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東大人文社会系研究科院試【2027年度】倍率・科目・研究計画書

東大の人文社会系研究科の院試は、専門分野に応じた外国語・専門科目の筆記試験と口述試験等、出身大学等の学業成績を組み合わせて選抜する修士課程入試です。東京大学大学院人文社会系研究科の外部院試とは、東京大学以外の大学などから同研究科への進学を目指して受験することを指します。出身大学の名前だけで受験の可否を判断するのではなく、まず出願資格に該当するかを確かめ、そのうえで志望する専攻・専門分野の試験と研究内容を調べることが出発点になります。本記事は2027年度(令和9年度)修士課程学生募集要項をもとに、出願資格、募集人員、試験科目、夏季・冬季の日程を整理します。掲載する要項情報の確認日は2026年10月3日です。
受験準備では、研究したい対象と、それを調べる方法を具体化することが大切です。文学作品を扱う場合でも、言語表現を分析するのか、歴史的な背景を検討するのか、社会との関わりを調べるのかによって、必要な文献や研究方法は変わります。志望先の名称と自分のテーマが似ているという理由だけで決めず、学部で学んだ内容、卒業論文で扱った資料、入学後に取り組む問いをつなげて考えてください。研究計画書の文章を整える前に、研究の問いに答えるための資料が入手できるか、必要な語学を習得できるかを調べると、専門科目の勉強にも目的が生まれます。
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募集は夏季入試と冬季入試に分かれます。2027年度の入学に向けた出願であっても、出願手続きの年と試験を受ける年が同じとは限りません。冬季入試の出願期間は2026年10月19日から10月26日、第一次試験は2027年1月23日です。試験日だけを予定表に入れず、証明書の取り寄せ、研究計画書の推敲、郵送の準備も逆算して進めてください。出願期間と到着期限を分けて管理することで、手続きと学習の予定を具体的に組み立てられます。夏季・冬季の出願日、試験日、確認できた合格発表日は本文の表にまとめています。
倍率を見るときは、志願者、受験者、合格者、入学者を混同しないことが重要です。この記事では、確認できた研究科全体の志願者数と入学者数を示しますが、それらを割った値を合格倍率や実倍率として掲載していません。専攻別の競争状況や過去問の公開範囲についても、確認できた情報と準備のための助言を区別して説明します。外部生や社会人の方は、語学の学び直しと論文作成をどう並行させるかという観点から読み進めると、自分の準備で足りない部分を整理しやすくなります。末尾には関連する研究計画書・口述試問の解説と大学院入試対策コースへの案内をまとめました。
東京大学大学院人文社会系研究科とは|7専攻構成と外部院試の位置づけ
東京大学大学院人文社会系研究科は、人間の思想・歴史・言語・文化・社会などを研究する大学院の研究科です。文学部が学部段階の学びを担うのに対し、研究科ではそれまでの学習を土台に、研究の問いと方法を具体化していきます。文学部への入学と大学院への出願は別の手続きなので、大学院を目指す場合は修士課程の募集要項を起点に準備してください。
人文社会系の研究では、実証性に裏打ちされた問いを立て、国内外の先行研究を読み、その成果と限界を説明する力が必要です。入試に向けても、専門知識の暗記、外国語の読解、論文作成を切り離さず、自分のテーマに関わる文献を読みながら結び付けることが有効です。入学者選抜では外国語試験・専門筆記試験・口述試験等に加えて出身大学等の学業成績も扱われます。選抜方法の根拠は2027年度(令和9年度)修士課程学生募集要項です。
修士課程には、基礎文化研究専攻、日本文化研究専攻、アジア文化研究専攻、欧米系文化研究専攻、社会文化研究専攻、文化資源学研究専攻、韓国朝鮮文化研究専攻の7専攻が置かれています。専攻名を手掛かりに候補を絞り、研究内容や指導を希望する教員との接点を調べていくと、自分に合う志望先を考えやすくなります。以下は専攻を比較するときの研究領域の案内です。募集人員は次節で要項に沿って示します。
| 専攻名 | 主な専門分野 | 研究内容を考える観点 |
|---|---|---|
| 基礎文化研究専攻 | 言語学・考古学・美術史学・哲学・倫理学・宗教学宗教史学・美学芸術学・死生学応用倫理・心理学 | 人間の思考・認識・感情、言語・表現・文物・制度の根源的理解 |
| 日本文化研究専攻 | 日本語日本文学・日本史学 | 日本社会の歴史と、言葉による思想・心情表現の統合的研究 |
| アジア文化研究専攻 | 中国語中国文学・東アジア思想文化・インド文学インド哲学仏教学・イスラム学・アジア史 | アジア諸地域の思想・宗教・言語・歴史の多元的理解 |
| 欧米系文化研究専攻 | 西洋古典学・フランス語フランス文学・イタリア語イタリア文学・英語英米文学・ドイツ語ドイツ文学・スラヴ語スラヴ文学・現代文芸論・西洋史学 | 古代から現代にいたる欧米文化の生成と展開の厳密な読解 |
| 社会文化研究専攻 | 社会学・社会心理学 | 人間の相互作用から生じる諸現象の理論的・実証的研究 |
| 文化資源学研究専攻 | 文化資源学・文化基盤学・文化経営学 | 文化資料の発掘・評価・保存・公開・活用を担う専門人材育成 |
| 韓国朝鮮文化研究専攻 | 韓国朝鮮歴史文化・韓国朝鮮言語社会 | 韓国朝鮮文化と周辺地域との交流の通時的・共時的研究 |
専攻を比較するときは、扱う対象だけでなく、問いの立て方と資料の使い方にも注目してください。基礎文化研究を検討するなら、人間の思考・認識・感情、言語・表現・文物・制度のどこに自分の関心があるかを整理します。日本文化研究であれば、日本の歴史と日本語・日本文学の研究のうち、どの資料を使い、どの議論に参加したいかを考えると、テーマを具体化しやすくなります。アジア文化研究や欧米系文化研究では、対象となる地域や時代だけでなく、文献を読むための語学と分析の視点も併せて検討します。地域名が一致するだけで研究方法まで一致するとは限らないので、自分が採りたい方法を説明できるようにしてください。
社会文化研究を検討する場合は、調査・実験・観察・資料分析などのうち、研究の問いに合う方法は何かを考えます。文化資源学研究では、資料の保存・公開・活用や文化政策などへの関心を、分析対象と研究課題に結び付けて整理してみましょう。韓国朝鮮文化研究を検討する場合も、対象となる社会や文化だけでなく、歴史・言語・社会などをどの視点から研究するかを具体化します。研究対象と方法の組合せから志望専攻を考えると、似たテーマを扱う候補の違いが見えやすくなります。上の表は研究関心を整理するための案内として使い、個別の指導体制や履修できる授業は出願時点の研究室・専攻の案内で確認してください。
大学院の志望先を考えるときは、研究科の名称だけでなく、専門分野・研究室でどのような研究が行われているかを調べます。専攻名から研究室の活動へと具体的に調べていくと、指導を希望する教員や演習の内容と、自分のテーマを結び付けやすくなります。教員の最近の論文や著書を読み、研究対象、資料、方法に共通点があるかを確認してください。論文の題名だけで相性を判断せず、どのような問いを立てているかまで読むことが大切です。
出願資格や手続きに関する質問と、研究内容に関する質問では、適切な問い合わせ先が異なります。手続きは募集要項の窓口、研究内容は研究室の案内を調べ、問い合わせる内容を整理してください。証明書の発行方法を教員へ尋ねたり、研究テーマの採否を事務窓口に判断してもらおうとしたりすると、回答を得るまでに時間がかかります。要項のどの記載を読んで、どこが分からないのかを具体的に伝えることが大切です。
外部院試という観点では、日本の大学の卒業者・卒業見込者にも出願資格があることが基本になります。外国の大学出身者や個別の入学資格審査を必要とする方は、自分の学歴・学位に該当する区分を照合してください。短期大学や専門学校などの卒業歴だけで出願できると判断せず、学士の学位や個別審査との関係を確認します。出願できることと、専門分野で研究を進める準備ができていることは分けて考え、次章の資格と試験科目を専門分野単位で確認してください。
研究科の規模を知る参考として、2026年度(令和8年度)の大学本部の集計では、人文社会系研究科の修士課程の志願者数は421人、入学者数は121人です。出典は東京大学「大学院学生の入学状況」、確認日は2026年10月3日です。入学者数は合格者数でも受験者数でもありません。下表の人数から専攻別の難易度や外部生の合格確率は判断できません。
| 集計対象 | 年度 | 確認できた人数 |
|---|---|---|
| 人文社会系研究科・修士課程の志願者 | 2026年度(令和8年度) | 421人 |
| 人文社会系研究科・修士課程の入学者 | 2026年度(令和8年度) | 121人 |
合格倍率を志願者基準で示すなら算式は志願者数÷合格者数、実倍率を受験者基準で示すなら受験者数÷合格者数です。志願者数÷入学者数は入学辞退などの影響を含む別の比率なので、ここでは算出していません。専攻別の受験者数と合格者数を同じ年度・選抜区分で揃えられていないため、専攻別倍率や直近の増減も数値化しません。公表の有無そのものを断定するのではなく、この資料から読み取れる範囲を限定して利用してください。
実施専攻・募集人員・出願資格|語学要件の実際
2027年度(令和9年度)の一般選抜には夏季入試と冬季入試があります。専門分野ごとの実施時期を先に確かめてから出願を決めることが大切です。ここでは確認できた専攻別募集人員を示しますが、専攻の人数を夏季・冬季に独自に割り振ることはしません。自分の専門分野がどの日程に対応するかは、2027年度(令和9年度)修士課程学生募集要項の該当欄と出願時点の案内を合わせて読んでください。
出願資格は、日本の大学を卒業した者及び2027年3月31日までに卒業見込みの者、外国で16年の課程を修了した者、修業年限3年以上の外国の大学等で学士相当の学位を得た者、文部科学大臣の指定した者、大学改革支援・学位授与機構による学士学位取得者、個別の入学資格審査で同等以上と認められ入学時に22歳に達している者に分かれます。個別審査が必要な場合は出願準備より先に手続きを調べることが重要です。年齢だけを満たせば出願できるという制度ではありません。根拠は2027年度(令和9年度)修士課程学生募集要項です。
| 区分 | 対象 |
|---|---|
| 第1号 | 日本の大学卒業者・2027年3月31日までの卒業見込者 |
| 第2号 | 外国の学校教育16年課程の修了者・修了見込者 |
| 第3号 | 修業年限3年以上の外国の大学等で学士相当の学位を取得した者 |
| 第4号 | 文部科学大臣の指定した者 |
| 第5号 | 大学改革支援・学位授与機構による学士学位取得者 |
| 第6号 | 個別入学資格審査により大学卒業者と同等以上の学力を認められ、入学時に22歳に達している者 |
人文社会系研究科の一般選抜は、研究科独自の外国語筆記試験を用います。TOEIC・TOEFL・IELTS等の外部スコアは使いません。専門分野により1ヵ国語または2ヵ国語となりますが、受験する言語の組合せは専門分野の指定に沿って判断してください。外部スコアの下限を探すより、指定された外国語で学術的な文章を読み、論旨を正確に理解する練習が準備の中心になります。根拠は2027年度(令和9年度)修士課程学生募集要項です。
学内の教育プログラムや支援制度を検討する場合は、修士課程の一般選抜とは別に、それぞれの応募資格や申請手続きを調べます。過去の記事にある支援額や募集枠を、そのまま今回の受験条件として使わないでください。入試の出願を済ませることと、支援制度に応募することを同じ予定にまとめず、必要な書類と申請先を分けて管理すると手続きの混乱を防げます。
7専攻の募集人員は、基礎文化研究55名、日本文化研究28名、アジア文化研究38名、欧米系文化研究33名、社会文化研究16名、文化資源学研究11名、韓国朝鮮文化研究12名です。文化資源学研究には一般選抜約5名と社会人特別選抜約6名が含まれます。専攻の募集人員から専門分野ごとの人数を推測しないようにしてください。募集人員と、結果としての合格者・入学者の人数も異なる情報です。出典は2027年度(令和9年度)修士課程学生募集要項で、確認日は2026年10月3日です。
| 専攻 | 2027年度募集人員 |
|---|---|
| 基礎文化研究 | 55名 |
| 日本文化研究 | 28名 |
| アジア文化研究 | 38名 |
| 欧米系文化研究 | 33名 |
| 社会文化研究 | 16名 |
| 文化資源学研究 | 11名 |
| 韓国朝鮮文化研究 | 12名 |
出願書類を準備するときは、研究計画書、学業成績を示す書類、卒業や学位に関する書類などを、募集要項の提出書類欄に沿って整理します。証明書の発行と自分で書く書類の作成を並行させると、締切直前の負担を抑えられます。卒業論文やそれに代わる論文の扱いについては、自分の専門分野と学歴に該当する条件を照合してください。原本・写しの区別、提出形式、必要部数は推測で決めず、指定を転記して一覧にしておくと確認しやすくなります。
出願は郵送に限られます。書類を作り終えた日ではなく、投函する日と大学への到着を考えて準備してください。郵送条件は締切日と到着期限の両方を読む必要があります。消印の扱いを誤ると、準備した書類を期間内に提出できなくなるおそれがあります。封筒、宛先、送付方法は最新の指定を確かめ、投函前に書類の控えを手元に残しておくと、その後の問い合わせや口述試験の準備にも使えます。
写真や返信用封筒などの付属物も、本文の作成と同じように一覧で管理します。写真の撮影時期や寸法、郵便料金、記入用具は変更されることがあるため、古い受験体験記を根拠に揃えないでください。書類の内容と提出形式を別々に点検すると、内容は整っているのに添付物が不足していた、という事態を避けやすくなります。入力した氏名や住所と証明書の表記も照合し、異なる表記がある場合は早めに扱いを相談してください。
受験や修学に関して配慮の相談が必要な場合は、出願期間を待たずに募集要項の相談方法を調べてください。希望する配慮の内容、現在の学習環境、受験時に困りそうな場面を整理すると、相談の目的を伝えやすくなります。海外の大学等を経由した学歴や提出書類の翻訳が関わる場合も、必要な手続きを早めに洗い出しましょう。自分の経歴に関係する注意書きまで読むことが、出願資格の本文だけを読む場合との違いになります。
試験科目|専門科目・外国語試験・研究計画書・口述試験
入学者の選抜は、第一次試験(筆記)、第二次試験(口述試験等)、そして出身大学等の学業成績によって行われます。第一次試験には外国語試験と専門科目試験があり、社会学専門分野には論文試験もあります。配点は募集要項に記載されていません。筆記と口述の比重を独自に数値化して対策を決めず、自分の専門分野に必要な準備を積み上げてください。選抜方法と配点の記載状況は2027年度(令和9年度)修士課程学生募集要項によります。
専門科目の学習では、知識の範囲を整理するとともに、その知識を使って何を説明できるかを点検します。以下は専門分野ごとの学習論点を、準備の観点として整理したものです。大学が公表した出題予告や採点基準ではありません。外国語の指定については、この記事で分野別の対応関係を確定できていないため、欄を空けています。
| 専門分野 | 外国語の指定 | 学習を整理する観点 |
|---|---|---|
| 言語学 | 言語学・音声学の基礎知識、言語分析能力、言語に関連する社会的・文化的現象の基礎知識 | |
| 考古学 | 日本と世界の考古学に関する基礎知識、方法論の理解、分析法 | |
| 美術史学 | 日本・東洋・西洋美術史の知識、方法論、鑑賞法及び調査経験 | |
| 哲学 | 西洋哲学の基礎知識、哲学的思考及び論述の能力 | |
| 宗教学宗教史学 | 宗教学の重要問題についての知見及び論述能力、宗教史の基礎知識 | |
| 心理学 | 心理学の基礎的領域及び関連する神経科学・認知科学分野 | |
| 日本語日本文学 | 国語学・国文学の全般的・基礎的知識と思考能力、古典の読解力 | |
| 日本史学 | 日本の古代・中世・近世・近現代史の知識、方法論、史料読解力 | |
| 英語英米文学 | 英語学・英米文学に関する英語読解力、文章力、知識、方法論、分析法 | |
| 西洋史学 | 西洋史学の知識、方法論、専門研究に必要な研究史 | |
| 社会学 | 社会学の理論、学説史、社会調査の基礎知識、社会学的思考方法及び研究関心 | |
| 社会心理学 | 社会心理学の主要な理論、実証研究、方法論に関する知識 |
ほかの専門分野についても、学部段階の学習を棚卸しする際の観点を示します。研究内容に合う教科書・概説書を選び、論述や資料読解で使える形に知識を整理してください。
| 専門分野 | 外国語の指定 | 学習を整理する観点 |
|---|---|---|
| 倫理学 | 西洋・東洋・日本の倫理思想史についての基礎的知識と倫理学の基本問題に関する思考力 | |
| 美学芸術学 | 美学・芸術学に関して学部で習得した基礎知識、論理的な思考及び論述の能力 | |
| 死生学応用倫理 | 死生学と応用倫理(生命倫理・環境倫理など)の基本的知識、視点や方法を踏まえた論述の能力 | |
| 中国語中国文学 | 中国語学・中国文学の総合的な知識や読解力 | |
| 東アジア思想文化 | 中国の思想文化に関する古文・現代文の読解、基礎知識と論述 | |
| インド文学・インド哲学・仏教学 | 学部で習得した知識、方法論、専門的語学力 | |
| イスラム学 | 学部で習得した知識、語学、研究方法論 | |
| アジア史 | 学部で習得した知識、方法論、分析法 | |
| 西洋古典学 | 古典ギリシャ語・ラテン語双方の読解力と西洋古典学の基本的事項についての理解度 | |
| フランス語フランス文学 | フランス語フランス文学に関する基礎知識と、フランス語の読解力及び表現力 | |
| イタリア語イタリア文学 | 学部で習得した知識、イタリア語の読解力及び表現力 | |
| ドイツ語ドイツ文学 | ドイツ語学・ドイツ文学に関する基本的な知識、読解力、論述力、表現力 | |
| スラヴ語スラヴ文学 | ロシア語学・ロシア文学を中心に、スラヴ語学・スラヴ文学に関する知識、読解力、表現力、論述力 | |
| 現代文芸論 | 西洋近代を中心に世界の文学を幅広く現代的な観点から研究するための知識と思考力 | |
| 文化資源学 | 文化資料を文化資源として分析・評価し、保存・公開・活用にあたっての諸問題への知識、思考力、構想力 | |
| 文化基盤学 | 文化資源のデジタル化や保存・公開・活用を担う情報基盤の設計・構築・運用への知識、思考力、構想力 | |
| 文化経営学 | 文化資源の保存・公開・活用、文化施設の運営、文化政策の立案への知識、思考力、構想力 | |
| 韓国朝鮮歴史文化 | 韓国朝鮮の歴史と文化について、歴史学・考古学・思想などの分野に関する知識・方法論 | |
| 韓国朝鮮言語社会 | 韓国朝鮮の言語と社会について、言語学・文化人類学・社会学などの分野に関する知識・方法論 |
上の表を使うときは、得意な分野に印を付けるだけでなく、説明に使える資料や具体例を書き出すと効果的です。知識を説明する練習と資料を分析する練習を結び付けることで、用語を覚えた段階から答案を組み立てる段階へ進みやすくなります。たとえば史料を扱うなら、その資料がいつ、誰によって、どのような目的で作られたのかを検討し、読み取れる範囲と読み取れない範囲を区別します。
外国語試験の対策は、文章全体の主張と個々の文の構造を行き来しながら進めます。知らない単語を埋めるだけではなく、接続表現や代名詞の指示対象、引用されている他の研究者の見解を追ってください。筆者自身の主張と紹介されている学説を区別する練習は、研究計画書で先行研究をまとめる作業にもつながります。試験当日の時間割、解答方法、持参物は出願後の案内も含めて確認してください。
外国の大学等の出身者は、教育を受けた言語、提出する論文の言語、試験で使用する言語を混同しないように整理します。日本語で専門内容を説明する準備も、語彙の暗記だけでなく、定義・根拠・具体例を含む短い説明から進めると取り組みやすくなります。分野別の追加試験や免除の有無はこの記事では断定していません。下記の論点を、自分の受験区分に照らして点検してください。
- 受験する専門分野の名称
- 出願資格と自分の学歴の対応
- 受験する外国語の指定
- 外国語の選択方法
- 解答言語の指定
- 筆記試験の実施日
- 口述試験の実施日
- 研究計画書の提出形式
- 提出論文の扱い
- 要約や翻訳の条件
- 試験当日の案内の受け取り方
- 問い合わせ先と質問事項
外国語が複数必要な場合は、得意な言語だけを繰り返し、もう一方に触れない状態を避けましょう。文法に立ち戻る必要がある言語と、専門文献の読解を進められる言語では、学習課題が異なります。言語ごとに読めなかった原因を記録すると、単語不足なのか、構文の取り違えなのか、背景知識の不足なのかが分かります。専門分野の指定を確認したうえで、その弱点に合う教材を選んでください。
専門科目の論述では、問いが求める作業を見分けることも必要です。概念の説明であれば定義と射程を示し、比較であれば比較軸を揃え、資料の解釈であれば根拠を資料中に置きます。知っている内容を並べる前に答案の論点を絞ると、主張と根拠の関係が明確になります。研究計画書のテーマに近い領域だけで学習を閉じず、そのテーマを位置づける基礎概念も説明できるようにします。
卒業論文やそれに代わる論文を準備する場合は、研究計画書と混同せず、完成した研究として何を示せるかを点検してください。研究計画書は入学後の計画、論文は研究の過程と成果を説明する文書として整理すると、口述試験でも話しやすくなります。以下の表は提出論文を点検するための観点です。専門分野別の指定字数・使用言語・要約条件は根拠を確定できていないため、指定条件をここでは数値で示していません。
| 論文の項目 | 点検する内容 | 読み直すときの問い |
|---|---|---|
| 研究課題 | 調べたい対象と疑問を短く示す | 題目だけで内容が伝わるか |
| 先行研究 | 近い問いを扱う研究と結論を整理する | 自分の評価と著者の主張を分けたか |
| 資料 | 使用した資料の来歴と範囲を示す | 選択の根拠を説明できるか |
| 方法 | 解釈・分析の手続きを説明する | 方法と問いが対応しているか |
| 分析 | 資料から得られた結果を示す | 証拠の範囲を超えて断定していないか |
| 結論 | 研究課題への答えをまとめる | 分析から結論への飛躍がないか |
| 引用 | 参照箇所と書誌情報を揃える | 引用と自分の文章が区別できるか |
| 要約 | 目的・方法・結果を簡潔にまとめる | 本文と異なる主張を加えていないか |
外国語で書いた論文を使う場合は、本文の使用言語だけでなく、日本語の要約や翻訳が必要かも照合してください。論文の翻訳や要約には本文とは別の推敲が必要です。要約では、背景の紹介に紙幅を使い切らず、研究課題、方法、結論、限界が伝わるように構成します。提出形式が決まる前に本文を長く書き足すより、使える資料と結論の範囲を固めてから構成を整えるほうが、修正しやすくなります。
研究計画書・研究室訪問の実際
研究計画書は、入学後に取り組みたい研究の問いと方法を伝える文書です。卒業論文の成果を土台に次の問いを示すと、これまでの学習と進学後の計画がつながります。卒業論文が「これまで何を研究してきたか」を示すのに対し、研究計画書は「入学後に何を研究するか」を示すという役割分担を意識してください。指定字数や様式は、受験年度・専門分野の書類を照合してから原稿へ反映します。この記事では指定字数の有無を断定していません。
口述試験に向けた準備では、研究計画書に書いた研究テーマと、卒業論文・専門科目試験の内容が一貫していることが、口述試験での説明のしやすさに直結します。研究テーマが先行研究のどこに位置づけられるか、志望する専門分野でなぜその研究が可能なのかを、専門科目試験の対策と並行して言語化しておくことが実務的な準備になります。
募集要項に事前連絡の要否の定めはありません。これは、どの教員にも突然訪問してよい、あるいは個別相談を受けられるという意味ではありません。研究室の案内を読み、相談したい内容を絞って連絡することが大切です。研究室のウェブサイトや教員の業績を確認し、自分のテーマとの関係を説明したうえで、相談の可否と方法を尋ねてください。出典は2027年度(令和9年度)修士課程学生募集要項です。研究室への連絡方法やメールの文例は、末尾の関連記事にまとめています。
研究計画書の内容を客観的に見てもらいたい場合は、現在の指導教員や外部の予備校・家庭教師などに相談する方法もあります。志望先の教員へ添削を頼む前に相談の可否を確かめることが必要で、具体的な進め方は研究計画書を教授に添削依頼する方法で解説しています。専門分野外の第三者に相談する場合は、文章の分かりやすさと専門内容の妥当性を分けて助言を求めると、修正の目的が明確になります。
社会人経験を研究計画に生かす場合は、実務で生じた疑問を研究の問いへ変換します。たとえば文化資料の保存や公開に携わってきた場合でも、仕事の成果を列挙するだけでなく、どの資料をどの観点で分析し、既存の議論に何を加えるかを説明します。実務で得た資料を研究に使えるか、守秘義務や利用許可に問題がないかも検討してください。提出できる書類の種類や分量は選抜区分に従い、研究計画書の代わりに実績報告書を出せると推測しないことが重要です。
研究の問い・資料・方法をつなぐ
研究計画書の下書きでは、まず取り上げたい対象を書き、その対象について何が分かっていないのかを続けます。「関心がある」「重要だと思う」という説明だけでは研究課題になりにくいため、先行研究が答えたことと、なお検討できることを区別してください。研究の目的を対象の紹介だけで終わらせないことが大切です。作品、史料、社会現象のどれを扱う場合も、自分が答えたい問いを読者が言い直せる程度まで具体化すると、必要な資料を選びやすくなります。
先行研究を読むときは、著者名と結論だけを並べず、対象、方法、根拠、限界を記録します。結論が異なる研究を見つけたら、対立していると判断する前に、扱っている時代や資料の範囲が同じかを確かめてください。自分の研究を位置づける際も、先行研究を否定することだけを目指す必要はありません。資料の範囲を変えて検討する、別の方法で読み直す、議論の前提を問い直すなど、どのような貢献を目指すのかを明確にしましょう。
資料の選択では、入手できるかだけでなく、その資料から研究の問いに答えられるかを検討します。たとえば利用できる資料が一部に限られるなら、その資料だけで全体の傾向を論じてよいかを考える必要があります。資料の制約を研究範囲の設定へ反映することで、実行可能な計画になります。調査やインタビューを考えている場合は、協力者への依頼、同意、記録の管理なども計画に含め、許可が得られる前提だけで研究全体を組まないようにしてください。
研究方法は、名称を記すだけでなく、自分の資料にどう適用するかを説明します。概念を用いて文章を読む場合には、その概念で何を捉えられるのか、資料のどこを根拠として解釈するのかを示します。調査を計画する場合には、何を観察・比較するのか、その結果からどこまで言えるのかを説明します。方法の選択理由を語れると、なぜ別の方法ではないのかという問いにも、研究課題との関係から答えやすくなります。
卒業論文との接続と相談の準備
卒業論文を発展させる場合は、単に対象を増やす計画になっていないか点検します。学部で得た結論、その結論の根拠、扱えなかった課題を整理し、次に何を調べる必要があるかを説明してください。反対にテーマを変える場合は、以前の研究が無関係だと切り捨てず、文献調査や資料批判、分析の経験をどう生かせるかを考えます。テーマの連続性と方法の連続性を分けて考えると、進路変更の理由を具体的に伝えられます。
研究計画の実行手順は、読書、資料収集、分析、執筆の順に書くだけでなく、前の作業が後の作業の条件になっている部分を示します。資料の利用許可が必要なら、許可が得られる前にできる文献整理と、許可後に行う分析を分けます。外国語資料を使うなら、語学の習得状況と資料を読み始める準備を対応させます。実行上の難所が見える計画のほうが、何を優先すべきかについて具体的な助言を受けやすくなります。
研究室へ相談する際は、募集要項で読める手続きと、自分の研究に関わる相談を分けましょう。教員のどの研究を読んだか、自分はどの資料や対象を扱いたいか、その研究室で学ぶことを検討している理由を簡潔に伝えます。返信や面談を約束されたと受け取らず、対応可能な方法を尋ねてください。訪問の実現を合否の見通しと結び付けないことも大切です。相談で得た助言はメモに残し、採用する場合も自分の研究計画として理由を説明できるようにします。
第三者に研究計画書を読んでもらうときは、「良い計画か」だけを尋ねるより、問いと方法が対応しているか、先行研究の理解に飛躍がないか、実行手順が伝わるかを具体的に尋ねると修正につながります。専門が異なる読者からは、説明が省略されている箇所や用語の分かりにくさについて助言を得られます。専門内容の妥当性を判断できる相手かどうかは別に考え、受けた助言を無条件に反映せず、資料を読み直して判断してください。
書き上げた研究計画書、そのまま出して大丈夫ですか?
研究職キャリアを持つ講師が、テーマ設定・先行研究の位置づけ・研究方法まで、出願レベルに届いているかを個別に確認します。
- 研究職の講師が研究計画書を添削し、改善点を明確化
- 相談後に、志望校の出題傾向と学習ロードマップをまとめた個別フィードバックレポートをお渡し
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(費用は一切かかりません)
出願から入学までのスケジュール|夏季入試・冬季入試【2027年度】
2027年度(令和9年度)修士課程の出願・試験日程を示します。出典は2027年度(令和9年度)修士課程学生募集要項、確認日は2026年10月3日です。出願、筆記、口述、合格発表を別々に予定表へ登録すると、受験までに必要な作業を整理できます。下表で日付を空けている項目は、この記事で根拠を確認できていないため掲載していません。大学が日程を定めていないという意味ではありません。
| 夏季入試の項目 | 日程 |
|---|---|
| 出願資格(第6号)審査申請締切 | |
| 検定料納付期間 | |
| 出願期間 | 2026年6月15日(月)〜6月22日(月)。6月22日消印・6月29日到着まで |
| 受験票発送 | |
| 卒業論文提出期間 | |
| 第一次試験(筆記) | 2026年8月29日(土) |
| 第一次試験合格発表 | 2026年9月3日(木)午前10時 |
| 第二次試験(口述) | 2026年9月5日(土) |
| 第二次試験合格発表 | 2026年9月11日(金)午前10時 |
| 合格通知書発送 |
| 冬季入試の項目 | 日程 |
|---|---|
| 出願資格(第6号)審査申請締切 | |
| 検定料納付期間 | |
| 出願期間 | 2026年10月19日(月)〜10月26日(月)。10月26日消印・11月2日到着まで |
| 受験票発送 | |
| 卒業論文提出期間 | |
| 第一次試験(筆記) | 2027年1月23日(土) |
| 第一次試験合格発表 | |
| 第二次試験(口述) | 2027年2月9日(火) |
| 第二次試験合格発表 | 2027年2月18日(木)午後1時30分 |
| 入学許可書発送 |
掲載日程では、夏季入試の出願は2026年6月、冬季入試の出願は2026年10月です。入学年度だけを見て出願も同じ年だと思い込まないようにしてください。冬季入試は出願から筆記まで年をまたぎます。年末年始の証明書発行窓口や郵便の予定も考慮し、大学に依頼する書類は早めに準備します。受験する専門分野の実施時期と自分の準備状況を照らし合わせて、受験計画を立ててください。
夏季入試の出願は2026年6月22日の消印があり6月29日までに到着したもの、冬季入試は2026年10月26日の消印があり11月2日までに到着したものが受付対象です。消印の条件を満たしても到着期限を過ぎないようにする必要があります。郵便局へ持ち込める日、証明書が揃う日、論文の推敲が終わる日を逆算し、締切当日にすべての作業を重ねない計画にしてください。
検定料は30,000円です。出典は2027年度(令和9年度)修士課程学生募集要項です。払込方法や納付期間は、大学の案内に従って準備してください。出願書類の作成が終わっていても、納付に関する手続きが別に残っていないか点検する必要があります。受験の予算には検定料に加え、交通や宿泊、書類の発行など自分の事情に応じた費用を分けて見積もりましょう。学費や入学手続きに必要な金額は、入試の検定料と分けて公式案内で照合してください。
東大の人文社会系研究科の合格発表は、掲載した要項では研究科ホームページ及び掲示場で行われます。夏季の第一次は2026年9月3日午前10時、第二次は9月11日午前10時、冬季の第二次は2027年2月18日午後1時30分です。合格発表を見た後も入学手続きの期限を管理することが大切です。入学に必要な書類、納付の方法、進学を決める時期は合格後の案内に従い、結果を確認した時点で予定表を更新してください。
筆記試験の後は、研究計画書と提出論文を読み直し、主張の根拠と今後の課題を短く説明できるように整理します。合格発表までの期間を、結果を待つだけの時間にしないことが大切です。受験当日に自分がどう考えたかも記録しておくと、口述に向けた振り返りに使えます。体調や移動の準備も含め、直前期には新しい教材を増やし続けるより、これまでのノートと書類を取り出しやすい状態に整えましょう。
過去問分析と出題予測・口述試問(面接)対策
過去問の入手方法は、研究科・専門分野の最新の公式案内で確認してください。この記事では専攻別の公開範囲と配布窓口の根拠を確定できていないため、ウェブで配布されていないとも、特定窓口でしか入手できないとも断定しません。受験する区分・専門分野・実施時期が合う問題を探すことが大切です。古い問題を入手した場合は、現在の試験科目と一致するかを募集要項で照合してから使ってください。
過去問を読んだら、出題テーマだけでなく、解答に必要な作業を記録します。概念の説明、議論の比較、資料の読解、研究方法の検討では、答案の組み立て方が異なります。テーマの反復と解答形式の反復を分けて整理すると、次に練習する課題を選びやすくなります。特定の題材が過去に出たという理由だけで、次も出ると決めつけないでください。この記事には過去問の問題文や、検証できていない出題テーマを掲載していません。
口述試験に向けては、研究計画書と提出する論文を読み返し、研究の問い、使った資料、方法を選んだ理由、結論の限界を説明する練習をします。以下の準備例は想定練習であり、大学が公表した質問一覧ではありません。自分の研究で何を明らかにできるかを根拠とともに話すことを意識してください。答えにくい質問に遭遇したら、知っている範囲と今後調べる必要がある範囲を分け、確認できないことをその場で事実として付け加えないようにします。
専門科目の対策では、基礎知識の確認と並行して、方法論を使って説明する練習を進めます。過去問を入手できた場合は、出題形式(論述、語句説明、資料読解など)を年度ごとに比較し、卒業論文や研究計画に近い領域だけでなく、専門分野の基礎に関わる領域にも取り組みます。解けなかった理由を知識・読解・構成に分けて記録すると、復習が単なる答え合わせで終わりにくくなります。
外国語についても、受験時の選択と普段の学習を結び付けます。指定された言語を選んだつもりでも、出願書類の欄を取り違えていないか、専門分野の注意事項を読み落としていないかを確認してください。特定の外部検定の勉強を続けてきた方は、得点だけを目標にせず、専門文献の論旨をつかみ説明する練習へ学習内容を広げます。出願後の変更を前提にせず、選択に迷う事項は提出前に整理することが大切です。
模擬口述の後は、流暢に話せたかだけでなく、相手の質問に答えたかを振り返ります。聞かれていない研究背景を長く説明してしまった場合は、最初に結論を伝え、その後に根拠と補足を加える順番へ直してみてください。説明の練習で見つかった曖昧さを計画書にも戻すと、口頭と文書の両方が整います。言葉に詰まった概念は定義へ戻り、引用した研究を読み返して、自分がどこまで理解しているかを確かめましょう。
専攻別の過去問については、公開状況と入手先を下表のように分けて管理してください。空欄はこの記事で公式根拠を取得できていない欄であり、公開されていないことを意味しません。入手できた場合は、資料の表紙や大学の案内から年度・選抜区分・専門分野を確認してから学習に使います。
| 専攻 | 公式の公開状況 | 入手先 |
|---|---|---|
| 基礎文化研究 | ||
| 日本文化研究 | ||
| アジア文化研究 | ||
| 欧米系文化研究 | ||
| 社会文化研究 | ||
| 文化資源学研究 | ||
| 韓国朝鮮文化研究 |
過去問の記録には、解いた日と結果だけでなく、取り組む前に何を学習していたかも残します。復習後に答案を作り直したとき、知識を補ったために改善したのか、問いを読み直したために改善したのかが分かると、次に使う教材を選べます。答案を完成させた後に問いとの対応を点検する習慣も大切です。知識が多くても、設問の比較軸や資料の読み方に答えていなければ、説明の順序を組み直す必要があります。
外部生・社会人が受験するときの注意点
他大学から受験する場合も、社会人として受験する場合も、まず自分の出願資格を確かめます。一般選抜では、日本の大学の卒業者・卒業見込者などが対象です。出身大学によって一律に受験できないと考える必要はありませんが、学部で学んだ内容と志望する専門分野が異なる場合は、基礎知識と研究方法の学び直しを計画に含めてください。出願資格の確認と研究準備の評価を分けて進めると、足りない部分に対応しやすくなります。
外部生は、志望先の分野で使われる基本的な用語や文献にどれだけ触れてきたかを棚卸しします。授業名が似ていることだけで十分に学べていると判断せず、代表的な議論を説明できるか、根拠となる資料を挙げられるかを点検してください。研究室の公開情報や教員の著書を読む際にも、試験で出そうな内容を探すだけでなく、問いを立てる姿勢や資料の扱い方を学ぶことが役立ちます。周囲の受験者と読書量だけを比べるより、読んだ内容を自分の言葉で説明する練習を積み重ねましょう。
語学では、外部スコアの取得と独自筆記試験の準備を混同しないことが重要です。一般選抜は研究科独自の外国語試験を用います。指定言語を確かめたうえで、専門書や学術的な文章を使い、文の構造、論証の流れ、専門用語の意味を確認していきます。辞書で語を調べる前に文全体の関係を捉える練習も取り入れてください。読めなかった文を残し、後日説明し直すと、同じ構文や指示語でつまずく傾向が見えてきます。
卒業論文を書いた経験がある方は、その要約を作るところから研究計画の準備を始められます。研究対象、問い、資料、方法、結果を書き分け、今回の志望分野につながる部分を探してください。卒業論文がない方や、現在の研究関心と大きく離れている方は、提出論文の扱いを調べるとともに、小さな資料群を使って論証を組み立てる練習を進めます。単なる読書感想や関心の表明で終わらず、文献の根拠を示しながら自分の問いへ答える経験を持つことが大切です。
社会人は仕事の予定を基準に、集中して読む時間と、短い復習に使える時間を分けて考えます。資料を読む、要約を書く、研究計画の構成を見直すといった作業は、必要な集中の程度が違います。作業の性質に合わせて学習時間を割り当てると、予定が変わっても進められる課題が残ります。繁忙期に論文の完成を重ねないよう、勤務先の予定、出願期間、試験日を同じカレンダーに入れ、推敲や郵送準備の余裕も確保してください。
実務経験を研究の強みにするには、その経験から何を問うのかを説明する必要があります。自分が担当した事例が社会全体を代表すると考えず、どの範囲の現象を対象として、何と比較するのかを整理します。経験のある領域ほど、普段使っている言葉の定義を省略しやすいため、専門外の人にも伝わるように概念を定義してください。仕事で得た知識を研究へ生かすことと、勤務先の情報を自由に公表できることも同じではありません。資料利用の許可や匿名化の必要性を考え、研究倫理の観点から計画を点検しましょう。
文化資源学研究専攻には社会人特別選抜の募集枠があります。ただし、社会人なら条件を問わずその区分を選べると判断せず、応募資格、提出書類、選抜方法を個別に照合してください。募集人員の内訳は前節に示したとおりですが、それだけで一般選抜との有利・不利は比較できません。自分の学歴と研究計画に合う選抜区分を選ぶことが先になります。在職を続ける予定の場合は、入学後の授業や研究活動への参加と勤務をどう両立するかも、受験準備とは別に具体化しておきましょう。
進学後の生活を考えるときは、授業への参加だけでなく、文献を読む時間、資料を集める時間、指導を受けて書き直す時間を想定してください。社会人経験が長いことや、現在の仕事で高い評価を得ていることは、研究方法を学ぶ過程を省略できる理由にはなりません。これまでの経験を生かせる部分と、新しく学ぶ必要がある部分を分け、生活費や通学、勤務の調整も含めて進学計画を検討します。社会人の受験準備を考える関連記事は末尾にまとめています。
併願のルールと対策の進め方
併願を考える場合は、人文社会系研究科の夏季・冬季の出願条件と、他の研究科・大学院の受験条件をそれぞれ調べます。日程が重ならないことだけで併願できるとは判断しないでください。同一年度の再出願、同時出願、合格後の辞退などに条件があるかを、対象となる選抜区分の要項で照合します。この記事では根拠を確定できていない併願可否を一律に断定していません。
東京大学の総合文化研究科や一橋大学の言語社会研究科などを併願候補として検討する場合も、研究できる内容と指導体制から比較を始めます。名称が近いことや、人文・社会科学を扱うことだけで同じ準備が使えるとは限りません。研究の中心となる問いを保ちつつ志望先との関係を説明することが大切です。総合文化研究科を調べるための関連記事は末尾にまとめています。
他大学の大学院との併願を考える場合は、東京大学の出願期間・論文等の提出期間・試験日と、併願先の日程が重ならないかをまず確認します。論文や研究計画書の作成が同時期に集中すると、専門科目と外国語の勉強を圧迫します。共通して使える先行研究の整理と、出願先ごとに書き分ける志望理由を分け、どの書類をいつまでに完成させるかを一覧にしましょう。受験先を増やす前に、それぞれで必要な準備を完了できるか見積もることが重要です。
これまでの内容を踏まえると、出願前に確認しておきたい事項は次のとおりです。
- 志望専門分野が夏季入試に対応しているか、冬季入試のみか
- 出願資格のどの区分に該当するか、個別審査が必要な場合はその申請期日
- 外国語試験の必須科目数と選択できる言語
- 専門科目試験で問われる出題方針
- 卒業論文またはこれに代わる論文の分量規定と外国語論文の扱い
- 研究計画書に記す入学後の研究テーマと、卒業論文・専門科目試験との整合性
- 出願期間・卒業論文提出期間・試験日・合格発表日の全日程
- 検定料30,000円の納付方法と納付期間
出願資格の確認、専門分野ごとの試験科目の把握、研究計画書と卒業論文(またはこれに代わる論文)の内容のすり合わせ、口述試験対策までを一人で並行して進めるのは負担が大きい作業です。大学院入試全体の準備の流れやスケジュールの立て方は大学院入試対策の完全ガイドで解説していますので、人文社会系研究科固有の情報とあわせて確認することをおすすめします。専門分野別の対策を個別に相談したい場合は、大学院入試対策コースで、現在の学習状況や志望専門分野に合わせた対策の優先順位を相談できます。
よくある質問(FAQ)
東大人文社会系研究科の倍率はどのくらいですか?
この記事で確認できたのは、2026年度(令和8年度)の研究科全体の志願者421人、入学者121人です。合格者数を揃えられていないため、これを合格倍率として割り算していません。専攻別の受験者数・合格者数も根拠を確定できていないので、専攻別の倍率や難易度の順位は示していません。統計を読むときは年度、課程、選抜区分、人数の意味を照合してください。出典は東京大学の入学状況資料です。
他大学出身でも東大人文社会系研究科に合格できますか?
他大学出身者も、募集要項の出願資格を満たせば受験を検討できます。日本の大学の卒業者及び2027年3月31日までの卒業見込者などが対象です。外部生の合格実績や合格率をこの記事では示していません。出身大学だけで見通しを決めず、専門知識、独自の外国語試験、研究計画の準備を進めてください。出身学部と志望分野が異なる場合は、基礎概念と研究方法を説明できるかも点検します。
外国語試験はどの言語が必要ですか?TOEFLでも代替できますか?
一般選抜では研究科独自の外国語筆記試験があり、専門分野により1ヵ国語または2ヵ国語です。TOEFLなどの外部スコアは用いません。受験できる言語の組合せはこの記事では専攻別に確定していないため、志望専門分野の指定を確認してください。根拠は2027年度(令和9年度)修士課程学生募集要項です。検定のスコアだけを目標にせず、専門的な文章を読み、その論旨を正確に説明する練習へつなげましょう。
過去問はどこで入手できますか?
研究科や専門分野の公式案内で、受験する区分と年度に対応した入手方法を調べてください。専攻別の公開範囲と配布窓口をこの記事では確定していないため、特定の窓口だけを入手先として案内していません。入手した資料は、現在の試験科目や形式と一致するかを照合して使います。問題文を転載するのではなく、出題形式や解答に必要な作業を自分の学習記録として整理すると復習に役立ちます。
夏季入試と冬季入試の違いは何ですか?どちらで受けるべきですか?
まず志望する専門分野の実施時期を照合し、そのうえで書類と学習の準備が間に合うか判断してください。2027年度の夏季の第一次試験は2026年8月29日、冬季の第一次試験は2027年1月23日です。出願期間はそれより前に設定されています。両方の時期に受けられることや、一方の合格後にもう一方へ出願できることを前提にせず、併願・再出願の条件を募集要項で調べてください。
研究計画書はどのくらいの分量で、何を重視されますか?
指定字数はこの記事では根拠を確定できていないため、具体的な分量を案内していません。卒業論文や代替論文の字数を、そのまま研究計画書に当てはめないでください。準備では研究課題、先行研究、資料、方法、実行手順を整理し、指定様式に沿って絞り込みます。大学の採点基準を推測して断定するのではなく、問いと方法が対応しているかを点検することが大切です。詳しい書き方の関連記事は末尾にあります。
社会人でも受験できますか?
社会人も、一般選抜の出願資格を満たすか照合して受験を検討できます。文化資源学研究専攻には社会人特別選抜の枠がありますが、応募資格や提出書類を確認して選抜区分を判断してください。在職のまま進学を希望する場合は、勤務と授業・研究活動の調整も必要です。職務経験を研究計画に使う際は、経験の紹介だけで終わらせず、分析対象と研究方法を示し、資料利用の許可にも配慮しましょう。
まとめ・参考(東京大学 公式)
東京大学大学院人文社会系研究科の院試では、出願資格を確認したうえで、志望する専門分野に合わせて外国語・専門科目・研究計画書・口述試験の準備を進めることが大切です。研究の問いと使う資料を結び付けて準備すると、学習課題の優先順位を決めやすくなります。出願日程と試験日程は上の表を参照し、出願する際は募集要項と最新の大学の案内を照合してください。研究科全体の統計を専攻別の合格倍率と読み替えず、自分の計画と学習状況に即して準備を進めましょう。
出願前の最終点検では、募集要項の該当する欄と自分の書類を並べ、専門分野名、選抜区分、受験する外国語、日程、添付物の指定を照合します。研究計画書は提出前の版を保存し、口述の準備でも同じ内容を参照できるようにしてください。独学で論点の整理や説明の練習が進まない場合は、専門の指導を活用し、現在の課題に応じて相談することも選択肢になります。
参考にした東京大学の公式資料
- 2027年度(令和9年度)修士課程学生募集要項:出願資格、募集人員、試験科目、検定料、夏季・冬季の日程、事前連絡の記載状況。確認日2026年10月3日。
- 東京大学「大学院学生の入学状況」:2026年度(令和8年度)修士課程の志願者数・入学者数。確認日2026年10月3日。
募集要項の情報と過年度の入学状況は、対象年度が異なります。2027年度の募集人員を2026年度の合格者数として使ったり、入学者数を受験者数に読み替えたりしないでください。過去問の公開状況や指定字数など、この記事で根拠を確定できていない項目は、それぞれの公式案内で追加して調べる必要があります。
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