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北海道大学大学院 歯学院の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

北海道大学大学院 歯学院の外部院試を徹底解説の記事アイキャッチ画像。大学院入試対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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北海道大学大学院歯学院は、北海道大学歯学部を含む全国の歯学部・医学部等の卒業生を対象に、博士課程のみで構成される大学院組織です。修士課程を経ずに学部卒業後すぐ出願できる4年制の博士課程という点で、多くの文系・理系大学院とは制度そのものが異なります。本記事では、令和9年度(2027年度入学)歯学院(博士課程)学生募集要項と、歯学院が公式サイトで公開している過去問・志願者数データをもとに、外部受験者が押さえるべき出願資格・試験科目・志望理由書・研究室への事前相談・日程・倍率・過去問の傾向を、北海道大学大学院歯学院に固有の情報だけで整理します。募集要項の内容は令和8年6月時点のものであり、最新の詳細は必ず歯学院公式サイトの募集要項でご確認ください。

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目次

北海道大学大学院歯学院とは|口腔医学専攻と外部院試の位置づけ

北海道大学大学院歯学院は「口腔医学専攻」の1専攻のみで構成される博士課程です。専攻の中に口腔機能学、口腔健康科学、口腔病態学、顎機能医療学という4つの専修分野があり、その下に口腔機能解剖学、口腔生理学、口腔機能補綴学、歯科矯正学、歯周病学、口腔顎顔面外科学、歯科麻酔学など合計24の教室(研究室)が置かれています。出願前にどの教室・指導教員を志望するかを決めておく必要がある点は、専攻単位で選考する大学院とは大きく異なります。

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公式のアドミッション・ポリシーでは、歯学院の教育目標を「最新の歯学の学問分野及び研究領域に対応し、かつ歯学に関する教育研究の進歩を担いうる研究者及び教育者の養成並びに専門分野における高度な知識及び歯科医療技術を有する高度専門職業人の育成」と定めています。求める学生像は、研究・教育志向の「基盤系口腔医学コース」向けと、高度な臨床能力と研究マインドを両立させる「先端臨床系口腔医学コース」向けの2種類に分けて示されており、両コースとも入学前に歯学部卒業レベルの専門知識と技術を身につけていることが期待されています。

入学者選抜の基本方針として、歯学院は「博士課程入学試験では、英語の筆記試験と、専門に関する口頭試問と研究能力及び研究課題に取り組む意欲を評価する面接により入学者を選抜する」「特に英語の筆記試験と、専門に関する口頭試問を重視して選抜する」と明記しています。暗記量よりも英語運用力と専門分野の理解の深さが優先される選抜であることが、この一文からも読み取れます。

「外部院試」という観点では、北海道大学歯学部以外の大学(他大学の歯学部・医学部等)を卒業した、または卒業見込みの受験者が、北海道大学大学院歯学院を新たに志望するケースを指します。出願書類の規定でも「本学部卒業(見込)者は不要」という注記が成績証明書・卒業(見込)証明書の欄に繰り返し登場しており、外部出身者は出身大学発行の証明書類を追加で準備する必要がある点が実務上の分かれ目になります。また、先端臨床系口腔医学コースは日本の歯科医師免許を有する者のみが選択でき、社会人学生と外国人留学生は選択できないという制約があるため、社会人経験者や留学生として出願する場合は基盤系口腔医学コースが前提になる点も押さえておく必要があります。

2つの養成コースは教育プログラムと必要修得単位数がそれぞれ異なります。1年次は両コースとも共通の科目編成で、2年次以降にコースごとの専門的な授業科目へ分かれていく設計です。

項目基盤系口腔医学コース先端臨床系口腔医学コース
選択資格全ての大学院学生日本の歯科医師免許を有する者(社会人学生・外国人留学生は選択不可)
教育プログラムの特徴研究遂行能力及び教育指導能力の養成歯科医療分野の専門的知識及び臨床研究能力の養成
必要修得単位数31単位以上(研究科目15単位を含む)30単位以上(臨床実習科目15単位を含む)
課程修了の認定必要単位を修得し学位論文提出・審査に合格必要単位を修得し学位論文提出・審査に合格

先端臨床系口腔医学コースは、口腔機能補綴学、冠橋義歯・インプラント再生補綴学、歯科矯正学、小児・障害者歯科学、歯科公衆衛生学、歯科保存学、歯周病学、高齢者歯科学、口腔総合治療学、口腔診断内科学、口腔顎顔面外科学、放射線学、歯科麻酔学の13教室に設置されており、修了後は日本補綴歯科学会や日本歯周病学会など各学会が認定する認定医・専修医の取得準備につながる症例が優先的に配当されます。2つのコースは在学期間中一度に限り変更が可能ですが、社会人学生・外国人留学生は制度上そもそも先端臨床系を選べないため、出願段階でどちらのコースを前提に研究計画を立てるかを決めておく必要があります。

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実施専攻・募集人員・出願資格(語学スコアを含む)

令和9年度歯学院(博士課程)学生募集要項によると、募集区分は前期・後期の2回に分かれ、募集人員は入試区分ごとに次のとおりです。

専攻入試区分募集区分募集人員
口腔医学専攻一般入試前期・後期合わせて40名
口腔医学専攻社会人入試前期・後期それぞれ若干名
口腔医学専攻外国人留学生特別選抜前期・後期それぞれ若干名

専修分野・教室・専門科目の対応は、令和8年6月時点の募集要項で次のように公開されています。○印は、基盤系口腔医学コースに加えて先端臨床系口腔医学コースも設置している教室です。専門科目(口頭試問)は、この表の教室名に対応する科目から出題されます

専修分野教室専門科目
口腔機能学口腔機能解剖学口腔解剖学
口腔生理学生理学・口腔生理学
○口腔機能補綴学有床義歯補綴学
○冠橋義歯・インプラント再生補綴学冠橋義歯補綴学、口腔インプラント学
○歯科矯正学歯科矯正学
○小児・障害者歯科学小児歯科学
口腔健康科学硬組織微細構造学口腔組織学・同発生学
生化学生化学・口腔生化学
生体材料工学歯科理工学
○歯科公衆衛生学歯科公衆衛生学
○歯科保存学保存修復学
○歯周病学歯周病学
○高齢者歯科学高齢者歯科学
○口腔総合治療学総合歯科学
口腔病態学血管生物分子病理学病理学・口腔病理学
微生物学細菌学・口腔細菌学
薬理学薬理学・歯科薬理学
○口腔診断内科学口腔内科学
○口腔顎顔面外科学口腔外科学
○放射線学歯科放射線学
○歯科麻酔学歯科麻酔学
顎機能医療学顎咬合学口腔外科学,口腔内科学,有床義歯補綴学及び冠橋義歯補綴学から1科目出題
顎口腔機能改善学口腔インプラント学
顎口腔形成学口腔外科学又は歯科矯正学

専修分野は4つですが、教室数は合計24にのぼり、同じ専修分野でも専門科目名が教室ごとに細分化されていることがこの表から分かります。たとえば口腔機能学の中でも、口腔機能補綴学は有床義歯補綴学、冠橋義歯・インプラント再生補綴学は冠橋義歯補綴学と口腔インプラント学というように、隣接する教室であっても出題科目名は異なります。志望教室を決める前にこの一覧で専門科目名を確認しておくことが、専門科目(口頭試問)対策の出発点になります。

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出願資格【一般入試・社会人入試・外国人留学生特別選抜】

出願資格【一般入試】は、大学における医学・歯学または修業年限6年の獣医学もしくは薬学の課程を卒業した者・卒業見込みの者を基本とし、外国の18年課程修了者、文部科学大臣の指定した者、4年制大学(歯学等の課程)に4年以上在学し優れた成績を修めた者、個別の入学資格審査により24歳に達する者など、合わせて8つの号のいずれかに該当することが条件です。このうち出願資格(4)(5)(6)(7)(8)に該当して出願しようとする者は事前審査が必要で、前期は令和8年7月2日、後期は令和8年10月27日までに歯学事務部教務担当へ必要書類を添えて申し出る必要があります。歯学部・医学部等をストレートに卒業(見込み)する一般的なケースであれば、この事前審査は不要です。

社会人入試は「本学院入学時にすでに就業しているか、または入学後に就業することが見込まれる者」で、一般入試の出願資格各号のいずれかに該当することが条件です。外国人留学生特別選抜は「入学試験を受験するために来日することが困難な外国人で、かつ、志望する教室の指導教員の推薦書により能力・学力があると保証された者」が対象で、こちらも出願資格の各号に該当する必要があり、前期・後期とも事前審査と同じ期限までに歯学事務部教務担当への申出が必要です。

一般入試の出願資格は次の8号のいずれかに該当することが条件です。自分がどの号に当てはまるかを最初に確認しておくと、事前審査の要否がすぐに判断できます。

  • (1) 大学における医学・歯学又は修業年限6年の獣医学もしくは薬学の課程(歯学等の課程)を卒業した者、または卒業見込みの者(事前審査不要)
  • (2)(3) 外国において学校教育における18年の課程(最終の課程は歯学等の課程)を修了した者、または通信教育を通じて同等の課程を修了した者(事前審査不要)
  • (4) 我が国において、指定された外国大学の教育施設の課程(最終の課程は歯学等の課程)を修了した者(事前審査必要)
  • (5) 外国の大学等で修業年限5年以上の医学・歯学・獣医学又は薬学の課程を修了し、学士の学位に相当する学位を授与された者(事前審査必要)
  • (6) 文部科学大臣の指定した者。旧大学令による歯学・医学の学部卒業者、防衛医科大学校卒業者、修士課程修了者等(事前審査必要)
  • (7) 大学(歯学等の課程)に4年以上在学し、本学において優れた成績を修得したと認めた者(事前審査必要)
  • (8) 本学院の個別の入学資格審査により大学卒業者と同等以上の学力があると認めた者で、出願年度の3月31日までに24歳に達する者(事前審査必要)

このうち出願資格(4)から(8)に該当する者は事前審査が必須で、歯学部・医学部等の6年制課程をそのまま卒業(見込み)する出願資格(1)から(3)の一般的なケースに比べて、準備すべき書類と手続きの負担が大きくなります。事前審査の要否に迷う場合は、早い段階で歯学事務部教務担当に問い合わせておくことをおすすめします。

出願書類は入試区分によって必要点数が異なります。一般入試・社会人入試で共通して求められる主な書類は次のとおりです。

書類名概要
入学願書インターネット出願サイトで入力後に作成し、A4版で印刷して提出
受験票及び写真票出願前3か月以内撮影の写真(縦4cm×横3cm)を貼付
成績証明書出身大学(学部)長発行のもの。本学部卒業(見込)者は不要
卒業(見込)証明書出身大学長又は学部長発行のもの。本学部卒業(見込)者は不要
志望理由書出願サイトからダウンロードし、A4版・英文で作成
検定料30,000円(本学修士課程修了見込者で引き続き受験する場合は不要)
受験票送付返信用封筒長形3号封筒に宛先を明記し410円切手を貼付
受験承諾書(社会人入試のみ)在職中・就業見込の場合、所属長が作成
就業(見込)証明書(社会人入試のみ)所属長発行のもの
TOEFL・TOEIC・IELTSスコアシートのコピー(任意)3年以内に受験したもの
研究業績目録(任意)研究業績等がある場合に提出

中華人民共和国(香港・マカオを除く)の大学出身者は、卒業(修了)(見込)証明書に加えて、学歴証書電子登録票や原本証明を受けた学位証書・卒業証書の写しなど、教育部の認証システムを通じた追加書類の提出が求められます。出身国・出身大学によって追加提出書類が変わるため、証明書の発行スケジュールは出願期間の初日から逆算して早めに動き出す必要があります。

語学スコアの扱いについては、一般入試・社会人入試ではTOEFL-iBT(Home Editionを除く)またはTOEFL-ITP、TOEIC Listening & Reading Test(IPテストを含む)、IELTS Academicのいずれかのスコアシートのコピーが「任意提出」として案内されています。ただし募集要項には「TOEFL,TOEICまたはIELTSスコアによって外国語試験を免除することがあります」と明記されており、免除の有無は受験票発送時に通知されます。スコアを持っている場合は可能な限り提出することが推奨されている点は、他大学の大学院入試と共通する実務上のポイントです。一方、外国人留学生特別選抜ではこれら語学スコアの提出が必須書類として位置づけられています。TOEFL-iBTのスコアを本学院宛に電子送付する場合のDIコードはG320(Hokkaido University Graduate School of Dental Medicine)です。

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試験科目|外国語(英語)・専門科目(口頭試問)・面接

選抜方法は、入学願書・履歴書、最終出身学校の学業成績証明書、志望理由書等の出願書類の内容と、学力検査(外国語・専門科目)、面接試験の結果を総合して判定すると定められています。学力検査の点数だけで合否が決まるわけではなく、出願書類の内容も総合判定の対象に含まれる点は、募集要項の選抜方法の項目に明記されている事実です。学力検査は次の2科目です。

  • 外国語試験(英語):辞書の持込みは可能ですが、電子機器の使用は認められていません。
  • 専門科目(口頭試問):志望する教室ごとに実施されます。

試験時間は、前期(令和8年9月6日)・後期(令和9年1月24日)とも共通で、外国語(英語)が10時から11時50分、専門科目(口頭試問)が13時から、面接試験は専門科目終了後に本学大学院歯学院で実施されます。外国語試験を免除された受験者は専門科目(口頭試問)及び面接試験のみ受験する扱いになるため、TOEFL・TOEIC・IELTSスコアの提出可否が当日のスケジュールにも影響します。

専門科目(口頭試問)は「専修分野・教室・専門科目の試験科目」一覧に沿って、志望教室に対応する専門科目から出題されます。たとえば口腔機能補綴学志望であれば有床義歯補綴学、冠橋義歯・インプラント再生補綴学志望であれば冠橋義歯補綴学と口腔インプラント学、歯周病学志望であれば歯周病学というように、教室名と専門科目名がほぼ一対一で対応しています。例外として顎機能医療学の顎咬合学教室は専属の専門科目名を持たず、注記で「口腔外科学,口腔内科学,有床義歯補綴学及び冠橋義歯補綴学から1科目出題する」と定められている点は、他の教室と選考方法が異なる特殊なケースとして覚えておく必要があります。

外国人留学生特別選抜では、入学願書・履歴書、学業成績証明書、外部英語試験のスコア、指導予定教員からの推薦書、志望理由書等の出願書類の内容と、学力検査(専門科目)及び面接試験を総合して判定します。学力検査(専門科目)と面接試験はいずれもオンラインで実施される点が一般入試・社会人入試と異なり、実施方法の詳細は後日志願者に個別連絡されます。

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志望理由書・研究室(教室)への事前相談

大学院受験の対策記事では「研究計画書」という言葉がよく使われますが、北海道大学大学院歯学院の出願書類一覧に研究計画書という名称の書類は含まれていません。一般入試・社会人入試・外国人留学生特別選抜のいずれも、提出が求められているのは英文で作成する「志望理由書」です。志望理由書はインターネット出願サイトからダウンロードし、A4版で印刷して英文で作成・提出する必要があります。研究計画書に相当する内容を英文の志望理由書1通に凝縮するという点が、歯学院の出願準備における最大の特徴です。研究計画そのものを詳細に記述する様式ではないからこそ、限られた分量の中でこれまでの学習・研究歴と志望する教室の研究内容を接続する構成力が問われます。

歯学院がもう一つ強く求めているのが、出願前の教員への事前相談です。募集要項の「北海道大学大学院歯学院志願者の皆さんへ」という案内文には「本学院を志望される方は、事前に志望する教室の指導教員に研究テーマ等を相談のうえ、出願するようお願いします」と明記されています。指導教員の連絡先が分からない場合は、氏名・卒業大学名・電話番号・e-mailアドレス・志望する教室名と指導教員名・研究テーマ等の6項目をすべて記入したうえで、歯学事務部教務担当へメールで問い合わせる流れが用意されており、後日、志望する教室の担当者から連絡が来る仕組みになっています。

教室選びの起点になるのが、募集要項の巻末に掲載されている「研究内容一覧」です。令和8年4月現在の情報として、各教室の指導教員名と主たる研究内容が箇条書きで公開されており、たとえば口腔機能補綴学教室であれば顎口腔機能と全身機能の関連や生体材料の開発、歯周病学教室であれば歯周組織再生や口腔と全身の連関に関する分子機序の解析といった具体的なテーマが確認できます。研究内容一覧を読み込んで志望テーマと合う教員を絞り込んでから連絡を取ることが、事前相談を空振りにしないための現実的な進め方です。教室によっては指導教員が「未定」(顎口腔機能改善学など)や複数教員体制になっている場合もあるため、志望理由書の作成前に教室名と指導教員名の対応関係を必ず最新の研究内容一覧で確認してください。

研究内容一覧に掲載されている情報の粒度は教室によって異なりますが、専修分野を横断していくつか例を挙げると、研究テーマの幅の広さが分かります。

専修分野教室(一例)主たる研究内容の例
口腔機能学口腔生理学摂食行動の調節メカニズムに関する神経生理学的研究、味覚の脳内メカニズムに関する研究
口腔機能学口腔機能補綴学顎口腔機能と全身機能の関連の解明、義歯・補綴治療に応用する生体材料の開発
口腔健康科学生体材料工学新しい歯科材料・生体材料の開発、生体/材料界面のナノ制御による硬組織の機能的再建
口腔健康科学歯周病学歯周組織の再生医療、口腔と全身の連関に関する分子機序の解析
口腔病態学微生物学口腔微生物が腸内細菌叢に及ぼす影響、歯周病原細菌が口腔がん細胞に及ぼす影響
顎機能医療学顎咬合学顎関節症の診断・治療法に関する臨床的研究、睡眠時無呼吸症候群に関する臨床的研究

基礎系の教室では細胞生物学・分子生物学的な手法を用いた研究が中心である一方、臨床系の教室では症例に基づく臨床研究が中心になるなど、同じ専修分野の中でも研究アプローチが大きく異なることが研究内容一覧からうかがえます。志望理由書では、こうした教室ごとの研究アプローチの違いを踏まえたうえで、自分の学習・研究歴がどちらの方向性に近いかを具体的に書き分けることが説得力につながります。

志望理由書はA4版1枚の英文書類であり、研究計画書のように実験計画や方法論を詳細に展開する様式ではありません。限られた分量の中で説得力を持たせるには要素の取捨選択が欠かせず、一般的には、これまでの学習・研究歴の要約、北海道大学大学院歯学院および志望する教室を選ぶ理由、入学後に取り組みたい研究テーマの概要、修了後のキャリアビジョンという4つの要素を軸に組み立てる書き方が実務上のセオリーになります。

  • 学習・研究歴の要約 — 学部時代の卒業研究・実習・臨床実習で取り組んだ内容を、志望する専修分野・教室の研究テーマに接続できる形で簡潔にまとめます
  • 歯学院・志望教室を選ぶ理由 — 研究内容一覧で確認した志望教室の研究テーマと、自分の学習・研究歴がどう重なるかを具体的に書きます
  • 入学後に取り組みたい研究テーマの概要 — 基盤系口腔医学コースか先端臨床系口腔医学コースかによって、研究志向か臨床志向かの書き分けが必要になります
  • 修了後のキャリアビジョン — 研究者・教育者、または高度な臨床能力を備えた専門職業人のいずれを志向するかを、志望する専修分野の特性と結びつけて記述します

任意提出書類である研究業績目録を提出できる実績がある場合は、志望理由書側でも該当する実績に触れておくと、口頭試問・面接での質問と一貫性を持たせやすくなります。

研究室訪問や指導教員への問い合わせメールをどう書けばよいか迷う場合は、依頼から御礼まで一連の文例を扱った研究室訪問のメール例文集が参考になります。英文の志望理由書を書く前に、研究の背景・目的・意義を日本語でどう組み立てるかを整理しておくと、英訳の作業もスムーズに進みます。

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出願から入学までのスケジュール(前期・後期)

歯学院は前期・後期の年2回の募集区分があり、日程はそれぞれ独立しています。令和9年度(2027年度入学)募集要項に基づく日程は次のとおりです。

項目前期後期
出願資格事前審査・外国人留学生特別選抜の申出期限令和8年7月2日(木)令和8年10月27日(火)
出願期間令和8年7月22日(水)~7月30日(木)令和8年11月27日(金)~12月7日(月)
試験日令和8年9月6日(日)令和9年1月24日(日)
合格発表令和8年9月18日(金)午前9時令和9年2月5日(金)午前9時

出願手続は3つの段階に分かれており、いずれも出願期間内に完了している必要があります。インターネットで出願登録をしただけでは手続完了になりません

  1. インターネット出願サイト(e-apply.jp/e/hokudai-den/)で必要事項を入力し、出願登録を行う。
  2. 検定料30,000円を、クレジットカード、Pay-easy、コンビニエンスストア、ジャパンネット銀行・楽天銀行、中国銀聯ネット決済のいずれかで支払う。
  3. 入学願書・受験票及び写真票・成績証明書・卒業(見込)証明書・志望理由書(英文)などの必要書類を、必ず「書留」で郵送する(出願期間内必着)。

過去3年度の志願者・合格者データには、前期・後期に加えて3月実施の「2次募集」の実績も記録されています。令和4年度から令和6年度まで、いずれも2次募集で1〜3名程度の出願・合格が出ています。令和9年度募集要項では2次募集の実施が本記事執筆時点で確定していませんため、前期・後期の日程を軸に準備を進めたうえで、2次募集の有無については歯学院公式サイトの募集要項ページで直前まで確認しておくことをおすすめします。

合格発表は本学大学院歯学院玄関ホールへの掲示に加え、本人宛の郵送でも通知されます。入学手続きにかかる費用は、入学料282,000円(予定額)、授業料が前期分267,900円(年額535,800円、予定額)です。これらは予定額であるため、入学時や在学中に納付金の改定が行われた場合は改定後の金額が適用されます。検定料は出願書類を受理した後は原則として返還されません。返還できるのは検定料を払い込んだが出願しなかった場合と、誤って二重に払い込んだ場合の2つのケースに限られます。

費用面では、歯学院の募集案内ページに「次世代AI博士人材フェローシップ」という北海道大学の博士課程学生向け支援制度への案内が掲載されており、生活費相当額及び研究費を支給する制度として紹介されています。入学試験の受験前から応募できる案内になっているため、経済面の準備を並行して検討したい場合は、専用ポータルサイトで対象者・申請時期・支給額などの最新の詳細を確認することをおすすめします。全学的な制度であり歯学院専用の奨学金ではない点には注意してください。

在職しながらの進学を想定して、歯学院には長期履修制度も用意されています。通常4年間で修了する課程を、職業を有している等の事情により最長2年間延長できる制度で、希望する場合は指導予定教員とあらかじめ十分に相談したうえで、必ず出願前に歯学事務部教務担当へ申し出る必要があります。社会人入試での出願を検討している場合は、志望理由書の作成と並行して長期履修の要否も早めに整理しておくと出願直前に慌てずに済みます。

検定料30,000円の支払い方法は複数用意されており、普通為替や現金は受理されません。クレジットカード(VISA、MasterCard、JCB、AMERICAN EXPRESS等)のほか、Pay-easy対応のATM・ネットバンキング、コンビニエンスストア、ジャパンネット銀行・楽天銀行、中国銀聯ネット決済(ChinaPay)のいずれかから選べます。支払い後に受け取る控えや完了通知メールは大切に保管しておく必要があり、提出を求められる場合があります。

社会人が在職のまま学べるよう、歯学院は大学院設置基準第14条による教育方法の特例も適用しています。歯学院共通科目を年数回の開講日に分けて集中的に履修できるようにし、土・日曜日や夏季休暇を利用した集中講義も実施する運用です。ただし大学院臨床実習科目だけは北海道大学病院で行う実習のため、この科目を選択する場合は平日の第1時限から第4時限(8時45分から16時15分)に受講する必要があり、集中講義の対象にはなりません。社会人入試で先端臨床系口腔医学コースを検討する余地はそもそもありませんが、基盤系口腔医学コースであっても、履修計画は指導教員や歯学事務部教務担当と早い段階ですり合わせておくことが望ましいといえます。

外国籍で出願する場合は、通常の出願書類に加えて在留カードのコピー(在留カードを所持していない場合はパスポートのコピー)が必要です。留学生として在籍するには在留資格「留学」の取得が必要で、申請に必要な「在留資格認定証明書」は発行までに3か月以上かかる場合があるとされています。加えて、北海道大学は「外国為替及び外国貿易法」に基づく安全保障輸出管理規程を定めており、規制事項に該当する場合は希望する教育を受けられない、あるいは研究が実施できないといった制限がかかる可能性があります。外国籍での出願は書類準備とビザ手続きの両方を早期に着手することが、出願期間・入学時期に間に合わせるうえで欠かせません。

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倍率・難易度|過去3年の出願者・合格者データ

歯学院は公式サイトの「過去問、志願者・合格者数、試験成績の開示について」というページで、過去3年度分の出願者数・合格者数・入学者数を前期募集・後期募集・2次募集別に公開しています。( )内は留学生数の内数です。

年度区分出願者合格者入学者
令和6年度前期募集11名(2名)11名(2名)9名(2名)
後期募集35名(11名)34名(11名)31名(10名)
2次募集1名(0名)1名(0名)1名(0名)
47名(13名)46名(13名)41名(12名)
令和5年度前期募集7名(0名)5名(0名)5名(0名)
後期募集31名(7名)30名(7名)28名(6名)
2次募集3名(1名)3名(1名)3名(1名)
41名(8名)38名(8名)36名(7名)
令和4年度前期募集12名(0名)12名(0名)12名(0名)
後期募集19名(4名)18名(4名)16名(3名)
2次募集1名(0名)1名(0名)1名(0名)
32名(4名)31名(4名)29名(3名)

3年分の合計を出願者数÷合格者数で計算すると、令和6年度が約1.02倍、令和5年度が約1.08倍、令和4年度が約1.03倍となり、いずれも1倍台前半にとどまっています。数字だけを見ると倍率が低く見えますが、この結果は「誰でも合格しやすい」ことを直接意味するものではありません。歯学院は出願前に志望する教室の指導教員へ研究テーマを相談することを公式に求めており、この事前相談の段階で研究テーマと教室の適合性、必要な基礎知識の有無がある程度すり合わされたうえで出願に至るケースが多いと考えられます。倍率の数字は、選考の緩さではなく、事前相談を経て出願する母集団の性質を反映したものとして捉えるのが実態に近いといえます。

前期募集と後期募集を分けて倍率を計算すると、募集区分ごとの違いも見えてきます。

年度前期の出願者/合格者(倍率)後期の出願者/合格者(倍率)
令和6年度11名/11名(約1.0倍)35名/34名(約1.03倍)
令和5年度7名/5名(約1.4倍)31名/30名(約1.03倍)
令和4年度12名/12名(約1.0倍)19名/18名(約1.06倍)

後期募集は3年連続で出願者数が前期募集を上回っており、令和6年度は後期だけで35名が出願しています。後期募集は前期募集より出願者・合格者ともに多い年度が続いている点は、いつ受験するかを検討するうえで参考になる傾向です。一方で令和5年度前期のように出願者7名に対し合格者5名という年度もあり、募集区分・年度によって数字にばらつきがあることも事実として押さえておく必要があります。

入学者の年齢層は幅広く、令和7年度入学者では23歳から40歳以上まで分布しており、令和5年度・令和6年度の入学者にも30代以上の入学者が一定数含まれています。

入学年度23〜25歳26〜29歳30歳以上入学者計
令和5年度20名9名0名29名
令和6年度23名11名2名36名
令和7年度12名21名8名41名

歯学部卒業直後の23〜25歳前後の入学者が中心である一方、社会人経験を経て進学するケースも珍しくありません。外国籍の入学者は令和5年度3名、令和6年度7名、令和7年度12名と増加傾向にあり、令和7年度は中国出身者が10名と大半を占め、台湾・バングラデシュ・エジプト出身者も含まれています。30歳以上の入学者が年々増加している傾向からも、社会人経験者や他分野からの進学者を歯学院が広く受け入れていることがうかがえます。

合格者数と入学者数を見比べると、毎年一定数の差があることも分かります。令和6年度は合格46名に対し入学41名(差5名)、令和5年度は合格38名に対し入学36名(差2名)、令和4年度は合格31名に対し入学29名(差2名)です。合格しても入学しないケースが一定数存在する背景には、他大学院との併願結果や進路変更など受験者側の事情が考えられますが、募集要項にその内訳は示されていないため、断定はできません。合格者数と入学者数の差が毎年一定して存在するという事実だけを踏まえ、志望教室の指導教員には合格後の進路についても早めに相談しておくと安心です。

大学院入試全体の中で北海道大学大学院歯学院の位置づけを相対的に把握したい場合は、複数の大学・研究科の難易度傾向を比較した大学院入試の難易度ランキングもあわせて確認しておくと、専攻選びの判断材料が増えます。

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過去問の公開状況と出題分析|英語・専門科目口頭試問・面接

歯学院は「過去問、志願者・合格者数、試験成績の開示について」というページを公式に設けており、外部受験者でも過去問と口頭試問の質問例を確認できる体制を整えています。外国語(英語)は直近4回分の試験問題そのものがPDFで公開されており、令和7年度(2025)9月実施、令和6年度(2024)3月実施、令和6年度(2024)1月実施、令和6年度(2024)9月実施の4種類がダウンロードできます。専門科目(口頭試問)については、教室ごとの「試問内容(過去3年程度)」が一覧表としてまとめられ、あわせて公開されています。

外国語(英語)試験の傾向

公開されている令和8年度(前期)の試験問題を確認すると、構成は「Question I」「Question II」の大問2題の長文読解で、それぞれ英文記事を読んだうえで、いずれも英語で書かれた設問に英語で解答する形式です。試験時間は10時から11時50分までの110分で、この時間内に2つの長文を読み解き、英語で解答をまとめる必要があります。出典は歯科・医学系の学術誌や科学系メディアの記事で、たとえば人工知能(CNNなどの機械学習モデル)を用いたう蝕診断の研究動向をまとめた学術論文(BMC Oral Health誌掲載)や、歯周病原細菌とアルツハイマー病の関連を報じたScience誌の記事のように、いずれも歯学・口腔医学に関わる最新トピックを扱った専門的な英文が題材になっています。一般的な英語長文読解力に加えて歯学・医学分野の専門用語への慣れが問われる出題であり、TOEICのようなビジネス英語中心の対策だけでは題材への親和性が不足しがちです。日頃から歯学系の英語論文や科学ニュースの抄録を読む習慣をつけ、英語で要約・意見を書く練習を重ねておくことが、この試験科目に対する現実的な準備になります。

専門科目(口頭試問)の傾向

公開されている専門科目(口頭試問)の質問例を教室別に確認すると、出題の性質はおおむね3つの系統に整理できます。1つ目は基礎知識の説明を求めるタイプで、口腔機能解剖学の「三叉神経の支配領域について説明しなさい」、口腔生理学の「生体のホメオスタシスの例を挙げてその機序と生理学的意義を説明して下さい」、硬組織微細構造学の「骨リモデリングにおける骨組織の細胞群の役割について知っていることを述べてください」のように、学部で学ぶ基礎科目の理解度を確認する設問です。

2つ目は臨床的な判断や説明力を問うタイプで、口腔機能補綴学の「全部床義歯の製作における咬合採得の誤差が、義歯の機能および予後に与える影響について、包括的に説明してください」、口腔顎顔面外科学の「口腔がんの治療について具体的に説明しなさい」、顎咬合学の「顎関節症はどのような病態か、また鑑別疾患にはどのようなものがあるか説明してください」のように、臨床経験と専門知識を結びつけて説明する力が試されます。

3つ目は研究への姿勢やキャリア観を問うタイプで、歯科矯正学の「矯正歯科治療の未来はどのようにあるべきと考えますか?また、どのような研究が矯正歯科治療の未来につながるとお考えですか?」、口腔総合治療学の「異分野融合・産学連携研究について説明してください」、口腔顎顔面外科学の「コンピュータテクノロジーの進化、AIの進化により、今後の医療はどうなるか?診断と治療の観点から思うことを述べなさい」のように、専門分野の延長線上で自分の研究テーマや将来像を語らせる設問です。志望理由書に書いた内容と口頭試問での回答に一貫性があるかどうかは、この系統の質問で特に見られやすいと考えられます。

この3系統は専修分野を横断して現れており、同じ教室の中でも基礎知識確認型と将来像を問う型が組み合わされて出題されている点が特徴です。

出題の系統教室の例質問例(要約)
基礎知識の説明口腔生理学摂食行動や嘔吐の誘因・発症機序を生理学的知見に基づいて説明する
基礎知識の説明生化学酸化ストレスの定義と口腔疾患との関連、エピジェネティックな変化の影響を説明する
臨床判断・説明力歯周病学歯周病と全身疾患の関わり、超高齢社会における歯周病専門医の役割を説明する
臨床判断・説明力歯科麻酔学アナフィラキシーショックの診断と治療法、麻酔の三大要素を説明する
研究姿勢・キャリア観血管生物分子病理学病理学の意義について自分の考えを述べる
研究姿勢・キャリア観微生物学自然界からのファージ分離方法と応用可能性について考えを述べる

予防歯科学(歯科公衆衛生学)では「地域歯科保健活動における歯科医師の役割について」「各疫学研究デザインの利点・欠点について」「自身の研究計画に関連する倫理的配慮が必要な点について」といった、公衆衛生・疫学の視点と研究倫理を組み合わせた質問例が公開されています。研究倫理への言及を求める質問がある教室を志望する場合は、志望理由書の段階から倫理的配慮の観点を盛り込んでおくと、口頭試問での回答に一貫性を持たせやすくなります。

なお、公開資料には「薬理学」「顎口腔機能改善学」の2教室について「過去5年実施無し(志願者無し)」という記載があります。志願者が少ない教室では公開されている質問例が存在しないため、これらの教室を志望する場合は過去問に頼らず、指導教員への事前相談で出題傾向を直接確認する必要性がより高くなります。

面接(口述試問)対策の考え方

面接試験は専門科目(口頭試問)終了後に実施され、選抜方法の説明では「研究能力及び研究課題に取り組む意欲を評価する」ことが明記されています。専門科目(口頭試問)が知識と説明力を確認する場であるのに対し、面接はより研究者としての姿勢や、志望する教室・指導教員のもとで研究を継続できる適性を見極める場と位置づけられます。試験成績の開示制度では「専門科目(英語)の点数および専門科目(口頭試問)、面接試験の合否結果」が開示対象とされており、面接は点数ではなく合否という形で評価される科目として扱われている点も、対策の優先順位を考えるうえで参考になります。

面接では、志望理由書に記載した研究テーマ・志望動機と、当日の受け答えに食い違いがないかが見られやすいと考えられます。志望理由書で述べた内容を、自分の言葉で口頭でも説明できるように事前に練習しておくと、専門科目(口頭試問)とは別の評価軸である「研究への意欲」を伝えやすくなります。指導教員への事前相談の場で、志望理由書の草稿段階の内容について感触を確認しておくことも、面接対策の一環として有効です。

試験成績の開示は、全科目を受験して不合格となった受験者本人からの郵送請求に限られています。請求できるのは合否発表日から7日以内(消印有効)で、受験票の原本と、本人の住所・氏名を明記し460円分の切手を貼った返信用封筒(長形3号)を歯学事務部教務担当へ郵送する必要があります。窓口への直接持参では受理されません。開示された成績を次回の出願に活かせるのは不合格者に限られる制度設計であるため、合格した場合は自分の得点を後から確認する手段がない点も理解しておく必要があります。

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併願・内部リンク

北海道大学大学院歯学院は歯学部・医学部等の卒業(見込み)者が対象の博士課程であるため、併願先を検討する場合も同様に医学系・歯学系の大学院を軸に考えるのが基本になります。専門科目(口頭試問)が教室単位で実施される点や、出願前の指導教員への事前相談が必須である点は他大学の医歯学系大学院にも共通しやすい実務であるため、複数校を同時に検討する場合は、各校の事前相談の期限と出願資格事前審査の締切を一覧化して管理することが望ましいといえます。前期・後期の2回募集がある歯学院の特性を踏まえ、他大学の募集時期との重なりや、志望理由書・研究計画の使い回しが可能な範囲も早い段階で整理しておくと、直前期の負担を減らせます。

歯学院は前期(9月実施)と後期(1月実施)の年2回募集がある点を活用し、前期で不合格になった場合に後期で再挑戦する、あるいは前期の結果を待たずに他大学の医歯学系大学院や、同一大学の別専攻・別コースを並行して検討するという進め方も可能です。前期の合格発表(9月18日予定)から後期の出願締切(12月7日予定)までは2か月半程度あるため、前期で思うような結果が出なかった場合でも、志望理由書の見直しや専門科目の再対策に充てる時間は確保しやすい日程になっています。ただし、後期は前期よりも出願者数が多い年度が続いているため、日程に余裕があるからといって対策を先延ばしにしないことが重要です。

併願先の書類を使い回す際の注意点として、歯学院の志望理由書は英文での作成が必須である一方、他大学の大学院では日本語の研究計画書を求められるケースが一般的です。同じ研究テーマでも言語と様式が異なる書類を並行して用意する必要があるため、まず日本語で研究の背景・目的・意義を整理したうえで、歯学院向けには英訳と字数調整を行う、という2段階の準備を想定しておくと、直前に慌てずに済みます。

費用面でも、併願校数に応じた予算を早めに見込んでおくことが重要です。歯学院の検定料は30,000円で、これに加えて他大学の検定料、証明書類の発行手数料、遠方受験であれば交通・宿泊費もかかります。前期・後期それぞれに検定料が発生する点も踏まえ、何校まで、どの時期に併願するかを研究計画・志望理由書の完成度と相談しながら早めに決めておくと、直前の資金繰りに慌てずに済みます。

大学院入試そのものの全体像やスケジュールの立て方を体系的に確認したい場合は、大学院入試対策の完全ガイドで院試全体の流れと科目別対策の考え方を押さえておくと、歯学院固有の準備と一般的な院試対策の切り分けがしやすくなります。英語スコアの扱いについてさらに詳しく知りたい場合は、大学院入試のTOEICスコアは何点必要かを扱った記事も、外国語試験免除の可否を検討する際の参考になります。歯学院のように専門科目が口頭試問中心で、英語試験・志望理由書・面接の比重が大きい入試では、独学だけで対策範囲を判断しにくい場面も出てきます。志望する教室に合わせた対策の優先順位づけに不安がある場合は、大学院入試対策コースで、現在の学習状況と志望教室に合わせた対策の組み立てを相談することもできます。

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よくある質問(FAQ)

北海道大学大学院歯学院に修士課程はありますか。

ありません。歯学院は博士課程のみで構成される大学院組織です。歯学部・医学部等の6年制課程を卒業(見込み)した者を主な対象に、4年間の博士課程として運営されています。修士課程を経て進学する一般的な大学院とは制度が異なるため、出願資格の確認では「大学院修士課程」ではなく「歯学等の課程の卒業(見込み)」という基準で自分の状況を照らし合わせる必要があります。

歯科医師免許がなくても出願できますか。

出願資格自体は歯学部等の課程の卒業(見込み)を基本としており、歯科医師免許の有無は出願資格の必須条件にはなっていません。実際、基盤系口腔医学コースの「求める学生像」には「歯科医師免許の有無にかかわらず」歯学・生命科学の領域で研究・教育を志す学生という記載があります。ただし、先端臨床系口腔医学コースは日本の歯科医師免許を有する者のみが選択できるコースで、社会人学生と外国人留学生はこのコースを選択できません。社会人入試・外国人留学生特別選抜で出願する場合は、研究者・教育者養成を目的とする基盤系口腔医学コースが前提になります。

TOEIC・TOEFL・IELTSのスコアは必ず提出しないといけませんか。

一般入試・社会人入試では任意提出です。ただし、募集要項にはこれらのスコアによって外国語(英語)試験を免除することがあると明記されており、スコアを保有している場合は提出しておくメリットがあります。免除の有無は受験票発送時に通知されます。一方、外国人留学生特別選抜ではTOEFL-iBT・TOEFL-ITP・TOEIC L&R・IELTS Academicのいずれかのスコアシートの提出が必須です。

研究計画書は提出する必要がありますか。

歯学院の出願書類一覧に「研究計画書」という名称の書類はありません。代わりに、英文で作成する「志望理由書」の提出が一般入試・社会人入試・外国人留学生特別選抜のすべてで求められています。内容としては研究テーマや志望動機を記述するものであり、研究計画書に近い機能を果たしますが、様式や分量は独自のものであるため、他大学の研究計画書のひな形をそのまま流用することは避け、志望理由書としての体裁で作成する必要があります。

出願前の研究室訪問や教員への連絡は必須ですか。

募集要項の案内文では、志望する教室の指導教員へ事前に研究テーマ等を相談したうえで出願するよう明確に求めています。指導教員の連絡先が分からない場合は、氏名・卒業大学名・電話番号・メールアドレス・志望する教室名と指導教員名・研究テーマ等の6項目を記載して歯学事務部教務担当へメールで問い合わせる方法が案内されています。事実上必須の手続きとして早めに動くことをおすすめします。

過去問はどこで入手できますか。

歯学院の公式サイトにある「過去問、志願者・合格者数、試験成績の開示について」というページから、外国語(英語)試験問題の直近4回分(令和7年度9月実施、令和6年度3月・1月・9月実施)と、専門科目(口頭試問)の教室別質問例(過去3年程度)をPDFでダウンロードできます。専門科目については教室によって「過去5年実施無し」という記載もあるため、志望教室に該当資料がない場合は指導教員への事前相談で出題傾向を確認する必要があります。

倍率はどのくらいですか。

公式に開示されている過去3年度分のデータでは、出願者数に対する合格者数の割合(倍率)は、令和6年度が合計47名の出願に対し46名合格、令和5年度が41名の出願に対し38名合格、令和4年度が32名の出願に対し31名合格となっており、いずれも1倍台前半にとどまっています。ただし、出願前に指導教員への事前相談を経て出願する仕組みのため、単純な倍率の低さだけで難易度を判断せず、専門科目・英語・志望理由書それぞれの対策を並行して進めることが重要です。

外国籍でも出願できますか。

出願資格自体は国籍を問わず一般入試の各号に該当していれば出願できますが、日本国内から受験する外国籍の方は一般入試・社会人入試の枠組みで、来日が困難な場合は外国人留学生特別選抜の枠組みで出願する形になります。在留資格認定証明書の発行に3か月以上かかる場合があるため、出願を検討する時点でビザ関連の手続きにも着手しておく必要があります。

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まとめ

北海道大学大学院歯学院の外部院試は、修士課程を経ない博士課程という制度上の特徴、教室単位で出題される専門科目(口頭試問)、研究計画書ではなく英文の志望理由書を軸にした出願書類、そして出願前の指導教員への事前相談という一連の流れを正しく理解することが出発点になります。前期・後期で日程が独立している点、TOEFL・TOEIC・IELTSスコアによる外国語試験免除の可能性がある点、過去問と口頭試問の質問例が教室別に公開されている点は、いずれも公式情報として確認できる固有の材料です。倍率だけを見れば1倍台前半にとどまる年度が多いものの、その背景には出願前の事前相談を通じて研究テーマと教室の適合性が確認される仕組みがあることを踏まえ、英語試験・専門科目(口頭試問)・志望理由書・面接のそれぞれに時間をかけて備える姿勢が欠かせません。募集要項は年度ごとに更新されるため、出願の直前には必ず歯学院公式サイトの最新の学生募集要項で募集人員・出願期間・試験日等を再確認したうえで、志望する教室の指導教員への相談を早めに進めてください。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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