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北海道大学大学院 医学院の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

北海道大学大学院医学院とは、北海道大学医学部医学科を基盤として設置された大学院で、修士課程「医科学専攻」(医科学コース・公衆衛生学コース)と、博士課程「医学専攻」(基盤医学コース・臨床医学コース・社会医学コース)の2つの課程から構成されています。医学院は一般選抜を前期・後期の年2回実施しており、北海道大学以外の大学の学部・大学院に在籍する受験生を対象とした外部受験も受け付けています。本記事では、令和9年度(2027年4月入学、医学専攻博士課程は令和8年10月入学を含む)の学生募集要項の記載にもとづき、募集人員、出願資格、試験科目、研究計画書の位置づけ、日程、過去問の公開状況を整理します。募集要項は年度ごとに更新されるため、出願前には必ず医学院公式サイトに掲載される最新版をご確認ください。
北海道大学大学院医学院とは|専攻・課程の構成と外部院試の位置づけ
北海道大学医学部医学科には、大学院組織として「医学院」のほかに「医理工学院」が置かれています。医理工学院は医工学・医理学系の大学院であり、本記事で扱う医学院(医科学専攻・医学専攻)とは募集要項・出願資格・試験日程が別に設定されています。検索や資料収集の際に、名称が似た医理工学院の情報と混同しないよう注意してください。
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医学院は、北海道大学の4つの基本理念(フロンティア精神、国際性の涵養、全人教育、実学の重視)と、医学院独自の教育理念(世界をリードする先進的医学研究の推進、高い倫理観と豊かな人間性を有する医学研究者・医療人の育成による人類の健康と福祉への貢献)を掲げています。入学者選抜の基本方針では、次の3つの学生像が示されています。
- 生命現象の解明、疾病の克服、人類の健康の増進に向けて真摯に研究に取り組むことのできる人
- 知的好奇心に富み、論理的な分析力、粘り強い行動力や協調性を有し、医学領域各分野において国際的なリーダーとして活躍できる人
- 入学前に外国語(英語)の基礎的読解力と作文能力を身につけている人
| 区分 | 専攻 | コース | 学位 |
|---|---|---|---|
| 修士課程 | 医科学専攻 | 医科学コース | 修士(医科学) |
| 修士課程 | 医科学専攻 | 公衆衛生学コース(2年コース) | 修士(公衆衛生学) |
| 修士課程 | 医科学専攻 | 公衆衛生学コース(1年コース) | 修士(公衆衛生学) |
| 博士課程 | 医学専攻 | 基盤医学コース | 博士(医学) |
| 博士課程 | 医学専攻 | 臨床医学コース | 博士(医学) |
| 博士課程 | 医学専攻 | 社会医学コース | 博士(医学) |
修士課程の医科学専攻には3つのコースワークがあります。医科学コースは医学・生命科学領域の幅広い知識を持つ高度専門職業人の育成を、公衆衛生学コース(2年コース)は社会全体や人々の健康・生活・安全の維持向上に資する公衆衛生上の課題に取り組む人材の育成を目的としています。公衆衛生学コース(1年コース)は、医師・歯科医師・薬剤師など一定の実務経験を持つ人を対象に、1年間で医療・公衆衛生領域の高度専門職業人を育成することを目的としたコースで、公衆衛生学コースを選択した場合はいずれも社会医学講座のいずれかの教室に所属して学修します。コースは出願時に選択し、入学後に正式決定します。
博士課程の医学専攻にも3つのコースワークが設けられています。基盤医学コースは研究者・教育者としての自立を目指すコースで、臨床医学コースは優れた臨床技術と研究能力を兼ね備えた臨床医・研究医の育成を目的とするコースです。大学病院にない高度な診断・検査・治療を行う「臨床系連携講座」において、専任教員と第一線の臨床医である連携教員による複数指導体制のもとで、理論と実践を融合した臨床医学研究を行うことも可能です。社会医学コースは、研究倫理や統計学の基礎・応用、医療情報学、EBM(エビデンスに基づく医療)などの社会医学研究法を修得したうえで、公衆衛生学・予防医学分野の研究遂行能力を培うコースです。コースは出願時に選択しますが、在学中の変更も可能とされています。
このほか医学院には、臨床研修2年目に大学院へ入学し、臨床研修と大学院での学修を並行できる「CLARCプログラム」や、医学部医学科在学中から研究者養成を目指す「MD-PhDコース」といった特別プログラムが設けられています。これらは主に本学医学部医学科の学生を対象とした制度である点に注意が必要で、外部からの一般選抜による受験を検討する場合は、まず医科学専攻修士課程または医学専攻博士課程の一般選抜の枠組みを確認することが出発点になります。
医科学専攻修士課程が育成する人材像として、募集要項では、①医学・生命科学・公衆衛生学領域の研究者や教育者、②医療・公衆衛生関連分野の高度専門職業人、③保健医療や保健政策マネジメントなどの専門家という3つの方向性が示されています。学位授与の方針も学位ごとに書き分けられており、修士(医科学)は医学・生命科学に関連する研究テーマや仮説を立案し、実験・調査で得られた結果を適切に分析して研究領域の発展に寄与する能力を、修士(公衆衛生学)は公衆衛生学上・予防医学上の課題解決に必要な情報の収集・分析と、対策の立案・実施・評価の能力を、それぞれ学位授与の要件として掲げています。
医学専攻博士課程が育成する人材像は、①国内外の大学・研究機関における国際的な研究者、②医療機関において優れた臨床技術と研究能力を兼ね備えた臨床医・研究医、③行政機関・企業等において保健医療行政・公衆衛生に携わる高度専門職業人の3つです。博士(医学)の学位授与方針では、医学に関連する研究の背景や状況を的確に把握し、学術的かつ国際的に重要性のある研究テーマや仮説を立案・検証し、基盤医学・臨床医学・社会医学いずれかの研究領域の発展に持続的に寄与する能力を身につけた者に学位を授与するとされています。
修士課程の教育課程は「共通コア科目」「必修科目Ⅰ」「必修科目Ⅱ」「選択科目」の4区分で構成されます。共通コア科目は全コース必修で、医学研究に関する基本的知識を扱う「基本医学研究概論」、研究計画の立案や疫学・生物統計の基礎を学ぶ「基本実験・研究計画法」、生命倫理観を涵養する「医倫理学序論」、橋渡し研究の理解を促す「トランスレーショナルリサーチ概論」の4科目です。必修科目Ⅰはコースごとに内容が異なり、公衆衛生学コースでは米国公衆衛生大学院協会が定める5領域(疫学・生物統計学・社会行動科学・保健医療管理学・環境保健学)に対応した基礎科目が置かれています。選択科目には、医科学コース向けの基本医学総論・臨床ゲノミクス概論・臨床情報工学・臨床疫学・臨床病理検査医学、公衆衛生学コース向けの応用疫学・応用生物統計学・応用社会行動科学・応用保健医療管理学・応用環境保健学などが用意されています。修了要件は、医科学コース・公衆衛生学コース(2年コース)が2年(優れた業績を上げた者は1年)以上在学し30単位以上を修得のうえ修士論文又は特定課題の研究成果の審査・試験に合格すること、公衆衛生学コース(1年コース)は1年以上在学し30単位以上を修得することです。
単位の内訳も、選択したコースによって作り込まれています。募集要項に示された履修方法によれば、医科学コースは共通コア科目4単位・必修科目Ⅰ2単位・必修科目Ⅱ14単位に加えて所属教室開講の基本医学総論を含む選択科目10単位以上、公衆衛生学コース(2年コース)は共通コア科目4単位・必修科目Ⅰ7単位・必修科目Ⅱ14単位に選択科目5単位以上、公衆衛生学コース(1年コース)は共通コア科目4単位・必修科目Ⅰ5単位・必修科目Ⅱ13単位に選択科目8単位以上を組み合わせて、いずれも30単位以上を満たす設計です。同じ「30単位以上」でも必修と選択の配分がコースごとに異なる点は、出願前にシラバスを検討する際に押さえておきたいポイントです。
博士課程の教育課程は「共通コア科目」「必修科目」「選択科目」の3区分です。共通コア科目には「医学研究概論」「実験・研究計画法」「医倫理学」「研究発表技法Ⅰ・Ⅱ」「トランスレーショナルリサーチ概論」が置かれ、必修科目は基盤医学コース・臨床医学コース・社会医学コースのいずれか1つを選択して履修します。修了要件は、大学院に4年(優れた業績を上げた者は3年)以上在学し、30単位以上を修得したうえで博士論文の審査及び試験に合格することです。
博士課程の履修方法も具体的に定められています。共通コア科目から8単位、履修する教育コースの必修科目から12単位、選択科目から所属教室開講の医学総論2単位以上を含めた10単位以上を修得する構成で、あわせて30単位以上となります。必修科目は基盤医学・臨床医学・社会医学の3コースいずれか1つに絞って履修するため、コース選択は入学後の授業スケジュールにも直結します。
修士課程と博士課程の違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 医科学専攻修士課程 | 医学専攻博士課程 |
|---|---|---|
| 標準修業年限 | 2年(公衆衛生学コース1年コースは1年) | 4年 |
| 取得学位 | 修士(医科学)又は修士(公衆衛生学) | 博士(医学) |
| 入学時期 | 4月 | 4月又は10月 |
| 課題論文 | 課される | 課されない |
| 口述試験 | 公衆衛生学コース(1年コース)のみ | 独立区分としては明記なし |
実施専攻・募集人員・出願資格|学歴要件と語学スコアの扱い
医科学専攻修士課程と医学専攻博士課程では、出願できる学部出身者の範囲が大きく異なります。医科学専攻修士課程は、大学を卒業(見込)していれば出身学部・学科を問わず出願でき、理学部・薬学部・看護学部・農学部など医学部以外の出身者も対象に含まれます。これに対して医学専攻博士課程は、医学・歯学・修業年限6年の獣医学又は薬学を履修する課程の卒業(見込)者が原則で、これら以外の学部出身者は、大学院修士課程修了などの別ルートを経由しない限り、直接出願することはできません。
医学専攻博士課程の出願資格には、文部科学大臣の指定した者に関する注記があり、その一つに研究従事歴によるルートが含まれています。医学・歯学・獣医学・薬学以外の4年制大学卒業者や、外国における16年の課程修了者であっても、卒業後に大学・研究所等において2年以上研究に従事し、その研究成果等により医学・歯学・獣医学又は6年制薬学の課程卒業者と同等以上の学力があると本学院が認めた場合は、事前の出願資格審査を経て出願できる可能性があります。このルートは、大学院修士課程を経由しない場合の主要な選択肢の一つであり、該当する可能性がある場合は、出願資格審査の申請期間内に余裕をもって医学系事務部総務課医学院教務担当へ相談しておくことが望まれます。
令和9年度の募集人員は、医科学専攻修士課程が20名、医学専攻博士課程が90名(社会人若干名を含む)です。いずれも出願に先立ち、志望する教室の指導予定教員へ研究内容・研究計画を事前に照会・確認することが募集要項の注意事項に明記されており、教室を決めずに出願書類だけを準備することは想定されていません。
| 区分 | 主な出願資格の考え方 |
|---|---|
| 医科学専攻修士課程 | 大学卒業(見込)者、学校教育法第104条第7項の規定による学士授与(見込)者、外国の学校教育における16年の課程を修了(見込)した者など。卒業した学部・学科の分野は問われません。大学に3年以上在学し優れた成績を修めた者や、本学院の個別入学資格審査により22歳に達する者で大学卒業者と同等以上の学力があると認められた者は、事前の出願資格審査を経て出願できます。 |
| 医学専攻博士課程 | 大学における医学、歯学又は修業年限6年の獣医学若しくは薬学を履修する課程を卒業(見込)した者、外国の学校教育で医学・歯学等を含む18年の課程を修了(見込)した者など。文部科学大臣が指定した者(旧大学令による医学・歯学部卒業者、防衛医科大学校卒業(見込)者などを含む)や、修士課程又は専門職大学院の課程を修了(見込)した者、大学(医学・歯学・獣医学又は6年制薬学の課程)に4年以上在学した者、24歳に達する者で個別審査により卒業者と同等以上の学力を認められた者などは、事前の出願資格審査を経て出願できます。 |
| 公衆衛生学コース(1年コース)の追加要件 | 大学における医学、歯学又は6年制の薬学を履修する課程を卒業し、医師、歯科医師又は薬剤師として2年以上の実務経験(臨床研修の期間を含む)を有する者。又は本学院が個別審査によりこれに相当すると認めた者。 |
大学卒業(見込)者に該当しない場合でも、医学院が実施する個別の出願資格審査を経れば出願できる場合があります。医科学専攻修士課程では、大学に3年以上在学して優れた成績を修めた者や、22歳に達する者で大学卒業者と同等以上の学力があると認められた者が対象です。医学専攻博士課程では、修士課程等を経ずに研究・実務経験を積んだ者や、24歳に達する者で同等以上の学力を認められた者などが対象になります。個別審査を利用する場合は、在学大学(学部)長の推薦書や、最終学歴に関する証明書・資料、研究歴又は実務経験の内容を証する書類などを、通常の出願書類とは別に、出願資格審査の申請期間内に提出する必要があります。医科学専攻修士課程の個別審査では、2年制の短大等の卒業者は2年以上、3年制の短大等の卒業者は1年以上の実務経験証明が必要など、出身課程の修業年限に応じて必要な実務経験年数が異なる点にも注意が必要です。
医学専攻博士課程における「社会人」とは、官公庁・研究所・病院等に勤務し、入学後もその職を有する者と定義されています。社会人入学志望者は勤務医を除き、志望理由書(関心を持つ分野・研究計画・将来の目標をA4判用紙に記載したもの)と、これまでの学会発表・論文発表等の活動、あるいは勤務先での業務内容等を記載した書類の提出が求められます。
このほか医学院では、外国人留学生を対象とした特別選抜も別途実施されています。一般選抜とは出願資格・出願期間・選考方法が異なるため、外国籍で留学生としての出願を検討している場合は、一般選抜の募集要項とあわせて、医学院公式サイトに掲載される外国人留学生特別選抜の募集要項を必ず確認してください。本記事では、一般選抜(令和9年度)を中心に解説しています。
語学要件については、TOEICやTOEFLなど外部英語スコアの提出を出願要件とする記載は募集要項になく、外国語(英語)は医学院が実施する学内の筆記試験として課されます。外国人留学生は英和辞典・英英辞典に限らず複数言語の辞典使用が認められる点も、一般の受験者との違いとして押さえておきたいところです。語学要件の扱いは年度により変更される可能性があるため、出願前に最新の募集要項で必ず確認してください。
医科学専攻修士課程の主な出願書類は次のとおりです。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 入学願書 | 写真(縦4cm・横3cm、出願日前3か月以内撮影)を貼付 |
| 志望の動機 | 所定用紙に記入 |
| 成績証明書 | 出身大学(学部)長作成の原本、コピー不可 |
| 卒業証明書又は卒業見込証明書 | 出身大学(学部)長作成の原本、コピー不可 |
| 受験票・写真票 | 写真票にも写真を貼付 |
| 受験票送付用封筒 | 410円分の切手を貼付 |
| 宛名票 | 3か所すべてに郵便番号・住所・宛名を明記 |
| 検定料受付証明書台紙 | 検定料受付証明書Eを貼付 |
出願書類はいずれも出身大学(学部)長が作成した原本の提出が必要で、コピーでは受理されません。現姓名が卒業時と異なる場合は、戸籍抄本等の改姓を証する書類の添付が求められ、中国(台湾・香港・マカオを除く)の大学出身者は学歴証書電子登録票など追加書類の提出が必要です。身体に障害があり受験・修学に特別な配慮を要する場合は、前期試験は6月11日(木)、後期試験は10月27日(火)までに申し出るよう求められています。
医学専攻博士課程の出願書類は、医科学専攻とほぼ共通していますが、いくつか異なる点があります。成績証明書・卒業(見込)証明書は大学院へ進学した経歴がある場合、大学院分もあわせて提出する必要があり、本学医学部医学科卒業(見込)者又は本学医学院修士課程修了(見込)者は成績証明書・卒業(修了)証明書の提出そのものが不要とされています。中国(台湾・香港・マカオを除く)の大学出身者は、既卒者であれば卒業証明書・学歴証書電子登録票(英語版)・原本証明を受けた卒業証書の写し・学位証書の写しの4点、卒業見込者であれば卒業見込証明書とオンライン在籍認証レポートの2点を提出する必要があり、後者は出願時点でWeb認証の有効期限が15日以上残っていることが求められます。外国籍の出願者は在留資格を問わず在留カードのコピーの提出が必要で、日本国外に居住する場合はパスポートのコピーで代替します。社会人入学志望者(勤務医を除く)は、これに加えて志望理由書と、学会発表・論文発表等の活動あるいは勤務先での業務内容を記載した書類を提出します。出願資格審査を経て出願する場合は、「これからの研究課題及び研究計画」(A4判・2,000字程度)や、該当する出願資格に応じた推薦書・研究歴証明書等が追加で必要になります。
外国籍の出願者は、在留資格「留学」の取得が必要になる点にも注意が必要です。在留資格認定証明書は申請から発行までに3か月以上かかる場合があるとされており、合格後の入学手続きや来日準備を見据えて早めに情報収集を進めることが望まれます。
試験科目|専門科目・外国語(英語)・課題論文・口述試験の位置づけ
医学院の入学者選抜は、学力試験と提出書類等を総合して判定する方式です。評価方法と評価比重を示す表では、専門科目と外国語(英語)がいずれも「特に重視する要素」とされ、出願書類は「重視する要素」という位置づけです。医科学専攻修士課程ではこれに加えて課題論文も特に重視する要素とされており、公衆衛生学コース(1年コース)のみ口述試験も特に重視する要素として明記されています。評価比重を入試区分ごとに整理すると、次のようになります。
| 入試区分(医科学専攻) | 課題論文 | 専門科目試験 | 外国語試験 | 口述試験 | 出願書類 |
|---|---|---|---|---|---|
| 一般選抜(医科学コース) | 特に重視 | 特に重視 | 特に重視 | – | 重視 |
| 一般選抜(公衆衛生学コース2年コース) | 特に重視 | 特に重視 | 特に重視 | – | 重視 |
| 一般選抜(公衆衛生学コース1年コース) | 特に重視 | 特に重視 | 特に重視 | 特に重視 | 重視 |
| 入試区分(医学専攻) | 専門科目試験 | 外国語試験 | 出願書類 |
|---|---|---|---|
| 一般選抜 | 特に重視 | 特に重視 | 重視 |
この比重表からは、いずれの課程・コースでも出願書類は「重視」にとどまり、学力試験(専門科目・外国語、コースによって課題論文・口述試験)が合否判定の中心に置かれていることが読み取れます。志望理由書や研究計画に関わる書類の完成度だけに時間を割きすぎず、専門科目・外国語の対策にも十分な時間を確保することが大切です。
| コース | 時間 | 試験科目 | 方式 |
|---|---|---|---|
| 医科学コース・公衆衛生学コース(2年コース) | 8:50〜9:50 | 課題論文 | 筆答 |
| 医科学コース・公衆衛生学コース(2年コース) | 10:30〜12:30 | 外国語(英語) | 筆答 |
| 医科学コース・公衆衛生学コース(2年コース) | 13:30〜 | 専門科目 | 筆答又は口頭 |
| 公衆衛生学コース(1年コース) | 8:50〜9:50 | 課題論文 | 筆答 |
| 公衆衛生学コース(1年コース) | 10:30〜12:30 | 外国語(英語) | 筆答 |
| 公衆衛生学コース(1年コース) | 13:30〜 | 口述試験 | 口頭 |
| 公衆衛生学コース(1年コース) | 14:00〜 | 専門科目 | 筆答又は口頭 |
医学専攻博士課程(一般選抜)の試験科目は次のとおりです。
| 時間 | 試験科目 | 方式 |
|---|---|---|
| 10:30〜12:30 | 外国語(英語) | 筆答 |
| 13:30〜 | 専門科目 | 筆答又は口頭 |
博士課程には課題論文や口述試験という独立区分はなく、外国語(英語)と専門科目の2科目構成です。専門科目は「筆答又は口頭」とされ、方式は試験当日に指示されるため、志望教室によって出題形式が異なる可能性があります。修士課程では外国語受験時に英和辞典・英英辞典の使用が認められますが、電子機器による辞書の使用は認められていません。博士課程の外国語試験では辞書の持込みそのものが認められておらず、この点が修士課程との明確な違いになっています。
試験当日のタイムテーブルを見ると、医科学専攻は8:40〜8:50に諸注意の説明があり、医学専攻は10:20〜10:30に同様の説明が行われたうえで、それぞれ最初の試験科目に進む流れになっています。具体的な集合時間・集合場所は、受験票発送時にあわせて通知されるため、募集要項の時点では確定しません。入学者選抜方法は、学力試験及び提出された成績証明書等を総合して判定するとされており、当日の得点だけで機械的に合否が決まるわけではない点も押さえておく必要があります。
研究計画書・志望理由書・指導予定教員への事前照会
医科学専攻修士課程の出願書類には、研究計画書という名称の書類は明記されていませんが、所定用紙による「志望の動機」の提出が必須とされています。これに加えて、入学願書の志望教室欄に記入する前に、募集要項に掲載された「医学院の組織及び主な研究内容」を参照し、指導予定教員へ詳細な研究内容・研究計画を事前に照会・確認することが注意事項として明記されています。
医学専攻博士課程では、出願資格審査を経て出願する受験者(大学院・研究所等での研究従事歴により出願資格を得る場合や、個別の入学資格審査による場合など)に対して、「これからの研究課題及び研究計画」をA4判用紙で2,000字程度にまとめて提出することが求められます。社会人入学志望者(勤務医を除く)も、関心を持つ分野・研究計画・将来の目標を記載した志望理由書と、学会発表や論文発表等の活動実績、勤務先での業務内容を記載した書類の提出が必要です。
一般選抜で出願する場合であっても、専門科目が「筆答又は口頭」とされていることから、志望教室の研究内容を理解したうえで自分の研究関心と接続できるよう準備しておく価値は大きいといえます。募集要項には生化学、解剖学、生理学、薬理学、病理学、微生物学・免疫学、社会医学、内科学、外科学、脳神経外科学、精神医学、感覚器病学など、幅広い講座・教室と指導教員、主たる研究内容の一覧が掲載されています。代表的な講座と教室構成の例は次のとおりです。
- 生化学講座:分子生物学教室・医化学教室
- 病理学講座:統合病理学教室・腫瘍病理学教室・分子診断病理学教室
- 社会医学講座:衛生学教室・公衆衛生学教室・法医学教室・医療政策評価学教室・医学統計学教室
- 内科学講座:呼吸器内科学教室・免疫代謝内科学教室・消化器内科学教室・循環器内科学教室・血液内科学教室・感染症内科学教室
- 外科学講座:消化器外科学教室(I・II)・腎泌尿器外科学教室・心臓血管外科学教室・乳腺外科学教室・呼吸器外科学教室
- 神経病態学講座:精神医学教室・脳神経外科学教室・神経内科学教室
- 医生物学講座:神経生物学教室
- 免疫科学講座:免疫生物学教室・分子神経免疫学教室
- 癌病態学講座:幹細胞生物学教室・がん制御学教室
教室によっては、教員の脇に「兼担」と記載されているケースもあります。兼担教員は複数の教室・分野を横断して指導にあたる立場であり、研究テーマによっては専任教員と兼担教員のどちらに照会すべきかが分かりにくい場合もあります。判断に迷う場合は、医学系事務部総務課医学院教務担当に問い合わせて、適切な照会先を確認しておくと安心です。
各教室の主たる研究内容も、募集要項の一覧に具体的に示されています。たとえば衛生学教室は環境疫学や気候変動による健康影響評価を、医療政策評価学教室はレセプト等の行政データベースを用いた医療介護政策の評価を、ヘルスデータサイエンス教室はリアルワールドデータの取得・管理・解析手法を、それぞれ主要な研究テーマとして掲げています。臨床遺伝学・医療倫理学教室のようにゲノム医療における遺伝カウンセリングを扱う教室や、生命分子機構(オートファジーの分子機構等)を扱う教室など、基礎・臨床という従来の区分に収まりにくい学際的な研究室も選択肢に含まれています。
志望教室を検討する段階で、教室ごとの研究テーマと自分の関心・研究計画がどのようにつながるかを言語化しておくと、事前照会の連絡や専門科目の口頭試問への準備がしやすくなります。研究計画書や志望理由書を書く際は、抽象的な志望動機だけで終わらせず、これまでの学習歴・研究歴・実務経験と、志望する教室の研究内容がどのように接続するのかを具体的に説明できる状態を目指すことが重要です。特に社会人入学志望者は、実務経験を研究計画にどう活かすのかという視点が、志望理由書の説得力を左右します。
募集要項の教室一覧には、教員名の脇に「※1」「※2」という注記が付されている教室があります。「※2」は今回の学生募集を実施しないことを示す注記で、年度によって受け入れを行わない教室があることを意味します。「※1」は指導を希望する場合に指導教員個人ではなく教室へ相談するよう案内する注記です。志望教室を検討する段階で、この注記を必ず確認し、該当年度に募集があるかどうかを募集要項本文で確かめておく必要があります。
指導予定教員への照会を始める時期についても、逆算しておくと安心です。前期試験の出願期間は7月上旬、出願資格審査申請はさらに前の6月上旬に設定されているため、研究テーマの方向性を固めて指導予定教員に連絡する作業は、遅くとも出願期間の数か月前には着手しておくことが望ましいといえます。教員によっては返信や面談の調整に時間がかかる場合もあり、志望理由や研究計画の内容を照会段階からある程度具体化しておくと、やり取りがスムーズに進みやすくなります。
指導予定教員への連絡方法は、教室によってメール・電話など運用が異なります。募集要項自体には連絡方法の指定はないため、まずは医学院公式サイトに掲載されている各教室のページや、医学系事務部総務課医学院教務担当への問い合わせを通じて、失礼のない形で連絡先を確認することが実務的な進め方になります。研究室訪問やオンライン面談が可能かどうかも、教室ごとに事情が異なるため、早い段階で確認しておくとよいでしょう。
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出願・試験・合格発表の日程|令和9年度スケジュール
医学院の一般選抜は前期試験・後期試験の年2回実施される点が大きな特徴です。令和9年度(2027年4月入学)の日程は次のとおり公表されています。医学専攻博士課程には令和8年10月入学の枠もあり、出願資格・出願期間が別途設定されています。医科学専攻修士課程の入学時期は4月のみである一方、医学専攻博士課程は4月と10月の両方に入学時期が設定されており、この点も両課程の違いの一つです。
| 項目 | 前期試験 | 後期試験 |
|---|---|---|
| 出願資格審査申請期間(該当者のみ) | 令和8年6月10日(水)〜11日(木) | 令和8年10月26日(月)〜27日(火) |
| 医科学専攻 出願期間 | 令和8年7月1日(水)〜6日(月) | 令和8年11月20日(金)〜26日(木) |
| 医学専攻 出願期間 | 令和8年7月7日(火)〜10日(金) | 令和8年11月16日(月)〜19日(木) |
| 試験日(両専攻共通) | 令和8年8月18日(火) | 令和9年1月13日(水) |
| 合格発表 | 令和8年9月4日(金)午前10時 | 令和9年1月29日(金)午前10時 |
| 医科学専攻 入学手続期間 | 令和9年3月8日(月)〜12日(金) | |
| 医学専攻 入学手続期間 | 【令和8年10月入学】9月9日(水)〜11日(金) /【令和9年4月入学】3月8日(月)〜12日(金) | |
医学専攻博士課程の出願資格は、入学時期によって基準日が使い分けられている点にも注意が必要です。令和8年10月入学を出願資格の基準とする場合は令和8年9月30日まで、令和9年4月入学を基準とする場合は令和9年3月31日までに、それぞれ卒業(見込)・修了(見込)等の要件を満たす必要があります。同じ前期・後期の試験区分の中に4月入学と10月入学の双方が組み込まれているため、出願書類を準備する段階で、自分がどちらの入学時期を想定しているかを整理しておくことが実務的です。
出願は郵送・窓口いずれも出願期間内必着で、受付時間は土・日・祝日を除く午前9時から午後5時までです。窓口へ持参する場合も所定の封筒に書類を入れて提出する必要があり、直接持ち込めば即日受理されるわけではありません。出願書類に不備がある場合は受理されず、出願書類の変更にも応じないと明記されているため、提出前に記入漏れ・添付漏れがないか十分に確認する必要があります。既に納付した検定料は、検定料を納付したが出願しなかった場合や誤って二重に納付した場合を除き返還されません。
出願から入学手続までの流れをまとめると、次のようになります。
- 志望教室の指導予定教員へ研究内容・研究計画を事前に照会する
- 該当する出願資格がある場合は、期限内に出願資格審査を申請する
- 出願期間内に入学願書・出願書類・検定料受付証明書等を提出する
- 試験日に外国語(英語)・専門科目(該当する場合は課題論文・口述試験)を受験する
- 合格発表日に医学院ウェブサイトで受験番号を確認する
- 指定された入学手続期間内に入学手続きを行う
医学専攻博士課程には欠員が生じた場合の第2次募集も設けられており、令和9年度は出願資格審査が令和9年1月14日(木)〜15日(金)、出願期間が令和9年2月3日(水)〜5日(金)、試験日が令和9年2月16日(火)と公表されています。第2次募集の実施可否は欠員状況によって変わるため、詳細は1月下旬に公表される募集要項で確認する必要があります。
合格発表は受験者への郵送に加えて、当日午前10時ごろに医学院ホームページ上へ合格者受験番号が掲載されます。電話等による合否の問い合わせには応じないと明記されているため、発表方法をあらかじめ把握しておくことが重要です。
入学検定料はいずれの課程も30,000円で、ゆうちょ銀行又は銀行の窓口で振込用紙により納付します(ATM使用不可)。入学料は282,000円(予定額)、授業料は半期267,900円・年額535,800円(予定額)とされており、国費外国人留学生は入学検定料・入学料とも納入が不要です。このほか、本学大学院修士課程を修了見込みで引き続き本学医学院博士課程を受験する場合も、入学検定料・入学料は納入不要とされています。入学料・授業料には徴収猶予・納付減免の制度もあり、詳細は合格者に個別に通知されます。提出先は〒060-8638 札幌市北区北15条西7丁目 北海道大学医学系事務部総務課医学院教務担当(電話011-706-5018)です。
標準修業年限を超えて計画的に学びたい場合は、長期履修制度を利用できます。職業を有している、育児・介護がある、障害により修学に重大な影響があるといった事情に該当する場合に申請でき、修士課程は4年以内、博士課程は6年以内で在学年限を延ばすことができます。ただし公衆衛生学コース(1年コース)の学生はこの制度を利用できません。長期履修が認められた場合の授業料は、標準修業年限分の総額を長期履修が認められた年数で除した金額が年額として決定されます。フルタイムで働きながら医科学コースや基盤医学コースなどへの進学を検討している社会人は、出願前に長期履修制度の適用可否をあわせて確認しておくとよいでしょう。
倍率・難易度をどう考えるか
医学院は、専攻・課程別の志願者数や合格者数、倍率を一覧表として公式サイトに常時公開しているわけではありません(2026年7月時点でウェブサイト・募集要項を確認)。倍率を正確に知りたい場合は、医学系事務部総務課医学院教務担当へ直接問い合わせるか、医学院ウェブサイトの入試情報ページを出願直前まで確認することをおすすめします。偏差値のような指標も医学院自体は公表していないため、民間の情報サイトに掲載された数値だけで難易度を判断することは避け、募集要項に記載された一次情報を優先して確認してください。
公表数値がない中でも、募集要項から読み取れる規模感はあります。医科学専攻修士課程は20名という比較的小さな募集人員を、前期・後期の年2回に分けて選抜しており、1回あたりの募集人員はさらに絞られる可能性があります。医学専攻博士課程は90名(社会人若干名を含む)とまとまった人数ですが、こちらも前期・後期の2回に分かれるうえ、令和8年10月入学枠と令和9年4月入学枠が併存する点を踏まえて検討する必要があります。
体感難易度を左右する要素としては、出願資格の幅広さだけでなく、専門科目や課題論文の出題内容が公式には非公開であること、公衆衛生学コース(1年コース)にのみ口述試験が課されること、社会人入学志望者には志望理由書や活動実績書類という追加提出物があることなどが挙げられます。名称や募集人員の数字だけで難易度を判断せず、試験科目の組み合わせと自分の準備状況を照らし合わせて検討することが重要です。
出願資格の範囲も、難易度の感じ方に影響します。医科学専攻修士課程は出身学部を問わず出願できるため、応募者の学問的背景が多様になりやすい一方で、医学専攻博士課程は医学・歯学・獣医学(6年)・薬学(6年)の卒業(見込)者に対象が絞られます。応募者層の幅そのものが倍率に直結するとは限りませんが、志望する課程がどのような学歴を持つ受験者を主に想定しているのかを理解しておくと、専門科目や課題論文の準備方針を立てやすくなります。
医学専攻博士課程の募集人員が「90名(社会人若干名を含む)」という書き方をされている点にも注意が必要です。一般の受験者枠と社会人枠は同じ90名の中に含まれており、区分ごとの内訳は公表されていません。社会人入学志望者は、一般選抜と共通の学力試験(外国語・専門科目)に加えて志望理由書等の提出が求められるため、実務と受験準備の両立をどう進めるかも難易度を左右する要素になります。
教室ごとの実質的な難易度にはばらつきがあると考えられますが、この点についても医学院が教室別の志願者数・合格者数を公表しているわけではありません。指導予定教員への事前照会は、研究テーマのすり合わせだけでなく、その教室の受け入れ状況や過去の受験者の傾向を把握する機会にもなり得ます。公表資料だけで判断せず、可能な範囲で直接確認する姿勢が重要です。
ここまでの内容を、難易度を考えるときの確認項目として整理すると、次のようになります。
| 確認項目 | 公式に確認できる範囲 |
|---|---|
| 募集人員 | 専攻単位で公表(コース別・教室別の内訳は非公表) |
| 志願者数・合格者数・倍率 | 一覧としては非公表(問い合わせで確認できる可能性あり) |
| 専門科目・課題論文の出題内容 | 非公表(過去問も非公開) |
| 外国語(英語)の出題内容 | 過去3年分の過去問を請求により入手可能 |
過去問の公開状況と出題予測|専門科目・課題論文・口述試験の対策
医学院が公式に公開している過去問は、外国語(英語)のみです。募集要項には「入学試験問題のうち、外国語(英語)の試験問題については、過去3年分を公表している」と明記されており、希望者は「医学院修士課程(又は博士課程)入学試験過去問題請求」と明記したメモ用紙と、角形2号封筒に宛先を明記し320円分の切手を貼付した返信用封筒を、医学系事務部総務課医学院教務担当宛に郵送すれば入手できます。
過去問の請求は、医科学専攻修士課程と医学専攻博士課程で別々に行う必要があります。メモ用紙には志望する課程名を正確に明記しなければ、該当する課程の過去問を受け取れない可能性があります。請求方法や在庫状況は年度により変わることもあるため、事前に医学系事務部総務課医学院教務担当へ電話等で確認しておくと確実です。
一方、専門科目と課題論文については、募集要項にも出題形式や出題範囲の詳細な記載がなく、過去問も一般には公開されていません。したがって、これらの科目については過去問分析ではなく、募集要項の評価比重表やコース構成から出題の方向性を推測し、志望教室への事前照会で不足する情報を補うという進め方が現実的です。以下は募集要項の記載にもとづく出題予測であり、断定するものではない点にご留意ください。
外国語(英語)の対策としては、医科学専攻修士課程の外国語(英語)は10:30〜12:30の2時間で実施され、英和辞典・英英辞典の使用が認められています(電子辞書は不可)。辞書の使用が前提になっていることから、医学・生命科学領域の専門的な英文を正確に読解し、和訳や要約、論述に落とし込む力が問われると考えられます。医学専攻博士課程の外国語(英語)は同じく2時間ですが、辞書の持込みが認められていないため、専門英語の語彙や構文をあらかじめ身につけておく必要性がより高いといえます。
課題論文は医科学専攻修士課程のみに課される科目で、8:50〜9:50の1時間、筆答形式です。評価比重表では、課題論文は生命現象の解明・疾病の克服・人類の健康の増進に向けて真摯に研究に取り組む姿勢を評価する科目として位置づけられており、医学・生命科学に関わるテーマについて、限られた時間内で自分の考えを論理的に構成する力が求められると推測できます。過去問が非公開である以上、類似テーマでの論述練習と時間配分の訓練を並行して進めることが現実的な対策になります。
専門科目は修士課程・博士課程とも「筆答又は口頭」とされ、時間は試験当日に指示されます。志望する教室の専門分野によって出題内容が大きく異なることが想定されるため、指導予定教員への事前照会の際に、専門科目でどのような知識・能力が問われるのか、可能な範囲で確認しておくことが有効です。「筆答又は口頭」という表記からは、同じ専門科目でも教室・年度によって形式が変わりうることが読み取れるため、口頭での説明練習と、筆記での論述練習の両方を並行しておくと安心です。
募集要項上「口述試験」として独立した区分が設けられているのは、公衆衛生学コース(1年コース)のみです。それ以外のコース・課程では「面接」という独立項目は明記されておらず、専門科目の「口頭」という選択肢の中で口頭試問が行われうる、と読み取ることができます。公衆衛生学コース(1年コース)を志望する場合は、医師・歯科医師・薬剤師としての実務経験をどのように公衆衛生学の学びへ接続するのか、1年という短期間で何を修得したいのかを、口述試験で説明できるように整理しておくことが重要です。
出題予測はあくまで公開情報からの推測にとどまるため、最終的な対策は指導予定教員への事前照会で得られる情報と組み合わせることが欠かせません。専門科目が筆答になるか口頭になるかを教室単位で確認できれば、過去問が非公開という制約の中でも、優先して準備すべき内容の見当をつけやすくなります。
併願を検討する際の注意点と関連情報
医学専攻博士課程の一般選抜と医科学専攻修士課程の一般選抜は、令和9年度の場合いずれも前期試験が令和8年8月18日、後期試験が令和9年1月13日と試験日が同一に設定されています。さらに外国語(英語)の試験時間帯も10:30〜12:30で重なるため、同じ前期または後期の中で医科学専攻と医学専攻の両方を受験することは実質的にできません。前期で医科学専攻、後期で医学専攻というように時期をずらして検討することは制度上可能ですが、出願資格や研究テーマの適合性を踏まえたうえで判断する必要があります。
医学部医学科(6年制)から進学する内部の受験者と異なり、外部からの受験者は、教室ごとの研究内容やカリキュラムに触れる機会がもともと少ない状態からスタートします。その差を埋める手段が、募集要項に明記されている指導予定教員への事前照会であり、研究室訪問やメールでのやり取りを通じて、公式サイトだけでは分からない研究環境や指導方針を確認しておくことが、外部受験者にとって特に重要な準備の一つになります。
医学院以外の北海道大学の大学院を含めて併願を検討する場合は、専攻ごとの教育内容や出願資格の違いを確認しておくことが欠かせません。公衆衛生学や医療政策に関心がある場合は、医学部保健学科を基盤とする北海道大学大学院 保健科学院の外部院試を徹底解説もあわせて確認すると、志望研究科の比較材料になります。感染症研究に関心がある場合は北海道大学大学院 国際感染症学院の外部院試を徹底解説も参考になります。
前期試験に出願して不合格だった場合や、準備が間に合わなかった場合でも、同じ年度内に後期試験へ再チャレンジすることが制度上可能です。ただし出願資格審査が必要な人は、後期試験用の申請期間(令和8年10月26日〜27日)をあらためて満たす必要があるため、前期からの日程の使い方を年間計画として考えておくことが望まれます。
北海道大学大学院全体の出願準備の進め方や、研究科ごとに共通する注意点を確認したい場合は、北海道大学 大学院入試を徹底解説を参照してください。大学院入試全般の出願準備・研究計画書の考え方を体系的に整理したい場合は、大学院入試対策の完全ガイドもあわせてご覧ください。
他大学の大学院と併願する場合は、それぞれの出願期間・試験日・合格発表日を一つの年間カレンダーにまとめておくことをおすすめします。医学院は前期・後期の年2回という試験機会がある一方で、出願資格審査や過去問請求など、通常の出願手続きより前に動く必要がある期限も複数あります。志望順位や研究テーマの優先順位を整理したうえで、どの大学院にどの時期の労力を割くかを早めに決めておくと、直前期の混乱を避けやすくなります。
出願資格の確認、志望教室への事前照会、研究計画書や志望理由書の作成、専門科目や外国語の対策を並行して進める必要がある中で、優先順位に迷う場合は、スプリング・オンライン家庭教師の大学院入試対策コースで、現在の準備状況に合わせた相談をすることもひとつの方法です。
よくある質問(FAQ)
医学院の一般選抜は年に何回実施されますか?
医科学専攻修士課程・医学専攻博士課程とも、前期試験・後期試験の年2回実施されます。令和9年度は前期試験が令和8年8月18日、後期試験が令和9年1月13日に設定されています。年度により日程は変わるため、最新の募集要項で確認してください。医学専攻博士課程には、これに加えて欠員が生じた場合の第2次募集が設けられることもあります。
外部の大学から北海道大学大学院医学院を受験できますか?
出願資格を満たしていれば、北海道大学以外の大学の学部・大学院に在籍する人や既卒者も一般選抜として出願できます。ただし出願に先立ち、志望する教室の指導予定教員へ研究内容・研究計画を事前に照会・確認することが募集要項の注意事項に明記されています。大学を卒業していない場合でも、個別の入学資格審査によって出願できる場合があるため、自分の学歴が該当するかどうかは早めに確認しておくとよいでしょう。
TOEICやTOEFLのスコア提出は必要ですか?
令和9年度の募集要項には、外部の英語スコア提出を出願要件とする記載はありません。外国語(英語)は医学院が実施する学内の筆記試験として課されます。この扱いは年度によって変わる可能性があるため、出願前に最新の募集要項を確認してください。医科学専攻修士課程は辞書持込可、医学専攻博士課程は辞書持込不可という違いもあわせて把握しておくと、対策の方向性を決めやすくなります。
研究計画書は必ず提出する必要がありますか?
医科学専攻修士課程では「志望の動機」(所定用紙)の提出が必須です。医学専攻博士課程では、出願資格審査を経て出願する場合や社会人入学志望者の場合に、研究計画やこれまでの活動実績を記載した書類の提出が求められます。いずれのケースでも、志望教室の指導予定教員への事前照会は全受験者に求められています。出願資格に該当しない一般の博士課程受験者については、募集要項上「研究計画書」という独立した提出書類は明記されていないため、専門科目の口頭試問で研究計画を説明できるよう準備しておくことが実務的な対応になります。
過去問はどこで入手できますか?
公式に公開されているのは外国語(英語)の過去3年分のみです。「医学院修士課程(又は博士課程)入学試験過去問題請求」と明記したメモ用紙と返信用封筒(角形2号・320円切手)を、医学系事務部総務課医学院教務担当宛に郵送すると入手できます。専門科目・課題論文の過去問は公開されていません。医科学専攻と医学専攻で請求先は同じですが、課程名を取り違えないよう、メモ用紙には志望する課程名を正確に書いてください。
倍率はどれくらいですか?
医学院は専攻・課程別の倍率を一覧として常時公開してはいません。募集人員は医科学専攻修士課程が20名、医学専攻博士課程が90名(社会人若干名を含む)で、いずれも前期・後期の年2回に分けて選抜されます。正確な倍率を知りたい場合は、入試担当窓口へ問い合わせることをおすすめします。募集人員の数字だけでなく、専門科目・課題論文の非公開という要素もあわせて難易度を考えることが重要です。
社会人でも受験できますか?
医学専攻博士課程には社会人向けの出願資格が設けられており、官公庁・研究所・病院等に勤務し入学後もその職を有する人が対象です。勤務医を除き、志望理由書と学会発表・論文発表等の活動実績や業務内容を記載した書類の提出が必要です。医科学専攻修士課程の公衆衛生学コース(1年コース)も、医師・歯科医師・薬剤師として2年以上の実務経験を持つ人を対象としたコースです。
医科学専攻と医学専攻を同じ回で併願できますか?
令和9年度の場合、医科学専攻修士課程と医学専攻博士課程は前期・後期とも試験日が同一で、外国語(英語)の試験時間帯も重なっています。そのため同じ前期または後期の中で両方を受験することは実質的にできません。時期をずらした検討は可能ですが、出願資格や研究テーマの適合性を踏まえて判断する必要があります。
まとめ|北海道大学大学院医学院の外部院試は「専攻・コースの違い」と「事前照会」が出発点
北海道大学大学院医学院の外部院試では、医科学専攻修士課程(医科学コース・公衆衛生学コース)と医学専攻博士課程(基盤医学コース・臨床医学コース・社会医学コース)という2つの課程・複数のコースの違いを正確に理解することが出発点になります。募集人員、出願資格、試験科目、研究計画書の扱いは課程・コースごとに異なるため、名称だけで判断せず、募集要項を一つひとつ確認する姿勢が欠かせません。
試験科目では、専門科目と外国語(英語)がいずれも重視され、修士課程には課題論文が、公衆衛生学コース(1年コース)には口述試験が加わります。過去問が公開されているのは外国語(英語)のみであるため、専門科目や課題論文については、志望教室への事前照会を通じて出題の方向性を補っていく必要があります。研究計画書や志望理由書は、これまでの学習歴・実務経験と志望教室の研究内容を具体的に接続できているかどうかが、書類・口頭試問の両面で評価につながります。出願前には、必ず医学院公式サイトの最新の募集要項をご確認ください。
前期・後期の年2回という試験機会の多さは、外部からの受験者にとって準備期間の使い方を工夫できる利点にもなります。一方で出願資格審査や過去問請求など、通常の出願期間より前に動く必要がある手続きも複数あるため、志望教室が決まった時点で、事前照会・出願資格審査・出願書類の準備・試験対策という4つの作業を年間スケジュールに落とし込んでおくことをおすすめします。
本記事は、令和9年度の学生募集要項(医科学専攻修士課程・医学専攻博士課程)の記載内容を一次情報として整理したものです。募集人員・出願資格・日程・検定料等は年度によって変更される可能性があるため、実際に出願する際は、本記事の内容を出発点としつつ、必ず医学院公式サイトに掲載される最新の募集要項及び大学からのお知らせで内容を確認してください。
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