年度・令和8年度の3年次編入学試験「理科」の過去問題および解答例に基づいています。出題内容は年度によって変わるため、対策の際は必ず大学公式サイトの「過去問題」ページで最新の資料をご自身で確認してください。
出願までのスケジュールを逆算する
ここまでの制度情報を時系列に並べ直すと、石川県立大学の3年次編入学試験に向けた準備は、出願期間(8月下旬)から逆算して次のように組み立てるのが合理的です。
出願の2年前まで|TOEIC L&R公開テストの受験可能期間が始まる
外国語のスコアは「出願期間最終日から2年以内」に受験したものに限られます。令和9年度(2027年度)入試であれば、2024年8月29日以降に受験したスコアが有効です。この起点を過ぎればいつでも受験してよいわけですが、複数回受験してスコアを伸ばす余地を残すなら、出願年度の1年以上前から計画的に受験しておくと安心です。TOEIC L&R IPテストのスコアは使えないため、必ず公開テストの申込みを行う必要があります。
出願の半年〜1年前|自然科学2科目の選択と過去問対策
生物学・化学・物理学のうち2科目を選択し、令和7年度・令和8年度の公開過去問を実際に解いてみる段階です。前述のとおり、いずれの科目も高校教科書の基本概念を土台にしながら、実験データの考察やグラフの読み取り、計算過程の記述まで求められます。教科書レベルの復習に加えて、記述式の答案を書く練習に時間を確保してください。
出願の直前期|出願書類・志望理由書・面接想定の準備
面接の配点(50点)には出願書類の評価が含まれます。志望する学科(生産科学科・環境科学科・食品科学科)のコース・研究内容を理解したうえで、大学が示すアドミッション・ポリシー(「農・環境・食・バイオ」、自ら考える力、探求心とチャレンジ精神)と自分の志望動機を結びつけた志望理由書を用意し、面接での「専門に関する設問」に備えて、自分の関心領域について具体的に語れるよう準備しておく段階です。
出願期間(8月下旬)〜入学手続(9月中旬)
出願期間はわずか5日間で、TOEICの公式認定証を含む出願書類一式を必着で提出する必要があります。試験は9月上旬、合格発表は出願から2週間ほどで行われ、入学手続期間も1週間程度と短く設定されています。この期間に慌てないよう、出願書類の様式や提出方法は、募集要項が配付される7月頃には早めに確認しておくことをおすすめします。
学科ごとに何を学ぶか、対策にどうつなげるか
試験科目は3学科共通ですが、面接では専門に関する質問が含まれるため、志望する学科の学びの内容を理解し、志望理由と結びつけておくことが対策の一部になります。大学が公表している各学科の特色は次のとおりです。
生産科学科|植物・動物の生産技術
生産科学科は、植物基礎系・植物生産系・動物生産系・生物資源管理系の4系で構成され、動植物の生命現象を細胞・分子・遺伝子レベルまで解明し、バイオテクノロジーを活用した生産技術の開発を目指す学科です。附属農場での実習や実験を通じて、生産現場における理論と実践を学びます。過去問の生物学分野で扱われた遺伝子発現調節のテーマは、この学科の研究領域と直接つながっています。
学科内には生産科学コース・生産環境制御コース・先端バイオコースの3コースがあります。生産科学コースは植物・動物生産の基礎から農業経済・経営まで体系的に学ぶコース、生産環境制御コースは高度環境制御施設や植物工場での栽培に必要な環境計測・水耕栽培などの技術を学ぶコース、先端バイオコースは植物・微生物のゲノム解析や遺伝子組換えなど、バイオテクノロジーと環境・産業技術の関わりを学ぶコースです。大学が公表する卒業後の進路イメージは、農業法人・種苗会社などの農業関連企業、施設園芸を行う農業法人、バイオテクノロジー関連企業、学校教員(農業・理科)などです。
環境科学科|自然環境と農業基盤の保全
環境科学科は、田園資源活用系・生物環境保全系・水環境管理系・里山里海創生系の4系で構成され、土・水・大気の知識を基盤に、環境や生態系と人の活動の関わりを解明し、環境と調和した農業基盤・社会基盤の整備を研究する学科です。白山山頂から能登の海岸まで、石川県内の多様な自然環境を活用したフィールドワークが特色とされています。過去問の生物学で扱われた植生の遷移や生態系のテーマは、この学科の学びと近い領域です。
学科内には環境科学コースと里山活性化コースの2コースがあります。環境科学コースは土・水・大気・生物の知識をベースに、環境に配慮した農業生産基盤・社会基盤の整備と管理を学ぶコース、里山活性化コースは里山里海の景観や資源を活用した地域振興、獣害・自然災害に強い里山里海の整備・保全を学ぶコースです。卒業後の進路イメージとして、環境プラントメーカー、建設コンサルタント、公務員(総合土木・農業土木)、自然エネルギー関連企業などが挙げられています。
食品科学科|食品の加工・機能性・安全性
食品科学科は、食品基礎系・食品製造系・食品加工系・食品機能系の4系で構成され、バイオテクノロジーを活用した食品の加工・貯蔵・流通技術の開発、食品の安全性や機能性の解明に取り組む学科です。郷土料理や調味料の分析・研究、企業や自治体との共同製品開発など、地域と連携した研究も特色です。過去問の化学で扱われたアミノ酸や熱化学のテーマは、食品の成分や栄養を扱う食品科学科の学びと関連が深い内容です。
学科内には食品科学コースと6次産業化コースの2コースがあります。食品科学コースは食品の成分・機能性・安全性、加工・流通など幅広い知識・技術を学ぶコース、6次産業化コースは食品科学の専門科目に加えて商品の企画・設計・開発やマーケティングなど、文理融合型の内容を学ぶコースです。卒業後の進路イメージは、食品製造・食品関連企業、製薬・化粧品関連企業、公務員(食品衛生監視員)などです。
なお、3学科とも先端バイオコースの内容を学科を越えて履修できる仕組みがあります。志望理由書や面接で「なぜこの学科か」を説明する際は、こうしたコース単位・履修の仕組みまで理解したうえで、自分の関心と結びつけて語れるようにしておくと説得力が増します。
2024年度以降の実績データを見る限り、食品科学科は志願者数の公表形式が他の2学科と異なっており(前述の「-」表示)、正確な出願状況は大学への直接確認が必要です。志望学科を最終的に決める前に、教務学生課への問い合わせや、可能であればオープンキャンパスでの相談を活用することをおすすめします。
石川県立大学ならではの学びの環境
面接で「なぜ他大学ではなく石川県立大学なのか」を説明する際に押さえておきたいのが、実習・研究のための施設です。大学が公表している情報によると、附属農場は生物資源工学研究所に隣接する約2.6haの圃場(水田・畑・果樹園)と9棟の温室施設、ヒツジを飼育する家畜実習棟で構成されています。学生は野菜・花卉・果樹の栽培や収穫、家畜の飼育などを、教室の授業だけでは得られない体験型の実習として行っています。講義棟・研究棟から歩いて行ける距離にあることも特徴です。
また生物資源工学研究所には、ゲノム情報利用技術教育センター、環境生物工学研究室、応用微生物学研究室、植物細胞工学研究室、遺伝子機能学研究室といった専門研究施設が設置されています。過去問の生物学で扱われた遺伝子発現調節や、化学で扱われたアミノ酸・熱化学のようなテーマは、これらの研究施設が担う分子生物学・生化学的なアプローチと重なる領域です。編入後にどのような研究環境で学ぶことになるのかを具体的にイメージしておくと、志望理由書の説得力も高まります。
併願をどう組むか
石川県立大学の3年次編入学試験は出願期間が5日間、試験日は9月上旬という日程です。同時期に試験を行う大学と重ならないか、早い段階でスケジュールを確認しておく必要があります。また、外国語がTOEIC Listening&Reading公開テストのスコアのみで判定される点は、他大学の農学系・生物資源系の編入学試験でも共通する大学があります。TOEICスコアを軸に併願先を組み立てる場合は、以下のような関連記事もあわせて参考にしてください。
- 農学部の大学編入を徹底解説|出願資格・試験科目
- 環境学部の大学編入を徹底解説|出願資格・試験科目
- 生命科学部の大学編入を徹底解説|出願資格・試験科目
- 大学編入でTOEICのみ受験できる大学一覧|必要スコアの目安
石川県立大学は募集人員が「若干名」であり、7年間の実績を見ても合格者が出ない年度が複数あります。1校に絞って出願するのではなく、試験時期・出願資格・必要な英語スコアの種類が重ならない大学を組み合わせて、複数の選択肢を持っておくことが現実的な戦略です。
私費外国人留学生特別選抜との違い
石川県立大学には3年次編入学試験のほかに、私費外国人留学生特別選抜という別枠の入試制度もあります。出願期間は12月中旬〜下旬、試験期日は1月末という3年次編入学試験とは異なるスケジュールで実施され、対象も日本国籍を持たない私費外国人留学生に限られます。3年次編入学試験と併願できる制度ではなく、対象者の要件が異なる別制度である点に注意してください。
受験上の配慮が必要な場合の事前協議
障害を有する等、受験上または修学上特別な配慮を必要とする場合は、出願前にあらかじめ大学の教務学生課へ連絡し、相談する必要があります。令和9年度入試では相談締切日が令和8年8月7日(金)と定められており、出願期間(8月24日〜28日)よりも前です。申請書に加え、医師の診断書、身体障害者手帳の写しなどの参考書類の提出が求められます。配慮が必要な場合は、出願準備よりも早い段階でこの事前協議を済ませておく必要があります。
よくある質問
石川県立大学は2年次編入を実施していますか?
実施していません。2020年度から2027年度までの入学試験概要を確認した限り、石川県立大学が編入学試験として公表しているのは3年次編入学試験のみです。2年次からの編入を希望する場合は、他大学を検討する必要があります。
3年次編入の募集人員は何名ですか?
生産科学科・環境科学科・食品科学科のいずれも「若干名」とのみ公表されており、具体的な人数は公開されていません。2020年度から2026年度までの実績では、3学科合計で年間0〜9名が志願し、合格者は0〜4名という規模で推移しています。
TOEICはIP(団体特別受験)のスコアでも出願できますか?
できません。要項には「TOEIC L&R IPテスト、TOEIC S&W、TOEIC Speaking、TOEIC Writing、TOEIC Bridge Testのスコアは不可」と明記されており、TOEIC Listening&Reading公開テストの公式認定証(またはデジタル公式認定証)のみが有効です。
TOEICのスコアはいつ受験したものが有効ですか?
出願期間最終日から2年以内に受験したスコアが対象です。令和9年度(2027年度)入試の場合、令和6年8月28日以降に受験したTOEIC Listening&Reading公開テストのスコアが有効となります。出願前には必ず最新の募集要項で有効期間を確認してください。
自然科学は生物学・化学・物理学のどれを選べばよいですか?
生物学・化学・物理学の3科目から2科目を選択する方式です。大学は3科目すべての過去問題と解答例を公開しているため、前籍校での履修状況や得意分野に応じて、過去問を実際に解いたうえで選択科目を決めることができます。
高等専門学校卒業者は3年次に出願できますか?
出願できます。出願資格(2)に「短期大学または高等専門学校を卒業した者および卒業見込みの者」と明記されており、高専卒業者は3年次編入の出願資格を満たします。
過去問はどこで入手できますか?
令和7年度・令和8年度の2年分は、石川県立大学の入試情報サイト「過去問題」ページで、問題冊子と解答例の両方がPDFで無料公開されています。令和6年度以前の過去問は公式サイトでは公開されておらず、大学へのメールまたは郵送による請求が必要です。
面接では何が聞かれますか?
大学は面接の内容を「専門に関する設問を含め質問します」とだけ公表しており、具体的な質問例は公開していません。面接の配点(50点)には出願書類の評価も含まれるため、志望理由書の内容と一貫性のある受け答えができるよう準備しておく必要があります。
社会人・既卒者でも出願できますか?
出願できます。出願資格(1)に「他の大学を卒業した者および卒業見込みの者」と定められており、在学中の学生に限定されていません。すでに大学を卒業している社会人も、この資格に該当すれば出願可能です。ただし年齢制限や社会人向けの専用枠は設けられておらず、在学生と同じ試験区分・試験科目で受験することになります。
石川県立大学の編入学試験は私費外国人留学生特別選抜と併願できますか?
私費外国人留学生特別選抜は日本国籍を持たない私費外国人留学生を対象とする別制度で、出願期間も12月中旬〜下旬、試験期日も1月末と3年次編入学試験とは異なります。対象者の要件が異なるため、通常の3年次編入学試験の対象者がこの制度と併願するという位置づけの制度ではありません。
石川県立大学の編入は難しいですか?
2020年度から2026年度までの7年間の実績では、志願者数の合計はおよそ20名、合格者数の合計は6名です。年度・学科によっては合格者が0名の年もあり、募集人員が「若干名」という非公開の枠であることも含めて、数字だけで「易しい」「難しい」と単純化できる規模ではありません。母数が極めて小さいため、1名の受験で合格・不合格が決まる年度も珍しくなく、試験内容(TOEICスコア・自然科学2科目・面接)にどれだけ準備を積めているかが結果を左右します。
まとめ
石川県立大学の3年次編入学試験は、生物資源環境学部の3学科(生産科学科・環境科学科・食品科学科)で試験内容が完全に共通という、シンプルでありながら特徴のある制度です。外国語はTOEIC Listening&Reading公開テストのスコアのみで判定され、IPテストやスピーキング・ライティングのスコアは使えません。自然科学は生物学・化学・物理学から2科目を選択する90分の試験で、面接には出願書類の評価も含まれます。
募集人員は3学科とも「若干名」としか公表されていませんが、2020年度から2026年度までの7年間の実績を見ると、志願者数はおよそ20名、合格者数は6名という規模で推移しており、合格者が0名の年度も複数あります。単年度の倍率だけを見て一喜一憂するのではなく、複数年度の実績から試験の規模感をつかんでおくことが重要です。生産科学科は7年間で11名志願・3名合格、環境科学科は2022年度に3名志願・2名合格という年がある一方でそれ以外は低調、食品科学科は2024年度以降の公表形式が他の2学科と異なるなど、学科ごとに見える傾向にも違いがあります。
過去問については、令和7年度・令和8年度の2年分が大学公式サイトで無料公開されており、問題冊子と解答例の両方を確認できます。生物学・化学・物理学のいずれも、高校教科書の基本概念を土台にしながら、実験データの考察や計算過程の記述まで求める出題が続いています。出願期間はわずか5日間と短いため、TOEICスコアの取得・出願書類の準備・過去問対策は、出願期間に入る前の早い段階から計画的に進める必要があります。志望理由書や面接では、大学が示す「農・環境・食・バイオ」というアドミッション・ポリシーのキーワードと、自分の関心・志望学科のコース内容をどう結びつけて語れるかが評価の軸になります。
本記事の数値は石川県立大学が公表する令和9年度入学試験概要、および2020年度から2026年度の入学試験概要ページに掲載された志願・受験・合格者数の実績に基づいています。制度・日程・募集人員・試験科目は年度によって変更される可能性があるため、出願前には必ず石川県立大学が公表する最新の学生募集要項をご確認ください。
本記事で扱った出題テーマ・形式は、石川県立大学が公開している令和7年度・令和8年度の3年次編入学試験「理科」の過去問題および解答例に基づいています。出題内容は年度によって変わるため、必ず最新の公開資料をご自身で確認してください。
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