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慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科(SFC)の入試傾向と対策|Ⅰ期・Ⅱ期の出願資格から面接まで

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科(SFC)の入試は、Ⅰ期・Ⅱ期という2回の入学試験を軸に、一般入試(国内出願・海外出願・社会人出願)と内部推薦入試という複数の出願方式から成り立っている。「慶應義塾大学院 SFC 入試 対策」を調べている方の多くは、Ⅰ期とⅡ期の違い、一般入試と内部推薦入試のどちらを選ぶべきか、そして出願にあたって何を準備すればよいのかを知りたいはずだ。結論から言うと、SFCの大学院入試には出願前に希望する教員へ連絡し、研究指導の内諾を得ることが必須という他の研究科にはない特徴がある。
Ⅰ期とは、主に5月に出願し9月または翌年4月に入学する入学試験区分であり、Ⅱ期とは、主に9〜10月に出願し翌年4月または翌年9月に入学する入学試験区分である。どちらも修士課程・後期博士課程の両方で実施されるが、2027年4月・9月入学対象のⅡ期からは出願システムがオンライン完結型の「TAO」に全面移行しており、Ⅰ期とは出願の実務がやや異なる。
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本記事では、2026年度実施(2027年4月・9月入学対象)のⅠ期・Ⅱ期入学試験要項にもとづき、一般入試と内部推薦入試の違い、出願資格、出願前に必須となる教員コンタクトと研究指導引受書、提出書類と研究計画書、出願スケジュール、そして公式に公表されている入試結果から見える倍率の傾向までを整理する。
なお、募集要項の内容は年度ごとに変更される可能性があるため、本記事の情報を土台にしつつ、出願時には必ず慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の入学案内ページで最新の要項を確認してほしい。
政策・メディア研究科は「政策」と「メディア」という2つの言葉が示すとおり、特定の学問領域に閉じない学際的な研究科として知られている。修士課程には8つのプログラムがあり、志望する研究テーマに応じて所属先を選ぶ仕組みになっている。この学際性ゆえに、他の研究科以上に「自分の研究テーマをどのプログラム・どの教員のもとで深めるか」を出願前に明確にしておくことが求められる。
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科(SFC)とは|8つのプログラムと入試制度
研究の専門領域を示す8つのプログラム
政策・メディア研究科には、研究の専門領域の枠組みとして8つのプログラムがある。グローバル・ガバナンスとリージョナル・ストラテジー(GR)、ヒューマニティーズとコミュニケーション(HC)、政策形成とソーシャルイノベーション(PS)、認知・意味編成モデルと身体スキル(CB)、環境デザイン・ガバナンス(EG)、エクス・デザイン(XD)、サイバーインフォマティクス(CI)、先端生命科学(BI)の8つである。修士課程の在学者はこの8つのいずれかに所属し、各プログラムの所定要件を満たすと修了時に「プログラムサティフィケート」が授与される仕組みだ。出願を検討する段階で、自分の研究テーマがどのプログラムに近いのかを確認しておくことが、志望する教員選びの出発点になる。プログラムの詳細や各プログラムに所属する研究科委員の一覧は、政策・メディア研究科の公式サイトで公開されている。同じ研究テーマでも複数のプログラムにまたがって捉えられる場合があるため、1つのプログラム名だけで判断せず、実際にそのプログラムに所属する教員の研究内容まで確認したうえで志望先を絞り込むとよい。政策・メディア研究科のディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーの「3つの方針」も公式サイトで公開されており、出願前に目を通しておくことで、研究計画書や面接での回答に一貫性を持たせやすくなる。
プロフェッショナル育成コースという選択肢
変化の激しい社会のニーズに対応するため、政策・メディア研究科修士課程には「プロフェッショナル育成コース」という制度も用意されている。所属は希望者のみで必須ではないが、修士課程を修了し各コースの修了要件を満たすと、修士学位とあわせて「コース修了証(サティフィケート)」が授与される。例えば「社会イノベータ(SI)」というコースがあり、修了には授業を理解できるだけの日本語力が求められる。
修士課程・後期博士課程の入試制度全体
政策・メディア研究科は修士課程・後期博士課程ともにⅠ期・Ⅱ期の入学試験を実施する。修士課程の出願方式は国内出願・海外出願・社会人出願・内部推薦入試の4種類、後期博士課程は国内出願・海外出願・社会人コース・社会人コース海外出願の4種類がある。入学定員は修士課程(政策・メディア専攻)200名、後期博士課程(政策・メディア専攻)50名で、いずれも各年度の4月入学者・9月入学者・各出願方式の合計として設定されている。
湘南藤沢キャンパスでの学び
政策・メディア研究科の入学試験・面接はいずれも神奈川県藤沢市の湘南藤沢キャンパス(SFC)で実施される。三田キャンパスや矢上キャンパスとは異なる立地にあるため、他の慶應義塾大学大学院研究科と併願する場合は、それぞれの試験会場までのアクセスや所要時間を事前に確認しておく必要がある。政策・メディア研究科アドミッションズ・オフィスの所在地は「〒252-0882 神奈川県藤沢市遠藤5322」で、電話・メールでの問い合わせ窓口も用意されている。受付時間は月〜金曜日(祝祭日を除く)で、授業期間は9:30〜16:30、休校期間は10:00〜16:00となっており、出願手続きで不明点があれば直接問い合わせることもできる。遠方から出願を検討している場合は、キャンパス見学やオープンキャンパスの機会を活用して、事前にキャンパスの雰囲気を確認しておくのもよいだろう。
Ⅰ期・Ⅱ期とは|2つの入試時期とオンライン出願システムへの移行
Ⅰ期とⅡ期の基本的な違い
Ⅰ期は主に5月に出願し、9月または翌年4月に入学する区分である。Ⅱ期は主に9〜10月に出願し、翌年4月または翌年9月に入学する区分だ。「Ⅰ期」「Ⅱ期」という名称は季節ブランドではなく、年2回実施される入試の回次を示す名称であり、どちらも修士課程・後期博士課程の両方で実施される。2026年度実施の場合、Ⅰ期は2026年9月入学・2027年4月入学が対象、Ⅱ期は2027年4月入学・2027年9月入学が対象となっており、4月入学についてはⅠ期・Ⅱ期のどちらからでも出願できる期間が設けられている。
Ⅱ期からのオンライン出願システム移行
2027年4月・9月入学対象のⅡ期の試験より、出願システムが「オンライン出願システム(The Admissions Office、TAO)」による完全オンライン方式に切り替わった。Ⅰ期は従来通りWebエントリー後に出願書類を郵送する方式のまま実施される一方、Ⅱ期はWeb入力から出願書類のアップロード、入学検定料の支払いまですべてTAO上で完結する。同じ研究科・同じ年度の入試であっても、Ⅰ期とⅡ期とで出願の実務手順が異なる点は、SFC大学院入試の見落としやすい特徴だ。要項にも今後Ⅰ期の出願方式についても変更が生じる可能性がある旨が案内されているため、出願する期が近づいたら公式サイトで最新の案内を確認する習慣をつけておきたい。
Ⅰ期・Ⅱ期どちらを選ぶべきか
Ⅰ期は5月出願・6〜7月選考というタイトなスケジュールになるため、教員コンタクトや研究計画書の準備を年明けから進めておく必要がある。Ⅱ期は9〜10月出願・11月選考で、Ⅰ期に比べて準備期間を長く取りやすい。9月入学・4月入学のどちらを希望するかによっても選べる期が変わってくるため、自分の希望する入学時期とあわせてⅠ期・Ⅱ期どちらに出願するかを早い段階で決めておきたい。
4月入学と9月入学、どちらを選べるか
Ⅰ期・Ⅱ期という区分とは別に、入学時期そのものも4月入学・9月入学のいずれかを選ぶ必要がある。2026年度実施の場合、Ⅰ期は2026年9月入学または2027年4月入学、Ⅱ期は2027年4月入学または2027年9月入学が対象になっており、2027年4月入学だけはⅠ期・Ⅱ期のどちらからでも出願できる仕組みだ。秋学期入学(9月入学)を検討している場合はⅠ期またはⅡ期のいずれかに限定されるため、自分が希望する入学時期に対応した期を取り違えないよう、Web入力の段階で入学時期と出願方式を慎重に選択する必要がある。選択した内容は出願後に変更できない。
一般入試(国内出願・海外出願・社会人出願)と内部推薦入試の違い
修士課程4つの出願方式の全体像
修士課程の出願方式は、国内出願・海外出願・社会人出願という3つの一般入試と、内部推薦入試の合計4種類がある。
| 出願方式 | 対象 | 選考方法 |
|---|---|---|
| 国内出願 | 出願資格を満たす全ての志願者 | 1次(書類審査)→2次(面接) |
| 海外出願 | 継続して国外に居住し在学・在職する者 | 書類審査+研究科委員との討議(面接なし) |
| 社会人出願 | 大学卒業後2年以上経過した者 | 1次(書類審査)→2次(面接) |
| 内部推薦入試 | 総合政策学部・環境情報学部の在学生 | 別要項による選考 |
内部推薦入試との併願はできない
内部推薦入試は総合政策学部・環境情報学部からの推薦制度で、専用の入学試験要項がWeb上で別途公開されている。内部推薦入試とⅠ期・Ⅱ期の併願はできないと要項に明記されている(春学期はⅠ期、秋学期はⅡ期とそれぞれ併願不可)。総合政策学部・環境情報学部の在学生であっても、内部推薦入試の対象要件を満たさない場合や、あえて一般入試(国内出願など)で受験したい場合は、通常の出願方式を選ぶことになる。内部推薦入試は専用の入学試験要項がWeb上で別途公開されており、国内出願とは出願資格・選考方法・スケジュールが独立している。総合政策学部・環境情報学部以外の学部・大学出身者は、そもそも内部推薦入試の対象にならないため、一般入試(国内出願・海外出願・社会人出願)のいずれかを選ぶことになる。
社会人出願の位置づけに注意
修士課程の社会人出願は、あくまで出願時点で社会人であることを考慮する区分であり、要項では「後期博士課程社会人コースのような、在職したまま修士号の学位取得を目指すものではない」と明確に注記されている。修士課程で働きながら通学することを想定した制度ではないため、出願区分としての「社会人出願」自体が就業継続を前提とした制度ではない点を正しく理解しておく必要がある。
後期博士課程の出願方式との対応関係
後期博士課程には修士課程の内部推薦入試に相当する制度はなく、国内出願・海外出願・社会人コース・社会人コース海外出願の4方式のみが用意されている。社会人コースは、大学院修士課程修了者等が在職したまま博士号取得を目指す制度で、博士学位取得要件のうち「新規授業科目企画書」「技法科目」「教育体験」が免除されるという優遇がある一方、企業・官庁・研究教育機関等での5年以上の在職経験が出願資格の前提になる。修士課程の社会人出願(2年以上)と後期博士課程の社会人コース(5年以上)とでは、必要な実務経験年数の基準も異なる点に注意したい。
出願資格|国内出願・海外出願・社会人出願それぞれの条件
修士課程国内出願の出願資格(6区分)
修士課程国内出願の出願資格は、次のいずれかに該当することが条件になる。
- 日本国内外において大学を卒業した者、または卒業見込みの者
- 大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された者(見込み含む)
- 文部科学大臣の指定した者
- 4年制大学の3年次以上に在学し、所定の単位を優れた成績で修得したと研究科が認めた者(飛び級、要出願資格認定)
- 外国の大学等で修業年限3年以上の課程を修了し、学士相当の学位を授与された者
- 大学卒業者と同等以上の学力があると研究科が認めた、入学時に22歳以上の者(要出願資格認定)
このうち4号(飛び級)・6号(同等学力)に該当する場合は、事前の「出願資格認定申請」が必要になる。申請期限はⅠ期が3月30日、Ⅱ期が8月31日と定められており、出願期間そのものよりかなり早い時期に締め切られる点に注意したい。
海外出願は追加で2条件を満たす必要がある
海外出願は、国内出願と同じ6区分の出願資格に加えて、次の2つの条件を両方満たす必要がある。1つ目は「国籍を問わず、出願開始日から合格発表までの期間を含めて継続して日本国外に居住し、在学または在職していること」、2つ目は「出願書類の提出までに、希望するプログラムの研究科委員と研究計画について十分討議し、研究指導の内諾を得ていること」である。総合政策学部・環境情報学部に正規生として在籍中の者は修士課程の海外出願を利用できないという制限もある。海外出願は書類審査と研究科委員との討議のみで選考が完結し、面接は行われない。海外出願を選ぶ場合、Step2のオンライン面談は他の出願方式と異なり必須の手続きとされている点も押さえておきたい。国内に一時帰国して面談する必要はなく、オンラインでの実施が前提になっている。海外在住のまま出願から入学までを完結できる制度である一方、書類作成・郵送・オンライン面談の日程調整には国内出願以上に時間の余裕を見込んでおく必要がある。
社会人出願・後期博士課程の出願資格
修士課程の社会人出願は「出願時において大学を卒業後2年以上経過している者」が条件だ。後期博士課程は国内出願・海外出願に加えて、企業・官庁・研究教育機関等で5年以上の業績・経験を積んだ社会人向けの「社会人コース」「社会人コース海外出願」がある。後期博士課程国内出願の出願資格は4区分で、大学院修士課程または専門職学位課程の修了者(見込み含む)、外国で修士相当の学位を授与された者、文部科学大臣指定者、同等学力を認められた24歳以上の者からなる。社会人コースは大学院修士課程等の修了者だけでなく、大学卒業者で5年以上の実務経験があり研究科が同等学力を認めた者も対象に含まれる。後期博士課程の出願資格でも、飛び級に相当する4号(同等学力)などに該当する場合は事前の出願資格認定申請が必要になる。
大学在学中の飛び級出願について
4年制大学の3年次以上に在学する者が対象の飛び級出願(4号)は、他大学出身者にも開かれた出願資格である。出願前に「飛び入学資格認定願」等の書類を提出する出願資格認定申請が必須で、学部成績証明書や進級卒業要件が分かる資料、3年次以上に在学していることを示す資料(学生証や成績表のコピー等)を添えて申請する。慶應義塾大学在籍者は一部の添付資料が不要とされているなど、在籍大学によって求められる書類が異なる点にも注意しておきたい。
「見込み」による出願と資格の取り消し
大学卒業見込み・学位授与見込みなど「見込み」の状態で出願した志願者については、入学試験に合格した後、入学までに実際に出願資格を満たすことができないことが確定した場合、入学の資格が取り消される。卒業・修了日と入学時期の整合性についても細かい規定があり、9月卒業・修了見込みで9月入学を希望する場合、卒業日が9月22日以降になると事前の問い合わせが必要になる。出願資格の号数ごとに条件が異なるため、自分がどの号に該当するかを出願前に必ず確認しておきたい。特に9月入学を希望する場合は、在籍大学の学年暦が慶應義塾大学と異なることも多く、卒業・修了日の確定時期によって出願資格の扱いが変わってくるため、早い段階でアドミッションズ・オフィスに相談しておくと安心だ。海外の大学に在籍している場合はなおさら学年暦の違いが大きくなりやすいため、出願を検討し始めた時点で自分の卒業(修了)予定日を正確に把握し、該当する号数と必要な手続きを整理しておきたい。
面接で研究計画を、どう説明しますか?
志望研究科の出題傾向をもとに、想定質問と回答の組み立て方をプロ講師が一緒に整理します。
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出願前に必須の教員コンタクトと研究指導引受書
研究指導引受書がなければ出願できない
SFCの大学院入試で他の研究科と大きく異なるのが、出願前の教員コンタクトが実質的に必須の手続きになっている点だ。志願者は出願に先立ち、希望するプログラムの研究科委員(教員)と「Step1: 研究計画についての討議(メール上で研究テーマ・スケジュール・研究スタイル等を討議)」「Step2: オンライン面談の実施(海外出願の場合は必須)」「Step3: 研究指導引受書作成の内諾を得る」という3段階のプロセスを経る必要がある。研究指導引受書が提出できない場合は、そもそも出願自体ができないという要項の記載は、他の慶應義塾大学大学院研究科にはあまり見られない特徴だ。
研究科委員への連絡方法
希望する研究科委員の連絡先が分からない場合は、公式の教員コンタクトフォームから連絡することができる。ただし、問題意識が明確でない、具体的な研究計画・内容の記載がないフォーム入力には対応してもらえないと明記されている。退職・留学・研究テーマの不一致など、さまざまな理由で当該研究科委員が入学後の研究指導を引き受けられない場合もあるため、研究科委員へのコンタクトは余裕を持って早めに行うことが要項でも強く推奨されている。
研究指導引受書・評価調書は第三者が作成する
研究指導引受書は、志願者本人ではなく、承諾を得た研究科委員が直接TAO上に入力する書類である。志願者はシステム上で依頼者を登録するだけで、内容そのものを見ることはできない。研究指導引受者による入力が完了しないと出願自体が完了できないため、依頼のタイミングが遅れると出願に間に合わないリスクがある。あわせて、研究指導引受者とは別の任意の人物に依頼する「評価調書」も必須書類とされており、修士は3通まで提出可能なうち1通が必須、博士は2通が必須になっている。
入学後の教員異動に備えた仕組み
研究指導引受者が入学後1年以内に退職予定の場合、その後任者(退職後に研究指導を担当する研究科委員)が作成した評価調書を追加で提出する必要がある。志願者は研究指導引受者・評価者が入力した内容そのものを見ることはできない仕組みになっており、これらの書類は志願者本人の自己申告ではなく第三者評価として機能している。研究指導引受書・評価調書とも日本語・英語のどちらでも入力可能とされている。
提出書類と研究計画書の書き方
Ⅱ期のオンライン出願(TAO)の流れ
Ⅱ期の出願は、オンライン出願システムTAOのアカウント作成から始まる。アカウントを持っていない場合はまず会員登録を行い、入学まで使用可能なメールアドレスを登録する。登録確認メールのリンクから本登録を完了したら、政策・メディア研究科のページで希望する課程・出願方式を選択し、画面左側に並ぶ出願書類項目に沿って入力を進めていく。入力した項目にはチェックマークが付き、出願を完了するまでは書類単位で一時保存・編集が可能だ。研究指導引受書・評価調書のような第三者作成の書類は「依頼書類」から依頼者を登録すると、依頼者にメールで作成依頼が届く仕組みになっている。すべての項目にチェックマークが付いたことを確認し、入力内容を確認したうえで「出願を完了する」を押すことで、正式に出願が受理される。
主な出願書類一覧
国内出願の場合、主な提出書類は次のとおりである。
| 書類 | 概要 |
|---|---|
| 研究指導引受書 | 研究科委員が作成(第三者作成・必須) |
| 評価調書 | 任意の第三者が作成(必須、修士1通/博士2通) |
| 志願者調書 | Web上で入力(必須) |
| 志望理由書 | 修士課程のみ必須。A4版1〜5枚 |
| 研究計画書 | 必須。A4版5枚以内、書式・字数任意 |
| 新規授業科目企画書 | 後期博士課程(国内・社会人コース)のみ必須。A4版5〜10枚 |
| 大学成績証明書・卒業(見込)証明書 | 出身大学発行 |
海外出願の場合は、これに加えて「研究計画に関するビデオ」(2分以内・50MB以内、本人が顔を出して話す映像)と「研究科委員との交信記録」の提出が必要になる。
志望理由書と任意提出資料
修士課程のみ必須の志望理由書は、政策・メディア研究科を志望した理由、高校卒業以降の活動報告、入学後の目標などをA4版任意の用紙(タテ長・ヨコ書き原則)1枚から5枚以内(表紙不要)にまとめる書類だ。1ページ目に所属・氏名を記入し、各ページ右下にページ番号を入れる形式的なルールがある。志願者調書には顔写真データのアップロード項目もあり、無帽・上半身正面・背景なしで、出願書類提出期間の締切日を含めて3ヶ月以内に撮影された写真(カラー・白黒いずれも可)が求められる。氏名は戸籍に記載されている表記で登録し、旧姓の使用を希望する場合は入学後に別途手続きが必要になる。このほか、任意提出資料として、自分自身の能力・技術を示す論文・作品や統一試験結果などをPDF・JPEGあわせて10点まで提出することもできる。卒業論文や修士論文そのものを提出したい場合は、合計100MB以下のPDFファイルでアップロード可能とされており、任意提出書類を通じて自分の研究実績を補強することもできる。
研究計画書の書き方
研究計画書は、これまでの学習テーマ・学習実績、政策・メディア研究科で取り組む予定の研究テーマ・目的・方法・意義や特徴、期待される成果、必要な研究施設などを具体的かつ簡潔に説明する書類だ。A4版任意の用紙(原則タテ長・ヨコ書き)5枚以内(表紙不要)にまとめ、PDFファイルでアップロードする。書式・字数は任意だが、なるべくワープロソフトを使用し、図やグラフを入れるなどして読みやすく工夫することが推奨されている。1ページ目に所属・氏名を記入し、各ページにページ番号(例: 1/5、2/5)を入れる形式的なルールも定められている。公式サイトには参考書式が案内されているが、必ずしもその書式通りに作成する必要はないとされている。研究計画書の一般的な組み立て方は研究計画書の書き方と例文も参考になる。テーマ設定の背景、先行研究や実務経験からの問題意識、研究の方法論、期待される成果という流れで組み立てると、限られた枚数の中でも論理の飛躍が生まれにくい。
研究計画書と教員コンタクトを一体で進める
SFCの研究計画書は、単独で完成させる書類ではなく、出願前の教員コンタクト(Step1〜Step3)の内容と一体で仕上げていくものだと捉えるとよい。研究科委員とのメール討議・オンライン面談を通じて指摘された論点を研究計画書に反映させ、最終的に研究指導引受書を作成してもらう段階までに、研究テーマ・方法論・スケジュールの一貫性を高めておくことが望ましい。研究計画書を書いてから教員に相談するのではなく、教員との対話を通じて研究計画書を磨き上げていくという順序を意識すると、書類全体の説得力が高まりやすい。1回のやり取りだけで内諾を得られるとは限らないため、研究計画の方向性を何度か往復しながら固めていく心構えでスケジュールを組んでおくと安心だ。時間的な余裕を持って動き出すことが、結果的に書類全体の完成度を高めることにつながる。
後期博士課程特有の「新規授業科目企画書」
後期博士課程の国内出願・社会人コースでは、学科試験に代わるものとして「新規授業科目企画書」の提出が求められる。修士課程1年生を対象とした自分の専門分野を概説する授業を1科目考案し、15週の授業科目としての主題・目標・意義・各講義の内容・関連文献・教材や授業方法・評価基準などをA4版5〜10枚にまとめる形式だ。枚数の上限を超えた場合は採点されないことがあるとも明記されており、単に分量を積み増すのではなく、指定された枚数の中で論理立てて構成することが求められる。研究計画書と同様、なるべくワープロソフトを使用し、図表を交えて読みやすくまとめる工夫も評価につながりやすい。授業科目としての妥当性、既存知識の体系づけの妥当性、科目の構成の構想力、内容の分かりやすさ・説得性が評価事項として挙げられており、既存のシラバスを模倣した場合は不正行為とみなされ出願資格が取り消される。この企画書はSFCの既存シラバスそのものとは一致しないため、独自に創意工夫してまとめる必要がある。学科試験を課さない代わりに、専門分野の体系的理解と教育設計力の両方を問う、後期博士課程ならではの提出書類だといえる。
外国籍者・留学生に関わる追加書類
外国籍の志願者は、パスポートの身分事項ページ(顔写真ページ)や日本語能力調査書の提出が必要になる。日本語または英語の能力を示す試験結果の提出が求められる出願方式もあり、提出できない場合は学習履歴を証明する書類で代替する運用になっている。中国本土(香港・マカオを除く)の大学を卒業・修了した志願者は、中国教育部のウェブサイトから取得できる「教育部学歴証書電子注冊備案表」(英文)の提出が必要で、提出時点でWeb認証の有効期限が6ヶ月以上残っていることが条件とされている。この規定は修士課程・後期博士課程のいずれの出願方式にも共通して適用される。出願者の登録氏名と証明書類の氏名が異なる場合は、戸籍抄本や住民票など同一人物であることを証明する書類の提出も求められる。外国籍の者が通称名を用いる場合は、住民票に記載されている通称名に限られるという細かい規定もあるため、氏名の表記に不安がある場合は事前にアドミッションズ・オフィスへ確認しておくと安心だ。
外国語検定試験結果の提出(後期博士課程)
後期博士課程の出願者(国内・海外・社会人コース・社会人コース海外のすべて)は、研究を遂行するうえで必要と認められる母語以外の外国語について、指定の検定試験結果を提出する必要がある。対象言語は英語(TOEFL・IELTS・TOEIC・実用英語技能検定等)だけでなく、ドイツ語・フランス語・中国語・スペイン語・日本語・朝鮮語・マレー/インドネシア語まで幅広く指定されている。指定の検定試験結果を提出できない場合は、提出できない旨を記したメモと外国語学習履歴を示す書類を代わりにアップロードするという代替手段も用意されている。試験実施機関から大学へ直送できない場合は、合格後に試験結果の原本を郵送することになる。
合格後に必要な書類原本の提出
出願時に自分でアップロードした卒業(修了)証明書・大学(修士)成績証明書・学位取得証明書・在学証明書(日本国籍の海外出願者のみ)については、合格後に証明書原本を郵送する必要がある。出身大学(院)からの直接アップロードを選んだ場合は原本の郵送が不要になる仕組みもあるため、証明書類をどちらの方法で提出するかによって、合格後の手続きの手間が変わってくる点も出願準備の段階で考慮しておきたい。証明書は出願締切日を含めて原則3ヶ月以内に発行されたものが必要で、発行日の記載がない証明書は受け付けてもらえない。卒業(修了)見込証明書は、卒業(修了)見込みの年月日が明記されているものを準備する必要がある。和文・英文以外で作成された証明書は、和訳または英訳したうえで、翻訳内容が原本と相違ないことについて出身大学(院)や大使館等の公的機関の証明を受ける必要がある。
出願スケジュールと入学検定料
Ⅰ期・Ⅱ期の年間スケジュール
2026年度実施のⅠ期・Ⅱ期のスケジュールは次の通りである。
| 項目 | Ⅰ期 | Ⅱ期 |
|---|---|---|
| Web入力・出願期間 | 4月7日10:00〜5月12日15:00 | 9月11日10:00〜10月7日15:00 |
| 出願書類の提出 | 郵送(5月7日〜5月13日、国内消印有効) | TAO上でオンライン提出 |
| 1次選考合格発表 | 6月25日15:00〜7月13日16:59 | 11月12日15:00〜11月28日16:59 |
| 面接 | 7月11日 | 11月28日 |
| 合格発表 | 7月13日11:00〜9月1日16:59 | 11月30日11:00〜 |
入学手続の締切日は、2026年9月入学者が9月1日、2027年4月入学者が3月1日、2027年9月入学者が9月1日となっている。入学手続の案内は締切の約1ヶ月前にメールで通知されるため、Web入力時に登録したメールアドレスは合格発表後も継続して確認できる状態にしておく必要がある。
入学手続に必要な3つの手続き
入学手続は、①入学に必要な費用の振込み、②在留資格情報の入力(該当者のみ)、③入学手続システムでの必要事項の入力、④手続書類の郵送提出、という手続きをすべて完了することで成立する。指定の手続期間内にこれらを部分的にしか行っていない場合、もしくは全く行っていない場合は、いかなる事情があったとしても入学意思を放棄したものとみなされ、入学資格を失うことになる。必要書類には、合格後の証明書原本のほか、卒業(修了)見込みで受験した者向けの卒業(修了)証明書・成績証明書、外国籍の方の在留カードのコピー、社会人コース出願者の在職証明書などが含まれる。在留資格情報の入力は該当者のみ必要な手続きで、外国籍の入学予定者が対象になる。入学手続書類の送付にはWeb入力時に登録したメールアドレスが使われるため、変更があった場合は受験番号とあわせてアドミッションズ・オフィスへ速やかに連絡する必要がある。
入学検定料
2026年度実施Ⅱ期の入学検定料は、修士課程の国内出願・社会人出願が35,000円、海外出願が15,000円である。後期博士課程は国内出願・社会人コースが35,000円、海外出願・社会人コース海外出願は15,000円と、国内出願系より低く設定されている。納入した検定料は、出願を完了しなかった場合や二重納入の場合を除いて返還されない。返還の対象になる場合は、Ⅱ期であれば出願受理状況確認可能期間の開始日(2026年10月16日)までにアドミッションズ・オフィスへ連絡する必要があり、申請が受理されると指定口座への振込みで返金される。原則として返金振込先は日本国内の口座に限られ、国内に口座がない場合は海外口座への振込みも可能だが送金手数料は自己負担になる。
受験の一般注意事項
入力された項目や提出書類の記載事項が事実と異なる場合や、その他不正がある場合、合格決定後でも出願資格に欠けていることが判明した場合は、受験資格・入学資格が取り消される。選考過程における不正行為が認められた場合は、当該研究科の入学試験だけでなく当該年度の本大学すべての入学試験の結果が無効になるという厳しい規定もある。また、試験当日に学校保健安全法上の出席停止対象となる感染症に罹患し治癒していない場合は受験を控えるよう案内されており、その場合でも原則として追試験や検定料の返還は行われない。
出願後の変更に関する注意
Web入力の際に選択した希望の入学時期・出願方式は、出願後に変更することができない。出願後に住所変更が生じた場合は「政策・メディア研究科入試住所変更届」と明記のうえ、氏名・生年月日・出願課程・変更後の住所等をメールでアドミッションズ・オフィスへ連絡する必要がある。連絡とあわせて郵便局で旧住所宛の郵便物の転送手続きも行うことが案内されており、合格通知等の重要な連絡を確実に受け取るための実務的な配慮が求められる。特に海外在住の志願者は、住所変更だけでなく通信環境の変化にも注意し、TAOやメールでの連絡を定期的に確認できる体制を整えておくとよい。不測の事態により所定の日程通りに入学試験や合格発表等を実施することが困難だと研究科が判断した場合は、延期等の対応措置がとられることもある。こうした変更情報は政策・メディア研究科のニュースページで周知されるため、出願後も定期的に確認しておくと安心だ。
倍率・難易度をどう読むか|入試方式別の入試結果
2025年度実施(修士課程)の入試結果
政策・メディア研究科の入試結果は、公式サイトで出願方式別・期別に公表されている。
| 入試区分 | 出願者 | 1次合格者 | 最終合格者 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ期・国内出願 | 45名 | 41名 | 32名 |
| Ⅰ期・海外出願 | 15名 | – | 14名 |
| Ⅰ期・社会人出願 | 8名 | 8名 | 8名 |
| Ⅱ期・国内出願 | 70名 | 60名 | 47名 |
| Ⅱ期・海外出願 | 17名 | – | 14名 |
| Ⅱ期・社会人出願 | 10名 | 9名 | 8名 |
| 内部推薦(春学期) | 48名 | – | 46名 |
Ⅰ期・Ⅱ期とも国内出願の最終合格率はおおむね70%前後で推移しており、1次選考(書類審査)よりも2次選考(面接)での絞り込みが比較的大きいことが読み取れる。海外出願・社会人出願は出願者数自体が国内出願より少なく、最終合格率も国内出願とは異なる水準になっている。海外出願は1次選考(書類審査+研究科委員との討議)を経て最終合格が決まる方式のため、表中の1次合格者数は「-」表記になっており、国内出願のような2段階の内訳を単純比較することはできない。
2024年度実施との比較・後期博士課程
2024年度実施分では、Ⅰ期国内出願が出願65名・1次59名・最終49名、Ⅱ期国内出願が出願70名・1次67名・最終51名と、2025年度実施分と近い水準で推移している。海外出願も2024年度実施Ⅰ期が出願21名・最終合格18名、Ⅱ期が出願20名・最終合格19名と、2025年度実施分と同程度の規模で安定している。後期博士課程は、2025年度実施Ⅰ期が国内出願13名・合格11名、Ⅱ期が国内出願11名・合格11名など、修士課程に比べて出願者数自体が少なく、年度による振れ幅も大きい。2024年度実施分でも、Ⅰ期国内出願14名・合格14名、Ⅱ期国内出願21名・合格20名と、年度・期によって出願者数の増減が見られる。研究指導引受書の取得(教員の内諾)が出願の前提になっているため、後期博士課程は出願段階で一定の絞り込みが行われた志願者が中心になっている可能性がある点も踏まえておきたい。内部推薦入試(春学期)も出願48名に対し合格46名、2024年度実施分は出願41名に対し合格39名と高い合格率で推移しており、総合政策学部・環境情報学部の在学生にとっては有力な選択肢の一つになっている。ただし内部推薦入試は在学生向けの制度であり、対象要件(成績基準等)を満たさない場合はそもそも出願自体ができないため、高い合格率だけを見て安易に難易度を判断しないよう注意したい。
学費
2026年度に必要な費用(2027年度分は未定)は、4月入学の修士課程で在籍基本料70,000円・授業料1,570,000円・慶應SFC学会費8,000円・学生健康保険互助組合費2,600円の合計1,650,600円である。9月入学の修士課程は半期相当の825,350円、後期博士課程は4月入学820,600円・9月入学410,350円となっている。政策・メディア研究科独自の奨学金として、修士課程入学予定者向けの「GAOスカラシップ」(2025年度実績で授業料・在籍基本料相当額159万円を給付)や「研究のすゝめ奨学金」(年額30万円)もあり、出願資料にもとづく書類選考で入試合格発表後に受給者が決まる。これらとは別に、経済的理由により修学が困難な学生向けの給付奨学金や、成績優秀者向けの奨学金など、湘南藤沢キャンパス全体で利用できる制度も用意されている。GAOスカラシップは在学中の成績等の審査により最長で修士課程修了までの2年間受給できる制度で、出願段階から選考対象になるため、追加の応募手続きは不要とされている。学費は在籍基本料・授業料ともにスライド制が適用され、在学中は毎年定められた額を納入する仕組みになっている点も、長期的な費用計画を立てるうえで把握しておきたい。
1次選考(書類審査)で見られる観点
1次選考の書類審査では、研究計画書・志望理由書・志願者調書・研究指導引受書・評価調書といった提出書類全体から、学力水準・研究意欲・研究能力が総合的に判断される。単独の書類の完成度だけでなく、書類同士の内容に矛盾がないかという一貫性も審査の対象になりやすい。特に研究計画書に書いたテーマと、研究指導引受書を依頼した教員の専門分野が大きくずれていると、書類全体の説得力が下がってしまう。出願前の教員コンタクトの段階で、研究テーマと指導教員の専門性がかみ合っているかを確認しておくことが、1次選考突破の実質的な対策になる。
面接(2次選考)対策の考え方
国内出願・社会人出願の2次選考(面接)は湘南藤沢キャンパスで実施される。合否は「提出された資料から学力水準、研究意欲、研究能力等を総合的に判断」して決定されると要項に明記されており、研究計画書に書いた内容の深掘りに加え、なぜSFC・なぜそのプログラム・なぜその教員でなければならないのかという一貫性が問われやすい。志望理由書に書いた高校卒業以降の活動報告や入学後の目標についても、研究計画との整合性を意識して語れるようにしておくとよい。出願前の教員コンタクトの段階で交わしたやり取りは、面接での質疑応答の土台にもなるため、Step1〜Step3の討議内容を自分の中で整理し直しておくことが実質的な面接対策になる。海外出願は面接が行われない代わりに、研究科委員との討議内容そのものが審査の重要な要素になる。
他の慶應義塾大学大学院研究科との併願
政策・メディア研究科は湘南藤沢キャンパスで完結する研究科だが、三田キャンパスや矢上キャンパスで実施される他の研究科と併願することも可能だ。慶應義塾大学大学院全体の実施研究科や出願資格の概要は慶應義塾大学大学院入試を徹底解説で整理しているので、併願候補を広げたい場合の参考にしてほしい。ただし、SFCの出願には研究指導引受書の取得という時間のかかるプロセスが必須であるため、他研究科と併願する場合は、教員コンタクトの開始時期を特に早めに設定しておく必要がある。他大学の政策系・国際関係系・情報系大学院と併願する場合も、研究テーマの一貫性を保ちながら出願要件を個別確認することが遠回りを避けるコツだ。
よくある質問(FAQ)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科(SFC)の「Ⅰ期」「Ⅱ期」とは何ですか
季節ブランドではなく、年2回実施される入学試験の回次を示す名称である。Ⅰ期は主に5月出願・9月または翌4月入学、Ⅱ期は主に9〜10月出願・翌4月または翌9月入学の入試区分で、修士課程・後期博士課程の両方で実施される。2027年4月・9月入学対象のⅡ期からは出願システムが全面オンライン化されており、Ⅰ期とは出願の実務手順が異なる点にも注意したい。
一般入試と内部推薦入試はどう違いますか
一般入試(国内出願・海外出願・社会人出願)は出願資格を満たせば誰でも出願できる区分で、内部推薦入試は総合政策学部・環境情報学部の在学生向けの推薦制度である。内部推薦入試は専用の入学試験要項が別途公開されており、内部推薦入試(春学期)とⅠ期、内部推薦入試(秋学期)とⅡ期はそれぞれ併願できない。
SFC大学院の出願には教員へのコンタクトが必須ですか
必須である。出願前に希望するプログラムの研究科委員と研究計画について討議し、研究指導の内諾を得たうえで「研究指導引受書」を作成してもらう必要があり、この書類がなければ出願そのものができない。連絡先が分からない場合は教員コンタクトフォームを使えるが、具体的な研究計画のない問い合わせには対応してもらえないため、早めに準備を始める必要がある。
研究計画書はどのような書式で書けばよいですか
A4版任意の用紙5枚以内(表紙不要)にまとめ、書式・字数は任意とされている。公式サイトに参考書式が案内されているが、必ずしもその書式通りに作成する必要はないと明記されている。これまでの学習実績と研究テーマ・目的・方法・意義、期待される成果などを具体的に説明することが求められる。
社会人出願と後期博士課程社会人コースの違いは何ですか
修士課程の社会人出願は、出願時点で大学卒業後2年以上経過していることを条件とする区分で、在職継続を前提とするものではない。これに対し後期博士課程の社会人コースは、企業・官庁・研究教育機関等で5年以上の実務経験を持つ社会人が在職したまま博士号取得を目指すコースで、性質がまったく異なる。社会人コースは「新規授業科目企画書」「技法科目」「教育体験」の免除という優遇もある。
海外出願と国内出願はどう違いますか
海外出願は国内出願と同じ出願資格に加えて、出願開始日から合格発表まで継続して日本国外に居住し在学・在職していること、研究科委員と研究計画を十分討議し研究指導の内諾を得ていることが条件になる。選考も書類審査と研究科委員との討議のみで、面接は行われない。
SFCの大学院入試に面接はありますか
修士課程の国内出願・社会人出願、後期博士課程の国内出願・社会人コースには面接がある(いずれも湘南藤沢キャンパスで実施)。一方、海外出願は書類審査と研究科委員との討議のみで、面接は行われない。
政策・メディア研究科の倍率はどれくらいですか
2025年度実施分では、修士課程Ⅰ期国内出願が出願45名に対し最終合格32名、Ⅱ期国内出願が出願70名に対し最終合格47名で、最終合格率はおおむね70%前後である。ただし1次選考(書類審査)より2次選考(面接)での絞り込みが比較的大きく、出願方式や年度によっても変動がある。
まとめ|慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科(SFC)の入試対策
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科(SFC)の入試は、Ⅰ期・Ⅱ期という2つの入試時期と、国内出願・海外出願・社会人出願・内部推薦入試という複数の出願方式から成り立っており、出願前の教員コンタクトと研究指導引受書の取得が他の研究科にはない大きな特徴になっている。8つのプログラムという学際的な研究領域の枠組みを持つSFCならではの入試制度を正しく理解し、自分の研究テーマに合った教員へのアプローチを早期から始めることが、遠回りのない対策につながる。出願書類の随所で一貫したストーリーを示せるかどうかが、他の研究科以上に重視されるといえるだろう。要点を整理すると次のとおりだ。
- Ⅰ期は主に5月出願・9月または翌4月入学、Ⅱ期は主に9〜10月出願・翌4月または翌9月入学
- 2027年4月・9月入学対象のⅡ期からオンライン出願システム(TAO)に全面移行、Ⅰ期は従来通り郵送を伴う方式
- 出願前に希望する研究科委員と研究計画を討議し、研究指導引受書の作成を依頼することが出願の条件
- 研究計画書はA4版5枚以内で書式・字数は任意。志望理由書は修士課程のみ必須
- 後期博士課程(国内・社会人コース)は研究計画書に加えて新規授業科目企画書の提出が必須
- 2025年度実施分の国内出願最終合格率はおおむね70%前後だが、出願方式・年度による変動もある
- 海外出願は面接なし(書類審査+研究科委員との討議)、国内出願・社会人出願は書類審査後に面接あり
- 入学検定料は国内出願・社会人出願が35,000円、海外出願が15,000円(後期博士課程も同水準)
- 政策・メディア研究科独自の奨学金(GAOスカラシップ・研究のすゝめ奨学金)があり、出願資料にもとづく書類選考で受給者が決まる
- 入試や面接はすべて湘南藤沢キャンパスで実施され、他キャンパスの研究科と併願する場合はアクセスも考慮したスケジュール管理が必要
出願資格や試験科目、出願システムは年度ごとに変更される可能性があるため、実際の出願にあたっては必ず最新の募集要項でご確認いただきたい。本記事で紹介した出願資格・スケジュール・倍率データは2026年度実施(2027年4月・9月入学対象)の情報にもとづくものであり、出願する年度の要項を必ず政策・メディア研究科の公式ページで確認したうえで手続きを進めてほしい。また、慶應義塾大学院SFCの入試対策を独学だけで進めることに不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法である。研究計画書の設計や志望する教員へのコンタクトの取り方、面接の想定質問への準備まで、SFC特有のプロセスを踏まえた個別サポートを受けられる体制を検討してみてほしい。教員コンタクトのメールを送る際のマナーは研究室訪問のメール例文集も参考になる。教員コンタクトから研究指導引受書の取得、研究計画書の完成までには相応の時間がかかるため、出願期間から逆算して半年から1年程度の準備期間を見込んでおくことをおすすめする。Ⅰ期・Ⅱ期のどちらを選ぶにせよ、まずは志望するプログラムと研究科委員を絞り込むところから始めるのが、遠回りのない対策の第一歩になるだろう。焦って教員コンタクトを始める前に、要項全体を一度通読し、自分の出願方式に必要な手続きの全体像をつかんでおくことをおすすめする。
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