ご質問やお問い合わせはお気軽に
北海道大学大学院 国際広報メディア・観光学院の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院は、メディア・広報・言語コミュニケーションを研究する「国際広報メディア研究コース」と、観光を軸に地域や文化を研究する「観光創造研究コース」の2コースからなる大学院です。外部進学者が挑む院試では、日本語論述試験・英語外部試験・研究計画書に基づく口述試験という3種類の評価を、募集要項に定められた配点で通過する必要があります。本記事では、令和9(2027)年度修士課程前期入試の学生募集要項と、学院が公式サイトで公開している過去入試問題、出願状況データをもとに、出願資格から試験科目、研究計画書の書き方、日程、倍率、面接対策までを整理します。
国際広報メディア・観光学院とは―研究科・専攻の概要と外部院試
国際広報メディア・観光学院は、北海道大学大学院に置かれた独立研究科型の大学院で、専攻名は「国際広報メディア・観光学専攻」です。学院の公式資料では、教育目的として高度化・多言語化した情報メディア環境とグローバル化・多文化化が進んだ社会状況のもとで複雑化する問題群を解決できる「観光メディア人材」の育成を掲げています。具体的には、メディア対応力(公共・組織・言語コミュニケーションのあり方を考案する力)、地域経営力(観光を通して国際的な観点から地域創生に貢献する力)、そして両者を融合する力の3点を養成することが目的として明記されています。
まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?
スプリング・オンライン家庭教師のプロ講師が、現在の学力・志望校・残り期間に合わせて、必要な対策を個別に整理します。
- 大学院入試のプロ講師が最適な受験戦略を提案
- 今後の大学院入試の勝ち筋が見える。
- 志望校が決まっていなくてもOK
\ 合格がグッと近づく/
(費用は一切かかりません)
アドミッション・ポリシーでは、観光とメディアに関する基礎的な知識に基づいて現代の地域社会・国際社会が抱える課題を正しく認識し、その解決に立ち向かう意欲を持った学生を求めるとされています。社会人学生、外国人留学生等、多様な入学者を積極的に受け入れると明記されている点も特徴で、実際に後述する出願状況データでも、志願者・入学者のうち社会人区分と外国人留学生区分が相当の割合を占めています。外部から受験する場合、この「多様な入学者を歓迎する」という方針そのものが、研究計画書や口述試験でどう自分の経歴を語るかのヒントになります。
学院には2つの研究コースがあり、募集要項上は同じ「国際広報メディア・観光学専攻」の中で選抜されますが、出題される日本語論述試験の問題も、想定される研究テーマの方向性も異なります。以下に、公式サイトで説明されている各コースの特徴を整理します。
| コース | 研究領域の特徴 |
|---|---|
| 国際広報メディア研究コース | 国際広報専門科目、公共ジャーナリズム専門科目、言語コミュニケーション専門科目、メディア文化専門科目などを核とし、観光創造研究コースとの共通科目として広報論・メディア論・文化論・哲学・ジャーナリズム論・言語論・政治学にまたがる学際的な科目を置く |
| 観光創造研究コース | 「観光」を哲学・実践・共創の3つの側面から捉え、持続可能な世界の成長と平和に貢献する研究領域の構築をめざす。「観光文化」「交流共創」「観光地域経営」「国際観光開発」の4つの専門領域を置き、社会学・人類学・地理学・文化研究・地域研究・経営学・歴史学・メディア研究など複数分野にまたがる授業を展開する |
外部進学者にとって重要なのは、自分の学部での学びや職務経験を、どちらのコースの専門領域に接続できるかを早い段階で言語化しておくことです。国際広報メディア研究コースは語学教育・ジャーナリズム・広報戦略・メディア文化に近い関心を持つ人に、観光創造研究コースは観光政策・地域振興・文化交流・持続可能な観光に近い関心を持つ人に、それぞれ親和性の高い設計になっています。ただし学部段階での専攻名が完全に一致している必要はなく、募集要項上も「学士の学位を有する、または同等の学力があると認められる者」であれば出願資格を満たします。
学院のキャンパスは札幌市北区北17条西8丁目にあり、入学後は指導教員制度のもとで研究テーマに近い教員が個別に指導を担当する体制が敷かれています。教育内容の面では、シラバス・時間割、カリキュラムマップ(教育課程表)、海外留学制度、履修証明プログラム(デスティネーション・マネージャー育成プログラム)などが公式サイトの「教育」カテゴリで公開されており、出願前にどのような科目が開講されているかを具体的に確認できます。外部進学者は在学生と異なり学内の口コミにアクセスしにくいぶん、こうした公開情報を能動的に読み込んでおくことが、研究計画書の説得力にもつながります。
教員・研究テーマの調べ方
志望テーマに近い指導教員を把握したい場合は、公式サイトの「教員プロフィール」ページから専門分野別に検索する方法が確実です。国際広報メディア研究コースでは公共ジャーナリズム論・国際広報論・メディア文化論といった分野を担当する教員が、観光創造研究コースでは観光文化論・観光地域経営論・国際観光開発論・交流共創論といった分野を担当する教員が、それぞれアルファベット順または五十音順で一覧化されています。あわせてシラバス・時間割のPDFを確認すると、各教員がどの授業科目を担当し、どのような内容を扱っているかまで具体的に把握できます。研究計画書の「これまでの活動との関連」や「志望先で学ぶ理由」を書く際は、こうした一次情報に基づいて教員名や科目名を挙げられると、抽象的な志望動機との差が明確になります。
実施研究科・募集人員・出願資格
ここでは、令和9(2027)年度修士課程(博士前期課程)前期入試の学生募集要項に基づいて、募集人員と出願資格を整理します。北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院は、修士課程については一般入試・社会人入試・外国人留学生入試の3区分で選抜を行っており、いずれの区分も同じ専攻・コースを対象としています。
| 専攻・コース | 募集人員(前期・後期合計) |
|---|---|
| 国際広報メディア・観光学専攻(国際広報メディア研究コース・観光創造研究コース) | 47名(一般入試・社会人入試・外国人留学生入試を含む合計) |
募集要項には、コースごとの内訳定員は明記されておらず、47名という数字は前期入試・後期入試の合計かつ全区分合算の数字である点に注意が必要です。実際の入学者数がコースごとにどう配分されるかは、後述する出願状況データからおおよその傾向を読み取ることになります。
出願資格の3区分
出願資格は区分ごとに異なります。一般入試の出願資格は、日本国内の大学を卒業した者または卒業見込みの者を中心に、学位授与機構からの学士授与者、外国で16年の学校教育課程を修了した者など全10号にわたって規定されています。社会人入試は、この一般入試の出願資格に加えて出願の時点で2年以上の社会経験(研究生・大学院学生としての期間は含まない)を有することが条件になります。外国人留学生入試は、一般入試と同様の学歴要件に加えて、日本以外の国籍を有し、かつ日本以外の高等学校等を卒業した者であることが条件です。
| 入試区分 | 主な出願資格の骨子 |
|---|---|
| 一般入試 | 大学卒業(見込)者、学位授与機構からの学士授与者、外国で16年の学校教育を修了した者など全10号のいずれかに該当 |
| 社会人入試 | 一般入試の資格に加え、出願時点で2年以上の社会経験を有する者 |
| 外国人留学生入試 | 一般入試の資格に加え、日本以外の国籍を有し、日本以外の高等学校等を卒業した者 |
外国人留学生入試の募集要項は日本語と英語の両方で併記されており、個人情報の取扱いについてもEU一般データ保護規則(GDPR)への言及がある点が特徴です。出願者が求めれば個人情報の開示・訂正・消去等を求められる旨や、EEA(欧州経済領域)域内から出願した者が学院の取扱いに不服がある場合の申立先まで明記されており、留学生を含めた多様な出願者を想定した運用体制がとられていることがうかがえます。
大学に3年以上在学した者(いわゆる飛び級的出願、資格9号)や、大学卒業者と同等以上の学力があると学院が個別に認めた者(資格10号)に該当する場合は、出願書類の提出期間より前に出願資格事前審査を受ける必要があります。令和9年度前期入試の場合、事前審査のインターネット出願登録と書類提出はいずれも2026年6月1日から6月5日までの期間に設定されており、審査結果が出るまでは検定料を納付しないよう注意書きがあります。通常の大学卒業(見込)者であれば、この事前審査は不要です。
実際の外部受験者の大半は、資格1号(日本国内の大学を卒業した者、または卒業見込みの者)に該当する形で出願していると考えられます。高等専門学校・短期大学・専門学校の卒業者や、外国の大学出身者は個別の出願資格の号数を慎重に確認する必要があり、自己判断で進めず、不明な点があれば早い段階でメディア・観光学事務部の教務担当に問い合わせておくことをおすすめします。
英語外部試験のスコア要件
この学院の修士課程入試では、英語は独自の筆記試験ではなく外部試験のスコアシート提出によって評価されます。募集要項が指定するのは、TOEFL iBT(Home Editionを含む)、TOEFL ITP、TOEIC L&R公開テストの3種類のみで、これ以外のスコアシートは無効とされています。受験時期にも条件があり、令和9年度前期入試では令和6(2024)年7月1日以降に受験したスコアが対象です。
提出書類として認められるのは原本のみで、コピーは不可とされています。TOEFL iBTはETSから受験者宛に送付されるExaminee Score Report、TOEFL ITPは個人用スコアカードの原本、TOEICはOfficial Score Certificate(ただしデジタル公式認定証の印刷は可)が必要です。募集要項には「本学院ではTOEFL iBTのMyBest scoresは活用しない」という記載があり、複数回受験のベストスコア合算を前提とした学習計画は成立しません。単発の受験でどのスコアを提出するかを、実施回ごとに判断する必要があります。英語外部試験の得点は本学院が定めた換算表に基づいて50点満点に換算され、期日までにスコアを提出できない場合は出願そのものが受理されません。なお、学院はTOEFLのスコアシート受付機関・団体登録を行っていないため、ETSから学院へスコアを直接送付する仕組みは利用できず、原則としてスコアシートは志願者本人が出願書類とあわせて提出する必要があります(2026年1月21日以降受験分のTOEFL iBTのみ、ETSアカウント上での送付手続きにより直送が可能です)。
大学院入試のTOEICスコアは何点必要か、研究科別の目安を解説した記事もあわせて確認しておくと、外部試験対策の優先順位をつけやすくなります。
出願書類一式と検定料
出願書類は、入学願書・履歴書・受験票のほか、入学願書用写真、英語外部試験スコアシート、卒業(見込)証明書、成績証明書、研究計画書、活動レポート、外国籍者はパスポートまたは在留カードの写しといった構成です。証明書類はいずれもコピー不可で原本の提出が必須とされ、フリクションペンなど「こすると消えるペン」の使用も禁止されています。証明書の原本が日本語・英語以外の言語で書かれている場合は、自国の公的機関が証明した和訳または英訳の添付が求められます。
| 出願書類 | 備考 |
|---|---|
| 入学願書・履歴書・受験票 | インターネット出願サイトからダウンロードしたPDFをA4判にカラー印刷 |
| 入学願書用写真 | 出願前3か月以内撮影・正面上半身無帽、サイズ1MB以上3MB以下でアップロード |
| 英語外部試験スコアシート | 令和6年7月1日以降受験のTOEFL iBT/TOEFL ITP/TOEIC L&Rいずれかの原本 |
| 卒業(見込)証明書 | 出身大学長または学部長発行のもの |
| 成績証明書 | 編入学者は編入前の全大学等の証明書もあわせて提出 |
| 研究計画書 | 日本語2,500〜3,000字、参考文献含め2枚以内 |
| 活動レポート | A4判またはLetter Size1枚 |
| 外国籍を証明する書類 | パスポートまたは在留カードの写し(外国籍の者のみ) |
検定料は30,000円および決済手数料500円ですが、国費外国人留学生、CSC(中国国家留学基金管理委員会)奨学金採用予定者、北海道大学総長奨励金留学生は納付が不要とされています。該当する志願者は、検定料を支払わずにメディア・観光学事務部の教務担当宛にメールで出願登録完了の旨を連絡する運用です。また、中華人民共和国(台湾・香港・マカオを除く)の大学を卒業または卒業見込みの者は、卒業(見込)証明書に加えて中国教育部の認証システムから取得したオンライン認証報告書の提出が求められる点も、募集要項に明記されています。
出願書類の提出先は、いずれの区分も〒060-0817札幌市北区北17条西8丁目の北海道大学メディア・観光学事務部(教務担当)です。郵送する場合は封筒表面に「大学院入学願書在中」と朱書きし、書留郵便等の追跡可能な方法で送付することが指定されており、普通郵便での送付は想定されていません。窓口への持参も可能で、受付時間は8時30分から12時15分、13時から17時までとされています。
試験科目―日本語論述試験・英語外部試験・口述試験
募集要項の「入学者選抜の基本方針」には、修士課程の選抜が3つの評価軸で構成されることが明記されています。英語外部試験の成績によってグローバル化した環境で研究活動を遂行するために必要なコミュニケーション力を、日本語論述試験によって観光やメディア・コミュニケーション等に関する諸課題を考察するために必要な知識・思考力・表現力を、そして提出された研究計画書および活動レポートに基づいた口述試験によって専門的研究課題について考察するために必要な知識・思考力・表現力・協働して学ぶ態度を、それぞれ評価する設計です。
二段階選抜の流れ
選抜方法は、書類審査による第一次選考と、筆答試験・口述試験・英語外部試験スコアによる第二次選考の二段階です。第一次選考は研究計画書および活動レポート等の提出書類による書類審査で、結果はメールで通知されます。令和9年度前期入試では、第一次選考合格者に対して2026年7月28日(火)にメールで受験票が送付される予定です。第二次選考は英語外部試験スコアシートおよび筆答試験・口述試験の結果により審査され、筆答試験と口述試験の両方を受験しなければ入学試験を辞退したものとみなされるという規定があります。つまり、書類選考を突破した段階で気を緩めず、2日間の試験を最後まで受け切ることが前提になっています。
この二段階選抜の構造は、外部受験者の準備の順序にも影響します。出願書類提出の締切(2026年6月25日)の時点で研究計画書・活動レポート・英語外部試験スコアがすべて揃っていなければ、日本語論述試験や口述試験の対策を始める以前に出願自体が成立しないため、書類まわりの準備を試験勉強より優先して前倒しで進める必要があります。第一次選考の結果通知(7月28日予定)から筆答試験(8月18日)までは3週間ほどしかなく、この期間で日本語論述試験の演習と口述試験の想定問答づくりを並行して行うことになります。
日本語論述試験(小論文)
筆答試験は日本語論述試験(小論文)で、試験時間は10時から12時までの2時間です。配点は入試区分によって異なり、一般入試・外国人留学生入試は150点、社会人入試は100点です。出題は、志願者のこれまでの学業による専門知識を用いて、各コースにおける専門領域の諸問題について考えさせる形式とされています。日本語辞書(国語辞典、日中・中日辞典、英和・和英辞典など)の持ち込みは可能ですが、百科事典のような「事典」は対象外で、電子辞書の持ち込みは不可です。辞書への不適切な書き込みは不正行為とみなされる場合があるという注意書きもあります。
口述試験(面接)
口述試験は面接形式で、一般入試・外国人留学生入試は100点、社会人入試は150点という配点です。試験内容は、研究計画書を中心に活動レポートとあわせて口頭発表を行い、その後質疑応答を行う形式です。社会人入試のほうが口述試験の配点比率が高い設計になっている点は、社会経験をどう研究テーマに接続して語れるかが社会人受験者の合否によりダイレクトに影響することを示唆しています。試験時間の詳細は第一次選考合格者に別途通知される運用です。
| 試験科目 | 一般入試・外国人留学生入試 | 社会人入試 |
|---|---|---|
| 英語外部試験 | 50点 | 50点 |
| 日本語論述試験(筆答) | 150点 | 100点 |
| 口述試験(面接) | 100点 | 150点 |
| 合計 | 300点 | 300点 |
合計点はいずれの区分も300点満点ですが、日本語論述と口述試験の配点バランスが一般・留学生と社会人とで入れ替わる構造になっている点は、出願区分を選ぶ際にも意識しておきたいポイントです。学業からの連続性を筆記で示しやすい現役性の高い受験者は日本語論述の配点が厚い一般区分、実務経験を口頭でしっかり語れる受験者は口述の配点が厚い社会人区分という向き不向きが、点数配分にも表れています。
研究計画書・活動レポート・研究室訪問
この学院の院試では、研究計画書と活動レポートが第一次選考(書類審査)の合否を左右し、さらに第二次選考の口述試験もこの2つの書類を中心に進行します。出願書類の中でもっとも配点への影響が大きい書類と位置づけて準備することが妥当です。
研究計画書の形式要件
研究計画書は、A4判またはLetter Sizeの用紙に、表題を研究題目名とし、研究課題の背景・目的・内容・特色・期待される成果・これまでの活動との関連・準備などを日本語で記述します。字数は2,500字以上3,000字以内で、参考文献を含めて2枚以内にまとめる必要があります。参考文献は字数にはカウントされませんが枚数にはカウントされ、図表内の文字は字数に含まれます。本文のフォントサイズは9ポイント以上、表題および参考文献を除いた字数を参考文献の直前の行の最後にカッコ書きで記入するという細かい指定もあります。
提出形式にも注意点が複数あります。テキストデータを保持した状態でPDF化すること、片面印刷でクリップ留めすること(両面印刷・2アップ印刷は不可)、そしてChatGPT等の生成系AIの使用は不可で、使用が発覚した場合は失格になる旨が明記されています。字数・枚数の制限および字数記入の指示を守らない場合も失格の対象になり得るとされており、体裁面での取りこぼしがそのまま失格につながるリスクがある書類だと理解しておく必要があります。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| 字数 | 2,500字以上3,000字以内(参考文献は字数に含まない) |
| 枚数 | 参考文献を含め2枚以内 |
| フォント | 9ポイント以上 |
| 印刷 | 片面印刷、クリップ留め(両面・2アップ不可) |
| 生成AI | ChatGPT等の使用不可(発覚時は失格) |
| 記載内容 | 研究題目、背景、目的、内容、特色、期待される成果、これまでの活動との関連、準備など |
研究計画書の書き出し例と最初の一文で評価を落とさないための考え方をまとめた記事も参考にしながら、2,500字という限られた分量の中で、なぜこの学院の研究環境でなければならないのかを具体的に書き込んでいくとよいでしょう。
記載項目ごとの書き方のポイント
募集要項が挙げる記載項目は、研究課題の背景・目的・内容・特色・期待される成果・これまでの活動との関連・準備の7つです。背景と目的は切り分けて書くことが基本で、背景では社会的・学術的にその課題がなぜ重要かを示し、目的ではその課題に対して自分が何を明らかにしたいのかを一文で言い切る構成にすると、読み手が主張を追いやすくなります。内容と方法の記述では、文献研究・調査・インタビュー・データ分析など、どの手段で研究を進めるのかを具体的な固有名詞つきで書くことが、抽象的な志望動機との違いを生みます。
特色の項目では、先行研究との違いをどこに置くかを明確にする必要があります。これまでの活動との関連では、学部の卒業論文・ゼミでの学び・職務経験のいずれであっても、研究計画の問題意識にどうつながっているかを具体的なエピソードとともに示すと説得力が増します。準備の項目は、入学までに何を読み込み、どのような調査を進めておくつもりかを書く欄で、口述試験で「なぜこの研究テーマなのか」と問われた際の回答の土台にもなります。
活動レポートの内容
研究計画書とあわせて提出する活動レポートは、A4判またはLetter Sizeの用紙1枚に日本語でまとめる書類です。テーマは入試区分によって異なり、一般入試・外国人留学生入試は「学生時代に何に力を注ぎ、何を学んだか」(卒業研究・ゼミ、社会活動、クラブ活動などが例示されています)、社会人入試は「社会人として何に力を注ぎ、何を学んだか」です。片面印刷が指定されており、枚数の指示を守らない場合は失格の対象になり得ます。口述試験は研究計画書と活動レポートの両方を土台に進行するため、2つの書類で語る経験や問題意識に矛盾がないかを提出前に確認しておくことが望まれます。
研究室訪問・指導教員への事前連絡について
令和9年度修士課程前期入試の募集要項には、出願前の研究室訪問や指導教員への事前連絡を必須とする記載は見当たりません。出願書類として研究計画書の提出は必須ですが、特定教員の受け入れ内諾や訪問実績を証明する書類は求められていません。訪問が制度上の必須要件ではないという点は、遠方に住む外部受験者や社会人受験者にとっては安心材料になります。
とはいえ、口述試験では研究計画書の内容について踏み込んだ質疑応答が行われる設計になっているため、志望する研究テーマに近い教員がどの分野を担当しているかを、学院の教員プロフィールページやシラバス・時間割で事前に確認しておくことは実務上有効です。指導を希望する教員に個別に連絡を取りたい場合の可否や手順は、公式サイトの入試に関するお問い合わせ窓口(メディア・観光学事務部教務担当)に確認するのが確実です。連絡文面の一般的な作法に不安がある場合は、他大学院向けのメール例文集なども参考にしながら、丁寧かつ簡潔な文面を心がけるとよいでしょう。
まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?
スプリング・オンライン家庭教師のプロ講師が、現在の学力・志望校・残り期間に合わせて、必要な対策を個別に整理します。
- 大学院入試のプロ講師が最適な受験戦略を提案
- 今後の大学院入試の勝ち筋が見える。
- 志望校が決まっていなくてもOK
\ 合格がグッと近づく/
(費用は一切かかりません)
出願から入学までのスケジュール
令和9(2027)年度修士課程前期入試(2027年4月入学)のスケジュールは、公式の学生募集要項において以下のとおり定められています。出願は複数の手続きを段階的に完了させる必要がある点に注意してください。
| 手続き | 期間・日時 |
|---|---|
| 出願資格事前審査(該当者のみ) | 2026年6月1日(月)10時〜6月5日(金)17時 |
| インターネット出願登録・出願書類PDF送付・検定料納付 | 2026年6月12日(金)10時〜6月18日(木)17時 |
| 出願書類(原本)の提出 | 2026年6月15日(月)〜6月25日(木)(土日祝日を除く、郵送は必着) |
| 筆答試験(日本語論述試験) | 2026年8月18日(火)10:00〜12:00 |
| 口述試験(面接) | 2026年8月19日(水) |
| 合格者発表 | 2026年8月28日(金)16時(予定) |
| 入学手続き | 2027年3月上旬頃(予定) |
試験会場はいずれも札幌市北区北17条西8丁目の北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院です。出願はインターネット出願サイトへの登録・検定料の納付・出願書類の提出という3段階を、それぞれの期間内に全て完了させる必要があり、いずれか一つでも欠けると出願は受け付けられません。検定料は30,000円および決済手数料500円で、支払い方法はクレジットカード・ネットバンキング・コンビニエンスストア・ペイジー対応銀行ATM・中国銀聯ネット決済から選択できます(郵便局・銀行窓口での支払いは不可)。
後期入試の位置づけ
この学院の修士課程には前期入試(8月実施)と後期入試(2月実施)の2回の選抜機会があります。ただし、2027年4月入学を対象とする後期入試は、2025年11月6日〜11月13日のインターネット出願登録・書類提出、2025年11月25日〜12月5日の出願書類提出を経て、2026年2月10日・11日に試験が実施済みで、本記事執筆時点ではすでに終了しています。前期・後期の名称にかかわらず、直近の2027年4月入学者向けの選抜としては、本記事で解説している前期入試が最後のチャンスになります。次のサイクル(2028年4月入学)を狙う場合は、2026年秋頃に案内される後期入試の募集要項を確認するとよいでしょう。
入学料・授業料・奨学金
入学料は282,000円、授業料は年額535,800円(前期267,900円・後期267,900円に分けて納付)です。募集要項には在学中に学生納付金の改定が行われた場合は改定時から新たな金額が適用されるという注記があり、入学時点の金額が卒業まで固定されるとは限りません。学院独自の給付型奨学金制度もあり、修士課程合格者のうち試験成績が極めて優秀で入学を確約する者に対して、入学料に相当する金額(予定額282,000円)または入学料の半額に相当する金額(予定額141,000円)が一括支給されます。候補者には合格通知の際にその旨が通知される仕組みです。
職業等の事情で修学時間が制限される受験者向けには、長期履修学生制度も用意されています。標準修業年限(修士課程2年)を超えて3年から4年までの範囲で計画的に履修することが認められる制度で、官公庁・企業等に在職している者やフルタイムの職業に就いている者、育児・介護等の負担がある者などが申請できます。申請には長期履修申請書・長期履修計画書・在職証明書等の添付が必要で、可否は9月上旬に通知されます。認められた期間の授業料は標準修業年限分の総額を履修期間の年数で割った額に調整され、在学期間の短縮・延長も在学中に1回に限り申請できます。社会人として働きながらの進学を検討している場合は、出願前にメディア・観光学事務部の教務担当に問い合わせておくとよいとされています。
準備の逆算スケジュールの目安
令和9年度前期入試の日程から逆算すると、出願書類の提出締切(2026年6月25日)までに研究計画書・活動レポート・英語外部試験スコアを揃え終えている必要があります。英語外部試験は結果が出るまでに一定の期間がかかるため、出願直前に初めて受験するのではなく、逆算して余裕を持ったスケジュールを組むことが現実的です。以下は、令和9年度前期入試の日程をもとに本記事が独自に整理した準備の目安であり、学院が公式に指定するスケジュールではない点にご留意ください。
| 時期の目安 | 取り組む内容 |
|---|---|
| 出願の半年〜1年前 | 募集要項・過去問・教員プロフィール・シラバスを確認し、志望コースと研究テーマの方向性を固める |
| 出願の4〜6か月前 | TOEFL iBT・TOEFL ITP・TOEIC L&Rのいずれかを受験し、期日内に提出できるスコアを確保する |
| 出願の2〜3か月前 | 研究計画書の初稿を作成し、字数・体裁要件(2,500〜3,000字、2枚以内、9pt以上)を満たす形に整える |
| 出願の1〜2か月前 | 活動レポートを作成し、研究計画書との一貫性を確認する。過去問を年度別に解いて出題形式に慣れる |
| 出願直前 | 出願書類一式をPDFにまとめて送付し、原本をカラー印刷して郵送または持参で提出する |
| 試験直前 | 研究計画書・活動レポートの内容を口頭で説明する練習を行い、日本語論述試験の過去問演習を継続する |
倍率・難易度をどう考えるか
学院は公式サイトで「国際広報メディア・観光学院学生受入れ状況」という出願状況データを公開しています。これは前期・後期入試それぞれの志願者数・受験者数・合格者数・入学者数を、一般・社会人・留学生の区分別に集計した資料です。令和4(R4)年度から令和8(R8)年度までの修士課程(学院全体)の集計は、次のとおりです。
| 年度 | 志願者(前後期計) | 合格者(前後期計) | 入学者(前後期計) | 公表倍率(志願者÷定員47名) | 入学定員充足率 |
|---|---|---|---|---|---|
| R4 | 221名 | 58名 | 54名 | 4.70倍 | 114.9% |
| R5 | 202名 | 55名 | 46名 | 4.30倍 | 97.9% |
| R6 | 189名 | 54名 | 46名 | 4.02倍 | 97.9% |
| R7 | 188名 | 55名 | 50名 | 4.00倍 | 106.4% |
| R8 | 165名 | 53名 | 47名 | 3.51倍 | 100.0% |
学院が公表する倍率は志願者数を募集定員47名で割った数値で、いわば「定員に対する志願倍率」です。R4からR8にかけて志願者数・公表倍率はゆるやかな減少傾向にある一方、入学定員充足率はおおむね100%前後で安定しており、定員近くまで入学者を確保できている状況が読み取れます。
実際の選考の厳しさをより実感しやすい指標として、志願者数を合格者数で割った値(志願者÷合格者)を公式データから計算すると、R4は約3.81倍、R5は約3.67倍、R6は約3.50倍、R7は約3.42倍、R8は約3.11倍となります。この数値は本記事が公式の出願状況データをもとに独自に算出したものであり、学院が公式倍率として発表している数値ではない点に注意してください。あくまで参考値として、選考全体を通じた出願者と合格者の比率の推移を把握する目的で示しています。
コース別の内訳(R8年度)
令和8年度の出願状況データからコース別の内訳を見ると、国際広報メディア研究コースは前期入試で志願51名・受験31名・合格18名・入学16名、後期入試で志願53名・受験31名・合格17名・入学13名でした。観光創造研究コースは前期入試で志願28名・受験19名・合格9名・入学9名、後期入試で志願33名・受験16名・合格9名・入学9名でした。国際広報メディア研究コースのほうが志願者数・合格者数ともに多い傾向が続いており、これは学院全体の入学定員のうち同コースが相対的に大きな割合を占めていることを示唆しています。
なお、R8年度の前期入試だけ志願者数と受験者数に大きな差が生じている点(国際広報メディア研究コースで志願51名に対し受験31名など)は、公式データからは詳細な要因までは分かりません。第一次選考(書類審査)による絞り込みの結果である可能性のほか、英語外部試験スコアの提出期限に間に合わなかった志願者が出願未受理となった可能性も考えられますが、断定はできません。正確な理由を知りたい場合は、学院の入試担当窓口に直接確認することをおすすめします。
R6・R7年度もあわせてコース別の推移(前後期合計)を見ると、国際広報メディア研究コースはR6が志願127名・合格36名・入学28名、R7が志願123名・合格38名・入学33名でした。観光創造研究コースはR6が志願62名・合格18名・入学18名、R7が志願65名・合格17名・入学17名でした。両コースとも年度によって志願者数に変動はあるものの、入学者数は比較的安定して推移している点が読み取れます。
入学定員充足率は、入学者数を募集定員47名で割った数値です。R5・R6は97.9%とやや定員を下回った一方、R4・R7・R8は100%を超えるか達成しており、年度によって定員の埋まり方に多少の波があることが分かります。充足率が100%を超えている年度が複数あることは、追加合格や合格者の入学率(歩留まり)が比較的高いことを示唆しますが、これも公式データから読み取れる範囲の解釈にとどまります。
難易度を左右する要素
この学院の難易度は、偏差値のような単一の指標では測れません。募集人員が47名(前後期・全区分合算)という中規模の枠に対して、社会人・外国人留学生を含む多様な背景の受験者が志願する構造のため、同じ年度・同じコースでも一般入試と社会人入試とでは実質的な競争環境が異なる可能性があります。書類選考(第一次選考)の通過難易度、日本語論述試験で問われる思考力・表現力の水準、口述試験で研究計画の一貫性をどこまで厳しく問われるかという3つの要素が組み合わさって、体感難易度を形づくっています。
学院のアドミッション・ポリシーが掲げる「メディア対応力」「地域経営力」「両者を融合する力」という3つの評価軸は、口述試験でも実質的な物差しとして機能していると考えられます。研究計画書に書いた内容が3つの力のどれに紐づくかを自分で言語化できているかは、日本語論述試験の得点だけでは測れない部分であり、書類選考通過後の口述試験対策として意識しておく価値があります。特に社会人入試のように口述試験の配点が150点と高い区分では、この3軸のうちどれを自分の強みとして押し出すかが、答案全体の一貫性を左右します。
過去問分析と出題予測・口述試験対策
この学院は、日本語論述試験の過去問題を公式サイトの「過去入試問題(修士課程)」ページで公開しています。平成17年度から令和8年度まで、前期・後期・コース別に区分されたPDFが閲覧・ダウンロードできる状態で公開されており、外部受験者にとっては出題傾向を確認できる貴重な一次情報です。かつては外国語(英語)の独自問題も一部年度で公開されていましたが、現在は英語が外部試験化されているため、公開されているのは日本語論述試験のみです。
解答形式は共通しており、解答用紙は25字×40行(1000字)が2枚配布され、試験時間は10時から12時までの2時間です。日本語辞書の持ち込みは可能ですが電子辞書は不可という条件も、過去の年度を通じて一貫しています。
国際広報メディア研究コースの出題傾向
国際広報メディア研究コースの日本語論述試験は、4問の中から1問を選択し、1600〜2000字で論述する形式が続いています。近年5回分の出題テーマを整理すると、次のとおりです。
| 年度・時期 | 出題テーマ(4問の要旨) |
|---|---|
| 令和8年度前期 | 動物園の存続とメディアによる代替可能性/AI翻訳・作文支援ツールが言語学習に与える影響/報道におけるジャーナリスト自身の当事者性/テレワークと組織への帰属意識 |
| 令和8年度後期 | 生成AIが画家・アニメ作家の作風を学習して制作する作品と本人の創作の違い/絵文字や当て字などテキスト特有の言葉遣いが言語学習に与える影響/ニュース・ドキュメンタリーにおける公平性の実現方法/オーバーツーリズムの功罪と解決策 |
| 令和7年度前期 | 移動手段の違いがもたらす経験や体験とメディア論的な意味/市民性を育む言語教育のあり方/雑誌の廃刊とインターネット・SNSの役割/外国人観光客向けの二重価格設定 |
| 令和7年度後期 | SNSとステレオタイプの流布/インフルエンサーマーケティングと大量消費/紙媒体とインターネット・SNSにおける旅行情報の違い/翻訳アプリが異文化コミュニケーションに与える影響 |
| 令和6年度前期 | 国際スポーツイベントにおける市民ボランティア通訳の是非/SNSインフルエンサーマーケティングとテレビCMの比較/作品のジャンルが成立する条件と作り手・受け手の関係/一般市民によるオープンソース調査(OSINT的手法)の利点と問題点 |
過去5回分の出題を通覧すると、生成AI・SNS・インフルエンサーマーケティングといった情報メディア環境の変化を題材にした問題と、ジャーナリズムの公平性・当事者性、言語教育、観光との接点(二重価格設定、オーバーツーリズム)を題材にした問題が、毎回バランスよく織り交ぜられている傾向がうかがえます。特定の年度に必ず出るテーマを予測することは困難ですが、時事的なメディア環境の変化について自分なりの論点整理を普段から行っておくことが、当日の答案の質に直結すると考えられます。
観光創造研究コースの出題傾向
観光創造研究コースは国際広報メディア研究コースと異なり、選択制ではなく1問のみが出題され、1600〜2000字で論述する形式です。近年5回分のテーマは次のとおりです。
| 年度・時期 | 出題テーマ |
|---|---|
| 令和8年度前期 | 観光とメディアの不可分な関係、事前の情報取得がゲスト・ホストにもたらすネガティブな影響 |
| 令和8年度後期 | 観光をめぐる課題解決のためのAI活用のメリットとデメリット |
| 令和7年度前期 | 人類の移動や旅が現代人の暮らしや人生における「幸福」に持つ意味 |
| 令和7年度後期 | SDGsの達成目標年である2030年以降、観光がどのように発展するか(持続可能性への配慮) |
| 令和6年度前期 | 誰一人取り残さない旅行の実現に向けた社会的少数者への配慮と受入態勢の整備 |
観光創造研究コースの出題は、SDGs、持続可能性、多様性への配慮といった観光政策上の重要トピックが繰り返し扱われており、特定の観光地の知識よりも、観光を取り巻く社会的課題を論理的に構造化する力が求められている印象です。過去問を年度ごとに並べて出題単元を分解し、頻出する切り口(メディアとの関係、AI活用、持続可能性、多様性)を自分の関心分野と結びつけて準備しておくと、初見の題材が出題された場合にも対応しやすくなります。
なお、公式サイトで公開されている過去問を遡ると、平成27・28年度など一部の年度では「外国語A問題」という英語の独自問題も別途公開されていました。現行の令和9年度前期入試では英語が外部試験化されているため、この形式の独自英語問題はすでに実施されていません。過去問を参照する際は、年度によって試験制度そのものが異なる場合がある点に注意し、直近5年程度の日本語論述試験を中心に確認するのが実践的です。
募集要項から見た出題予測
過去問の傾向に加えて、募集要項が明記する評価軸からも出題の方向性はある程度推測できます。日本語論述試験は「観光やメディア・コミュニケーション等に関する諸課題を考察するために必要な知識・思考力・表現力」を測るとされているため、特定の学説や年号の暗記よりも、時事的な事象を学術的な概念で捉え直す力が問われる設計だと読み取れます。国際広報メディア研究コースが4問から1問を選ぶ選択制である一方、観光創造研究コースが1問のみの固定制である違いも、後者のほうがコース全体で問う論点の幅をあらかじめ絞り込んでいることの表れと考えられます。この整理は本記事が募集要項と過去問の傾向から独自に行った出題予測であり、学院が公式に発表しているものではありません。準備としては、生成AI・SNSといった情報メディア環境の変化と、持続可能性・多様性という観光政策上の重要トピックを、それぞれ100〜200字程度で説明できるようにしておくと、初見のテーマが出題された場合にも論点を援用しやすくなります。
解答用紙2枚(2000字分)の使い方
解答用紙は25字×40行の1000字分が2枚配布され、指定字数は1600〜2000字です。2枚とも必ず提出することが解答上の注意に明記されているため、1枚に収めて済ませようとする書き方は想定されていません。一般的な小論文の型として、まず問いに対する結論を提示し、次に鍵となる概念を定義し、続けて具体例や根拠を示し、反対の立場や別の視点を検討したうえで、最後に自分の研究関心や志望コースの学びと接続してまとめる、という構成が、120分・1600〜2000字という条件には合いやすいと考えられます。ただし、これは一般的な論述試験の型に基づく本記事独自の整理であり、学院が公式に推奨する解答構成ではありません。
口述試験(面接)の実際と対策
口述試験は、募集要項に明記されているとおり研究計画書を中心に活動レポートとあわせて口頭発表し、その後質疑応答を行う形式です。単なる志望動機の確認ではなく、研究計画書に書いた研究テーマ・背景・方法・期待される成果について、その場で説明を求められることを前提に準備する必要があります。口頭発表の時間配分と質疑応答への対応力の両方が問われる点は、一般的な面接対策とは異なる準備が必要になる部分です。
準備の優先順位としては、まず研究計画書に書いた内容を、口頭で3分程度・1分程度の両方の長さで説明できるようにしておくことが挙げられます。次に、研究計画書の中で使った専門用語や先行研究について、なぜその概念や研究を参照したのかを自分の言葉で補足できるようにしておくことです。そして、活動レポートで書いた経験(学生時代の活動、または社会人としての経験)と、研究計画書の研究テーマとのつながりを、一貫したストーリーとして語れるようにしておくことが重要になります。大学院入試の面接対策として頻出質問と評価されるポイントをまとめた記事も、質疑応答の型を作る際の参考になります。
併願を考える視点・関連情報
国際広報メディア・観光学院は、メディア研究と観光研究という2つの専門領域を1つの学院に併置している点で、他大学院と比較してもやや特殊な位置づけにあります。併願先を検討する場合は、メディア・広報・ジャーナリズムを専門とする研究科と、観光・地域政策・国際文化を専門とする研究科の両方向から候補を洗い出しておくと、選択肢を狭めすぎずに準備を進められます。
出願区分(一般・社会人・外国人留学生)によって研究計画書や活動レポートのテーマ設定、口述試験での配点バランスが変わる点も踏まえ、併願先の研究科ごとに出願資格や試験科目の配点を横並びで比較しておくことをおすすめします。特に英語外部試験のスコア提出期限は大学院ごとに異なるため、複数の大学院を併願する場合はスコア提出期限が最も早い大学院に合わせて受験計画を立てる必要があります。
この学院は前期入試(8月)と後期入試(2月)という年2回の選抜機会を持つ点も、併願戦略を考えるうえで踏まえておきたい特徴です。前期入試の結果を待たずに他大学院の出願準備を並行して進める受験者もいれば、前期で不合格だった場合に備えて後期入試の情報を早めに集めておく受験者もいます。いずれの進め方を選ぶ場合も、研究計画書の骨子(問題意識・方法・志望先との接続)は使い回しがきくよう、抽象度を一段階上げた形で整理しておくと、複数の出願書類を効率よく仕上げやすくなります。
出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策など、大学院入試全般の準備の進め方を体系的に確認したい場合は、大学院入試対策の完全ガイド(院試の全体像・スケジュール・科目別対策)で全体の流れを押さえたうえで、本記事の内容と照らし合わせるとよいでしょう。研究計画書の完成度や口述試験の想定問答づくりに不安がある場合は、大学院入試対策コースで、現在の準備状況や志望テーマに合わせた個別の対策を相談することもできます。
よくある質問(FAQ)
英語はTOEICとTOEFLのどちらを提出すればよいですか。
募集要項ではTOEFL iBT(Home Edition含む)、TOEFL ITP、TOEIC L&R公開テストの3種類が認められており、優劣の指定はありません。令和6年7月1日以降に受験したスコアの原本であること、期日までに提出できること、そしてMyBest scoresのような合算スコアが使えないことを踏まえ、自分が最も安定した点数を出しやすい試験と受験タイミングを選ぶのが現実的です。
社会人入試の「2年以上の社会経験」はどう判定されますか。
募集要項では、出願の時点で2年以上の社会経験(研究生および大学院学生としての期間は含まない)を有することが条件と定められています。具体的な職種や雇用形態の細かい基準までは公表資料からは確認できないため、該当するか判断に迷う場合は出願前に学院の入試担当窓口に問い合わせることをおすすめします。
過去問は何年分公開されていますか。
公式サイトの「過去入試問題(修士課程)」ページでは、平成17年度から令和8年度までの日本語論述試験問題が、前期・後期・コース別(国際広報メディア研究コース/観光創造研究コース)に分けてPDFで公開されています。かつては外国語の独自問題も一部の年度で公開されていましたが、英語が外部試験化された現在は日本語論述試験のみが対象です。
研究計画書でChatGPTなどの生成AIを使うとどうなりますか。
募集要項には「ChatGPT等の生成系AIの使用は不可。使用が発覚した場合は、失格となります」と明記されています。下書きの構成づくりや文章のチェックであっても、生成AIに研究計画書の文章そのものを作成させることは避ける必要があります。
後期入試は次のチャンスとして残っていますか。
2027年4月入学を対象とする後期入試は、2026年2月10日・11日の試験がすでに終了しています。直近の入学年度を狙う場合、本記事で解説している前期入試(2026年8月試験)が最後の選抜機会です。2028年4月入学を目指す場合は、2026年秋頃に公開される次年度の後期入試募集要項を確認してください。
合格者の試験成績は開示してもらえますか。
本人からの請求に基づき、科目ごとの得点と合計点のランク(S=合格、A〜D=合格者最低点からの点差に応じた区分)が郵便による請求で開示されます。請求できるのは合格者・不合格者本人のみで、請求期間は合格発表の日から1か月以内、指示された科目を1科目でも受験しなかった場合は開示されません。
筆答試験と口述試験のどちらかだけ受けることはできますか。
できません。募集要項には「筆答試験及び口述試験の両方を受験しなければ入学試験を辞退したものとみなします」と明記されています。第一次選考(書類審査)を通過した後は、2日間の日程をどちらも受け切ることが合格の前提条件になっている点を、当日のスケジュール管理に反映させておく必要があります。
出願書類に不備があった場合はどうなりますか。
募集要項の注意事項には「出願書類及びその記載内容に虚偽のあることが判明した場合は、合格(入学後にあっては入学)を取り消すことがあります」と明記されています。英語外部試験スコアの原本を期日までに提出できない場合や、研究計画書の字数・枚数の指示を守らない場合も失格の対象となり得るため、体裁面の要件は試験内容と同じ重みで確認しておく必要があります。
まとめ
北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院の外部院試は、英語外部試験(50点)・日本語論述試験(100点または150点)・口述試験(100点または150点)という300点満点の3本柱で評価される選抜です。第一次選考(書類審査)で研究計画書と活動レポートの内容が問われ、第二次選考の口述試験もこの2書類を土台に進行するという構造を踏まえると、出願書類の完成度そのものが合否を左右する比重は小さくありません。
令和9年度前期入試のスケジュールでは、2026年6月の出願手続きから8月18日・19日の筆答試験・口述試験、8月28日の合格発表という流れが確定しています。過去問は平成17年度分まで公式に公開されており、国際広報メディア研究コースは4問選択制、観光創造研究コースは1問固定という出題形式の違いも含めて、早期の情報収集が準備の質を左右します。
公式の出願状況データからは、志願者数・公表倍率がゆるやかに減少する一方で入学定員充足率はおおむね100%前後を維持していることも読み取れました。倍率の数字だけで難易度を判断せず、書類選考の通過率や口述試験の内容まで含めて準備範囲を考えることが、外部受験者にとって現実的なアプローチです。募集要項に記載のない事項や、年度によって変更される可能性がある数値については、出願前に必ず学院の最新の公式情報で確認してください。
まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?
スプリング・オンライン家庭教師のプロ講師が、現在の学力・志望校・残り期間に合わせて、必要な対策を個別に整理します。
- 大学院入試のプロ講師が最適な受験戦略を提案
- 今後の大学院入試の勝ち筋が見える。
- 志望校が決まっていなくてもOK
\ 合格がグッと近づく/
(費用は一切かかりません)



