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北海道大学大学院 農学院の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

北海道大学大学院 農学院は、学部の農学部とは別組織として運営される大学院で、修士課程(博士前期課程)と博士後期課程を通じて「農学専攻」という単一の専攻のなかに、生産・生命・環境の3つのフロンティアコースと11のユニットを置いています。他大学・他学部から外部受験する場合は、専門科目2科目のうち1科目が「入学後の指導教員に対応する科目」として指定される仕組みや、研究計画書ではなく修士論文要旨の提出が求められる博士後期課程の書類構成など、農学院に固有のルールを早い段階で理解しておく必要があります。本記事では、北海道大学大学院農学院が公式に公開している学生募集要項(令和9年度修士課程・令和8年度博士後期課程)をもとに、募集人員・出願資格・試験科目・研究計画書の扱い・日程・倍率・過去問の傾向を整理します。年度によって変更される数値は、出願前に必ず最新の学生募集要項で確認してください。
北海道大学大学院 農学院とは何か 3フロンティアコース・11ユニットと外部院試の位置づけ
北海道大学大学院農学院は、農学部・大学院農学院・大学院農学研究院という3つの組織が一体的に運営されている点がまず押さえておきたい特徴です。教員は農学研究院に所属し、学部生は農学部、大学院生は農学院にそれぞれ籍を置く構造になっており、外部から大学院だけを受験する場合も、志望する教員がどのユニット・どの専門科目に対応しているかを農学研究院側の教員一覧から確認する必要があります。
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大学院農学院の教育理念は、募集要項の冒頭に「先端的、学際的又は総合的な文理融合型の教育研究の実施を通じて、農学に関する基礎的又は専門的な素養を有し、かつ、食料の安定供給、食の安全、地球環境保全、バイオマスの利活用等の人類共通の課題に対応することができる多様な知識及び判断力を有する人材の育成を図る」と明記されています。農学と一括りにされがちですが、実際の研究領域は植物科学から農業経済学、動物生産、食品科学、生態学、土壌・森林科学まで幅広く、志望理由書や研究計画書ではこの多様性のなかで自分のテーマがどこに位置づくかを具体的に示すことが求められます。
修士課程(博士前期課程)・博士後期課程とも、専攻はひとつだけで「農学専攻」という名称です。この農学専攻のなかに、生産フロンティアコース、生命フロンティアコース、環境フロンティアコースという3つのコースがあり、さらにその下に合計11のユニットが置かれています。コースとユニットの構成を一覧にすると、志望分野がどのコースに属するかが把握しやすくなります。
| コース | ユニット | 主な研究領域 |
|---|---|---|
| 生産フロンティア | 農業植物科学 | 植物遺伝資源学・植物育種学・植物病原学・遺伝子制御学・細胞工学など |
| 作物生産生物学 | 植物病理学・作物生理学・作物栄養学・園芸学・作物学など | |
| 農業経済学 | 農業政策学・農業経営学・開発経済学・協同組合学・食料農業市場学など | |
| 生物生産工学 | ビークルロボティクス・食品加工工学・循環農業システム工学など | |
| 生命フロンティア | 畜産科学 | 動物機能栄養学・遺伝繁殖学・畜牧体系学・細胞組織生物学・応用食品科学など |
| 応用分子生物学 | 応用分子昆虫学・分子生物学・分子酵素学など | |
| 応用生物化学 | 生物化学・基礎微生物学・食品機能化学・食品栄養学・生態化学生物学など | |
| 環境フロンティア | 生態・体系学 | 動物生態学・生物多様性学・博物標本管理学・植物生態体系学・昆虫体系学など |
| 地域環境学 | 農業土木学・生態環境物理学・土壌物理学・土壌学など | |
| 森林資源利用学 | 木材化学・林産製造学・樹木生物学・木材工学など | |
| 森林・緑地管理学 | 生態系管理学・流域砂防学・森林政策学・花卉学造園学・造林学など |
3つのフロンティアコースは、募集要項に記載された教育理念を読み比べると、目指す人材像の違いが見えてきます。生産フロンティアコースは「作物等の植物資源の機能開発と利用を図り、それら資源の持続的な再生産を可能にする技術と、有効な社会制度や流通利用システムの確立を図る教育・研究を通して、人類の生存に不可欠な食料等の生産に貢献する人材を養成する」ことを掲げています。生命フロンティアコースは「生物の機能・特性の科学的解明と高度な活用を図り、食料(生物)資源の安全・安定供給、生物変換による高付加価値化、健康増進等を図る教育・研究」を通じて食と健康の維持増進に貢献できる人材の養成を、環境フロンティアコースは「地域の農業・森林資源の特性解明、管理、保全と多面的利用、および環境調和、生態系の修復、防災・減災等を図る教育・研究」を通じて生物多様性と自然生態系の持続的利用に貢献できる人材の養成を、それぞれ目的としています。志望理由書や面接で自分の研究テーマを説明する際は、志望するユニットだけでなく、その上位にあるコースの教育理念とどう接続するかを意識すると、説明に一貫性を持たせやすくなります。
専門科目の選択方法にも農学院独自のルールがあります。修士課程では、志望ユニットの専門科目のうち「入学後の指導教員に対応する1科目」を科目(1)として必ず選び、科目(2)は科目(1)以外の専門科目(他コースの科目や全コース共通の有機化学も含む)から自由に選べる2科目選択制です。つまり出願の時点で、どの教員に師事するかを実質的に決めておく必要があり、専門科目対策は志望教員の専門分野を起点に組み立てることになります。募集要項には「出願にあたっては、指導を希望する教員に受験する旨を直接連絡し、了承を得ておくことが望ましい」と明記されており、この一文が外部受験者にとっての最初のアクションになります。
網掛けされた教員がいる年度は、その教員は今回学生を募集していないため、希望指導教員として記載することはできません。ただし、網掛け教員に対応する専門科目自体は科目(2)として選択できると案内されているため、志望教員が募集停止になっていないかを、出願する年度の教員一覧で必ず確認してください。教員の異動・退職は年度によって発生するため、過去の情報をそのまま使わず、出願年度の最新版を参照することが重要です。
学部の農学部から内部進学する受験者と、他大学・他学部から外部受験する受験者とで、出願書類や選考方法そのものを分けるという案内は、修士課程・博士後期課程(一般選抜)の学生募集要項には見当たりません。出願資格や試験科目の記載を読む限り、内部進学者・外部受験者を問わず同じ入試区分・同じ選抜方法で審査されると考えられますが、優遇措置の有無を含め詳細は募集要項の記載を優先して確認してください。農学部の学科構成と農学院のコース・ユニット構成は必ずしも一対一で対応していないため、学部時代の所属にかかわらず、大学院で扱いたい研究テーマからユニット・教員を選ぶという考え方で志望先を検討するのが実務的です。
農学院の公式サイトには、学生募集要項とは別に「アドミッションポリシー(PDF)」が公開されています。募集要項の出願資格・試験科目だけでなく、農学院が入学者に求める資質・能力の全体像を確認したい場合は、あわせて目を通しておくと、研究計画や志望理由の組み立てに役立ちます。アドミッションポリシーの具体的な記載内容は年度によって更新される可能性があるため、本記事では個別の文言までは扱わず、出願前に公式サイトで直接確認することをおすすめします。
実施研究科・募集人員・出願資格(語学スコアを含む)
北海道大学大学院農学院は、修士課程(博士前期課程)と博士後期課程の両方で外部からの出願を受け付けています。令和9年度(2027年度入学)の修士課程募集要項によると、農学専攻の募集人員は142名で、生産・生命・環境の3フロンティアコースを合わせた人数です。この人数には2次募集の実施分も含まれており、1次募集で定員に達した場合は2次募集が実施されない可能性があると注記されています。
博士後期課程は、令和8年度(2026年度入学)募集要項によると、農学専攻の募集人員は36名(3コース合計)です。加えて、教育・研究機関や民間企業等に正規職員として在職する社会人を対象とした博士後期課程の社会人入試(10月入学)が別途実施されており、こちらの募集人員は「若干名」という表記にとどまります。社会人入試は4年以上の在職経験が出願要件のひとつに加わる点が、一般選抜の博士後期課程と異なります。
| 課程 | 募集人員 | 対象年度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 修士課程(博士前期課程) | 142名 | 令和9年度(2027年度入学) | 3フロンティアコース合計、2次募集実施分を含む |
| 博士後期課程(一般選抜) | 36名 | 令和8年度(2026年度入学) | 3フロンティアコース合計 |
| 博士後期課程(社会人入試・10月入学) | 若干名 | 令和8年度 | 4年以上の在職経験が出願要件のひとつ |
出願資格は、修士課程と博士後期課程で問われる学歴の水準が異なります。修士課程は大学卒業(見込み)者を中心に10の類型が示されており、なかでも「大学に3年以上在学し所定の単位を優れた成績で修得した者」や「個別の出願資格審査により大学卒業者と同等以上の学力があると認められた22歳以上の者」といった項目は、大学卒業資格を持たない受験者の受け皿として機能しています。博士後期課程は修士の学位(専門職学位を含む)を有する者、または取得見込みの者が出願資格の中心で、こちらにも「24歳以上で個別の出願資格審査により修士と同等以上の学力があると認められた者」という項目が用意されています。
- 修士課程:大学卒業(見込み)者、学士の学位を授与された者、外国で16年の学校教育課程を修了した者など計10類型
- 修士課程(9号・10号):大学3年以上在学かつ優秀な成績で単位取得、または22歳以上での個別審査(令和9年3月31日までに22歳に達する者)
- 博士後期課程:修士(専門職学位を含む)の学位を有する、または取得見込みの者を中心に計8類型
- 博士後期課程(8号):24歳以上で個別の出願資格審査により修士取得者と同等以上の学力があると認められた者
高等専門学校・短期大学の卒業者や、大学卒業資格を持たない社会人などが個別の出願資格審査(修士課程9号・10号、博士後期課程8号)で出願する場合は、通常の出願書類に加えて「入学資格審査申込書」「成績証明書(又は研究歴証明書)」「志望理由書」といった追加書類の提出が求められます。これらは所定の様式があるため、農学・食資源学事務部農学院教務担当窓口に事前に請求しておく必要があります。学歴要件があいまいなまま出願準備を進めると、必要書類の請求が遅れて出願資格予備審査の期間に間に合わなくなるおそれがあるため、該当する可能性がある場合は早い段階で窓口に問い合わせることをおすすめします。
出願資格の(3)〜(10)(博士後期課程は(2)〜(8))に該当する志願者、とりわけ外国の教育課程を修了した外国人留学生は、通常の出願期間より前に出願資格予備審査を受ける必要があります。令和9年度修士課程では予備審査書類の提出期間が令和8年6月11日(木)から6月17日(水)まで、結果通知は6月26日(金)を予定しているとされ、審査を通過した者だけが通常の出願期間内に検定料とTOEIC・TOEFLスコアを提出する流れになります。博士後期課程(一般選抜)の予備審査期間は令和7年11月17日(月)から11月21日(金)までで、結果通知は12月11日(木)が予定されています。予備審査が必要な区分で出願する場合は、通常の出願期間だけを見て準備すると間に合わなくなるため、早めのスケジュール確認が欠かせません。
外国語(英語)の扱いは、修士課程と博士後期課程で仕組みが異なります。修士課程はTOEIC L&RまたはTOEFL iBTのスコア提出が必須で、令和9年度募集要項ではTOEIC L&R 620点以上、TOEFL iBTは旧スコア(令和8年1月21日以前実施分)でトータル64点以上、新スコア(令和8年1月21日以降実施分)はListeningとReadingが各4点以上かつトータル3.5点以上という基準が示されています。いずれの基準も満たさない場合は不合格と判定される、いわば足切りの位置づけです。過去の募集要項ではTOEIC L&R 600点、TOEFL iBT 62点という基準だった年度もあり、基準点は年度によって引き上げられる可能性があるため、出願を検討する年度の最新の数値を必ず確認してください。
博士後期課程は、TOEIC L&R 620点またはTOEFL iBT(Test Date Score)64点という基準を「筆記試験免除基準」として設定しており、この基準に達していないスコアの提出者や、期日までにスコアを提出できない者には別途外国語(英語)筆記試験が課されます。北海道大学大学院農学院修士課程修了(見込み)者や農学研究科修士課程修了者は、この語学試験(スコア判定・筆記試験ともに)自体が免除されるという規定もあり、内部進学者と外部受験者とで語学面の負担が明確に異なる仕組みになっています。
出願書類の構成も、修士課程と博士後期課程とで提出物が異なります。修士課程の出願書類は次のとおりです。
- 入学願書・受験票・写真票(外国人留学生は履歴書も添付)
- 検定料3万円(国費外国人留学生・中国政府派遣留学生は払込不要)
- 成績証明書、卒業(見込)証明書(出身大学等の長が発行するもの)
- 学位授与(見込)証明書(学士の学位を授与された者として出願する場合)
- TOEIC又はTOEFLの公式認定証等の写し(令和6年9月1日以降に受験したもの)
- 選択受験科目等記入票、受験票送付用封筒、連絡受信先シール
- 在留カード又はパスポートのコピー(外国人留学生のみ)
博士後期課程(一般選抜)は、卒業証明書・TOEIC等の位置づけが修士課程と変わります。成績証明書・修士課程修了(見込)証明書は出身大学院等の長が発行するものを提出し、TOEIC・TOEFLの公式認定証は北海道大学大学院農学院修士課程修了(見込)者・農学研究科修士課程修了者であれば提出不要です。加えて、修士学位論文の写し又はその要旨(日本語2,000〜3,000字、英語1,100〜1,700語)の提出が必須とされており、これは修士課程の出願書類には存在しない博士後期課程特有の書類です。中華人民共和国(香港・マカオを除く)の大学・大学院を卒業・修了した者、または卒業・修了見込みの者は、学歴証書電子登録票や卒業証書・学位証書の原本証明など追加の証明書が必要になる場合があるため、該当する場合は募集要項の該当箇所を必ず確認してください。
試験科目を徹底解説 専門科目・外国語・研究計画書・口述試験
修士課程の入学者選抜方法は、募集要項に「学科試験(外国語(TOEIC等スコア)及び専門科目)、面接及び出身大学等の長から提出される成績を総合して合格者を決定する」と明記されています。外国語はスコア提出のみで判定され、当日の筆記試験は課されません。専門科目は前章で触れたとおり2科目選択制で、科目(1)は志望ユニットのなかで指導教員に対応する科目、科目(2)は科目(1)以外から自由に選ぶ形式です。令和9年度の試験期日は専門科目が8月19日(水)13:00〜15:30、面接が翌8月20日(木)13:00〜と設定されており、各フロンティアコース別に実施されます。
博士後期課程(一般選抜)の選抜方法は「学科試験(外国語(TOEIC等スコア又は筆記試験)及び専門科目)、面接、修士学位論文及び出身大学院等の長から提出される成績を総合して合格者を決定する」とされています。修士課程との大きな違いは専門科目が1科目のみである点と、修士学位論文そのものが評価対象に加わる点です。令和8年度の試験期日は外国語(該当者のみ)10:40〜12:00と専門科目13:00〜15:30が2月9日(月)、面接が翌2月10日(火)13:00〜と設定されています。
| 区分 | 専門科目 | 外国語 | 面接・口述 | その他の評価材料 |
|---|---|---|---|---|
| 修士課程(一般選抜) | 2科目選択(科目(1)は指導教員対応) | TOEIC/TOEFLスコアで判定 | 面接 | 出身大学等の成績 |
| 博士後期課程(一般選抜) | 1科目(指導教員対応) | スコア判定、未達なら筆記試験 | 面接 | 修士学位論文、出身大学院等の成績 |
| 博士後期課程(社会人入試・10月入学) | 必要な場合のみ追加 | 必要な場合のみ追加 | 口述試験(研究業績等調書による専攻分野の試問) | 研究業績等調書、主要論文等内容の要旨 |
専門科目対策の考え方
専門科目は科目名だけを見て対策範囲を決めるのではなく、指導を希望する教員の専門分野を起点に出題範囲を絞り込むことが現実的です。同じユニット内でも教員によって専門分野が細分化されており(例えば農業植物科学ユニットには植物遺伝資源学・植物育種学・植物病原学・遺伝子制御学・細胞工学など複数の専門科目名が並びます)、志望教員が対応する専門科目名を確認したうえで、その分野のシラバスや教科書レベルの内容を優先的に固める進め方が対策の起点になります。
科目(2)は他コースの専門科目や全コース共通の「有機化学」からも選べるため、得意分野を科目(2)に据えて得点を安定させる戦略も検討できます。ただし科目(1)は志望教員の専門分野から動かせない設計になっているため、対策の優先順位としては科目(1)を厚めに、科目(2)を効率重視で仕上げるという配分が妥当です。
全コース共通で選べる「有機化学」は、生産・生命・環境のどのコースを志望していても科目(2)の候補になり得る点が特徴です。学部で化学系の基礎科目を履修してきた受験者であれば、志望ユニット固有の専門科目よりも得点の見通しを立てやすい可能性があります。一方で、志望テーマと直接結びつかない科目を選ぶことになるため、面接で研究計画との関連を問われた場合にどう説明するかは、事前に考えを整理しておいたほうがよいでしょう。
外国語(英語)対策
修士課程・博士後期課程ともに、外国語対策の中心はTOEIC L&RまたはTOEFL iBTのスコアメイクです。修士課程はTOEIC L&R 620点以上という基準が不合格判定の分岐点になるため、出願期間に間に合うよう受験のタイミングを逆算する必要があります。令和9年度募集要項では令和6年9月1日以降に受験したスコアが対象とされており、有効なスコアの受験可能期間にも注意が必要です。TOEFL iBTは令和8年1月21日を境に新旧スコアの判定基準が変わる年度にあたるため、どちらの基準で提出するかによって必要な得点構成が異なる点も押さえておきたいところです。
面接・口述試験の位置づけ
修士課程・博士後期課程(一般選抜)とも、面接は専門科目・外国語と並ぶ総合判定の一要素として位置づけられています。募集要項に配点や質問内容の詳細は公表されていないため、これまでの学習・研究内容と志望する専門科目・指導教員との接続を、自分の言葉で説明できるよう準備しておくことが基本になります。博士後期課程の社会人入試(10月入学)は、専門科目・外国語の学科試験を課さない年度もあり、代わりに口述試験(研究業績等調書による専攻分野に関する試問)が選抜の中心に据えられている点が一般選抜と大きく異なります。
面接の実施形態についても、募集要項には試験時間の目安(13:00〜開始)以外の詳細は記載されていません。各フロンティアコース別に実施される点だけは明記されているため、同じ時間帯に複数の受験者が異なる会場で面接を受ける可能性があります。持ち時間や質問の順番は年度・コースによって変わり得るため、当日の案内に従いつつ、専門科目の答案内容や志望教員に伝えた研究テーマをいつでも口頭で説明できる状態にしておくことが実践的な準備になります。
研究計画書・研究室訪問
他大学の外部院試を紹介する記事では「研究計画書の提出は必須」という前提で語られることが多いのですが、北海道大学大学院農学院の修士課程・博士後期課程(一般選抜)の出願書類一覧には、実は「研究計画書」という書類が明記されていません。修士課程の出願書類は入学願書・受験票・写真票・検定料・成績証明書・卒業(見込)証明書・TOEIC/TOEFL公式認定証の写し・選択受験科目等記入票・受験票送付用封筒・連絡受信先シールで構成されており、研究計画の記述を求める専用様式は含まれていないのです。
その代わりに機能しているのが、専門科目の科目(1)を「指導教員に対応する科目」として選ばせる仕組みと、募集要項に記載された「出願にあたっては、指導を希望する教員に受験する旨を直接連絡し、了承を得ておくことが望ましい」という一文です。研究計画書という書類の形では求められない代わりに、出願前の教員への連絡というプロセスを通じて、志望する研究テーマと指導教員の専門分野が合っているかどうかが事実上確認される設計になっていると考えられます。「望ましい」という表現であり必須とは明記されていませんが、専門科目の選択自体が指導教員ありきの仕組みである以上、連絡を取らずに出願することは現実的な選択肢とは言えません。
博士後期課程(一般選抜)は、研究計画書の代わりに「修士学位論文の写し又はその要旨(日本語2,000〜3,000字、英語1,100〜1,700語)」の提出が必須とされています(本学農学院・農学研究科修了見込者は不要)。これは今後の研究計画ではなく、すでに取り組んだ修士研究の成果を示す書類である点に注意してください。外部から博士後期課程を受験する場合は、この論文要旨をどう2,000〜3,000字にまとめるかが、専門科目・面接の対策と並行して準備すべき重要な作業になります。
一方、博士後期課程の社会人入試(10月入学)では、研究計画書の提出が明確に求められています。様式は入学願書の所定欄に記載する形式で、400字以内という限られた分量です。これに加えて研究業績等調書の提出も必須とされ、予備審査を通過した者はさらに主要論文等内容の要旨(2,000字程度)の提出が求められます。一般選抜と社会人入試とで求められる書類の性格がまったく異なるため、どちらの区分で出願するかによって準備すべき書類を混同しないよう注意が必要です。
社会人入試の出願書類には、勤務先の長が作成する受験承諾書(様式任意)も含まれています。推薦書は任意提出とされていますが、在職期間証明書・研究歴証明書は出願資格の一部の区分でのみ必要になるなど、一般選抜よりも書類の種類が多くなる傾向があります。勤務先の担当部署とのやり取りが必要な書類は発行までに時間がかかることがあるため、予備審査の出願書類受付期間(令和8年度は6月11日から6月17日まで)に間に合うよう、社内の手続きを早めに始めておくことが重要です。
指導教員への事前連絡は、専門科目を決める前の段階、つまり出願準備の初期に済ませておくと、その後の学習計画が立てやすくなります。連絡の際には、自分がこれまで取り組んできた学習・研究内容と、教員の研究業績・担当授業の内容がどう接続するのかを、簡潔に説明できる状態にしておくことが望まれます。返信までに時間がかかる場合もあるため、専門科目・外国語の対策と並行して、余裕を持って連絡を送るスケジュールを組んでください。
連絡先が分からない場合は、農学院・農学研究院の教員一覧ページや各ユニットの紹介ページから、所属・職位・専門分野をたどって確認する方法が基本になります。複数の教員が同じ専門科目名に対応していることもあるため、氏名まで特定したうえで、研究内容が公開されている範囲(論文リストや研究室紹介など)に目を通し、自分の研究テーマとの接続点をあらかじめ言語化してから連絡すると、やり取りがスムーズに進みやすくなります。
研究室訪問については、修士課程・博士後期課程のいずれの募集要項にも「訪問が必須」あるいは「訪問は不要」といった明確な案内は見当たりません。教員への事前連絡が募集要項上の推奨事項である以上、連絡の際に研究室見学やオンライン面談の可否を合わせて相談するのが実務的な進め方と考えられます。研究計画や志望動機を具体的に語れるようにしたい場合は、理系大学院の研究計画書の書き方を参考に、実験計画や研究方法をどう言語化するかを整理しておくと、教員への連絡時にも説得力のある説明がしやすくなります。教員へのメールの書き方に迷う場合は研究室訪問のメール例文も参考になります。
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出願から合格発表までのスケジュール
修士課程(令和9年度・2027年度入学)の日程は、出願資格予備審査が必要な受験者にとっては6月から始まる長丁場です。出願資格予備審査が必要な区分(3号〜10号)は令和8年6月11日(木)から6月17日(水)までに書類を提出し、6月26日(金)に結果通知を受けたうえで、通常の出願期間である7月1日(水)から7月6日(月)までに検定料とTOEIC・TOEFLスコアを提出する流れです。予備審査が不要な受験者(大学卒業見込み等)も、出願期間は同じ7月1日から7月6日までとなります。
| 項目 | 修士課程(令和9年度・2027年度入学) |
|---|---|
| 出願資格予備審査書類提出期間 | 令和8年6月11日(木)〜6月17日(水) |
| 予備審査結果通知 | 令和8年6月26日(金)予定 |
| 出願期間 | 令和8年7月1日(水)〜7月6日(月)9:00〜17:00 |
| 試験期日 | 専門科目:8月19日(水)13:00〜15:30/面接:8月20日(木)13:00〜 |
| 合格発表 | 令和8年9月4日(金)16:00予定 |
博士後期課程(一般選抜・令和8年度、2026年度入学)は、修士課程よりおよそ半年前倒しのスケジュールで進みます。出願資格予備審査が必要な区分は令和7年11月17日(月)から11月21日(金)までに書類を提出し、12月11日(木)に結果通知を受けたうえで、12月15日(月)から12月19日(金)までの出願期間内に手続きを行う流れです。試験は令和8年2月9日(月)に外国語(該当者のみ)と専門科目、翌2月10日(火)に面接が実施され、合格発表は3月4日(水)を予定しています。
| 項目 | 博士後期課程(一般選抜・令和8年度) |
|---|---|
| 出願資格予備審査書類提出期間 | 令和7年11月17日(月)〜11月21日(金) |
| 予備審査結果通知 | 令和7年12月11日(木)予定 |
| 出願期間 | 令和7年12月15日(月)〜12月19日(金) |
| 試験期日 | 外国語・専門科目:2月9日(月)/面接:2月10日(火)13:00〜 |
| 合格発表 | 令和8年3月4日(水)16:00予定 |
博士後期課程の社会人入試(10月入学・令和8年度)は、予備審査書類の提出期間が修士課程と同じ6月11日(木)から6月17日(水)までに設定されています。予備審査結果は6月26日(金)に通知される予定で、通過者は主要論文等内容の要旨と検定料を期間内に提出したうえで、8月20日(木)13:00からの口述試験に臨みます。修士課程の専門科目試験と同じ8月19日・20日の週に設定される年度がある点は、他大学との併願を考える際にも意識しておきたいポイントです。
検定料はいずれの課程・区分も3万円で、ネット出願システムを利用する場合は事務手数料500円が別途必要になります。入学料は28.2万円、授業料は前期分26.79万円(年額53.58万円)で、これらはいずれも予定額であり、入学時・在学時に改定される可能性があります。博士後期課程については、本学の修士(博士前期)課程から引き続き進学する者は入学料が不要という規定もあります。金額は年度により変わり得るため、出願年度の学生募集要項に記載された数字を必ず確認してください。
仕事や育児・介護と両立しながら出願を検討する場合は、長期履修制度も確認しておく価値があります。標準修業年限(修士課程2年、博士後期課程3年)を超えて計画的に履修できる制度で、フルタイムの職業に就いている者、育児・介護等の負担がある者、障がいにより修学に重大な影響があると認められた者などが対象です。修士課程は4年以内、博士後期課程は6年以内の期間を年単位で申請でき、認められた場合の年間授業料は標準修業年限分の総額を長期履修期間の年数で割った額になります。申請には長期履修申請書・長期履修計画書などの書類が必要で、入学時のほか進級時にも申請できますが、最終学年では申請できません。社会人入試(10月入学)だけでなく、一般選抜で出願する社会人・子育て中の受験者にとっても検討の余地がある制度です。
不合格だった場合、受験者本人からの請求により試験成績の開示を受けられる制度も用意されています。修士課程の令和9年度募集要項によると、開示内容は専門科目の科目ごとの得点又は合否と面接試験の結果で、請求期間は令和9年4月1日(木)から4月9日(金)まで、返信用封筒に620円分の郵便切手を貼って郵送で請求する形式です。専門科目を1科目でも受験しなかった場合は開示を受けられない点にも注意してください。次の受験や併願校の対策に活かしたい場合は、この開示請求の期間を逃さないようにしておくとよいでしょう。博士後期課程(一般選抜)にも同様の開示制度があり、令和8年度募集要項では請求期間が令和8年4月1日(水)から4月10日(金)までとされ、外国語科目(該当者のみ)と専門科目のいずれも1科目でも受験しなかった場合は開示を受けられない点に注意が必要です。
倍率・難易度をどう見るか
北海道大学大学院農学院は、修士課程・博士後期課程のいずれについても、志願者数・受験者数・合格者数・倍率をコース別あるいは専攻全体で個別に公表するページを、公式サイト上には設けていません。倍率を具体的な数字で把握したい場合は、募集要項を発行している農学・食資源学事務部農学院教務担当窓口に直接問い合わせる必要があります。
公式に確認できる数値としては、大学改革支援・学位授与機構が運営する大学ポートレートに掲載された入学者数の推移があります。農学院(博士課程前期)の入学者数は2023年度が147人、2024年度が151人、2025年度が164人と公表されており、いずれの年度も募集要項に示された募集人員142名を上回る人数が入学している点が読み取れます。この数字は志願者数や倍率そのものではありませんが、募集人員どおりに絞り込まれるとは限らないという実態を示す参考情報にはなります。
| 年度 | 入学者数(農学院・博士課程前期) |
|---|---|
| 2023年度 | 147人 |
| 2024年度 | 151人 |
| 2025年度 | 164人 |
倍率の数字が公表されていない以上、募集要項の仕組みから難易度の傾向を推測することが現実的な対策になります。専門科目の科目(1)が指導教員に対応する1科目に固定される仕組みは、人気の高い教員・研究テーマに出願が集中した場合、その専門科目区分内での実質的な競争が相対的に高まる可能性を示唆しています。逆に、募集する教員の人数が多いユニットや、比較的出願が分散しやすい分野は、専攻全体の倍率イメージよりも出願しやすい可能性があります。ただしこれはあくまで募集要項の制度設計から推測できる傾向であり、断定的な倍率を示すものではない点に注意してください。
TOEIC L&R 620点・TOEFL iBT 64点という語学基準は、募集要項の記載を過去の年度と比較すると引き上げられてきた経緯があります。基準点が上がっている事実は、語学面での準備を軽視できない大学院であることを示しています。専門科目・研究テーマの準備に注力するあまり語学スコアの取得が後回しになると、出願資格そのものを満たせなくなるリスクがあるため、TOEIC・TOEFLは出願期間の逆算スケジュールのなかでも優先度の高いタスクとして位置づけておく必要があります。TOEICスコアの伸ばし方や必要な目安については大学院入試のTOEICスコア対策で研究科別の考え方を確認できます。
検定料3万円は、出願書類を受理した後は原則として返還されない規定になっています。返還が認められるのは検定料を払い込んだが出願しなかった場合など、限られたケースのみです。この規定自体が倍率を左右するわけではありませんが、出願前に志望教員への連絡や出願資格の確認を丁寧に行い、出願資格を満たさないまま検定料だけを払い込んでしまうような事態を避けることが、結果的に無駄のない受験準備につながります。
過去問分析と出題予測・面接(口述試問)対策
北海道大学大学院農学院は、過去の入学試験問題を郵送やホームページでは公開していません。募集要項には「過去の試験問題の郵送・ホームページ公開はしておりません」と明記されており、農学・食資源学事務部農学院教務担当窓口まで直接来訪した受験者に限り、前年度実施分の専門科目のコピーを受け取れるという運用です。配付できる科目数にも上限があり、修士課程は1人2科目まで、博士後期課程は1人1科目までとされています。それ以前の年度や対象外の科目については配付されないため、過去問を入手できる年度・科目数には明確な制約があると理解しておく必要があります。
過去問の入手経路が窓口来訪に限られるという運用は、遠方に住む外部受験者にとって実務上のハードルになります。札幌への来訪が難しい場合は、出願前の指導教員への連絡の際に、専門科目の出題傾向や過去の出題内容について具体的に相談できないか、あわせて確認しておくとよいでしょう。教員によっては、志望者に対して専門科目の学習範囲や参考文献を案内してくれる場合もあります。来訪以外の問い合わせ方法としては、農学・食資源学事務部農学院教務担当(電話011-706-2422または4119、メールkyomu@agr.hokudai.ac.jp)に、過去問の配付条件や指導教員への連絡方法を電話・メールで確認する手段も残されています。遠方に住む受験者ほど、早い段階でこうした窓口への問い合わせを行い、当日慌てないよう準備しておくことが重要です。
募集要項から見た出題予測
専門科目は科目名ごとに担当教員が明示されているため、志望教員の研究業績や担当授業のシラバスから出題範囲を推測することが、過去問が入手しにくい状況での現実的な対策になります。例えば農業植物科学ユニットの「遺伝子制御学」であれば分子生物学・遺伝学の基礎知識と応用、「作物栄養学」であれば植物の栄養生理と土壌との関係といったように、専門科目名そのものが出題領域の骨格を示しています。学部レベルの教科書で基礎を固めたうえで、志望教員の近年の論文や総説に目を通し、専門用語や研究の切り口に慣れておくことが対策の中心になります。
外国語はスコア提出による判定が基本のため、専門科目ほど出題予測の必要性は高くありません。ただし博士後期課程で筆記試験免除基準に届かない場合は、別途課される外国語(英語)筆記試験の対策が必要になります。募集要項には筆記試験の詳細な出題形式は示されていないため、スコア基準に届く見込みが立たない場合は、TOEIC・TOEFLのスコアメイクを優先しつつ、農学分野の英語論文の読解にも並行して慣れておくと、当日どちらの形式で問われても対応しやすくなります。
教員一覧の読み方
指導教員及び学科試験科目一覧表には、各専門科目に対応する教員が教授・准教授・講師・助教といった職位ごとに複数名記載されています。同じ専門科目名でも複数の教員が対応している場合があるため、専門科目名だけで判断せず、実際に指導を受けたい教員の氏名と研究分野まで確認したうえで出願する専門科目を決める必要があります。客員教員や連携分野の教員(産業技術総合研究所北海道センター、農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センター、国立環境研究所との連携分野など)が含まれるユニットもあり、こうした教員は外部機関との共同研究に関心がある受験者にとって選択肢のひとつになります。教員名の右横には(セ)北方生物圏フィールド科学センター、(博)総合博物館、(連)大学院連携分野といった所属を示す凡例が付されている場合もあります。教員名に☆印が付いている場合は、当該年度末に退職予定であることを示す表記で、今回募集をしていない網掛け教員とは異なる注意点です。☆印の教員を志望する場合は、入学後の研究期間を通じて指導を受けられるかどうかを、事前連絡の際に必ず確認しておくことをおすすめします。
面接(口述試問)対策
修士課程・博士後期課程(一般選抜)の面接について、募集要項に質問内容や配点の詳細は示されていません。選抜方法の記載から読み取れるのは、学科試験(専門科目・外国語)と面接、出身大学等の成績を総合して合否を判定するという枠組みだけです。この枠組みを踏まえると、面接では専門科目で問われた内容の理解度を口頭で確認されたり、志望教員のもとでどのような研究を進めたいかを説明する場面が想定されます。専門科目の学習内容と、指導教員への事前連絡で伝えた研究テーマとの一貫性を持たせておくことが、面接対策の土台になります。
博士後期課程の社会人入試(10月入学)は、面接ではなく「口述試験(研究業績等調書による専攻分野に関する試問)」という名称で選抜が行われます。出願書類として提出する研究業績等調書と研究計画書(400字以内)が、口述試験での質問の土台になると考えられます。限られた400字のなかにこれまでの研究業績・実務経験と、博士後期課程で取り組みたい研究テーマとの接続を凝縮して書く必要があるため、口述試験本番では、その凝縮した記述の背景にある考えを、自分の言葉で肉付けして説明できるよう準備しておくことが重要です。
半年〜1年前からの準備逆算
修士課程の出願期間は7月上旬、試験は8月中旬から下旬に設定されているため、TOEIC・TOEFLのスコアメイクと指導教員への事前連絡は、少なくとも出願年度の年明けから春先には着手しておきたいところです。専門科目の科目(1)は志望教員の専門分野に固定される仕組みであるため、教員が決まらないうちは対策範囲も定まりません。まず志望ユニット・志望教員を絞り込み、次に語学スコアの取得と専門科目の学習を並行して進める、という順序で逆算スケジュールを組むと無理がありません。
博士後期課程(一般選抜)を検討する場合は、出願期間が修士課程よりおよそ半年早い12月中旬に設定されている点に注意が必要です。修士論文の執筆と博士後期課程の出願準備が重なる時期になりやすいため、修士論文の要旨(2,000〜3,000字)をどの段階でまとめるか、指導教員(進学の場合は現在の指導教員、外部進学の場合は志望先の教員)への相談をいつ行うかを、修士論文の進捗と合わせて早めに計画しておくことをおすすめします。
併願の考え方・関連記事
農学系の大学院を併願する場合、大学の知名度だけでなく、志望する研究テーマがどのユニット・どの教員の専門分野に近いかで比較することが重要です。北海道大学大学院農学院を軸に併願先を検討する場合は、生産・生命・環境という3コースのうち自分の研究関心が最も近いコースを起点に、同系統の研究室を持つ他大学の農学系研究科・生命科学系研究科を並べて比較すると、専門科目の学習内容や教員への連絡内容を使い回しやすくなります。
併願先を決める際は、試験日程が重複していないかどうかも早めに確認する必要があります。修士課程の専門科目試験は8月中旬から下旬に設定されており、他の国立大学農学系研究科にも同時期に試験を実施するところが少なくありません。指導教員への事前連絡は大学ごとに求められる時期や様式が異なるため、共通して準備できる内容(研究テーマの説明、これまでの学習・研究の要約)と、大学ごとに書き換える必要がある内容(専門科目の選択、志望教員名)を早めに切り分けておくと、複数校の準備を並行して進めやすくなります。
併願校を絞り込む段階では、最終的には研究テーマと最も相性のよい1校を軸に据える必要があります。北海道大学大学院農学院を第一志望とする場合でも、専門科目の出題範囲や語学基準が近い大学院を1〜2校併願しておくと、当日の出題内容や体調によって結果が左右されるリスクを分散できます。過去問が窓口来訪でしか入手できない大学院だからこそ、公開されている募集要項・アドミッションポリシー・教員一覧という一次情報を、併願校の比較でも起点にすることが遠回りに見えて確実な方法です。
| 比較軸 | 確認するポイント |
|---|---|
| 研究領域の近さ | 志望教員の専門分野・研究業績が自分の関心と重なるか |
| 専門科目の重なり | 科目(1)(指導教員対応)の学習範囲が他大学の専門科目と共通する部分があるか |
| 語学基準の水準 | TOEIC・TOEFLの必要スコアが自分の現状と併願校の間でどの程度離れているか |
| 日程の重複 | 出願期間・試験日が志望する他大学院と重ならないか |
大学院の外部院試全体の進め方や、研究科横断での比較の視点は大学院入試対策の完全ガイドで整理しています。出願資格の確認から専門科目対策、指導教員への連絡までの全体像を先に把握しておくと、北海道大学大学院農学院固有の準備に集中しやすくなります。研究計画や志望理由をどう言語化するかで迷う場合は理系大学院の研究計画書の書き方も参考にしてください。
出願資格の解釈、専門科目対策の優先順位づけ、指導教員への連絡文面の相談、面接・口述試験の想定問答づくりまで個別に相談したい場合は、大学院入試対策コースで、志望するユニット・教員と現在の学習状況に合わせた対策を相談できます。過去問の入手経路が限られる大学院だからこそ、募集要項から読み取れる情報を最大限に活用した準備の優先順位づけが重要です。
よくある質問(FAQ)
北海道大学の農学部以外の出身でも農学院を外部受験できますか。
出願資格を満たしていれば、他大学・他学部からの外部受験は可能です。大学卒業(見込み)者であれば、出身学部を問わず修士課程の出願資格の基本条件を満たします。ただし専門科目の科目(1)は志望ユニットの指導教員に対応する科目から選ぶ必要があるため、出身分野が農学から離れている場合ほど、志望教員への事前連絡で研究テーマの適合性を早めに確認しておくことをおすすめします。
研究計画書の提出は必須ですか。
修士課程・博士後期課程(一般選抜)の出願書類一覧には、研究計画書という専用様式は明記されていません。代わりに、専門科目で指導教員対応科目を選ぶ仕組みと、指導教員への事前連絡が募集要項上の推奨事項として位置づけられています。博士後期課程(一般選抜)は修士学位論文の写し又は要旨、博士後期課程の社会人入試(10月入学)は研究計画書(400字以内)と研究業績等調書の提出が必須です。区分によって求められる書類が異なるため、混同しないよう注意してください。
TOEICとTOEFLはどちらを提出すればよいですか。
どちらか一方のスコアを提出すれば判定を受けられます。修士課程はTOEIC L&R 620点以上またはTOEFL iBTの基準点以上を満たさないと不合格と判定されるため、自分が受験しやすい方式で、出願期間に間に合うタイミングで受験しておく必要があります。TOEIC-IPやTOEIC Speaking & Writing Tests、TOEFL-ITPなど、認められないスコアの種類も募集要項に明記されているため、事前に対象となる試験区分を確認してください。
指導教員への事前連絡は必須ですか。
募集要項の表現は「望ましい」であり、必須とは明記されていません。ただし専門科目の科目(1)を指導教員対応科目として選ぶ仕組み上、連絡を取らずに出願すると、自分の研究テーマと教員の専門分野が実際に合っているかを確認しないまま試験に臨むことになります。網掛け教員(募集停止の教員)を希望指導教員として記載できない点も含め、出願前の連絡は実質的に準備の起点になると考えてください。
過去問はどこで入手できますか。
農学・食資源学事務部農学院教務担当窓口まで直接来訪した受験者に限り、前年度実施分の専門科目のコピーを受け取れます。配付数には上限があり、修士課程は1人2科目まで、博士後期課程は1人1科目までです。郵送やホームページでの公開はしていないため、遠方の受験者は来訪のスケジュールを早めに検討するか、志望教員への連絡時に出題傾向について相談できないか確認してみてください。
倍率はどのくらいですか。
農学院は志願者数・合格者数・倍率をコース別・専攻全体のいずれについても個別に公表していません。大学ポートレートに掲載された入学者数を見ると、2023年度147人、2024年度151人、2025年度164人と、募集人員142名を上回る年度が続いていることは確認できますが、これは倍率そのものではありません。具体的な倍率を知りたい場合は、農学・食資源学事務部農学院教務担当窓口への問い合わせが必要です。
社会人でも博士後期課程に出願できますか。
博士後期課程には社会人入試(10月入学)が設けられています。出願資格のひとつとして4年以上の在職経験が求められ、選抜は口述試験(研究業績等調書による専攻分野に関する試問)が中心です。必要と認められる場合のみ専門科目・外国語試験が追加される仕組みで、一般選抜の博士後期課程(4月入学)とは出願資格・選抜方法の両面で異なる制度として運用されています。
入学料・授業料はいくらですか。
令和8年度の募集要項では、入学料28.2万円、授業料は前期分26.79万円(年額53.58万円)と示されています。これらはいずれも予定額であり、入学時・在学時に改定が行われた場合は改定後の金額が適用されます。博士後期課程については、本学の修士(博士前期)課程から引き続き進学する場合は入学料が不要という規定もあるため、進学経路によって負担額が変わる点も確認しておいてください。
まとめ
北海道大学大学院農学院は、農学専攻という単一の専攻のなかに生産・生命・環境の3フロンティアコース・11ユニットを置き、専門科目の科目(1)を指導教員対応科目として選ばせる仕組みが、外部受験者にとっての実質的な研究計画の確認プロセスとして機能しています。研究計画書という専用書類は修士課程・博士後期課程(一般選抜)の出願書類には明記されていない一方、TOEIC・TOEFLの語学基準、指導教員への事前連絡、過去問の窓口限定配付といった農学院固有のルールを早い段階で押さえておくことが、専門科目・面接対策の土台になります。
募集人員・出願資格・日程・検定料などの数値は年度によって変わるため、出願を検討する年度の最新の学生募集要項を必ず確認したうえで準備を進めてください。修士課程は7月上旬の出願・8月中旬から下旬の試験、博士後期課程(一般選抜)は12月中旬の出願・翌年2月上旬の試験というように、課程によって半年近くスケジュールがずれる点も、併願校との日程調整とあわせて早めに把握しておくことをおすすめします。
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