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北海道大学大学院 生命科学院の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

北海道大学大学院 生命科学院の外部院試を徹底解説の記事アイキャッチ画像。大学院入試対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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北海道大学大学院生命科学院は、理学・薬学・医学・農学にまたがる教員が参加し、分子レベルから個体レベルまでの生命現象を統一的に学べる大学院として2006年に設置された研究科です。学部の枠を超えた教育を掲げているため他大学出身者が外部受験で挑戦しやすい設計になっている一方、専攻・コースごとに試験科目や提出書類がまったく異なり、募集要項を正確に読み解かないと準備の方向性を誤りやすい大学院でもあります。本記事は、生命科学院の公式募集要項・入試情報ページ・過去の入学試験問題を一次情報として、生命科学専攻(生命融合科学コース・生命システム科学コース・生命医薬科学コース)、ソフトマター専攻、臨床薬学専攻それぞれの出願資格、試験科目、研究要旨(研究計画書に相当する書類)、口頭試問、日程、そして複数年分の過去問から読み取れる出題傾向までを整理しました。数値や日程は年度により変更されるため、確定的な情報は必ず公式の最新募集要項でご確認ください。

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目次

生命科学院とは|専攻・コース構成と外部院試の位置づけ

生命科学院は「学部の枠、学問の枠を超えた、最先端の生命科学の教育」を目的として2006年に設置された大学院で、理学・薬学・医学・農学の4研究院、4研究所、2つの連携分野から教員が参加する横断型の組織です。アドミッション・ポリシーでは、基礎生命科学のみならず医学・薬学・獣医学・農学・水産学・生命工学等の応用生命科学の基礎を学んだうえで、生命に関する広汎で深い知識と解析能力を身につけようとする学生を求めると明記されています。つまり、出身学部が理学部生物学科でなくても、農学部・薬学部・水産学部・獣医学部・工学部(生命系)などの出身者が外部受験で挑戦することは、制度上まったく想定内の受験パターンです。

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教育面では、複数分野の講義を横断的に履修できる仕組みに加え、生命倫理や知的財産、バイオインフォマティクス、分子イメージングといった社会的に重要な分野を扱う科目も用意されており、単一専攻の枠内では得にくい視野の広さを養えることが特色とされています。国際性も重視されており、海外からの留学生も多く在籍しているため、英語による研究発表や国際共同研究に触れる機会が学内に一定数存在します。こうした環境は、出身大学で専門を極めるだけでなく、隣接分野との接点を持ちながら研究を進めたい受験生にとって魅力になり得るポイントです。

複数指導教員制を採用している点も、生命科学院の教育上の特徴です。主指導教員に加えて副指導教員が研究指導に加わることで、単一の研究室の視点だけに偏らず、複数の専門的な立場から助言を受けながら研究を進められる体制が整えられています。外部から進学する場合、既存の人脈がない状態で研究室に加わることへの不安を感じやすいものですが、こうした複数教員による指導体制は、その不安を軽減する仕組みの一つとして機能すると考えられます。募集要項や生命科学院ホームページで公開されている「研究指導担当分野等及び研究内容一覧表」には、各研究室の指導教員体制も記載されているため、志望研究室を選ぶ際にあわせて確認しておくとよいでしょう。

生命科学院は現在、生命科学専攻・ソフトマター専攻・臨床薬学専攻の3専攻で構成されています。生命科学専攻は修士(博士前期)課程と博士後期課程を持ち、内部に生命融合科学コース、生命システム科学コース、生命医薬科学コースの3コースがあります。ソフトマター専攻は2018年に新設された専攻で、物質科学と生命科学の融合領域であるソフトマター科学を体系的に学べる修士・博士後期課程です。臨床薬学専攻は6年制薬学部の卒業(見込)者を主な対象とする博士課程のみの専攻で、一般的な学部4年卒業者を想定した外部院試とは対象者の前提が異なるため、6年制薬学部出身以外の受験生が志望するケースは限られます。

生命科学専攻の3コースの違い

生命融合科学コースは、複数分野を横断して生命現象を捉える教育を重視するコースで、後述するとおり専門科目の筆記試験を課さず、研究要旨と口頭試問を中心に評価します。生命システム科学コースと生命医薬科学コースは、それぞれのコースに対応した専門科目の筆記試験が課される点が大きな違いです。同じ生命科学専攻でもコースによって試験構成が根本的に異なるため、志望コースを決める段階で「筆記試験があるかどうか」を必ず確認しておく必要があります。名称だけを見て「生命科学専攻だから同じ対策でよい」と考えると、必要な準備をまるごと取り違えるおそれがあります。

ソフトマター専攻は、生命融合科学コースと同様に筆記試験を課さず、研究要旨と口頭試問による選抜を行います。物質科学の視点から生命体の構造と機能を理解し、先端ソフトマターの設計・創成に取り組める学生を求めるとされており、化学・物理・生物にまたがる基礎知識と解析能力、ものづくり力が重視されます。工学部・理学部化学系・材料系の出身者が、生命科学分野への接続点としてこの専攻を選ぶケースも考えられる構成です。

修了後の進路は、大学等の教育・研究機関のほか、製薬、医療、医薬品開発、化学、食品、官公庁、IT企業など多岐にわたるとされています。北海道大学出身者だけでなく、国内の他大学出身者や海外からの留学生も多く在籍しており、外部生の受け入れ自体は珍しいことではありません。ただし、研究室ごとに受け入れ可能な人数には限りがあるため、志望する研究室が明確な場合は、後述する募集時期のうちできるだけ早い回で受験することが募集要項でも推奨されています。

研究室の広がりを知る

生命科学院の募集要項には「研究指導担当分野等及び研究内容一覧表」が添付されており、各研究室が扱うテーマの幅広さを確認できます。たとえば、X線結晶解析やクライオ電顕、中性子解析を用いてシグナル伝達に関わるタンパク質の立体構造を解明する構造生物学の研究室、先端顕微鏡技術と細胞操作実験を組み合わせて細胞分裂を制御する仕組みを調べる研究室、数理モデリングやデータ解析手法を用いて腸内・土壌の微生物叢や医療データを解析する数理生物学の研究室など、実験系から理論・データ解析系まで幅広い研究スタイルの研究室が並存しています。志望動機や研究要旨を書く際は、こうした一覧表で自分の研究関心に近い研究室をあらかじめ洗い出し、その研究室が扱う実験手法や理論的アプローチと自分のこれまでの学習内容がどうつながるかを言語化しておくと、口頭試問での説明にも説得力が出やすくなります。

臨床薬学専攻(博士課程)の位置づけ

臨床薬学専攻は2012年に設置された博士課程のみの専攻で、6年制薬学部の卒業(見込)者を主な対象としています。生命科学専攻・ソフトマター専攻が学部4年卒業者を主な対象とする修士課程からの受験を想定しているのに対し、臨床薬学専攻は薬剤師養成課程を修了した人材が、臨床現場での研究能力をさらに高めるために進学する博士課程という位置づけです。6年制薬学部出身以外の受験生が対象になる場面は限られるため、本記事では主に生命科学専攻・ソフトマター専攻の修士課程を中心に解説し、臨床薬学専攻への出願を検討する場合は、専攻別に公開されている募集要項を個別に確認することをおすすめします。臨床薬学専攻の入試日程は、生命科学専攻・ソフトマター専攻と同様に夏期・冬期の募集機会が設けられていますが、出願資格・試験科目は独自に定められています。

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募集人員・出願資格|語学スコア(TOEIC・TOEFL)の扱いを含めて

生命科学院(生命科学専攻・ソフトマター専攻の修士課程)の募集人員は、令和8年度学生募集要項では次のように公表されていました。コース別の内訳は公表されておらず、生命融合科学コース・生命システム科学コース・生命医薬科学コースの3コースを合算した人数のみが示されている点に注意してください。

専攻・コース令和7年10月入学令和8年4月入学
生命科学専攻(生命融合科学・生命システム科学・生命医薬科学コースの合計)20名116名
ソフトマター専攻若干名16名

この数値はあくまで一つの年度の実例であり、最新の募集人員は毎年公表される学生募集要項で必ず確認してください。募集人員は一般選抜と外国人留学生特別選抜を合わせた定員として示されており、コースごとの合格枠が固定されているわけではない点も、他大学の院試とは異なる特徴です。

出願資格の考え方

出願資格は、学校教育法上の大学を卒業した者(卒業見込みを含む)を基本としつつ、大学改革支援・学位授与機構による学士授与者、外国において16年の学校教育課程を修了した者、外国の学校が行う通信教育を我が国で履修して16年課程を修了した者、外国の大学相当として文部科学大臣が指定する教育施設の課程を修了した者、修業年限3年以上の外国の大学等で学士相当の学位を授与された者、指定された専修学校の専門課程(修業年限4年以上)修了者、文部科学大臣の個別指定を受けた者、大学に3年以上在学し優れた成績で所定の単位を修得したと認められた者、個別の入学資格審査により大学卒業者と同等以上の学力があると認められた者(大学院入学までに22歳に達する者)まで、合計10種類の区分に分かれています。自分の経歴がどの区分に該当するかによって、提出すべき証明書や出願資格予備審査の要否が変わります。

受験予定者の状況確認すべきポイント
大学卒業見込み・既卒学業成績証明書、卒業(見込)証明書または学位授与(見込)証明書
学位授与機構による学士取得者学位授与(申請受理)証明書、または所属高専の卒業(見込)証明書と学位授与申請予定証明書
外国の大学・学校出身者16年課程修了を示す証明書、日本語または英語以外の場合は原本+和訳・英訳の添付
大学3年次在学中などの早期出願出願資格予備審査への申請が必須(出願期間より前の指定期間内)
大学卒業者と同等の学力を個別審査で認めてもらう場合研究論文・特許公報・資格取得証明書・関係教員の推薦書など様式任意の証明書類

出願資格の(9)大学3年以上在学者や(10)個別審査による22歳以上見込みの者に該当する場合は、願書受理期間より前に設定された出願資格予備審査の申請期間内に、所定の書類を提出しなければなりません。予備審査の申請期間を過ぎると出願そのものができなくなるため、早期出願を検討している場合はスケジュールを前倒しで確認しておく必要があります。予備審査の結果通知はメールまたは郵送で届き、資格が認められた場合は指定の期日までに検定料を納付して受付証明書を提出する流れになります。

出願書類として共通して必要になるもの

選抜区分にかかわらず共通して求められる主な出願書類には、入学願書・履歴書・受験票・写真票(所定様式)、最終出身大学等の学業成績証明書、卒業(見込)証明書または学位授与(見込)証明書、志望担当教員調査票、受験票送付用封筒、合否通知用および連絡用シール、英語能力を示すスコアシートがあります。外国の学校教育課程出身者は「履歴書B」という別様式の提出が必要になるなど、出身の教育課程によって細かく書式が分かれている点も、生命科学院の出願準備で見落としやすいポイントです。一般選抜(生命融合科学コース・生命システム科学コース・生命医薬科学コース・ソフトマター専攻共通)で提出する書類を整理すると、次のとおりです。

  • 入学願書・履歴書・受験票・写真票(所定用紙、外国の学校教育課程出身者は履歴書Bを添付)
  • 最終出身大学等の学業成績証明書(原本が日本語・英語以外の場合は和訳または英訳を添付)
  • 卒業(見込)証明書または学位授与(見込)証明書
  • 志望担当教員調査票(事前に志望教員へ必ずコンタクトを取ったうえで記入)
  • 受験票送付用封筒、合否通知用および連絡用シール(いずれも所定封筒・所定用紙)
  • 英語能力の資料(TOEFLまたはTOEICのスコアシート原本)
  • (該当者のみ)研究要旨、大学卒業者と同等以上の学力を証明する書類、出願資格予備審査結果通知用封筒

英語はTOEIC・TOEFLスコアで判定される

生命科学専攻・ソフトマター専攻の入試では、独自の英語筆記試験は課されず、TOEFL(iBTまたはITP)またはTOEIC(公開テストのみ)のスコアシートを出願書類として提出し、そのスコアで英語力を判定する方式が採られています。出願時点で過去2年以内に受験したスコアのうち、最も良い点数のものを提出する扱いとなっており、TOEFL-iBTはHome Editionを含むTest Dateスコアの原本、TOEFL-ITPは個人用スコアカードの原本、TOEICは公開テストのOfficial Score Certificate(デジタル公式認定証の印刷物も可)が必要です。出願期間中に提出したスコアシートの追加・差し替えは認められておらず、原本の提出期限に間に合わなければ英語は「得点なし」として扱われる点も見落とせません。国内外の大学(院)で英語による教育を受けたことを証明できる場合は、スコアシート提出が免除されるケースもあるため、該当しそうな場合は事務課へ事前相談することが案内されています。

英語外部試験のスコアは、専門科目や研究要旨とは切り離して事前に用意しておける要素です。出願直前になってから受験機会を探すとスコア提出期限に間に合わない可能性があるため、志望を固めた時点でTOEICまたはTOEFLの受験計画を先に組んでおくことが、結果として専門科目や研究要旨の準備に時間を割ける近道になります。

一般選抜と外国人留学生特別選抜の手続きの違い

日本国籍または永住許可を持つ受験生は一般選抜、日本国籍を有さずかつ永住許可を得ていない受験生は外国人留学生特別選抜の対象になります。両者は出願方法や手続きの流れが大きく異なるため、自分がどちらの区分に該当するかを最初に確認してください。

項目一般選抜外国人留学生特別選抜
出願方法出願書類一式を郵送(速達書留)インターネット出願登録+出願書類の郵送
受入教員との関係志望担当教員調査票の記入前に必ずコンタクト事前に受入内諾を得てインターネット出願用パスワードを受領
検定料の支払い方法振込用紙により銀行・ゆうちょ銀行等で納付クレジットカード、Pay-easy、コンビニ、中国銀聯ネット決済等から選択
合格発表の時期(例)試験実施から2〜3週間後(令和8年度夏期は9月5日頃)一般選抜より早い時期(令和8年度夏期は8月1日頃)
両区分の併願不可
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試験科目|専門科目・外国語・研究要旨・口頭試問

生命科学院の一般選抜では、志望するコース・専攻によって試験構成が大きく2パターンに分かれます。一つは筆記試験(専門科目)を課さず研究要旨と口頭試問で評価するパターン、もう一つは専門科目の筆記試験と口頭試問を組み合わせるパターンです。どちらのパターンに属するかで対策の優先順位が完全に変わるため、志望コースを決めたら真っ先にこの区分を確認してください。

専攻・コース筆記試験(専門科目)研究要旨の提出口頭試問外国語
生命科学専攻 生命融合科学コース課さない必須(和文800〜1,200字/英文400〜600語)(A)一般的質問+(B)研究要旨説明・関連基礎知識TOEFL/TOEICスコア
生命科学専攻 生命システム科学コースあり(志望コースの問題に解答)不要ありTOEFL/TOEICスコア
生命科学専攻 生命医薬科学コースあり(志望コースの問題に解答)不要ありTOEFL/TOEICスコア
ソフトマター専攻課さない必須(和文800〜1,200字/英文400〜600語)(A)一般的質問+(B)研究要旨説明・関連基礎知識TOEFL/TOEICスコア

専門科目筆記試験(生命システム科学コース・生命医薬科学コース)

生命システム科学コースと生命医薬科学コースでは、志望コースに対応した専門科目の筆記試験が課されます。出題範囲は募集要項や生命科学院ホームページで年度ごとに公開されるとされているため、出題範囲一覧は必ず最新のものを確認してください。過去に公開された生命システム科学コースの専門試験(令和6年8月・令和5年8月実施分)を確認すると、試験時間は120分(13:00〜15:00)で、6〜8問の大問の中から3問を選択して解答する記述式の構成でした。答案用紙は問題ごとに1枚を使用し、提出できるのは3枚のみという方式も共通しています。大問数に対して解答数が少なく設定されているため、得意分野を見極めて選択する戦略も対策の一部になります。

口頭試問の位置づけ

口頭試問は、生命融合科学コース・ソフトマター専攻では(A)志望動機や研究意欲など一般的な質問と、(B)提出した研究要旨の説明およびその内容に関連する基礎的な知識・学力についての試問、という2種類が組み合わされます。成績証明書等の内容によっては(B)の一部が免除されることもあるとされていますが、免除の有無は受験票送付時に個別通知される仕組みのため、免除を前提に準備しない方が安全です。生命システム科学コース・生命医薬科学コースでも、専門筆記試験に加えて口頭試問が実施され、筆記試験・口頭試問・英語スコア・出願書類(学業成績証明書等)を総合して合否が判定されます。

アドミッション・ポリシーでは、一般選抜において口頭試問で「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性・協働性」「理解力」「関心・意欲」「課題発見力」「課題解決力」のすべてを特に重視すると明記されており、専門知識の量だけでなく、なぜその研究テーマに取り組みたいのかを自分の言葉で説明できるかが評価対象になっていることがうかがえます。筆記試験については「知識・技能」に加えて「思考力・判断力・表現力」を特に重視し、「理解力」も評価するとされており、単純な暗記の再現よりも、与えられた文章や実験結果を読み解いて論理的に説明する力が求められていると考えられます。

成績証明書の内容による口頭試問の一部免除

生命融合科学コースおよびソフトマター専攻では、提出した学業成績証明書の内容によって、口頭試問のうち(B)研究要旨の説明およびその内容に関連した基礎的な知識・学力についての試問が免除される場合があると募集要項に記載されています。免除に該当するかどうかは受験票の送付時に個別通知される仕組みであり、出願者側が事前に免除を申請したり判断したりできるものではありません。免除される前提で準備を省略するのはリスクが高いため、通知が届くまでは(A)(B)いずれの形式で口頭試問が行われても対応できるよう、研究要旨の内容を自分の言葉で説明できる状態を維持しておくことが安全な進め方です。

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研究要旨(研究計画書)・志望担当教員への事前コンタクト

生命融合科学コースとソフトマター専攻を志望する場合、出願書類の中核となるのが「研究要旨」です。これは「大学での卒業研究」または「入学後に希望する研究」について、自分が十分に理解し説明できる内容を、和文の場合800字以上1,200字以内、英文の場合400語以上600語以内で、指定の様式1枚にまとめるものです。様式内に白黒・カラーの図表を掲載することも認められており、図表の分量は文字数に含まれません。パソコン等で作成し印刷して提出することが強く推奨されています。字数制限が明確に決まっている分、研究背景・目的・方法・意義を過不足なく圧縮して書く構成力が問われる書類だといえます。

一般的な大学院入試の研究計画書は、研究テーマ、問題意識、研究目的、先行研究、研究方法、研究の意義、研究スケジュール、参考文献という要素を論理的につなげて構成するのが基本です。生命科学院の研究要旨も字数と様式こそ独自ですが、書くべき要素の骨格は変わりません。「大学での卒業研究」を書く場合は、これまでの研究内容と入学後にどう発展させたいかの接続を、「入学後に希望する研究」を書く場合は、その研究テーマを志望研究室で扱う根拠を、それぞれ明確にしておくと口頭試問での質問にも答えやすくなります。研究計画書そのものの構成や書き方をより詳しく知りたい場合は、研究計画書の書き方を徹底解説した記事もあわせて参考にしてください。

生命システム科学コース・生命医薬科学コースの一般選抜では研究要旨の提出は求められていませんが、その代わりに専門筆記試験と口頭試問で研究への適性が評価されます。外国人留学生特別選抜では、生命システム科学コースのみ「志望動機(200〜400字)」と「これまでの修学内容(800〜1,000字程度)」の2課題からなる小論文の提出が求められるなど、選抜区分によって求められる書類が変わる点にも注意が必要です。

志望担当教員への事前コンタクトは実質必須

一般選抜の出願書類には「志望担当教員調査票」が含まれており、募集要項には「本調査票記入前に、志望の担当教員と必ずコンタクトを取ること」と明記されています。つまり、出願書類を揃える段階で、すでに志望する研究室の教員に連絡を取っていることが前提になっているということです。外国人留学生特別選抜では、この要件がさらに明確で、事前に受入教員から内諾を得たうえで、インターネット出願に必要なパスワードを受領する手続きが必須とされています。生命融合科学コース・生命医薬科学コース・ソフトマター専攻の外国人留学生特別選抜では、受入教員に推薦書(様式任意)を作成してもらい、出願期間中に直接大学院教育担当へ提出してもらう手続きも必要になります。研究室訪問や教員への事前連絡を後回しにすると出願自体が難しくなる可能性があるため、志望コース・志望研究室の目星がついた時点で、できるだけ早く連絡を取ることをおすすめします。指導教員や研究室には受け入れ人数の上限があり、希望者が多い場合は同じ専攻内でも異なる研究室に配属されることがある点も、募集要項の注意書きとして示されています。

研究室訪問は、志望する研究内容が自分の研究計画と合っているかを確認する機会であると同時に、教員から研究要旨の方向性についてアドバイスを得られる貴重な機会でもあります。各コース・専攻では例年、秋頃を中心にオンラインの入試説明会が開催されているため、こうした説明会も研究室や教員の情報を集める手段として活用できます。開催時期・形式は年度により異なるため、志望コースの公式サイトで最新の告知を確認してください。メールで教員に連絡する際は、自分の研究背景・志望理由・希望する受験時期を簡潔にまとめ、返信の負担を減らす工夫をしておくと、その後のやり取りがスムーズになります。

教員への連絡から出願までの流れをステップに分けると、次のように整理できます。

  1. 研究室のホームページで研究内容・業績・受け入れ実績を確認する
  2. 志望理由・自分の研究背景・希望する受験時期を簡潔にまとめたメールを送る
  3. 可能であれば研究室訪問やオンライン面談の機会を依頼する
  4. 入学後に取り組みたい研究の方向性について助言をもらい、研究要旨または口頭試問の準備に反映する
  5. 志望担当教員調査票に必要事項を記入し、他の出願書類とあわせて提出する

この一連のプロセスは、出願直前になって慌てて行うと十分な準備時間を確保できません。受験を検討し始めた段階でできるだけ早く着手することが、研究要旨の完成度と口頭試問での受け答えの両方に良い影響を与えます。

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出願から合格発表までのスケジュール

生命科学院の外部院試は、出願書類が多岐にわたるため、試験本番から逆算した準備の順序を最初に把握しておくことが重要です。おおまかな流れは次のとおりです。

  1. 志望する専攻・コース(生命融合科学・生命システム科学・生命医薬科学・ソフトマター)を決める
  2. 志望担当教員に連絡を取り、研究室訪問や面談を通じて受け入れ可能性を確認する
  3. TOEICまたはTOEFLを受験し、英語スコアシートを準備する
  4. 研究要旨(生命融合科学コース・ソフトマター専攻)または専門科目の学習(生命システム科学コース・生命医薬科学コース)を進める
  5. 出願資格予備審査が必要な場合は、指定期間内に申請する
  6. 出願書類一式を揃え、願書受理期間内に郵送またはインターネット出願を行う
  7. 専門試験・口頭試問等の試験を受験する
  8. 合格発表後、指定の期日までに入学手続きを行う

生命科学専攻・ソフトマター専攻の修士課程入試は、夏期・秋期・冬期の年3回の募集機会が設けられているのが大きな特徴です。秋期募集は夏期募集で定員に満たない場合に実施されるかどうかが決まる仕組みで、実施の有無は9月上旬にホームページで告知されます。冬期募集の要項は例年11月頃に公表されます。複数回のチャンスがある一方で回によって実施の保証がないため、確実に受験したい場合は夏期募集から挑戦するのが基本方針になります。

以下は、令和8年度学生募集要項(令和7年10月入学・令和8年4月入学分)に基づく夏期募集の実施スケジュールの一例です。日程は年度ごとに変動するため、あくまで全体の流れをつかむための参考としてご覧ください。

手続き時期の目安(令和8年度夏期募集の例)
出願資格予備審査の申請(該当者のみ)6月18日〜20日
願書受理期間7月11日〜17日
受験票発送8月4日頃
試験日8月19日〜20日
合格発表9月5日 16:30頃(本学院ホームページに受験番号を掲示)

秋期募集・冬期募集が実施される場合、試験科目の構成も夏期募集とは異なります。募集要項の年間日程表では、秋期募集・冬期募集は小論文と口頭試問による選抜として位置づけられており、夏期募集で課される専門科目の筆記試験は行われません。募集回によって試験科目そのものが変わるため、「夏期で不合格だったから秋期は同じ対策のまま再挑戦する」という考え方は必ずしも当てはまらない点に注意してください。

外国人留学生特別選抜は、インターネット出願の登録期間・出願書類の提出期限が一般選抜よりも早めに設定されており、合格発表も一般選抜より早い8月1日頃に行われる年度がありました。10月入学者向けの選抜試験実施要項も定められており、出願資格や試験内容は直近の学生募集要項を準用する形になっています。10月入学を希望する場合は、入学願書の所定欄にその旨を記入する必要があるため、出願書類の記入時に見落とさないよう注意してください。なお、臨床薬学専攻(博士課程)は6年制薬学部の卒業(見込)者を主な対象とし、夏期・冬期の募集機会が設けられていますが、対象者や出願要件が生命科学専攻・ソフトマター専攻とは異なるため、該当する場合は専攻別の募集要項を個別に確認する必要があります。

入学手続きに関わる費用としては、検定料30,000円、入学料282,000円(予定額)、授業料は年額535,800円(前期分267,900円、予定額)が募集要項に示されています。これらの金額は在学中に改定される可能性があり、改定時からは新しい金額が適用されるとされています。長期履修制度も用意されており、職業を有している、育児・介護等の事情がある、障がいにより修学に重大な影響があるといった場合には、標準修業年限(2年)を最長4年まで延長して計画的に履修することが可能です。長期履修を希望する場合は、出願期間中に出願書類とあわせて長期履修申請書・長期履修計画書などを提出する必要があります。

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倍率・難易度をどう考えるか

生命科学院は、学部入試のように志願者数・合格者数・倍率をコース別に一覧化した統計を公式サイト上で常時公開しているわけではありません。合格発表は受験番号の掲示という形式で行われており、コース別の正確な倍率は現時点では確認できませんでした。「北海道大学 生命科学院 倍率」といったキーワードで正確な数値を探している場合、断定的な数値を掲載しているサイトがあっても、その情報源や年度が明示されていないケースもあるため、参考程度にとどめ、正確な数値が必要な場合は入試説明会や理学・生命科学事務部事務課への問い合わせで確認することをおすすめします。

数値化された倍率がわからない中でも、募集要項からは難易度をある程度読み解くことができます。第一に、生命融合科学コースとソフトマター専攻は専門筆記試験がなく、研究要旨と口頭試問が評価の中心になるため、「知識量の暗記競争」ではなく「自分の研究関心をどれだけ具体的かつ説得力を持って説明できるか」が合否を左右しやすい構成です。第二に、生命システム科学コースと生命医薬科学コースは専門筆記試験があるため、幅広い分野を横断した記述式の出題に対応できる基礎学力が前提になります。第三に、募集人員は3コース合算で示されており、コースごとの募集枠が明示されていないため、志望者が特定のコースに集中しても、その年の合格者数が偏る可能性は否定できません。

外部生にとってのもう一つの実質的なハードルは、志望する研究室の受け入れ余力です。募集要項には「指導教員や研究室には受入れ人数に限度がありますので、それを超えた場合は同じ専攻内でも異なる研究室に配属となる場合があります」と明記されており、筆記試験や口頭試問の出来だけでなく研究室側の定員も合否に影響し得ることがわかります。この点は数値化された倍率以上に、事前の研究室訪問や教員への相談で実情を確認しておく価値があるポイントです。

北海道大学の学部から生命科学院に進学する内部生と、他大学から挑戦する外部生とでは、事前に得られる情報量に差が生じやすいことも実質的な難易度に関わります。内部生は在学中の講義やゼミを通じて研究室の雰囲気や教員の研究スタイルを把握しやすいのに対し、外部生はホームページや募集要項、限られた研究室訪問の機会から同等の情報を能動的に集める必要があります。情報収集の質と量そのものが対策の一部だと捉え、研究室ホームページの業績一覧や、可能であればすでに在籍する学生への質問など、複数の経路から情報を集めておくことをおすすめします。

他大学の理系大学院入試と比較した相対的な位置づけを把握したい場合は、大学院入試の難易度ランキングを解説した記事もあわせて確認すると、生命科学院単体の情報だけでは見えにくい傾向をつかみやすくなります。いずれにしても、外部生にとっての実質的な難易度は、志望する研究室に受け入れ余力があるかどうか、そして研究要旨や専門科目の対策をどれだけ早く始められるかによって大きく変わるという点は、ほぼすべての受験パターンに共通しています。

また、募集時期が夏期・秋期・冬期の3回に分かれていること自体も、難易度を考えるうえで見逃せない要素です。夏期募集は募集人員の中心となる回であるのに対し、秋期・冬期募集は夏期で定員に満たなかった場合に実施されるかどうかが決まる仕組みのため、実施の有無が年度や専攻によって変わり得るという不確実性があります。確実に受験機会を確保したい場合は、秋期・冬期募集に期待して準備を先延ばしにするのではなく、夏期募集に照準を合わせて準備を進める方針が現実的です。

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過去問分析と出題予測・口頭試問対策

生命科学院は、過去の学生募集要項・出題範囲・入学試験問題を専用ページで公開しています。ただし、公開されている過去問はコースによって有無が大きく異なる点に注意が必要です。生命システム科学コースと生命医薬科学コースは、直近数年分の専門試験問題(夏期募集分)がPDFで公開されていました。一方、生命融合科学コースとソフトマター専攻はそもそも専門筆記試験を課さないため、いわゆる「過去問」に相当する専門試験問題自体が存在しません。英語は外部スコアによる判定のため、独自の英語試験問題も公開されていません。

専攻・コース専門試験の過去問公開備考
生命システム科学コースあり(直近複数年度分)6〜8問中3問選択・記述式・120分という形式が続けて確認できた
生命医薬科学コースあり(直近複数年度分)PDFが画像形式で公開されている年度があり、原本での確認が必要
生命融合科学コース該当なし(筆記試験を課さない)研究要旨と口頭試問が評価の中心
ソフトマター専攻該当なし(筆記試験を課さない)研究要旨と口頭試問が評価の中心

生命システム科学コースの出題傾向(複数年度比較)

公開されている生命システム科学コースの専門試験を令和5年度・令和6年度・令和7年度(いずれも夏期募集分)にわたって確認すると、共通して6〜8問の大問が用意され、その中から3問を選んで解答する形式が続けて採られていました。出題分野を年度をまたいで見渡すと、細胞生物学(小胞体・ゴルジ体・リソソームなどオルガネラ間のタンパク質輸送、細胞膜脂質の非対称性)、植物生理学(オーキシン輸送や光受容体フィトクロムによる環境応答、窒素固定と栄養吸収)、神経科学(静止電位・活動電位の発生機構、シナプス伝達、長期増強)、進化生物学・行動学(自然選択の様式、利他行動と血縁選択、子育て戦略の進化)、発生生物学・生殖生物学(体軸形成、モルフォゲンによるパターン形成、減数分裂と配偶子形成、性腺刺激ホルモンによる排卵制御)、分子生物学(DNA複製・転写・翻訳の基本機構、テロメラーゼ、エピジェネティクス)という主要分野がローテーションのように毎年繰り返し出題されていることが読み取れます。設問形式は、空欄補充と記述論述の組み合わせが基本で、実験結果の解釈やグラフの選択、図示を求める設問も見られ、単純な用語暗記ではなく実験系を絡めた記述論述や作図を求める問題が中心でした。この傾向を踏まえると、対策としては学部レベルの生物学教科書(細胞生物学・分子生物学・生理学・発生生物学・進化生物学・行動生態学など)を分野横断で復習したうえで、論述形式で自分の言葉で説明する練習を重ねておくことが有効だと考えられます。

試験の設計面にも注目すると、6〜8問の大問から3問を選び、それぞれ解答用紙1枚(合計3枚)にまとめて提出する形式は、時間配分と解答量のコントロールが得点に直結する構成だといえます。解答用紙1枚に収まる分量で要点を整理して書く練習を、過去問演習の段階から取り入れておくと、本番で時間切れになるリスクを減らせます。分野を横断して出題される以上、得意な1〜2分野だけに絞り込むのではなく、最低でも4〜5分野を一定水準まで仕上げたうえで、当日の問題文を見てから解答する3問を選ぶという進め方が現実的です。

生命医薬科学コースの出題傾向

生命医薬科学コースの専門試験問題も過去問として公開されていますが、公開されているファイルが画像形式のPDFであるケースが複数年度にわたって続いており、本記事の調査時点では出題テーマの詳細を機械的に読み取ることができませんでした。募集要項の記載からは「志望するコースの問題について解答すること」「出題範囲はホームページを確認すること」という原則が生命システム科学コースと共通していることが確認できていますが、具体的な出題分野の断定はここでは避けます。生命医薬科学コースを志望する場合は、公式サイトで公開されている原本のPDFを実際にダウンロードして確認し、あわせて志望する研究室が扱う専門領域(薬理学・分子薬学・生化学・医薬品化学など)に関連する基礎科目を優先的に復習することをおすすめします。

出題範囲一覧から見た出題予測の立て方

過去問が公開されていても、その年度と同じ問題は二度と出ないため、複数年度分を横断して「毎年繰り返し扱われている分野」と「その年度だけ扱われた分野」を分けて整理することが有効です。生命システム科学コースの場合、細胞生物学・神経科学・発生生物学・進化生物学(行動学を含む)・分子生物学・生殖生物学という大きな分野は複数年度にまたがって繰り返し登場しており、特定の1分野だけを深掘りするより幅広い分野を一定水準まで仕上げる戦略の方が、6〜8問中3問を選ぶ形式との相性がよいと考えられます。生命科学院ホームページで公開される出題範囲一覧は、この横断的な学習範囲を年度ごとに具体的な単元名で示したものにあたるため、過去問演習と並行して必ず参照してください。

口頭試問対策の考え方

口頭試問は、すべてのコース・専攻で必ず実施される選抜要素です。生命融合科学コースとソフトマター専攻では、志望動機や研究意欲を問う一般的な質問と、研究要旨の内容に関する基礎知識の試問という2種類が組み合わされます。研究要旨に書いた内容について「なぜその研究テーマなのか」「どの先行研究を踏まえているのか」「入学後どのような方法で進めるのか」を、専門用語に頼りすぎず自分の言葉で説明できるように準備しておくことが重要です。生命システム科学コース・生命医薬科学コースでも、専門筆記試験の内容と関連づけた口頭試問が行われるため、筆記で解答した内容について深掘りされても答えられるよう、記述した内容の根拠を説明できる状態にしておくと安心です。研究室訪問の際に指導予定教員から受けた質問や助言をメモしておき、口頭試問の想定問答に反映させておくことも実践的な準備になります。

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併願の可否と関連コラム

生命科学院の入試には、いくつかの併願に関する制約があります。まず、一般選抜と外国人留学生特別選抜は併願できません。次に、各専攻・各コース間の併願もできない仕組みになっており、1回の受験で出願できるのは1つの専攻・コースのみです。生命システム科学コースと生命医薬科学コースのどちらを受けるか迷っている場合は、出願前にどちらの専門領域が自分の研究計画に近いかを見極めておく必要があります。

募集時期については夏期・秋期・冬期と複数回のチャンスが用意されているため、仮に夏期募集で合格に至らなかった場合でも、秋期・冬期募集(実施される場合)で再挑戦する余地はあります。ただし、日本学生支援機構(JASSO)奨学金の受給を希望する場合、夏期募集で合格すると予約採用・在学採用の両方に応募できる一方、秋期・冬期募集合格者は応募機会が1回少なくなるという違いも募集要項に明記されています。奨学金の利用を検討している場合は、この点も踏まえて受験回を選ぶとよいでしょう。前述のとおり秋期・冬期募集では専門筆記試験が課されず小論文・口頭試問中心になるため、同じコースの再挑戦であっても対策の重心を変える必要がある点もあわせて意識してください。

他大学の大学院入試もあわせて検討している場合は、同じ理系分野で研究科・専攻ごとの試験構成が異なる例として、東北大学大学院入試を徹底解説した記事も参考になります。生命科学院と同様に、大学ごとに専門科目の有無や研究計画書の扱いが異なることが、比較するとより明確に見えてきます。院試全体の進め方や科目別対策の考え方を体系的に整理したい場合は、大学院入試対策の完全ガイドもあわせてご覧ください。研究要旨・専門科目・口頭試問のそれぞれについて、自分の現状に合わせて優先順位を整理したい場合は、専門的なサポートを受けながら計画を立てる方法もあります。個別の学習計画について相談したい場合は、大学院入試対策コースで、志望コースと現在の学習状況に応じた対策を相談してみてください。

出願前に確認しておきたいチェックリスト

ここまで解説してきた内容を、出願準備の最終確認用に整理すると次のとおりです。

  • 志望する専攻・コースが決まっているか、筆記試験の有無を含めて試験構成を把握しているか
  • 自分の出願資格がどの区分に該当するか、出願資格予備審査が必要かどうかを確認したか
  • TOEICまたはTOEFLのスコアシートを提出期限までに準備できる見込みが立っているか
  • 志望担当教員に連絡を取り、研究室訪問や面談の機会を持てたか
  • 研究要旨(該当コースのみ)または専門科目の対策を、出願・試験本番から逆算したスケジュールで進めているか
  • 願書受理期間・試験日・合格発表日など、志望する募集回の最新日程を公式サイトで確認したか

これらの項目を出願の数ヶ月前から一つずつ潰していくことが、生命科学院の外部院試のように専攻・コースごとに条件が異なる入試では特に重要になります。

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よくある質問(FAQ)

他大学出身でも生命科学院を外部受験できますか。

出願資格を満たしていれば、出身大学・出身学部を問わず外部受験は可能です。アドミッション・ポリシーでも、理学部生物学科出身者に限らず医学・薬学・獣医学・農学・水産学・生命工学等の応用生命科学を学んだ学生を求めると明記されています。ただし、志望担当教員調査票の提出前に志望教員へ必ず連絡を取ることが募集要項で求められているため、事前の研究室訪問や教員へのコンタクトを済ませておく必要があります。

英語試験の対策として英作文や英文読解の練習は必要ですか。

生命科学専攻・ソフトマター専攻では独自の英語筆記試験は課されず、TOEFL(iBT・ITP)またはTOEIC(公開テスト)のスコアシート提出によって英語力が判定されます。英作文や長文読解の対策よりもスコア確保が優先事項になるため、出願の2年前までに受験したスコアの中から提出できる証明書を早めに準備しておくとよいでしょう。

研究計画書は必ず提出しなければなりませんか。

志望コースによって異なります。生命融合科学コースとソフトマター専攻では「研究要旨」という様式での提出が必須ですが、生命システム科学コースと生命医薬科学コースの一般選抜では研究要旨の提出は求められておらず、代わりに専門科目の筆記試験が課されます。外国人留学生特別選抜では生命システム科学コースのみ別途小論文の提出が求められる点にも注意してください。

専門科目の過去問はどこで入手できますか。

生命システム科学コースと生命医薬科学コースについては、生命科学院の公式サイト内にある過去の入学試験問題のページで、直近数年分の専門試験問題がPDF形式で公開されています。生命融合科学コースとソフトマター専攻は筆記試験自体がないため、該当する過去問は存在しません。

他のコースや専攻との併願はできますか。

できません。各専攻・各コース間の併願は認められておらず、一般選抜と外国人留学生特別選抜の併願もできない仕組みになっています。1回の出願で選べるのは1つの専攻・コースのみです。

倍率はどのくらいですか。

コース別の正確な倍率は、本記事の調査時点で公式に一覧化された数値を確認できませんでした。断定的な倍率情報を見かけた場合も出典と年度を確認し、正確な数値が必要な場合は理学・生命科学事務部事務課大学院教育担当や入試説明会で問い合わせることをおすすめします。倍率という単一の数値だけで難易度を判断するのではなく、志望する研究室の受け入れ余力や、自分がどちらの試験パターン(筆記試験型か研究要旨・口頭試問型か)に取り組みやすいかを合わせて考えることが、より実態に即した準備につながります。

社会人でも受験できますか。

修士(博士前期)課程の一般選抜は、出願資格を満たしていれば社会人であっても出願可能です。募集要項の出願資格(10)には、大学卒業者と同等以上の学力があると個別に認められた場合の規定もあり、国際的な活動経験や実務経験、資格取得状況などを示す書類を添えて審査を受ける道も用意されています。博士後期課程や臨床薬学専攻など、社会人特別選抜が別途設けられる課程もあるため、該当しそうな場合は最新の募集要項で選抜区分を確認してください。

研究室訪問は必須ですか。

募集要項上は「必須」と明記されているわけではありませんが、一般選抜の出願書類に含まれる志望担当教員調査票は、志望教員と事前にコンタクトを取ったうえで記入することが求められています。外国人留学生特別選抜では、受入教員からの内諾とインターネット出願用パスワードの受領が出願の前提条件になっているため、実質的には研究室訪問・事前連絡が必須のプロセスと考えておくのが安全です。職業を有している、育児・介護等の事情があるといった理由で標準修業年限内の修了が難しい場合は、出願時に申請できる長期履修制度の利用もあわせて検討するとよいでしょう。

まとめ

北海道大学大学院生命科学院の外部院試は、志望する専攻・コースによって試験構成が大きく異なる点が最大の特徴です。生命融合科学コースとソフトマター専攻は専門筆記試験を課さず、研究要旨と口頭試問が評価の中心になります。生命システム科学コースと生命医薬科学コースは専門科目の筆記試験が課され、複数年度分公開されている過去問から出題傾向をつかむことができます。英語はTOEFL・TOEICのスコア提出で判定されるため、独自の英語試験対策よりもスコア確保のスケジュール管理が優先事項です。志望担当教員への事前コンタクトが出願手続きの前提になっている点も、他大学の院試とは異なる重要なポイントであり、志望コースが定まった時点でできるだけ早く研究室に連絡を取ることが、その後の研究要旨や口頭試問の準備を進めるうえでも有利に働きます。

倍率などコース別の詳細な統計は公式に一覧化されていないため、正確な最新情報は募集要項や事務課への問い合わせで随時確認しながら、出願資格・試験科目・提出書類の3点を早い段階で整理して準備を進めてください。夏期・秋期・冬期という複数の募集機会があること自体は外部生にとって心強い制度ですが、秋期・冬期は実施の有無が定員状況に左右されるうえ、試験科目も夏期とは異なります。最初の受験機会である夏期募集に照準を合わせて準備を進めることが、結果的に最も確実な戦略になります。研究要旨の構成、専門科目の過去問演習、口頭試問での受け答えは、いずれも一朝一夕には仕上がらない準備項目です。志望コースを決めたら、教員への連絡・語学スコアの確保・専門科目または研究要旨の準備を並行して進め、余裕を持ったスケジュールで出願に臨んでください。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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