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北海道大学大学院 理学院の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

北海道大学大学院 理学院の外部院試を徹底解説の記事アイキャッチ画像。大学院入試対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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北海道大学大学院理学院の外部院試(出身大学と異なる大学院を受験すること)を検討する場合、まず押さえておきたいのは、理学院が数学専攻、物性物理学専攻、宇宙理学専攻、自然史科学専攻という基礎理学に特化した4専攻から成り、専攻ごとに選抜方式や出願条件の運用が大きく異なる大学院だという点です。学部時代に学んだ大学の教育内容だけでなく、理学院が公表する募集要項・専攻構成・研究室情報を志望専攻ごとに独自に読み解く準備が欠かせません。専攻ごとに出願資格・試験科目・過去問の公開状況が大きく異なります。本記事では、北海道大学大学院理学院の公式サイト・募集要項・専攻別ページで確認できる情報をもとに、外部受験生が出願前に押さえておきたい事実を専攻別に整理します。

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目次

北海道大学大学院理学院とは|4専攻体制と外部院試を受ける前に知っておきたいこと

北海道大学大学院理学院は、自然科学の基礎的・純粋理学的な探究を担う大学院で、数学専攻、物性物理学専攻、宇宙理学専攻、自然史科学専攻の4専攻から構成されています。理学部公式の沿革によると、北海道大学理学部は1930年に北海道帝国大学に設置され、1953年に大学院理学研究科が設置されました。1995年には大学院重点化が完了し、2006年4月には理学研究科が教育組織としての「理学院」と研究組織としての「理学研究院」に再編されています。さらに2010年4月には理学研究院が再編され、化学系の専攻が総合化学院へ移行するなど、理学院は他学院との役割分担を進めながら改組を重ねてきました。専攻ごとの名称変更や統合の細かい経緯まではすべてを確認できなかったため、正確な沿革を知りたい場合は理学院公式サイトの「沿革と経緯」ページで確認してください。

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外部受験生が北海道大学大学院理学院を志望する場合、まず押さえておきたいのは、理学部卒業生の進学先が理学院だけではないという点です。理学部は数学科・物理学科・化学科・生物科学科・地球惑星科学科の5学科で構成される一方、大学院では化学系は総合化学院、生命科学系は生命科学院という別の学院に進学する仕組みになっており、理学院に残るのは数学・物性物理学・宇宙理学・自然史科学の4分野です。自然史科学専攻は、地球惑星ダイナミクス講座、地球惑星システム科学講座、地震学火山学講座、多様性生物学講座、科学コミュニケーション講座という性格の異なる5講座で構成されており、地球惑星科学者・分類学者の養成に加え、科学的知見を社会に伝える人材の育成という複数の役割を専攻の中に持っています。

理学院が掲げる教育理念は、自然科学に対する先端的な専門知識と広い視野を持ち、深い洞察から問題の本質を見極める能力を備え、真理の解明や課題解決のために独創的な研究を推進できる人材の育成です。実学志向を前面に出す専門職大学院とは異なり、基礎科学の研究者・高等教育の担い手を育てることに軸足を置きながら、民間企業でのイノベーション創出、地方自治体や教育機関での活躍、科学的知見を社会に発信する力の育成にも触れている点が特徴です。外部受験生が志望理由や研究計画書を書く際は、この基礎理学志向をどう理解しているかが、口述試験での説明の説得力に直結します。

課程の年限は、修士課程が標準2年、博士後期課程が標準3年で、優れた研究業績を上げた場合は短縮修了が認められる制度もあります。理学部の卒業生の多くは大学院へ進学するとされ、進学先は2010年の改組以降、理学院のほか、生命科学系の生命科学院、化学系の総合化学院の主に3つに分かれる仕組みになっています。理学院を外部から受験する場合はこの分岐を踏まえて、自分の研究テーマが理学院のどの専攻・講座に対応するのかを、募集要項や研究室紹介ページで具体的に確認しておく必要があります。

4専攻はいずれも理学の基礎分野を扱いますが、対象とする範囲と入試の運用は専攻ごとに大きく異なります。数学専攻は超平面配置、表現論、微分幾何、特異点論、偏微分方程式、数理物理、カオス、確率論、力学系など、理論的なアプローチから計算機を用いた実験的アプローチまでを幅広く扱い、年間100名を超える研究者を海外から受け入れる国際色の強い専攻です。専攻公式サイトによると、物性物理学専攻は理論物理学・実験物理学・先端機能物質物理学・物質科学の4分野13研究室で構成され、物質・材料研究機構(NIMS)や理化学研究所との連携大学院を通じて、学外の研究室で学ぶ学生も受け入れています。宇宙理学専攻は物理学科・地球科学科・低温科学研究所・情報基盤センターに分散する研究室を横断的に組織し、観測・実験・理論を三位一体で行う教育を掲げています。自然史科学専攻は地球惑星科学分野の講座に加えて、多様性生物学講座、科学コミュニケーション講座を含んでおり、地球惑星科学者、分類学者、自然史科学者、そして科学的知見を社会に伝える人材の養成という、複数の異なる人材像を一つの専攻の中に持っています。

外部受験生にとって重要なのは、専攻名だけで対策範囲を判断しないことです。特に自然史科学専攻は5講座の性格差が大きく、地球惑星ダイナミクス・地球惑星システム科学・地震学火山学の3講座と、多様性生物学講座、科学コミュニケーション講座とでは、出願書類や専門科目の内容が異なる場合があります。志望する研究室が専攻内のどの講座・分野に属しているかを、研究室一覧やスタッフ紹介ページで確認したうえで、募集要項の記載箇所を照合する作業が、外部受験の第一歩になります。

4専攻の研究室構成を具体的に見る

数学専攻が扱う研究テーマをさらに具体的に見ると、超平面配置、表現論、微分幾何、特異点論といった純粋数学の理論研究から、偏微分方程式、数理物理、カオス、確率論、力学系のように現象の背後にある数理構造を解明する研究まで、代数学・幾何学・解析学・応用数理にまたがる研究室が設置されています。専攻公式サイトの案内によると、数学専攻は年間100名を超える海外研究者を受け入れており、セミナーや国際シンポジウムが日常的に開催される国際色の強い専攻です。同サイトでは約10万冊の蔵書と年間約350誌の学術雑誌を備える数学図書室があるとも案内されており、外部受験生が研究計画書や口述試験で自分の関心を説明する際は、こうした研究環境と自分の研究テーマをどう結びつけたいかを具体的に語れると、説得力が増します。

数学専攻には、大学院教育の一環として「資格試験制度」と呼ばれる独自の仕組みがあることも、専攻公式サイトで案内されています。これは、代数学・幾何学・解析学・数理科学にまたがる15の考究科目について、試験に合格することで単位を認定する制度で、修士課程・博士後期課程を通じて専門知識の到達度を確認する役割を担っています。外部受験生にとっては入試そのものの対策範囲ではないものの、入学後にどのような形で専門力を積み上げていく専攻なのかを知る材料になります。専攻公式サイトの案内では、教員・研究室への事前訪問についても独立した案内ページが設けられており、志望する分野(代数系・幾何系・解析系・数理科学系)が固まった段階で、担当教員に直接相談できる窓口が用意されていることがうかがえます。

物性物理学専攻の13研究室は、理論物理学分野の統計物理学研究室・数理物理学研究室、実験物理学分野の固体電子物性研究室・Jマテリアル強相関物性研究室・低次元マテリアル物性研究室・量子機能材料研究室・量子物性物理学研究室、先端機能物質物理学分野、物質科学分野の4分野に分かれています。先端機能物質物理学分野は物質・材料研究機構(NIMS)との連携大学院を通じて学生を受け入れ、物質科学分野は理化学研究所との連携によって学外の研究室で学ぶ学生を受け入れています。ソフトマター、半導体、高温超伝導など扱うテーマは多岐にわたるため、志望する研究室が理論・実験のどちらに軸足を置いているか、連携機関の設備を利用する研究室かどうかを、出願前の段階で整理しておくと、志望理由の具体性が高まります。

宇宙理学専攻は、専攻公式サイトによると2006年度に新たに発足した専攻で、物理学科所属の観測天文学研究室・素粒子宇宙論研究室・原子核理論研究室・理論宇宙物理学研究室に加え、地球科学科所属の惑星宇宙グループ、低温科学研究所所属の宇宙物質科学研究室・相転移ダイナミクス研究室、情報基盤センター所属の情報メディア科学研究室など、複数の部局にまたがる研究室で構成されています。観測・実験・理論を三位一体で行う教育方針のため、同じ専攻内でも研究室ごとに用いる手法(望遠鏡観測、実験室での物性測定、理論計算やシミュレーションなど)が大きく異なり、専門科目の出題範囲や過去問の傾向にもこの違いが反映されやすくなります。志望研究室が専攻内のどの部局・研究グループに属しているかを確認しておくと、専門科目の対策範囲を絞り込みやすくなります。

自然史科学専攻の5講座のうち、地球惑星ダイナミクス講座は気象学・海洋気候学・宇宙測地学・地震学の4研究室、地球惑星システム科学講座は岩石学火山学・地球化学・地球惑星物質学・地球環境史・地球生物圏変動学・ジオテクトニクスの6研究室で構成されています。地震学火山学講座は北海道の活発な地震・火山活動を研究対象とする点が特徴で、多様性生物学講座は系統進化の過程を明らかにして生物群の分類体系を構築することを目標としています。科学コミュニケーション講座は、研究成果を社会に発信し、社会と対話できる人材の育成を担っており、他の4講座とは求められる資質や評価の観点が異なる可能性があります。志望講座によって、出願前に確認すべき研究室情報の粒度も変わってきます。

理学院・理学部には、専攻の枠を越えて利用できる学内共同利用施設も設置されています。極低温液化センター、高分解能核磁気共鳴装置(NMR)研究室のほか、地球惑星固体物質解析システム研究室といった全学共同利用施設があり、これに加えて物性物理学分野では先端物性共用ユニット(APPOU)やソフトマター機器共用ユニット(SMOU)といった、大学のグローバルファシリティセンター(GFC)と連携する共用ユニットも整備されています。研究計画書で実験手法や分析装置に触れる場合、志望研究室が単独で保有する設備なのか、こうした学内共同利用施設を利用する研究なのかを整理しておくと、記述の具体性が高まります。

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実施専攻・募集人員・出願資格|語学スコアの扱いを専攻別に確認する

北海道大学大学院理学院の入試は、年2回を基本とする夏期募集と冬期募集で構成されています。秋期募集が設けられる年度もありますが、夏期募集で十分な数の合格者が出た場合は実施しないと案内されており、実施の有無は年度ごとに異なります。修士課程・博士後期課程はいずれも同じスケジュールで運用され、募集要項自体は理学・生命科学事務部大学院教育担当の窓口配布と、期限付きの郵送請求フォームで入手する方式が取られています。ウェブサイト上で募集要項の全文が常時公開されているわけではないため、外部受験生は早めに請求手続きを行い、冊子体で出願資格や募集人員の詳細を確認する必要があります。

出願資格の区分

出願資格は、入試区分によって内容が分かれます。一般選抜では大学卒業(見込み)者、大学卒業と同等以上の学力があると認められた者という区分が設けられており、これに加えて外国人留学生特別選抜(渡日済みの留学生)という区分も理学院の入試案内に用意されています。外部受験生が高専・短期大学・専門学校出身である場合や、外国の大学を卒業している場合は、理学院が定める出願資格の条件に加えて個別の資格審査が必要になることがあるため、該当する可能性がある方は出願期間よりも前に理学・生命科学事務部大学院教育担当へ問い合わせておくと安全です。

募集人員については、専攻・課程・入試区分ごとの具体的な人数が、本記事執筆時点で理学院公式サイトの一般公開ページからは確認できませんでした。この数値は年度ごとの募集要項(冊子体)に記載される情報のため、志望する専攻・入試区分の募集人員は、必ず最新の募集要項で確認してください。

出願書類・出願方法の考え方

理学院の出願手続きは、募集要項に同梱される入学願書や検定料振込用紙などの書類一式を使って行う方式が案内されており、多くの国立大学大学院と同様に、成績証明書・卒業(見込)証明書・写真・検定料の振込証明といった提出物が想定されます。これらの証明書は発行元の大学や学校で発行までに数日から数週間かかることがあるため、出願期間が公表されてから慌てて依頼するのではなく、募集要項の請求と同時期に、卒業した(在籍する)大学の教務窓口へ発行手続きを確認しておくと安心です。外部受験生の場合、出身大学の証明書発行スケジュールと理学院の出願期間を照らし合わせる作業自体が、対策の一部と考えておくとよいでしょう。

入試区分に応じて、提出書類の追加や様式の違いが生じることもあります。社会人として出願する場合は、職務経歴に関する書類が求められることがあり、外国の大学出身者の場合は卒業証明書・成績証明書の翻訳や、学位に相当する資格の証明が必要になることがあります。自分がどの出願資格区分に該当するかを、入学願書を書き始める前の段階で明確にしておくことが、書類不備による出願トラブルを避ける最も確実な方法です。

出願方法がWeb出願・郵送出願のどちらを基本とするか、また併用が可能かどうかについても、年度・入試区分によって案内が変わる可能性があります。本記事執筆時点で全専攻・全区分に共通する出願方法の詳細までは確認できていないため、募集要項を入手した段階で、出願方法・提出先・必着日を早めに確認しておくことをおすすめします。特に外部受験生が郵送で出願書類を送る場合は、簡易書留や配達記録が残る方法を使い、必着日に間に合うよう余裕を持って発送することが重要です。

理学院を外部受験する場合の状況理学・生命科学事務部への確認ポイント
在学中の大学生・卒業見込み卒業見込証明書、成績証明書、単位の取得状況、志望専攻の出願可能な時期
既卒者(社会人を含む)卒業証明書、成績証明書、職務経歴と志望する専攻・講座との接続
高専・短期大学・専門学校出身者個別の出願資格審査の要否を理学・生命科学事務部へ確認、修業年限、出願可能な年次
外国の大学・学校出身者学位・修了年限の証明、証明書類の翻訳、外国人留学生特別選抜との違い

外国語スコアの扱い(過去の実施例)

語学スコアの扱いは、理学院の外部受験でとりわけ確認漏れが起きやすいポイントです。理学院の修士課程入試では、外国語試験のスコア提出が原則として全専攻の出願者に求められます。理学院公式サイトで確認できた提出書類案内の実施例では、TOEIC公開テストのListening&Reading Testのみ、またはTOEFL-iBT(Home Edition受験を含む)が対象とされ、数学専攻に限りTOEFL-ITPのペーパー版も認められていました。一方でTOEIC-IPやTOEIC-Bridge、数学専攻以外でのTOEFL-ITPは対象外とされています。博士後期課程では、外国語スコアの提出が必須とされるのは自然史科学専攻のみという実施例もあり、専攻・課程によって扱いが異なることがわかります。

専攻・課程過去の実施例で認められた外国語試験備考
修士課程・数学専攻以外の専攻TOEIC公開テスト(L&Rのみ)、TOEFL-iBT(Home Edition可)TOEIC-IP・TOEIC-Bridge・TOEFL-ITPは対象外
修士課程・数学専攻上記に加えTOEFL-ITP(ペーパー版)も可数学専攻のみの例外的な扱い
博士後期課程・自然史科学専攻TOEIC公開テスト(L&Rのみ)、TOEFL-iBT(Home Edition可)博士後期課程で外国語スコア必須なのは同専攻のみという実施例あり
博士後期課程・自然史科学専攻以外実施例では必須の記載なし詳細は最新の募集要項で要確認

これらの取扱いは年度ごとに更新される予告事項であり、令和9年度入試についても英語外部試験の取扱いに関する予告が別途公表されています。受験する年度の正確な条件は必ず最新の予告・募集要項で確認し、スコアの有効期間や提出方法(原本提出が求められる場合があります)についても、出願書類を揃える前にチェックしておく必要があります。

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試験科目|専門科目・外国語・研究計画書・口述試験の専攻別の違い

理学院の試験科目は、多くの大学院入試のように「専門科目筆記+外国語+面接」という一律の形式ではなく、専攻によって選抜方法そのものが異なる点に注意が必要です。外部受験生がまず確認すべきは、志望専攻の入試が筆記試験中心なのか、レポート提出と口頭試問を組み合わせた形式なのかという選抜方式そのものの違いです。

自然史科学専攻(地球惑星科学系の講座)と宇宙理学専攻は、専門科目の筆記試験問題を専攻の公式サイトで年度ごとに公開しており、通常の学力試験に近い形式で専門科目が実施されていることがうかがえます。自然史科学専攻(地球惑星科学系)の公式サイトでは、令和5年度から令和7年度にかけての夏期募集・冬期募集(募集を実施しなかった回を除く)の専門科目問題がPDFで公開されており、外部受験生でも出題形式や科目構成を事前に確認できる状態になっています。宇宙理学専攻も専攻公式サイトで専門科目問題を公開しており、物理学・天文学・惑星科学・地球科学にまたがる出題であることが問題文の構成からも読み取れます。

一方、物性物理学専攻の入試は、専攻公式サイトの案内で「入学試験はレポートと口頭試問」と明記されている実施例があり、他大学に多い数科目の筆記試験とは異なる選抜方式が採られていることがわかります。この場合、事前に指定される課題レポートの内容と、それに基づく口頭試問での説明力が合否を左右するため、過去問演習だけでなく、レポート課題にどう取り組むかという準備の比重が高くなります。同専攻の案内では、以前受験した際に英語能力試験のスコアをすでに提出済みの場合、再提出の免除を申し立てられる措置があることも案内されています。

数学専攻については、修士課程入試の詳細な選抜方法は募集要項の確認が必要ですが、博士後期課程入試では学位取得の時期によって選抜方法が分かれる実施例が確認できます。9月末までに修士の学位を取得済み(または取得見込み)の受験者は口頭試問と修士論文の審査によって選抜され、10月から3月末までに学位取得見込みとなる受験者は、口頭試問と筆記試験によって選抜されます。この筆記試験が課される場合の出題科目を公式に一覧化した資料までは確認できませんでしたが、専攻公式サイトで公開されている過去問からは、微積分・線形代数・集合と位相を中心に、複素関数・微分方程式・簡単な代数系に関する初歩的な事項も出題されていることがうかがえます。修士課程からの内部進学者と外部受験者とで有利不利が生じないよう、口頭試問では専門的な内容を問うと明記されている点も特徴です。

研究計画書についても、提出が求められる場合は試験科目の一部として評価対象になります。ただし提出の有無・様式は専攻や入試区分によって異なる可能性があり、全専攻共通の統一ルールは本記事執筆時点で確認できていません。研究計画書の書き方や指導教員とのやり取りについては、後述の章で具体的に整理します。

専攻別の選抜方式を一覧で比較する

ここまで確認してきた選抜方式の違いを整理すると、次のようになります。同じ理学院の入試でも、専攻によって準備の重心が大きく変わることがわかります。

専攻確認できた選抜方式の特徴外部受験生が優先したい準備
数学専攻修士課程は募集要項で要確認。博士後期課程は学位取得時期により口頭試問+筆記試験、または口頭試問+修士論文審査微積分・線形代数・集合と位相の基礎固め、修士論文(既習の場合)の説明準備
物性物理学専攻「レポートと口頭試問」による選抜の実施例あり課題レポートの構成力、口頭試問での説明力
宇宙理学専攻専門科目の筆記試験問題を公開物理学・天文学・惑星科学・地球科学にまたがる専門科目対策
自然史科学専攻地球惑星科学系の講座は専門科目の筆記試験問題を公開志望講座の専門科目対策、フィールドワーク経験の言語化

この一覧はあくまで各専攻の公式サイトで確認できた実施例に基づくものであり、年度や入試区分によって選抜方式が変更される可能性があります。出願を検討する年度の募集要項で、志望専攻の最新の選抜方式を必ず確認したうえで、対策の優先順位を組み立ててください。

外国語試験については前章で触れた通り、修士課程では原則として全専攻の出願者にTOEICまたはTOEFLのスコア提出が求められます。専門科目の対策を進める際は、外国語スコアの取得・提出スケジュールを並行して管理し、専門科目の得点だけに意識が偏らないようにすることが重要です。特に外部受験の場合、出身大学の学部教育で扱う専門用語と、理学院の専攻で使われる専門用語や記号の慣習が異なることがあるため、過去問や専攻の講義要目(シラバス)を早めに確認し、用語のギャップを埋めておく準備が欠かせません。

口述試験(面接)で問われる内容は、専攻によって呼び方や運用に差はあるものの、共通しているのは学部での学習内容・卒業研究(または卒業研究予定のテーマ)と、志望する研究室の研究内容がどうつながるかを説明できるかどうかです。外部受験生の場合は特に、なぜ北海道大学大学院理学院でなければならないのかを、教員の研究テーマや専攻の設備・体制と結びつけて話せるかどうかが、内部進学者との違いとして見られやすい点です。数学専攻の博士後期課程のように専門的な内容を口頭試問で直接問う専攻もあれば、レポート提出を前提に口頭試問で内容を深掘りする物性物理学専攻のような専攻もあるため、志望専攻の選抜方式に合わせて、想定問答の準備方法を変える必要があります。

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研究計画書・研究室訪問|外部受験生が指導教員との接点をどう作るか

研究計画書や志望理由書の提出有無・書式は、専攻や入試区分によって異なる可能性があり、本記事執筆時点で理学院公式サイトの一般公開ページから、全専攻に共通する統一様式や提出義務の詳細までは確認できませんでした。提出書類の一覧や様式は募集要項(冊子体)に記載される情報のため、志望する専攻・入試区分で研究計画書や志望理由書の提出が求められるかどうかは、必ず最新の募集要項で確認してください。提出が任意、あるいは指定書式がない場合でも、口述試験で研究テーマや志望理由を一貫して説明するために、文章化しておく準備自体には意味があります。

外部受験生にとって、研究計画書以上に実務上重要になりやすいのが、指導を希望する教員との事前の接点づくりです。理学院は専攻・講座単位でオンライン入試説明会を例年開催しており、募集要項の公表に近い時期に案内が出されます。学内の説明会に参加しにくい外部受験生であっても、オンライン形式であれば研究内容や研究室の雰囲気について質問できる機会になるため、志望専攻が説明会を実施しているかどうかを、理学院公式サイトの入試情報ページで確認しておくとよいでしょう。

研究室訪問や指導教員への事前連絡が必須かどうかは、専攻・研究室によって運用が異なります。物性物理学専攻のように連携大学院(NIMS・理化学研究所)を経由する研究室を志望する場合、通常の学内研究室とは連絡窓口や手続きが異なることがあるため、専攻のウェブサイトで連携大学院の案内を確認したうえで、早めに問い合わせることが望ましいです。自然史科学専攻のようにフィールドワークを伴う講座を志望する場合は、研究テーマが指導可能な範囲に収まっているかどうかを、教員一覧や研究内容のページで確認し、必要に応じてメールで問い合わせておくと、出願後の齟齬を防げます。

指導教員へ連絡する前に確認しておきたいこと

  • 志望する研究室が所属する専攻・講座・分野(自然史科学専攻の場合は5講座のどれか)
  • 連携大学院(NIMS・理化学研究所等)を経由する研究室かどうか
  • 教員の直近の研究テーマ・論文・学会発表の内容
  • 自分の学部での学習内容・卒業研究(予定)とのつながり
  • オンライン入試説明会や研究室公開の実施予定の有無

外部受験生が研究計画書やメールで教員に連絡する際は、指導を希望する理由を、教員の既往研究や専攻が公開している研究室紹介の内容と具体的に結びつけて書くことが大切です。「興味があります」といった一般的な表現だけでは、なぜ北海道大学大学院理学院のその研究室でなければならないのかが伝わりにくく、口述試験でも同様の指摘を受けやすくなります。志望する研究室の直近の論文や学会発表の情報を、専攻ニュースや研究室ページから確認し、自分の学習歴・卒業研究とどう接続するかを整理してから連絡することをおすすめします。

研究計画書に書く内容を整理する

研究計画書や志望理由書の提出が求められる、あるいは口述試験に備えて自主的に文章化する場合は、書く内容をあらかじめ要素分解しておくと、一貫性のある文章に仕上げやすくなります。まず現在の問題意識を明確にし、その問題意識が学部での学習内容・卒業研究(または卒業研究予定)とどうつながっているかを説明します。次に、なぜ北海道大学大学院理学院の志望専攻・研究室でその問題に取り組む必要があるのかを、研究室の設備や教員の研究テーマと具体的に結びつけて書きます。最後に、入学後にどのような方法(文献研究、実験、観測、シミュレーション、フィールドワークなど)で研究を進める計画かを示し、修了後の進路にも触れておくと、口述試験での質問にも一貫した回答をしやすくなります。

  • 現在の問題意識と、その背景にある学習歴・研究経験
  • 志望する研究室の研究テーマ・設備・教員の専門分野との接続
  • 入学後に取り組みたい研究方法(文献研究・実験・観測・シミュレーション・フィールドワークなど)
  • 修了後に専門性をどう活かしたいか

研究計画書の内容が専攻の教育方針とずれていないかも、書き終えたあとに見直しておきたいポイントです。理学院は実学志向ではなく基礎科学の探究を重視する大学院であるため、応用先や実務的な成果ばかりを強調した研究計画書よりも、なぜその現象・構造・法則を明らかにする必要があるのかという問題意識を丁寧に説明した研究計画書のほうが、専攻の教育方針との整合性を評価されやすいと考えられます。

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出願から合格発表までのスケジュール|夏期募集・冬期募集の年間の流れ

北海道大学大学院理学院の入試は、年間を通じて夏期募集と冬期募集の2つの山があります。理学院公式サイトの入試日程ページによると、夏期募集は募集要項が6月中旬に公表され、出願期間は7月中旬から下旬、試験は8月下旬、合格発表は9月上旬という「例年実施される時期の目安」が示されています。冬期募集は募集要項が12月中旬に公表され、出願期間は1月上旬、試験は2月上旬、合格発表は2月中旬という目安です。入学時期は募集区分によって令和9年4月または令和8年10月のいずれかが案内されており、修士課程・博士後期課程とも同じ日程で実施されます。

募集区分募集要項公表の目安出願期間の目安試験の目安合格発表の目安
夏期募集6月中旬7月中旬〜下旬8月下旬9月上旬
冬期募集12月中旬1月上旬2月上旬2月中旬

理学院公式サイトはこの日程をあくまで「例年実施される時期の目安」と明記しており、実際の出願期間・試験日は年度ごとに前後することがあります。ページにはあわせて、秋期及び冬期の募集は夏期募集の合格者が多数に上った場合は実施しないことがあると明記されています。志望専攻が当該年度に冬期募集(および秋期募集)を行うかどうかは、夏期募集の合格発表後に理学院公式サイトの入試日程ページで確認する必要があります。正確な出願期間・試験日・合格発表日は、必ず該当年度の募集要項またはウェブサイトの最新情報で確認してください。

入学時期についても確認しておきたいポイントがあります。理学院の修士課程には4月入学に加えて10月入学(秋季入学)の枠があり、夏期募集・冬期募集それぞれの合格者が、次の4月入学または当年10月入学のいずれかを選べる運用が案内されています。外部受験生が既卒者や社会人で、卒業・退職のタイミングと入学時期を調整したい場合は、この選択肢の有無と条件を、募集要項またはお問い合わせ窓口で早めに確認しておくと、入学手続きの計画が立てやすくなります。

出願にあたって発生する費用は、国立大学の大学院入試で標準的に定められている金額が適用されます。

項目金額(国立大学標準額)
検定料30,000円
入学料282,000円
授業料535,800円(年額、前期・後期の2回に分けて納入)

検定料・入学料・授業料は改定される場合があるため、出願年度の最新情報を北海道大学の学生生活に関するページまたは理学院の募集要項で確認してください。出願書類は卒業(見込)証明書や成績証明書のように発行に日数がかかるものが含まれるため、出願期間の直前に慌てないよう、出願要項が公表され次第、必要書類の準備を始めることをおすすめします。合格発表後は入学手続きの期限も比較的短く設定される傾向があるため、学生証用の証明写真登録など細かな手続きの案内が届いた時点で、早めに対応することが重要です。

理学院は、渡日済みの留学生を対象とする外国人留学生特別選抜も別途実施しており、合格発表は一般選抜の夏期・冬期募集とは異なるタイミングで告知されることがあります。外部受験生が外国籍で日本国内に在留している場合は、一般選抜と外国人留学生特別選抜のどちらに該当するのかを、出願資格審査の段階で確認しておく必要があります。区分を誤って出願準備を進めてしまうと、必要書類や試験内容が変わってしまう可能性があるため、早い段階で理学・生命科学事務部に問い合わせておくと安心です。

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外部受験生の準備スケジュールの目安

夏期募集を基準に、外部受験生が準備を進める際の目安を時期別に整理すると、次のようになります。理学院は専攻ごとに選抜方式が異なるため、この目安をそのまま当てはめるのではなく、志望専攻の情報に合わせて調整してください。

時期の目安取り組みたいこと
出願の10〜12か月前志望専攻・研究室を絞り込み、募集要項の請求方法、過去問の公開状況、オンライン入試説明会の実施予定を確認する
出願の6〜9か月前外国語スコア(TOEIC・TOEFL等)の受験を開始し、専門科目の基礎学習と研究計画の材料集めを進める
出願の3〜5か月前過去問演習(公開されている専攻)または募集要項・シラバスに基づく出題予測の学習を進め、研究計画書の初稿を作成する
出願の1〜2か月前外国語スコアの提出用紙を準備し、証明書類を発行依頼する。研究計画書・志望理由書を仕上げる
出願直前〜試験当日募集要項に記載された出願書類を最終確認し、口述試験(面接)の想定問答を整理する

倍率・難易度をどう考えるか|公表データが限られる中での判断材料

北海道大学大学院理学院について、専攻別・入試区分別の志願者数・合格者数・倍率を年度ごとにまとめた統計は、本記事執筆時点で理学院公式サイトの一般公開ページからは確認できませんでした。理学院の入試情報ページには合格者の受験番号一覧など、合格発表の告知は掲載されていますが、志願者数との対比で倍率を算出できる形の公式データは公開されていません。したがって「北海道大学大学院理学院の倍率は何倍」という数値を断定的に示すことはできず、募集要項に統計が掲載されている年度があれば、その年度の冊子体で確認するのが最も確実な方法です。

公表された倍率データがない以上、外部受験生は別の切り口で難易度を推し量る必要があります。まず参考になるのが専攻ごとの選抜方式の違いです。専門科目の筆記試験問題を公開している自然史科学専攻・宇宙理学専攻は、問題の難易度や出題範囲の広さから、必要な学習量をある程度具体的に見積もれます。一方、レポートと口頭試問を組み合わせる物性物理学専攻や、学位取得時期で選抜方法が分かれる数学専攻の博士後期課程は、過去問演習だけでは対策の全体像がつかみにくく、指導教員とのやり取りや専攻からの案内をどれだけ丁寧に追えるかが、体感的な難易度を左右します。

次に参考になるのが、研究室単位での受け入れ可能人数です。大学院入試の合否は専攻全体の定員だけでなく、志望する研究室が受け入れ可能な学生数にも左右されます。特定の研究室に希望者が集中した場合、専攻全体の募集人員に余裕があっても、その研究室への配属自体が難しくなることがあります。研究室ごとの受け入れ実績や在籍学生数は、各研究室のウェブサイトで確認できる場合があるため、専攻の平均的な難易度だけでなく、志望研究室単位の状況もあわせて調べておくと、準備の優先順位を立てやすくなります。

外国語スコアの水準も、体感難易度に影響する要素です。理学院の修士課程入試では外国語スコアの提出が原則必須であるため、専門科目でどれだけ高い評価を得ても、TOEIC公開テスト(L&Rのみ)またはTOEFL-iBTのスコア提出が間に合わなければ出願自体ができません。逆に言えば、対象外となるTOEIC-IPやTOEIC-Bridgeに時間を使わず、認められている試験だけに絞って早期にスコアを確保しておくことは、専門科目・研究計画書・口述試験の準備に集中できる時間を増やすという意味で、理学院の外部受験における実質的な難易度を下げる対策になります。

内部進学者との関係も、外部受験生が意識しておきたい点です。北海道大学理学部の卒業生の多くは大学院へ進学するとされ、そのうち一定数は理学院へ進学すると考えられます。理学院の入試は、内部進学者(北海道大学理学部出身者)と外部受験生を区分せず同じ入試区分(一般選抜など)で選抜するのが基本的な枠組みであるため、外部受験生は、内部進学者が学部の授業や研究室配属を通じてすでに得ている情報格差を、公式サイト・シラバス・オンライン入試説明会・過去問といった一次情報で埋めていく必要があります。倍率という単一の数値にとらわれず、専攻の選抜方式・研究室の受け入れ状況・語学スコアの準備状況・内部進学者との情報格差という複数の軸で、自分にとっての難易度を組み立てることが、外部受験の現実的なアプローチです。

過去問の公開状況と出題傾向・口述試問の対策

理学院の過去問は、理学院として一括で公開されているわけではなく、専攻ごとに公式サイト上で個別に公開されています。外部受験生が過去問を探す際は、「理学院」で検索するのではなく、志望専攻の専攻公式サイト内にある入試情報のページを直接確認する方が、目的の資料にたどり着きやすくなります。

専攻過去問の公開状況形式・特徴
数学専攻博士後期課程の筆記試験過去問を複数年度分公開。修士課程は資格試験の過去問を公開PDF形式。微積分・線形代数・集合と位相を中心とした出題
物性物理学専攻専攻公式サイトで入試情報を公開選抜方式自体がレポート+口頭試問であるため、過去問は参考資料の位置づけ
宇宙理学専攻専攻公式サイトで専門科目問題を公開物理学・天文学・惑星科学・地球科学にまたがる出題
自然史科学専攻(地球惑星科学系)直近数年度分の夏期・冬期募集の専門科目問題をPDFで公開募集を実施しなかった回は当該分の公開なし

この一覧からわかる通り、過去問の公開範囲や形式は専攻ごとにかなり異なります。公開年数が限られている専攻や、レポート・口頭試問中心で過去問の位置づけが相対的に低い専攻もあるため、「何年分の過去問を解けば十分か」という基準を専攻横断で一律に決めることはできません。志望専攻の公開状況に合わせて、演習の分量と、募集要項・シラバス・研究室情報から出題範囲を補う作業の分量を調整する必要があります。

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専門科目の過去問がある専攻の対策手順

専門科目の過去問が公開されている専攻(自然史科学専攻・宇宙理学専攻など)では、年度ごとの問題を並べて、出題形式・問題数・必要な答案量をまず一覧化することをおすすめします。次に、複数年度にわたって繰り返し出題されている単元と、特定の年度にしか出ていない単元を分け、優先順位をつけて学習計画に落とし込みます。理学院の専門科目は学部の講義内容をベースにしつつ、専攻独自の研究領域に踏み込んだ出題も見られるため、出身大学のカリキュラムでカバーされていない範囲がないかを、志望専攻のシラバスと照らし合わせて確認しておくと、抜け漏れを防げます。

過去問が公開されていない、あるいは公開範囲が限定的な専攻・区分については、募集要項に記載された教育内容やアドミッションポリシー、担当教員の研究テーマから、出題される可能性が高い分野を推測する対策が有効です。これはあくまで募集要項から見た出題予測であり、実際の出題を保証するものではありませんが、専攻が重視する研究領域と、学部レベルの基礎科目のうちどこが問われやすいかを、シラバスの記述から逆算する作業自体に意味があります。

専攻別に見た過去問の具体的な傾向

数学専攻の博士後期課程は、令和2年度から令和8年度にかけての複数年度分の筆記試験過去問を専攻の公式サイトで公開しており、募集要項に記載された出題範囲(微積分・線形代数・集合と位相を中心に、複素関数・微分方程式・簡単な代数系の初歩的事項を含む)と照らし合わせながら演習できる状態になっています。修士課程については、専攻公式サイトで資格試験の過去問がPDF形式で公開されているため、博士後期課程の出題範囲と合わせて、学部レベルの基礎科目のどこが繰り返し問われているかを確認しておくと、対策の優先順位をつけやすくなります。

自然史科学専攻(地球惑星科学系)の過去問は、令和5年度から令和7年度にかけての夏期募集・冬期募集の専門科目問題が公開されており、いずれも専門科目のみの公開で、外国語や小論文の問題は含まれていません。複数年度の問題を並べて確認すると、地球惑星ダイナミクス・地球惑星システム科学・地震学火山学という3講座にまたがる出題範囲の広さが見えてくるため、志望する研究室の講座に対応する分野を優先しつつ、他講座に関わる基礎知識も落とさないようにする学習配分が現実的です。宇宙理学専攻の専門科目問題も専攻公式サイトで公開されており、物理学・天文学・惑星科学・地球科学の複数分野から出題される構成であることが、問題文の構成から読み取れます。

口述試問(面接)の対策

口述試験(面接)の対策では、過去問演習で見えてきた自分の弱点と、研究計画・志望理由の内容を結びつけて説明できるように準備します。想定される質問には、志望理由、学部での学習内容・卒業研究(予定)、専門科目の得意・不得意、志望する研究室を選んだ理由、入学後に取り組みたい研究テーマ、外国語スコアの取得状況などが含まれますが、理学院は専攻ごとに口述試験の位置づけが異なる点に注意が必要です。数学専攻の博士後期課程のように口頭試問そのものが選抜方法の中心を占める専攻もあれば、物性物理学専攻のように事前提出したレポートの内容を掘り下げる形で口頭試問が行われる専攻もあるため、志望専攻の選抜方式に合わせて想定問答を作り込む必要があります。回答を一字一句暗記するのではなく、理学院が掲げる基礎科学の探究という教育理念と自分の問題意識・学習歴・志望専攻との接続・入学後の計画という骨組みを崩さずに、質問の角度が変わっても同じ軸で答えられる状態を目指すことが重要です。

併願を考えるときに整理しておきたいこと

外部受験で北海道大学大学院理学院を目指す場合、併願先をどう選ぶかも早い段階で整理しておきたいポイントです。理学院内でも専攻によって選抜方式・過去問の公開状況が異なるため、同じ理学院の中で複数専攻を比較検討する受験生もいれば、理学院と学問領域の近い他学院(工学院・情報科学院など)を併願する受験生もいます。北海道大学の大学院入試全体の枠組みについては、北海道大学の大学院入試を実施研究科別に解説した記事で、理学院以外の学院を含めた全体像を確認できます。

理系分野で北海道大学の大学院を併願する場合、工学院の外部院試の出願資格・試験科目や、情報系の研究テーマに近い場合は情報科学院の外部院試の出願資格・試験科目もあわせて確認しておくと、理学院との違い(専門科目の出題形式、外国語スコアの扱い、研究計画書の要否など)を比較しやすくなります。特に外国語スコアの提出条件は学院ごとに異なることがあるため、併願先が決まった時点で、それぞれの募集要項を並べて確認することをおすすめします。

理学院と他大学の理学系研究科を併願する場合は、出願期間・試験日が重複しないかを最優先で確認します。理学院の夏期募集・冬期募集の日程は年度によって変わるため、併願先の試験日程が固まった段階で、理学院の募集要項に記載された試験日と突き合わせるようにしてください。日程が近接している場合、外国語スコアの取得スケジュールや、複数校分の出願書類(証明書類など)の準備が重なり、直前になって慌てることが少なくありません。

選抜方式の違いも、併願校を組み合わせる際の判断材料になります。理学院は専攻によって専門科目の筆記試験、レポート+口頭試問、学位取得時期に応じた口頭試問など、選抜方式そのものが異なるため、専門科目の筆記試験対策に比重を置く併願校と組み合わせるか、研究計画書や口述試験での説明力を重視する併願校と組み合わせるかによって、準備の配分を調整する必要があります。志望する研究テーマが複数の大学院で扱えそうな場合は、選抜方式の違いが自分の得意・不得意とどう噛み合うかも、併願先を絞り込む材料の一つになります。

大学院入試の準備を専門科目・外国語・研究計画書・面接のどこから始めればよいか迷う場合は、大学院入試対策の全体像とスケジュールを解説した記事もあわせて確認すると、理学院特有の準備と、大学院入試全般で共通する準備を切り分けやすくなります。

併願の可否や優先順位に迷う場合、専門科目・外国語・研究計画書・口述試験のどこに時間を配分すべきかを、現在の学習状況に合わせて整理する方法もあります。大学院入試対策コースでは、理学院のような専攻ごとに選抜方式が異なる大学院を志望する受験生に対して、志望専攻の出願資格・試験科目を踏まえた対策の優先順位を、個別に相談しながら組み立てています。併願校を含めたスケジュール管理に不安がある場合は、早い段階で相談しておくと、直前期に慌てず準備を進めやすくなります。

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よくある質問(FAQ)

北海道大学理学部以外の出身でも理学院の大学院入試を受けられますか。

出願資格を満たしていれば、他大学出身者や高専・短期大学出身者(個別資格審査が必要な場合あり)も外部受験できます。ただし専攻によって出願資格の詳細が異なるため、志望専攻の募集要項で該当する区分を確認してください。

外国語スコア(TOEIC・TOEFL)はいつまでに準備すればよいですか。

出願書類にスコアシートの原本提出が求められる実施例があるため、出願期間から逆算して、余裕を持ってスコアを確保しておく必要があります。受験日からスコア到着までの期間も考慮し、出願締切の数か月前には受験しておくと安全です。

過去問はどこで入手できますか。

理学院として一括では公開されておらず、志望専攻の公式サイトの入試情報ページで個別に公開されています。専攻によって公開している年数や形式が異なるため、志望専攻のページを直接確認してください。

研究計画書は必ず提出する必要がありますか。

提出の要否は専攻・入試区分によって異なる可能性があり、本記事執筆時点で全専攻共通の統一的な情報は確認できていません。最新の募集要項で提出書類の一覧を確認したうえで、提出が任意の場合でも口述試験に備えて文章化しておくことをおすすめします。

研究室訪問は必須ですか。

理学院として研究室訪問を必須と明記した全専攻共通の案内は確認できていません。ただし専攻・講座単位でオンライン入試説明会が開催されており、指導を希望する教員に事前に連絡しておくと、出願後の齟齬を防ぎやすくなります。

理学院の倍率はどのくらいですか。

専攻別・区分別の志願者数と合格者数を対比した倍率データは、本記事執筆時点で公式サイトの一般公開ページからは確認できませんでした。年度によって募集要項に統計が掲載される場合があるため、正確な倍率が必要な場合は当該年度の募集要項で確認してください。

北海道大学の他学院や他大学院と併願できますか。

併願は可能ですが、出願期間・試験日が重複しないかの確認が欠かせません。特に外国語スコアの取得スケジュールが併願先と重なる場合は、早めにスコアを確保しておくと安心です。

社会人でも理学院の大学院入試を受けられますか。

出願資格を満たしていれば受験できますが、社会人向けの特別な選抜区分の有無は専攻によって異なる可能性があります。職務経験と志望する研究テーマとのつながりを、研究計画書や口述試験で具体的に説明できるように準備しておくとよいでしょう。

まとめ

北海道大学大学院理学院の外部院試は、数学専攻・物性物理学専攻・宇宙理学専攻・自然史科学専攻という4つの専攻それぞれで、出願資格・外国語スコアの扱い・選抜方式・過去問の公開状況が異なる入試です。専攻名だけで対策を始めるのではなく、志望する専攻・講座がどの選抜方式(専門科目筆記か、レポート+口頭試問か)を採用しているかを最初に確認し、外国語スコアの取得スケジュールを早期に組み込むことが、外部受験を乗り切るための土台になります。研究計画書の提出要否や倍率など、公式情報だけでは確認しきれない項目については、断定的な数値に頼らず、最新の募集要項や専攻の公式サイト、オンライン入試説明会を通じて、自分の目で一次情報を確認する姿勢が欠かせません。

1953年の理学研究科設置から2010年の4専攻体制への統合まで、北海道大学大学院理学院は幾度もの再編を経て現在の姿になりました。この経緯を踏まえると、専攻ごとに選抜方式や過去問の公開範囲が異なるのは、それぞれの専攻が独自の教育・研究の系譜を持っていることの表れだと理解できます。専門科目・外国語・研究計画書・口述試験のどこから手をつけるべきか迷う場合は、現在の学習状況と志望専攻の選抜方式を照らし合わせながら優先順位を相談し、志望専攻に合った準備を計画的に進めていきましょう。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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