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北海道大学大学院 水産科学院の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

北海道大学大学院水産科学院は、函館キャンパスに設置された水産科学分野の大学院で、海洋生物資源科学専攻と海洋応用生命科学専攻の2専攻・12講座から構成されています。外部院試とは、北海道大学水産学部以外の出身者や、他大学・高等専門学校・短期大学などの出身者が、この水産科学院を受験する入試区分を指します。令和8年8月実施の一般入試(修士課程)では、2専攻合わせて114名の募集人員が学生募集要項に明記されています。本記事では、令和8年8月実施の学生募集要項、令和8年2月実施の第2次学生募集要項、令和7年度水産学部・水産科学院概要、大学院修士課程過去問題ページなど、公式サイトで確認できた一次情報をもとに、出願資格、語学スコア要件、専門科目の出題内容、研究計画書・研究室訪問、日程、倍率、過去問の公開状況を整理します。年度により内容が変更される可能性があるため、出願前には必ず最新の公式募集要項をご確認ください。
北海道大学大学院水産科学院とは|2専攻12講座と外部院試
水産科学院は、公式サイトに掲げる設置目的として「海洋・水圏の環境,資源,生命,産業に関する大学院教育により,高度な研究能力,広い視野,地球規模の行動力を持つ,創造的で意欲ある人材の養成を行う」と説明しており、海洋・水圏の生物資源の持続的生産と効率的利用、それを保証する海洋生態系の保全を総合的に考究する学問体系として水産科学の修得を目的に掲げています。アドミッション・ポリシーでは、大学院の理念として人類社会の永続的発展のための海洋・水圏生態系の保全と生物資源の持続的生産・効率的利用の考究を掲げ、教育目標として水圏環境の保全と資源利用の調和を図る人材の養成、水圏生物の生命機能の解明を通じた社会還元ができる人材の養成という2点を挙げています。求める学生像としては、水圏の環境や生物・資源への関心と研究を通じた社会貢献の意欲、水圏生物やその成分の機能解明を通じた社会貢献の意欲、海洋・水産・環境分野の政策や管理に国内外で参加する意欲、という3つのタイプが示されています。
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水産科学院は函館市港町3丁目1番1号の函館キャンパスに置かれており、札幌キャンパスの他学院とはキャンパスが異なる点が、外部からの受験者にとって見落としやすいポイントです。出願書類の提出先や試験会場も函館キャンパスになるため、遠方から受験する場合は交通手段や宿泊の計画を早めに立てておく必要があります。学院は海洋生物資源科学専攻と海洋応用生命科学専攻の2専攻からなり、それぞれ6講座、合計12講座で構成されています。
水産科学院に進学する学生の中心は、学部段階から連続して学ぶ水産学部出身者ですが、募集要項上、一般入試の出願資格に出身学部・出身大学による制限はありません。水産学部出身者と外部からの受験者は、同じ募集人員・同じ専門科目・同じ選抜方法で審査される仕組みになっており、水産学部出身者だからといって別枠が用意されているわけではない点は、外部からの受験者にとって公平な条件といえます。ただし、水産学部出身者は学業成績証明書・卒業見込証明書の提出が不要とされているなど、提出書類の一部が省略される取り扱いがあり、この違いは出願書類を準備する段階で確認しておく必要があります。函館キャンパスへのアクセスは、JR函館駅からバスまたはタクシーを利用する経路が一般的で、札幌キャンパスからも距離があるため、他学院との併願や研究室訪問を検討する場合は移動時間も含めたスケジュールを組んでおくと安心です。
| 専攻 | 講座構成 |
|---|---|
| 海洋生物資源科学専攻(Division of Marine Bioresource and Environmental Science) | 海洋生物学、資源生物学、海洋環境科学、海洋計測学、水産工学、海洋共生学 |
| 海洋応用生命科学専攻(Division of Marine Life Science) | 増殖生物学、育種生物学、海洋生物工学、生物資源化学、水産食品科学、水産資源開発工学 |
海洋生物資源科学専攻は、魚類の分類・生態から海洋環境・海洋計測・水産工学・水産社会科学まで、海洋という「場」を軸にした講座構成です。一方の海洋応用生命科学専攻は、増養殖・育種・生物工学・食品科学・資源開発工学など、水産生物を「対象」として扱う応用生命科学系の講座構成になっています。外部からの受験者は、まずこの2専攻12講座のどこが自分の研究関心と重なるかを確認したうえで、志望する講座単位で出願する仕組みになっている点を理解しておく必要があります。専攻名だけを見て「海洋生物資源科学専攻の方が生物寄り」と決めつけず、講座名まで確認して志望を固めることが、出願書類・専門科目・研究計画書を一貫させるための出発点になります。
公式サイトの名称表記を見ると、「大学院水産科学研究院」「大学院水産科学院」「水産学部」という3つの組織名が併記されています。水産科学研究院は教員が所属する組織、水産科学院は大学院生が学ぶ組織という役割分担になっており、教員自身は研究院に所属しながら、水産科学院の講座を通じて大学院生を指導する仕組みです。出願書類や教員一覧を確認する際に、この2つの名称が別の組織を指している点を知っておくと、公式サイト内の情報を探しやすくなります。学部段階の水産学部も同じ函館キャンパスに置かれており、学部・大学院を通じて一貫した教育研究体制が敷かれています。
実施区分・募集人員・出願資格(語学スコア含む)
水産科学院修士課程の入試には、大きく分けて一般入試と外国人留学生入試があり、さらに実施時期によって第1次(8月実施)と第2次(2月実施)に分かれます。外部からの受験者が主に利用するのは一般入試第1次で、令和8年8月実施(2027年4月入学)の募集要項では、海洋生物資源科学専攻55名、海洋応用生命科学専攻59名という募集人員が公表されています。
| 専攻名 | 講座名 | 募集人員(第1次・一般入試) |
|---|---|---|
| 海洋生物資源科学専攻 | 海洋生物学、資源生物学、海洋環境科学、海洋計測学、水産工学、海洋共生学 | 55名 |
| 海洋応用生命科学専攻 | 増殖生物学、育種生物学、海洋生物工学、生物資源化学、水産食品科学、水産資源開発工学 | 59名 |
出願資格は、学校教育法に基づく標準的な区分がそのまま採用されています。外部からの受験者が該当しやすいのは次の区分です。
- 大学を卒業した者、または2027年3月までに卒業見込みの者
- 大学改革支援・学位授与機構から学士の学位を授与された者、または授与見込みの者
- 外国において学校教育における16年の課程を修了した者、または修了見込みの者
- 専修学校の専門課程(文部科学大臣が別に指定するもの)を修了した者、または修了見込みの者
- 大学に3年以上在学し、優れた成績で単位を修得したと認められる者(2027年3月31日までに22歳に達する者に限る)
- 個別の入学資格審査により、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認められた者(2027年3月31日までに22歳に達する者に限る)
このほか、外国の通信教育を国内で履修して16年課程を修了した者、文部科学大臣が別に指定する教育施設で当該課程を修了した者、修業年限3年以上の外国の課程で学士相当の学位を得た者、文部科学大臣が指定した者(昭和28年文部省告示)といった区分も設けられており、高専・短大・海外大学出身など多様な経歴を持つ受験者を受け入れる設計になっています。自分がどの区分に該当するかを自己判断せず、少しでも不安がある場合は函館キャンパス事務部教務担当へ早めに問い合わせることをおすすめします。
10区分のうち、大学を卒業した(見込みの)者と、大学改革支援・学位授与機構から学士の学位を授与された(見込みの)者、文部科学大臣が指定した者の3区分は、事前審査を経ずにそのまま本審査の願書受理期間に出願できます。これに対して、外国の課程・通信教育・指定教育施設・大学3年次在学・個別審査による区分に該当する場合は、願書を受理する前に出願資格の事前審査が必要です。令和8年8月実施分の事前審査申請期間は2026年6月22日から26日までで、通常の願書受理期間(7月10日から17日)より1か月近く早く動く必要があります。高等専門学校・短期大学・専門学校出身者や、大学3年次修了段階での早期出願を検討している場合は、この事前審査の存在を知らずに出願直前で慌てるケースが起こりやすいため、志望を決めた時点で早めに準備することをおすすめします。事前審査の結果は2026年7月上旬に通知され、資格を認められた者だけが本審査の願書受理期間中に検定料を納付して出願する流れです。
語学要件(TOEIC・TOEFL)
一般入試(第1次)では、TOEIC Listening&Reading(公開テストまたは北海道大学実施のTOEIC-IP)、TOEFL iBT(Home Edition含む)、TOEFL-ITP(北海道大学実施分)のいずれかのスコアシートを提出する必要があります。対象となるのは2024年7月以降に受験したスコアで、web画面のテスト結果を印刷しただけのものは無効とされ、公式認定証の原本またはデジタル公式認定証のPDFプリントアウトが求められます。募集要項には、一定の点数に満たない場合は不合格と判定するという明確な基準が示されています。
| 試験 | 不合格となる点数の目安 |
|---|---|
| TOEIC Listening&Reading Test・TOEIC-IPテスト | 550点未満 |
| TOEFL iBT(Home Edition含む) | 57点未満(1-6スコアスケールでは3.5点未満) |
| TOEFL-ITP(北海道大学実施分) | 487点未満 |
この基準は「足切り」に相当するものであり、スコアが基準を上回っていれば合格が保証されるわけではない点に注意が必要です。あくまで提出書類・専門科目・面接と合わせた総合判定の一要素として扱われます。なお第2次募集(2月実施)では、TOEICまたはTOEFLの対象受験期間の起点が「2024年1月以降」に変わるなど、第1次と細部が異なる箇所があるため、第2次を検討する場合は該当年度の募集要項で受験可能期間を必ず確認してください。TOEICは受験からスコア取得までおおむね1か月かかるとされているため、出願締切から逆算して早めに受験しておくことが望ましいといえます。
出願書類一覧
一般入試(第1次)で提出が求められる書類は、大きく分けて所定様式の願書一式、証明書類、志望理由書、語学スコアシートの4系統です。水産学部出身者は学業成績証明書と卒業見込証明書の提出が不要とされる一方、それ以外の出身者はすべての書類を揃える必要があります。
| 書類 | 内容・注意点 |
|---|---|
| 入学願書・履歴書・受験票・写真票・検定料受付証明書 | 本学院所定の用紙。写真は出願前3か月以内撮影の正面半身脱帽、縦4cm×横3cm |
| 学業成績証明書・卒業(見込)証明書 | 水産学部卒業(見込)者は提出不要。区分によって学位授与証明書等で代替 |
| 受験票送付用封筒・連絡受信先シール | 郵便番号・住所・氏名を明記し、460円分の切手(簡易書留料金込み)を貼付 |
| 志望理由書(所定書式) | 公式サイトからダウンロードし両面印刷。出願前に指導希望教員へのコンタクトが必須 |
| TOEICまたはTOEFLのスコアシート | 公式認定証の原本、またはデジタル公式認定証のPDFプリントアウト |
検定料30,000円は、銀行または郵便局の窓口で所定の払込書を使って振り込みます。ATM(現金自動預払機)は使用できず、窓口で受付局日附印が押印されているかその場で確認する必要があると案内されています。既納の検定料は、検定料を払い込んだが出願しなかった場合や二重払込の場合を除いて返還されないため、出願資格に不安がある場合は事前審査を活用してから納付する順序を守ることが大切です。
試験科目(専門科目・語学・研究計画書・口述)
一般入試(第1次)の入学者選抜方法は、募集要項に「提出書類の内容,専門科目(筆記試験),面接試験,TOEICまたはTOEFLの得点等に基づいて合否を決定します」と明記されています。専門科目・面接・語学スコア・提出書類という4要素の総合評価であり、専門科目の得点だけで合否が決まるわけではありません。試験日は2026年8月18日(火)で、専門科目が9時30分から11時30分の2時間、面接が13時からとなっており、会場は水産科学院(函館市港町3丁目1番1号)です。
専門科目|志望講座単位で出題
専門科目は、志望する講座単位で出題されます。各講座とも複数分野から一定数の問題が出題され、その中から4題を選択して解答する形式が共通しており、全問解答ではなく選択解答である点は対策の立てやすさにつながります。海洋生物資源科学専攻の出題内容は次のとおりです。
| 講座 | 出題内容(公式募集要項より) |
|---|---|
| 海洋生物学 | 海洋生物学から4題、プランクトン学・動物生態学・魚類学から各2題ずつ、計10題のうち4題を選択解答 |
| 資源生物学 | 海洋生態学・魚類生態学から各2題ずつ、生物資源学・基礎生態学・水産資源学から1題ずつ、計7題のうち4題を選択解答 |
| 海洋環境科学 | 海洋環境科学から4題、海洋化学・海洋物理学から各1題ずつ、計6題のうち4題を選択解答(指定図書あり) |
| 海洋計測学 | 衛星海洋学・海洋音響学・漁業解析学から各2題ずつ、計6題のうち4題を選択解答 |
| 水産工学 | 水産海洋工学・水産情報工学・行動計測工学から各2題ずつ、計6題のうち4題を選択解答 |
| 海洋共生学 | 海洋共生学から4題、水産経済学・地域資源科学・海藻学から各2題ずつ、計10題のうち4題を選択解答 |
海洋応用生命科学専攻は次のとおりです。
| 講座 | 出題内容(公式募集要項より) |
|---|---|
| 増殖生物学 | 水族生理学・水族繁殖学・水族生化学から各2題ずつ、計6題のうち4題を選択解答(水族繁殖学に指定図書あり) |
| 育種生物学 | 海洋植物学・水族発生生物学・水族遺伝育種学から各2題ずつ、計6題のうち4題を選択解答 |
| 海洋生物工学 | 海洋生物工学・海洋微生物学・魚病学から各2題ずつ、計6題のうち4題を選択解答(海洋生物工学・魚病学に指定図書あり) |
| 生物資源化学 | 栄養化学・分子栄養学・天然物化学・資源有機化学から各2題ずつ、計8題のうち4題を選択解答(資源有機化学に指定図書あり) |
| 水産食品科学 | 食品化学・食品衛生学・食品保蔵学から各2題ずつ、計6題のうち4題を選択解答 |
| 水産資源開発工学 | 酵素機能化学・水産生化学・北方生物圏機能生物学・比較生理学から各2題ずつ、計8題のうち4題を選択解答(水産生化学に指定図書あり) |
指定図書が明示されている科目は、出題範囲が事実上その図書の該当章に絞られているため、他の科目より対策の的を絞りやすい部分です。詳しい指定図書の内容は後述の「過去問分析・出題予測」で改めて整理します。ここで重要なのは、同じ講座内でも「◯◯学から4題」「他分野から各2題ずつ」というように出題の重み付けが分野ごとに異なる点で、志望講座を決める段階から、どの分野の問題を優先的に選んで解答するかをイメージしておくと、専門科目対策の計画が立てやすくなります。
試験当日は、専門科目(9時30分から11時30分)と面接(13時から)が同じ日に組まれており、午前の専門科目終了から午後の面接開始までにはおよそ1時間半の間があります。この間に昼食や移動、面接の最終確認を済ませることになるため、遠方から日帰りで受験する場合は、午前・午後を通した1日のスケジュールをあらかじめシミュレーションしておくと、当日落ち着いて臨めます。会場は函館市港町3丁目1番1号の水産科学院内で、専門科目・面接とも同じ建物内での実施です。
外国人留学生入試・博士後期課程との違い
外国人留学生入試(第1次)は、一般入試とは選抜方法が異なります。募集要項には「提出書類の内容,口述試験,TOEICまたはTOEFLの得点等に基づいて合否を決定します。口述試験では,筆記により解答する問題も出題されます」と明記されており、一般入試のような独立した専門科目筆記試験は課されず、口述試験(必要に応じ筆記の設問を含む)が中心になります。試験日・会場は一般入試と同じ2026年8月18日(火)13時からです。日本国籍を持たない者でも、日本の大学を卒業した(見込みの)者は一般入試を受験する扱いになっており、外国人留学生入試の対象は日本国籍を持たず、外国の学校教育課程を経た者に限られます。
博士後期課程は、今回の募集要項では社会人入試と外国人留学生入試のみが実施され、教育・研究機関や民間企業等の正規職員として在職していることが社会人入試の出願資格の前提になっています。選抜方法は「提出書類の内容と口述試験の得点等に基づいて合否を決定します。ただし,当該専攻が必要と認めるときは筆記試験を課すことがあります」とされ、原則は書類と口述試験が中心です。試験日は2026年8月19日(水)13時からで、修士課程の試験日(8月18日)の翌日に設定されています。
博士後期課程には、この記事で中心的に扱う社会人入試・外国人留学生入試(8月試験・10月入学)とは別に、一般入試(2026年4月入学向け)が例年11月出願・2月試験の回に設けられており、募集人員・出願資格・提出書類はこの記事で参照した社会人入試・外国人留学生入試の募集要項とは別冊子の「博士後期課程(一般入試)学生募集要項」で案内されています。一般入試は社会人入試とは異なり在職を前提としない出願資格区分が中心で、在職証明や上司の承諾書は不要な一方、修士論文の写しや語学スコアの提出が求められる点が大きな違いです。外部から博士後期課程への進学を検討する場合は、自分が一般入試・社会人入試のどちらの出願資格に該当するかによって試験時期・提出書類・語学要件が変わるため、該当する学生募集要項を早めに取り寄せて志望区分を特定しておく必要があります。
修士課程の外国人留学生入試の出願資格は、日本国籍を持たない者を対象に、外国での16年課程修了(見込み)を基本としつつ、国内での通信教育履修や文部科学大臣指定の教育施設での課程修了、国際連合大学の課程修了など6つの区分が設けられています。中華人民共和国(香港・マカオを除く)の大学出身者は、卒業証明書に加えて中国教育部の認証システムで取得する電子登録票の提出が求められるなど、出身国によって追加書類が必要になる場合がある点も、募集要項に具体的に記載されています。英語を母国語とする国の出身者で、英語による大学(院)教育を受けてきた場合は、事前に相談のうえTOEIC・TOEFLスコアの提出が免除されることもあるとされています。検定料についても、国外在住者はネット出願システムでのクレジットカード決済が利用できるほか、国費外国人留学生や中国政府国家公派研究生項目派遣学生は納付を要しない場合があると案内されており、該当する可能性がある場合は事前に教務担当へ確認することをおすすめします。
研究計画書・研究室訪問(指導教員への事前コンタクトが必須)
水産科学院の出願書類の中で、外部からの受験者が特に注意すべきなのが志望理由書(研究計画書に相当する書類)です。募集要項には「出願の前に,必ず指導を希望する教員とコンタクトをとってください」と明記されており、これは任意の推奨事項ではなく、出願手続の一部として案内されている点が他大学院と比べても際立った特徴です。志望理由書の書式は水産科学院公式サイト(admission/mcdc.html)からダウンロードでき、パソコンでの作成が可能で両面印刷が求められます。
指導を希望する教員を選ぶ際の一次情報になるのが「受入が可能な教員の研究分野一覧表」です。この一覧表は2026年10月以降に退職等で受入が不可能な教員を除いて作成されており、網掛けされている教員は今回の募集で学生を募集しないため、志望理由書の希望指導教員名欄に記載できないという注記もあります。つまり教員一覧は毎回更新されるため、以前に確認した情報のまま出願準備を進めると、実際には受入不可の教員を志望してしまうリスクがあります。出願直前ではなく、志望を固める早い段階で最新版を確認し、可能であれば早めに指導希望教員へ連絡を取っておくことが重要です。
教員一覧表は、水産科学院公式サイトの大学院入試要項ページからPDF形式でダウンロードできます。教員一覧には教授・准教授・助教それぞれの氏名(ローマ字表記も併記)と研究分野が日本語・英語で掲載されており、講座ごとに教員が数名ずつ配置されています。志望する研究テーマに近い教員が講座内に複数いる場合は、1名だけに絞り込まず、近い研究テーマを扱う教員が他にいないかも確認しておくと、万一の受入枠の都合にも対応しやすくなります。
教員一覧には、各講座の教員ごとに研究分野が日本語・英語で併記されています。例えば海洋生物学講座では魚類の系統分類学、資源生物学講座では魚類の初期生活史といったように、講座名だけでは分からない具体的な研究テーマが確認できます。いくつか例を挙げると、海洋環境科学講座では安定同位体比や環境DNAを用いた海洋生態系解明の研究、水産工学講座では音響手法や画像認識を用いた漁具・養殖管理技術の研究、海洋共生学講座ではサケ属魚類の生態生理学や漁業・水産加工業の労働力問題に関する研究、増殖生物学講座では魚類の生殖現象の分子機構とその増養殖技術への応用、生物資源化学講座では水圏生物由来の健康機能性物質の探索といった具合に、同じ講座内でも教員によって理学的な基礎研究から水産業に直結する応用研究まで幅があります。
教員一覧表(本記事執筆時点で確認できた版)から確認できる、12講座それぞれの研究テーマの一例を整理すると次のとおりです。実際に指導を希望する教員を選ぶ際は、必ず最新版の一覧表で氏名・研究分野・受入可否を直接確認してください。
| 講座 | 教員の研究テーマの一例 |
|---|---|
| 海洋生物学 | 魚類の系統分類学、インド-西部太平洋の沿岸性・深海性魚類の分類学的研究 |
| 資源生物学 | 魚類の初期生活史と卓越年級群の発生機構、捕食-被食関係が水産資源動態に及ぼす影響 |
| 海洋環境科学 | 大型藻類ブルーカーボン、安定同位体比・環境DNAを用いた海洋生態系の解明 |
| 海洋計測学 | 選択的漁獲技術、衛星リモートセンシングによる海洋環境計測、音響機器の開発 |
| 水産工学 | 中深層性魚類の音響定量化、画像処理を用いた養殖魚のモニタリング技術 |
| 海洋共生学 | サケ属魚類の母川回帰の生態生理学、漁業・水産加工業の労働力不足に関する研究 |
| 増殖生物学 | 魚類の生殖現象の分子機構と増養殖技術への応用、海産無脊椎動物の増養殖技術 |
| 育種生物学 | 魚類の生殖細胞操作・染色体操作による育種、海藻の生活環制御機構の解明 |
| 海洋生物工学 | 海洋生物由来酵素の機能解析と藻類細胞工学への応用、魚類防疫と水産物の安全性確保 |
| 生物資源化学 | 水圏生物中の健康機能性物質の探索、水圏生物由来脂質成分の構造解明 |
| 水産食品科学 | 海藻由来機能成分の化学的研究、食品中の有害微生物制御と水産発酵食品の微生物機能 |
| 水産資源開発工学 | サケ科魚類の成長調節メカニズムと生活史分化、海藻成分の構造機能解析 |
研究計画書を書く段階では、自分の研究テーマと、志望する教員の研究分野がどこまで重なるかを具体的な研究分野名で説明できるようにしておくことが対策の中心になります。募集要項自体には研究計画書の記載項目は指定されていませんが、所定様式(志望理由書)に沿って作成する以上、様式の見出しに合わせて、これまでの学習・研究の経緯、水産科学院で扱いたい研究テーマ、志望する講座・教員との関連性を過不足なく記入することが基本です。事前コンタクトが必須とされている以上、研究計画書に書いた内容と、指導教員候補とのやり取りで話した内容がずれていると、出願後の手続きや面接で説明に一貫性を欠くことになりかねません。研究室訪問という言葉自体は募集要項に用いられていませんが、事前コンタクトの過程で研究室の見学や個別の相談機会が案内される場合もあるため、連絡を取った教員の指示に従って準備を進めることをおすすめします。
博士後期課程の社会人入試では、志望理由書に加えて、在職している職場の研究指導者による推薦書(任意)、出願資格の一部区分に該当する場合は研究歴を証明できる書類、これまでの主要研究業績についての概要(3,000字程度)、研究業績目録といった書類が求められます。社会人として研究職や技術職に従事しながら出願する場合は、勤務先での研究成果を大学院での研究計画にどう接続するかを、これらの書類を通じて一貫して説明できるように準備しておく必要があります。人事等の責任者の承諾が確認できる書類(書式任意)も必要になるため、出願を検討する段階で職場の理解を得ておくことも欠かせません。
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日程・スケジュール(出願期間・試験日・合格発表)
水産科学院修士課程の入試は、年に2回の募集機会があります。第1次は8月に試験を行い翌年4月入学の学生を対象とする主たる募集で、第2次は2月に試験を行い同年4月入学の学生を対象とする補完的な募集です。第2次は、第1次で募集人員に達しなかった講座に限って若干名の枠で実施される点が特徴で、令和8年2月実施分では、資源生物学・海洋共生学(海洋生物資源科学専攻)、生物資源化学(海洋応用生命科学専攻)の3講座が募集対象外とされていました。志望する講座が第2次でも募集されるとは限らないため、外部から受験する場合は基本的に第1次を軸にスケジュールを組むことをおすすめします。
| 区分 | 出願資格事前審査 | 願書受理期間 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|---|
| 修士課程 第1次(一般・外国人留学生) | 2026年6月22日~26日 | 2026年7月10日~17日 | 2026年8月18日(専門9:30~11:30・面接13:00~) | 2026年9月1日16:00 |
| 修士課程 第2次(一般・外国人留学生、対象講座限定) | 2025年11月17日~25日 | 2025年12月9日~16日 | 2026年2月18日(専門9:30~11:30・面接13:00~) | 2026年3月2日16:00 |
| 博士後期課程(社会人・外国人留学生) | 2026年6月22日~26日 | 2026年7月10日~17日 | 2026年8月19日(口述13:00~) | 2026年9月1日16:00 |
出願書類は、Web出願ではなく、所定の用紙一式を函館キャンパス事務部教務担当宛に持参または郵送する方式です。郵送の場合は速達簡易書留とし、封筒に「大学院修士課程入学願書在中」と朱書きすることが求められており、願書受理期間内必着という条件も課されています。検定料は30,000円で、所定の払込書を使って銀行または郵便局の窓口で振り込み、受付局日附印が押印された検定料受付証明書を貼付台紙に貼り付けて提出する必要があります。ATMでの振込は使用できないと明記されているため、平日の窓口対応時間を確保しておく必要があります。
出願書類の受理は、受験票の送付をもってその証とするとされており、令和8年8月実施分の受験票は2026年8月中旬に発送予定です。出願してから受験票が届くまでの間、受理されたかどうかを確認する手段が限られるため、発送予定時期を過ぎても届かない場合は函館キャンパス事務部教務担当へ問い合わせることをおすすめします。加えて、出願書類の記載事項が事実と相違することが判明した場合は、入学許可後であっても入学が取り消されることがあると明記されているため、証明書類の記載内容と願書の記載内容に食い違いがないか、提出前に必ず見直してください。
募集要項の原本は、函館キャンパス事務部教務担当の窓口で交付されるほか、郵送での請求にも対応しています。郵送希望の場合は、270円切手を貼った返信用封筒(角形2号)を用意し、「修士課程募集要項請求」等と明記して送付する必要があり、国外に居住していて出願を希望する場合は、書類送付前に教務担当(kyoumu@fish.hokudai.ac.jp)へ連絡するよう案内されています。入試内容について不明な点がある場合の問い合わせ手段としては、公式サイト上のGoogleフォームが用意されており、電話(0138-40-5623)とあわせて利用できます。
入学料・授業料は、令和8年8月実施分の募集要項によれば入学料282,000円(予定額)、2027年度前期分授業料267,900円(年額535,800円、予定額)とされています。これらはあくまで予定額であり、在学中に学生納付金の改定が行われた場合は改定時から新たな納付金が適用されるという注記があります。正確な金額は出願年度の募集要項で確認してください。
働きながらの通学や家庭の事情などで標準修業年限内の修了が難しい場合は、長期履修制度を利用できます。修士課程は標準修業年限2年に対して4年以内、博士後期課程は標準修業年限3年に対して6年以内の期間で計画的に履修することが認められる制度で、申請には長期履修申請書と長期履修計画書の提出に加え、事前に指導を希望する教員へ相談しておくことが案内されています。長期履修者の授業料は、標準修業年限分の授業料総額を認められた履修期間で按分した額になります。
合格後の入学手続きも、区分ごとに時期が異なります。第1次(4月入学)は2027年3月初旬まで、第2次(4月入学)は2026年3月初旬に合格者へ入学手続きの通知が届き、手続き期間中に入学料を納付します。前期分授業料は入学後の5月に別途納付する扱いです。博士後期課程(10月入学)は2026年9月初旬までに通知が届き、後期分授業料は入学後の11月に別途納付します。入学料・授業料ともに「予定額」である点は繰り返しになりますが重要で、在学中に納付金の改定が行われた場合は改定時から新たな金額が適用されるとされているため、進学後も公式な通知を確認する習慣を持っておくと安心です。
倍率・難易度
水産科学院の募集要項本体には、過去数年分の志願者数・合格者数の推移表は掲載されていません。ただし、水産学部・水産科学院の概要資料(2025年5月1日時点のデータを含む冊子)には、令和7年度(2025年度)の大学院入学状況が本学出身・他大学出身・その他の内訳付きで公表されています。この資料から確認できる数値は次のとおりです。
| 課程 | 入学定員 | 志願者数(本学/他大学/その他/計) | 入学者数(本学/他大学/その他/計) |
|---|---|---|---|
| 修士課程 | 114名 | 130 / 21 / 1 / 152 | 102 / 11 / 1 / 114 |
| 博士課程 | 19名 | 18 / 5 / 0 / 23 | 17 / 4 / 0 / 21 |
この資料には合格者数の内訳が示されていないため、受験者数÷合格者数で算出する厳密な実質倍率は公表データからは求められません。あくまで参考値として志願者数と入学者数の比率を見ると、修士課程全体では志願者152名に対して入学者114名(入学者数÷志願者数はおよそ75%)ですが、他大学出身者に限ると志願者21名に対して入学者11名(同じ計算でおよそ52%)となっており、本学水産学部出身者よりも入学に至る比率がやや低い傾向がうかがえます。ただし入学者数には、合格したが他の進学先を選んで入学しなかった人数は反映されないため、この数値は合格率そのものではなく、あくまで志願から入学までの実績として参考にとどめてください。博士課程についても同様に、他大学出身者は志願5名に対して入学4名という小規模なデータにとどまります。
入学者数全体に占める他大学出身者の割合を見ると、修士課程では114名中11名(およそ1割弱)、博士課程では21名中4名(およそ2割)が本学水産学部以外の出身者です。修士課程は本学水産学部出身者が入学者の9割弱を占める一方で、博士課程は他大学出身者の比率がやや高いという傾向が、この1年度分のデータからは読み取れます。ただし、これも単年度のスナップショットであり、講座や年度によって変動し得る点には注意してください。
複数年の推移データは、本記事執筆時点で確認できた公開資料の範囲では把握できませんでした。年度による変動を含めた正確な倍率の推移を知りたい場合は、水産科学院の公式サイトで毎年公開される最新の概要資料や、教務担当への問い合わせで確認することをおすすめします。募集人員自体が講座構成の見直しによって年度ごとに変わる可能性がある点(前述の第2次募集で3講座が募集対象外になった例)も踏まえると、倍率は単年度の数字だけで一喜一憂せず、志望講座の教員の受入可否と合わせて総合的に判断する視点が大切です。
なお同じ資料では、博士課程の入学者数21名が入学定員19名をわずかに上回っている点も確認できます。これは年度によって定員を超える入学が生じ得ることを示す一例であり、修士課程は入学定員114名に対して入学者数も114名と一致しています。定員充足の状況は年度・専攻・講座によって変動するため、この1年度分の数値のみで「入りやすい・入りにくい」を断定するのではなく、志望講座の過去問公開状況や教員の受入実績とあわせて総合的に判断することをおすすめします。
同資料には2025年5月1日時点の在籍学生数(現員)も掲載されています。修士課程は定員228名(1学年114名×2年)に対して現員248名、博士課程は定員57名(1学年19名×3年)に対して現員87名といずれも定員を上回る在籍者数です。これには長期履修制度の利用者や、年度による入学者数の変動が反映されていると考えられますが、詳細な内訳は公表資料からは確認できないため、あくまで在籍者の規模感を示す参考情報として捉えてください。
| 課程 | 定員 | 現員(2025年5月1日時点) |
|---|---|---|
| 修士課程(1・2年計) | 228名 | 248名 |
| 博士課程(1~3年計) | 57名 | 87名 |
過去問分析・出題予測、面接(口述試問)対策
水産科学院は、修士課程専門科目の過去問題を公式サイトの「大学院修士課程過去問題」ページで公開しています。公開されているのは2024年8月から2026年2月まで4回分の実施回で、講座ごとに直近の実施回のPDFがまとめられています。さらに2025年8月実施分以降は、一部科目について解答例・出題意図を付した版も公開されており、単に問題文を見るだけでなく、大学側がどのような答え方を想定しているかまで確認できる点は、国立大学の大学院入試としてはかなり手厚い情報開示といえます。ただし過去問PDFはスキャン画像形式で保存されており、テキストとして検索・コピーはできないため、実際の問題を確認する際はPDFを直接開いて内容を読む必要があります。
実際に2025年8月実施分の過去問を確認すると、講座によって出題の性格がはっきり異なることがわかります。資源生物学講座の出題番号41では、水産生物の周期的な資源変動が海洋で観測されにくい理由を3つ説明させる設問に続けて、道東海域(十勝・釧路)におけるケガニとミズダコの年間漁獲量データを示し、両種の動態から考えられる仮説とその検証方法を論述させる設問が出題されており、知識の暗記だけでなく実際の漁獲統計を読み解いて仮説を立てる力が問われる形式でした。水産食品科学講座の出題番号351では、厚生労働省の食中毒統計(令和4年から令和6年)の抜粋表を示したうえで、細菌性食中毒の病因物質・原因食品・症状・対策法を問う設問が出題されており、行政統計を読み解く力も対象になっていました。水産資源開発工学講座(化学工学)の出題番号401のように、レイノルズ数や摩擦エネルギー損失、ポンプ動力を計算させる理系色の強い出題が含まれる講座もあり、同じ専門科目でも論述中心か計算中心かは講座によって大きく異なります。過去問はスキャン画像形式で公開されており、志望講座以外の詳しい内容までは把握しにくいため、対策では志望する講座の過去問を優先して読み込むことをおすすめします。
出題予測を立てるうえでまず押さえておきたいのは、前述の専門科目出題内容表そのものが、募集要項に明記された公式の出題範囲だという点です。「◯◯学から4題、△△学・□□学から各2題ずつ」という出題構成は年度によって大きく変わるものではないと考えられるため、過去問で実際の設問の粒度や論述量を確認しつつ、募集要項の出題内容表と照らし合わせて優先順位をつける進め方が効率的です。特に指定図書が明示されている科目は、出題範囲を絞り込める分、対策の費用対効果が高い領域です。
| 科目(講座) | 指定図書 |
|---|---|
| 海洋環境科学(海洋環境科学講座) | 『海洋学 原著第4版』ポール・R・ピネ著、東京大学海洋研究所監訳(東海大学出版会)第4章~第15章 |
| 水族繁殖学(増殖生物学講座) | 『増補改訂版 魚類生理学の基礎 第2版』会田・金子編(恒星社厚生閣)第6章内分泌・第7章生殖、『魚類の性決定・性分化・性転換』菊池・井尻・北野編(恒星社厚生閣)p.62~p.144 |
| 海洋生物工学(海洋生物工学講座) | 『ヴォート基礎生化学 第5版』(東京化学同人)生化学の基礎・生体分子・酵素・代謝・遺伝子の発現と複製の該当章 |
| 魚病学(海洋生物工学講座) | 『改訂・魚病学概論』(恒星社厚生閣) |
| 資源有機化学(生物資源化学講座) | 『マクマリー有機化学概説 第7版』伊東・児玉訳(東京化学同人)p.1~p.251 |
| 水産生化学(水産資源開発工学講座) | 『タンパク質実験ノート』上巻・下巻(改訂第4版、羊土社)、『基礎から学ぶ遺伝子工学』(第3版、羊土社)、『遺伝子工学実験ノート』下(改訂第3版、羊土社) |
指定図書のない科目については、募集要項の出題内容表に記された分野名(魚類学、海洋化学、衛星海洋学、水産経済学など)を手がかりに、学部レベルの教科書や、志望する教員が発表している論文・総説を確認しながら、自分なりに出題範囲を絞り込む作業が必要です。「計10題のうち4題を選択解答」という形式は、逆に言えば全分野を満遍なく仕上げる必要はないことを意味しており、既習の得意分野を軸に、確実に4題を選び切れる状態を作ることが現実的な対策方針になります。
面接(口述試験)については、募集要項に質問内容の詳細は明記されていません。一般入試の選抜方法が「提出書類の内容,専門科目,面接試験,TOEICまたはTOEFLの得点等」の総合評価とされていることから、面接では専門科目の解答内容や志望理由書(研究計画書)に基づいて、志望する研究テーマの理解度や、指導を希望する教員の研究分野との適合性が問われると考えられます。断定はできませんが、事前コンタクトが必須とされている以上、面接の場で「なぜこの教員・この講座を志望するのか」を、自分の言葉で一貫して説明できる準備をしておくことが実践的な対策になります。外国人留学生入試では口述試験で筆記により解答する問題も出題されるとされているため、専門知識に関する簡潔な記述にも対応できるようにしておく必要があります。
過去問を活用する際にもう一点意識しておきたいのは、公開されている実施回が2024年8月・2025年2月・2025年8月・2026年2月の直近数回に限られ、解答例・出題意図が付されているのも2025年8月実施分以降の一部科目のみという点です。過去に出題された設問がそのまま繰り返されるとは限らないため、複数年度分を並べて出題形式や論述量の傾向をつかむ使い方が現実的です。第1次(8月実施)と第2次(2月実施)では対象講座が異なる回もあるため、志望する講座の過去問が公開されているかどうかも、過去問ページで早めに確認しておくことをおすすめします。指定図書として挙げた書籍・章立ても、本記事執筆時点(令和8年8月実施分の募集要項)での内容であり、年度によって指定図書や該当章が変更される可能性がある点は踏まえたうえで、対策を始める前に必ず最新の募集要項の出題内容欄を確認してください。
併願を検討する場合の考え方と関連情報
水産科学院を第一志望としつつ併願を検討する場合、まず意識したいのは北海道大学内にも隣接分野の大学院が複数あるという点です。海洋の生態系や環境をより広く学びたい場合は北海道大学大学院環境科学院、水産生物の生命科学・応用生命科学的な側面を軸にしたい場合は北海道大学大学院生命科学院、陸域の生物生産や食品科学に関心が近い場合は北海道大学大学院農学院が、研究テーマによっては選択肢になり得ます。これらはいずれも函館キャンパスではなく札幌キャンパスに置かれている点、出願資格・試験科目・研究計画書の様式が水産科学院とは別立てで定められている点に注意が必要です。それぞれの出願資格・試験科目・研究計画書の詳細は、各学院の個別記事もあわせてご確認ください。
全国的に見ると、水産・海洋系の大学院を設置している国立大学は水産科学院以外にも複数あります。東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科や長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科など、水産学を主軸とする大学院は各地に存在しますが、出願資格・試験日程・専門科目の範囲は大学ごとに大きく異なります。併願を検討する場合は、水産科学院の試験日(第1次は8月18日、19日)と併願先の試験日が重ならないか、出願書類の準備期間が確保できるかを、志望校それぞれの最新の募集要項で個別に確認してください。本記事はあくまで水産科学院の公式情報を整理したものであり、他大学院の内容を保証するものではありません。
併願先を具体的に絞り込む際は、次の点を志望校ごとに確認しておくと、出願直前になって慌てることを避けられます。
- 出願資格の区分が学校教育法に基づく標準的なものか、大学独自の追加要件があるか
- TOEIC・TOEFLなど語学スコアの提出義務の有無と、認められるスコアの種類・受験可能期間
- 専門科目の出題範囲が、自分の研究テーマ・既習分野とどれだけ重なっているか
- 志望する研究室・指導教員への事前連絡が、出願の必須条件とされているか
- 出願期間・試験日・合格発表が、水産科学院の日程と重ならないか
検定料は大学院ごとに個別に必要で、水産科学院の場合は一般入試・外国人留学生入試・社会人入試のいずれも30,000円です。複数の大学院を併願すると、検定料だけでも相応の負担になるため、本命と併願先の優先順位をあらかじめ決めたうえで、出願資格事前審査の要否や締切の早いものから逆算してスケジュールを組むことをおすすめします。
水産科学院を外部から目指す場合、専門科目の対策と研究計画書の作成を同時並行で進める必要がある点が、独学での対策を難しくしている面があります。志望講座の出題内容表・指定図書・過去問を読み解く作業と、指導希望教員へのコンタクト・研究計画書の作成は、どちらも数か月単位の時間がかかる作業であり、出願資格事前審査の期限から逆算すると、実質的な準備期間はそれほど長くありません。専門科目・語学スコア・研究計画書のどこから手をつければよいか迷う場合は、大学院入試対策の専門家に現在の学習状況を相談しながら、優先順位を整理することも一つの選択肢です。
研究計画書の作り方や、専門科目・面接対策の進め方といった大学院入試全般の考え方を体系的に確認したい場合は、大学院入試対策の完全ガイド|院試の全体像・スケジュール・科目別対策を徹底解説もあわせてご覧ください。北海道大学の他学院を検討している場合は、北海道大学大学院 農学院の外部院試を徹底解説や北海道大学大学院 生命科学院の外部院試を徹底解説、北海道大学大学院 環境科学院の外部院試を徹底解説も参考になります。専門科目・研究計画書・面接対策を個別に相談したい場合は、大学院入試対策コースで、現在の学習状況や志望講座に合わせた対策を相談することができます。
よくある質問(FAQ)
水産科学院以外の学部出身でも外部院試を受験できますか
受験できます。出願資格は「大学を卒業した者及び卒業見込みの者」など学校教育法に基づく標準的な区分で定められており、出身大学・出身学部は問われません。水産学以外の学部出身者でも出願自体は可能ですが、専門科目は志望講座に応じた出題になるため、既習の科目と志望講座の出題内容がどれだけ重なるかを事前に確認しておく必要があります。
TOEICとTOEFLはどちらを提出すればよいですか
TOEIC Listening&Reading、TOEIC-IP(北海道大学実施分)、TOEFL iBT(Home Edition含む)、TOEFL-ITP(北海道大学実施分)のいずれかを提出します。2024年7月以降(第2次募集では2024年1月以降)に受験したスコアが対象で、TOEIC L&R・TOEIC-IPは550点未満、TOEFL iBTは57点未満(1-6スケールで3.5点未満)、TOEFL-ITPは487点未満だと不合格と判定されます。
研究計画書(志望理由書)はいつまでに準備すればよいですか
所定様式は公式サイトからダウンロードできますが、募集要項には出願前に必ず指導を希望する教員とコンタクトを取るよう明記されています。教員一覧は退職・異動や募集の有無によって毎回更新されるため、志望する講座・教員が固まったら、願書受理期間が始まるより前、できれば数か月単位の余裕を持って連絡を取り始めることをおすすめします。
専門科目はどの範囲から出題されますか
志望する講座単位で、複数の分野から一定数の問題が出題され、その中から4題を選択して解答する形式です。分野ごとの出題数は募集要項に明記されており、海洋環境科学や水族繁殖学など一部の科目には出題範囲となる指定図書も示されています。指定図書のある科目から優先的に対策すると効率的です。
過去問はどこで確認できますか
公式サイトの「大学院修士課程過去問題」ページで、講座別・実施回別にPDFが公開されています。2025年8月実施分以降は解答例・出題意図が付された版も一部公開されており、募集要項の出題内容表と合わせて確認することで、出題の傾向をより具体的にイメージできます。
倍率はどのくらいですか
令和7年度(2025年度)の水産学部・水産科学院概要によれば、修士課程は志願者152名(本学130名・他大学21名・その他1名)に対し入学者114名(本学102名・他大学11名・その他1名)でした。合格者数自体は公表されていないため、正確な実質倍率は算出できませんが、他大学出身者の入学率は本学出身者よりやや低い傾向がうかがえます。
第1次募集と第2次募集のどちらを受けるべきですか
外部からの受験者は、募集人員が明確で講座の選択肢も広い第1次(8月実施)を軸に準備することをおすすめします。第2次(2月実施)は第1次で定員に達しなかった講座に限定される補完的な募集で、実施年度によっては志望講座が対象外になることもあるため、第2次だけを前提にスケジュールを組むのは避けた方が安全です。
博士後期課程も外部から受験できますか
今回の募集要項の範囲では、博士後期課程は社会人入試と外国人留学生入試のみが実施されています。社会人入試の出願資格は、修士の学位等を有し教育・研究機関や民間企業等の正規職員として在職していることが前提となっており、修士修了直後で就業経験がない場合は、個別の入学資格審査に該当するかどうかを含めて教務担当へ相談することをおすすめします。
まとめ
北海道大学大学院水産科学院の外部院試は、2専攻12講座という講座単位の募集構造、出願前の指導教員への事前コンタクトの必須化、講座ごとに細かく規定された専門科目の出題内容、そして講座別・実施回別に公開される過去問題という、他大学院と比べても情報開示の水準が高い入試です。出願資格・語学スコア・専門科目・研究計画書・日程・倍率のいずれも、公式募集要項と教員一覧を突き合わせて確認することが対策の出発点になります。第1次(8月実施)を軸にしつつ、志望講座の教員が実際に募集を行っているかどうかを最新の教員一覧で必ず確認し、余裕を持って指導教員候補への連絡と研究計画書の準備を進めてください。
専門科目は、志望講座に応じて出題される分野があらかじめ決まっており、指定図書のある科目は出題範囲を絞り込みやすいという特徴があります。過去問題と募集要項の出題内容表を照らし合わせながら、選択解答できる4題を確実に仕上げるという現実的な対策方針を立て、面接では研究計画書の内容を一貫して説明できるように準備しておくことが、外部からの受験者にとっての合格への近道になります。年度により募集人員・出願資格・日程・出題内容は変更される可能性があるため、出願直前には必ず水産科学院公式サイトの最新の学生募集要項をご確認ください。
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