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北海道大学大学院 教育学院の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

北海道大学大学院教育学院は、学部を問わず教育学を専門的に研究したい人を受け入れる大学院で、教育学部以外の出身者が受験する、いわゆる外部院試の志願者も少なくありません。募集区分は教育学専攻の一般入試・社会人入試・外国人留学生入試の3つに分かれ、試験科目や提出書類は区分ごとに異なります。教育学専攻は8つの講座と多様な専門分野を持つ約40名の教員で構成されており、志望する研究テーマがどの教員の専門分野に対応するかによって、筆記試験の出題科目や研究課題概要の書き方まで変わってくる点が、この大学院の外部院試の特徴です。本記事では、北海道大学大学院教育学院が公表している修士課程学生募集要項(令和9(2027)年度版)をもとに、出願資格、募集人員、試験科目、研究課題概要(研究計画書)、日程、対策の考え方までを整理します。数値や日付は募集要項に記載のあるものに限定して扱い、年度によって変更される可能性がある事項は、その都度「最新の募集要項でご確認ください」と補足します。
北海道大学大学院教育学院・教育学専攻の概要と外部院試
北海道大学大学院教育学院は、大学院教育学研究院・教育学院・教育学部という三層構造の一部で、大学院段階の教育研究組織にあたります。アドミッションポリシーでは「21世紀の新しい教育像のグランド・デザインの構築、多様な教育問題の解決をめざす研究者ならびに高度な知識とスキルを備えた職業人の育成」を目的として掲げており、学部の出身を問わず、教育学の学問分野を専攻し学位取得をめざす強い意志を持つ人材を求めるとしています。既卒者や社会人、外国人留学生の受け入れにも積極的な姿勢を明記している点は、この大学院の特徴のひとつです。
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教育学院が置く専攻は教育学専攻の1専攻のみですが、その内部は研究領域ごとに8つの講座に分かれています。志望する研究テーマがどの講座・どの教員の専門分野に近いかを把握することは、指導教員選びだけでなく、後述する筆記試験の科目選択や研究課題概要の内容にも直結するため、出願準備の最初の一歩になります。
教育学専攻を構成する8つの講座と専門分野の例
令和8(2026)年5月1日時点で募集要項に掲載されている指導教員一覧によると、教育学専攻は次の8講座で構成されています。各講座には複数の教員が所属し、それぞれ固有の専門分野を持っています。
| 講座 | 主な専門分野の例(募集要項掲載の一部) |
|---|---|
| 学校教育論 | 学校史、教育思想、教育工学(情報教育論)、教育史、学校経営論・教育行政学、教師教育制度論、教育方法学 |
| 生涯学習論 | 青年期教育論、高等継続教育、比較高等教育論、比較成人教育論、社会教育学、大学教育論 |
| 教育社会論 | 産業教育、職業キャリア教育論、職業能力形成論、教育福祉論、教育社会学 |
| 教育心理学 | 視知覚認知過程論、学習神経心理学、発達心理学、乳幼児発達論、言語発達論、認知・動機づけ論 |
| 臨床心理学 | 福祉臨床心理学、発達臨床論、家族発達臨床論(公認心理師対応の教員を含む) |
| 健康教育論 | 運動生理学、時間生物学(生活健康学)、健康行動疫学 |
| 身体教育論 | 身体文化論、身体運動支援システム論、身体教育学、体育社会学 |
| 多元文化教育論 | 教育人類学、アメリカ地域研究、比較教育学・言語教育政策、言語教育学、異文化コミュニケーション |
この一覧からわかるように、教育学専攻は学校教育や教育行政といった伝統的な教育学の領域にとどまらず、発達心理学や臨床心理学、健康教育、身体教育、比較教育・異文化コミュニケーションまで幅広い分野をカバーしています。出願前に自分の研究テーマがどの講座・教員に対応するかを確認する作業は、後述する筆記試験の科目選択や研究課題概要の作成の前提になるため、必ず募集要項の教員一覧とあわせて志望教員のホームページや業績を確認してください。なお、教育行政学を希望する場合や、准教授1名については令和9(2027)年度以降に研究のため長期不在となる期間があると募集要項に注記されており、これらに該当する教員を希望する場合は事前の相談が必須とされています。
「外部院試」とは何を指すか
教育学院の入試そのものに「外部生用」「内部生用」という別枠があるわけではありませんが、実務上は北海道大学教育学部以外の出身者が教育学院を受験するケースを指して「外部院試」と呼ぶことが一般的です。外国人留学生入試の募集要項では、教育学部以外の出身者に対して、出願期間より前に指導を希望する教員へ「PSS(プレアドミッション・サポートシステム)」を通じて事前に連絡し、出願の内諾を得ることを明確に求めています。一般入試で受験する国内の教育学部以外出身者についても、教育学院の公式サイトでは「指導を希望する教員には、出願の前にコンタクトをとり、アドバイスを受けて研究テーマを深めることをおすすめします」と案内されており、外部出身者にとっては特に重要な手続きです。PSSの詳細は本記事の後半で改めて解説します。
博士後期課程(10月入学者)は口述試験のみ
教育学院には修士課程に加えて博士後期課程もあり、10月入学者向けの募集要項が別途公表されています。令和8(2026)年度10月入学者の募集要項によると、募集人員は教育学専攻若干名で、出願資格は修士の学位または専門職学位を有する者(またはそれと同等以上の学力を有すると認められた者)です。専門科目の筆記試験はなく、口述試験及び研究課題概要等を総合して合格者を決定する選抜方法が採られています。口述試験は令和8(2026)年9月3日(木)9時から実施され、修士課程の口述試験の翌日にあたります。研究課題概要には修士学位論文要旨(またはそれに相当する研究成果の要旨)と博士後期課程における研究計画をまとめ、日本語であればA4縦40字40行5枚以内、英語による口述試験を希望する場合はTimes New Roman12ポイントで8枚以内の英文書類を提出する形式です。一部の教員は英語による口述試験を認めているため、英語での受験を希望する場合は事前に当該教員へ相談する必要があります。合格発表は修士課程と同じ令和8(2026)年9月7日(月)10時予定です。本記事は修士課程の外部院試を中心に扱いますが、博士後期課程からの受験を検討している人は、これらの違いを踏まえたうえで別途公表されている博士後期課程の募集要項を確認してください。
実施専攻・募集人員・出願資格(語学スコア含む)
教育学院の修士課程入試は、一般入試・社会人入試・外国人留学生入試の3つの募集区分に分かれ、それぞれ別の募集要項が公表されています。募集人員、出願資格、必要書類は区分によって異なるため、自分がどの区分に該当するかを最初に確認してください。
募集人員(一般・社会人・外国人留学生)
令和9(2027)年度の募集要項によると、募集人員は次のとおりです。
| 入試区分 | 専攻 | 募集人員 |
|---|---|---|
| 一般入試 | 教育学専攻 | 45名(社会人入試及び外国人留学生入試を含む) |
| 外国人留学生入試 | 教育学専攻 | 若干名 |
| 社会人入試 | 教育学専攻 | 若干名 |
一般入試の募集人員45名は、社会人入試・外国人留学生入試の合格者を含めた教育学専攻全体の数字として記載されています。区分別に何名ずつ合格しているかという内訳は募集要項に明示されていないため、区分ごとの実質的な枠の大きさを厳密に見積もることはできません。志願者数・合格者数・倍率といった選抜結果の統計は、教育学院の公式サイトや北海道大学の入試データページには掲載が見当たらなかったため、この点は後の章で改めて扱います。
出願資格の全体像
一般入試の出願資格は10号にわたって規定されています。主なものを整理すると次のとおりです。
- 大学を卒業した者、または出願年度の3月までに卒業見込みの者
- 独立行政法人大学評価・学位授与機構から学士の学位を授与された者、または授与見込みの者
- 文部科学大臣が指定した大学等(旧大学令による大学、各省庁組織令・設置法による大学校等)の卒業者
- 外国において学校教育における16年の課程を修了した者(通信教育や指定教育施設での修了を含む)
- 専修学校の専門課程(修業年限4年以上等の要件を満たすもの)を文部科学大臣が指定した日以後に修了した者
- 大学に3年以上在学し、教育学院において所定の単位を優れた成績で修得したと認められた者
- 教育学院の個別の出願資格審査により大学卒業者と同等以上の学力があると認められた者で、出願年度の3月31日現在満22歳に達する者(高等専門学校・短期大学・各種学校の卒業者などが対象)
このうち、外国の教育制度に関わる号や、個別審査を要する号(募集要項では(5)(6)(7)(8)(9)(10)として整理されています)で出願する場合は、別途「出願資格審査」を受ける必要があります。令和9(2027)年度の要項では、出願資格審査の願書受理期間は令和8(2026)年6月5日(金)から6月10日(水)まで(必着)、該当者に対する筆記試験または口頭試験は6月26日(金)15時30分からと設定されていました。高専・短大出身者など大学卒業資格を持たない人が受験を検討する場合は、まずこのスケジュールを確認し、通常の出願期間より1か月ほど早く動き出す必要がある点に注意してください。
社会人入試・外国人留学生入試の追加要件
社会人入試の出願資格は、一般入試とほぼ同じ学歴要件に加えて、実務経験の要件が上乗せされます。募集要項では「各号の資格取得後2年以上、または高等学校卒業後6年以上、ないし短期大学卒業後4年以上の社会経験を有する者」と規定されており、単に大学を卒業しているだけでなく、卒業後・資格取得後に一定期間の社会経験を積んでいることが条件になります。個別審査で出願する場合の年齢要件は「出願年度の3月31日現在満25歳に達する者」で、一般入試の22歳より年齢の下限が高く設定されています。
外国人留学生入試は「日本以外の国籍を有し、かつ日本以外の高等学校等を卒業した者」を対象とし、学歴要件は一般入試とほぼ同様の構成です。教育学部以外の出身者はPSSを通じた事前連絡が必須である旨が、外国人留学生入試の募集要項にも明記されています。また、中華人民共和国(香港・マカオを除く)の大学出身者は、卒業(見込)証明書に加えて、中国教育部の認証システムから取得する学歴証書電子登録票やオンライン在籍認証レポートなど、追加書類の提出が求められる点も要項に具体的に記載されています。該当する人は、Web認証の有効期限が出願時点で15日以上残っているかどうかも確認が必要です。
英語能力測定試験の基準スコア
修士課程入試(社会人入試を除く)を受験するすべての志願者は、募集要項に定められた英語能力測定試験の有効なスコアレポートを提出する必要があります。令和9(2027)年度要項に掲載された基準は次のとおりです。
| 試験 | 必要な点数 | 有効なスコアレポート |
|---|---|---|
| TOEIC Listening & Reading(公開テスト) | 500点以上 | 公式認定証(デジタル公式認定証を含む)のみ有効。Web画面の印刷は不可 |
| TOEIC IPテスト(団体特別受験制度) | 500点以上 | 北海道大学で実施したテストのスコアレポートのみ有効。オンライン版は不可 |
| TOEFL-iBT | 2026年1月20日以前の試験は42点以上(0〜120点満点)、2026年1月21日以降の試験は3点以上(1〜6のバンドスコア) | Official Score CertificateまたはTest Taker Score Reportが有効。Web画面の印刷は不可 |
| TOEFL-ITP(団体向けテストプログラム) | 460点以上 | 北海道大学で実施したテストのスコアシートのみ有効。デジタル版は不可 |
TOEFL-iBTの基準が試験実施日によって2種類の表記(42点以上、または新しいバンドスコアで3点以上)に分かれているのは、TOEFL-iBTの採点方式が変更されたことに合わせたものです。自分が受験する試験日がどちらの基準に該当するかを募集要項の該当ページで必ず確認してください。また、英語公用語圏の大学で卒業論文・修士論文を提出した実績がある場合は、スコアレポートの提出を免除される可能性があるとされているため、該当しそうな人は早めに教務担当へ問い合わせることをおすすめします。社会人入試ではこの英語スコアの提出は求められていません。有効なスコアレポートの期間は、各試験団体が定める有効期間に従う扱いです。
出願書類の一覧と提出上の注意
出願にあたっては、募集要項に列挙された書類を漏れなく揃える必要があります。一般入試の出願書類等は次のとおりです。
- 入学願書・受験票・写真票(インターネット出願登録後にA4サイズで印刷し、出願前3か月以内に撮影した上半身・脱帽・正面向きの写真を貼付)
- 卒業(見込)証明書(出身大学の学長または学部長が作成したもの。本学部卒業(見込)者は提出不要)
- 成績証明書(出身大学の学長または学部長が作成し、厳封のもの)
- 検定料30,500円(インターネット出願事務手数料500円を含む)
- 返信用封筒2通(長形3号、410円分の速達切手を貼付したもの。受験票送付用・合否通知用)
- 研究課題概要(5部)
- 英語能力測定試験の公式スコアの写し
写真は縦4cm×横3cmの規格で、裏面に氏名と志願先の学院名を記入することが求められています。書類に不備がある場合は受理されず、虚偽の記載が発見された場合は入学許可が取り消されることもあると募集要項に明記されているため、提出前に一つずつ募集要項のチェックリストと照合することをおすすめします。中華人民共和国(香港・マカオを除く)の大学出身者は、前述のとおり中国教育部の認証システムから取得する追加書類が必要になるため、提出書類の準備に通常より時間がかかる点も見込んでおいてください。
提出した出願書類は、いったん受理されると理由の如何にかかわらず返還されません。出願書類に記載された氏名・住所等の個人情報は、入学者選抜、合格発表、入学手続き、入学者選抜方法等に関する調査・研究、及びこれらに付随する業務のために利用される旨が募集要項に明記されています。合格者については入学後の教務関係や学生支援関係の業務にも利用されるため、記載内容に誤りがないよう提出前によく確認してください。
試験科目(専門筆記・研究課題概要・口述試験)
教育学院修士課程の入学者選抜方法は「筆記試験及び口述試験等により合格者を決定する」とされていますが、実際の科目構成と実施方法は入試区分によって異なります。一般入試・外国人留学生入試は筆記試験と口述試験の両方、社会人入試は口述試験のみという違いを最初に押さえておくと、対策の優先順位を立てやすくなります。
筆記試験(専門科目)の仕組み—指導教員の専門分野に対応
一般入試・外国人留学生入試では、専門に関する筆記試験が実施されます。令和9(2027)年度の日程では、筆記試験は令和8(2026)年9月1日(火)9時30分から11時30分までの2時間で行われました。出題科目は全専攻共通の一斉試験ではなく、志願者が入学願書の所定欄に記入した、指導を希望する教員の専門分野に対応する科目が出題される仕組みになっています。つまり、同じ日に同じ会場で試験が行われても、志望する教員(=専門分野)が違えば解答する問題そのものが異なるということです。これは前章で紹介した8講座・多数の専門分野の一覧と直結しており、志望教員を先に固めることが、そのまま出題範囲を絞り込むことにつながります。このような選択科目制がとられている背景には、志望する専門分野に高い専門性を持つ教員自身が出題・採点に関わることで、専門知識の深さを正確に確認しようとする狙いがあると考えられます。専門分野への理解が浅いまま出願すると、筆記試験の段階で見抜かれやすいということでもあります。
外国人留学生入試の筆記試験では「母語-日本語」または「日本語-母語」の辞書各1冊の持ち込みが認められていますが、国語辞典および電子辞書は不可とされています。試験場所はいずれの区分も北海道大学大学院教育学院(札幌市北区北11条西7丁目)です。
指導教員一覧と備考記号の意味
筆記試験は志望する指導教員の専門分野に対応する科目が出題されるため、誰が何を専門にしているかを正確に把握しておくことが対策の土台になります。令和8(2026)年5月1日時点で募集要項に掲載されている指導教員は次のとおりです。
| 職位 | 氏名 | 専門分野 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 教授 | 近藤健一郎 | 学校史 | |
| 教授 | 白水浩信 | 教育思想 | |
| 教授 | 江本理恵 | 教育工学(情報教育論) | |
| 教授 | 北村嘉恵 | 教育史 | |
| 准教授 | 篠原岳司 | 学校経営論、教育行政学 | ● |
| 准教授 | 張揚 | 教師教育制度論 | |
| 准教授 | 亘理陽一 | 教育方法学 | |
| 教授 | 辻智子 | 青年期教育論 | |
| 教授 | 光本滋 | 高等継続教育 | |
| 教授 | 飯田直弘 | 比較高等教育論 | |
| 准教授 | 肖蘭 | 比較成人教育論 | |
| 講師 | 吉田弥生 | 社会教育学 | |
| 講師 | 田中孝平 | 大学教育論 | |
| 教授 | 上原慎一 | 産業教育 | |
| 教授 | 亀野淳 | 職業キャリア教育論 | |
| 教授 | 駒川智子 | 職業能力形成論 | |
| 教授 | 佐々木宏 | 教育福祉論 | |
| 准教授 | 鳥山まどか | 教育福祉論 | |
| 准教授 | 上山浩次郎 | 教育社会学 | |
| 教授 | 河西哲子 | 視知覚認知過程論 | |
| 教授 | 関あゆみ | 学習神経心理学 | |
| 教授 | 加藤弘通 | 発達心理学 | |
| 教授 | 川田学 | 乳幼児発達論 | |
| 准教授 | 伊藤崇 | 言語発達論 | |
| 准教授 | 大谷和大 | 認知・動機づけ論 | * |
| 准教授 | 井出智博 | 福祉臨床心理学 | ◆ |
| 准教授 | 岡田智 | 発達臨床論 | ◆ |
| 講師 | 濤岡優 | 家族発達臨床論 | ◆ |
| 教授 | 柚木孝敬 | 運動生理学 | |
| 准教授 | 山仲勇二郎 | 時間生物学(生活健康学) | |
| 講師 | 牧野圭太郎 | 健康行動疫学 | |
| 教授 | 池田恵子 | 身体文化論 | |
| 教授 | 阿部匡樹 | 身体運動支援システム論 | |
| 准教授 | 崎田嘉寛 | 身体教育学 | |
| 准教授 | 山崎貴史 | 体育社会学 | |
| 教授 | ゲーマン,ジェフリー | 教育人類学 | |
| 教授 | 土田映子 | アメリカ地域研究 | |
| 教授 | 青木麻衣子 | 比較教育学・言語教育政策 | |
| 教授 | 堀晋也 | 言語教育学 | |
| 准教授 | ブンティロフ,ゲオルギー | 異文化コミュニケーション |
備考欄の記号は、●が教育行政学を志望する場合の事前相談、*が令和9(2027)年度以降の長期不在予定、◆が公認心理師資格に対応する教員であることを示しています。該当する記号がある教員を志望する場合は、出願前の相談を省略しないでください。同じ講座の中でも専門分野は細分化されているため、志望教員を検討する際は氏名だけでなく専門分野の文言まで照らし合わせることをおすすめします。
口述試験の内容と受験資格
口述試験は、一般入試・外国人留学生入試・社会人入試のすべての区分で実施されます。令和9(2027)年度の日程では、口述試験は令和8(2026)年9月2日(水)9時から行われ、あらかじめ提出された「研究課題概要」(研究計画書に相当する書類)に基づいて、日本語で実施されます。外国人留学生入試であっても口述試験の言語は日本語である点は、出願前に確認しておきたいポイントです。
一般入試・外国人留学生入試では、口述試験を受験できるのは筆記試験の基準点を満たした者に限られます。基準点を満たした志願者の受験番号は、筆記試験当日に教育学院のホームページで公表される運用です。つまり、専門科目の筆記試験は口述試験に進むための足切りとしての性格も持っており、研究計画の中身をどれだけ練り上げていても、専門科目の基礎的な理解が不足していると口述試験の機会そのものを得られない可能性があります。口述試験当日は、提出した研究課題概要の本人控えを持参することが求められています。
社会人入試における選抜方法の違い
社会人入試は「社会人としての経験を重視するとの方針」から、専門科目の筆記試験が免除されています。入学者選抜方法は「口述試験、研究課題概要等を総合して合格者を決定する」とされ、口述試験の実施日時・内容(研究課題概要及びその他の出願書類に基づき日本語で実施)は一般入試と同じ令和8(2026)年9月2日(水)9時からです。筆記試験がない分、研究課題概要の完成度と、それに基づく口述試験でのやり取りの比重が一般入試よりも大きくなる選抜方式だと言えます。
研究計画書(研究課題概要)と研究室訪問・PSS制度
教育学院の出願書類には「研究計画書」という名称ではなく「研究課題概要」という書類が指定されています。内容面では一般的な研究計画書とほぼ同じ役割を持ちますが、様式が細かく規定されている点に注意が必要です。研究室訪問の完全ガイドで解説しているような一般的な研究室訪問の進め方に加えて、教育学院の場合はPSS制度という独自の事前連絡の仕組みがある点も特徴です。
研究課題概要の様式と記載項目
研究課題概要に記載すべき内容として、募集要項では次の4点が挙げられています。
- 研究課題(研究の目的、明らかにしたいこと)
- 課題設定に至った経過(研究課題を設定した理由・経緯、関連する研究動向、これまでに行った研究の状況など)
- 研究の対象と方法(具体的に何を対象にどのような方法で研究を行い、何をいかに明らかにしようとするのか)
- 参考文献
様式は入試区分によって異なります。一般入試・外国人留学生入試はA4判縦長横書きで40字30行の用紙5枚以内(表紙を除く、図表を含む)、社会人入試は40字40行の用紙5枚以内(表紙を除く)とされ、いずれも日本語で作成し、5部を提出する必要があります。パソコンを使用して作成することが求められている点、研究題目と氏名を記した表紙を別途付ける必要がある点も具体的な指定です。社会人入試では著書・論文・報告書等の自己の作品があれば1部添付してもよいとされていますが、添付した作品は返却されない旨が明記されています。
研究課題概要の4項目をどう埋めるか
募集要項が定める4つの記載項目は、研究計画書としては一般的な構成ですが、教育学院の外部院試ではそれぞれの項目を志望する教員の専門分野と結びつけて書くことが特に重要になります。「研究課題」では、何を明らかにしたいのかを一文で言い切れるところまで絞り込みます。「課題設定に至った経過」では、これまでの学習・研究の中でその課題にどう出会ったのかという個人的な経緯だけでなく、志望する専門分野における先行研究の到達点と、そこに残された論点を示す必要があります。「研究の対象と方法」では、対象を漠然と示すのではなく、どのようなデータや資料をどのような手続きで扱うのかを、A4用紙5枚という限られた分量の中で具体的に書き切ることが求められます。「参考文献」に挙げる文献が志望する教員の専門分野と接続しているかどうかも、口述試験で確認されやすいポイントのひとつです。なお、教育学院の研究課題概要は、大学によって別途求められる「志望理由書」とは性格が異なります。志望理由書が「なぜこの大学院を選んだか」を説明する書類であるのに対し、研究課題概要は研究そのものの目的・方法・先行研究との関係を示す学術的な書類であり、教育学院の出願書類にはこれとは別に志望理由書の提出は求められていません。
研究課題概要は口述試験の質疑応答の土台になる書類です。前章で触れたとおり口述試験は「研究課題概要に基づき」実施されるため、研究テーマの独自性だけでなく、志望する教員の専門分野で扱えるテーマになっているか、先行研究をどの程度踏まえているか、研究方法が具体的に描けているかを、提出前に指導予定教員や第三者に確認してもらうことが望ましいと考えられます。大学院入試に特化した対策コースのような専門家によるサポートを利用し、研究課題概要の論理構成を客観的にチェックしてもらう方法も選択肢のひとつです。
PSS(プレアドミッション・サポートシステム)による事前連絡
PSS(プレアドミッション・サポートシステム)は、北海道大学が教育学院を含む複数の大学院で導入している、出願前に指導希望教員へ連絡し内諾の可否判定を受けるための仕組みです。どの部局が導入しているかの一覧は公式サイト上に明示されていないため、他学院での運用状況まで確認したい場合は各学院の募集要項を個別に参照してください。教育学院の外国人留学生入試の募集要項では「本学教育学部以外の出身の方は、必ず出願期間より前に、指導を希望する教員にPSSから事前に連絡のうえ、出願の内諾を得ること」と明記されています。令和9(2027)年度入試ではPSSの申請期間が令和8(2026)年5月25日(月)から6月29日(月)までとされており、通常の出願期間(7月)よりかなり早い時期に動き出す必要があることがわかります。
PSSの利用手順は、募集要項掲載のPSS紹介ページによると、募集要項でPSS申請可能期間を確認し、「Find a Researcher」などの機能で指導を希望する教員を探し、研究計画書や語学能力証明書などの必要書類を準備したうえで申請し、結果は申請から2〜3週間程度で通知される、という流れです。原則として教員によるオンライン面談は行われず、書類審査が中心になる運用とされています。研究室訪問のような直接のやり取りを希望する場合は、PSSとは別に、志望教員のメールアドレス等を確認したうえで個別に連絡を取る必要があると考えられます。教育学部出身者であってもPSSの利用自体は可能なので、指導教員の内諾を得たい場合は出願区分にかかわらず早めに情報を確認しておくとよいでしょう。
公認心理師資格取得希望者の注意点
教育学専攻の中には、公認心理師資格の取得を見据えて臨床心理学系の教員を志望するケースもあります。募集要項には「公認心理師資格取得希望者は、出願前に必ず、研究指導教員に相談し、承認を得ること」という注記があり、公認心理師実習科目の履修定員が10名程度とされているため、希望者がこれを超えた場合は1年次前期に選抜が行われることがあるとも記載されています。指導教員一覧では臨床心理学講座の一部の教員に、公認心理師対応であることを示す記号が付されているため、志望テーマが心理臨床に関わる場合は、出願前の相談を後回しにしないことが重要です。
まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?
スプリング・オンライン家庭教師のプロ講師が、現在の学力・志望校・残り期間に合わせて、必要な対策を個別に整理します。
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出願・試験スケジュール
令和9(2027)年度修士課程学生募集要項に記載された日程を、手続きの流れに沿って整理すると次のとおりです。年度が変われば日程はすべて改定されるため、実際に出願する年度の募集要項で必ず最新の日付を確認してください。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 令和8(2026)年5月25日(月)〜6月29日(月) | PSS(プレアドミッション・サポートシステム)申請期間(外国人留学生入試で教育学部以外出身の場合は必須。一般入試でも指導希望教員への事前連絡が公式サイトで推奨されている) |
| 令和8(2026)年6月5日(金)〜6月10日(水)必着 | 出願資格審査 願書受理期間(該当者のみ) |
| 令和8(2026)年6月10日(水) | 受験上の配慮申請書の提出期限 |
| 令和8(2026)年6月26日(金)15:30〜 | 出願資格審査の筆記試験または口頭試験(該当者のみ) |
| 令和8(2026)年7月1日(水)10:00予定〜 | インターネット出願登録開始(全員必須) |
| 令和8(2026)年7月3日(金)〜7月9日(木)必着 | 出願書類の提出(郵送または持参、土日祝を除く9時〜17時受付) |
| 令和8(2026)年8月上旬予定 | 受験票の交付 |
| 令和8(2026)年9月1日(火)9:30〜11:30 | 筆記試験(専門科目、一般・外国人留学生入試のみ) |
| 令和8(2026)年9月2日(水)9:00〜 | 口述試験(全区分) |
| 令和8(2026)年9月7日(月)10:00予定 | 合格者発表(学院ホームページ公表・本人宛通知、電話照会不可) |
出願資格審査(該当者のみ)のスケジュール
大学卒業見込みなど典型的な出願資格に該当しない人、たとえば高等専門学校・短期大学・各種学校の卒業者や、外国の教育制度に基づく資格で出願する人は、通常の出願手続きの前に「出願資格審査」を受ける必要があります。出願資格審査は紙媒体での申請となり、願書受理期間は令和8(2026)年6月5日(金)から6月10日(水)まで(必着)、審査の一環として実施される筆記試験または口頭試験は6月26日(金)15時30分からと設定されていました。審査結果は本人宛の郵送のみで通知され、電話での問い合わせには応じないとされています。審査により出願資格が認められた者は、その後の7月のインターネット出願登録を経て、通常の選考試験(9月1日・2日)を受験できる流れです。この審査を受ける可能性がある人は、7月の出願開始を待たず、5月末から6月上旬の時点で必要書類の準備に着手する必要があります。なお、個別審査の対象となる出願資格のうち、大学卒業者と同等以上の学力があると認められた者(出願資格(10))で出願する場合は、卒業(見込)証明書・成績証明書に加えて、志望理由及び研究計画についてのレポート(2,000字以内、A4版・様式自由)、該当があれば著書・論文・報告書等の成果物(2点以内)、TOEIC等の英語・日本語能力を証明する資料の提出が求められます。これらの追加書類は出願資格(10)による出願者のみに必要とされており、高専・短大出身者などが個別審査を受ける際は、通常の出願書類より準備の負担が大きくなる点に留意してください。
出願資格審査を申請する際は、出願資格審査申請書に加えて、大学を卒業した者と同等以上の学力を有すると考えられる根拠(特別の理由)を記入する欄が設けられています。自分の学歴・経歴がどの号に該当するか判断に迷う場合は、早めに教育学事務部の教務担当へ相談し、必要書類の内容を具体的に確認しておくことをおすすめします。出願資格審査の申請書類は、通常の出願書類とは別の指定様式で作成する必要がある点にも注意してください。
検定料・入学料・長期履修学生制度
出願・入学に関わる費用として、募集要項には次の金額が記載されています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 検定料 | 30,500円(検定料30,000円+インターネット出願事務手数料500円) |
| 入学料 | 282,000円(予定額) |
| 授業料 | 令和9(2027)年度前期分267,900円、年額535,800円(予定額) |
検定料はクレジットカード、Pay-easy(銀行ATM・ゆうちょ銀行ATM・ネットバンキング)、コンビニエンスストア、中国銀聯ネット決済など複数の方法で支払うことができますが、出願しなかった場合や二重払込の場合を除き返還されない点に注意が必要です。入学料・授業料はいずれも「予定額」とされており、在学中に学生納付金の改定が行われた場合は改定時点から新しい金額が適用される旨が付記されています。
職業を持ちながら進学する人などを対象に、標準修業年限(修士課程2年)を超えて計画的に履修できる長期履修学生制度もあります。長期履修の期間は修士課程で最長4年以内、休学が認められる期間は通算2年までとされています。長期履修を希望する場合は原則として入学願書提出時に申し出る必要があり、希望する履修開始の前年度2月中旬までに長期履修申請書・長期履修計画書等を提出する運用です。社会人として働きながら受験を検討している人は、出願時点でこの制度の利用可否もあわせて考えておくとよいでしょう。長期履修が認められた場合の授業料は、標準修業年限に対応する年額を許可された在学期間の年数で按分して再計算されます。在学期間を3年と認定された場合、授業料年額は535,800円×2年÷3年で357,200円となる計算例が募集要項に示されています。
出願の流れを5ステップで確認する
出願の全体像を時系列でつかむために、募集要項に示された流れを5つの段階に分けると次のようになります。
- 出願書類の準備:卒業(見込)証明書や成績証明書など、発行に時間がかかる書類を早めに取り寄せる
- 出願資格審査(該当者のみ):高専・短大出身者等は6月上旬までに紙媒体で申請する
- インターネット出願登録:7月1日10時(予定)から出願サイトで必要事項を入力する
- 検定料の支払い:クレジットカード、Pay-easy、コンビニエンスストア等から選択して支払う
- 出願書類の提出:7月3日から7月9日までに簡易書留郵便または持参で提出し、受理されると8月上旬に受験票が送付される
このほか、募集要項には受験上の注意点として、インフルエンザや麻しん(はしか)、新型コロナウイルス感染症など学校保健安全法施行規則が定める感染症に罹患し、入学試験当日までに出席停止期間を経過していない場合は受験できないという記載があります。この場合の追試験は実施されないとも明記されているため、試験直前の体調管理は例年以上に意識しておく必要があります。病気・負傷や障害等のために受験上の配慮を必要とする場合は、令和8(2026)年6月10日(水)までに配慮申請書を教務担当宛に提出する期限も設けられています。
倍率・難易度をどう見るか
教育学院は、教育学専攻全体の志願者数・合格者数・倍率といった選抜結果の統計を、公式サイトや募集要項上で年度別に公表していません。北海道大学全体の入試データを掲載しているページにも、学部入試の志願者数・合格者数一覧はありますが、大学院入試の統計は含まれておらず、大学院に関する情報は別サイト(大学院総合サイト)への案内にとどまっています。教育学専攻の正確な倍率を公式情報だけから算出することはできないというのが実情です。インターネット上には特定の倍率を示す情報も見られますが、出典や算出根拠が確認できないものは本記事では採用していません。最新の選抜結果を知りたい場合は、教育学院の教務担当に直接問い合わせるか、募集要項の改訂内容を確認することをおすすめします。
公表数値がない以上、難易度を測る手がかりは募集要項の条件面から読み取るしかありません。募集人員は教育学専攻全体で45名(社会人・留学生を含む)であり、外部生比率を含めた区分別の内訳は非公表です。また、一般入試・外国人留学生入試では専門科目の筆記試験で基準点を満たさなければ口述試験に進めない仕組みになっているため、志望する教員の専門分野に関する基礎知識がないまま出願すると、研究計画の完成度にかかわらず選考の入り口で止まってしまう可能性があります。社会人入試は筆記試験が免除される一方、口述試験と研究課題概要のみで合否が決まるため、書類の完成度と口述でのやり取りの質がそのまま合否に直結する選抜方式だといえます。
倍率という単一の数値がなくても、選抜の構造から相対的な難易度を推測することはできます。教育学専攻は8講座・約40名の教員が在籍する幅広い専攻である一方、募集人員は教育学専攻全体で45名(社会人・留学生を含む)にとどまるため、人気の高い専門分野には志願者が集中しやすいと考えるのが自然です。特定の教員に志望が偏った場合、募集要項の定員上は専攻全体の数字であっても、実質的な競争は指導教員単位で生じることになります。志望教員を1人に絞り込む前に、同じ講座内の近い専門分野を持つ教員も選択肢に入れておくと、研究テーマの独自性を保ちながら、出願直前の相談状況に応じて柔軟に対応しやすくなります。
過去問分析・出題予測と口述試験対策
募集要項には「前年度分の筆記試験の試験問題を、インターネット上で公表している」との記載があり、実際に教育学院の公式サイトには、直近複数年度分(令和6・7・8年度、それぞれ第1次募集・第2次募集分)の過去問PDFが掲載されています。過去問が公式サイトで公開されていること自体は確認できる事実であり、外部出身者が出題傾向をつかむうえで重要な情報源になります。
過去問の公開状況と活用法
公開されている過去問PDFはスキャン画像として提供されており、本記事の執筆時点でテキストとして機械的に抽出することはできませんでした。したがって、特定の年度に出題された具体的な設問内容や論述テーマをここで紹介することはできません。ただし、前章までに整理した募集要項の記載事項から、過去問を読む際に押さえておくべき前提は明確になっています。すなわち、筆記試験は専攻共通の一斉問題ではなく、志望する指導教員の専門分野に対応する科目が出題される仕組みだという点です。過去問を確認する際は、自分が志望する教員・専門分野に該当する年度・回次の問題を優先して探し、該当がない場合は同じ講座に属する近い分野の問題で出題形式(記述式か短答式か、論述量はどの程度かなど)の傾向をつかむという進め方が現実的です。
参考までに、公式サイトで確認できた令和8年度第1次募集分の過去問PDFは43ページ、令和6年度第1次募集分は33ページで構成されており、年度によって収録されている専門分野の数や分量に差があることがうかがえます。これはページ数という外形的な情報にとどまり、出題内容そのものを保証するものではありませんが、志望教員に対応する問題が実際に収録されているかどうかを確認する際の目安にはなります。第1次募集分だけでなく第2次募集分の過去問も複数年度分公開されているため、2次募集での受験を検討している場合はあわせて確認しておくとよいでしょう。
募集要項から見える出題の特徴(選択科目制)
筆記試験の時間は9時30分から11時30分までの2時間で、この時間内に志望教員の専門分野に対応する科目に解答する形式です。出題科目が教員ごとに異なる選択科目制であるという性質上、対策の第一歩は「教育学全般を網羅的に学習する」ことではなく、「志望する教員の専門分野に関する主要な概念・理論・先行研究を体系的に押さえる」ことになります。募集要項の指導教員一覧に列挙された専門分野の名称(たとえば学校経営論・教育行政学、発達心理学、比較教育学・言語教育政策など)は、そのまま出題領域の見取り図として使うことができます。志望教員の研究業績やシラバス、担当授業の内容を確認し、どのような理論的立場や研究手法を重視しているかを把握しておくと、筆記試験・研究課題概要・口述試験の三つに一貫性を持たせやすくなります。
口述試験(面接)対策のポイント
口述試験は、一般入試・外国人留学生入試では筆記試験の基準点を満たした人だけが進める段階であり、社会人入試では選抜の中心を占める段階です。募集要項上、口述試験は「研究課題概要に基づき」実施されると明記されているため、対策の軸は大学院入試の面接対策で扱われるような一般的な面接マナーだけでなく、提出した研究課題概要の内容を自分の言葉で説明し直せるかどうかに置くべきです。具体的には、研究課題をなぜ教育学院・志望する教員のもとで扱う必要があるのか、課題設定に至った経過で挙げた先行研究との関係、対象と方法として書いた内容の実現可能性について、想定される質問に対する回答を事前に整理しておくことが有効だと考えられます。口述試験の受験番号は筆記試験当日に学院ホームページで公表される運用のため、結果を待つ間も研究課題概要の読み込みと想定問答の準備を進めておくとよいでしょう。
併願戦略・内部リンクで押さえておきたい関連情報
教育学院の入試日程は、令和9(2027)年度の場合、筆記試験が9月1日、口述試験が9月2日という固定日程で実施されました。同じ時期に試験日を設定している他大学院と重なる場合は、同時に受験することはできません。北海道大学の入試情報ページには、一般入試について「1次募集(8月下旬〜9月上旬)、2次募集(2月上旬)」という時期が案内されており、過去問の公開ページにも第2次募集分の問題が複数年度分掲載されていることから、教育学院には年2回の募集機会が設けられている年度があると考えられます。ただし2次募集の実施有無や募集人員は年度により変動し得るため、9月の1次で受験できなかった場合や、他大学院の結果を踏まえて追加で出願先を検討したい場合は、当該年度の教育学院公式サイトで2次募集の実施可否を確認してください。
併願を検討する際は、試験日程の重複だけでなく、研究課題概要の準備にかかる時間も考慮する必要があります。教育学院の研究課題概要はA4判40字30行(社会人入試は40字40行)の用紙5枚以内(表紙を除く)というボリュームがあり、他大学院の研究計画書と字数・様式が異なるだけでなく、前章で整理したとおり志望する指導教員の専門分野と結びつけて書くことが求められる書類です。複数の大学院を併願する場合は、研究課題そのものの核(何を明らかにしたいか)は共通させつつ、教育学院向けには志望教員の専門分野に沿った先行研究・参考文献を厚めに書き込むといった、大学ごとの調整を早い段階で見込んでおくと効率的です。大学院入試のTOEICスコアで解説されているように、語学スコアの提出が必要な大学院を複数受験する場合は、スコアの有効期限や提出方法も大学院ごとに確認しておく必要があります。検定料は1校あたり30,500円で、出願書類の準備や研究課題概要の作成にも相応の時間がかかるため、併願先の数はスケジュールと費用の両面から現実的な範囲に絞り込むことをおすすめします。
教育学院の外部院試対策を進めるにあたっては、本記事で扱った募集要項の内容に加えて、大学院入試の全体的な進め方を整理した大学院入試対策の完全ガイドもあわせて確認すると、スケジュール管理や科目別対策の考え方を体系的に把握できます。研究計画書の作成や口述試験対策を第三者に相談したい場合は、大学院入試対策コースのような大学院入試に特化したサポートを利用する方法もあります。
よくある質問(FAQ)
北海道大学教育学部以外の出身でも受験できますか
出願資格(1)〜(10)のいずれかに該当すれば出身学部・出身大学を問わず出願できます。外国人留学生入試で出願する場合、教育学部以外の出身者は出願期間より前にPSS(プレアドミッション・サポートシステム、例年5月下旬〜6月下旬が申請期間)を通じて指導希望教員へ事前連絡し、出願の内諾を得ることが募集要項で明確に求められています。一般入試で受験する国内の教育学部以外出身者も、指導希望教員への事前コンタクトが公式サイトで推奨されています。高専・短大・各種学校の卒業者など大学卒業資格を持たない場合は、別途出願資格審査(願書受理期間は例年6月上旬)を受ける必要があります。
社会人入試では本当に筆記試験が免除されますか
令和9(2027)年度の募集要項では、社会人入試について「社会人としての経験を重視するとの方針から、筆記試験を免除しています」と明記されており、選抜は口述試験と研究課題概要等を総合して行われます。ただし出願資格として、資格取得後2年以上、高校卒業後6年以上、短大卒業後4年以上のいずれかの社会経験が求められ、出願書類として在職証明書等の社会経験を証明する書類の提出も必要になる点には注意してください。
TOEICは何点あれば出願できますか
社会人入試を除く区分では、TOEIC Listening&Reading(公開テストまたは北海道大学実施のIPテスト)で500点以上のスコアレポート提出が必要です。TOEFL-iBTの場合は試験実施日により42点以上(2026年1月20日以前)または3点以上(2026年1月21日以降の新バンドスコア)、TOEFL-ITP(北海道大学実施分のみ)は460点以上が基準とされています。社会人入試ではこの英語スコアの提出は求められていません。
研究計画書(研究課題概要)はどのくらいのボリュームが必要ですか
一般入試・外国人留学生入試はA4判縦長横書き40字30行の用紙5枚以内(表紙を除く、図表を含む)、社会人入試は40字40行の用紙5枚以内です。いずれも日本語で作成し、パソコンを使用し、研究題目と氏名を記した表紙を付けたうえで5部を提出します。記載項目は研究課題、課題設定に至った経過、研究の対象と方法、参考文献の4点です。
口述試験はどのような内容で、誰でも受験できますか
口述試験は提出済みの研究課題概要に基づき、日本語で実施されます。外国人留学生入試であっても口述試験の言語は日本語です。一般入試・外国人留学生入試では、筆記試験の基準点を満たした志願者のみが口述試験に進める仕組みで、対象者の受験番号は筆記試験当日に学院ホームページで公表されます。社会人入試には筆記試験がないため、口述試験と提出書類のみで合否が判断されます。
過去問はどこで確認できますか
教育学院の公式サイトで、直近複数年度分(令和6・7・8年度、各第1次・第2次募集分)の筆記試験問題がPDFで公開されています。ただし出題科目は志望する指導教員の専門分野に対応するため、全専攻共通の問題ではなく、自分の志望分野に該当する年度・回次の問題を確認する必要があります。
倍率はどのくらいですか
教育学院は教育学専攻の志願者数・合格者数・倍率を公式には公表していません。募集人員は教育学専攻全体で45名(社会人・外国人留学生を含む)ですが、区分別の内訳や年度ごとの倍率は確認できませんでした。正確な選抜状況を知りたい場合は、募集要項の改訂内容を確認するか、教育学事務部の教務担当に直接問い合わせることをおすすめします。
他大学院との併願はできますか
教育学院の入試日程と重ならない大学院であれば併願は可能です。教育学院には1次募集(例年8月下旬〜9月上旬)に加えて2次募集(例年2月上旬)が設けられている年度もありますが、実施有無や募集人員は年度により変動するため、最新の募集要項で確認してください。検定料は1校あたり30,500円かかるため、研究課題概要の分量や様式が大学院ごとに異なる点とあわせて、費用と準備の負担を踏まえて併願先を絞り込むことをおすすめします。
まとめ
北海道大学大学院教育学院の外部院試は、教育学専攻という単一の専攻の中に8つの講座と多様な専門分野を持つ教員が在籍しているという構造を理解することが出発点になります。志望する教員の専門分野が、筆記試験・研究課題概要・口述試験のすべてに直結するという選抜方式は、この大学院に固有の特徴です。外国人留学生入試で受験する教育学部以外の出身者は、PSS制度による事前連絡が募集要項上の必須事項となるため、出願期間(例年7月)より2か月ほど早い5月下旬から情報収集を始める必要があります。一般入試で受験する国内の外部出身者も、指導希望教員への事前連絡が公式サイトで推奨されているため、同時期から動き出すと安心です。募集人員・出願資格・語学スコア基準・研究課題概要の様式・試験日程は募集要項に具体的な記載がある一方、志願者数や倍率といった選抜結果の統計は公表されていないため、対策の優先順位は「志望教員の専門分野の理解」と「研究課題概要の完成度」に置くのが現実的です。一般入試・外国人留学生入試は専門筆記と口述試験の2段階、社会人入試は口述試験と書類による総合判定という違いも、準備の配分を考えるうえで見落とせないポイントです。年度ごとに数値や日程は改定されるため、実際に出願する際は必ず該当年度の最新の募集要項を教育学院公式サイトで確認してください。
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