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名古屋大学大学院 教育発達科学研究科の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

名古屋大学大学院教育発達科学研究科は、教育科学専攻と心理発達科学専攻の2専攻からなる、人間の成長発達と教育をめぐる諸課題を研究対象とする大学院です。外部生が博士前期課程(修士課程)を受験する場合、教育科学専攻では外国語(英語または日本語、40分)の筆記試験と口述試験、心理発達科学専攻では外国語(60分)と専門科目(90分)の筆記試験および口述試験が課され、いずれも研究計画や卒業論文の概要を記した出願書類の内容が口述試験の質疑の中心になります。本記事は、研究科公式サイトが公開している2027年度学生募集要項(博士前期課程一般コース・高度専門職業人養成コース[第1期試験])と、2024〜2026年度の過去問題・出題意図のPDFをもとに、出願資格、試験科目、研究計画書、日程、倍率、過去問の傾向を整理したものです。募集要項は年度によって内容が変わるため、出願前には必ず研究科公式サイトで最新の情報をご確認ください。
名古屋大学大学院教育発達科学研究科とは|専攻・研究科の概要と外部院試の位置づけ
名古屋大学大学院教育発達科学研究科は、教育科学専攻と心理発達科学専攻の2専攻で構成されています。教育科学専攻には、生涯発達教育学講座(教育史、教育行政学、社会・生涯教育学など)、学校情報環境学講座(カリキュラム学、教育方法学、教育経営学、教師教育学など)、相関教育科学講座(人間形成学、教育人類学、教育社会学、比較教育学、大学論)、高等教育学講座、生涯スポーツ科学講座(健康運動科学、スポーツバイオメカニクス、スポーツ生理学など)の5講座があります。心理発達科学専攻は心理社会行動科学講座(心理行動科学領域)、精神発達臨床科学講座(臨床心理学領域)、スポーツ行動科学講座(スポーツ行動科学領域)の3講座からなり、出願時にどちらか一方の専攻の、さらにその中の1講座(教育科学専攻は研究領域、心理発達科学専攻は講座)を選んで志望します。
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修了時に授与される学位は、教育科学専攻が修士(教育学)、心理発達科学専攻の心理行動科学領域・スポーツ行動科学領域が修士(心理学)、臨床心理学領域が修士(臨床心理学)です。精神発達臨床科学講座(臨床心理学領域)は、公認心理師法施行規則が定める大学院の指定科目を開講しており、日本臨床心理士資格認定協会の大学院指定制度第1種にも指定されています。臨床心理士や公認心理師を目指して外部から受験する人にとっては、資格取得ルートに直結する専攻であることが、他大学の教育学系研究科と比べたときの大きな特徴です。
博士前期課程には、大学新卒者を主な対象とする一般コースのほかに、入学時点で3年以上の職業経験または社会的活動の経験を有する者を対象とした高度専門職業人養成コースが設けられています。高度専門職業人養成コースは、生涯学習研究コース(生涯学習開発、学校科学臨床、高等教育マネジメント、生涯スポーツ科学の各分野)、心理開発研究コース(心理行動科学、スポーツ行動科学の各分野)、心理臨床研究コースの3研究コースに分かれ、一般コースとは出願書類・試験科目の一部が異なります。両コースへの同時出願はできません。博士前期課程の先には博士後期課程もあり、教育科学専攻・心理発達科学専攻に加えて、教育マネジメントコースと心理危機マネジメントコースという専門コースが設置されていますが、募集人員や試験科目の詳細は年度ごとの募集要項で確認する必要があります。
試験の実施場所は、名古屋大学東山キャンパスにある教育発達科学研究科(教育学部本館)です。名古屋大学は2020年度に東海国立大学機構を構成する大学の一つとなっており、安全保障輸出管理など機構共通の規程が出願手続きに関わる場合があります。研究科としての規模は、他の人文社会系研究科と比べて専攻数自体は少ないものの、教育科学・心理発達科学という2つの領域を横断する学際的な講座構成を持つ点が、単科の教育学研究科や心理学研究科とは異なる立ち位置になっています。
外部生がこの研究科を外部院試の対象として検討するときは、大学名だけでなく、志望する講座・研究領域の教員構成と自分の研究テーマがどこまで接続するかを先に確認しておくことが出発点になります。教育発達科学研究科の外部院試は、専門知識を問う筆記試験に加えて、研究計画書と口述試験の比重が大きい選抜方式をとっているため、名古屋大学大学院を目指す動機だけでなく、なぜその講座・研究領域でなければならないのかを、先行研究や自分のこれまでの学習歴と結びつけて説明できる状態を作ることが、他の受験者との差別化につながります。
公式のアドミッション・ポリシーでは、選抜の基本方針が専攻ごとに示されています。教育科学専攻は、これまでの研究成果と入学後の研究計画に関する書類審査、口述試験、および外国語試験によって、専門的知識とリサーチスキルに必要な学力、論理的批判的思考力、協働的コミュニケーション能力、科学的探究の精神を総合的に評価するとされています。心理発達科学専攻は、これまでの研究成果と進学後の研究計画についての書類提出に加えて筆記試験を実施し、学力と論理的批判的思考力・判断力を評価したうえで、口述試験によって協働的コミュニケーション能力や研究への意欲を評価する2段構えの方針が明記されています。この方針の違いが、後述するとおり教育科学専攻と心理発達科学専攻の試験科目・選抜プロセスの違いにそのまま反映されています。
教育科学専攻の5講座と心理発達科学専攻の3講座は、それぞれ次のような研究領域で構成されています(2027年度学生募集要項時点、教員の欠員補充状況により募集を行わない研究領域が生じる年度もあります)。
| 専攻 | 講座 | 主な研究領域 |
|---|---|---|
| 教育科学専攻 | 生涯発達教育学講座 | 教育史、教育行政学、社会・生涯教育学、技術・職業教育学(※)、教育福祉学(※) |
| 学校情報環境学講座 | 学校情報学(※)、カリキュラム学、教育方法学、教育経営学、教師教育学 | |
| 相関教育科学講座 | 人間形成学、教育人類学、教育社会学、比較教育学、大学論 | |
| 高等教育学講座 | 高等教育学 | |
| 生涯スポーツ科学講座 | 生涯体力科学(※)、健康運動科学、スポーツ教育学(※)、スポーツマネジメント(※)、スポーツバイオメカニクス、スポーツ生理学 | |
| 心理発達科学専攻 | 心理社会行動科学講座(心理行動科学領域) | 計量心理学、認知心理学、教授・学習心理学、パーソナリティ心理学、社会心理学 |
| 精神発達臨床科学講座(臨床心理学領域) | 生涯発達心理学、臨床心理学、家族心理学、学校心理学、発達精神科学 | |
| スポーツ行動科学講座(スポーツ行動科学領域) | スポーツ心理学、運動学習科学 |
表中の(※)を付した研究領域は、2027年度学生募集要項において「教員の欠員補充が未定であるため、当該研究領域は学生を募集しない」と注記されている領域です。技術・職業教育学、教育福祉学、学校情報学、生涯体力科学、スポーツ教育学、スポーツマネジメントの各研究領域は、2027年度[第1期試験]の時点では募集対象に含まれていません。インターネット出願システムで研究領域を選択する際に、志望する領域が実際にその年度の募集対象になっているかを必ず確認してください。この扱いは年度ごとに変わる可能性があるため、志望領域が固定されている場合は、募集要項が公開されるタイミングで早めに確認しておくことをおすすめします。
実施専攻・募集人員・出願資格(語学の扱いを含む)
2027年度学生募集要項(博士前期課程[第1期試験])によると、本研究科の博士前期課程全体の入学定員は、高度専門職業人養成コースを含めて教育科学専攻が32名、心理発達科学専攻が22名です。これは第1期試験と後述する第2期試験(2027年1月26日〜28日実施予定)を合算した人数であり、各講座・研究領域の募集人員は「若干名」としか公表されていません。心理発達科学専攻の合否判定は、心理行動科学領域・臨床心理学領域・スポーツ行動科学領域(高度専門職業人養成コースでは心理行動科学分野・スポーツ行動科学分野・心理臨床科学分野)の講座・分野ごとに行われる点にも注意してください。
| 専攻 | 入学定員(第1期・第2期合算) | 講座・研究領域の募集人員 |
|---|---|---|
| 教育科学専攻 | 32名 | 各研究領域とも若干名 |
| 心理発達科学専攻 | 22名 | 各講座・分野とも若干名(合否判定は講座・分野ごと) |
出願資格は、学校教育法第83条に定める4年制大学を卒業した者、または卒業見込みの者を基本としつつ、文部科学大臣が指定した者、外国において学校教育16年の課程を修了した(見込みの)者、大学評価・学位授与機構から学士の学位を授与された者など、あわせて9区分で定められています。高専・短大・専門学校出身者などは、9号にあたる個別の入学資格審査の対象になり、審査を希望する場合は2026年7月17日(金)必着で研究科入試担当あてに個別審査願[様式5]・履歴書[様式6]・研究実績調書[様式7]・研究内容説明書[様式8]・成績証明書などを提出する必要があります。審査結果は2026年7月24日(金)頃に本人へ発送されます。
出願書類は、志願票・写真票、教育発達科学研究科志願票[様式1]、卒業(見込)証明書、成績証明書のほか、これまでの研究テーマまたは卒業論文の題目とその概要[様式2]、研究計画[様式3]が中心です。出願書類として求められる文章を生成AIにより作成することは、募集要項上明確に認められていません。研究計画書の内容は自分自身の言葉で作成し、口述試験でその内容についての質疑に答えられる状態にしておく必要があります。入学検定料は30,000円で、インターネット出願時に支払い、支払い期限は出願登録日を含め4日間です。
- 名古屋大学大学院 志願票及び写真票(インターネット出願システムから出力、A4片面カラー印刷)
- 教育発達科学研究科 志願票[様式1](A4片面印刷)
- 卒業(見込)証明書、成績証明書(原本、コピー不可)
- これまでの研究テーマまたは卒業論文の題目とその概要[様式2]
- 研究計画[様式3]
- 国籍・在留資格・在留期間を確認できる書類(日本国籍を有しない者のみ)
支払い上の注意点として、支払い期限内に入金がない場合は出願登録が自動的にキャンセルされるため、期限を過ぎたときは再登録が必要です。出願書類を受理した後に納入済みの検定料が返還されることは原則ありませんが、検定料納入後に出願しなかった場合や出願が受理されなかった場合、検定料を二重に払い込んだ場合には返還の対象になります。国費外国人留学生は、国費外国人留学生証明書の提出をもって検定料に代えることができます。また、氏名等の個人情報は入学者選抜・合格発表・入学手続きの業務にのみ使用され、理科学系分野との融合領域に関わる研究テーマの場合は、外国為替及び外国貿易法にもとづく「類型該当性の自己申告書」の提出が必要になることがある点も、出願前に確認しておくとよいでしょう。
語学スコア(TOEIC・TOEFL)の扱い
2027年度学生募集要項を確認する限り、TOEICやTOEFLなど外部英語試験のスコア提出を出願資格や選考の要件とする記載は見当たりません。外国語力は研究科内で実施される筆記試験によって直接評価される方式で、教育科学専攻では英語または日本語(受験者が選択した自国語以外の言語)による筆記試験(40分、冊子体の辞書1冊持込可)、心理発達科学専攻では英語の筆記試験(60分)が課されます。他大学の研究科でTOEFL・TOEICスコアの提出が必須とされるケースと混同しないよう注意してください。なお、日本語を母語としない者や、学歴等から日本語を日常的に使用しないと認められる者には、心理発達科学専攻の専門科目筆記試験に限り辞書使用の特例([様式4]による事前申請、審査結果は8月下旬頃通知)が設けられています。
外国籍の出願者への留意事項
日本国籍を有しない出願者は、国籍・在留資格・在留期間を確認できる書類(国内在住者は個人番号の記載のない住民票の写しまたは在留カードの両面コピー、国外在住者はパスポートの顔写真のあるページのコピー)の提出が必要です。中国の大学卒業者については、中国高等教育学生信息網(CHSI)が発行する証明書の提出も求められており、発行に時間を要する場合があるため早めの準備が推奨されています。外国の大学等を卒業した場合は、日本の学士に相当する学位を取得したことを証明する書類もあわせて必要です。
入学検定料については、自然災害等により被災した志願者を対象とした特別措置(検定料免除)が用意されており、対象になる可能性がある場合は名古屋大学の入試案内ページで詳細を確認できます。障害等があって試験場での特別な配慮を必要とする場合も、専用の申請手続きが定められており、受験上の配慮申請書、障害等の状況が記載された医師の診断書や障害者手帳等の写し、状況を知る第三者の添え書を、2026年7月17日(金)必着で研究科入試担当まで提出します。受験や入学後の修学に関して相談したいことがある場合も、出願期限までに問い合わせておくと安心です。
試験科目|専門科目・外国語・研究計画書・口述試験
学力試験は筆記と口述の2段階で行われ、特に指示がある場合を除き日本語で解答します。心理発達科学専攻では、筆記試験(外国語・専門科目)の結果にもとづく第一次合否判定があり、これに合格した者だけが口述試験に進み、口述試験の結果を踏まえて最終合否が決まる2段階選抜です。教育科学専攻には第一次判定はなく、外国語筆記試験と口述試験の両方を全員が受験します。試験はいずれも名古屋大学大学院教育発達科学研究科(教育学部本館)で実施されます。
教育科学専攻の試験科目
2027年度[第1期試験]の教育科学専攻は、2026年9月8日(火)10:00〜10:40に筆記試験(外国語)、9月9日(水)・9月10日(木)の各9:00から口述試験が行われる日程です。筆記試験(外国語)は英語または日本語のいずれか、受験者が選択した自国語以外の言語について、一般教養的な語学力を筆記により試験するもので、文献の大意を理解できる程度の語学力が評価対象です。冊子体の語学辞書1冊の持ち込みが認められています。口述試験は、出願書類の(5)これまでの研究テーマまたは卒業論文の概要[様式2]と(6)研究計画[様式3]の記載事項を含む研究事項、および関連学力について行われ、提出書類の内容について説明を求められたうえで質疑応答が行われます。
心理発達科学専攻の試験科目
心理発達科学専攻は、2026年9月9日(水)9:00〜10:00に筆記試験(外国語)、同日10:30〜12:00に筆記試験(専門科目)、9月10日(木)9:00から口述試験という日程です。専門科目は、志望する講座・領域によって出題内容が分かれます。心理社会行動科学講座(心理行動科学領域)または精神発達臨床科学講座(臨床心理学領域)を志望する者は「心理発達科学」を、スポーツ行動科学講座(スポーツ行動科学領域)を志望する者は「スポーツ行動科学」を選択します。
「心理発達科学」は、計量心理学、認知心理学、教授・学習心理学、パーソナリティ心理学、社会心理学、生涯発達心理学、臨床心理学、家族心理学、学校心理学、発達精神科学の範囲から出題され、共通問題(心理学研究法・統計を含む)1問に加えて、選択問題4問中2問を選んで解答する、計3問構成です。「スポーツ行動科学」はスポーツ心理学と運動学習科学から出題されます。外国語筆記試験は、心理行動科学領域・臨床心理学領域・スポーツ行動科学領域の3領域に共通する英語力を測るもので、辞書は「英和・和英」など2冊分の機能を持つものを除き、冊子体1冊の使用が認められています。口述試験は主として研究・学修計画について行われますが、教育科学専攻と同様、出願書類(5)(6)の記載内容に関する質疑が中心です。
| 専攻 | 筆記試験(外国語) | 筆記試験(専門科目) | 口述試験 |
|---|---|---|---|
| 教育科学専攻 | 英語または日本語、40分、辞書持込可 | 実施なし | 研究テーマ・研究計画・関連学力について |
| 心理発達科学専攻 | 3領域共通の英語、60分 | 心理発達科学 または スポーツ行動科学、90分 | 筆記試験の第一次判定通過者のみ実施 |
判定の方法・基準についても、募集要項に専攻ごとの考え方が明記されています。教育科学専攻の筆記試験(外国語)は、「教育科学、また隣接する経験諸科学に関する高度な専門的知識とリサーチスキルを身につけるために必要となる基礎外国語力、および外国語文献の読解力」を評価するとされ、書類審査・口述試験は研究成果と入学後の研究計画に関する内容を総合的に評価すると説明されています。心理発達科学専攻は、筆記試験(外国語・専門科目)で「心理発達科学に関する高度な専門的知識とリサーチスキルを身につけるために必要な基礎的学力」を評価し、書類審査・口述試験では論理的批判的思考力・判断力、協働的コミュニケーション能力、研究への意欲を評価したうえで、総合的に選抜を行うとされています。
試験当日の注意事項も細かく定められています。筆記試験・口述試験とも、試験開始15分前までに入室(口述試験は控室で待機)する必要があり、15分以上遅刻すると口述試験は受験できません。未受験の科目が生じた場合、それ以降のすべての試験を受験できなくなる規定があるため、複数科目のうち1つでも欠席すると選考対象から外れてしまいます。携帯電話、PC、スマートフォン、ウェアラブル端末、タブレット端末、電子辞書、ICレコーダー、イヤホン、音楽プレーヤー、電卓等の電子機器類の使用は、特別に許可された場合を除きすべて不正行為として扱われ、発覚した場合はその場で受験中止・退室となり、受験したすべての科目の成績が無効になります。試験場に時計は設置されていないため、計時機能のみの腕時計を持参できます。
高度専門職業人養成コースの試験科目の違い
高度専門職業人養成コースのうち、生涯学習研究コースの試験科目・日程は一般コースの教育科学専攻とほぼ同じ構成(外国語筆記試験40分+口述試験)ですが、口述試験では研究・学修計画に加えて職務および社会的活動についても試問される点が異なります。心理開発研究コース・心理臨床研究コースは一般コースの心理発達科学専攻と同様に外国語・専門科目の筆記試験と口述試験が課されますが、書類審査の対象に職務・社会的活動説明書[様式4]が加わり、口述試験でも社会人としての経験と入学後の研究計画の接続が問われます。一般コースと高度専門職業人養成コースのどちらで受験するかによって、研究計画書で強調すべき内容や口述試験での想定質問が変わってくるため、自分がどちらの出願条件(3年以上の職業経験または社会的活動の経験の有無など)に該当するかを早めに確認しておくことが重要です。
高度専門職業人養成コースの各研究コースには、一般コースにはない出願条件も定められています。心理開発研究コースは、心理学系もしくは体育学系の学部・学科・専攻を卒業した者またはこれと同程度の専門知識を有する者であることが条件で、心理臨床研究コースは心理学系の学部・学科・専攻の卒業者かつ心理学系科目の単位を出願時に20単位以上取得していることが条件です。生涯学習研究コースには学部の専門分野に関する条件はなく、3年以上の職業経験または社会的活動の経験があれば出願できます。このように、同じ高度専門職業人養成コースの中でも研究コースによって出願条件が異なるため、自分のこれまでの学部での専攻や取得単位が、志望する研究コースの条件を満たしているかを募集要項の該当箇所で必ず確認してください。
研究計画書・研究テーマ概要書と研究室訪問
本研究科の出願書類の中核は、これまでの研究テーマまたは卒業論文の題目とその概要[様式2]と、研究計画[様式3]の2種類です。教育科学専攻は様式2を約4,000字・4部、様式3を約2,000字・4部提出します。心理発達科学専攻は様式2を約1,000字・6部(英文の場合は約400語)、様式3を約2,000字・6部(英文の場合は約800語)提出する必要があり、専攻によって求められる分量とニュアンスが異なる点に注意してください。教育科学専攻は既卒者であれば卒業論文、卒業見込みの者であれば進行中の研究についてテーマ・題目と概要を記述し、大学院や研究生として1年以上在籍したことがある者は修士論文や研究論文を添付できます。
心理発達科学専攻の様式3では、応募の動機、主として学修・研究したい内容、修了後の活用方法などを含めて記述することが求められています。いずれの専攻でも、研究計画は志望する講座・研究領域の教員が担当する範囲と接続している必要があり、専門用語だけを並べた抽象的な計画では、口述試験での質疑に耐えられません。書きたいテーマ、そのテーマを扱う必要がある理由(問題意識)、これまでの学習歴・卒業論文との関連、研究の方法(文献研究、調査、実験など)、志望する講座・研究領域の教員やカリキュラムとの接続、修了後の展望という要素を、様式の指定字数の範囲でどう配分するかが、書類審査と口述試験の両方の評価を左右します。
様式2・様式3を作成するときに整理しておきたい要素は、次のとおりです。
- 研究テーマ・題目(何を明らかにしたいのか、一文で言い切れる形にする)
- 問題意識(なぜそのテーマに取り組む必要があるのか、社会的・学術的な背景)
- これまでの学習歴・卒業論文との関連(既卒者は卒業論文、卒業見込みの者は進行中の研究内容)
- 研究方法(文献研究、質問紙調査、実験、事例研究、制度比較など具体的な手法)
- 志望する講座・研究領域の教員・カリキュラムとの接続(誰のもとで何を学びたいか)
- 修了後の展望(専門性をどう活かすか)
説得力に欠けやすいのは、「名古屋大学は伝統があるから志望した」「教育発達科学研究科で幅広く学びたい」といった、研究科名を入れ替えても成立してしまう記述です。説得力のある研究計画書は、志望する具体的な講座名・研究領域名(たとえば相関教育科学講座の教育社会学、精神発達臨床科学講座の臨床心理学など)を挙げたうえで、その領域で扱われている理論・調査手法と、自分がこれまで学んできた内容がどこでつながるのかを、具体的な言葉で説明する構成になります。心理発達科学専攻のように専門科目の筆記試験がある場合は、研究計画書の記述内容と筆記試験で問われる専門知識の水準がずれていないかも、あわせて確認しておくと口述試験での一貫性が保ちやすくなります。
志望する講座・研究領域が具体的に決まっている場合は、様式2・様式3の記述をその領域の教員の研究内容と結びつける作業が特に重要になります。たとえば学校情報環境学講座の教育方法学を志望するなら、関心のある授業実践や指導法の事例を、どの先行研究の理論枠組みと結びつけて分析するのかを先に決めておく必要があります。心理社会行動科学講座の社会心理学を志望する場合も同様に、扱いたい対人行動や集団過程のテーマを、講座で扱われている調査法や実験法のどれと結びつけて検証するのかを、様式3の限られた字数の中で具体的に書き分けることが、口述試験での説明のしやすさに直結します。
2027年度学生募集要項には、研究室訪問や指導教員への事前連絡を出願の必須条件とする記載はありません。ただし口述試験では、提出した様式2・様式3の内容について説明を求められ、その内容に関する質疑を受けたうえで総合的に評価される仕組みのため、志望する講座・研究領域で実際にどのような研究が行われているかを、教員の著作や研究科紀要、シラバスなどで事前に把握しておくことは、書類作成と口述試験対策の両面で実務上有効です。志望理由書と研究計画書の違いや基本構成を先に押さえておくと、様式2・様式3をどう書き分けるかを整理しやすくなります。研究計画書の完成度に不安がある場合は、専門の指導を受けながら仕上げていく方法も選択肢になります。
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出願・試験日程のスケジュール
2027年度学生募集要項[第1期試験]の日程は、一般コースと高度専門職業人養成コースでほぼ共通しています。インターネット出願は2026年7月13日(月)〜7月29日(水)15時、出願書類の郵送受付は2026年7月27日(月)〜7月31日(金)16時で、インターネット出願の受付が先に締め切られる点に注意が必要です。インターネット出願が完了しても出願書類の郵送が済むまでは出願完了にならないため、両方の期限を別々に管理してください。
| 項目 | 2027年度[第1期試験]の日程 |
|---|---|
| 個別審査(出願資格9号)書類締切 | 2026年7月17日(金)必着 |
| インターネット出願受付 | 2026年7月13日(月)〜7月29日(水)15時 |
| 出願書類 郵送受付 | 2026年7月27日(月)〜7月31日(金)16時 |
| 教育科学専攻 筆記試験(外国語) | 2026年9月8日(火)10:00〜10:40 |
| 心理発達科学専攻 筆記試験(外国語・専門科目) | 2026年9月9日(水)9:00〜12:00 |
| 教育科学専攻 口述試験 | 2026年9月9日(水)・9月10日(木)9:00〜 |
| 心理発達科学専攻 口述試験 | 2026年9月10日(木)9:00〜(第一次判定通過者のみ) |
| 合格発表 | 2026年9月16日(水)17時頃 |
| 入学手続の通知 | 2027年3月初旬頃(郵送) |
心理発達科学専攻では、筆記試験による第一次合否判定の結果と口述試験の時程表が、2026年9月9日(水)21:00までに研究科玄関に掲示されるとともに、研究科ウェブサイトにも掲示される予定です。口述試験の日時について、受験者個別の要望には応じられない運用となっているため、試験当日は掲示を待つ前提でスケジュールを空けておく必要があります。合格発表は2026年9月16日(水)17時頃に研究科玄関への掲示で行われ、研究科ウェブサイトにも参考掲載されますが、玄関掲示が正式な発表とされています。合格者には後日、出願時に登録した住所宛てに合格通知が郵送されます。
学生納入金は、入学料282,000円(予定額)、授業料(年額)535,800円(予定額)です。入学手続時には入学料の納入が必須とされており、在学中に金額が改定された場合は改定後の金額が適用されます。なお、教育発達科学研究科は2022年度から長期履修学生制度を導入しており、職業を有している等の事情で標準修業年限での修了が難しい学生が、修業年限を超えて計画的に教育課程を履修できる仕組みも用意されています。社会人として高度専門職業人養成コースへの出願を検討する場合、この制度もあわせて確認しておくとよいでしょう。
第1期試験に加えて、博士前期課程には第2期試験も設けられています。2027年度[第2期試験]は、オンライン出願が2026年12月2日〜21日15時、郵送受付が2026年12月17日〜23日16時、学力試験が2027年1月26日〜28日(専攻により実施日が異なる場合あり)、合格発表が2027年2月3日(水)という日程です。個別審査(出願資格9号)を希望する場合の書類締切は2026年11月20日です。第1期試験の準備が間に合わなかった場合や、第1期試験が不合格だった場合でも、第2期試験に再度出願できる可能性があるため、募集要項が公開され次第、研究科公式サイトで最新の募集人員・試験科目を確認してください。障害等があって試験場での特別な配慮を必要とする場合は、第1期試験では2026年7月17日(金)必着で受験上の配慮申請書などを提出する必要があります。
倍率・難易度をどう考えるか
名古屋大学が公表している大学院入学状況(令和5年4月1日現在)によると、教育発達科学研究科全体(博士前期課程・修士課程)の入学定員は54名、志願者数は105名、入学者数は36名(男子11名、女子25名)でした。志願者数105名を入学者数36名で単純に割ると、研究科全体でおよそ2.9倍という水準になります。ただしこれは志願者数と入学者数の比較であり、実際の合格者数(合格したが入学しなかった者を含む数)にもとづく厳密な実質倍率とは異なる点、また専攻別・講座別の内訳ではなく研究科全体の数値である点には注意してください。同時期の博士後期課程は、入学定員31名に対して志願者数45名、入学・進学者数34名と公表されています。
教育科学専攻・心理発達科学専攻それぞれの募集人員は、第1期試験と第2期試験を合算して教育科学専攻32名、心理発達科学専攻22名と公表されていますが、講座・研究領域ごとの募集人員は「若干名」としか示されておらず、年度ごとの志願者数・合格者数の詳細は学生募集要項では開示されていません。心理発達科学専攻は筆記試験による第一次合否判定があるため、外国語・専門科目の筆記試験の出来が口述試験に進めるかどうかを左右する構造になっており、教育科学専攻より選抜のハードルが多段階になっている点も、体感的な難易度に影響します。
倍率だけを見て「入りやすい・入りにくい」を判断するのは適切ではありません。臨床心理学領域のように資格取得と直結する講座は、心理学系出身者を中心に応募が集まりやすい一方で、教育科学専攻の中でも専門性の細かい研究領域は、その分野を専門的に研究してきた志願者が少ない年度もあります。不合格者には、開示請求(試験後2週間〜2ヶ月以内、科目別百分率での開示)により自分の試験結果を確認できる制度もあるため、複数年度の傾向を単純な倍率の数字だけで判断せず、志望する講座・研究領域の教員構成や研究内容と自分の研究計画がどれだけ接続しているかをあわせて検討することをおすすめします。
| 課程 | 入学定員 | 志願者数 | 入学(進学)者数 |
|---|---|---|---|
| 博士前期課程・修士課程 | 54名 | 105名 | 36名(男子11名、女子25名) |
| 博士後期課程・医学博士課程 | 31名 | 45名 | 34名(男子16名、女子18名) |
出典:名古屋大学「大学院入学状況」(令和5年4月1日現在、研究科全体の公表値)
この表からは、博士後期課程の志願者数と入学・進学者数の差が博士前期課程よりも小さいことが読み取れます。博士前期課程から博士後期課程へ進学する場合、教育マネジメントコースや心理危機マネジメントコースといった専門コースを新たに選べる点も、この研究科でキャリアを長期的に考えるうえでの特徴です。ただし年度によって志願者数・入学者数は変動するため、この数値はあくまで直近で確認できた参考値として扱い、出願を検討する年度の最新状況は研究科の公表資料や問い合わせで確認してください。
過去問分析・出題予測と口述試験(面接)対策
教育発達科学研究科は、博士前期課程入試の過去問題と出題意図を研究科公式サイトで公開しています。2024〜2026年度の教育科学専攻・心理発達科学専攻の過去問題がPDFで公開されており、無料で閲覧・ダウンロードできます。ただし、既存の著作物の一部を出題に使用した箇所は、著作権者の許諾を得ていないためウェブサイト上では非公開とされ、出典文献名と使用箇所のみが公開される扱いです。非公開部分も含めて実物を確認したい場合は、名古屋大学東山キャンパスの文系総合館1階にある文系教務課で閲覧できますが、持出・コピー・撮影は著作権の関係で厳禁とされています。
公式に公開されている教育科学専攻の出題意図PDFを2025年度分・2026年度分で照合すると、記載内容(筆記試験・口述試験それぞれで問う能力の説明)は同一でした。評価の観点そのものは年度をまたいで大きく変わっていないと考えられるため、直近の過去問1年分だけでなく、公開されている2024〜2026年度の3年分すべてに目を通し、出題形式(要約・意見論述・専門用語の説明・具体例提示など)の型を把握しておくことが、初見の出典・テーマに対応する力を養ううえで有効です。
教育科学専攻の出題傾向
2026年度入学者選抜(2025年9月17日実施分)の教育科学専攻・外国語(日本語)の問題は、鈴木篤『日本における教育学の発展史—教員の集合的属性に着目したプロソポグラフィ』(九州大学出版会、2023年)を出典とし、教育学という学問の特徴とそのディシプリンの全体像の解明をめぐる課題という2つの論点を200字程度でまとめさせる設問と、その文章に対する自分の考えを述べさせる設問の2問構成でした。同年度の外国語(英語)は、教育学分野の英語論文(Heather Finch, Shelby Longard, Amy Hodges Hamilton “The Personal as Transformative in the Liberal Arts Classroom,” 2020)を出典とし、大意を日本語で200字程度にまとめさせる設問でした。
公式の出題意図でも、外国語(英語・日本語)は「基本的な語学の知識をもとに文章の論旨を正確に理解したうえで、その内容を日本語で的確に表現することができるか」を問うと明記されており、専門用語の暗記量よりも、教育学関連の学術文献を要約し、自分の言葉で意見を述べる訓練の方が実際の出題形式に合っています。口述試験の出題意図は「提出書類の内容について適切に説明し、その内容およびそれに関連する事項についての質疑に適切に答えることができるか」とされており、募集要項の記載と過去問の実施内容から見ても、研究計画書と卒業論文概要を自分の言葉で説明できる状態を作ることが最優先の対策になります。
心理発達科学専攻の出題傾向
2026年度入学者選抜の心理発達科学専攻・外国語筆記試験は、英文和訳2題で構成されており、教育心理学のテキスト(O’Donnell, Reeve, & Smith (Eds.) “Educational Psychology: Reflection for Action,” 2nd ed., Wiley, 2008)と、発達心理学の学術論文(Van Petegem et al., “Examining the longitudinal association between oppositional defiance and autonomy in adolescence,” Developmental Psychology, 51, 2015, pp.67-74)から出題されていました。専門科目「心理発達科学」は、共通問題(必須)として心理学の研究法・統計に関する用語(行動目録法/チェックリスト法、点双列相関係数など)の説明を求める設問、選択問題として社会的表示規則・批判的思考、多元的無知・少数派の影響・システム正当化理論、3段階の心理教育的援助サービス、統合失調症の陽性症状・陰性症状と治療・支援方法という4問が出題され、この中から2問を選んで解答する構成でした。
「スポーツ行動科学」は、アスリートの競技引退による不適応をアイデンティティ形成の観点から説明させる問題、プレッシャーによるパフォーマンス低下(あがり)のメカニズムを注意・意識・運動制御の観点から説明する理論を挙げさせる問題、フィードバックに関する問題、運動・スポーツ場面における制約を利用した練習方法を問う問題の4問全問解答という構成でした。共通問題(心理学研究法・統計を含む)が必ず出題される設計のため、心理行動科学領域・臨床心理学領域を志望する場合は、心理統計と研究法の基礎を優先的に固めたうえで、専門分野ごとの用語説明・具体例提示の練習を積むという優先順位が合理的です。公式の出題意図でも、専門科目は「計量心理学、認知心理学、教授・学習心理学、パーソナリティ心理学、社会心理学、生涯発達心理学、臨床心理学、家族心理学、学校心理学、発達精神科学、および近接領域に関する専門的知識と思考力を問う」と説明されており、過去問の出題範囲とも整合しています。
過去問で実際に出典として使われた文献の傾向を踏まえると、教育科学専攻志望者は教育学・教育行政学関連の学術書や英語論文を日常的に読み、200字程度で要約し自分の意見を添える練習を繰り返すことが実践的な対策になります。前述の鈴木篤『日本における教育学の発展史』やFinchらの論文のように、出典は教育学に関する専門書・学術論文全般から選ばれており、特定のテキストに的を絞った対策は難しいのが実情です。心理発達科学専攻志望者も同様に、教育心理学・発達心理学分野の英語テキストや学術論文の抄読に慣れておくと、当日の英文和訳と専門用語の説明の両方に対応しやすくなります。
口述試験(面接)対策
両専攻に共通して、口述試験では出願書類(5)これまでの研究テーマまたは卒業論文の概要[様式2]と(6)研究計画[様式3]の内容について説明を求められ、それに関連する質疑を受けます。受験者は口述試験の際に提出書類の写しを持参でき、口述の際にそれらを参照することも認められています。想定質問としては、なぜこの研究テーマに取り組みたいのか、これまでの学習歴・卒業論文とどうつながっているのか、志望する講座・研究領域のどの教員のもとで何を明らかにしたいのか、研究方法として何を想定しているのか、修了後どのような進路を考えているのか、といった項目が中心になります。高度専門職業人養成コースの受験者は、これらに加えて職務・社会的活動をどのように学修・研究へ接続するのかも問われます。
口述試験当日の運用にも注意点があります。試験開始15分前までに控室で待機する必要があり、15分以上遅刻すると口述試験を受験できません。携帯電話・スマートフォン・ウェアラブル端末・電子辞書・ICレコーダーなど電子機器類の使用は不正行為として扱われるため、試験室に入る前にすべて電源を切ってかばんに入れておく必要があります。心理発達科学専攻は筆記試験の結果による第一次合否判定を経てから口述試験に進む2段階選抜のため、まず外国語・専門科目の筆記試験で基礎点を確保できるかどうかが、口述試験に進めるかどうかの分岐点になる点も踏まえて準備を進めてください。
ここまでの過去問分析と募集要項の記載をふまえると、対策の優先順位は次のように整理できます。
- 教育科学専攻志望者は、教育学・隣接分野の学術文献(日本語・英語とも)を200字程度で要約し、自分の意見を論述する練習を優先する
- 心理発達科学専攻(心理行動科学・臨床心理学領域)志望者は、心理学研究法・統計の基礎知識を固めたうえで、専門用語を具体例つきで説明する練習を積む
- 心理発達科学専攻(スポーツ行動科学領域)志望者は、スポーツ心理学・運動学習科学の主要理論を、スポーツ場面の具体例と結びつけて説明できるようにする
- 両専攻とも、様式2・様式3で記述した内容を口頭で過不足なく説明できるよう、模擬口述の形式で練習する
- 試験当日の持ち物・電子機器の扱い・入室時刻などの運用ルールを事前に確認し、当日の減点要因をなくしておく
併願戦略・関連記事
教育発達科学研究科は教育科学専攻と心理発達科学専攻で試験科目・選抜方式が大きく異なるため、同じ研究科内で複数の講座・研究領域を併願することは制度上できません(志望講座・研究領域は出願時に1つだけ選択)。教育学系の他大学の研究科と併願する場合は、外国語試験の形式(英作文・和訳・要約など)や口述試験の比重が大学ごとに異なるため、それぞれの募集要項を並べて確認しておくと、対策の優先順位をつけやすくなります。教育学系の外部院試全般の対策は大学院入試対策の完全ガイド|院試の全体像・スケジュール・科目別対策を徹底解説で全体像を確認できるほか、同じ中部地方の国立大学の状況は名古屋大学大学院入試を徹底解説|実施研究科・募集要項・過去問対策で研究科横断の傾向を把握できます。
心理発達科学専攻の精神発達臨床科学講座(臨床心理学領域)を、公認心理師や臨床心理士の資格取得を見据えて志望する場合は、資格制度と大学院選びの関係を先に整理しておくことをおすすめします。公認心理師の受験資格には、大学院で指定科目を修めるルート(第1区分)があり、この研究科の臨床心理学領域はその対象になりますが、資格取得までの流れは公認心理師の大学院(第1区分)とは|選び方・入試科目・研究計画書・面接対策を徹底解説で詳しく解説しています。研究計画書・志望理由書の基本的な構成や書き方に不安がある場合は、前述のとおり関連記事や専門の指導を活用しながら、志望する講座・研究領域に合わせて内容を作り込んでいくことが、限られた準備期間を有効に使うポイントになります。
博士前期課程の修了後、そのまま博士後期課程へ進学するかどうかも、外部院試の段階で考えておきたい論点です。博士後期課程には教育科学専攻・心理発達科学専攻に加えて、教育マネジメントコースと心理危機マネジメントコースという専門コースがあり、博士前期課程で扱った研究テーマをどこまで発展させられるかは、志望する講座・研究領域の教員の研究指導体制によって変わります。第1期試験の準備に不安が残る場合は、2027年1月26日〜28日に実施予定の第2期試験(オンライン出願2026年12月2日〜21日)も選択肢に入りますが、募集要項は試験区分ごとに毎年更新されるため、出願を検討する時点で必ず最新版を確認してください。大学院入試対策コースでは、出願資格の確認から研究計画書の添削、口述試験の想定質問対策まで、志望する研究科・専攻に合わせた個別対応を行っています。
よくある質問(FAQ)
名古屋大学大学院教育発達科学研究科の外部院試は、名古屋大学以外の出身でも受験できますか
はい。出願資格は学校教育法第83条に定める4年制大学を卒業した(見込みの)者など9区分で定められており、出身大学を名古屋大学に限定する規定はありません。高専・短大・専門学校出身者などは、出願資格9号にあたる個別の入学資格審査の対象になり、審査を希望する場合は2026年7月17日(金)必着で審査書類を提出する必要があります。
TOEICやTOEFLのスコア提出は必要ですか
2027年度学生募集要項を確認する限り、TOEIC・TOEFLなど外部英語試験のスコア提出を出願資格や選考の必須要件とする記載はありません。外国語力は、教育科学専攻では英語または日本語の筆記試験(40分、辞書持込可)、心理発達科学専攻では英語の筆記試験(60分)によって、研究科内で直接評価されます。
研究計画書は何字くらい書く必要がありますか
研究計画[様式3]は、教育科学専攻が約2,000字・4部、心理発達科学専攻が約2,000字・6部(英文の場合は約800語)です。あわせて、これまでの研究テーマまたは卒業論文の概要[様式2]も、教育科学専攻は約4,000字・4部、心理発達科学専攻は約1,000字・6部(英文の場合は約400語)提出します。
研究室訪問や指導教員への事前連絡は必須ですか
2027年度学生募集要項に、研究室訪問や指導教員への事前連絡を出願の必須条件とする記載は確認できません。ただし口述試験では出願書類(研究テーマの概要・研究計画)の内容について質疑が行われるため、志望する講座・研究領域の教員の研究内容を事前に把握しておくことは、回答の説得力を高めるうえで実務上有効です。
心理発達科学専攻の口述試験は誰でも受けられますか
心理発達科学専攻では、筆記試験(外国語・専門科目)の結果にもとづく第一次合否判定があり、これに合格した者だけが口述試験に進みます。第一次判定の結果と口述試験の時程表は、2027年度[第1期試験]の日程では2026年9月9日(水)21:00までに研究科玄関とウェブサイトに掲示され、受験者個別の問い合わせには対応していません。
過去問はどこで入手できますか
研究科公式サイトの博士前期課程入試ページで、2024〜2026年度の過去問題と出題意図がPDFで公開されています。ただし既存の著作物を使用した設問部分は著作権の関係で非公開の場合があり、その部分は名古屋大学東山キャンパスの文系教務課の窓口で閲覧のみ可能です(コピー・撮影不可、販売も行っていません)。
高度専門職業人養成コースと一般コースはどちらを受験すべきですか
高度専門職業人養成コースは、入学時点で3年以上の職業経験または社会的活動の経験を有する者が対象で、一般コースと同時に出願することはできません。研究・学修計画などの出願書類に加えて職務および社会的活動説明書[様式4]の提出が求められ、口述試験でも社会人としての経験と入学後の研究計画の関連が問われる点が一般コースと異なります。
合格発表はどのように行われますか。不合格だった場合の再受験のチャンスは
2027年度博士前期課程[第1期試験]では、2026年9月16日(水)17時頃に研究科玄関への掲示で合格発表が行われ、後日、出願時に登録した住所宛てに合格者のみ通知が郵送されます。研究科ウェブサイトにも参考として掲載されますが、玄関掲示が正式な発表とされている点に注意してください。第1期試験が不合格だった場合でも、第2期試験(2027年1月26日〜28日実施予定、オンライン出願は2026年12月2日〜21日)に再度出願できる可能性がありますが、募集人員や試験科目の詳細は試験区分ごとに公表される募集要項で確認してください。
まとめ
名古屋大学大学院教育発達科学研究科の外部院試は、教育科学専攻が外国語筆記試験と口述試験の2段階、心理発達科学専攻が外国語・専門科目の筆記試験による第一次判定を経て口述試験に進む3段階の選抜であり、専攻によって選抜の構造そのものが異なります。TOEIC・TOEFLなど外部スコアの提出は必須とされておらず、外国語力は研究科内の筆記試験で直接評価される点、研究計画[様式3]とこれまでの研究テーマ・卒業論文の概要[様式2]が口述試験の質疑の中心になる点は、両専攻に共通する重要なポイントです。過去問と出題意図を確認すると、教育科学専攻は学術文献の要約・意見論述、心理発達科学専攻は心理学の専門用語説明と英文読解が繰り返し出題されており、暗記だけでなく、自分の研究計画をその出題形式に合わせて言語化する練習が対策の中心になります。
出願資格・試験科目・研究計画書・日程は、一般コースと高度専門職業人養成コースで一部異なり、志望する講座・研究領域によっても募集人員や過去の出題傾向が変わります。まずは自分がどの専攻・講座・コースの出願条件に該当するのかを整理したうえで、様式2・様式3の作成、外国語・専門科目の過去問演習、口述試験の想定質問対策という3つを並行して進めることが、限られた準備期間を有効に使う近道になります。募集要項の内容は年度によって変わるため、出願前には必ず研究科公式サイトで最新の情報をご確認のうえ、志望する講座・研究領域に合わせた準備を進めてください。
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