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東京大学大学院 総合文化研究科の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

東京大学大学院総合文化研究科は、駒場キャンパスに置かれる大学院で、言語情報科学専攻・超域文化科学専攻・地域文化研究専攻・国際社会科学専攻という文系4専攻と、生命環境科学系・広域システム科学系・相関基礎科学系からなる理系の広域科学専攻の、あわせて2系統の専攻(系)で構成されています。他大学の学部を卒業した外部生を毎年一定数受け入れており、外部院試(外部進学者向けの大学院入試)の主要な受験先の一つとなっています。本記事では、令和9(2027)年度学生募集要項(文系4専攻・広域科学専攻)と、公式に公表されている直近の入学試験結果という一次情報にもとづき、募集人員・出願資格・試験科目・研究計画書・出願スケジュール・倍率・過去問の使い方までを、専攻(分野・系)ごとの違いが分かる形で整理します。数値や日程は年度により変更される場合があるため、出願前には必ず最新の公式募集要項でご確認ください。
東京大学大学院総合文化研究科とは|専攻構成と外部院試の位置づけ
教育研究上の目的と入学者受入方針
総合文化研究科は、募集要項の「教育研究上の目的」で、学際性・国際性を教育と研究の柱とし、専門分野の深い理解の上に立った領域横断的研究による知の創成をめざす人材養成を掲げています。求める学生像として次の2点が示されています。
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- 志望する専門分野に関する基礎的な知識・研究能力を有すると同時に、自らの専門の相対化を可能とする広い学識と領域横断的な視野を身につけることのできる人
- 現実世界の諸問題や学術的課題の解明と新たな知的価値の創出を意欲的に目指しつつ、研究によって得られた知見を論理的にまとめあげ、国内外に発信できる表現力・語学力を身につけることのできる人
外部院試を検討する場合、この方針は研究計画書や口述試験で語る内容の軸として押さえておく必要があります。単に志望専攻の知名度だけで出願先を選ぶのではなく、領域横断性というキーワードと自分の研究テーマがどうつながるかを説明できる状態を作ることが、出願準備の出発点になります。
専攻・プログラムの全体構成
総合文化研究科の大学院には、文系の言語情報科学専攻・超域文化科学専攻・地域文化研究専攻・国際社会科学専攻の4専攻と、理系の広域科学専攻(生命環境科学系・広域システム科学系・相関基礎科学系)があります。超域文化科学専攻は表象文化論分野・文化人類学分野・比較文学比較文化分野に、国際社会科学専攻は国際関係論分野・相関社会科学分野に、それぞれ分野別の入学試験区分が設けられています。このほかに専攻横断型のプログラムとして、「人間の安全保障」プログラム、多文化共生・統合人間学プログラム、国際人材養成プログラム、国際環境学プログラムが設置されており、一般選抜のほかに社会人特別選抜のルートも用意されています。外部院試を考えるときは、まず自分の研究テーマがどの専攻・どの分野に対応するのかを、公式サイトの専攻紹介・教員一覧で照合することが最初のステップになります。
外部院試とは何か
外部院試とは、出願する研究科と異なる大学の学部を卒業した(卒業見込みを含む)受験者が、大学院入学試験を受けることを指す通称です。総合文化研究科の入学試験結果を見ると、多くの専攻で他大学出身者の出願者数が本学出身者を上回っており、外部からの受験は特別な例外ではなく標準的な受験ルートの一つと言えます。ただし外部生の場合、内部進学者に比べて専攻のカリキュラムや教員の研究テーマに触れる機会が少ないため、公式サイトのシラバス・研究室紹介・過去問を早い段階から読み込み、志望理由と研究計画を具体化していく準備期間が必要になります。
教養学部後期課程との接続
総合文化研究科は、学部段階の教養学部後期課程(3・4年生が所属する後期課程)を基盤とする大学院で、学部と大学院が同じ駒場キャンパスに置かれています。外部生にとっては、内部進学者が学部後期課程で慣れ親しんでいるカリキュラムや教員との関係を、出願準備の限られた期間で外側から把握し直す必要がある点が、他の研究科以上に意識しておきたい特徴です。教員一覧やシラバスは学部後期課程と大学院で重なる部分が多いため、志望専攻の学部レベルの授業要覧もあわせて確認すると、研究計画書に書く内容の解像度が上がります。
出願者に占める外部生の割合
公表されている2025年度入学試験結果(2024年度実施分)から、出願者に占める本学出身者と他大学出身者の内訳を見ると、総合文化研究科がいかに外部生を前提とした選考を行っているかが分かります。
| 専攻・分野・系 | 本学出身の出願者数 | 他大学出身の出願者数 |
|---|---|---|
| 言語情報科学専攻 | 13名 | 42名 |
| 超域文化科学(表象文化論) | 7名 | 38名 |
| 超域文化科学(文化人類学) | 4名 | 28名 |
| 超域文化科学(比較文学比較文化) | 3名 | 37名 |
| 地域文化研究専攻 | 15名 | 54名 |
| 国際社会科学(国際関係論) | 4名 | 10名 |
| 国際社会科学(相関社会科学) | 4名 | 9名 |
| 文系4専攻合計 | 50名 | 218名 |
| 生命環境科学系 | 21名 | 71名 |
| 広域システム科学系 | 30名 | 76名 |
| 相関基礎科学系 | 40名 | 83名 |
| 広域科学専攻合計 | 91名 | 230名 |
どの専攻・分野・系でも他大学出身の出願者数が本学出身者を大きく上回っており、文系4専攻合計では出願者の8割以上、広域科学専攻合計でも7割以上が他大学出身者という結果になっています。外部院試という表現がやや特別に聞こえるかもしれませんが、総合文化研究科においては外部からの出願がむしろ主流であることが、この内訳から確認できます。
実施研究科・専攻・募集人員・出願資格(語学スコア含む)
文系4専攻の募集人員(令和9(2027)年度)
令和9(2027)年度修士課程学生募集要項によると、文系4専攻の募集人員は次のとおりです。超域文化科学専攻と国際社会科学専攻は分野ごとに募集人員が分かれており、出願段階で分野を選ぶ必要があります。
| 専攻 | 分野 | 募集人員 |
|---|---|---|
| 言語情報科学専攻 | – | 25名 |
| 超域文化科学専攻 | 表象文化論分野 | 14名 |
| 超域文化科学専攻 | 文化人類学分野 | 7名 |
| 超域文化科学専攻 | 比較文学比較文化分野 | 14名 |
| 地域文化研究専攻 | – | 33名 |
| 国際社会科学専攻 | 国際関係論分野 | 11名 |
| 国際社会科学専攻 | 相関社会科学分野 | 10名 |
募集人員のうち社会人特別選抜による人数は各専攻とも若干名とされており、具体的な人数は公表されていません。試験の成績によっては、合格者数が募集人員を上回る場合も下回る場合もあると募集要項に明記されており、募集人員はあくまで目安である点は、出願先を決める際に押さえておきたいポイントです。
広域科学専攻(理系)の募集人員
広域科学専攻は生命環境科学系・広域システム科学系・相関基礎科学系の3系で構成され、令和9(2027)年度の募集人員総数は104名です。総合文化研究科というと文系のイメージを持たれがちですが、生命科学・情報科学・地球科学・科学史科学哲学など幅広い理系分野をカバーする広域科学専攻も同じ研究科に置かれています。
| 系 | 募集人員 |
|---|---|
| 生命環境科学系 | 40名 |
| 広域システム科学系 | 27名 |
| 相関基礎科学系 | 37名 |
| 募集人員総数 | 104名 |
広域科学専攻は令和9(2027)年4月入学に加えて、令和8(2026)年10月1日入学の制度も設けられています。10月入学を希望する場合は出願資格の年月日の読み替えが必要になるため、募集要項の注記を必ず確認してください。
出願資格(6区分)
文系4専攻・広域科学専攻とも、出願資格は共通して次の6区分で整理されています。
| 区分 | 対象 |
|---|---|
| 第1号 | 日本の大学を卒業した者・卒業見込みの者 |
| 第2号 | 外国で学校教育16年の課程を修了した者・修了見込みの者 |
| 第3号 | 外国の大学等で修業年限3年以上の課程を修了し学士相当の学位を得た者・得る見込みの者 |
| 第4号 | 文部科学大臣の指定した教育施設等を修了した者 |
| 第5号 | 大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された者 |
| 第6号 | 個別の入学資格審査により大学卒業者と同等以上の学力があると認められた、入学時22歳以上の者 |
第6号での出願を希望する場合は、出願前に書類による個別の入学資格審査を受ける必要があります。令和9(2027)年度は、文系4専攻が令和8(2026)年9月16日から9月24日までに審査書類を提出するのに対し、広域科学専攻は文系4専攻より半年近く早い令和8(2026)年4月21日から4月24日までに審査書類を提出するスケジュールが示されており、専攻(系)によって審査書類の提出期限が異なる点に注意が必要です。高等専門学校卒業者や専門学校修了者など、学士の学位を持たない状態で外部院試に挑む場合は、この個別審査の期限を一般出願より数か月早く迎える点にも注意が必要です。社会人特別選抜については、上記いずれかの資格に該当し、かつ会社・学校・官公庁等に在職中である、またはその他社会人としての経験を持つ者が対象となります。
国際社会科学専攻だけに求められる外部英語スコア
文系4専攻のうち、国際社会科学専攻(国際関係論分野・相関社会科学分野)だけは、第1次・第2次試験に加えて英語力を示す外部試験のスコアが選考要素として使われます。対象となるのは出願時から起算して2年以内に受験したTOEFL iBT(Home Editionを含む)、IELTSアカデミック・モジュール、TOEIC Listening&Reading Testのいずれか1つで、成績票を入学願書とともに提出します。TOEFL ITPのスコアは受け付けられず、TOEFL iBTはMyBestスコアではなくTest Dateスコアのみが有効とされている点、TOEICは日本国内で受験した公開テストに限られ、Speaking&Writing系やIPテストのスコアは対象外である点は、出願直前に慌てないためにも早めに確認しておく必要があります。なお、英語を公用語とする国に所在する大学の卒業者(卒業見込みを含む)は、審査のうえ、これらの成績票の提出を免除する場合があるとされており、令和9(2027)年度は令和8(2026)年10月14日(水)までに、出身大学の成績証明書のコピー等を添えて本研究科事務部へ問い合わせるスケジュールが案内されています。言語情報科学専攻・超域文化科学専攻・地域文化研究専攻では、この外部英語スコアの提出は求められていません。
社会人特別選抜で在職のまま入学する場合の注意点
文系4専攻の令和9(2027)年度入学試験案内には、社会人特別選抜出願者が在職のまま入学する場合の補足説明が専攻ごとに記載されています。提出が求められる書類の名称や重さが専攻によって異なるため、社会人として受験する場合は志望専攻の該当箇所を必ず確認してください。
| 専攻 | 在職のまま入学する場合に求められる対応 |
|---|---|
| 言語情報科学専攻 | 入学手続の際に、在学期間中は大学院の学業を尊重する主旨の勤務先による承諾書を提出 |
| 地域文化研究専攻 | 入学手続の際に、在学期間中は大学院の学業を尊重する主旨の勤務先の長(任命権者又はそれに準ずる者)による文書を提出 |
| 国際社会科学専攻 | 学業に専念する旨を記した勤務先の長による証明書を可能な限り提出(提出できない場合も学業専念への勤務先の理解を得ておく)。長期履修制度の利用も検討可 |
超域文化科学専攻については、令和9(2027)年度入学試験案内の中で在職者向けの個別の補足記載は確認できませんでした。在職中の受験を考えている場合は、出願前に本研究科事務部へ直接問い合わせ、必要書類の有無を確認しておくと安心です。
試験科目|専門科目・外国語・研究計画書・口述試験
文系4専攻の入学者選抜は、第1次試験・第2次試験に加えて出身学校の学業成績を用いる、3要素の組み合わせで行われます。国際社会科学専攻ではこれら3要素に加えて、外部英語試験の成績も選考に用いられる4要素構成になっており、他の3専攻より判定材料が1つ多い点は覚えておく必要があります。
文系4専攻:第1次試験(筆記)の外国語科目
文系4専攻の第1次試験では、外国語科目及び専門科目の筆記試験を受験する必要があります。外国語科目は専攻・分野ごとに指定された言語の範囲から、出願区分(一般出願者・社会人特別選抜出願者)に応じて定められた科目数を選択する仕組みで、専攻によって科目の組み合わせ方が細かく異なります。
| 専攻・分野 | 選択できる外国語の範囲 | 一般出願者の選択数 |
|---|---|---|
| 言語情報科学専攻 | 英語・フランス語・ドイツ語・中国語・ロシア語・イタリア語・スペイン語・韓国朝鮮語・アラビア語・古典ギリシア語・ラテン語 | 2科目(日本古典への振替可) |
| 超域文化科学(表象文化論) | 英語・フランス語・ドイツ語・中国語・ロシア語・イタリア語・スペイン語・韓国朝鮮語 | 2科目 |
| 超域文化科学(文化人類学) | 英語(文化人類学)・英語・フランス語・ドイツ語・中国語・ロシア語・スペイン語・韓国朝鮮語 | 2科目(英語(文化人類学)必須) |
| 超域文化科学(比較文学比較文化) | 英語ほか古典ギリシア語・ラテン語・古典中国語を含む10言語 | 2〜3科目(英語必須) |
| 地域文化研究専攻 | 研究対象地域の主要言語を含む11言語 | 2科目(外国語Ⅰ3問・外国語Ⅱ2問) |
| 国際社会科学専攻 | 英語・フランス語・ドイツ語・中国語・ロシア語・スペイン語・韓国朝鮮語 | 1科目 |
言語情報科学専攻の一般出願者は外国語2科目のうち1科目を日本古典に替えることができ、社会人特別選抜出願者は外国語1科目を日本古典に替えることができます。超域文化科学専攻文化人類学分野の出願者は「英語(文化人類学)」を必ず選択したうえでもう1科目を選ぶ必要があり、比較文学比較文化分野では英語を必ず含めたうえで、古典ギリシア語・ラテン語・古典中国語(漢文)から2科目を選んではいけないという細かい制約があります。地域文化研究専攻では、入学後に研究する地域の主たる使用言語を「外国語(Ⅰ)」として選ぶのが原則で、この優先順位は出願後に変更できません。
外国語科目の選択パターン(具体例)
外国語科目の選び方は、超域文化科学専攻比較文学比較文化分野の入学試験案内にもっとも詳しく示されています。一般出願者は英語を含む2科目または3科目から合計5問を選択して解答する仕組みで、次のような組み合わせが認められています。
- 英語3問+フランス語2問
- 英語2問+中国語3問
- 英語2問+ドイツ語2問+ラテン語1問
社会人特別選抜出願者は英語1科目3問、または英語を含む2科目から合計3問を選択します。
- 英語3問
- 英語2問+ロシア語1問
- 英語1問+韓国朝鮮語2問
古典ギリシア語・ラテン語・古典中国語(漢文)から2科目を選ぶことはできないという制約もあわせて示されており、得意な外国語の組み合わせ次第で解答すべき問題数の配分が変わる仕組みになっています。出願後の科目変更はできないため、出願前に過去問で各言語の出題傾向を確認したうえで組み合わせを決めることが重要です。
外国人出願者の外国語科目
外国人出願者(外国人の社会人特別選抜出願者を含む)の第1次試験の外国語科目は、専攻(分野)によって次のとおり指定されています。教育課程の一部又は全部を日本で修了した者は、原則として日本人出願者と同じ外国語科目表が適用されます。
| 専攻・分野 | 外国人出願者の外国語科目 |
|---|---|
| 言語情報科学専攻 | 英語又は日本語のいずれか1科目 |
| 超域文化科学(表象文化論) | 日本語 |
| 超域文化科学(文化人類学) | 英語(文化人類学)及び日本語 |
| 超域文化科学(比較文学比較文化) | 日本語 |
| 地域文化研究専攻 | 日本語 |
| 国際社会科学専攻(国際関係論・相関社会科学) | 日本語 |
日本国籍を有する者であっても、日本語以外の言語で教育を受けたことにより日本語能力の点で不利であると認められる場合は、外国人出願者と同じ条件での受験が認められることがあります。該当する可能性がある場合は、出願前のなるべく早い時期に本研究科事務部に問い合わせることが案内されています。
専門科目の扱い
募集要項では、外国語科目に加えて専門科目の筆記試験を受験しなければならないと明記されている一方で、専攻(分野)ごとの専門科目の出題範囲や形式そのものは、募集要項の本文には一覧化されていません。専門科目の具体的な傾向を知るには、後述する過去問と出題の意図のページ、志望する専攻・分野の教員一覧やシラバスをあわせて確認する必要があります。募集要項だけを読んで対策範囲を決めるのではなく、過去問演習を通じて専門科目の答案量・専門用語の使い方・論述の型を把握することが欠かせません。
文系4専攻:第2次試験(提出論文審査+口述試験)
第2次試験は、第1次試験合格者に対して、提出論文等の審査及び口述試験によって行われます。口述試験はオンラインまたは対面で実施され、実施方法は専攻(分野)ごとに指定されています。令和9(2027)年度は、言語情報科学専攻・超域文化科学専攻文化人類学分野・地域文化研究専攻・国際社会科学専攻はオンライン、超域文化科学専攻表象文化論分野・比較文学比較文化分野は対面と定められました。口述試験は専攻(分野)ごとに主として専門分野について行われ、超域文化科学専攻(文化人類学・比較文学比較文化)及び国際社会科学専攻の口述試験は日本語で実施されます。オンラインで実施する専攻の出願者は、事前の接続テストへの参加が必須です。
広域科学専攻:総合科目という筆記試験
広域科学専攻の選抜は、筆記試験・出願書類の審査・口述試験の3要素で行われます。筆記試験の科目名は3系とも「総合科目」で統一されていますが、出題範囲は系によって大きく異なり、それぞれ指定された出題範囲の中から3問を選択して解答する方式です。
| 系 | 総合科目の出題範囲 | 選択解答数 |
|---|---|---|
| 生命環境科学系 | 物理学・生物物理学2問、化学・生化学3問、生物学4問、身体運動科学5問、認知行動科学5問、神経科学3問(英語出題) | 3問選択 |
| 広域システム科学系 | 数学1問、物理・宇宙物理2問、化学2問、生物学2問、認知行動科学2問、地球科学2問、情報2問、地理学2問、地誌学1問、科学史・科学哲学1問、社会科学1問、科学技術社会論1問 | 3問選択 |
| 相関基礎科学系 | 数学1問、物理学3問、化学4問、生物学・生物物理学2問、科学史・科学哲学4問 | 3問選択 |
解答言語は特に指定がない限り日本語または英語とされており、神経科学のみ英語で出題されます。書類審査の内容も系によって異なり、生命環境科学系は提出書類一式のみ、広域システム科学系は研究計画書と提出書類一式、相関基礎科学系は小論文と提出書類一式が求められます。志望する系によって、事前に用意すべき書類の重さがまったく違う点は見落とされがちです。
研究計画書・研究室訪問
専攻(分野)別の研究計画書の字数と位置づけ
総合文化研究科文系4専攻の第2次試験では、研究計画書に加えて「論文」の提出が求められる点が大きな特徴です。研究計画書の分量や位置づけは専攻・分野・出願区分によって異なり、一般出願者では論文提出が主でその補足として研究計画書を添える構成の専攻がある一方、社会人特別選抜出願者では研究計画書が提出課題の筆頭に置かれる専攻もあります。
| 専攻・分野 | 研究計画書の分量(一般出願者) |
|---|---|
| 言語情報科学専攻 | 日本語A4判2,000字程度(希望する指導教員の氏名を挙げることも可) |
| 超域文化科学(表象文化論) | 日本語A4判1,200字程度 |
| 超域文化科学(文化人類学) | 日本語または英語でA4判1ページ(書式指定なし) |
| 超域文化科学(比較文学比較文化) | 日本語A4判1,200字程度 |
| 地域文化研究専攻 | 専攻ホームページ所定様式で日本語2,000字程度 |
| 国際社会科学専攻 | 日本語A4判2,000字程度(注・引用文献リストは字数に含む) |
地域文化研究専攻の研究計画書だけは、専攻ホームページ(ask.c.u-tokyo.ac.jp)から所定様式をダウンロードして作成する方式になっており、汎用のフォーマットでは提出できません。出願を検討する段階で、この専攻専用ページの様式を早めに確認しておくことをおすすめします。
提出論文の分量(一般出願者、既存の論文がない場合)
| 専攻・分野 | 論文の分量の目安 |
|---|---|
| 言語情報科学専攻 | 日本語・中国語・韓国朝鮮語:A4判12,000〜32,000字程度/英語ほか欧文:A4判20〜50ページ程度 |
| 超域文化科学(表象文化論) | 日本語・中国語:12,000〜20,000字程度/英語ほか欧文:A4判30ページ程度 |
| 超域文化科学(文化人類学) | 日本語:14,000〜28,000字程度/英語:3,500〜7,000語程度 |
| 超域文化科学(比較文学比較文化) | 日本語:A4判8,000〜12,000字以内 |
| 地域文化研究専攻 | 日本語:A4判概ね12,000字以上(外国語の場合は相当分量、例:英語概ね4,000語以上) |
| 国際社会科学専攻 | 日本語:20,000〜40,000字程度/英語:5,000〜10,000語程度 |
分量の幅を見ると、超域文化科学専攻比較文学比較文化分野がもっともコンパクトで、言語情報科学専攻は欧文で20〜50ページ程度、国際社会科学専攻は日本語で最大40,000字程度(英語で最大10,000語程度)まで求められる場合があり、専攻によって求められる論文の規模が大きく異なります。この分量の違いは、出願準備にどれだけの執筆期間を確保すべきかの目安になります。
論文提出という総合文化研究科特有のハードル
総合文化研究科文系4専攻の提出課題では、研究計画書だけでなく、卒業論文またはそれに準ずる論文の提出が原則として求められます。卒業論文がまだ手元にない、あるいはテーマが志望専攻から外れている場合は、出願にあわせて新たに論文を書き下ろす必要があり、専攻によっては日本語で1万字を超える分量が指定されています。国際社会科学専攻では、卒業論文に相当する研究能力を示す論文がない場合、一般出願者は日本語20,000〜40,000字程度(英語5,000〜10,000語程度)の論文を新たに作成することが求められます。超域文化科学専攻比較文学比較文化分野では、卒業論文の有無にかかわらず日本語8,000〜12,000字の論文提出が課されます。この論文執筆にかかる時間は、専門科目や外国語の学習時間と並んで、外部院試のスケジュールを圧迫する大きな要因になります。
提出課題の提出方法(郵送ではなくアップロード)
出願時の成績証明書・卒業証明書などは書留速達郵便での郵送が求められる一方、第2次試験の提出課題(論文・論文要旨・研究計画書)は、第1次試験合格発表後に案内される所定の提出サイトへの電子ファイルのアップロードで提出します。令和9(2027)年度は、提出課題の受付期間が第1次試験合格発表の同日である1月29日(金)から2月2日(火)正午までとされており、出願時の郵送書類とは別に、電子データでの提出締切も並行して管理する必要があります。口述試験の際には、提出した論文のコピーを手元に用意しておくことも求められています。
研究室訪問・指導教員への事前連絡は必要か
令和9(2027)年度の募集要項本文には、研究室訪問や指導教員への事前連絡を出願の必須条件とする記載はありません。ただし専攻によっては研究計画書に「希望する指導教員の氏名(複数可)を挙げることができる」との案内があり、指導可能性のある教員を事前に把握しておくことが、研究計画書の説得力に直結します。教員一覧・研究内容一覧は募集要項と同じページで公開されているため、志望テーマに近い教員を複数リストアップし、公開されている論文やシラバスを読んだうえで、研究計画書の中で自然に言及できる状態を作っておくと安心です。研究室訪問の可否や方法は専攻・教員によって対応が分かれるため、必要と感じた場合は本研究科事務部または志望する専攻の窓口に事前に問い合わせることが望まれます。
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出願から入学までのスケジュール
文系4専攻(令和9(2027)年度)の日程
文系4専攻の令和9(2027)年度入試は、次のスケジュールで実施されます。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 出願者情報登録期間 | 令和8(2026)年10月29日(木)15:00〜11月13日(金)16:00 |
| 出願書類郵送受付期間 | 令和8(2026)年11月6日(金)〜11月13日(金)(消印有効は11月13日まで) |
| 第1次試験(筆記) | 令和9(2027)年1月23日(土) |
| 第1次試験合格発表 | 令和9(2027)年1月29日(金)正午 |
| 第2次試験提出課題受付 | 令和9(2027)年1月29日(金)〜2月2日(火)12:00 |
| 第2次試験(口述) | 令和9(2027)年2月12日(金)〜2月17日(水) |
| 第2次試験合格発表(入学許可内定者) | 令和9(2027)年3月3日(水)正午 |
| 入学手続期間 | 令和9(2027)年3月8日(月)〜3月9日(火) |
第1次試験の合格発表からわずか3日後には、論文・論文要旨・研究計画書といった第2次試験の提出課題の受付が締め切られる設計になっています。第1次試験対策と並行して、提出課題を事前にほぼ完成させておかないと、この短い期間内での提出は難しくなります。
広域科学専攻(理系)の日程
広域科学専攻は文系4専攻より早い時期に選考が行われ、令和9(2027)年4月入学と令和8(2026)年10月入学の両方の枠があります。
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 出願者情報登録・書類アップロード期間 | 令和8(2026)年6月12日(金)〜6月18日(木)16:00 |
| 出願書類郵送受付期間 | 令和8(2026)年6月12日(金)〜6月18日(木) |
| 筆記試験(総合科目) | 令和8(2026)年7月18日(土) |
| 口述試験対象者発表 | 令和8(2026)年7月24日(金)14:00 |
| 口述試験 | 令和8(2026)年7月28日(火)〜8月3日(月) |
| 合格発表 | 令和8(2026)年8月7日(金)正午 |
| 入学手続(4月入学希望者) | 令和9(2027)年3月8日(月)〜3月9日(火) |
| 入学手続(10月入学希望者) | 令和8(2026)年9月1日(火)〜9月2日(水) |
広域科学専攻の筆記試験は7月に実施されるため、文系4専攻(1月実施)より半年ほど早く選考が始まります。総合文化研究科の中で文系専攻と広域科学専攻を併願することはできないため、どちらを受けるかは出願時点までに決めておく必要があります。
検定料・入学料・授業料と主な出願書類
検定料はいずれの専攻も30,000円です。入学時に必要な経費は令和9(2027)年度予定額として、入学料282,000円、授業料が前期分267,900円(年額535,800円)と示されています。これらの納付金額は予定額であり、在学中に学生納付金の改定が行われた場合は改定後の金額が適用されるとの注記があります。外国人出願者のうち日本政府(文部科学省)奨学金留学生は検定料が不要です。受験票は出願者情報登録システムからダウンロードする方式で、文系4専攻は令和8(2026)年12月4日(金)頃、広域科学専攻は令和8(2026)年7月9日(木)にダウンロード可能になると案内されています。ダウンロードできない場合は本研究科事務部への連絡が必要です。主な出願書類は次のとおりです。
- 入学願書(A)(出願者情報登録システムで作成・出力)、入学願書(B)(所定様式)
- 成績証明書・卒業証明書(または卒業見込証明書)
- 論文・論文要旨・研究計画書等(専攻ごとに指定)
- 国際社会科学専攻志望者は外部英語スコア、広域科学専攻志望者はTOEFLまたはTOEICのスコアシート
- 出願書類等送付用ラベル・送付用封筒・提出明細、検定料の払込証明
受験上の配慮(合理的配慮)の申請期日
障害等のある受験者が受験上・修学上不利にならないよう、合理的な配慮を行う制度があり、希望する場合は本研究科事務部への事前の申し出が必要です。文系4専攻では令和8(2026)年9月25日(金)が申請期日の目安として示されており、この期日を過ぎても申出自体は引き続き検討対象になりますが、事前準備の都合上、申請が遅くなるほど提供できる配慮が限定されると案内されています。広域科学専攻でも同様に、出願前のできるだけ早い時期に申し出ることが推奨されています。配慮を希望する場合は、外国語や専門科目の学習計画を立てる前の早い段階で、本研究科事務部に相談しておくことをおすすめします。
出願書類の郵送先・問い合わせ先
文系4専攻・広域科学専攻とも、出願書類の郵送先および出願に関する問い合わせ先は、本研究科事務部教務課総合文化大学院チーム(〒153-8902 東京都目黒区駒場3-8-1)に統一されています。電話での問い合わせは平日の受付時間内に限られるため、出願資格や提出書類について不明点がある場合は、余裕を持って早めに連絡することが望まれます。合格発表や第1次試験合格者の受験番号については、電話等による問い合わせには一切応じられないと明記されているため、発表日は自分でホームページを確認する必要があります。
倍率・難易度|公表されている入試結果から読む
総合文化研究科は、専攻別の入学試験結果(出願者数・合格者数・入学者数)を公式サイトで公表しています。直近公表分である2025年度入学試験結果(2024年度実施、2025年4月入学等)を見ると、専攻・分野によって倍率にかなりの差があることが分かります。
文系4専攻の出願者数・合格者数・入学者数
| 専攻・分野 | 出願者数(計) | 合格者数(計) | 入学者数 | 出願倍率の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 言語情報科学専攻 | 55名 | 23名 | 23名 | 約2.4倍 |
| 超域文化科学(表象文化論) | 45名 | 7名 | 7名 | 約6.4倍 |
| 超域文化科学(文化人類学) | 32名 | 7名 | 7名 | 約4.6倍 |
| 超域文化科学(比較文学比較文化) | 40名 | 10名 | 10名 | 約4.0倍 |
| 地域文化研究専攻 | 69名 | 25名 | 25名 | 約2.8倍 |
| 国際社会科学(国際関係論) | 14名 | 6名 | 6名 | 約2.3倍 |
| 国際社会科学(相関社会科学) | 13名 | 6名 | 5名 | 約2.2倍 |
| 文系4専攻合計 | 268名 | 84名 | 83名 | 約3.2倍 |
出願倍率の目安は出願者数(計)を合格者数(計)で単純に割った参考値です。表象文化論分野は募集人員14名に対し合格者7名にとどまり、募集人員通りには合格者を出さない年度があることが読み取れます。文化人類学分野は募集人員7名に対し合格者7名とほぼ一致しており、分野によって合格者数が募集人員に近い年と、合格者数が募集人員をかなり下回る年があることは、募集要項の「合格者数が募集人員を上回る場合又は下回る場合がある」という注記のとおりです。
広域科学専攻の出願者数・合格者数・入学者数
| 系 | 出願者数(計) | 合格者数(計) | 入学者数 | 出願倍率の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 生命環境科学系 | 92名 | 57名 | 48名 | 約1.6倍 |
| 広域システム科学系 | 106名 | 46名 | 32名 | 約2.3倍 |
| 相関基礎科学系 | 123名 | 67名 | 48名 | 約1.8倍 |
| 広域科学専攻合計 | 321名 | 170名 | 128名 | 約1.9倍 |
| 研究科総計 | 589名 | 254名 | 211名 | 約2.3倍 |
広域科学専攻は合格者数と入学者数の差が文系4専攻より大きく、合格者170名に対し入学者は128名にとどまります。合格しても他大学院と併願していた受験者が一定数辞退している可能性があり、募集人員に対して実際に埋まる枠を厳密に予測することは容易ではありません。
募集人員と実際の合格者数を比較して分かること
令和9(2027)年度の募集人員と、直近公表されている合格者数(計)を並べると、専攻・分野ごとの合格者数の出方に違いがあることが見えてきます。
| 専攻・分野 | 令和9年度募集人員 | 直近公表の合格者数(計) |
|---|---|---|
| 言語情報科学専攻 | 25名 | 23名 |
| 超域文化科学(表象文化論) | 14名 | 7名 |
| 超域文化科学(文化人類学) | 7名 | 7名 |
| 超域文化科学(比較文学比較文化) | 14名 | 10名 |
| 地域文化研究専攻 | 33名 | 25名 |
| 国際社会科学(国際関係論) | 11名 | 6名 |
| 国際社会科学(相関社会科学) | 10名 | 6名 |
この比較はあくまで異なる年度の数値を並べたものであり、そのまま次年度の倍率予測に使うことはできません。年度によって出願者数・合格者数は変動するため、最新の倍率を知りたい場合は、出願前に総合文化研究科ホームページで公表される最新の入学試験結果を確認することを強くおすすめします。
入学試験結果の表の読み方(内数の注意)
総合文化研究科が公表している入学試験結果の表では、出願者数・合格者数の合計とは別に、社会人特別選抜による人数と外国人の人数が括弧書きで示されています。この括弧内の数字は「内数」であり、合計の出願者数・合格者数に既に含まれた上での内訳を示すものです。合計の人数にさらに括弧内の人数を上乗せして数えてしまうと、実際より多い人数になってしまうため、表を読むときは合計欄の数字がすべてを含んだ人数であることを踏まえて確認してください。
専攻横断プログラムの入試結果(参考)
文系4専攻・広域科学専攻に加えて、「人間の安全保障」プログラムや多文化共生・統合人間学プログラムも、専攻とは別枠で入学試験結果が公表されています。2025年度入学試験結果(2024年度実施分)では、「人間の安全保障」プログラムが出願25名・合格9名・入学8名、多文化共生・統合人間学プログラムが出願24名・合格10名・入学10名という規模でした。専攻単独の入試よりも募集規模が小さいため、志望テーマがこれらのプログラムの趣旨に強く合致する場合の選択肢として検討する価値があります。
過去問分析と出題予測・口述試験(面接)対策
過去問の公開状況(専攻別)
文系4専攻及び「人間の安全保障」プログラムについては、募集要項に「過去問および出題の意図は、総合文化研究科ホームページで公表している。ただし著作権の問題で一部非公表のものがある。なお過去問に関する問い合わせには応じない。」と明記されています。広域科学専攻は3系それぞれが個別に過去問公開ページを持っており、募集要項の参考情報には、生命環境科学系・広域システム科学系・相関基礎科学系それぞれの系のウェブサイトで過去数年分の入試問題と出題の意図を確認できると案内されています。専攻(系)によって過去問の公開場所が分かれているため、志望専攻(系)のページを直接ブックマークしておくと、出願直前の確認がスムーズになります。文系4専攻は総合文化研究科ホームページの一箇所にまとまっているのに対し、広域科学専攻は系ごとに管理主体が異なるサイトに分散しているという構造の違いも、外部院試の対策計画を立てるうえで押さえておきたい点です。
アドミッションポリシーから見た専門科目の出題傾向
専門科目の出題形式そのものは募集要項に一覧化されていませんが、募集要項に明記された入学者選抜の基本方針からは、出題の狙いをある程度推測できます。総合文化研究科の入学者選抜の基本方針は次の3点です。
- 志望する専門分野に関する十分な知識を身につけているとともに、当該分野と関連する学問全般にわたって幅広い知識や教養を有していること
- 単なる知識の量だけでなく、そこから自らが主体的に新たな問題を発見し、知識を獲得しながらその問題を解決する能力、創発的な議論を展開する能力を具えていること
- 当該分野に係る資料・文献を読みこなすことができ、将来国際的な場でも活躍し得るだけの語学力の基礎を具えていること
この3点から読み取れるのは、専門科目が単純な用語暗記の確認にとどまらず、既存の知識をもとに自分なりの問いを立て、論理的に論じる記述式の設問である可能性が高いということです。あくまで募集要項からの推測であり断定はできないため、実際の出題形式・分量は必ず過去問で確認してください。
募集要項から見た出題予測(第2次試験の設計から)
文系4専攻の専門科目の出題形式は募集要項の本文だけでは分からないと先に述べましたが、第2次試験の設計から出題の重心を読み取ることはできます。第1次試験(外国語+専門科目)を通過したうえで、第2次試験では提出済みの論文・研究計画書の内容と口述試験での応答が問われる二段構えになっており、専門科目の筆記試験だけでなく、自分で書いた論文をどれだけ深く語れるかが合否を左右する設計です。広域科学専攻は対照的に、総合科目という記述式の筆記試験の比重が明確です。生命環境科学系は物理学・生物物理学から科学史科学哲学に近い神経科学まで6分野22問から3問を選ぶ設計になっており、どの分野の問題を選択するかを事前に決めておくことが得点戦略に直結します。広域システム科学系は数学・物理・化学・生物学・地球科学・情報・地理学・地誌学・科学史科学哲学・社会科学・科学技術社会論という12分野19問という非常に幅広い出題範囲から3問を選ぶため、自分の得意分野がどこに当たるかを過去問で確認したうえで出願することが欠かせません。相関基礎科学系は数学・物理学・化学・生物学(生物物理学)・科学史科学哲学の5分野14問構成で、物理学(3問)と化学(4問)の比重が相対的に大きい点が特徴です。
口述試験(面接)で問われること
文系4専攻の口述試験は、提出した論文の内容と入学後の研究計画を要約して説明することが求められる、と地域文化研究専攻の入学試験案内に明記されています。超域文化科学専攻(文化人類学・比較文学比較文化)及び国際社会科学専攻の口述試験は日本語で実施されると定められているため、外国語科目で高得点を狙うだけでなく、口述試験用に自分の研究内容を日本語で簡潔に説明する練習も必要です。広域科学専攻の口述試験は系ごとに構成が異なります。
- 生命環境科学系:志望分野の専門知識を測る口頭試問と、その他の質疑応答の2本立て(スライドや追加資料の使用は不可)
- 広域システム科学系:研究計画に関する口頭発表と質疑応答、出願書類の内容に基づく質疑応答、語学を含む学修に必要な学力を確認する質疑応答の3段階構成
- 相関基礎科学系:第一志望と第二志望で異なる専門グループを選んだ場合、両方のグループで口述試験が課される場合がある
相関基礎科学系を志望する場合は、志望理由を専門グループごとに説明できるよう準備しておく必要があります。
併願を考えるときの視点・関連コース
総合文化研究科の外部院試を検討する場合、同じ研究科内でも文系4専攻と広域科学専攻は選考時期が半年近くずれているため、日程上は両方を視野に入れることもできます。ただし出願段階では専攻(系)を1つに絞る必要があり、研究科内の複数専攻・プログラムへの同時出願、他の研究科等との重複入学は認められていません。人文社会系の研究テーマであれば東京大学大学院 人文社会系研究科の外部院試についてまとめた記事もあわせて確認すると、研究科ごとの専攻構成や試験科目の違いが見えやすくなります。東京大学大学院の入試全体の枠組みを研究科横断で押さえておきたい場合は、東京大学大学院入試を徹底解説した記事で実施研究科ごとの傾向を確認しておくと、併願先の比較がしやすくなります。国際社会科学専攻のように外部英語スコアの提出が必須な専攻を志望していて、TOEICやTOEFLの準備が間に合うか不安な場合は、大学院入試のTOEICが間に合わないときの対処法をまとめた記事も参考になります。
他大学院との併願を検討する場合は、出願書類の締切と提出論文・研究計画書の執筆スケジュールが重ならないよう、早めに年間の計画を立てておくことが大切です。総合文化研究科文系4専攻は出願が11月、第1次試験が1月、第2次試験が2月という日程のため、同時期に選考が行われる他大学院と併願する場合は、論文・研究計画書の提出時期が重複しないかを早い段階で確認しておく必要があります。
専門科目・外国語・論文・研究計画書・口述試験と、総合文化研究科の外部院試は準備すべき要素が多岐にわたります。出願資格の確認から研究計画書の設計、過去問演習まで、一人で優先順位を組み立てることが難しいと感じる場合は、大学院入試対策コースで、現在の学習状況と志望専攻(分野・系)に合わせた対策の順序を相談することができます。大学院入試対策全体の進め方を体系的に確認したい方は、大学院入試対策の完全ガイドもあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
他大学の学部出身でも、総合文化研究科の大学院を受験できますか。
出願資格の6区分のいずれかに該当していれば、出身大学を問わず出願できます。実際の入学試験結果を見ても、多くの専攻で他大学出身者の出願者数が本学出身者を上回っており、外部からの受験は一般的なルートです。学部時代の専攻分野が志望専攻と完全に一致していなくても、研究計画書と提出論文で問題意識のつながりを説明できれば出願は可能です。
学部の専攻と大学院での研究テーマが違っても出願できますか。
出願資格の要件を満たしていれば、学部と大学院での専攻分野が異なっていても出願自体は可能です。ただし第2次試験では、卒業論文またはそれに準ずる論文の提出が求められる専攻が多く、学部での研究テーマと志望専攻の研究領域がかけ離れている場合は、テーマを再設定した論文を新たに書き下ろす必要が生じます。研究計画書の中で、これまでの学びと新しい研究テーマがどうつながるのかを具体的に説明できるようにしておくことが重要です。
TOEICやTOEFLのスコアはどの専攻でも必要ですか。
いいえ、文系4専攻のうち外部英語スコアの提出が必須なのは国際社会科学専攻だけです。言語情報科学専攻・超域文化科学専攻・地域文化研究専攻では、外部英語スコアの提出は求められておらず、外国語科目は第1次試験の筆記で測られます。広域科学専攻は、TOEFLスコアシートまたはTOEICスコアシートのいずれかの提出が必要とされています。志望専攻によって語学試験の扱いがまったく異なるため、出願前に必ず該当専攻の募集要項を確認してください。
研究計画書はどの専攻でも同じ書式で出願できますか。
いいえ、専攻・分野ごとに字数や書式が異なり、地域文化研究専攻のように専攻ホームページの所定様式を使わなければならないケースもあります。言語情報科学専攻は日本語A4判2,000字程度、超域文化科学専攻表象文化論分野・比較文学比較文化分野は1,200字程度、文化人類学分野はA4判1ページなど、専攻によって求められる分量に差があります。汎用テンプレートをそのまま使い回すのではなく、志望専攻の最新の入学試験案内を確認し、指定の字数・様式に沿って作成する必要があります。
過去問はどこで入手できますか。
文系4専攻・「人間の安全保障」プログラムは総合文化研究科ホームページで公表されていますが、著作権の関係で一部非公表の年度・科目があります。広域科学専攻は生命環境科学系・広域システム科学系・相関基礎科学系それぞれの系のウェブサイトで公開されています。いずれも過去問に関する問い合わせには応じない方針が明記されているため、公開ページを直接確認することが基本になります。
社会人でも受験できますか。
受験できます。出願資格の6区分のいずれかに該当し、かつ会社・学校・官公庁等に在職中である、またはその他社会人としての経験を有する者は、社会人特別選抜に出願できます。社会人特別選抜では、本人のこれまでの社会での活動や今後の計画も選考の要素として重視されると明記されています。在職のまま入学を許可された場合は、入学手続の際に勤務先の承諾書等の提出が求められる専攻があるため、早めに勤務先へ相談しておくと安心です。
口述試験はオンラインですか、対面ですか。
専攻(分野・系)によって異なります。文系4専攻では専攻(分野)ごとにオンラインまたは対面の実施方法があらかじめ指定されており、実施方法の詳細は第1次試験合格発表後に本研究科ホームページで発表されます。広域科学専攻の口述試験は、3系ともオンラインで実施されると案内されています。オンライン実施の場合は、パソコンとカメラを準備し、周囲に人のいない静謐な環境で受験する必要があるほか、事前の接続テストへの参加が求められます。
文系4専攻と広域科学専攻の併願はできますか。
総合文化研究科内での併願はできません。募集要項には、同一年度において研究科内の2つ以上の専攻(分野・系)及びプログラムに出願することはできないと明記されています。文系4専攻の第1次試験は1月、広域科学専攻の筆記試験は7月に実施されるため日程上は重ならないように見えますが、出願段階でどちらか一方の専攻(系)を選ぶ必要がある点に注意してください。
まとめ
東京大学大学院総合文化研究科の外部院試は、文系4専攻と広域科学専攻とで、試験科目・提出書類・日程がまったく異なる設計になっています。文系4専攻は外国語科目と専門科目の筆記試験に加えて、論文・研究計画書の提出と口述試験で研究の中身を問われる比重が大きく、広域科学専攻は総合科目という記述式の筆記試験と系ごとに異なる書類審査・口述試験が組み合わされています。募集人員・出願資格・倍率の目安は本記事で紹介した一次情報をもとに整理しましたが、年度によって数値や日程は変わるため、出願前には必ず最新の公式募集要項と入学試験結果を確認してください。専攻(分野・系)ごとの違いを早い段階で整理し、専門科目・外国語・論文・研究計画書・口述試験のそれぞれに必要な準備期間を逆算しておくことが、外部院試を乗り切るための土台になります。出願資格の確認、研究テーマと専攻の適合性の見極め、論文と研究計画書の執筆、過去問演習、口述試験対策という一連の流れを、募集要項に示された日程から逆算して一つずつ進めていくことが、総合文化研究科の外部院試において合否を左右する準備の質につながります。
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