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福岡大学大学院人文科学研究科の入試対策|出願資格・研究計画書・面接まで【2027年度】

福岡大学大学院人文科学研究科の入試対策で最初に押さえるべきは、7つの専攻ごとに出願資格・試験科目・提出書類が大きく異なるという事実です。福岡大学大学院人文科学研究科とは、史学・日本語日本文学・英語学英米文学・独語学独文学・仏語学仏文学・社会文化論・教育臨床心理という7専攻からなる文系総合大学院で、専攻ごとに修士課程・博士課程前期に加え、一部の専攻には博士課程後期も設置されています。専攻を横断して同じ対策をしても、当日の試験科目や提出書類が違えば準備が空回りしてしまいます。
この記事では、令和9年度(2027年度)入学試験要項に基づき専攻別の入学定員・出願資格・試験日程・試験科目・提出書類・過去問の入手方法・面接対策・学費までを一つの記事に整理しました。史学系・語学系・社会文化系・教育臨床心理系という性格の異なる専攻を横並びで比較できるようにしているため、志望専攻がまだ固まっていない段階から読み進めても、自分に必要な情報だけを拾いやすい構成にしています。専攻名だけを見比べても違いが分かりにくい大学院だからこそ、最初に全体像をつかんでおくことが遠回りに見えて実は近道になります。
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本記事執筆時点(2026年9月)では、令和9年度秋季入試はすでに出願期間(8月20日〜8月24日)を終え、試験(9月7日・9月8日)を控えている段階です。これから出願準備を始める場合、現実的な選択肢は令和9年1月25日〜1月28日に出願する春季入試になります。日程を勘違いしたまま準備を進めないよう、まず「入試スケジュール」の章から確認することをおすすめします。特に博士課程後期を志望する場合、秋季の実施自体がなく年1回の春季入試しかない点は見落としやすいので注意してください。
なお、本記事の数値・日程はすべて福岡大学大学院事務課が公開する令和9年度入学試験要項PDFに基づいています。専攻・年度によって定員・試験科目・提出書類の運用が変更される可能性があるため、出願前には必ず最新の募集要項で最終確認したうえで準備を進めてください。
福岡大学大学院人文科学研究科とは|7専攻の全体像と入学定員
7専攻の学問領域と学位区分
福岡大学大学院人文科学研究科は、大きく分けて「史学系」「語学・文学系」「社会文化系」「教育・心理系」の4領域、7専攻で構成されています。史学専攻は日本史・東洋史・西洋史・考古学の4分野を扱い、志望する専修部門ごとに専任教員が配置されています。日本語日本文学専攻・英語学英米文学専攻・独語学独文学専攻・仏語学仏文学専攻は、それぞれの言語圏の語学・文学研究を専門的に扱う専攻です。社会・文化論専攻は日本と諸外国の社会・文化の差異と共通性を比較する学際的な専攻で、修士課程のみで完結し博士課程後期を設置していないという点が他の専攻と大きく異なります。教育・臨床心理専攻はさらに「教育分野」「臨床心理分野」の2分野に分かれ、臨床心理分野は公認心理師資格の取得に対応したカリキュラムが組まれています。
学位区分は、史学専攻・日本語日本文学専攻・英語学英米文学専攻・独語学独文学専攻・仏語学仏文学専攻・教育臨床心理専攻の6専攻が「博士課程前期(標準修業年限2年)」からスタートし、希望者はそのまま「博士課程後期(標準修業年限3年)」へ進学できる仕組みです。一方、社会・文化論専攻だけは「修士課程」という独立した2年課程で、そのまま博士課程に接続する制度がありません。将来的に博士号の取得や研究者を志向するかどうかによって志望専攻の検討軸が変わってくるため、修士修了後の進路イメージを早い段階で持っておくとよいでしょう。
専攻別の入学定員(令和9年度)
入学定員は専攻・課程ごとに大きく異なります。教育・臨床心理専攻の博士課程前期は15名と最も多く、社会・文化論専攻の修士課程は4名と最も少なくなっています。博士課程後期はいずれの専攻も一桁人数の狭き門です。
| 専攻 | 博士課程前期・修士課程 | 博士課程後期 |
|---|---|---|
| 史学専攻 | 博士課程前期・8名 | 4名 |
| 日本語日本文学専攻 | 博士課程前期・6名 | 4名 |
| 英語学英米文学専攻 | 博士課程前期・6名 | 3名 |
| 独語学独文学専攻 | 博士課程前期・6名 | 2名 |
| 仏語学仏文学専攻 | 博士課程前期・6名 | 2名 |
| 社会・文化論専攻 | 修士課程・4名 | 設置なし |
| 教育・臨床心理専攻 | 博士課程前期・15名 | 6名(夜間) |
7専攻を合計すると、修士課程・博士課程前期の入学定員は51名、博士課程後期は21名です。人文科学系の大学院としては相応の受け入れ規模がある一方、専攻単位で見ると数名規模の専攻がほとんどであるため、志望専攻を早めに一つに絞り込み、その専攻の出題傾向・研究環境に的を絞った対策を進めることが結果につながりやすくなります。注記として、教育・臨床心理専攻の博士課程後期は大学院設置基準に基づき専ら夜間に授業を行う課程として設置されています。社会人として働きながら研究を継続したい人にとっては選択肢になり得ますが、通学スタイルが他専攻と異なるため、志望する場合は事前に授業時間帯を研究科サイトで確認しておきましょう。入学定員は「専攻で実施するすべての入学試験(一般・社会人)の合計人員」である点にも注意してください。専攻によって倍率が大きく変わる可能性があるため、志願者数や実質倍率は年度ごとに変動し募集要項には公表されていません。最新の応募状況は大学院事務課への問い合わせで確認するのが安全です。
人材養成の目的とアドミッション・ポリシー
人文科学研究科全体の人材養成の目的は、各専門分野の専門知識にとどまらず、確固たる理論と実証的な方法論を備え、今日の国際社会に貢献できる人材を育成することに置かれています。博士課程前期・修士課程は社会の要請に応える実力を発揮できる専門職業人の育成に重点があり、博士課程後期は広い視野を持ちながら各専門領域で独創的かつ社会的に有用な研究を実践できる人材の育成を目的としています。アドミッション・ポリシーでは、志望する専門分野に関する基礎的な専門知識や研究に必要な語学力を有しているかどうかが筆記試験で、志望分野において主体的に課題を発見し解決に取り組む姿勢・能力を有しているかどうかが面接・口頭試問で、それぞれ評価される旨が明記されています。卒業論文の提出が求められる専攻では、その内容も選考の材料になります。
専攻ごとに学べる研究テーマの傾向
史学専攻は日本史・東洋史・西洋史・考古学の4分野に分かれており、日本中世の社会経済史や近世の政治史・思想史、中国を中心とした東アジアの社会経済史、北アメリカや中近世ヨーロッパの都市史・環境史、北部九州を中心とした考古学的な地域間交流の研究など、時代・地域ともに幅広いテーマを扱う教員が在籍しています。日本語日本文学専攻は日本語学・日本文学(古典・近代)の3分野構成で、語学的な分析から文学作品の解釈まで研究の切り口が多様です。英語学英米文学専攻・独語学独文学専攻・仏語学仏文学専攻は、それぞれの言語圏の語学・文学・地域文化を専門的に掘り下げる専攻で、語学力の伸長と専門知識の深化を同時に求められます。
社会・文化論専攻は「社会システム論」「文化構造論」「思想文化論」の3本柱で構成され、地域社会論や数理社会学、文化人類学・地域研究、哲学・宗教学など学際的なテーマを扱います。教育・臨床心理専攻は教育学・臨床心理学それぞれの専門領域を深めつつ、教育分野は学校教育・生涯教育の実践研究、臨床心理分野は公認心理師資格に対応した実践的な心理支援の研究を進める構成です。志望テーマが担当教員の研究分野と合致しているかどうかは、出願前に必ずシラバスや研究科サイトで確認しておきましょう。
修了要件(修士課程・博士課程前期)
修士課程・博士課程前期の標準修業年限は2年で、修了には合計32単位以上の修得が必要です。専修科目の演習8単位・特講8単位・史料講読または方法論のいずれか4単位を合わせた20単位を必修科目として履修し、当該または他の専修部門の授業科目から12単位以上を選択科目として履修する構成になっています。指導教員が研究上特に必要と認めた場合は、他専攻・他研究科の授業科目を12単位を限度に選択科目として履修できる制度もあり、専攻を横断した学びを組み立てることも可能です。修士の学位論文は、出願時に選択した専修科目について提出することになります。
出願資格を専攻別に確認|一般入学試験と社会人入学試験の違い
修士課程・博士課程前期の出願資格
修士課程・博士課程前期の一般入学試験では、次のいずれかの条件に該当すれば出願できます。
- 学校教育法上の大学を卒業した者(令和9年3月までの卒業見込みを含む)
- 大学改革支援・学位授与機構から学士の学位を授与された者(見込みを含む)
- 外国において学校教育における16年の課程を修了した者(見込みを含む)
- 文部科学大臣が指定する専修学校の専門課程(修業年限4年以上)を修了した者
- 学校教育法上の飛び入学により大学院に入学し、本学が教育を受けるにふさわしい学力を認めた者
- 本学大学院が個別の入学資格審査により、大学卒業者と同等以上の学力があると認めた者
社会人入学試験は、これらの条件に加えて最終学校を卒業・修了・退学した後、入学時に社会人経験3年以上を有することが必須です。学校教育法上の大学卒業者を例にすると、一般入試では令和9年3月までの卒業見込みでも出願できますが、社会人入試では令和6年3月以前の卒業者に限定されるなど、同じ大学卒業という条件でも年次要件が異なります。志望する区分の条件を出願前に一つずつ照合しておくことが重要です。
博士課程後期の出願資格
博士課程後期は、修士の学位を有する者(取得見込みを含む)を中心に、学校教育法上の専門職大学院の課程を修了し文部科学大臣の定める学位を有する者を中心に、外国の大学院で修士相当の学位を取得した者、国際連合大学の課程を修了し修士相当の学位を授与された者なども対象になります。社会人入試の場合は、修士課程・博士課程前期と同様に入学時点で社会人経験3年以上が求められ、学位取得時期についても令和6年3月以前に限定されるなど、一般入試より前の年度に取得した学位が条件になる点に注意してください。
出願手続で共通して必要な書類
専攻ごとの志望理由書・研究計画書とは別に、出願時には全専攻共通の書類も揃える必要があります。志願票・副票・受験票(いずれも本学所定用紙)、最終出身大学等の成績証明書、卒業証明書または卒業見込証明書、入学検定料領収書(大学提出)、住所シートが基本セットです。大学改革支援・学位授与機構から学士の学位を授与された者として出願する場合は、学位証明書または学位取得見込証明書の追加提出も求められます。改姓がある場合は戸籍抄本等の添付、証明書はいずれも発行から1年以内のものという条件も共通で課されるため、証明書の発行日には特に注意してください。
個別の入学資格審査の年齢要件
大学を卒業していない、あるいは修士の学位を持っていない場合でも、福岡大学大学院が個別に入学資格審査を行い、卒業者・修了者と同等以上の学力があると認めれば出願できる制度があります。ただし年齢要件が課程・区分によって異なるため、下表で確認してください。
| 課程 | 一般入学試験 | 社会人入学試験 |
|---|---|---|
| 修士課程・博士課程前期 | 22歳に達する者 | 25歳に達する者 |
| 博士課程後期 | 24歳に達する者 | 27歳に達する者 |
個別審査に該当する場合は、出願前の所定期日までに審査に必要な書類を提出し、大学院事務課からの通知を待つ流れになります。博士課程後期の春季入試を個別審査の対象として志願する場合、書類提出期間は令和8年12月7日(月)〜12月9日(水)と、通常の出願期間よりかなり早い時期に設定されています。審査結果が出るまでは受験票が発行されないため、該当する可能性がある人は通常の出願よりも早めに行動する必要があります。個別の入学資格審査は、大学卒業や大学院修了という学歴要件を厳格に運用する日本の大学院入試の中で、社会人経験やキャリアチェンジを経て研究を志す人に用意された例外的なルートです。審査基準の詳細は公表されていないため、該当する可能性がある場合は早い段階で大学院事務課に相談しておくことが実質的な第一歩になります。
外国人留学生入学試験との違い(参考)
外国籍を有する人(定住者・永住者・特別永住者を除く)は「外国人留学生入学試験」の対象になり、一般入学試験・社会人入学試験の対象外です。願書締切日など出願手続の細部が一般・社会人入試とは異なるため、外国籍で受験を検討している場合は該当ページを個別に確認してください。本記事は一般入学試験・社会人入学試験を中心に解説しているため、外国人留学生入学試験の詳細な出願資格・試験科目については、募集要項の該当章で最新情報を確認することをおすすめします。
【2027年度】入試スケジュール|秋季・春季の出願期間と試験日
修士課程・博士課程前期は年2回、博士課程後期は年1回
福岡大学大学院人文科学研究科の入試は、修士課程・博士課程前期については秋季(1回)と春季(1回)の年2回実施されます。一方、博士課程後期は春季の1回のみで、修士課程・博士課程前期のような秋入試の機会はありません。博士課程後期への進学(内部進学を含む)を検討している場合は、出願機会が年1回しかないことを前提にスケジュールを組む必要があります。仮に春季入試で不合格になった場合、次の出願機会は翌年度の春季入試まで待つことになるため、一発勝負に近い意識で準備を進めることが求められます。
令和9年度の出願期間・試験日・合格発表(専攻別)
教育・臨床心理専攻は他の専攻と試験実施日が1日ずれる設計になっています。出願期間・試験日は課程共通で、専攻によって試験実施日のみが異なる点に注意してください。
| 区分 | 出願期間 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 秋季・教育臨床心理専攻(修士・博士前期) | 令和8年8/20〜8/24 | 令和8年9/7(月) | 令和8年9/28(月) |
| 秋季・上記以外の専攻(修士・博士前期) | 令和8年8/20〜8/24 | 令和8年9/8(火) | 令和8年9/28(月) |
| 春季・教育臨床心理専攻(修士・博士前期/博士後期) | 令和9年1/25〜1/28 | 令和9年2/14(日) | 令和9年3/8(月) |
| 春季・上記以外の専攻(修士・博士前期/博士後期) | 令和9年1/25〜1/28 | 令和9年2/15(月) | 令和9年3/8(月) |
秋季入試の出願期間はすでに終了しており、現実的に狙えるのは春季入試です。出願期間はわずか4日間(1月25日〜1月28日)しかなく、志望理由書や研究計画書は本学所定用紙を使う専攻もあるため、出願直前に慌てて準備を始めると間に合わない恐れがあります。願書受付は土日を除く午前10時〜午後4時(正午〜午後1時を除く)のみで、郵送の場合は書留郵便として受付最終日までの必着が条件です。合格発表は大学院事務課前への掲示に加え、福岡大学公式サイトの「大学院個別サイト」にも受験番号が掲載されますが、電話での合否問い合わせには一切応じない運用になっている点も覚えておきましょう。
志望専修科目は出願時に1つを選定する
志願票・副票・受験票の「志望専修科目」欄には、専攻内の専修科目(史学専攻であれば日本史・東洋史・西洋史・考古学など)から1科目を選定して記入し、志望する演習担当者(指導教員)も1名記入する必要があります。日本語日本文学専攻・社会文化論専攻は志望する演習担当者の演習科目名を、教育・臨床心理専攻は志望分野(教育分野または臨床心理分野)を記入する形式です。出願時に選んだ専修科目・分野に基づいて試験内容が決まるため、複数の専修科目を並行して迷っている場合は、出願書類を提出する前に対象を一本化しておく必要があります。
試験当日の会場・受験票・配慮申請
試験会場は福岡大学(福岡市城南区七隈)で、当日の試験会場は試験日当日の午前8時30分に中央図書館西側1階入口(大学院エントランス)に掲示されます。受験者は全員午前9時までに試験会場へ集合することが求められているため、初めて訪れるキャンパスであれば前泊も含めた余裕あるスケジュールを組んでおくと安心です。出願手続が完了した人には受験票が送付されますが、試験日の5日前までに届かない場合は大学院事務課への連絡が必要で、受験票は入学手続が完了するまで保管しておかなければなりません。身体等の障がいにより受験上・修学上の配慮を希望する場合や、職業を持ちながら長期にわたって学ぶ「長期履修制度」の利用を希望する場合は、要項巻末に記載された案内に沿って早めに相談しておきましょう。
試験科目を専攻別に徹底解説|外国語・専門科目・面接の中身
修士課程・博士課程前期の試験科目(専攻別)
試験構成は「外国語等」「専門科目」「面接」の3要素が基本ですが、専攻によって外国語試験の有無・選択言語・専門科目の出題形式が大きく異なります。特に注目したいのは、独語学独文学専攻の社会人入試だけ外国語試験の代わりに小論文が課されるという点です。他の専攻の社会人入試は外国語試験が免除されるケースが多いため、独語学独文学専攻を社会人区分で受験する場合は対策の優先順位を見誤らないようにしてください。
| 専攻 | 外国語等(一般) | 外国語等(社会人) | 専門科目 |
|---|---|---|---|
| 史学専攻 | 免除 | 免除 | 史料読解+専修分野の基礎知識 |
| 日本語日本文学専攻 | 英・独・仏・中国語・漢文から1科目 | 免除 | 出願時に選択した2受験科目 |
| 英語学英米文学専攻 | 英・独・仏から1科目 | 免除 | 7問中5〜6問選択 |
| 独語学独文学専攻 | 英・仏から1科目 | 小論文 | 6問中4問選択 |
| 仏語学仏文学専攻 | 英・独から1科目 | 免除 | 5問中4問解答 |
| 社会・文化論専攻 | 英語 | 英語 | 志望専修科目に関する筆記 |
専門科目に共通するのは志望専修部門・専修科目の基礎知識を問う出題であることです。史学専攻は志望する専修部門(日本史・東洋史・西洋史・考古学)に応じて解答する史料の言語も変わり、日本語・外国語・漢文のいずれかを選択解答する形式です。学部での専攻分野との整合性を早めに確認しておくと安心でしょう。外国語試験には辞書の持ち込みが許可されていますが、英語学英米文学専攻の英語を除く扱いとなっており、電子辞書は全専攻で使用不可という共通ルールもあります。日本語日本文学専攻は「専門科目受験科目」欄で受験科目を2つ選択して志願票に記入する必要がある点も、出願時のミスが起きやすいポイントです。専門科目対策では、学部の授業ノートやゼミで扱った文献を総復習するだけでなく、志望する専修科目のシラバスに載っている参考文献・キーワードを軸に知識を整理し直すと、出題範囲とのズレを防ぎやすくなります。選択解答形式の専攻(英語学英米文学専攻・独語学独文学専攻・仏語学仏文学専攻)は、どの設問を選ぶかの見極めも得点に直結するため、過去問演習を通じて自分の得意分野を把握しておくことが重要です。
教育・臨床心理専攻は2分野制で試験構成が異なる
教育・臨床心理専攻(修士課程・博士課程前期)は「教育分野」と「臨床心理分野」の2分野制です。一般入試は両分野共通で、9時15分から10時45分に外国語(英語)、11時5分から12時35分に専門科目(志望分野の筆記試験)、13時15分から面接という時間割で実施されます。社会人入試では扱いが分かれ、教育分野は外国語が免除される一方、臨床心理分野は外国語の代わりに小論文が課されます。専門科目・面接は両分野・両区分とも共通して実施されます。出願時に志望分野を確定させる必要があり、入学後に分野を変更することはできません。臨床心理分野を志望する場合は、公認心理師資格の受験資格に対応したカリキュラムであることも踏まえ、将来の資格取得プランと照らし合わせて分野を選ぶとよいでしょう。
試験当日のタイムスケジュール(史学・日本語日本文学・語学系・社会文化論専攻)
史学専攻・日本語日本文学専攻・英語学英米文学専攻・独語学独文学専攻・仏語学仏文学専攻・社会文化論専攻(修士課程・博士課程前期)は、同じ時間割の中で専攻ごとに異なる科目が実施される形式です。当日の流れを事前に把握しておくと、休憩時間の使い方や集中力の配分を考えやすくなります。
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 9:00 | 受験上の注意 |
| 9:15〜10:15 | 外国語等(専攻により免除・小論文の場合あり) |
| 10:35〜12:35 | 専門科目 |
| 14:00〜 | 面接 |
専門科目は2時間という長丁場で、史料読解や論述式の出題が多い専攻ほど時間配分の練習が合否を左右します。面接は午後からの実施となるため、午前の筆記試験で消耗しきらないよう、休憩時間の過ごし方も含めて当日のシミュレーションをしておくとよいでしょう。
博士課程後期の試験科目
博士課程後期は専攻によって試験構成が異なります。史学専攻・日本語日本文学専攻は専門科目と面接(修士論文の内容等についての口頭試問)が中心で、社会人入試では専門科目が小論文に置き換わる専攻もあります。英語学英米文学専攻は外国語(英語)+専門科目+面接という構成です。独語学独文学専攻・仏語学仏文学専攻は「外国語⑴」「外国語⑵」という2段階の言語試験を課すのが特徴で、独語学独文学専攻はドイツ語を必須としたうえで英語・フランス語から1科目を選択、仏語学仏文学専攻はフランス語を必須としたうえで英語・ドイツ語から1科目を選択する構成になっています。博士課程後期は修士段階よりも専門性を深く問う出題になるため、修士論文の到達点を踏まえた準備が欠かせません。
語学系専攻の博士課程後期における外国語試験の構成を整理すると、次のとおりです。
| 専攻 | 外国語⑴ | 外国語⑵ |
|---|---|---|
| 英語学英米文学専攻 | 英語(必須) | 設定なし |
| 独語学独文学専攻 | ドイツ語(必須) | 英語・フランス語から1科目選択 |
| 仏語学仏文学専攻 | フランス語(必須) | 英語・ドイツ語から1科目選択 |
独語学独文学専攻・仏語学仏文学専攻は専門言語に加え第2外国語力も問われる構成になっているため、修士課程の段階から第2外国語の学習を継続しておくと博士課程後期の対策がスムーズになります。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
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研究計画書・志望理由書の書き方|専攻別の提出書類と対策のポイント
専攻別の提出書類一覧
大学院入試の合否は筆記試験だけで決まるわけではなく、出願時に提出する書類の完成度も選考の重要な要素です。福岡大学大学院人文科学研究科では、提出書類が専攻によって「志望理由書」を求める専攻と「研究計画書」を求める専攻に分かれます。史学専攻・日本語日本文学専攻はこれに加えて卒業論文・研究論文(またはこれに代わるもの)の提出も必須です。どの書類が必要かを取り違えると出願自体ができなくなるため、志望専攻が決まった時点で最初に確認しておくべき項目といえます。
| 専攻 | 必須の対策書類 | 文字数の目安 |
|---|---|---|
| 史学専攻・日本語日本文学専攻 | 卒業論文等+志望理由書 | 志望理由書は400〜800字 |
| 英語学英米文学専攻 | 志望理由書 | 400字以内 |
| 独語学独文学専攻・仏語学仏文学専攻 | 志望理由書 | 400字以内 |
| 社会・文化論専攻 | 研究計画書(様式2) | 研究題目・指導教員・研究計画・研究方法を具体的に記載 |
| 教育・臨床心理専攻 | 研究計画書(様式1) | 1,600字前後 |
博士課程後期でも同様の傾向があり、史学・日本語日本文学・英語学英米文学・独語学独文学・仏語学仏文学の5専攻は志望理由書、教育・臨床心理専攻のみ研究計画書(1,600字前後)を提出します。加えて博士課程後期は全専攻共通で修士論文(またはこれに代わるもの)の提出が必須で、日本語日本文学専攻は志望専修科目に関する内容に限定される点にも注意してください。史学専攻・日本語日本文学専攻の卒業論文等は、400字詰め原稿用紙20枚以上という分量が求められ、過去に発表したものであれば印刷物での提出も認められています。
研究計画書に何を書くべきか
研究計画書が求められる社会・文化論専攻と教育・臨床心理専攻では、「研究題目」「研究の背景・問題意識」「先行研究の整理」「研究方法」「実現可能性」の5要素を具体的に書けるかどうかが評価の分かれ目になります。特に指導教員を志望専修科目欄に記入する必要がある専攻では、担当教員の研究分野とテーマがかみ合っているかを事前にシラバスで確認し、「なぜこの研究科・この教員のもとでなければ実行できないのか」を言語化しておくことが欠かせません。扱う資料・調査対象・分析手法まで具体化できているかを自分でチェックしましょう。教育・臨床心理専攻の研究計画書は1,600字前後という一定の分量が求められるため、先行研究のレビューと自分の研究の位置づけを段落単位で整理してから書き始めると、論理の飛躍が起きにくくなります。
同じ人文科学系の大学院として、九州大学大学院人文科学府の研究計画書の書き方では、専攻・カリキュラム・教員の研究分野から研究テーマを逆算する考え方を解説しています。福岡大学大学院人文科学研究科でも基本的な組み立て方は共通するため、研究計画書のたたき台作りに行き詰まった際の参考になります。
陥りやすい失敗パターンと改善の方向性を整理すると、次のようになります。
| 陥りやすい書き方 | 改善の方向性 |
|---|---|
| 「〜について研究する」という漠然とした目的だけを書く | 「〜を明らかにする」という具体的な問いに書き換える |
| 先行研究に触れず、自分の関心だけを述べる | 既存研究で分かっていること・分かっていないことを整理してから位置づける |
| 研究方法が「文献を読む」など抽象的なままになっている | 扱う資料・調査対象・分析の手順まで具体的に書く |
| 志望専攻・教員の研究分野との接点に触れていない | 担当教員の研究テーマとの関連を明記し、志望動機に説得力を持たせる |
志望理由書との違いと使い分け
志望理由書は動機と将来像を中心に書く書類で、研究計画書ほど詳細な研究方法までは求められません。ただし400字前後という短い字数制限の中で、学部での学びと大学院での研究をどう接続するかを説得力のある形で示す必要があります。字数が短いからこそ一文一文の情報密度が問われる書類だと捉え、志望理由・研究テーマ・将来像という要素を絞り込んで推敲することが重要です。史学専攻・日本語日本文学専攻のように卒業論文等と併せて提出する専攻では、志望理由書の内容と卒業論文の主張が矛盾していないかも見直しておきましょう。
書類作成の順序としては、次の流れで進めると論理の一貫性を保ちやすくなります。
- 学部での学び・卒業論文(または相当する研究)の内容を200〜300字程度で要約する
- 大学院で扱いたい研究テーマと、その問題意識に至った経緯を整理する
- 志望専攻の教員の研究分野・カリキュラムと自分のテーマの接点を具体的に書き出す
- 研究計画書が必要な専攻は、研究方法・想定される資料や調査対象・実現可能性まで落とし込む
- 指定の文字数・様式(本学所定用紙かどうか)に収まるよう推敲を重ねる
過去問の入手方法と活用法|FU_Boxでの公開範囲と学習の進め方
過去問はFU_Boxで公開されている
福岡大学大学院の過去の入学試験問題は、筆記試験を実施した研究科・専攻・課程についてFU_Box経由でウェブ公開されています。過去問題に加えて解答例や出題の意図まで掲載される運用のため、単に問題を解くだけでなく、出題者がどのような観点を重視しているかを読み解く材料としても活用できます。人文科学研究科は多くの専攻で専門科目の筆記試験があるため、対象範囲は広いと考えてよいでしょう。
過去問がない・古い場合の対策
選択科目で直近10年以内に出題がない場合は直近の出題年度の問題が掲載される運用になっています。また、ウェブでは非公開の資料も含め、過去3ヵ年分の過去問題は大学院事務課の窓口で閲覧できます。ウェブ上で目的の年度・科目が見つからない場合は、窓口閲覧という選択肢があることも覚えておくと安心です。専攻によっては出題される専修科目そのものが少なく、公開年度数も限られる場合があるため、早い時期から入手可能な年度をすべて確認しておくことをおすすめします。史学専攻のように専修部門が複数に分かれる専攻では、専修部門ごとに出題内容・出題形式が異なることがあるため、志望する専修部門の過去問だけをまず優先して集めるのが効率的です。
過去問の使い方
過去問は次の手順で活用すると、限られた対策期間でも効果を出しやすくなります。
- 志望専攻の専門科目・外国語の出題形式(選択式か論述式か、選択問題数)を先に確認する
- 直近3年分を時間を計って解き、時間配分の感覚をつかむ
- 解答例・出題の意図と自分の答案を照合し、知識の抜けと論述の型を洗い出す
- 抜けが見つかった分野をテキスト・シラバスの参考文献に戻って補強する
- 専門科目で頻出のテーマを整理し、研究計画書・志望理由書の内容と矛盾がないか確認する
専門科目の出題は志望する専修部門・専修科目に沿った内容になるため、演習の段階から志望する担当教員の研究領域を意識して過去問に取り組むと、面接での受け答えにも一貫性が生まれやすくなります。史学専攻のように専修部門ごとに解答する史料の言語が変わる専攻では、過去問演習の段階で自分が選択解答する言語・分野を固定し、他分野に手を広げすぎないことも時間配分の面で有効です。
春季入試までの対策期間の目安
秋季入試の出願期間が終わった今から春季入試(出願令和9年1月25日〜28日)を目指す場合、対策に使える期間はおよそ4〜5ヵ月です。短い期間で専門科目・外国語・研究計画書(または志望理由書)・面接という4つの対策を並行させる必要があるため、優先順位をつけたスケジューリングが欠かせません。
| 時期の目安 | 取り組む内容 |
|---|---|
| 出願の3〜4ヵ月前 | 志望専攻・専修科目の確定、過去問の入手、専門科目の基礎知識の棚卸し |
| 出願の2〜3ヵ月前 | 研究計画書または志望理由書の骨子作成、専門科目の過去問演習を開始 |
| 出願の1ヵ月前後 | 提出書類の最終推敲、外国語試験の演習量を確保 |
| 出願後〜試験直前 | 面接想定問答の準備、過去問の総仕上げと時間配分の最終確認 |
この期間配分はあくまで目安であり、志望専攻の専門科目の難易度や、自分がすでに持っている知識量によって前後します。特に研究計画書・志望理由書は一度書いて終わりではなく、指導教員に見せる想定で何度も書き直す前提でスケジュールを組んでおくと、出願直前の失速を防げます。
面接(口頭試問)対策|何を聞かれ、どう準備すべきか
面接の位置づけと形式
福岡大学大学院人文科学研究科の入試では、修士課程・博士課程前期・博士課程後期のすべての専攻で面接(口頭試問)が課されます。外国語・専門科目という筆記試験の後に実施される最終段階の審査で、提出済みの志望理由書・研究計画書の内容をもとに口頭で深掘りされるのが基本形です。アドミッション・ポリシーでは「志望分野において主体的に問題を発見し、問題解決に積極的に取り組む姿勢と能力を有しているか」が評価されると明記されており、暗記した知識をそのまま答えるだけでは高い評価につながりにくい点を意識しておく必要があります。面接時間は専攻によって異なりますが、決して長時間ではないため、限られたやり取りの中で自分の研究の芯を的確に伝えられるよう、要点を絞った受け答えの練習をしておくことが有効です。
修士課程・博士課程前期でよく聞かれること
面接では、提出した志望理由書・研究計画書に基づいて「なぜこのテーマを選んだのか」「先行研究とどう違うのか」「具体的にどのような資料・方法で研究を進めるのか」といった質問が想定されます。専門科目の筆記試験で出題された内容に関連して、口頭で補足説明を求められることもあります。専攻分野全体への幅広い関心と志望専修科目の基礎知識の両方が問われるという要項の記載を踏まえ、狭いテーマだけでなく専攻全体の研究動向にも目を通しておくと安心です。教育・臨床心理専攻のように分野別に試験科目が分かれる専攻では、面接でも自分が志望した分野(教育分野または臨床心理分野)に即した質問を受ける前提で準備を進めましょう。
想定しておきたい質問の切り口には、次のようなものがあります。
- この研究テーマに関心を持ったきっかけと、学部での学びとのつながり
- 先行研究でどこまで明らかになっていて、自分の研究は何を新しく明らかにしたいのか
- 研究計画で挙げた資料・調査対象に実際にアクセスできる見込みがあるか
- 2年間(博士課程前期)または3年間(博士課程後期)でどこまで研究を進める計画か
- 社会人の場合は、仕事と研究をどのように両立させる予定か
「思いつき」ではなく「準備してきた根拠」に基づいて答えられるかが見られています。専門科目の筆記試験の手応えについて聞かれることもあるため、試験直後の記憶が新しいうちに、自分がどの問題で苦戦したかをメモしておくと当日の面接で慌てずに済みます。
博士課程後期の口頭試問は「修士論文の内容等について」
博士課程後期の面接は「修士論文の内容等についての口頭試問」と位置づけられています。修士論文で扱ったテーマ・方法・結論を簡潔に説明できるように準備し、そのうえで博士課程後期の3年間でどのように研究を発展させるのかを一貫したストーリーとして語れるようにしておきましょう。社会人入試の場合も口頭試問の内容自体は一般入試と同様の扱いです。仕事と研究の両立をどう実現するかについても、自分の言葉で説明できるようにしておくと質問への対応がスムーズになります。独語学独文学専攻・仏語学仏文学専攻のように外国語試験が2段階になっている専攻では、面接でも研究対象の言語運用力について踏み込んだ質問を受ける可能性があることも念頭に置いておきましょう。
学費・検定料と併願・独学の限界|合格までの現実的な道筋
検定料・初年度納入金
大学院進学を検討するうえで学費は避けて通れない検討材料です。入学検定料は修士課程・博士課程前期・博士課程後期とも一律32,000円です。初年度納入金は出身校によって金額が変わり、本学大学院を修了して内部進学する場合は入学申込金が免除される仕組みになっています。他大学・他大学院からの進学者は入学申込金が発生する分、初年度の負担がやや大きくなる点も踏まえて資金計画を立てておきましょう。
| 課程 | 出身区分 | 初年度納入金合計 |
|---|---|---|
| 修士課程・博士課程前期 | 本学学部卒業 | 693,000円 |
| 修士課程・博士課程前期 | 本学大学院修了 | 593,000円 |
| 修士課程・博士課程前期 | 他大学卒業・他大学院修了 | 708,100円 |
| 博士課程後期 | 本学学部卒業 | 623,000円 |
| 博士課程後期 | 本学大学院修了 | 523,000円 |
| 博士課程後期 | 他大学卒業・他大学院修了 | 638,100円 |
これらの金額は入学申込金と第一期分の学費等納入金(授業料・教育充実費・委託徴収金)の合計で、2年目以降も同水準の授業料・教育充実費が毎年度発生します。委託徴収金の金額は年度によって多少変動することがあるため、最新の学費等納入金表で確認してください。入学を辞退する場合、合格発表後に「入学辞退届」を提出すれば入学申込金以外の第一期分学費等納入金は返還される制度もあります。一度払い込まれた入学検定料と提出済みの書類・論文は返還請求に応じないという運用のため、出願前に受験区分・専攻を誤らないよう十分に確認してから振り込みを行いましょう。
既修得単位認定制度・返還免除内定制度などの支援
本学または他大学院で修得した単位は15単位まで認定される場合がある制度です(当該研究科委員会の議を経て15単位を超えない範囲で入学後の履修単位として認定)。標準修業年限での修了を目指す人にとっては、学費・在学期間の両面で負担を抑えられる可能性があります。また、修士課程・博士課程前期への進学を予定している学部生等を対象に、日本学生支援機構の第一種奨学金や授業料後払い制度の貸与を受けて特に優れた業績を挙げた場合、貸与額の全額または半額の返還が免除される「返還免除内定制度」も用意されています。いずれも出願前・入学前の申請が前提となる制度のため、利用を検討する場合は早めに大学院事務課へ問い合わせておくことをおすすめします。日本学生支援機構の貸与型奨学金は第一種(無利子)・第二種(有利子)・修士段階の授業料後払い制度の3種類があり、家計急変時の緊急・応急採用の枠組みも整備されています。
併願を検討する際の注意点
複数の専攻を志望する場合、専攻ごとに志願票を分けて出願する必要があり、入学検定料もそれぞれの専攻分の32,000円が必要になります。志望専修科目は出願時に1つしか選べないため、A専攻とB専攻を同時に受験したい場合は、書類・研究計画書もそれぞれ個別に準備しなければなりません。他大学の人文科学系大学院と併願する場合は、試験日が重ならないかを最優先で確認しましょう。福岡大学大学院人文科学研究科の試験日は秋季・春季とも平日(教育・臨床心理専攻の春季のみ日曜)に設定されているため、平日実施の他大学院との日程調整が特に重要になります。
独学の限界と併願戦略
専攻ごとに出願資格・試験科目・提出書類が異なる福岡大学大学院人文科学研究科では、独学だけで対策を進めると出題傾向や書類の妥当性を客観視できないまま出願期限を迎えるリスクがあります。特に春季入試は出願期間が4日間しかなく、書類の推敲と面接準備を並行して進める必要があるため、早い段階から第三者に研究計画書・志望理由書をチェックしてもらう体制を作っておくと安心です。人文科学系の大学院を併願する場合は、九州大学大学院人文科学府の外部院試を徹底解説した記事もあわせて確認すると、九州エリアの人文科学系大学院どうしの出願資格・試験科目の違いを比較しやすくなります。同じ「人文科学研究科」という名称でも大学によって専攻構成や試験科目は大きく異なるため、甲南大学大学院人文科学研究科の入試対策など他大学の事例と比較しながら、自分の研究テーマに合った進学先を検討するのも有効です。大学院入試対策コースでは、専攻別の出願資格の整理から研究計画書の添削、面接練習まで個別に対応しています。
よくある質問
福岡大学大学院人文科学研究科にはどんな専攻がありますか
史学専攻、日本語日本文学専攻、英語学英米文学専攻、独語学独文学専攻、仏語学仏文学専攻、社会・文化論専攻、教育・臨床心理専攻の7専攻です。史学専攻は日本史・東洋史・西洋史・考古学の4分野、教育・臨床心理専攻は教育分野・臨床心理分野の2分野に分かれています。社会・文化論専攻のみ修士課程で完結し、博士課程後期には接続していません。入学定員は専攻によって4名〜15名(博士課程前期・修士課程)と幅があるため、志望する専攻の定員は出願前に必ず確認しておきましょう。
社会人でも福岡大学大学院人文科学研究科を受験できますか
受験できます。最終学校を卒業・修了・退学した後、入学時に社会人経験3年以上であることが出願条件です。専攻によっては外国語試験が免除される、あるいは小論文に代わるなど一般入試と試験科目が異なるため、志望専攻の要項を必ず確認してください。個別の入学資格審査を利用する場合は年齢要件も一般入試より高く設定されています。
出願資格の「個別の入学資格審査」とは何ですか、対象年齢は
大学卒業や学士の学位に相当する要件を満たしていなくても、大学院が個別に学力を審査し、卒業者と同等以上と認めれば出願できる制度です。修士課程・博士課程前期は一般22歳以上・社会人25歳以上、博士課程後期は一般24歳以上・社会人27歳以上に達していることが条件になります。審査には所定の書類提出と一定の審査期間が必要なため、早めの準備が欠かせません。博士課程後期の春季入試を個別審査で志願する場合、書類提出期間は令和8年12月7日〜9日と通常の出願よりかなり早く設定されている点にも注意してください。
研究計画書はどの専攻で必要ですか、文字数はどれくらいですか
修士課程・博士課程前期では社会・文化論専攻(所定様式2)と教育・臨床心理専攻(1,600字前後・所定様式1)で研究計画書が必須です。博士課程後期では教育・臨床心理専攻のみ研究計画書が必要で、それ以外の専攻は志望理由書と修士論文等の提出が求められます。専攻によって求められる書類が異なるため、志望専攻の提出書類一覧を必ず確認してください。研究計画書を求められない専攻でも、面接では研究の進め方について質問されるため、実質的には研究計画の中身を考えておく必要があります。
過去問は誰でも見られますか、入手方法を教えてください
筆記試験を実施した研究科・専攻・課程は過去問題・解答例・出題の意図がFU_Box経由でウェブ公開されています。選択科目で直近10年以内に出題がない場合は直近年度の問題が掲載され、ウェブに掲載のない年度・科目については過去3ヵ年分を大学院事務課の窓口で閲覧することも可能です。
面接ではどんなことを聞かれますか
提出した志望理由書・研究計画書の内容に基づいて、研究テーマを選んだ理由や先行研究との違い、具体的な研究方法などを問われます。博士課程後期では「修士論文の内容等についての口頭試問」と位置づけられており、修士論文の内容を簡潔に説明できる準備が欠かせません。教育・臨床心理専攻のように分野が分かれる専攻では、志望した分野に即した質問が中心になる点も踏まえて準備しておきましょう。
学部時代と異なる専攻・分野に進学することはできますか
出願資格上は学部での専攻を問わない専攻がほとんどですが、専門科目の筆記試験は志望専修科目に関する基礎知識を問う内容です。学部で扱っていない分野を志望する場合は、専門科目・外国語の出題範囲を早めに確認し、独学または専門的な指導で知識を補っておく必要があります。研究計画書・志望理由書では、これまでの学びと新しい研究テーマをどうつなげるかを説得力を持って説明できるようにしておくことも重要です。
秋季入試に間に合わなかった場合、次はいつ出願できますか
令和9年度の場合、秋季入試(出願令和8年8月20日〜24日)に間に合わなくても、春季入試(出願令和9年1月25日〜28日、試験2月14日または15日)に出願できます。博士課程後期はもともと春季の1回のみの実施です。出願期間は短いため、志望理由書・研究計画書は春季出願の前に完成させておくことをおすすめします。
まとめ|福岡大学大学院人文科学研究科の入試対策
福岡大学大学院人文科学研究科の入試対策で押さえるべきポイントを整理します。
- 7専攻(史学・日本語日本文学・英語学英米文学・独語学独文学・仏語学仏文学・社会文化論・教育臨床心理)で入学定員・出願資格・試験科目が異なる
- 社会・文化論専攻のみ修士課程で完結し、博士課程後期を設置していない
- 修士課程・博士課程前期は秋季・春季の年2回、博士課程後期は春季の年1回のみ実施
- 提出書類は専攻によって志望理由書(400〜800字程度)か研究計画書(1,600字前後等)に分かれる
- 過去問はFU_Box経由でウェブ公開され、直近3ヵ年分は窓口閲覧も可能
- 面接はすべての専攻で実施され、博士課程後期は修士論文の内容についての口頭試問が中心
- 入学検定料は一律32,000円、初年度納入金は出身区分によって52万円台〜71万円弱まで幅がある
- 志望専修科目・志望分野は出願時に1つを選定し、その内容に基づいて試験科目が決まる
- 既修得単位認定制度(15単位まで)や返還免除内定制度など、費用・年限の負担を抑える支援制度もある
志望専攻を早期に絞り込み、出願資格・試験科目・提出書類・スケジュールを個別に確認しておくことが合格への近道になります。研究計画書や志望理由書の完成度、専門科目の対策範囲に不安がある場合は、独学だけで抱え込まず、専門の指導を活用するのも一つの方法です。志望専攻の教員の研究分野やカリキュラムまで踏み込んだ相談をしたい場合は、早めに情報収集を始めておきましょう。春季入試の出願期間は令和9年1月25日〜1月28日と限られているため、専門科目・外国語・研究計画書(または志望理由書)・面接という4つの対策を並行できるよう、今のうちからスケジュールを逆算しておくことが、悔いのない結果につながります。
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