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山口大学大学院教育学研究科の入試対策|出願資格・研究計画書・面接まで【2027年度】

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山口大学大学院教育学研究科の2027年度入試に合格するための対策は、まず同研究科が現在どの課程を募集しているかを正確に把握することから始まります。山口大学大学院教育学研究科は、専門職学位課程(教職大学院)である教職実践高度化専攻のみを募集しており、学校経営コース・教育実践開発コース・特別支援教育コースの3コースに分かれています。研究者養成を目的とした修士課程は令和7年度から学生募集を停止しているため、志望動機や出願書類の作り方も教職大学院という枠組みを前提に組み立てる必要があります。

教職大学院とは、理論と実践を往還しながら学校現場の課題を解決できる高度専門職業人を養成する専門職学位課程で、修了すると教職修士(専門職)の学位が授与されます。山口大学の教職実践高度化専攻も同様の枠組みで、学校経営専門職や教育行政専門職を目指す学校経営コース、卓越した実践的指導力を養う教育実践開発コース、特別支援教育の専門性を高める特別支援教育コースという性格の異なる3コースを設置しています。どのコースを選ぶかによって出願資格や実践研究計画書の書き方が変わるため、最初のコース選びが対策全体の土台になります。

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この記事では、令和9年度(2027年度)の公式学生募集要項に基づき、教職実践高度化専攻の出願資格、募集人員、Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期の日程、出願書類を整理します。そのうえで、実践研究計画書の作り方、小論文と過去問の使い方、口述試験で聞かれやすい質問まで、実際の対策手順に沿って解説します。公式要項に書かれている事実と、合格に向けた実践的な対策提案は明確に区別して読み進めてください。日程や配点、出願資格は公式要項で確認できる事実ですが、答案の書き方や質問への準備は合格に向けた提案です。

教職大学院の入試は、知識の暗記量よりも、自分が学校現場で直面してきた課題を先行研究や制度的な背景と結びつけ、実践研究計画書・小論文・口述試験の三つで一貫して説明できるかが問われます。現職教員か学生か、どのコースを志望するかによって準備の重点は変わりますが、順序を守って対策すれば土台から立て直すことができます。まずは自分の出願資格とコース選びを確定させるところから始めましょう。

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目次

山口大学大学院教育学研究科の2027年度入試の全体像

教育学研究科は現在、教職大学院(教職実践高度化専攻)のみを募集

山口大学大学院教育学研究科は、以前は研究者養成を目的とする修士課程と、学校現場の高度専門職業人を養成する教職大学院(専門職学位課程)を並行して設置していました。しかし、修士課程に置かれていた学校臨床心理学専攻は令和7年4月をもって学生募集を停止しており、山口大学教育学部・教育学研究科の入試情報ページにも「学校臨床心理学専修としての学生募集はしていません」と明記されています。したがって、2027年度(令和9年度)に山口大学大学院教育学研究科への進学を目指す場合、出願できる課程は専門職学位課程(教職大学院)の教職実践高度化専攻のみです。研究科名だけを見て研究者養成の修士課程があると誤解しないことが、対策の出発点になります。

教職実践高度化専攻は、学校経営コース・教育実践開発コース・特別支援教育コースの1専攻3コースで構成され、いずれも令和9年3月31日までに大学を卒業した者(または卒業見込みの者)などを対象とする専門職学位課程です。学部から直接進学する学生だけでなく、現職の教員や社会人が、学校現場の実践的な課題を研究テーマに据えて出願するケースが多いのが特徴です。教職大学院全般に共通する出願資格や面接対策の基本は教職大学院入試対策完全ガイド|出願資格から面接まででも解説しているので、あわせて確認してください。

研究者養成志望者への代替ルートの案内

「教育学を研究テーマとして深めたい」「公認心理師を目指したい」という研究者養成志向の場合は、山口大学大学院教育学研究科ではなく、隣接する研究科を検討する必要があります。学校臨床心理学専攻の後継にあたる公認心理師対応のカリキュラムは、令和7年4月に開設された人間社会科学研究科臨床心理学専攻で開講されています。また、教育学に関する研究テーマは、人間社会科学研究科の共創科学専攻などでも扱われている分野があります。

志望する研究テーマが実践的な学校課題の解決なのか、学術的な研究なのかによって、出願先の研究科そのものが変わる点に注意してください。どちらの研究科に所属する教員がどのような研究分野を担当しているかは年度によって変わるため、出願前に必ず各研究科の最新の募集要項と教員一覧を確認しましょう。

教職大学院と研究系大学院では、出願書類・選抜方法・修了後に取得できる学位の性格が大きく異なります。教職大学院は現場経験や実践力を重視した選抜が中心である一方、研究系の大学院では研究計画の学術的な妥当性や指導を受けたい教員との相性がより重視される傾向があります。自分の志望動機が学校現場の課題解決なのか、学術的な問いの探究なのかを早い段階で言語化しておくと、出願先を誤って選び直すタイムロスを防げます。

出願前に最新の募集要項を必ず確認する理由

山口大学大学院教育学研究科という名称そのものは変わらなくても、実際に募集している課程・専攻・コースは年度によって変わり得ます。今回確認したように、修士課程の募集停止は令和7年4月という比較的最近の変更であり、数年前の情報がそのまま検索結果や周囲の口コミとして残っている可能性があります。志望校を調べる際は、個人ブログや古い年度の記事だけを参考にせず、必ずその年度の「学生募集要項」PDFを大学公式サイトから直接ダウンロードして確認してください。募集要項は研究科・専攻・コースごとに毎年更新され、出願資格や日程、募集人員が変更されることも珍しくありません。出願を検討し始めた時点で一度、最新版を必ず自分の目で確認する習慣が、無駄のない対策につながります。

教職実践高度化専攻の3コースと選び方

学校経営コース・教育実践開発コース・特別支援教育コースの違い

教職実践高度化専攻の3コースは、養成する人材像がそれぞれ異なります。学校経営コースは、学校経営専門職や教育行政専門職を担う人材の養成を目的とし、募集人員のほとんどを現職教員が占めるコースです。教育実践開発コースは、卓越した実践的指導力を持ち、協働的な教育実践や研修活動を牽引できる人材を養成する課程で、学部からの進学者と現職教員の双方が対象です。特別支援教育コースは、特別支援教育に関する高度な専門性を備え、地域や学校をリードできる人材の養成に特化しています。3コースとも学校や地域の課題にリーダーとして取り組む人材という共通の目標を掲げていますが、養成する専門性の方向性が異なるため、自分がどの立場で学校現場に関わりたいかを軸に選ぶ必要があります。

コース主な養成対象出願できる人Ⅰ期入試
学校経営コース学校経営専門職・教育行政専門職現職教員のみ実施なし(Ⅱ・Ⅲ期のみ)
教育実践開発コース実践的指導力・研修活動の牽引力学部生・現職教員等実施あり
特別支援教育コース特別支援教育の専門性・地域連携力学部生・現職教員等実施あり

3コースの違いは、履修する科目群にも表れています。全コース共通の科目群には、カリキュラム開発の理論と実践、特別支援教育の基礎と動向、学校危機管理・リスクマネジメントの理論と実践などが含まれ、共通科目・教職必修選択科目・学校実習総合科目をあわせて16単位が必修です。これに加えて、学校経営コースは学級経営の理論と実践や学校組織マネジメント探求などの「学校経営力向上科目群」から12単位以上、特別支援教育コースは特別支援教育における教育実践の方法などの「特別支援教育科目群」から12単位以上を修得します。入学後にどの科目群を重点的に学ぶかは実践研究計画書のテーマ選びにも直結するため、出願前に開設授業科目の一覧に目を通しておくと安心です。

自分に合うコースを選ぶ判断基準

コース選びで迷ったときは、次の3つの問いを順番に確認してください。第一に、自分は現職教員か、それともこれから教員を目指す学生・社会人かという立場です。学校経営コースは現職教員以外は出願できません。第二に、取り組みたい課題が学校組織のマネジメントなのか、授業や生徒指導の実践力なのか、特別支援教育の専門性なのかという研究テーマの方向性です。第三に、Ⅰ期入試を受けたいかどうかという受験スケジュール上の制約です。学校経営コースはⅡ期・Ⅲ期のみの実施のため、早期の合格を希望する現職教員以外の志望者は、教育実践開発コースか特別支援教育コースを軸に検討することになります。

それでも判断がつかない場合は、志望理由を一度、学校現場で「誰の・何を・どう変えたいか」という一文に落とし込んでみると整理しやすくなります。対象が学校組織や制度であれば学校経営コース、対象が授業や学級づくりであれば教育実践開発コース、対象が特別な配慮を要する子ども一人ひとりであれば特別支援教育コースというように、主語を具体的な対象に置き換えることで、複数コースにまたがって迷っていたテーマの軸が見えやすくなります。

出願後にコースを変更することはできるか

山口大学の募集要項には、出願書類提出後の入学志願票等の記載事項変更は一切認められないと明記されています。つまり、いったん出願してしまうと、コースや期を後から変更することはできません。志望するコースを決めきれないまま出願期限が迫っている場合は、無理に出願を急ぐのではなく、次の期に出願先を確定させてから臨むほうが安全です。特に学校経営コースと他の2コースでは出願資格そのものが異なるため、コース選びの迷いは出願書類の準備に取りかかる前、できれば実践研究計画書を書き始める前の段階で解消しておきましょう。

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出願資格と個別入学資格審査|自分が受験できるか確認

全コース共通の基本的な出願資格

教職実践高度化専攻に出願するための基本的な資格は、大学を卒業した者、または令和9年3月31日までに卒業見込みの者です。これに加えて、教育職員免許法第4条第2項に定める普通免許状(一種)を有する者、または令和9年3月31日までに取得見込みの者であることが必須条件になります。学校教育法第104条第7項による学位授与機構からの学士学位取得者や、外国の大学で16年の課程を修了した者など、大学卒業に相当する複数の資格区分も認められています。大学卒業(見込み)と教員免許状(一種)の取得(見込み)を同時に満たすことが、全コース共通の出発点です。

学校経営コース・特別推薦の追加要件

学校経営コースに出願するには、上記の基本要件に加えて、入学時点で通算6年以上の教職経験を有していることが必要です。この教職経験には、非常勤講師、任期付常勤教員、休職期間は含まれません。学校経営コースには現職教員のみが志願できるという制約と合わせて理解しておく必要があります。

教育実践開発コースには特別推薦の枠があり、対象者は教員を強く志望し、山口県が主導する教員養成等検討協議会を構成する参加大学(大学院を含む)の長から適性を認められて責任を持って推薦された者に限られます。特別推薦を希望する場合は、在籍する大学の教職課程担当窓口に早めに問い合わせておきましょう。なお、いずれの区分でも合格した場合に入学を確約できることが出願資格の一つに含まれている点も見落とせません。専願を前提とする制度のため、他大学院との併願を検討している場合は合格発表・入学手続の時期が重ならないかあらかじめ確認しておくと、出願後に慌てずに済みます。

出願資格審査が必要なケースと申請期間

出願資格のうち、他大学院への入学者や個別の入学資格審査による認定が必要な者は、出願前に別途の審査手続きを行う必要があります。審査申請期間はⅠ期が6月1日から6月3日、Ⅱ期が7月15日から7月17日、Ⅲ期が11月11日から11月13日で、出願期間よりも早く設定されている点に注意してください。個別審査の対象になる可能性がある人は、出願期間の1〜2か月前に必ず確認し、審査申請の期日に間に合うよう準備してください。

出願資格審査の申請書類と提出先

個別の入学資格審査を申請する場合、①入学試験出願資格認定申請書、②出願理由書、③最終学校の卒業証明書または在学(在籍)証明書、④最終学校の成績証明書といった所定の書類を、山口大学教育学部学務係(〒753-8513 山口市吉田1677-1)へ提出します。教育職員免許状(二種)を保有している場合や保育士としての実務経験がある場合は、それぞれ授与証明書・在職期間を証明する書類の提出も求められます。審査結果は本人宛に文書で通知されるため、審査申請期間の直後は郵便物を見落とさないよう注意してください。審査に通らなければ出願そのものができないため、対象になりそうな場合は早めに教育学部学務係へ問い合わせておくと安心です。特に、最終学歴が海外の大学や専門学校である場合、必要書類の翻訳や取り寄せに時間がかかることが多いため、出願期間の2〜3か月前から書類収集を始めるくらいの余裕を持っておくと安心です。

個別の入学資格審査に該当するかどうか判断に迷う場合は、自己判断で出願準備を進めず、早い段階で山口大学教育学部学務係(Tel 083-933-5307)に電話で相談するのが確実です。審査申請期間はいずれの期も出願期間の1か月前後に設定されているため、卒業校が海外の大学である場合や、学校教育法第1条以外の教育機関を卒業している場合など、判断に時間がかかりそうなケースほど早めの相談を心がけましょう。

2027年度の日程・募集人員・出願書類

Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期の出願期間と選抜期日

令和9年度入試は、Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期の3回に分けて実施されます。出願期間はⅠ期が令和8年7月14日から7月21日、Ⅱ期が令和8年9月11日から9月18日、Ⅲ期が令和9年1月5日から1月12日です。合否について電話等での問い合わせには一切応じないため、合格発表は大学公式ホームページで自分で確認する必要があります。

期別出願期間選抜期日合格発表入学手続
Ⅰ期令和8年7月14日〜7月21日令和8年8月28日令和8年9月9日令和8年9月15日〜9月17日
Ⅱ期令和8年9月11日〜9月18日令和8年10月22日令和8年11月4日令和8年11月10日〜11月12日
Ⅲ期令和9年1月5日〜1月12日令和9年2月9日令和9年3月5日令和9年3月11日〜3月15日

募集人員28名の内訳と現職教員特別選抜

募集人員は3コース合計28名で、Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期の合格者数を合わせた人数です。この28名には、学校教育法第1条に定める学校及び専門学校に在職する常勤の現職教員等の人員若干名が含まれており、教育実践開発コースについては特別推薦対象者の若干名も含まれます。学校経営コースは前述の通り現職教員のみが対象のため、実質的に募集人員の枠組みも現職教員中心に設計されています。同じ28名という数字でも、コースによって競争する母集団が異なることを踏まえて出願計画を立てましょう。

公式サイトでは実質倍率(志願者数・合格者数)は公表されていないため、「募集人員28名=合格の確約」ではない前提で準備を進める必要があります。年度やコースによって志願者数は変動するため、最新の実施状況を確認したい場合は、出願前に教育学部学務係へ問い合わせるか、募集要項の改訂情報をこまめにチェックしておくと安心です。

出願書類チェックリスト

出願にあたって準備する主な書類は、次の通りです。

  • 入学志願票・写真票・受験票(本研究科所定の用紙、写真は出願前3か月以内撮影)
  • あて名票(本人の郵便番号・住所・氏名を記入)
  • 卒業(修了)証明書または卒業(修了)見込証明書(出身大学が作成したもの)
  • 成績証明書(出身大学作成、厳封)
  • 実践研究計画書(全員提出、研究題目及び研究動機等を記入)
  • 検定料30,000円(振込後の受付証明書を志願票裏面に貼付)
  • 教育職員免許状授与証明書または取得見込証明書
  • 在職期間証明書(学校経営コース出願者のみ)
  • 推薦書(教育実践開発コースの特別推薦対象者のみ)

検定料30,000円は、大学が指定する納付方法で事前に振り込み、振込後に発行される受付証明書を志願票裏面へ貼付して提出します。振込方法の詳細は年度ごとの募集要項に記載されるため、必ず最新版で確認してください。写真票・受験票に使う写真は出願前3か月以内に撮影した無帽・正面向きのものが求められるのが一般的で、証明写真機やスタジオで規定サイズを確認してから撮影すると出願直前の慌ただしさを避けられます。

これらの書類は出願書類提出後の記載内容変更が一切認められていないため、提出前に証明書の発行元・有効期限・記載事項を複数回確認することが重要です。特に成績証明書や卒業証明書は発行に数日から数週間かかる大学もあるため、出願期間の直前ではなく、1か月程度の余裕を持って請求しておきましょう。

出願書類の提出方法と検定料の返還

出願書類は本研究科所定の封筒に一括して入れ、山口大学教育学部学務係(〒753-8513 山口市吉田1677-1)へ提出します。郵送する場合は書留速達郵便で送付してください。検定料30,000円は、いったん納付すると原則として返還されませんが、検定料を納付したのに出願しなかった場合、誤って二重に納付・過大に納付した場合、出願書類は提出したものの受理されなかった場合の3つに限り返還を請求できます。検定料の返還には別途の請求手続きが必要なため、該当しそうな場合は速やかに大学の窓口へ連絡しましょう。

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実践研究計画書の作り方

「研究計画書」ではなく「実践研究計画書」である理由

山口大学教職実践高度化専攻の出願書類において、研究計画に相当する所定書式の名称は「実践研究計画書」です。一般的な研究系大学院で使われる「研究計画書」という言葉とは異なり、学術的な問い以上に学校現場の課題をどう解決するかという実践性が重視されます。本記事でも検索のわかりやすさから研究計画書という表現を使う場面がありますが、出願時には必ず大学が公開する所定様式「実践研究計画書」を使用し、最新の記入要領を確認してください。口述試験もこの実践研究計画書等の内容に基づいて行われるため、書類作成は面接対策そのものでもあります。実践研究計画書と同時に整理しておきたい志望理由の書き方は教職大学院の志望理由書の書き方も参考にしてください。

学校現場の課題を研究テーマへ落とし込む手順

実践研究計画書を作成する手順は、大きく4つに分けられます。第一に、自分がこれまでの教職経験や学校現場での関わりの中で感じてきた課題を、できるだけ具体的な場面まで書き出します。第二に、その課題が自分の勤務校や地域に固有のものなのか、それとも教育行政や制度上の背景から生じている一般的な課題なのかを整理します。第三に、山口大学教職実践高度化専攻のどのコース・どの授業科目で扱われている内容と関連するかを、開設授業科目の一覧と照らし合わせます。第四に、2年間の在学中に何を明らかにし、学校現場にどう還元するのかを、実践研究計画書の所定項目に沿って言語化します。課題を感じた具体的な場面から出発し、2年間の到達点まで一本の筋で説明できるように仕上げることが、小論文と口述試験の一貫性にもつながります。

コース別に押さえるべき視点

コースによって、実践研究計画書で重視される視点が異なります。学校経営コースでは、学校組織のマネジメントや教育行財政の課題に対して、管理職・専門職としてどう関わるかという視点が求められます。教育実践開発コースでは、授業改善やカリキュラム開発、教科カリキュラムの具体的な実践に踏み込んだ計画が評価されやすくなります。特別支援教育コースでは、特別なニーズを持つ子どもへの支援体制や、校内外の関係機関との連携をどう構築するかという視点が中心になります。志望するコースの開設授業科目の内容を先に確認してから実践研究計画書のテーマを絞り込むと、コースの特色とのずれを防げます

例えば、学校経営コースであれば「小規模校における教員間の業務分担の適正化」、教育実践開発コースであれば「ICTを活用した個別最適な学びの授業デザイン」、特別支援教育コースであれば「通常学級に在籍する特別な配慮を要する児童への合理的配慮の実践」といったように、自分の勤務校や実習先で実際に直面した場面をテーマの入り口にすると、実感のこもった実践研究計画書になります。抽象的な教育論から書き始めるのではなく、具体的な事例から一般化していく順序を意識しましょう。

小論文と過去問の対策方法

配点500点の小論文で問われる力

教職実践高度化専攻の学力検査は、小論文(筆記試験)と口述試験の2つで構成され、配点は小論文500点、口述試験300点の合計800点です。配点だけを見ると小論文の比重が6割強を占めるため、書類作成と並行して答案の練習時間を確保する必要があります。小論文では、学校現場の課題や教育政策のテーマについて、知識の再生ではなく、自分の実践経験や実践研究計画書の内容と結びつけながら論理的に説明する力が問われます。試験時間は9時から10時30分までの90分間で、同じ日の12時から口述試験が行われる時間割です。小論文全般の出題形式や答案の型は大学院入試の小論文対策完全ガイド|出題形式と書き方でも詳しく解説しています。

過去問(令和8年度実施分)の入手方法と使い方

過去問題は、令和8年度実施分がコース別・期別にPDFで公開されており、山口大学教育学部・教育学研究科の入試関連ページから直接ダウンロードできます。郵送請求が必要な年度もある一方、直近の過去問はウェブ上で入手できる点は活用しない手はありません。ただし、過去問の内容について大学へ質問や照会をしても回答は得られないため、出題意図の解釈や採点基準は自分自身の学校経験や参考文献から補う必要があります。志望コースだけでなく、他コースの過去問にも目を通しておくと、専攻全体で重視されているテーマの傾向をつかみやすくなります。過去問をダウンロードしたら、まずは制限時間を計らずに一度目を通し、出題テーマと配点の内訳を確認するところから始めましょう。令和8年度実施分より前の年度の過去問が必要な場合は、募集要項に記載された請求方法に従って教育学部学務係へ問い合わせてください。年度によって出題テーマの傾向が変わることもあるため、複数年度分をまとめて比較すると、頻出テーマと単発で出たテーマを見分けやすくなります。

答案作成の練習手順

小論文対策は、次の順序で進めると効率的です。

  • 過去問を年度・コース別に並べ、頻出テーマ(学校経営、授業改善、特別支援教育など)を分類する
  • 90分で構成メモを作る練習を先に行い、書き始める前に結論と根拠を決める習慣をつける
  • 実践研究計画書に書いた課題意識と重なるテーマが出た想定で、時間を計って1本書き上げる
  • 書いた答案を、実践研究計画書・想定される口述質問と照らし合わせ、主張のずれがないか確認する

小論文・実践研究計画書・口述試験の3つで矛盾のない主張を一貫させることが、800点満点の中で安定して得点する近道です。単発の模範解答を暗記するのではなく、自分の言葉で同じ結論に何度でもたどり着けるようにしておきましょう。

小論文対策で活用したい情報源

小論文は教育時事や学校現場の課題を素材にすることが多いため、教育関連の白書や答申、勤務校・実習先で実際に取り組んだ校内研修の記録などを日頃から読み込んでおくと引き出しが増えます。文部科学省が公表する審議会答申や教育委員会の施策資料は、学校経営・教育実践・特別支援教育のいずれのコースにも共通して参考になります。ニュースで話題になった教育制度の変更点を見たら、自分の実践研究計画書のテーマとどう関連するかを一言でメモしておく習慣も、小論文と口述試験の両方に効く準備になります。

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口述試験の対策と頻出質問

口述試験は実践研究計画書を基に行われる

教職実践高度化専攻の口述試験は、募集要項に「実践研究計画書等によって行う」と明記されている通り、事前に提出した実践研究計画書の内容が質問の起点になります。当日その場で初めて出会うテーマではなく、自分が書いた書類の内容を深掘りされる試験だと理解しておくと、対策の方向性が定まります。配点は300点で、小論文の500点と合わせて合計800点の総合評価です。口述試験は12時から実施され、複数の教員による質疑応答形式で行われるのが一般的です。

想定しておきたい質問例

口述試験で想定しておきたい質問には、次のようなものがあります。

  • 実践研究計画書に書いた課題を、なぜ山口大学の教職大学院で取り組みたいのか
  • これまでの教職経験・学校現場での経験の中で、その課題をどのように感じてきたか
  • 2年間の在学中に、どのような順序で研究・実践を進めていくつもりか
  • 修了後、学んだ内容を学校現場や地域にどう還元するつもりか
  • 志望コースの授業科目のうち、特にどの科目に関心があるか

これらはいずれも、実践研究計画書に書いた内容と矛盾なく答えられるかを確認する質問です。想定問答を丸暗記するのではなく、論理構成を自分の言葉で説明できるように準備しておくと、突っ込んだ質問にも対応しやすくなります。

口述試験の練習は、一人で想定問答を書き出すだけでなく、同僚や指導を受けている第三者に面接官役を依頼し、声に出して答える練習を複数回重ねることが効果的です。書いた文章を読み上げるのと、質問に即興で答えるのとでは求められる力が異なるため、実践研究計画書を見ながらではなく、内容を頭に入れた状態で説明できるかを確認しておきましょう。想定外の角度から質問された場合に備えて、結論から先に述べる話し方を普段から意識しておくと落ち着いて対応できます。

コース別の深掘りポイント

コースによって深掘りされやすいポイントも異なります。学校経営コースでは、学校組織マネジメントや教育行財政の制度的な知識を踏まえたうえで、管理職や教育行政専門職としての具体的なビジョンを問われる傾向があります。教育実践開発コースでは、授業実践やカリキュラム開発の経験について、成果だけでなく改善のプロセスを具体的に説明できるかが重視されます。特別支援教育コースでは、特別なニーズを持つ子どもへの対応事例や、保護者・関係機関との連携経験を交えて答えられるかが問われやすくなります。自分のコースで重視される評価の軸を先に把握してから模擬面接を重ねると、限られた準備期間を効率的に使えるようになります。

合格から逆算する学習スケジュールと費用・免許状

半年前からの標準スケジュール

教職実践高度化専攻の対策は、出願期間の半年前を目安に始めると余裕を持って進められます。

時期取り組むこと
出願の6〜5か月前出願資格・コースの確定、募集要項の熟読、出願資格審査の要否確認
4〜3か月前実践研究計画書の骨子作成、指導を仰ぎたい分野の授業科目確認
2か月前実践研究計画書の完成、卒業証明書・成績証明書等の請求
1か月前過去問を使った小論文の演習、想定問答の整理
出願期間〜選抜期日出願書類の最終確認・提出、口述試験の直前対策

実践研究計画書の完成を出願期間の1〜2か月前に前倒しすることで、小論文と口述試験の対策に十分な時間を残せます。

入学料・授業料と免除制度

入学料は282,000円(予定額)で、入学手続時に納付します。授業料は前期321,480円、後期321,480円で、年額642,960円(予定額)です。経済的な理由で納付が困難な場合は、入学料の免除・徴収猶予や授業料の免除制度を利用できる場合があります。入学料・授業料は今後改定される可能性があり、改定後は差額の追納が必要になる点にも注意してください。免除制度の詳細な申請条件は、合格時に郵送される「入学の手引」で確認できます。

入学料・授業料のほかにも、学生健康保険組合費5,000円(2年間・予定額)と学生教育研究災害傷害保険料2,430円(2年間・予定額、学研災付帯賠償責任保険を含む)が必要経費として発生します。金額自体は大きくありませんが、入学料・授業料とあわせて2年間の総費用の目安として事前に把握しておくと、入学手続きの際にまとめて準備でき当日慌てずに済みます。

修了要件と取得できる専修免許状

教職実践高度化専攻を修了するには、2年以上在学し、52単位以上を修得する必要があります。修了すると「教職修士(専門職)」の学位が授与されます。また、幼稚園・小学校・中学校・高等学校いずれかの教諭一種免許状(または養護・栄養教諭免許状)を保有している場合、在学中に所定の単位(24単位)を修得することで、対応する専修免許状を取得できます。基礎となる一種免許状を持っていることが専修免許状取得の前提条件である点は、出願前に確認しておきましょう。専修免許状は、教員としてのキャリアを積んだ後の管理職選考や指導主事選考などで評価の対象になる場合もあるため、修了後の免許状取得まで見据えてコースを選ぶという視点も持っておくとよいでしょう。

教育実習前の性犯罪歴確認に関する注意

令和6年6月に成立した「こども性暴力防止法」により、令和8年12月25日の施行以降は、教員免許状取得に必要な教育実習等の前に特定性犯罪の前科等の事実確認が行われる可能性があります。前科が確認された場合は実習に参加できず、実習等の単位が修了要件に含まれているため、修了そのものができなくなる点に注意が必要です。出願時点で該当する事情がある場合は、早い段階で大学の窓口に相談しておくことをおすすめします。

独学での対策に不安がある場合

実践研究計画書、小論文、口述試験を一貫した主張でまとめる作業は、学校現場で多忙な現職教員や、初めて大学院入試に挑む学部生・社会人にとって、一人で仕上げるにはハードルが高い場合があります。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。山口大学大学院教育学研究科をはじめとする大学院入試対策の専門指導を受ければ、教育学研究科の入試に詳しい第三者からの添削や模擬面接によって、自分では気づきにくい論理の飛躍や説明不足を早い段階で修正できます。

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よくある質問

山口大学大学院教育学研究科に研究者養成の修士課程はありますか?

2027年度(令和9年度)入試の時点では、研究者養成を目的とした修士課程「学校臨床心理学専攻」は令和7年4月から学生募集を停止しています。現在募集しているのは専門職学位課程(教職大学院)の教職実践高度化専攻のみです。公認心理師対応のカリキュラムなど、研究志向の学びを希望する場合は、人間社会科学研究科など他の研究科を検討する必要があります。

学校経営コースは誰でも受験できますか?

学校経営コースは現職教員のみが志願できるコースです。加えて、入学時点で通算6年以上の教職経験(非常勤講師・任期付常勤教員・休職期間を除く)が必要です。学部からの進学や、教職経験の浅い社会人は、教育実践開発コースまたは特別支援教育コースを検討することになります。

教員免許を持っていなくても出願できますか?

教職実践高度化専攻に出願するには、大学卒業(見込み)に加えて、教育職員免許法第4条第2項に定める普通免許状(一種)を有しているか、令和9年3月31日までに取得見込みであることが必要です。教員免許の取得見込みがない場合は出願資格を満たさない可能性が高いため、早めに出身大学の教職課程担当窓口に確認してください。

実践研究計画書は何文字くらいで書けばよいですか?

実践研究計画書の様式や記入量は、本研究科所定の用紙に定められています。文字数の目安は年度によって変わる可能性があるため、出願する年度の所定様式を必ず確認してください。文字数以上に重要なのは、学校現場での課題意識、研究テーマ、2年間の到達点が一本の論理でつながっていることです。記入分量に迷う場合は、一文一文を長くするよりも、課題・背景・取り組み方・到達点を段落ごとに区切って書くと、口述試験で聞かれたときにも該当箇所をすぐに説明しやすくなります。

過去問はどこで入手できますか?

令和8年度実施分の小論文・口述試験の過去問は、山口大学教育学部・教育学研究科の入試関連ページからコース別・期別にPDFでダウンロードできます。それ以前の年度の過去問が必要な場合は、募集要項に記載された請求方法に従って教育学部学務係へ郵送で請求してください。

口述試験では何を聞かれますか?

口述試験は、事前に提出した実践研究計画書の内容に基づいて行われます。研究テーマを選んだ理由、これまでの教職経験との関連、2年間の学びの計画、修了後の学校現場への還元方法などが、質問として想定されます。志望コースの授業科目と研究テーマの結びつきも、あわせて整理しておきましょう。

Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期のどれを受験するべきですか?

学校経営コースはⅡ期・Ⅲ期のみの実施で、Ⅰ期入試はありません。教育実践開発コースと特別支援教育コースはⅠ〜Ⅲ期すべてで実施されます。早期の合格を確定させたいか、準備期間を優先するかなど、自分の準備状況に合わせて出願時期を選択できます。

社会人が働きながら教職大学院に通えますか?

教職実践高度化専攻は現職教員を含む社会人の出願を前提とした制度設計になっており、学校経営コースは現職教員のみが対象です。ただし、2年以上の在学と52単位以上の修得という修了要件があるため、勤務先の理解や研修制度の活用など、両立に向けた準備を出願前から進めておくことが望まれます。

まとめ|教職大学院一本化を踏まえた山口大学大学院教育学研究科対策

山口大学大学院教育学研究科の2027年度入試対策で最初に押さえるべきは、同研究科が研究者養成の修士課程を令和7年度から募集停止し、現在は専門職学位課程(教職大学院)の教職実践高度化専攻のみを募集しているという事実です。この前提を誤ると、出願資格の確認や実践研究計画書の方向性そのものがずれてしまいます。3コースそれぞれで出願資格・試験実施期・重視される視点が異なるため、コース選びを最初に確定させてから逆算スケジュールを組むことが、遠回りをしない対策の鍵になります。

  • 教職実践高度化専攻は学校経営コース・教育実践開発コース・特別支援教育コースの1専攻3コース
  • 学校経営コースは現職教員のみ、かつ通算6年以上の教職経験が必要でⅡ期・Ⅲ期でのみ出願可能
  • 選抜は小論文500点+口述試験300点の合計800点で、実践研究計画書が両試験の起点になる
  • 令和9年度の出願期間はⅠ期7月14日〜21日、Ⅱ期9月11日〜18日、Ⅲ期1月5日〜12日
  • 過去問(令和8年度実施分)は公式サイトから直接ダウンロード可能
  • 修了要件は2年以上の在学・52単位以上の修得で、教職修士(専門職)の学位を取得できる

実践研究計画書、小論文、口述試験の3つを一貫した論理でつなげる準備には、一定の時間と、自分では気づきにくい視点からのフィードバックが役立ちます。独学での対策に不安がある場合は、専門の指導を活用するのも一つの方法です。正確な一次情報と実践的な準備を組み合わせて、2027年度の入試に備えてください。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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