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東京大学大学院 経済学研究科の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

東京大学大学院 経済学研究科の外部院試を徹底解説の記事アイキャッチ画像。大学院入試対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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東京大学大学院経済学研究科は、経済専攻(経済学・統計学・地域研究・経済史の4コース)とマネジメント専攻(経営学・数量ファイナンスの2コース)という2専攻6コースを抱える大学院で、コースによって専門科目筆記の有無・外国語の種類・研究計画書の分量がまったく異なる点に大きな特徴があります。なかでも経済学コースは、英語を使用言語とする専門科目のみで修士の学位を取得できる「経済学高度インターナショナルプログラム」として、他の5コースとは別枠で学生募集が行われています。本学以外の大学の学部を卒業した(卒業見込みを含む)受験者が挑む、いわゆる外部院試についても、経済学研究科では学部時代の専攻を問わず出願できます。本記事では、令和9(2027)年度修士課程学生募集要項・同補足説明書・経済専攻経済学コース募集要項・直近公表の修士課程入試結果という一次情報にもとづき、募集人員・出願資格・試験科目・研究計画書・出願スケジュール・倍率・過去問の扱いまでを、コースごとの違いが分かる形で整理します。数値や日程は年度により変更される場合があるため、出願前には必ず最新の公式募集要項でご確認ください。

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目次

経済学研究科・専攻の概要と外部院試

2専攻6コースの構成

経済学研究科は、経済専攻(経済学コース・統計学コース・地域研究コース・経済史コース)とマネジメント専攻(経営学コース・数量ファイナンスコース)の2専攻6コースで構成されています。経済学コースは経済学の研究、統計学コースは統計学の研究、地域研究コースは地域研究、経済史コースは経済史の研究を主な目的とし、経営学コースは企業・市場組織の分析と会計、数量ファイナンスコースは金融・ファイナンス理論の研究をそれぞれ主な目的としています。志望コースは、修士論文の主題として取り上げたいと考えている研究テーマに則して選ぶことが募集要項補足説明書に明記されており、入学後のコース変更は原則として認められません。

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経済学コースだけが持つ「英語プログラム」という性格

経済専攻経済学コースは、募集要項補足説明書で「経済学高度インターナショナルプログラム」と位置づけられており、英語を使用言語とする専門科目のみの履修で修士の学位を取得できます。口述試験も日本語・英語のどちらかを選んで受験できる点が、他の5コースと大きく異なります。ただし日本語を選択した場合でも、入学後は英語で開講される科目の履修が必須であるため、口述試験の質疑応答が一部英語になることがあると補足説明書に注記されています。経済学コース以外の5コースについては、公式サイトで「日本語能力が必要」と案内されており、外部院試を検討する際にはこの言語面の違いを最初に押さえておく必要があります。

MBAプログラムは設置されていない

経済学研究科の公式FAQでは「本研究科にはMBAのプログラムはございません」と明記されています。経営学コースを志望する場合でも、取得できる学位はMBAではなく修士(経済学)である点は、志望理由書や面接で誤解を招かないよう理解しておきたいポイントです。経営学コースは、企業及び市場組織の分析並びに会計の研究を目的とする学術的な大学院プログラムであり、実務家養成を主眼とするビジネススクールとは制度上の位置づけが異なります。

学部での専攻を問わず出願できる

経済学研究科の公式FAQには「経済学部出身ではないのですが、受験資格はありますか」という質問に対して「どの分野を専攻されていても受験は可能です」との回答が示されています。出願資格を満たしていれば、学部時代の専攻が経済学でなくても出願できるため、外部院試として他学部・他大学から挑戦する受験者にとって間口は広いといえます。ただし専門科目や研究計画書では志望コースに関連する知識・研究能力が問われるため、出願資格を満たすことと、選考を突破できるだけの専門性を備えることは別の課題として準備を進める必要があります。

授業科目と学際的な教員体制

募集要項補足説明書の別表1(大学院経済学研究科修士課程授業科目表)には、共通科目として経済原論・経済学方法論・政治経済学・ミクロ経済学Ⅰ/Ⅱ・マクロ経済学Ⅰ/Ⅱ・計量経済学Ⅰ/Ⅱ・基礎数理統計・世界経済・財政・日本経済史・欧米経済史・アジア経済史といった科目が並び、その上にコースごとの専門科目が積み上がる構成になっています。経済学コースだけでもミクロ・マクロ経済学から開発経済、国際貿易まで幅広い分野の演習・ワークショップが開講されており、口述試験で選択する6つの志望分野(ミクロ経済理論・マクロ経済学・労働経済学・財政/公共/都市経済学・産業組織・開発/国際経済学)は、この授業科目の広がりに対応しています。別表2の開講科目一覧を見ると、担当教員の所属は経済学研究科(経)だけでなく、社会科学研究所(社研)・公共政策学教育部(公共)・空間情報科学研究センター(空間)・総合文化研究科(総合)・法学政治学系研究科(法学)・先端科学技術研究センター(先端研)など複数の部局にまたがっており、経済学研究科は学内の他部局と連携しながら教育・研究体制を組んでいることがうかがえます。志望する研究テーマに近い教員がどの科目を担当しているかを別表2で確認しておくと、研究計画書や口述試験での説明に具体性を持たせやすくなります。

実施研究科・募集人員・出願資格(語学スコア含む)

コース別の募集人員(令和9(2027)年度)

令和9(2027)年度修士課程学生募集要項および経済専攻経済学コース学生募集要項によると、募集人員は次のとおりです。経済学コースだけがA日程・B日程という年2回の選考区分を持つ点が他コースと異なります。

専攻コース募集人員
経済専攻経済学コース(A日程+B日程合計)約45名
経済専攻統計学コース・地域研究コース・経済史コース(合計)約15名
マネジメント専攻経営学コース・数量ファイナンスコース(合計)50名

統計学・地域研究・経済史の3コースは合計で約15名という募集枠が示されており、コースごとの内訳は公表されていません。試験等の成績によっては入学許可者の数が募集人員に達しない場合もあると募集要項に明記されているため、募集人員はあくまで目安として捉える必要があります。

出願資格(6区分共通)

経済学コースを含む全コースで、出願資格は共通して次の6区分のいずれかに該当することが求められます。

区分対象
(1)日本の大学を卒業した者・令和9(2027)年3月31日までに卒業見込みの者
(2)外国で学校教育16年の課程を修了した者・修了見込みの者
(3)外国の大学等(修業年限3年以上)で学士相当の学位を得た者・得る見込みの者
(4)文部科学大臣の指定した教育施設等を修了した者
(5)大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された者
(6)個別の入学資格審査により大学卒業者と同等以上の学力があると認められた、入学時22歳以上の者

(6)の区分で出願する場合は事前の個別審査が必要で、令和9(2027)年度の一般コース群はA日程が令和8(2026)年6月3日まで、経済学コースはA日程が同じく6月3日・B日程が10月1日までに審査書類を提出する必要があります。高等専門学校卒業者や専門学校修了者など学士の学位を持たない状態で出願を検討している場合は、この個別審査の期限を一般の出願より早く迎える点に注意してください。

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コース別の外国語スコア要件

外国語の扱いはコースによって大きく異なります。統計学コース・マネジメント専攻の2コースは英語のみ選択可で、地域研究コース・経済史コースは英語・ドイツ語・フランス語から1カ国語を選べます。

コース受験外国語の選択肢提出するスコア等
経済学コース(専門科目筆記試験なし・口述試験は日本語or英語選択)TOEFL iBT必須+GRE General Test必須(本学部卒業見込者はGRE任意)
統計学コース英語のみTOEFLスコアシート(本研究科では英語試験を実施しない)
地域研究コース・経済史コース英語・ドイツ語・フランス語から1カ国語英語=TOEFL、独語=ゲーテ・インスティトゥートB1、仏語=TEF必須試験
経営学コース英語のみTOEFLスコアシート又はTOEICの公式認定証等
数量ファイナンスコース英語のみTOEFL又はTOEICに加え、専門科目としてGMAT又はGMAT Focus Editionのスコアシート

いずれのコースも本研究科において語学試験そのものは実施せず、外部試験のスコア提出で評価する仕組みです。TOEFL・TOEIC・GMAT・GREはいずれもETSやGMACから直接データで送付される方式のため、受験者自身がスコアシートを取り寄せて提出するわけではありません。マネジメント専攻(経営学コース・数量ファイナンスコース)を志望する者はTOEFLの代わりにTOEIC Listening&Reading Testのデジタル公式認定証を提出することもできますが、団体特別受験制度(IP)のスコアレポートは認められない点に注意してください。

スコアの有効期間は出願直前ではなく事前受験が前提

令和9(2027)年度の一般コース群(統計学・地域研究・経済史・経営学・数量ファイナンス)では、TOEFLを選択する場合、2024年10月1日から2026年6月20日までに受験し、同期間内にETSへスコア送信を請求する必要があります。出願直前に慌てて受験しても間に合わない設計になっているため、外部院試を検討し始めた時点でTOEFL・TOEICの受験計画を立てておくことが欠かせません。経済学コースはA日程・B日程で有効期間の区切りが異なり、B日程はTOEFLが2025年2月1日から2026年10月20日まで、GRE General TestはA日程が2021年10月1日から2026年6月20日まで、B日程が2022年2月1日から2026年10月20日までとされています。

出願手続きは4種類の書類区分に分かれる

提出書類は次の4区分に分かれます。成績証明書は出身(在学)大学が発行した紙媒体が原則で、コピーでの提出は認められません

  • オンライン提出のみ:推薦書、顔写真データ
  • オンライン提出かつ郵送:入学願書、検定料支払証明書、研究計画書
  • 郵送のみ:提出書類チェックリスト、成績証明書及び卒業(見込)証明書、参考業績や職務内容説明書などの任意書類
  • 試験機関から研究科へ直接送信:TOEFL・GRE・GMATのスコア

外国の大学を卒業した場合で証明書が電子媒体のみで発行されるときは、発行機関の公式サイトで電子媒体を原本として認めていることが確認できるページのURLを添えて、指定のアップロード先に提出する例外的な扱いが用意されています。郵送書類は角形2号封筒に一括して入れ、出願システムから出力される送付用ラベルを貼って速達・書留郵便で送付する必要があり、送付先は文京区本郷の経済学研究科事務部教務チーム大学院担当です。出願手続後はどのような事情があっても書類の変更は認められず、検定料の払い戻しもされません。提出書類等に不備がある場合や出願期限までに書類が完備しない場合は出願自体が受理されないため、証明書の発行スケジュールも含めて余裕を持った準備が求められます。

外国人出願者の検定料免除と日本語能力の証明

検定料は全コース共通で30,000円ですが、日本政府(文部科学省)奨学金留学生は検定料が不要とされています。外国人出願者は原則として日本語能力試験N1合格の証明書の提出が必要ですが、日本の高校・大学(大学院)を卒業(修了)した者や卒業(修了)見込みの者、日本に永住許可を得ている者(特別永住者を含む)は提出が不要です。専門科目の筆記試験は外国人出願者であれば英語で解答できますが、日本に永住許可を得ている者、日本の高等学校を卒業した者、日本の大学(大学院)で学位を取得した者・取得見込みの者は日本語で解答しなければならないという例外も定められているため、該当する可能性がある場合は出願前に確認しておくと安心です。

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試験科目|専門科目・外国語・研究計画書・口述試験

選抜方法の全体像

一般コース群(統計学・地域研究・経済史・経営学・数量ファイナンス)の選抜は、筆記試験・提出書類の審査・口述試験によって行われます。口述試験は筆記試験の成績と提出書類の審査で選抜された者だけが受験できる二段構えの設計です。募集要項には「筆記試験の専門科目試験を実施しないコースにおいては、外国語の試験の成績並びに提出書類(研究計画書等)を総合的に判断して口述試験受験資格者を決定する」と明記されており、専門科目の筆記がないコースでは外国語スコアと書類の比重が相対的に高まります。経済学コースだけは筆記試験自体がなく、提出書類の審査と口述試験のみで選抜が行われます。

専門科目の問題群とコース別の指示

専門科目の筆記試験は、統計学コースと経営学コースだけに課されます。問題群Ⅰ(統計基礎、数学)と問題群Ⅱ(経営1、経営2、財務・会計1、財務・会計2)の2種類が用意されており、志望コースの指示に従って解答しなかった場合は答案が無効になると補足説明書に明記されています。

コース専門科目
統計学コース問題群Ⅰの2問(統計基礎・数学)を解答
地域研究コース専門科目の筆記試験は行わない(口述試験で世界経済論・経済学史の基礎知識を質問)
経済史コース専門科目の筆記試験は行わない(口述試験で専門分野の基礎知識を質問)
経営学コース問題群Ⅱから2問を選択して解答
数量ファイナンスコース専門科目の筆記試験は行わない(GMAT又はGMAT Focus Editionのスコアを利用)

外国人出願者は、専門科目の筆記試験に英語で解答することができるとされています。ただし日本の高校・大学(大学院)を卒業した者などは日本語で解答しなければならないという例外が定められているため、外国人出願者は自分がどちらに該当するかを事前に確認しておく必要があります。

外国語科目の詳細(地域研究コース・経済史コース)

地域研究コース・経済史コースの受験外国語は、英語・ドイツ語・フランス語から1カ国語を選択します。選択言語ごとに求められる外部試験がまったく異なる点に注意が必要です。英語を選ぶ場合は事前にTOEFLを受験しスコアシートを提出、ドイツ語を選ぶ場合はゲーテ・インスティトゥートのドイツ語検定試験B1(またはB2・C1・C2)の成績表を提出、フランス語を選ぶ場合は日仏文化協会・フランス語能力認定試験(TEF)の必須試験の成績表を提出します。いずれの言語も本研究科において筆記試験は実施されないため、出願前に指定の外部試験を受け終えていることが前提になります。ドイツ語はB1級だけでなくB2・C1・C2(GDS)の成績表でも代替可能で、成績の合否は問わずに成績表を提出できると補足説明書に記されています。フランス語のTEFは必須試験の成績表のコピーを願書に添付する形式で、いずれも出願受付期間内に提出できない場合は願書自体が受理されない点に注意が必要です。

数量ファイナンスコースのGMATスコア

数量ファイナンスコースを志望する場合、専門科目の筆記試験は行わず、GMAT又はGMAT Focus Editionのスコアシートで専門知識を評価します。2024年10月1日から2026年6月20日までにGMACへスコア送信を請求する必要があり、出願時にはWeb出願システムへ受験日・Appointment ID(Number)・Quantitativeのスコアを入力します。研究科の公式FAQでは、審査の対象となるのはQuantitativeセクションのスコアのみで、総合スコアなど他の項目は使用しないと明記されています。あわせて、大学(大学院)で単位を取得した金融工学・数理ファイナンス・微積分/線形代数・確率・統計などの科目名と成績・単位取得年次を記した一覧表の提出も求められます。

経済学コースの口述試験:志望分野と使用言語を出願時に選ぶ

経済学コースの口述試験は、志望分野について研究計画書の内容等から最も近いものを1つ選び、Web出願システムへ入力する仕組みです。選べる志望分野はミクロ経済理論・マクロ経済学・労働経済学・財政/公共/都市経済学・産業組織・開発/国際経済学の6分野です。あわせて口述試験の使用言語を日本語・英語のいずれかから選択しますが、日本語を選んだ場合でも入学後に英語開講科目の履修が必須であることから、一部英語での質疑応答が行われることがあると補足説明書に注記されています。志望分野の選択は研究計画書の内容と一致している必要があるため、出願前に自分の研究テーマがどの分野に最も近いかを整理しておくことが重要です。

経済学コースはTOEFL iBTスコアの提出が原則必須ですが、例外が設けられています。英語圏6か国の大学の卒業(見込み)者はTOEFLスコアの提出が免除されます。対象となるのは英国・アイルランド・アメリカ合衆国・オーストラリア・ニュージーランドの大学、および英語による教育を行っているカナダの大学で、成績証明書・卒業(見込)証明書がこれらの大学から発行されたものであることが条件です。ただし当該大学の日本校のように、対象国以外の場所にある実際のキャンパスで教育を受けた場合は免除されず、提出が必須になると公式FAQに明記されています。GRE General Testについても、出願時に本学(東京大学)学部の卒業見込みである者は提出が任意とされており、外部からの受験者との間で提出条件に違いがある点も押さえておく必要があります。

経営学コースの口述試験:経営か会計かを選ぶ

経営学コースを志望する場合、口述試験の志望分野について研究計画書の内容等から「1.経営(組織論、戦略論、マーケティング、イノベーション論、人的資源管理論、国際経営論、経営史など会計学を除く経営学分野)」「2.会計(会計学分野)」のいずれか1つを必ず選択することが補足説明書に定められています。経営か会計かで問われる専門領域が明確に分かれるため、研究計画書の内容と口述試験の準備範囲を一致させておく必要があります。

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研究計画書・研究室訪問

コース別の研究計画書の分量

研究計画書は全コース共通でA4判の用紙に両面印刷し、同一のものを3部提出します。分量と内訳はコースによって大きく異なり、統計学・地域研究・経済史の3コースは10ページ以内という共通の上限が設けられている一方、経営学コースは文字数、経済学コースはページ数で目安が示されています。

コース研究計画書の分量・内訳
経済学コース日本語5,000字程度、または英語ダブルスペースで5ページ以内(研究テーマ・目的・方法)
統計学コース10ページ以内(最初の3ページに志望理由・研究計画、残りで統計学又は計量経済学のエッセー)
地域研究コース10ページ以内(研究テーマ・目的・方法3ページ以内+専門分野の小論文7ページ以内)
経済史コース10ページ以内(入学後の研究計画3ページ以内+経済史の小論文7ページ以内)
経営学コース日本語6ページ程度(10,000字程度)、英語ダブルスペースで9ページ程度
数量ファイナンスコース前半(研究テーマ等)日本語3,000字程度+後半(数量ファイナンス関連の学習内容)日本語7,000字程度

統計学コース・地域研究コース・経済史コースの3コースは、単なる研究計画の記述にとどまらず、専門分野に関する小論文やエッセーの提出が求められる点が特徴です。統計学コースのエッセーは数式に基づいて論理的に記述された内容が求められると明記されており、数学的な能力の高さそのものが評価対象になります。参考文献の記載はいずれのコースでもページ数・文字数の制限に含まれません。

推薦書もコースによって必須・任意が異なる

推薦書の提出は、統計学コース・地域研究コース・経済史コース・経営学コースが1通必須(2通目は任意)、数量ファイナンスコースは提出任意、経済学コースは1通必須(2通目任意)とされています。推薦書の作成者は指導教員又は志願者の学業や職務内容を判断できる者とされ、オンライン申請の推薦書アップロード画面に掲載する様式を使って作成してもらう必要があります。推薦者への依頼は出願直前ではなく早めに行い、アップロード完了希望日をあらかじめ伝えておくことが望ましいと補足説明書に案内されています。

研究計画書の体裁に関する共通ルール

研究計画書は最初のページの冒頭に「研究計画書」と明記し、氏名・志望コース・研究テーマ(日本語の場合は30字以内、英語の場合は15words以内)を記載した見出しページを付けたうえで、A4判の用紙に両面印刷し左上をホチキスで留める形式が全コース共通で求められます。公式FAQでは、補足説明書に記載のページ数・文字数はあくまで目安であり、図や文字のサイズ、ページ数等は志願者自身の判断で決めてよいと案内されています。ただし参考文献の記載は文字数に含まれない一方、見出しページ(作成日付・氏名・志望コース・研究テーマ)はページ数に含まれる点は明確に定められているため、コースごとの分量の目安を大きく外れない範囲で作成することが無難です。

参考業績・職務内容説明書という任意提出書類

研究計画書とあわせて、未発表のものも含めた著書・論文(卒業論文や演習論文に準ずるもの)・調査報告書・学会報告等を「参考業績」として任意で提出できます。日本語以外の参考業績には日本語800字以内の要約添付が必要で、共同業績の場合は志願者自身の貢献部分を明記することが求められます。在職中または在職経験を持つ受験者は、職務内容を詳しく記述した「職務内容説明書」(様式任意、A4判)を任意で提出することもでき、社会人として研究計画書だけでは伝えきれない実務経験を補足する材料になります。参考業績・職務内容説明書はいずれも提出が必須ではありませんが、研究テーマと実務・学修経験のつながりを示したい場合には活用を検討する価値があります。

研究室訪問・指導教員への事前連絡は必須ではない

令和9(2027)年度の募集要項本文には、研究室訪問や指導教員への事前連絡を出願の必須条件とする記載はありません。口述試験は主として研究計画書に基づいて行われるため、事前の教員接触がなくても選考自体は成立する制度設計です。ただし研究計画書の説得力を高めるには、志望コースの授業科目一覧や教員一覧(募集要項補足説明書の別表1・別表2に掲載)を確認し、自分の研究テーマに近い分野を担当する教員の講義・演習題目を把握しておくことが有効です。例えば別表2では、経済学コースの担当教員としてマクロ経済学を担当する青木浩介氏、ミクロ経済学Ⅱとマッチング理論を担当する小島武仁氏、開発経済学を担当する澤田康幸氏、労働経済学を担当する山口慎太郎氏といった名前を確認でき、CHEN, Stacey氏やGRIFFEN, Andrew S.氏のように英語のみで開講科目名が記載された外国籍教員も含まれています。志望分野に近い教員が実際にどの科目名で開講しているかを別表2で具体的に確認しておくと、研究計画書や口述試験での「なぜこのテーマを、この研究科で研究したいのか」という説明に厚みが増します。経済学コースの志望分野選択(ミクロ経済理論・マクロ経済学など6分野)や経営学コースの志望分野選択(経営・会計)も、この教員一覧と照らし合わせて検討すると具体性が増します。研究室訪問の可否や方法は教員によって対応が分かれるため、必要と感じた場合は事前に経済学研究科事務部教務チーム大学院担当へ問い合わせることが望まれます。

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出願から入学までのスケジュール

一般コース群(統計学・地域研究・経済史・経営学・数量ファイナンス)の日程

令和9(2027)年度入試は、次のスケジュールで実施されます。

項目日程
Web出願システム公開令和8(2026)年6月8日(予定)〜7月3日17:00
出願期間令和8(2026)年6月30日〜7月3日(消印有効・7月8日17時必着)
筆記試験令和8(2026)年8月25日(火)
口述試験令和8(2026)年9月15日(火)・9月16日(水)
合格発表令和8(2026)年9月17日(木)15時以降
入学許可書ダウンロード令和8(2026)年12月下旬
入学時期令和9(2027)年4月1日

出願にはWeb出願システムのオンライン申請と郵送の両方が必要で、どちらか一方だけでは受け付けられません。オンライン申請が完了していても出願期間中に書類が届かない場合は出願自体が受理されないと募集要項に明記されているため、証明書類の発行にかかる時間を見込んで早めに動く必要があります。

経済学コース(A日程・B日程)の日程

経済学コースはA日程・B日程の年2回選考が行われ、入学時期もA日程が4月、B日程が10月と異なります。A日程とB日程の両方に出願することはできません

項目A日程B日程
出願期間令和8(2026)年6月30日〜7月3日令和8(2026)年11月2日〜11月6日
口述試験令和8(2026)年9月15日・16日令和9(2027)年1月19日・20日
合格発表令和8(2026)年9月17日15時以降令和9(2027)年1月21日15時以降
入学時期令和9(2027)年4月1日令和9(2027)年10月1日

経済学コースのA日程口述試験は9月15日・16日と、一般コース群の口述試験日程と重なっています。これは同一日程での併願が想定された設計であり、募集要項の注意事項には「A日程と同一日程にて実施する本研究科修士課程入試との併願は、数量ファイナンスコース以外のいずれか1コースのみ可能」と明記されています。B日程は筆記試験のない経済学コース独自の選考時期で、10月入学を希望する場合の受け皿になっています。

数量ファイナンスコース社会人特別選抜という別枠

数量ファイナンスコースには、企業等に在職中で入学時以降も在職見込みのある者を対象とした社会人特別選抜があります。社会人特別選抜が設けられているのは数量ファイナンスコースだけで、他の5コースにはこの区分はありません。直近公表分(令和8(2026)年度学生募集要項)では、出願期間が令和8年1月7日〜9日、口述試験が2月16日、合格発表が2月19日という、一般選抜より半年以上早い時期に設定されていました。在職者は「長期履修学生制度」を活用し、計画的な履修で修士課程の学位を目指すことができるとされています。次年度の正確な出願期間・試験日は年度によって変わるため、社会人として受験を検討する場合は必ず経済学研究科の公式サイトで最新の学生募集要項を確認してください。

検定料・入学料・授業料

経済学コース・一般コース群を問わず、検定料は6コース共通で30,000円に統一されています。令和9(2027)年度の入学時予定額は入学料282,000円・授業料が年額535,800円(前期分267,900円)で、これは経済学研究科に限らず東京大学の学生納付金基準にもとづく金額であり、入学時又は在学中に納付金改定が行われた場合は改定後の金額に切り替わるとの注記が付されています。外国人出願者のうち日本政府(文部科学省)奨学金留学生は検定料が不要です。官公庁・企業・団体等に在職のまま入学する場合は、入学手続の際に「大学院に入学することに支障はない」旨の勤務先の承諾書(様式任意)の提出が求められます。

受験上の配慮と問い合わせ先

障害等のある受験者が受験上・修学上不利にならないよう、経済学研究科では合理的配慮の相談を受け付けています。配慮を希望する場合は出願時に申し出ることが原則とされており、申請が遅くなるほど提供できる配慮が限定される点に注意が必要です。経済学研究科の所在地は東京都文京区本郷7-3-1で、出願や試験に関する問い合わせは経済学研究科事務部教務チーム大学院担当(gradinfo@e.u-tokyo.ac.jp、土日祝は休業日のため翌営業日以降の対応)が窓口になっています。合格発表や受験番号については電話等での問い合わせに応じない方針も明記されているため、発表日は自分でホームページを確認する必要があります。

安全保障輸出管理という東京大学固有の注意事項

東京大学は「外国為替及び外国貿易法(外為法)」にもとづく「東京大学安全保障輸出管理規則」を定めており、技術の提供及び貨物の輸出の観点から、学生の受入れ前及び在学中に厳格な安全保障輸出管理を行っています。外国人留学生及び一部の日本人学生については、受入れ前の審査が必須とされており、外為法上規制されている事項に該当する場合は、入学試験に最終合格しても入学が許可できない場合や、入学後の研究活動に制限がかかる場合があると募集要項に明記されています。国際的な研究テーマや先端分野を志望する外部院試受験者、とくに留学生や海外での研究経験を持つ受験者は、この審査の存在をあらかじめ把握しておくことが望まれます。

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倍率・難易度|公表されている入試結果から読む

コース別・入試別の出願者数・合格者数

経済学研究科は、経済学(A日程・B日程)・統計学・地域研究・経済史・経営学・数量ファイナンス(一般・社会人)という8つの入試区分の志願者数・合格者数を1枚の表にまとめた「修士課程入試結果(コース別、入試別)」を公式サイトで公表しています。令和7(2025)年度・令和8(2026)年度の2年分が並記されたこの表を見ると、同じ経済学研究科の中でもコースによって倍率にかなりの差があることが分かります。

コース(入試区分)令和7年度 志願者/合格者令和8年度 志願者/合格者
経済学(A日程)95名/33名107名/38名
経済学(B日程)75名/11名80名/11名
統計学18名/8名17名/8名
地域研究6名/2名2名/0名
経済史6名/2名4名/1名
経営学134名/22名133名/21名
数量ファイナンス(一般)13名/6名17名/6名
数量ファイナンス(社会人)4名/2名5名/2名
合計351名/86名365名/87名

この数値をもとに単純に出願倍率を計算すると、経済学コースB日程が令和7年度約6.8倍・令和8年度約7.3倍と最も高く、経営学コースも令和7年度約6.1倍・令和8年度約6.3倍と高水準で推移しています。一方、統計学コースは2倍台前半、数量ファイナンスコース(一般)も2倍台で、コース間の差が大きいことが読み取れます。地域研究コースは令和8年度、志願者2名に対し合格者0名という結果であり、募集人員が小さいコースでは年度による振れ幅が大きくなりやすい点にも注意が必要です。

経済学コースはA日程とB日程で倍率の傾向が異なる

経済学コースはA日程・B日程それぞれで独立して選考が行われ、志願者数・合格者数にはっきりとした違いがあります。B日程は志願者数がA日程に近い一方で合格者数がおよそ3分の1にとどまる傾向が2年連続で見られます。10月入学を希望する場合はB日程を選ぶことになりますが、合格者数の少なさは事前に把握したうえで準備を進める必要があります。A日程とB日程の両方に出願することはできないため、どちらの入学時期を目指すかは早い段階で決めておくことが望ましいといえます。

合計倍率は4倍前後、コース間の差を踏まえた志望選択を

研究科全体の合計では、令和7年度が志願者351名に対し合格者86名(約4.1倍)、令和8年度が志願者365名に対し合格者87名(約4.2倍)という結果でした。全体の倍率だけを見て難易度を判断するのは適切ではなく、志望するコースごとの数値を確認することが重要です。とくに経営学コースと経済学コースB日程は志願者数が多く倍率も高いため、専門科目・研究計画書・口述試験のいずれにおいても、他の受験者との差別化を意識した準備が求められます。これらの数値は過去2年度の実績であり、次年度の倍率をそのまま予測するものではないため、最新の倍率を知りたい場合は出願前に経済学研究科ホームページで公表される直近の入試結果を確認することを強くおすすめします。

倍率だけで難易度を判断しない

入試結果の表には志願者数・合格者数のみが示されており、学部での成績分布や専門科目の得点分布といった選考内容そのものは公表されていません。倍率が低いコースが必ずしも準備が軽いわけではなく、専門科目の筆記試験がない地域研究コース・経済史コース・数量ファイナンスコースでは、口述試験で専門分野の基礎知識まで踏み込んで問われるため、筆記対策がない分だけ書類と口述の完成度がより重視される構造になっています。逆に経営学コースのように倍率が高いコースでも、問題群Ⅱから2問を選択する形式であるため、得意分野に絞って準備を積み重ねれば対応できる範囲は限られています。志望コースの倍率の高低だけで難易度を判断せず、試験科目の構成とあわせて準備の重心を決めることが現実的な対策につながります。

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過去問分析・出題予測と口述試験(面接)対策

過去問は公式サイト非公開、文学部複写センターでの取り扱い

経済学研究科の入進学希望者向けページでは、過去の入試問題について「文学部複写センターで取り扱っています」と案内されています。研究科ホームページで過去問がPDF公開されているわけではなく、外部の複写サービスを通じて入手する仕組みです。この案内は、修士課程入試結果(志願者数・合格者数の一覧)のPDFと同じ「過去の実施情報」という項目にまとめて掲載されているため、倍率を確認するタイミングで過去問の入手先もあわせて把握しておくと二度手間になりません。過去問に関する問い合わせに経済学研究科自体が直接応じているわけではないため、過去問を使った対策を計画する場合は、複写センターの利用方法や入手できる年度・科目の範囲を早めに確認しておく必要があります。

募集要項から見た出題予測(専門科目筆記があるコース)

専門科目の筆記試験が課される統計学コース・経営学コースについては、問題群の名称から出題領域を推測できます。統計学コースの問題群Ⅰは「統計基礎」と「数学」の2分野で構成され、この2問を解答する形式です。経営学コースの問題群Ⅱは「経営1」「経営2」「財務・会計1」「財務・会計2」の4分野から2問を選択する形式で、口述試験の志望分野選択(経営か会計か)と対応させて、どの2問を選ぶかをあらかじめ想定しておくと戦略が立てやすくなります。別表1の授業科目表を見ると、統計学コースには基礎数理統計Ⅰ・Ⅱ、統計的推測理論Ⅰ・Ⅱ、応用統計Ⅰ・Ⅱ、測度論的確率論Ⅰ・Ⅱといった科目が並んでおり、問題群Ⅰの「統計基礎」「数学」はこうした基礎科目群の理解を前提にしていると読み取れます。経営学コースの問題群Ⅱについても、別表1に経営戦略Ⅱ・経営組織研究・財務会計研究・管理会計研究といった科目が用意されており、口述試験の志望分野(経営か会計か)を先に決めてから、対応する2分野の基礎を重点的に復習するという順序が効率的です。ただし出題範囲や配点の詳細は募集要項の本文に一覧化されていないため、実際の出題形式・分量は文学部複写センターで入手できる過去問で確認することが欠かせません。

専門科目筆記のないコースは口述試験で基礎知識も問われる

地域研究コース・経済史コース・数量ファイナンスコースは専門科目の筆記試験を行わない代わりに、口述試験の際に専門分野に関する基礎知識を問う質問も行うと募集要項に明記されています。地域研究コースは世界経済論及び経済学史、経済史コースは経済史に関する分野の基礎知識が対象です。筆記試験がないからといって専門知識の準備が不要になるわけではなく、むしろ口頭で説明しきる理解の深さが問われる点を踏まえて準備する必要があります。研究計画書に記した小論文・エッセーの内容についても、口述試験でその場で説明を求められることを前提に、自分の言葉で語れる状態まで理解を深めておくことが望まれます。

口述試験(面接)で問われること

一般コース群の口述試験は、筆記試験の成績と提出書類の審査によって選抜された者についてのみ実施されます。経済学コースの口述試験は主として研究計画書に基づいて行われ、論文・参考業績・職務内容説明書が提出された場合はそれらも選考の対象になり得ると募集要項に記載されています。すべてのコースでZoomミーティングを用いたオンライン方式が採用されており、対面での面接は実施されません。オンライン実施のため、通信環境の確認や、想定される質問に対して画面越しでも簡潔に要点を伝える練習をしておくことが実践的な準備になります。

志望分野・志望理由を研究計画書と一貫させる

経済学コースでは志望分野(ミクロ経済理論・マクロ経済学・労働経済学・財政/公共/都市経済学・産業組織・開発/国際経済学)を、経営学コースでは志望分野(経営・会計)を、それぞれ研究計画書の内容等から最も近いものとして出願時に選択します。出願時に選んだ志望分野と研究計画書の内容、口述試験での説明に一貫性を持たせることが、選考全体を通じた説得力につながります。募集要項補足説明書の別表2には各教員が令和7年度・令和8年度に開講した講義・演習題目が掲載されているため、志望分野に近い教員の科目名を確認し、自分がその分野でどのような研究を進めたいのかを具体的に語れるよう準備しておくとよいでしょう。

専門科目筆記のないコースの対策の考え方

地域研究コース・経済史コース・数量ファイナンスコースのように専門科目の筆記試験がないコースでは、対策の重心が筆記演習ではなく、研究計画書に記載した内容を口頭で説明しきる練習に移ります。想定問答の丸暗記ではなく自分の言葉で筋道立てて話せる状態を目指すことが実践的です。経済学コースが用意する6つの志望分野は、ミクロ経済理論(個々の主体の意思決定や市場メカニズムの分析)、マクロ経済学(一国全体の景気・金融・財政の動き)、労働経済学(雇用や賃金の実証分析)、財政/公共/都市経済学(政府の政策や都市の経済構造)、産業組織(企業行動や市場競争の分析)、開発/国際経済学(途上国の経済発展や国際貿易・金融)という、それぞれ性格の異なる領域です。自分の研究計画がこの6分野のどれに最も近いかを早い段階で見極め、関連する基礎理論の要点を口頭で説明できるように整理しておくと、口述試験本番での受け答えがぶれにくくなります。

併願を考えるときの視点・関連コース

経済学研究科内での併願には制約があります。募集要項には「本要項の選抜において、複数のコースに出願することはできない」と明記されている一方、経済学コースA日程は同一日程の他コース入試と1コースに限り併願可能です。ただし入学できるのは1コースのみであるため、両方に合格した場合はどちらに進学するかを選ぶ必要があります。経済学コースB日程は1月に口述試験が行われるため、A日程・一般コース群とは異なる時期に位置づけられ、他大学院の秋以降の選考日程との組み合わせを検討しやすい区分でもあります。

東京大学大学院には経済学研究科以外にも多くの研究科があり、研究テーマによっては併願先の選択肢が広がります。東京大学大学院全体の入試の枠組みを研究科横断で押さえておきたい場合は、東京大学大学院入試を徹底解説した記事で実施研究科ごとの傾向を確認しておくと、併願先の比較がしやすくなります。人文社会系の研究テーマと経済学的なアプローチのどちらで研究計画を組み立てるか迷っている場合は、東京大学大学院総合文化研究科の外部院試をまとめた記事もあわせて確認すると、研究科ごとの専攻構成や試験科目の違いが見えやすくなります。統計学コース・地域研究コース・経済史コースのように英語のTOEFLスコアが必須となるコースを志望していて、外部試験の準備が間に合うか不安な場合は、大学院入試のTOEICが間に合わないときの対処法をまとめた記事も参考になります。

他大学院や本学の他研究科もあわせて視野に入れて出願準備を進める場合、見落としやすいのが研究計画書の書式の違いです。経済学研究科向けに仕上げた研究計画書をそのまま使い回すことは現実的ではありません。経済学コースは日本語5,000字程度・英語ダブルスペース5ページ以内という比較的短い分量である一方、統計学コース・地域研究コース・経済史コースは10ページ以内に志望理由と専門分野の小論文を収める必要があり、経営学コースは10,000字程度、数量ファイナンスコースは前半3,000字・後半7,000字という独自の構成が求められます。併願先ごとに研究計画書の分量・構成が根本的に異なるため、経済学研究科を第一志望として準備を進める場合でも、出願直前に慌てて書き直すことがないよう、志望コースを早い段階で一つに絞り込み、その分量規定に合わせて研究計画書の骨子を組み立てておくことが実務上重要です。

経済学研究科の外部院試で最初につまずきやすいのは、2専攻6コースという選択肢の多さそのものです。筆記試験の有無・外国語スコアの種類・研究計画書の分量が、コースを一つ決めるまで定まらないため、闇雲に対策を始めると回り道になりがちです。出願資格の確認、志望コースの絞り込み、TOEFL・TOEIC・GRE・GMATといった外部試験の受験計画、研究計画書の執筆、そして文学部複写センターでの過去問入手まで、一人で順序立てて進めることに不安がある場合は、大学院入試対策コースで、現在の学習状況と志望コースに合わせた対策の順序を相談することができます。大学院入試対策全体の流れを体系的に押さえておきたい方は、大学院入試対策の完全ガイドもあわせてご覧ください。

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よくある質問(FAQ)

経済学部出身でなくても経済学研究科を受験できますか。

受験できます。経済学研究科の公式FAQには「どの分野を専攻されていても受験は可能です」と明記されています。出願資格の6区分のいずれかに該当していれば、学部時代の専攻を問わず出願できます。ただし専門科目の筆記試験や研究計画書、口述試験では志望コースに関連する専門知識・研究能力が問われるため、出願資格を満たすことと選考を突破することは別の準備が必要です。

経済学研究科でMBAを取得できますか。

取得できません。公式FAQで「本研究科にはMBAのプログラムはございません」と明記されています。経営学コースを志望する場合も、取得できる学位は修士(経済学)であり、企業・市場組織の分析や会計を対象とする学術的な大学院プログラムです。実務家養成型のビジネススクールを希望する場合は、他大学のMBAプログラムとあわせて検討する必要があります。

経済学コースは日本語ができなくても受験できますか。

受験できます。公式FAQには「経済学コースは口述試験を含め、英語で受験可能です」と明記されており、経済学コース以外の5コースは日本語能力が必要とされています。経済学コースの口述試験は日本語・英語のいずれかを出願時に選択する仕組みですが、入学後は英語開講科目の履修が必須であるため、日本語を選んだ場合でも一部英語での質疑応答が行われることがあります。

TOEICやTOEFLはどのコースでも必要ですか。

いいえ、コースによって扱いが異なります。統計学コース・マネジメント専攻は英語のみでTOEFL又はTOEICが必要です。地域研究コース・経済史コースは英語・ドイツ語・フランス語から選択でき、英語以外を選ぶ場合はTOEFLではなくゲーテ・インスティトゥートの検定やTEFの成績表を提出します。経済学コースはTOEFL iBTに加えGRE General Testのスコア提出も求められます(本学部卒業見込者はGRE任意)。

過去問はどこで入手できますか。

経済学研究科の公式サイトでは過去問は公開されておらず、文学部複写センターという外部の複写サービスで取り扱われています。総合文化研究科のように研究科ホームページでPDFが公開されている形式ではないため、入手方法や対象年度・科目の範囲を複写センターに直接確認する必要があります。専門科目筆記のあるコース(統計学・経営学)は問題群の名称(統計基礎・数学、経営1/2・財務会計1/2)から出題領域を推測できますが、詳細は過去問で確認してください。

社会人でも受験できますか。

コースによって扱いが異なります。社会人特別選抜が設けられているのは数量ファイナンスコースのみで、企業等に在職中かつ入学時以降も在職見込みであることが条件です。長期履修学生制度を活用した計画的な履修も可能とされています。それ以外のコースには社会人向けの別枠選抜はありませんが、出願資格を満たしていれば一般選抜として出願すること自体は可能です。在職のまま入学する場合はどのコースでも、入学手続の際に勤務先の承諾書の提出が求められます。

複数のコースを併願することはできますか。

研究科内での複数コースへの同時出願はできません。例外は経済学コースA日程と同一日程の他コース入試の併願のみで、数量ファイナンスコース以外のいずれか1コースに限られます。ただし合格しても入学できるのは1コースのみです。経済学コースA日程とB日程の両方に出願することもできません。他大学院との併願を考える場合は、経済学コースB日程(1月口述)のように一般コース群と時期がずれる区分を活用すると、日程の組み合わせを検討しやすくなります。

研究室訪問や指導教員への事前連絡は必須ですか。

必須ではありません。令和9(2027)年度の募集要項本文には研究室訪問を出願の条件とする記載はなく、口述試験は主として研究計画書に基づいて行われます。ただし研究計画書の説得力を高めるためには、募集要項補足説明書の別表に掲載された教員一覧・開講科目を確認し、自分の研究テーマに近い分野を担当する教員を把握しておくことが有効です。訪問の可否は教員によって対応が分かれるため、必要と感じる場合は経済学研究科事務部への事前問い合わせが推奨されます。

まとめ

東京大学大学院経済学研究科の外部院試は、2専攻6コースのそれぞれで試験科目・研究計画書・日程が大きく異なる設計になっています。専門科目の筆記試験があるのは統計学コースと経営学コースのみで、地域研究コース・経済史コース・数量ファイナンスコースは口述試験で専門基礎知識が問われ、経済学コースは筆記試験自体がなく提出書類の審査と口述試験だけで選考が行われます。募集人員・倍率の目安は本記事で紹介した一次情報にもとづいて整理しましたが、年度によって数値や日程は変わるため、出願前には必ず最新の公式募集要項と入試結果を確認してください。コースごとの違いを早い段階で整理し、外国語スコアの取得時期から逆算したスケジュールを組み、研究計画書と口述試験での志望分野の説明に一貫性を持たせることが、経済学研究科の外部院試を乗り切るための土台になります。出願資格の確認、志望コースの選択、外部語学試験の受験計画、研究計画書の執筆、過去問の入手という一連の流れを、募集要項に示された日程から逆算して一つずつ進めていくことが、合否を左右する準備の質につながります。とくにTOEFL・TOEIC・GMAT・GRE Testといった外部語学試験は結果が出るまでに数週間を要するため、出願を検討し始めた段階で受験計画を固め、研究計画書と口述試験の準備に十分な時間を残せるよう逆算してスケジュールを組んでください。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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