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北海道大学大学院 工学院の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

北海道大学大学院工学院の外部院試は、応用物理学専攻から共同資源工学専攻まで13の専攻(2027年4月入学一般入試の場合)で構成され、修士課程では筆答試験と口頭試問、専攻によっては口述試験によって選抜が行われる大学院入試です。工学院という名称は北海道大学工学部とは別の大学院組織であり、外部の大学・高専からの受験者も、工学部出身の内部進学者と同じ募集要項・同じ試験日程の中で審査を受けます。外国語試験は当日の筆記を課さず、TOEIC・TOEFL・IELTSのいずれかの外部スコアを出願時に提出する方式が採られており、専攻によってはこのスコアに合否を左右する下限点が設定されています。出願はインターネット出願のみで、紙の願書配布や現地持参での提出は認められていません。本記事では、北海道大学大学院工学院が公式に公開している入試情報ページ・学生募集要項(2027年4月入学・2026年10月入学一般入試)・入学試験過去問題ページ・志願者統計ページの内容にもとづいて、募集人員、出願資格、専攻別の試験科目、研究計画書・研究室訪問の要否、日程、倍率、過去問の公開状況までを整理します。年度によって内容が変更される場合があるため、出願前には必ず工学院公式サイトの最新情報をご確認ください。
北海道大学大学院工学院とは|13専攻の構成と外部院試の位置づけ
北海道大学大学院工学院は、学部組織である工学部とは別に設置された大学院で、教育研究を担う「大学院工学研究院」と教育組織である「大学院工学院」が一体となって運営されています。修士課程の一般入試(2027年4月入学)で学生を募集するのは、応用物理学、材料科学、機械宇宙工学、人間機械システムデザイン、エネルギー環境システム、量子理工学、環境フィールド工学、北方圏環境政策工学、建築都市空間デザイン、空間性能システム、環境創生工学、環境循環システム、共同資源工学の13専攻です。このうち機械宇宙工学・人間機械システムデザイン・エネルギー環境システム・量子理工学の4専攻は、志望する研究室に応じて「機械・宇宙航空工学系研究室群」と「応用量子科学系研究室群」という2つの試験区分に分かれて選抜が行われるため、専攻名だけを見て準備を始めると出願書類や試験科目を取り違えるおそれがあります。
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13専攻は大まかに、物性物理学・光量子科学を中心とする応用物理学専攻、金属・セラミックス・エネルギー材料を扱う材料科学専攻、機械・宇宙・原子力系の研究室群、環境フィールド工学専攻・北方圏環境政策工学専攻・環境創生工学専攻という寒冷地の環境工学を軸とする3専攻、建築設計・都市計画系の建築都市空間デザイン専攻・空間性能システム専攻、そして地圏資源・循環型社会を扱う環境循環システム専攻・共同資源工学専攻という6つの学問系統に分かれています。志望する研究テーマがどの系統に属するかによって、出願する専攻・試験区分だけでなく、後述する語学スコアの下限設定や研究計画書の要否まで変わってくるため、まずは自分の研究したいテーマがどの専攻・研究室に該当するかを、工学院公式サイトの指導教員及びその研究分野一覧表で確認することが準備の出発点になります。この一覧表は「指導教員及びその研究分野一覧表」として毎年更新され、専攻・講座ごとに教授・准教授・助教の氏名と研究分野が列挙されています。たとえば応用物理学専攻だけでも、量子物性工学・凝縮系物理工学・光波動量子物理工学・固体量子物理工学・ナノ物理工学といった複数の講座に研究室が分かれており、同じ専攻名であっても研究室によってテーマが大きく異なることがわかります。志望理由書や研究計画書、口頭試問での受け答えを具体的にするためにも、専攻名だけで判断せず、この一覧表から志望する教員・研究室まで特定しておくことをおすすめします。
公式募集要項に記載された教育目標は、幅広い工学分野における基礎的素養と高度な専門的素養を身に付け、グローバル化や科学技術の高度化、研究領域の学際化に対応できる人材の育成です。求める学生像としては、(1)幅広い教養と専門知識にもとづく思考力・判断力、(2)多様な人々とのコミュニケーション能力、(3)知識や能力を継続的に習得・向上させる意欲、(4)社会の問題を自ら考え解決する意欲、の4点が明記されています。入学者選抜の基本方針としては、筆答試験で各専攻の基礎科目・専門科目の習熟度を測り、口頭試問で研究能力と研究課題に取り組む意欲を評価し、外国語能力は出願時に提出された外部試験スコアを参考に総合的に判定する、と説明されています。外部からの受験者は、この「専門知識」と「研究への意欲」の両方を、学部時代の学習歴や志望する研究室の研究内容と結びつけて説明できるかどうかが問われることになります。
| 専攻グループ | 専攻名 |
|---|---|
| 単独で試験を実施する専攻 | 応用物理学、材料科学、環境フィールド工学、北方圏環境政策工学、建築都市空間デザイン、空間性能システム、環境創生工学、環境循環システム、共同資源工学 |
| 機械・宇宙航空工学系研究室群 | 機械宇宙工学専攻の全研究室、人間機械システムデザイン専攻の全研究室、エネルギー環境システム専攻の一部研究室(エネルギー変換システム、流れ制御、エンジンシステム・次世代燃料) |
| 応用量子科学系研究室群 | エネルギー環境システム専攻の一部研究室(原子炉工学、原子力システム安全工学、原子力環境材料学)、量子理工学専攻の全研究室 |
工学院の入学者選抜に関する情報発信は、公式サイトの「入試情報」ページを起点に、募集要項PDF・出願書類チェック表・志望理由書や研究室希望調査票の様式・出願資格予備審査申請書がまとめて掲載される形で行われています。不測の事態が発生した場合には募集要項の記載内容と異なる形で試験が実施される可能性がある旨も明記されており、入試方法の変更はホームページで随時公表されるとされています。外部から受験する場合は、願書提出後も工学院公式サイトのお知らせを定期的にチェックしておくと、直前の変更を見落とさずに済みます。
工学院にはこのほか、英語のみで修士・博士の学位取得を目指せる「e3プログラム」(English Engineering Education Program)や、職業を持つ社会人などを対象に標準修業年限(修士課程2年)を超えて計画的に学ぶ「長期履修制度」も用意されています。e3プログラムは入学試験合格後に別途申し込む制度で、課程修了に必要な授業・論文発表・研究指導がすべて英語で行われ、参加には指定の英語力の資格を満たす必要があります。日本人学生がe3プログラムに参加した場合は、選考のうえ奨学金が給付される仕組みもあります。長期履修制度は、官公庁・企業等に在職しフルタイムで働いている者や、アルバイト・育児・介護等で修学に重大な影響がある者、障害により長期にわたり修学に影響がある者が対象で、入学願書提出時に長期履修申請書・理由書・履修計画書などを添えて申請します。在学期間は修士課程で3年から4年の範囲で認められ、可否は9月中旬に通知されます。社会人として北海道大学大学院工学院を外部受験する場合は、これらの制度の対象になるかどうかも出願前に確認しておくと、入学後の学習計画が立てやすくなります。
実施専攻・募集人員・出願資格|語学スコア(TOEIC・TOEFL・IELTS)の扱い
2027年4月入学の一般入試における募集人員は、公式募集要項によれば下表のとおりです。機械・宇宙航空工学系研究室群と応用量子科学系研究室群は、機械宇宙工学・人間機械システムデザイン・エネルギー環境システム・量子理工学の4専攻を合わせて99名という募集人員が設定されており、専攻単位の内訳は公表されていません。2026年10月入学については全専攻が若干名の募集で、専攻別の人数は明示されていません。募集人員は年度によって変動するため、出願する年度の最新募集要項で必ず確認してください。
| 専攻 | 2027年4月入学 募集人員 |
|---|---|
| 応用物理学 | 33名 |
| 材料科学 | 39名 |
| 機械宇宙工学・人間機械システムデザイン・エネルギー環境システム・量子理工学(研究室群合計) | 99名 |
| 環境フィールド工学 | 24名 |
| 北方圏環境政策工学 | 26名 |
| 建築都市空間デザイン | 22名 |
| 空間性能システム | 27名 |
| 環境創生工学 | 28名 |
| 環境循環システム | 18名 |
| 共同資源工学 | 10名 |
| 合計 | 326名 |
出願資格は、大学を卒業した者及び2027年3月卒業見込みの者を基本としつつ、大学改革支援・学位授与機構から学士の学位を授与された者、外国において16年の学校教育課程を修了した者、外国の通信教育による16年課程修了者、文部科学大臣が指定する教育施設の課程修了者、修業年限3年以上の外国の大学等で学士相当の学位を得た者、文部科学大臣が指定する専修学校の専門課程修了者、防衛大学校・気象大学校などの卒業者といった区分が定められています。高専・短大・専修学校の出身者など、大学卒業に相当する資格を有していない場合は「個別の資格審査による志願者」として扱われ、2027年3月31日までに22歳に達することが条件になります。この区分と、外国で15年の学校教育課程を修了した志願者は、願書受理前に出願資格予備審査を受ける必要があり、最終出身学校の卒業証明書・成績証明書に加えて、学修・研究歴や実務経験を証する所属長等の証明書、これまでの学修・研究内容と入学後の研究計画をまとめた800字程度の書類を、志望する指導教員及び専攻長の確認印を得たうえで提出しなければなりません。証明書類の収集や教員への確認印の依頼には時間がかかるため、この区分に該当する場合は通常の出願より数か月早く準備を始める必要があります。予備審査の結果は2026年6月3日(水)にEメールで通知され、出願資格が認められた場合はそこから検定料納入期間内に手続きを進める流れです。6月5日(金)までに通知が届かない場合は、迷惑メールフォルダを確認したうえで、教務課大学院担当へ問い合わせるよう案内されています。
外国語については、試験当日の筆記は行わず、出願時に提出したTOEIC Listening & Reading Test、TOEFL iBT(iBT Home Editionを含む)、IELTS(アカデミック・モジュール)のいずれかの公式スコアで判定されます。TOEIC IPやTOEIC Speaking & Writing、IELTSのジェネラル・トレーニング・モジュールなどは提出不可とされており、提出できるスコアは試験実施日から過去2年以内に受験したものに限られます。応用物理学専攻・材料科学専攻はIELTSのスコア提出が認められていないため、この2専攻を志望する場合はTOEICかTOEFLで準備する必要があります。専攻ごとの語学スコア提出可否や下限点は下表のとおりです。TOEICスコアの目安や短期での伸ばし方については、大学院入試のTOEICスコアは何点必要?研究科別の目安・提出方法・短期で伸ばす戦略でも解説しています。
| 専攻・研究室群 | 語学要件の注意点 |
|---|---|
| 応用物理学・材料科学 | IELTSのスコア提出は不可。TOEICまたはTOEFLで提出する |
| 環境フィールド工学・北方圏環境政策工学 | TOEIC L&R 460点以下、TOEFL iBT 48点以下、IELTS 4.0点以下は不合格と判定 |
| 機械・宇宙航空工学系研究室群 | TOEIC L&R 550点未満、TOEFL iBT 42点未満、IELTS 4.0点未満は不合格と判定 |
| 上記以外の専攻 | 提出必須の3試験の範囲内でスコアを提出。個別の下限点の公表なし(公式要項で要確認) |
英語を母国語とする国の出身者で、かつ英語により大学(院)教育を受けてきた外国人留学生については、外部試験スコアの提出免除を申請できる制度もあります。免除を希望する場合は、大学等が公式に発行した証明書類を添付したうえで、出願前に教務課大学院担当へ相談することが求められています。スコアシートの発行には数週間から1か月以上かかることがあるため、出願を検討し始めた時点でTOEIC・TOEFL・IELTSのどれを受験するかを決め、逆算してスケジュールを組むことが重要です。検定料は30,000円で、コンビニエンスストア・郵便局や銀行のATM・ネットバンキング・クレジットカード・中国銀聯ネット決済のいずれかで納入し、決済手数料500円が別途必要です。窓口での支払いはできません。一度納付した検定料は原則として返還されませんが、検定料を払い込んだのに出願書類を提出しなかった場合と、誤って二重に払い込んだ場合のみ返還対応があります。なお工学院では原則として二重学籍を認めていないため、他大学院に既に在籍している場合は出願前に取り扱いを確認してください。
修士課程からさらに博士後期課程への進学や、社会人として博士後期課程を直接目指す場合は、一般入試に加えて社会人入試の区分が用意されています。博士後期課程の出願資格は、修士の学位を有する者及び取得見込みの者を基本としつつ、実務経験等をもとに個別の資格審査を受けられる区分も設けられており、学科試験は全専攻とも口頭試問のみで実施されます。修士課程の外部院試を検討している段階でも、将来的に博士後期課程への進学や社会人入試の利用を視野に入れているのであれば、指導予定教員との研究テーマのすり合わせを早い段階から意識しておくと、修士課程在学中の研究計画が立てやすくなります。
試験科目|専門科目・外国語・研究計画書・口述試験の専攻別内訳
北海道大学大学院工学院の学科試験は、すべて日本語で実施されます。外国語試験は前章のとおり外部スコアで判定されるため、当日の試験時間は専門科目の筆答試験と、口述試験または口頭試問に充てられています。試験日は2026年8月18日・19日の2日間で、専攻グループごとに出題科目の構成が大きく異なります。以下では、公式募集要項に記載された専攻グループ別の試験科目を整理します。
| 専攻・研究室群 | 8月18日 筆答試験 | 8月19日 |
|---|---|---|
| 応用物理学 | 午前:応用数学Ⅰ(常微分方程式・フーリエ解析・ラプラス変換・偏微分方程式)、力学、電磁気学/午後:応用数学Ⅱ(ベクトル解析・複素関数・行列)、熱・統計力学、量子力学 | 口述試験・口頭試問 |
| 材料科学 | 午前:材料物理化学、材料物性学(各3題中2題選択)/午後:材料プロセス工学、材料組織学(各3題中2題選択) | 口頭試問 |
| 機械・宇宙航空工学系研究室群 | 午前:材料力学2問・機械力学と制御工学2問(必答)/午後:流体力学2問・熱力学2問(必答) | 口頭試問 |
| 応用量子科学系研究室群 | 午前:応用数学/午後:電磁気学・電気回路、材料科学・物理化学、原子物理・原子炉工学の計9問中3問選択 | 口頭試問 |
| 環境フィールド工学・北方圏環境政策工学・環境創生工学 | 午前:数学3問・物理3問・化学2問の計8問中4問選択/午後:流体工学・構造力学・土の力学など全13科目16問中4問選択 | 口述試験・口頭試問 |
| 建築都市空間デザイン・空間性能システム | 午前:建築都市学基礎または環境工学基礎から1科目選択/午後:志望専攻の指定科目(空間防災学・空間計画学または空間性能学・建築システム学) | 口頭試問 |
| 環境循環システム・共同資源工学 | 午前:数学3問・物理3問・化学2問の計8問中4問選択/午後:全13科目16問中4問選択 | 口頭試問 |
専門科目の出題形式は専攻グループによって「選択式で幅広い分野から得意な科目を選ぶ」タイプと、「必答科目を確実に得点する」タイプに分かれています。環境フィールド工学・北方圏環境政策工学・環境創生工学・環境循環システム・共同資源工学の5専攻は、数学・物理・化学に加えて流体工学から環境統計学まで全13科目16問という広い出題範囲の中から選択する方式のため、学部での専門分野が幅広い受験者ほど選択肢を確保しやすい設計になっています。一方で機械・宇宙航空工学系研究室群は材料力学・機械力学と制御工学・流体力学・熱力学が必答科目として指定されており、選択の余地がない分だけ、出題範囲が事前に絞り込みやすいという特徴があります。建築都市空間デザイン専攻・空間性能システム専攻は、共通の建築都市学基礎または専攻独自の環境工学基礎(応用数学・伝熱工学・工業熱力学・環境生理学・温熱環境工学)のいずれかを選ぶ設計で、志望する専攻によって午後の指定科目(空間防災学・空間計画学、または空間性能学・建築システム学)が固定されている点も特徴です。建築都市学基礎の出題範囲には構造力学・建築構造・建築材料施工・建築環境・建築計画・建築・都市史・都市計画・都市防災という幅広い分野が含まれており、建築系出身でない受験者にとっては学部での既習範囲を早めに棚卸ししておく必要がある専攻グループといえます。
選考方法は、学科試験(筆答・口頭、または口述・口頭)と出願書類等の審査結果を総合して合否を決定する点で全専攻共通です。材料科学専攻と機械・宇宙航空工学系研究室群・応用量子科学系研究室群では、出願時に提出した成績証明書の内容によって専門科目の筆答試験そのものが免除される場合があり、免除の対象となる受験者には7月下旬に通知されます。機械系ではこれに加えて、事前に面談による筆答試験免除審査を実施する場合もあると案内されています。免除の基準は公表されていないため、免除を前提に対策を進めるのではなく、通常どおり専門科目の学習を進めたうえで通知を待つのが安全な進め方です。筆答試験の時間はどの専攻グループも午前・午後それぞれ3時間が基本ですが、機械・宇宙航空工学系研究室群と応用量子科学系研究室群のみ午後の開始が13時30分と、他の専攻グループより30分遅く設定されています。1科目・1問あたりにかけられる時間は選択する科目数や必答問題の数によって変わるため、過去問演習の段階から本番同様の時間配分で解く練習をしておくと、当日のペース配分で慌てずに済みます。
口述試験と口頭試問は、名称は似ていますが位置づけが異なります。口頭試問はすべての専攻で実施され、志望研究室の研究内容や学部での学習歴について問われる面接に近いものです。口述試験は応用物理学専攻と材料科学専攻でのみ選択できる制度で、希望者は専門科目の筆答試験に代えて、研究テーマとそれに関わる基礎学力についての口述で評価を受けられます。応用物理学専攻で口述試験を選択できるのは、応用物理学科・物理学科等の卒業見込みで学科長の推薦を受けた成績優秀者、高専専攻科の推薦を受けた成績優秀者、それ以外の学科の卒業(見込み)者、そして社会人(大学卒業後1年以上経過した者)のいずれかに該当する場合です。該当するかどうかは専攻側が審査し、受験票発送と同時に通知されるため、該当しないと通知された場合は筆答試験を受けることになります。材料科学専攻の場合は、応用マテリアル工学コースの卒業後1年以内・卒業見込みの者を除いて口述試験を選択でき、その際は1000字程度・A4判1ページの研究計画書の提出が求められます。なお博士後期課程の一般入試・社会人入試・外国人留学生入試は、全専攻とも学科試験は口頭試問のみで実施される点も、修士課程との違いとして押さえておくとよいでしょう。
研究計画書・志望理由書・研究室訪問
研究計画書や志望理由書の要否は、専攻によって明確に異なります。材料科学専攻は志望理由書を全員提出する必要があり、口述試験を希望する場合のみ研究計画書(1000字程度・A4判1ページ・図表可)を追加で添付します。応用物理学専攻は、口述試験を希望する者と、本学工学部出身者以外の者が志望理由書の提出対象です。機械・宇宙航空工学系研究室群・応用量子科学系研究室群では、志望理由書は本学工学部出身者について専攻長からの特段の指示がなければ提出不要とされており、外部からの受験者は原則として提出が必要になります。環境フィールド工学・北方圏環境政策工学・環境創生工学・建築都市空間デザイン・空間性能システム・環境循環システム・共同資源工学の各専攻では、志望理由書は全員提出が求められています。専攻ごとに要否が細かく分かれているため、志望する専攻の出願書類一覧を募集要項で個別に確認することが欠かせません。
研究計画書そのものの提出が制度上必須とされているのは、材料科学専攻で口述試験を希望する場合に限られます。ただし、提出が任意・不要の専攻であっても、口頭試問では志望する研究室の研究内容と自分がこれまで学んできたことの接続、入学後に取り組みたいテーマを説明する場面が想定されます。理系大学院における研究計画書の一般的な構成や実験計画・方法論の書き方は、理系大学院の研究計画書例文|実験計画・方法論の書き方で具体例を紹介しているので、口頭試問前の準備として文章化しておくと、当日の受け答えに一貫性を持たせやすくなります。
出願書類の中でもう一つ重要なのが「研究室希望調査票」です。専攻によって書式が異なり、材料科学専攻では専攻内全11研究室、応用物理学専攻では専攻内全14研究室について配属を希望する研究室を選び希望順位を記入する形式が採られています。機械・宇宙航空工学系研究室群と応用量子科学系研究室群では、試験区分内のすべての研究室について希望順位を記入する必要があり、特に2026年10月入学を志望する場合は、入学時点で配属可能な研究室が限定されるため、あらかじめ第一希望の研究室の教員に出願希望の旨を伝え、受け入れ可否を確認することが募集要項で明示的に求められています。応用物理学専攻で口述試験を希望する場合のうち、学科長・専攻科長の推薦を受ける区分に該当する者は、志望理由書に加えて500字程度・成績順位(何人中何位)を記載した推薦書も準備する必要があります。
研究室訪問そのものは、2027年4月入学の一般入試において全専攻一律に義務付けられているとは公式募集要項に明記されていません。もっとも、研究室希望調査票で配属先の希望順位を記入する仕組みである以上、事前に指導予定教員へ連絡を取り、研究内容や受け入れの可否、社会人であれば長期履修制度の利用可否などを確認しておくことは、実務上重要な準備といえます。教員へのメールでの依頼文面に不安がある場合は、研究室訪問のメール例文集|依頼から御礼まで・失礼にならない書き方を徹底解説を参考にすると、依頼から御礼までの流れを一通り確認できます。志望理由書・研究計画書の完成度に自信が持てない場合は、大学院入試対策コースで専門分野に精通した講師に個別に相談する方法もあります。
専攻を問わず共通して求められる出願書類を整理すると、おおむね次のような構成になります。受験票送付用封筒・合否通知用封筒はいずれも角形2号(240mm×332mm)を用意し、工学院公式サイトからダウンロードした宛先ラベルをカラー印刷して貼付する必要があり、受験票送付用封筒には480円分の切手が必要です。住所欄に研究室名は使用不可(研究室不可)という指定がある点も見落としやすいポイントです。
- 入学願書・履歴書(インターネット出願完了後にPDFをA4判・カラー印刷、両面印刷不可)
- 入学願書用写真(上半身脱帽・正面向き・3か月以内撮影、1MB以上3MB以下でアップロード)
- 受験票送付用封筒・合否通知用封筒(角形2号、宛先ラベルをカラー印刷して貼付)
- 出身大学(学部)の成績証明書、卒業(見込)証明書
- 志望理由書・研究室希望調査票(専攻ごとに指定様式・提出要否が異なる)
- 本学院が指定する外国語外部試験のスコアシート原本及びコピー
- (外国人留学生のみ)最終出身学校の指導教員の推薦書、在留カードのコピー
- (材料科学専攻で口述試験希望の場合など)研究計画書
出願書類全般については、成績証明書や卒業(見込み)証明書の様式が出身校の所在地によって異なる点にも注意が必要です。中国の教育機関出身の出願者は、中国高等教育学生信息网(CHSI)が発行する英語の証明書をCHSIから直接工学院あてにメール送信する形での提出が指定されており、それ以外の国・地域の出身者は、証明書原本が日本語・英語以外で書かれている場合、原本と公的な和訳または英訳の原本を両方添付する必要があります。外国人留学生のみ、最終出身学校の指導教員による推薦書(手書きサイン、コピー不可)と在留カードのコピーも必要です。証明書の発行やCHSIでの手続きには時間がかかることがあるため、出願書類提出期間の直前ではなく、出願資格予備審査や出願登録と並行して早めに手配しておくことをおすすめします。
まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?
スプリング・オンライン家庭教師のプロ講師が、現在の学力・志望校・残り期間に合わせて、必要な対策を個別に整理します。
- 大学院入試のプロ講師が最適な受験戦略を提案
- 今後の大学院入試の勝ち筋が見える。
- 志望校が決まっていなくてもOK
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出願から入学手続きまでのスケジュール(2027年4月入学一般入試)
2027年4月入学(2026年10月入学を含む)の一般入試スケジュールは、公式入試情報ページ・募集要項によれば下表のとおりです。出願はすべてインターネット出願で行われ、冊子体の募集要項配布は行われません。出願資格予備審査の対象となるのは限られた区分の志願者のみで、外国で15年の学校教育課程を修了した志願者と、個別の資格審査による志願者に限られます。
| 手続き | 期間・日時 |
|---|---|
| 出願資格予備審査(該当者のみ) | 2026年5月11日(月)10:00~5月15日(金)17:00 |
| 予備審査結果通知 | 2026年6月3日(水)にEメールで通知 |
| インターネット出願登録・検定料納入 | 2026年6月8日(月)10:00~6月19日(金)17:00 |
| 検定料 | 30,000円(決済手数料500円が別途必要。国費外国人留学生は納付不要) |
| 出願書類提出 | 2026年6月15日(月)~6月19日(金)必着(郵送のみ、書留郵便) |
| 受験票発送 | 2026年7月下旬 |
| 試験日 | 2026年8月18日(火)・19日(水) |
| 合格発表 | 2026年9月7日(月)16:30 工学院ホームページに掲示 |
| 入学手続きに関する通知 | 2027年2月中旬に合格者へ通知 |
| 入学料 | 282,000円(予定額) |
| 2027年度前期授業料 | 267,900円(予定額、年額535,800円) |
出願書類の提出先は郵送のみで、「〒060-8628 札幌市北区北13条西8丁目 北海道大学工学系事務部 教務課大学院担当」宛てに、6月19日(金)消印有効(海外からの郵便は追跡番号で発送日を確認)で送付します。検定料の支払いが完了するまで入学願書等のPDFはダウンロードできない仕組みのため、インターネット出願登録・検定料納入・出願書類提出という3段階すべてを期間内に終える必要があります。途中まで作業していても、期限内に完了しなければ一切受け付けられません。身体に障害があり受験上・修学上の配慮が必要な場合は、2026年6月19日(金)までに教務課大学院担当へ申し出ることになっています。合格発表後、不合格となった受験者本人からの請求により成績開示が行われる期間は2026年10月1日(木)から10月9日(金)までです。8月の試験に合格した者は、日本学生支援機構大学院奨学生の予約採用に応募できる案内もあります。
2026年10月入学を志望する場合も、出願資格予備審査からインターネット出願登録、出願書類提出、試験日、合格発表までの日程は4月入学と共通です。入学時期は出願後に変更できませんが、10月入学を志望していても、受験する専攻が特に認める場合に限り2027年4月入学者として合格することがある、と募集要項に注記されています。専攻によっては2027年2月に第2次募集が行われる可能性もあるため、第1次(8月)での受験を軸にしつつ、募集人員に余裕がある専攻を志望する場合は工学院の入試情報ページで第2次募集の有無を随時確認しておくと安心です。長期履修制度を申請する場合は入学願書と同時に長期履修申請書・履修計画書を提出する必要があるため、社会人として受験する場合はこの点も出願書類提出期間内に間に合わせる必要があります。博士後期課程(一般入試・社会人入試・外国人留学生入試)も同じ日程で並行して実施されるため、修士から博士への進学や社会人としての博士後期課程受験を検討している場合は、あわせて工学院公式サイトの博士後期課程募集要項を確認してください。個人情報の取扱いについても募集要項に明記されており、出願時に提供した氏名・住所などの情報は入学者選抜・合格発表・入学手続き・入学者選抜方法等の調査研究に利用されるほか、合格者については教務・学生支援・就職支援・広報関係の業務にも利用されると案内されています。共同資源工学専攻の出願者については、これらの情報が九州大学においても利用される点も押さえておきましょう。
倍率・難易度をどう読むか
北海道大学大学院工学院は、工学研究院・工学院の公式サイトで志願者数・合格者数の統計を年度別に公開しています。直近の令和8年4月入学第1次(令和7年8月実施)では、修士課程全体で志願者383名に対して合格者349名となっており、単純計算での全体倍率はおよそ1.1倍です。専攻別では、応用物理学専攻が志願39名・合格35名、材料科学専攻が志願38名・合格33名、環境フィールド工学専攻が志願31名・合格29名、北方圏環境政策工学専攻が志願29名・合格27名など、専攻によって多少の差はあるものの、いずれも1倍台前半の水準で推移しています。同時期の博士後期課程は志願27名・合格26名でした。参考として、令和8年4月入学第2次(令和8年2月実施、機械・材料・環境系など一部専攻のみ実施)では修士課程が志願34名・合格25名、令和7年10月入学(令和7年8月実施)では修士課程が志願29名・合格24名という実績も公表されています。第1次(8月実施)と第2次(2月実施)を比較すると、募集人員のほとんどは第1次で充足され、第2次は欠員が生じた専攻のみを対象とした小規模な追加募集という性格が強いことが読み取れます。第2次募集を待って出願時期を遅らせる戦略は、対象専攻が限られるうえに募集人員も少ないため、基本的には第1次(8月)での合格を前提に準備を進めるのが現実的です。専攻別の正確な数値や最新年度の実績は、工学院公式サイトの志願者・合格者数のページで年度ごとに更新されるため、出願前に必ず最新の数値を確認してください。
倍率が1倍台前半という数字だけを見ると「受かりやすい」という印象を持ちやすいですが、これは工学院の外部院試の性質を正しく表しているとは限りません。出願前に指導予定教員との調整が済んでいる受験者が一定数を占めるとみられる大学院入試では、そもそも合格の見込みが立ちにくい研究室には出願しない傾向があるため、見かけの倍率は低く出やすくなります。加えて、環境フィールド工学専攻・北方圏環境政策工学専攻・機械・宇宙航空工学系研究室群のように、TOEICやTOEFLのスコアが一定の下限を下回ると専門科目の出来にかかわらず不合格と判定される仕組みが設けられている専攻もあり、募集要項に明記された下限点を満たしていない場合は、倍率の数字とは無関係に選考の対象外になってしまいます。
難易度を検討する際は、募集人員の規模、専門科目の出題範囲の広さ、語学スコアの下限設定の有無、志望理由書・研究計画書の提出義務、口述試験の選択可否という複数の要素を専攻ごとに比較することが重要です。機械宇宙工学・人間機械システムデザインなど4専攻が合算99名という大きな募集枠を持つ研究室群である一方、共同資源工学専攻は10名、環境循環システム専攻は18名と募集人員に差があるため、志望する研究室の実質的な倍率は専攻全体の数字だけでは判断できません。指導予定教員の研究室に在籍希望者が集中していないか、研究室単位の受け入れ人数はどの程度かも、出願前に確認しておきたいポイントです。他大学の工学系研究科と比較しながら準備計画を立てたい場合は、大学・研究科別の難易度の傾向を扱った関連記事もあわせて確認すると、北海道大学大学院工学院の位置づけを客観的につかみやすくなります。
難易度を考えるうえでもう一つ見落としやすいのが、専攻によって出願書類の負担そのものが異なる点です。志望理由書・研究計画書・研究室希望調査票のすべてを揃える必要がある専攻と、成績証明書の内容次第で筆答試験そのものが免除される可能性のある専攻とでは、直前期にかけるべき労力の配分が変わってきます。倍率の数字を見て「易しい」「難しい」と単純化するのではなく、自分が出願する専攻で何が審査対象になっているのかを募集要項から洗い出し、その項目ごとに準備の優先順位をつける方が、外部受験者にとっては実践的な難易度の読み方になります。
過去問の公開状況と出題傾向|口述試験・口頭試問対策
北海道大学大学院工学院は、入学試験過去問題ページで過去2年間分の問題のみを公表する方針を採っています。2026年7月時点で公開されているのは令和7年度試験問題(令和6年度実施)と令和8年度試験問題(令和7年度実施)の2年度分で、それ以前の問題は公表を終了しています。専攻グループごとにPDFファイルが分かれており、応用物理学、材料科学、機械・宇宙航空工学系研究室群、応用量子科学系研究室群、環境系5専攻、建築都市空間デザイン・空間性能システムという区分でそれぞれ別ファイルとして公開されています。令和8年度試験問題については、問題そのものに加えて「出題の意図」を説明する資料も公開されています。ただし、英語の試験問題は公開されておらず、解答例も公表されていません。
- 応用物理学専攻:応用数学Ⅰ・力学・電磁気学、応用数学Ⅱ・熱統計力学・量子力学の問題を収録したファイル
- 材料科学専攻:材料物理化学・材料物性学、材料プロセス工学・材料組織学の問題を収録したファイル
- 機械・宇宙航空工学系研究室群:材料力学・機械力学と制御工学、流体力学・熱力学の問題を収録したファイル
- 応用量子科学系研究室群:応用数学、電磁気学・電気回路/材料科学・物理化学/原子物理・原子炉工学の問題を収録したファイル
- 環境系5専攻(環境フィールド工学・北方圏環境政策工学・環境創生工学・環境循環システム・共同資源工学):数学・物理・化学、流体工学から環境統計学までの選択科目群を収録したファイル
- 建築都市空間デザイン専攻・空間性能システム専攻:建築都市学基礎・環境工学基礎、専攻別指定科目を収録したファイル
いずれも工学系事務部教務課大学院担当が窓口となって公開・管理しており、ファイルが見つからない場合や記載内容に不明点がある場合は、電話またはメールで直接問い合わせることができます。公式サイトでは、特定の解答例を示すと答案が一つの型に偏り、多角的かつ柔軟な思考力を評価しにくくなるおそれがある、という理由が明記されています。2年より前の年度の問題は、個人サイトなどで非公式に共有されている場合もありますが、公式には非公開のため、不明点があれば工学系事務部教務課大学院担当(011-706-6121)へ直接問い合わせる必要があります。
過去問が2年分しか確認できない以上、傾向を読み取る際は年度間の一致点だけでなく、募集要項に記載された出題科目・出題数のルールそのものを丁寧に読み込むことが対策の起点になります。応用物理学専攻・材料科学専攻は科目名と出題数がほぼ固定されているため、過去2年分の問題で出題形式(記述量・計算問題の比重・選択問題の有無)を確認したうえで、募集要項に記載された各科目の範囲(応用数学Ⅰ・Ⅱ、力学、電磁気学、熱・統計力学、量子力学など)を一通り復習する学習が有効です。環境フィールド工学専攻など5専攻のように、数学・物理・化学と全13科目16問という広い選択制の出題がある専攻では、過去問だけで全範囲をカバーすることは難しいため、募集要項の科目一覧を先に表にまとめ、自分の学部での既習範囲と照らして「選択できる科目の候補」を絞り込んでから過去問演習に入る進め方が合理的です。
専攻グループ別の対策の進め方を整理すると、次のような順序が考えられます。どの専攻でも共通する最初のステップは、募集要項の試験科目表を書き写し、必答科目と選択科目を区別することです。
- 募集要項から専攻・研究室群の試験科目、選択のルール(何問中何問選択するか)、口述試験や筆答免除の対象条件を表に整理する
- 過去2年分の問題を解き、出題形式(記述式か計算主体か)と大まかな難易度、時間配分の感覚をつかむ
- 「出題の意図」が公開されている令和8年度分については、出題者が何を評価しようとしたかを読み、自分の答案作成の方針に反映する
- 選択科目がある専攻では、学部での既習範囲をもとに本番で選ぶ科目の優先順位を決め、優先度の高い科目から集中的に演習する
- 志望研究室の研究内容と専門科目の出題範囲がどうつながるかを整理し、口頭試問・口述試験で説明できる状態に仕上げる
口述試験・口頭試問の対策では、北海道大学大学院工学院が公式に「研究能力及び研究課題に取り組む意欲を評価する」試験と位置づけている点を踏まえる必要があります。想定される質問領域としては、志望する研究室の研究内容をどこまで理解しているか、学部での卒業研究や履修科目が志望分野とどうつながるか、専門科目の筆答試験で出題された内容に関連する基礎知識、外部受験者であれば北海道大学大学院工学院を志望する理由、社会人であれば職務経験と研究テーマの接続などが挙げられます。応用物理学専攻・材料科学専攻で口述試験を選択する場合は、専門科目の筆答に代わる試験である以上、研究テーマに関わる基礎学力について踏み込んだ質問がなされることを想定し、志望研究室の教員が公開している論文やシラバスの内容も事前に確認しておくと安心です。
併願の考え方と関連情報
北海道大学大学院工学院の中では、環境循環システム専攻と共同資源工学専攻が公式に併願可能と案内されています。共同資源工学専攻は北海道大学大学院工学院と九州大学大学院工学府が共同で構成する大学院共同教育課程で、学生は主指導教員が在籍する大学に本籍を置きつつ両大学の施設を利用でき、副指導教員からも研究指導を受けられます。学位記は北海道大学・九州大学の連名で「修士(工学)」として授与されます。出願・受験は志願する大学ごとに行う必要があり、一方の大学に入学手続きをした場合、もう一方の大学の共同資源工学専攻を受験することはできません。共同資源工学専攻に出願する場合は、志願する大学の研究内容・入試日程を個別に確認し、出願資格予備審査を含めて志願先の大学の要項に従う必要があります。一方で、機械・宇宙航空工学系研究室群と応用量子科学系研究室群のように試験区分が異なる研究室群については、同一の入試内での併願はできない点に注意してください。
北海道大学大学院工学院以外の大学の工学系研究科と併願する場合は、試験日程が2026年8月18日・19日に重なっていないかをまず確認します。出願書類提出は郵送のみ・必着という制約もあるため、複数の大学院に同時期に出願する場合は、証明書の発行依頼や研究計画書の作成を早めに進め、書類の準備で出願を逃すことのないようスケジュールを組み立てる必要があります。修士課程からの進学だけでなく、社会人として博士後期課程を直接受験する道を検討している場合は、博士後期課程の一般入試・社会人入試・外国人留学生入試も同じ8月の日程で実施されるため、修士課程との併願はできませんが、志望研究室が既に決まっている社会人にとっては選択肢の一つになります。併願先の研究計画書を使い回す場合も、北海道大学大学院工学院の指定様式(材料科学専攻は1000字程度・A4判1ページなど)に合わせて分量や構成を調整しないと、字数超過や様式不備で受理されない可能性があるため注意してください。大学院入試全体のスケジュールの立て方や科目別対策の考え方については、大学院入試対策の完全ガイド|院試の全体像・スケジュール・科目別対策を徹底解説で体系的に解説しているので、北海道大学大学院工学院以外の併願先を検討する際の土台としても活用できます。
よくある質問(FAQ)
北海道大学大学院工学院は外部生でも受験できますか。
受験できます。出願資格を満たしていれば、北海道大学工学部以外の大学・高専の出身者も一般入試で出願可能です。専攻によっては志望理由書や研究室希望調査票の要否が本学工学部出身者と異なるため、志望専攻の出願書類一覧を個別に確認してください。高専・短大・専修学校出身などで大学卒業に相当する資格がない場合は、出願資格予備審査(個別の資格審査)を受ける必要があります。
TOEIC・TOEFL・IELTSは何点あれば安心ですか。
専攻によって扱いが異なります。環境フィールド工学専攻・北方圏環境政策工学専攻はTOEIC L&R 460点以下・TOEFL iBT 48点以下・IELTS 4.0点以下、機械・宇宙航空工学系研究室群はTOEIC L&R 550点未満・TOEFL iBT 42点未満・IELTS 4.0点未満で不合格と判定されます。これらの数値はあくまで不合格ラインであり、合格の目安点は公表されていないため、余裕を持った得点を目指して準備してください。応用物理学専攻・材料科学専攻はIELTSでの提出ができない点もあわせて確認しましょう。
研究計画書は必ず提出しなければなりませんか。
制度上必須なのは、材料科学専攻で口述試験を希望する場合のみです。それ以外の専攻では研究計画書の提出は求められていませんが、志望理由書は多くの専攻で必須です。提出が不要な場合でも、口頭試問での受け答えを一貫させるために、研究テーマや志望理由を事前に文章化しておくことをおすすめします。
過去問はどこで確認できますか。
工学院公式サイトの入学試験過去問題ページで、直近2年分の問題が専攻グループ別に公開されています。英語の試験問題と解答例は公表されていないため、専門科目の出題形式を確認したうえで、募集要項の科目範囲をもとに学習計画を立てる必要があります。令和8年度分は「出題の意図」も公開されています。
倍率はどれくらいですか。
公式統計によれば、令和8年4月入学第1次(令和7年8月実施)の修士課程全体で志願者383名・合格者349名という実績があり、専攻別でもおおむね1倍台前半で推移しています。ただし語学スコアの下限に満たない場合は倍率に関係なく不合格となるため、数字だけで難易度を判断しないよう注意してください。
口述試験と口頭試問はどう違いますか。
口頭試問はすべての専攻で実施され、志望研究室の研究内容や学習歴を問う面接に近いものです。口述試験は応用物理学専攻・材料科学専攻でのみ選択できる制度で、専門科目の筆答試験の代わりに研究テーマに関する試問を受ける形式です。希望する場合は所定の条件を満たし、志望理由書などの書類を添付する必要があります。
研究室訪問や指導教員への事前連絡は必要ですか。
2027年4月入学の一般入試で研究室訪問が一律に義務付けられているとは募集要項に明記されていません。ただし研究室希望調査票で配属希望順位を記入する仕組みがあるため、事前に指導予定教員へ連絡し、研究内容や受け入れ可否を確認しておくことが実務上望ましいとされています。特に2026年10月入学で機械・宇宙航空工学系研究室群・応用量子科学系研究室群を志望する場合は、事前確認が募集要項で明示的に求められています。
社会人でも受験できますか。第2次募集はありますか。
社会人が受験できるかどうかは出願資格による判断が基本ですが、応用物理学専攻の口述試験の対象条件には社会人(大学卒業後1年以上経過した者)が明記されています。長期履修制度を利用すれば標準修業年限を超えて計画的に学ぶことも可能です。第2次募集は専攻によって2027年2月に実施される場合がありますが、実施の有無・対象専攻は年度によって異なるため、工学院の入試情報ページで随時確認してください。
まとめ|北海道大学大学院工学院の外部院試は専攻ごとの違いを表にして準備する
北海道大学大学院工学院の外部院試は、13専攻がひとつの募集要項にまとまっている一方で、募集人員・出願資格・語学スコアの下限・試験科目・口述試験の可否・志望理由書や研究計画書の要否が専攻ごとに細かく異なります。志望する専攻の出願書類一覧と試験科目表を早い段階で書き出し、TOEIC・TOEFL・IELTSのどれをいつまでに受験するか、研究室希望調査票に書く配属希望をどう決めるかを具体的なスケジュールに落とし込むことが、外部受験者にとっての最初の一歩になります。専門科目の対策と並行して、志望研究室の教員への連絡や研究計画書・志望理由書の作成を進め、口頭試問で一貫した説明ができる状態を整えておきましょう。
特に外部からの受験者にとっては、専門科目の学力そのものよりも、出願資格の判定・語学スコアの提出期限・研究室希望調査票の記入・証明書類の収集といった手続き面でつまずくケースが少なくありません。出願資格予備審査からインターネット出願、書類の郵送、試験、合格発表までを一つのカレンダーにまとめ、どの手続きにどれだけの準備期間が必要かを可視化しておくことが、直前期の混乱を防ぐ最も確実な方法です。出願条件や日程は年度により変更される可能性があるため、最終的な判断は必ず工学院公式サイトの最新の募集要項で確認してください。
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