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名古屋大学大学院 経済学研究科の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

名古屋大学大学院 経済学研究科の外部院試を徹底解説の記事アイキャッチ画像。大学院入試対策の出願資格・試験科目・対策を示す図解。
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名古屋大学大学院経済学研究科は、社会経済システム専攻と産業経営システム専攻の2専攻からなる大学院で、経済学部以外の学部・大学の出身者が受験するいわゆる外部院試の志願者も毎年一定数含まれています。博士前期課程(修士課程)の入試は、研究者養成コースと高度専門人養成コースからなる一般選抜、社会人特別選抜、外国人留学生特別選抜の3つの区分に分かれ、区分によって出願資格・提出書類・選抜方法が異なります。学科試験は志望専攻に応じたA〜D類(社会人コースはE類も加わる)から科目を選択する方式で、外国語試験は独自の筆記を課さずTOEFL-iBTやTOEICなどの外部スコアで評価される点も特徴です。本記事では、名古屋大学大学院経済学研究科が公表している2027年度博士前期課程の学生募集要項(一般選抜・社会人特別選抜)と、公開されている過去の入学者選抜状況・過去問題(出題の意図)をもとに、出願資格、募集人員、試験科目、研究計画書・学修計画書、日程、倍率、過去問の傾向までを整理します。検定料や受入可能教員リスト、学科試験の参考図書のように年度で改定されやすい項目は、本文中で確認した年度を明記しているため、出願を検討する年度の募集要項と読み比べながら参照してください。

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目次

名古屋大学大学院経済学研究科・専攻の概要と外部院試

名古屋大学大学院経済学研究科は、博士前期課程(修士課程)と博士後期課程からなる大学院で、アドミッション・ポリシーでは「優れた政策提言能力と卓越した倫理観を持つ経済人育成のために必要となる基礎学力と基本的な問題分析能力をもつ学生の入学を希望します」と明記されています。選抜の基本方針としては、一般選抜・外国人留学生特別選抜では外国語試験・学科試験・面接(口述試験)を課し、外国語試験では英語能力を証明する書類によって語学力を、学科試験では専攻分野に関連する基礎学力を、面接では基礎学力・研究に対する熱意・関連する資質を評価するとされています。国内外から優秀な人材を幅広く募集するため、学部新卒者だけでなく社会人や留学生も対象に含まれている点が、この研究科の入試制度の土台になっています。名古屋大学経済学研究科は1953年の新制大学院発足に伴い設置され、2000年3月の大学院重点化により現在の「名古屋大学大学院経済学研究科・経済学部」という名称・組織構成になった、歴史のある文系大学院です。

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社会経済システム専攻と産業経営システム専攻の違い

博士前期課程には社会経済システム専攻と産業経営システム専攻の2専攻があります。学科試験の科目区分と対応させると、社会経済システム専攻はミクロ経済学・マクロ経済学・計量経済学(A類)および政治経済学・経済史(B類)に、産業経営システム専攻は経営学(C類)および会計学(D類)にそれぞれ対応しています。2027年度の受入可能教員リストによると、社会経済システム専攻には20名、産業経営システム専攻には7名、両専攻にまたがって受入可能な教員が4名掲載されており、専攻を選ぶ段階で志望する研究テーマがどちらの分野に近いかを見極めることが、そのまま学科試験の選択科目や指導教員探しにつながります。専攻を跨いだ併願は制度上想定されておらず、志願票では専攻を1つ選択する形式です。

前期課程の3つのコース(研究者養成・高度専門人養成・社会人)

博士前期課程の一般選抜・外国人留学生特別選抜には、研究者養成コースと高度専門人養成コースの2コースが設けられています。研究者養成コースは博士後期課程への進学や研究者・専門職キャリアを見据え、1名の指導教員による研究指導を受けて修士論文に取り組むコースです。高度専門人養成コースは社会・実務での活躍を志向する人向けで、複数教員によるチーム制の研究指導が行われます。いずれも修了要件は講義・演習で30単位以上の修得と必要な研究指導を受けることで、授与される学位はどちらも修士(経済学)です。研究者養成コースと高度専門人養成コースは併願が可能で、併願を希望する場合は志願書の該当欄で「併願」を選択します。併願者の第一次試験の合否はコースごとではなく一括で判定され、第二次試験合格者に対しては合格発表時にどちらのコースでの合格かが個別に通知される仕組みです。これとは別に、通算3年以上の社会経験を持つ人を対象とした社会人特別選抜(社会人コース)があり、社会人コースを希望する場合は一般選抜ではなく社会人特別選抜の募集要項に沿って出願します。

「外部院試」という言葉が指すもの

経済学研究科の募集要項自体には「外部生用」「内部生用」といった区分は設けられておらず、名古屋大学経済学部以外の出身者が経済学研究科を受験するケースを指して、一般に外部院試と呼ばれています。出願資格は大学を卒業した者(卒業見込みを含む)であれば出身学部・出身大学を問わないため、経済学部以外の学部や他大学出身者でも同じ募集区分・同じ試験科目で受験します。研究計画書には志望する指導教員の研究分野との適合性を記載する欄があるため、経済学を体系的に学んでいない出身者ほど、後述する学科試験の科目選択と指導教員選びを早い段階から進めておく必要があります。募集要項には研究室訪問を出願の必須手続きとする記載は見当たりませんが、例年7月中旬に大学院入試説明会が開催されており、こうした機会を活用して情報収集することが実務上の対策になります。

博士後期課程への進学ルート

博士前期課程修了後に博士後期課程への進学を希望する場合は、博士後期課程進学試験、または博士後期課程編入学試験(一般選抜・外国人特別選抜)を別途受験します。2027年度の博士後期課程一般・外国人留学生入試(4月入学)は要項公表が6月下旬、出願期間が2026年12月14日〜17日、口述試験が2027年2月15日という日程で案内されています。10月入学の一般・外国人留学生入試や社会人特別選抜も別枠で用意されており、2026年度から高度専門人コース特別選抜は社会人特別選抜に統合されています。本記事は博士前期課程の外部院試を中心に扱いますが、博士後期課程からの受験を検討している場合は、別途公表される博士後期課程の募集要項を確認してください。

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実施専攻・募集人員・出願資格(語学スコア含む)

2027年度博士前期課程の募集人員は、一般選抜(研究者養成コース・高度専門人養成コース)と社会人特別選抜(社会人コース)を合わせて、社会経済システム専攻30名、産業経営システム専攻14名、合計44名です。この44名という枠は外国人留学生特別選抜の合格者も含めて運用されていることが、後述する入学者選抜状況のデータからも確認できます。区分ごと・専攻ごとに何名ずつ合格しているかという内訳は募集要項に明示されていないため、区分別の実質的な枠の大きさを厳密に見積もることはできません。

一般選抜の出願資格

一般選抜の出願資格は次の9号にわたって規定されています。

  • (1)大学を卒業した者及び2027年3月31日までに卒業見込みの者
  • (2)学校教育法第104条第7項の規定により学士の学位を授与された者及び授与される見込みの者
  • (3)外国において学校教育における16年の課程を修了した者及び修了見込みの者
  • (4)外国の学校が行う通信教育における授業科目を我が国において履修することにより、当該外国の学校教育における16年の課程を修了した者及び修了見込みの者
  • (5)我が国において、外国の大学の課程を有するものとして当該外国の学校教育制度に位置付けられた教育施設であって、文部科学大臣が別に指定するものの当該課程を修了した者及び修了見込みの者
  • (6)修業年限が3年以上である外国の大学等の課程を修了し、学士の学位に相当する学位を授与された者及び2027年3月31日までに取得見込みの者
  • (7)専修学校の専門課程(修業年限4年以上等の要件を満たすもの)又は専攻科を文部科学大臣が定める日以後に修了した者及び修了見込みの者
  • (8)文部科学大臣の指定した者(昭和28年文部省告示第5号)
  • (9)研究科の個別の入学資格審査により、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、2027年3月31日までに22歳に達する者

このうち(5)(8)(9)など外国の学校教育制度に関わる号や、文部科学大臣の指定に関わる号、個別の入学資格審査を要する号で出願する場合は、2026年7月17日(金)までに経済学研究科入試担当への事前の問い合わせが必要とされています。高専・短大出身者など、大学卒業に相当する資格を通常の学歴要件では満たさない人が受験を検討する場合は、通常の出願期間より1か月以上早く動き出す必要がある点に注意してください。

社会人特別選抜の出願資格

社会人特別選抜の出願資格は、次の7号のいずれかの資格を取得した後、通算して満3年以上の社会経験を有することが共通条件になります。

  • (1)大学を卒業した者
  • (2)学校教育法第104条第7項の規定により学士の学位を授与された者
  • (3)外国において学校教育における16年の課程を修了した者
  • (4)外国の学校が行う通信教育における授業科目を我が国において履修することにより、当該外国の学校教育における16年の課程を修了した者
  • (5)我が国において、外国の大学の課程を有するものとして当該外国の学校教育制度に位置付けられた教育施設であって、文部科学大臣が別に指定するものの当該課程を修了した者
  • (6)文部科学大臣の指定した者(昭和28年文部省告示第5号参照)
  • (7)研究科の個別の入学資格審査により、大学を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者

募集要項に付随する「社会人コースへの出願にあたっての注意事項」によると、社会人とは家庭以外の社会と関わりを持つ人と位置づけられ、就業経験だけでなく国内外でのボランティア活動や地域の研究活動も社会経験として認められます。3年のカウントは職歴・ボランティア活動歴を合算して判定できます。単独で3年を超えているか、両方を合計して3年を超えていることが必要です。個別の入学資格審査に該当する場合の問い合わせ期限は、一般選抜と同じ2026年7月17日(金)です。なお、同注意事項では他の教育機関との二重在籍は認められないことも明記されています。

外国人留学生特別選抜の位置づけ

外国の学校教育を受けた者を対象に、外国人留学生特別選抜も別枠の募集要項で実施されています。2026年度(2026年4月入学)は要項公表が10月下旬、出願期間が2025年12月8日〜11日という日程で案内されており、外国語(英語)の筆記試験を実施せずTOEFL-iBT・TOEIC・IELTSのスコアで評価する点や研究計画書の提出が求められる点は一般選抜(研究者養成コース)と共通しています。前述の入学者選抜状況のとおり、外国人留学生特別選抜の合格者も社会経済システム専攻30名・産業経営システム専攻14名の募集人員の枠内でカウントされます。

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語学力の証明方法(TOEFL-iBT・TOEIC・IELTS)

一般選抜・外国人留学生特別選抜では、外国語(英語)の筆記試験を実施せず、TOEFL-iBT・TOEIC・IELTSのいずれかの外部スコアで語学力を評価します。2027年度一般選抜の要項では、いずれか一つの成績通知書を提出することとされ、受験日が2024年8月21日以降のもの(出願締切日の翌日から2年前までに受験したもの)が有効とされています。試験ごとに提出方法の指定があり、TOEFL-iBTはETSから研究科への公式スコア送信(指定受領校コード1614)とTest Taker Score Reportの両方、TOEICはOfficial Score Certificateまたはデジタル公式認定証(Listening&Readingのみ、Speaking&WritingやIPテストは不可)、IELTSはAcademic Moduleの成績証明書(General Training Moduleは不可)が求められます。社会人特別選抜の出願書類には英語能力を証明する書類が含まれておらず、社会人コースでは語学スコアの提出が求められない点が一般選抜との大きな違いです。

出願書類の一覧

一般選抜(研究者養成コース・高度専門人養成コース)の主な出願書類は次のとおりです。

  • 名古屋大学大学院志願票・写真票(インターネット出願サイトからダウンロードしA4判片面カラー印刷)
  • 経済学研究科志願書及び履歴書(研究科から交付)
  • 研究計画書(研究者養成コース志願者)または学修計画書(高度専門人養成コース志願者)、併願者は両方
  • 学業成績証明書(最終出身大学が作成したもの)
  • 卒業(見込)証明書(学士の学位を授与された者は学位授与見込証明書)
  • 英語能力を証明する書類(TOEFL-iBT・TOEIC・IELTSのいずれか)
  • 日本語能力試験認定結果及び成績に関する証明書(日本語を母語としない出願者のみ、任意)

社会人特別選抜では英語能力証明書類の代わりに、志願理由書、職務及び社会経験説明書、職歴等証明書(在職証明書、自営業の場合は納税証明書の写しなど)の提出が求められます。出願書類として求められる文章を生成AIにより作成することは認められていません。本研究科(経済学部)の卒業者・卒業見込者は学業成績証明書と卒業(見込)証明書の提出が不要とされており、出願手続きはインターネット出願サイトでの登録・検定料の支払い・出願書類の郵送という順序で完了します。検定料は30,000円で、出願手続き後の書類の変更や検定料の払戻しは認められません。

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試験科目(専門筆記・外国語・研究計画書・口述試験)

博士前期課程の選抜方法は、経済学研究科のアドミッション・ポリシーに基づき、学科試験・外国語試験(書類審査)・口述試験の組み合わせで実施されます。一般選抜・社会人特別選抜のいずれも学科試験と口述試験の2段階選抜で、外国語試験は前述のとおり独自の筆記を課さずスコア提出のみで評価される点が共通しています。学科試験は第一次試験、口述試験は第一次試験合格者のみが進める第二次試験という位置づけで、専門科目の基礎力が一定水準に達していなければ、研究計画の中身がどれだけ練られていても口述試験の機会そのものを得られない構造になっている点は、対策の優先順位を考えるうえで見落とせないポイントです。

学科試験のA〜E類と参考図書

学科試験は2026年9月1日(火)に実施され、専攻・コースに応じてA〜D類(社会人コースはE類も含む)から出題科目を選択する仕組みです。募集要項に掲載された参考図書・出題範囲は次のとおりです。

科目参考図書の例出題範囲
A類ミクロ経済学神取道宏『ミクロ経済学の力』日本評論社ミクロ・マクロ・計量経済学(統計学分野を含む)の各分野から1題ずつ、計3題出題
A類マクロ経済学マンキュー『マクロ経済学』I・II 東洋経済新報社同上
A類計量経済学Wooldridge, Stock&Watson『入門 計量経済学』ほか同上
B類政治経済学八木紀一郎『社会経済学:資本主義を知る』名古屋大学出版会政治経済学・経済史の各分野から1題ずつ、計2題出題
B類経済史Allen『なぜ豊かな国と貧しい国が生まれたのか』ほか同上
C類経営学特に指定なし経営戦略・マーケティング・経営組織・組織行動・生産管理の全般から計2題出題
D類会計学桜井久勝『財務会計講義』、山本ほか『スタンダードテキスト管理会計論』ほか財務会計・管理会計の全般から計2題出題
E類経済・経営事情(社会人コース専用)特に指定なし経済事情・経営事情に関する論述

選択のルールはコースによって異なります。研究者養成コース志願者はA〜D類より合計2題を選択しますが、自分の申請した専攻に対応する類から少なくとも1題は選択する必要があります(社会経済システム専攻はA・B類、産業経営システム専攻はC・D類に対応)。高度専門人養成コース志願者はA〜D類より1題を選択します。併願者は研究者養成コースの規定に従います。社会人コース志願者は、E類を含めた全体から類を問わず2題を選択する方式です。コース別の選択ルールと試験時間を整理すると次のとおりです。

コース選択できる類・題数試験時間(集合9:30)
研究者養成コースA〜D類より合計2題(志望専攻に対応する類から最低1題)10:00〜11:00、11:10〜12:10
高度専門人養成コースA〜D類より1題10:00〜11:00
併願(研究者養成・高度専門人養成)研究者養成コースの規定に従う10:00〜11:00、11:10〜12:10
社会人コースA〜E類より類を問わず2題10:00〜11:00、11:10〜12:10

C類(経営学)・D類(会計学)は参考図書が「特に指定しない」とされており、特定の教科書に沿った出題ではない点が特徴です。経営戦略・マーケティング・組織行動・生産管理や、財務会計・管理会計の全般的な理解が問われる設計です。産業経営システム専攻を志望する場合は、特定の1冊に絞り込むよりも、学部レベルの経営学・会計学の教科書を横断的に押さえておくほうが対応しやすいといえます。

出題形式は、社会人コースの募集要項に「論述」と明記されているとおり、選択式ではなく記述式です。次章で取り上げる「出題の意図」の内容から判断すると、用語や理論の定義を説明させる問題と、数式やモデルを用いて計算・導出させる問題が組み合わされていることが読み取れます。研究者養成コース・併願者は2時間で2題、高度専門人養成コースは1時間で1題、社会人コースは2時間で2題を解答する計算になり、1題あたりの持ち時間はおおむね50分から1時間程度です。時間内に論点を整理して記述しきる練習を、過去問を使って重ねておくことをおすすめします。

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外国語試験(英語スコア)の評価の位置づけ

外国語試験は学科試験当日に実施される筆記ではなく、出願時に提出したTOEFL-iBT・TOEIC・IELTSのスコアそのものを選考資料として使う書類審査の形をとっています。つまり、英語力の証明は出願締切までに完了させておく必要があり、学科試験・口述試験の直前になって語学スコアを用意することはできません。有効なスコアの受験日は出願締切日の翌日から2年前までとされているため、社会人など受験の機会が限られる人ほど、出願を検討し始めた時点で手元にあるスコアの受験日を確認し、有効期限に近い場合は早めに再受験の計画を立てることが実務上重要です。

出願書類受付期間から逆算した語学スコアの受験タイミング

外国語試験は学科試験当日の得点ではなく、出願時点で提出できる公式スコアの有無によって評価が完結します。出願書類受付期間は例年8月中旬から下旬の数日間に限られているため、受付期間の初日までに公式スコアが手元に届いている必要があるという前提で受験日を選ぶことが欠かせません。前述のとおりTOEFL-iBTは公式スコア送信の指定受領校コードの提出、TOEICは公式認定証の取得、IELTSは成績証明書の取得というように、証明書類を手元にそろえるまでの手続きが試験ごとに異なるため、証明書類の取得にかかる日数を試験選びの段階で見込んでおく必要があります。出願を検討し始めた段階で、手元にあるスコアの受験日が2年前の基準日を超えていないかを確認し、超えている場合は次にいつ受験できるかを調べたうえで、証明書類が出願書類受付期間の初日に間に合うよう逆算してスケジュールを組んでおくことをおすすめします。

研究計画書・学修計画書の記載事項

研究者養成コース志願者(併願者を含む)が提出する研究計画書は、研究テーマを明記したうえで、①これまでの学習状況、②これからの研究計画について、それぞれ日本語1000字程度もしくは英語400語程度で記述する形式です。研究計画には希望する指導教員の研究分野及び研究アプローチとの適合性についても記載することが求められています。高度専門人養成コース志願者が提出する学修計画書は、①これまでの学習状況、②博士前期課程で学びたい内容、③修了後のキャリアプランについて、それぞれ日本語700字程度もしくは英語300語程度で記述する形式で、研究計画書よりも実務・キャリア志向の内容が求められます。併願者はこの両方を提出します。用紙は研究科から交付され、構成・字数は募集要項の指示に従ってタイプ打ちで記述することとされています。

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口述試験(第二次試験)の内容

口述試験は第一次試験(学科試験・外国語試験)の合格者のみが対象で、2026年9月28日(月)・29日(火)・30日(水)のいずれかの日に、午前・午後に分けて実施されます。内容はコースによって異なり、研究者養成コース志願者は研究計画書やそれに関連する経済学・経営学の知識を問われ、必要に応じて研究上必要な外国語の能力についても確認されることがあります。高度専門人養成コース志願者は学修計画書に基づき、これまでの学習状況や今後の学習意欲、研究指導への適応力・コミュニケーション能力が確認されます。併願者は両方の要素に加え、外国語の能力確認が行われる場合があります。社会人コースの口述試験は2026年9月29日(火)15時開始予定の1日のみで、研究計画(希望研究テーマ)やそれに関連する経済学・経営学の知識に加え、志願理由書・職務及び社会経験説明書に記載した事項についても確認が行われます。

研究計画書・研究室訪問(指導教員の選び方)

研究計画書・学修計画書のいずれも、志願票の段階で希望指導教員を第1希望・第2希望の2名記入する欄が設けられています。社会人コースへの出願にあたっての注意事項では「必ず2名記入してください。記入してない場合は書類不備と見なします」と明記されており、指導教員選びは書類の完成度に直結する手続きです。教員の専門分野は経済学研究科ホームページの教員紹介や、募集要項に掲載される「受入可能教員リスト」で確認できます。

社会経済システム専攻の受入可能教員(抜粋)

2027年度の受入可能教員リストによると、社会経済システム専攻には次のような専門分野の教員が名を連ねています(掲載順、専門分野は要項の表記に基づく)。

氏名専門分野
伊藤カンナ西洋経済史
植村優貴マクロ経済学
木越義則アジア経済史
工藤教孝マクロ経済学
篠田和彦計量経済学
清水克俊金融論
周愚ミクロ経済学、マーケットデザイン、産業組織論
園田正農業経済
玉井寿樹公共経済学
田村彌情報の経済学
敦賀貴之応用マクロ経済学
土井康裕経済統合論
鍋島直樹政治経済学
花薗誠産業組織論
福澤直樹西洋経済史
藤田真哉政治経済学
萬行英二開発経済学
柳原光芳財政学
柳瀬明彦国際経済学
山内雄太計量経済学

マクロ経済学・政治経済学・西洋経済史のように同じ専門分野を掲げる教員が複数在籍しているケースもあるため、氏名だけでなく研究アプローチの違いまで確認したうえで第1希望・第2希望を検討することをおすすめします。

産業経営システム専攻・両専攻共通の受入可能教員

氏名専門分野専攻
浅見裕子財務会計産業経営システム専攻
犬塚篤経営組織論産業経営システム専攻
尾関規正財務会計、監査、経営分析産業経営システム専攻
仙場胡丹財務会計、監査産業経営システム専攻
樋野励生産管理、作業計画産業経営システム専攻
宮崎正也経営戦略産業経営システム専攻
山口景子マーケティング・サイエンス産業経営システム専攻
岡島広子オペレーションズ・マネジメント両専攻
髙橋聡経営情報両専攻
中島英喜ファイナンス両専攻
中屋信彦比較経営論両専攻

このリストは2026年度内に変更になる可能性があると募集要項に注記されているため、出願直前には必ず最新版の受入可能教員リストを確認することをおすすめします。募集要項自体には研究室訪問や指導教員への事前連絡を出願の必須要件とする記載は見当たりませんが、志願票への指導教員記入が書類不備の判定基準になっている以上、教員の研究分野や業績を早めに調べ、必要に応じてホームページ等で最新の研究状況を確認しておくことは、研究計画書・学修計画書の完成度を高めるうえで実務的に重要です。例年7月中旬に開催される大学院入試説明会(一般・社会人それぞれ別日程・別時間帯で実施)は、こうした情報収集の機会として活用できます。

研究計画書・学修計画書を書くときの実務ポイント

募集要項の記載事項を踏まえると、研究計画書・学修計画書を仕上げる際に押さえておきたい点は次のとおりです。

  • 研究テーマは学科試験で選択する類(A〜D類)のどれと対応するかを先に決め、志望専攻(社会経済システム専攻はA・B類、産業経営システム専攻はC・D類)との整合性を確認する
  • 研究者養成コースは「これまでの学習状況」と「これからの研究計画」を日本語1000字程度・英語400語程度に収め、字数の指示を厳守する
  • 高度専門人養成コースは「これまでの学習状況」「学びたい内容」「修了後のキャリアプラン」の3点を日本語700字程度・英語300語程度でまとめ、実務での活用イメージを具体的に書く
  • 希望する指導教員の研究分野・研究アプローチとの適合性を必ず明記し、第1希望・第2希望のどちらの教員にも接続できる内容にしておく
  • 併願する場合は研究計画書・学修計画書の両方を用意し、内容の一貫性を保つ
  • 用紙は研究科が交付する所定様式を使い、タイプ打ちで作成する(手書き不可)

研究計画書・学修計画書の内容は、学科試験の解答内容や口述試験での受け答えと矛盾しないことも重要です。たとえば社会経済システム専攻でマクロ経済学(A類)を選択する場合、研究計画書のテーマがマクロ経済学の理論的な問題関心と接続していれば、口述試験で研究計画と専門知識の関係を問われても一貫した説明がしやすくなります。逆に、研究計画書のテーマと学科試験の選択科目が大きく離れていると、専攻分野への理解の一貫性を口述試験で確認される可能性があるため、出願前に研究計画書(学修計画書)・学科試験の選択科目・希望指導教員の3点の整合性を一度見直しておくことをおすすめします。

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日程・スケジュール

2027年度博士前期課程一般選抜(一次募集)の日程は次のとおりです。出願書類の受付期間は例年8月中旬から下旬の数日間に限られるため、証明書類の発行期間も見込んで早めに準備を始める必要があります。

項目2027年度一般選抜(一次募集)
要項公表2026年5月
大学院入試説明会2026年7月15日(水) 一般13:00〜15:00、社会人18:30〜20:00(対面・オンライン、事前登録制)
障害等の配慮申請・出願資格個別審査の問い合わせ締切2026年7月17日(金)
インターネット出願登録期間2026年8月3日(月)〜8月19日(水)16:00
検定料30,000円(登録日を含め4日以内または8月19日16:00の早い方までに支払い)
出願書類受付期間(必着)2026年8月17日(月)〜8月20日(木)16:00
学科試験2026年9月1日(火)集合9:30
第一次試験合格発表2026年9月9日(水)18:00頃(予定)
口述試験(第二次試験)2026年9月28日(月)・29日(火)・30日(水)のいずれか
合格者発表2026年10月14日(水)18:00頃(予定)
入学手続き2027年3月下旬(予定)

社会人特別選抜(一次募集)もインターネット出願登録・出願書類受付期間・学科試験日・合格発表日は一般選抜と同じ日程で実施されます。口述試験のみ2026年9月29日(火)15時開始予定の1日に固定されている点が一般選抜との違いです。

出願書類チェックリスト

出願手続きは、インターネット出願サイトでの登録、検定料の支払い、出願書類の郵送という3段階で完了します。検定料の支払い方法はコンビニ・銀行ATM・ネットバンキング・クレジットカードから選択でき、支払い期限は登録日を含めて4日以内または8月19日16:00の早い方です。出願前に準備しておきたい主な書類は次のとおりです。

  • 顔写真データ(志願票・写真票用、出願前に撮影したもの)
  • 学業成績証明書・卒業(見込)証明書(出身大学の発行に時間がかかる場合があるため早めに依頼する)
  • 研究計画書または学修計画書(所定用紙にタイプ打ちで作成)
  • 英語能力を証明する書類(TOEFL-iBT・TOEIC・IELTSいずれかの公式スコア。社会人コースは不要)
  • 書留郵便で送付するための封筒(出願用宛名用紙を貼付)

出願手続き後の書類変更や検定料の払戻しは認められないため、登録前に記載内容を必ず確認してください。出願時に得た個人情報は、入学者選抜・合格発表・入学手続き業務のほか、入学者については教務関係・学生支援関係・授業料徴収に関する業務にも利用される旨が募集要項に明記されています。

学生納入金

2027年度入学者の学生納入金(予定額)は、入学料282,000円、授業料が前期分267,900円(年額535,800円)です。入学時及び在学中に学生納入金の改定が行われた場合には、改定時から新たな金額が適用されるとされています。

障害等のある者の出願

試験場での特別な配慮を必要とする場合は、2026年7月17日(金)までに経済学研究科入試担当へ申し出る必要があります。提出物として、受験上の配慮申請書(障害の状況や希望する配慮事項とその理由を記載したもの、様式任意)、障害等の状況が記載された医師の診断書または障害者手帳等の写し、障害等の状況を知っている第三者(専門家や出身学校関係者など)の所見・意見書の3点が求められます。出願期限の1か月以上前が締切になるため、配慮を希望する場合は出願書類の準備と並行して早めに動き出す必要があります。

二次募集が実施される年度もある

直近の実績では、2026年度入学(前年度の二次募集)一般・社会人ともに、要項公表が10月下旬、出願期間が2025年12月8日〜11日、試験が10月下旬公表の募集要項に沿って実施されました。一次募集の合格者が募集人員に満たない場合などに二次募集が設けられる年度があるという位置づけで、2027年度に二次募集が実施されるかどうかは本記事執筆時点では確定していません。一次募集で受験できなかった場合や、他大学院の結果を踏まえて追加で出願先を検討したい場合は、当該年度の経済学研究科公式サイトで二次募集の実施可否を確認してください。

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出願までの逆算スケジュール

2027年度一般選抜(一次募集)の日程を起点に、出願までに済ませておきたい準備を逆算すると次のような流れになります。

  1. 2026年5月:募集要項・研究計画書(学修計画書)様式・受入可能教員リストの最新版を確認する
  2. 2026年6月〜7月上旬:志望する指導教員の研究分野を調べ、研究計画書(学修計画書)の骨子を作成する。TOEFL-iBT・TOEIC・IELTSの有効なスコアがなければ受験を済ませる
  3. 2026年7月15日:大学院入試説明会(一般・社会人)に参加する
  4. 2026年7月17日:出願資格の個別審査や障害等の配慮申請が必要な場合はこの日までに問い合わせる
  5. 2026年8月3日〜19日:インターネット出願登録・検定料の支払いを行う
  6. 2026年8月17日〜20日:出願書類を書留郵便で発送する(必着)
  7. 2026年9月1日:学科試験を受験する
  8. 2026年9月28日〜30日:口述試験(第一次試験合格者のみ)を受験する

倍率・難易度

経済学研究科の公式サイトでは、博士前期課程の入学者選抜状況(志願者数・受験者数・合格者数・入学者数)が年度別のPDFで公開されています。令和8年度(2026年4月入学)の実施状況は次のとおりです。

入試区分志願者数受験者数合格者数入学者数
一般選抜(一次)95923329
社会人(一次)9966
一般選抜2次45371211
社会人2次5433
外国人留学生特別選抜292176
合計(募集人員44名)1831636155

合計の志願者数183名・合格者数61名から単純に計算すると、経済学研究科全体の倍率はおよそ3.0倍です。区分別に見ると、一般選抜(一次)は志願者95名に対し合格者33名でおよそ2.9倍、社会人(一次)は志願者9名に対し合格者6名でおよそ1.5倍という結果でした。一次募集より後に実施される二次募集は、一般選抜2次が志願45名・合格12名でおよそ3.8倍、社会人2次が志願5名・合格3名でおよそ1.7倍と、区分や年度によってばらつきが見られます。ただし、この実施状況表は研究科全体の集計であり、社会経済システム専攻・産業経営システム専攻それぞれの志願者数や倍率は公表されていません。専攻別の内訳を正確に知りたい場合は、経済学研究科入試担当に直接問い合わせることをおすすめします。合計欄を見ると、合格者数61名に対し入学者数は55名で、6名の差が生じています。合格しても入学手続きを行わなかった志願者が一定数いることがうかがえますが、その理由(他大学院との併願結果など)は公表資料からは判断できません。社会人(一次)のように志願者数自体が9名と少ない区分は、1〜2名の合否で倍率が大きく上下するため、単年度の数値だけで難易度を判断せず、複数年度の実施状況を合わせて確認することをおすすめします。倍率は年度によって変動するため、出願を検討する年度の最新の実施状況を経済学研究科公式サイトで確認してください。

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過去問分析・出題予測と面接(口述試問)対策

経済学研究科の公式サイトでは、2019年度実施分以降の学科試験問題がPDFで公開されています。2024年度実施分以降の試験からは「出題の意図」も、直近2回は「正解・解答例」もあわせて公開されており、単に問題を解くだけでなく、出題者がどのような理解力・思考力を評価しようとしたかまで確認できる年度が増えています。

直近4回(2024年9月〜2026年1月実施分)の出題テーマ

公式サイトが公開している「出題の意図」から、A〜E類の出題テーマを4回分整理すると次のとおりです。長文の転載は避け、テーマと評価の観点を要約しています。

2024年9月2日2025年1月27日2025年9月1日2026年1月26日
A1(ミクロ)特定の生産関数を持つ企業の最適化問題(限界生産性・供給曲線)クールノー競争と繰り返しゲーム(ナッシュ均衡、ゲーム理論)自然独占企業の費用構造と価格規制の厚生効果費用最小化問題と生産者理論(収穫一定の生産技術)
A2(マクロ)ソロー成長モデル(生産関数・定常状態・成長率)貨幣保有モデルの異時点間効用最大化ソロー=スワン成長モデル(要素所得分配)マクロ基礎概念と家計の異時点間効用最大化
A3(計量)線形回帰モデルの測定誤差(推定量のバイアス・一致性)OLS推定量の導出・残差・不偏性・仮説検定OLS推定量の導出・仮定・性質、回帰分析の解釈OLS残差の性質・分散の導出、信頼区間と予測
B1(政治経済学)リカード・マルクスの所得分配理論マルクス労働価値説の数理的表現、基本定理マルクス労働価値説、技術進歩と利潤率マルクス労働価値説、レギュラシオン派の分配論
B2(経済史)貿易自由化と経済発展産業革命の歴史的背景と世界的影響国際労働力移動と国際投資近現代世界経済の構造変動
C1(経営学)規模の経済・範囲の経済・速度の経済国際経営戦略のトリプルAトライアングル学問分野の特徴理解と研究テーマ設定能力「両利き経営」
C2(経営学)人的資本経営とワーク・エンゲイジメントリーダーシップ研究、信頼性と妥当性延期-投機モデル消費者政策のダークパターン
D1(会計学)デリバティブ取引の仕訳連結貸借対照表の純資産の部固定資産の減損会計財務会計の情報提供機能・利害調整機能
D2(会計学)総合原価計算と仕損費の負担標準原価計算と原価差異分析内部統制と管理会計の関係品質管理・品質コスト
E1(社会人専用)所得分配と経済成長、日本の経済政策財政赤字が日本経済に及ぼす影響脱炭素政策の目的・背景と社会経済的影響炭素税導入とエネルギー課税の見直し
E2(社会人専用)「貯蓄から投資へ」の是非原発事故と資本市場・政治的意思決定の対立公的年金積立金の運用とリスクテイク保険と投資、個人のリスク負担

A類は神取『ミクロ経済学の力』、マンキュー『マクロ経済学』、Wooldridgeなどの標準的な教科書に沿った基礎理論の理解を問う出題が続いており、教科書の定義や導出過程を自分の言葉で説明できるレベルの理解が前提になっています。ミクロ経済学は寡占・独占といった市場構造の分析、マクロ経済学はソロー(=スワン)成長モデルや家計の異時点間最適化、計量経済学はOLS推定量の性質という核となるテーマが年度を通じて繰り返し出題されており、出題形式は変わっても評価したい基礎理論の範囲は一貫しています。B類は理論(労働価値説など)の基礎知識に加え、経済史的な構造変化を論理的に説明する記述力が求められる傾向です。C1は「規模の経済」や「両利き経営」のように経営学の分析フレームワーク自体の理解を問う年度と、受験者自身の研究テーマ設定能力を直接問う年度が交互に見られ、学科試験の段階から研究計画書の内容と一貫した問題意識を持っているかが評価されている可能性があります。E類(社会人コース専用)は財政赤字・脱炭素・炭素税・公的年金・保険といった時事的な社会課題を題材に、経済学の視点からの論理的思考力と文章表現力を確認する出題が続いています。過去問と出題の意図はいずれも公式サイトから無償でダウンロードできるため、志望する類が決まった段階で複数年度分に目を通し、出題形式と評価観点の傾向をつかんでおくことをおすすめします。

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口述試験(口述試問)で実際に問われること

口述試験は、学科試験のような知識の再現力だけでなく、提出済みの研究計画書・学修計画書の内容をどれだけ深く理解し、自分の言葉で説明できるかが中心的に評価される試験です。研究者養成コースでは研究計画書に記載したテーマと関連する経済学・経営学の知識を口頭で問われるため、研究計画書の記述内容と学科試験で選択した類の知識を矛盾なくつなげて説明できるようにしておく必要があります。研究上必要な外国語の能力について確認されることがある旨も要項に明記されているため、志望する研究テーマの主要な先行研究に英語文献が含まれる場合は、簡単な内容説明ができる程度に目を通しておくと安心です。社会人コースでは志願理由書・職務及び社会経験説明書に記載した内容についても確認が行われるため、これまでの職務経験やボランティア活動と、研究テーマの間にどのようなつながりがあるのかを一貫したストーリーとして説明できるように準備しておくことが対策の中心になります。

コース別に見る学科試験対策の優先順位

学科試験の選択ルールを踏まえると、コースによって対策の優先順位は変わります。研究者養成コース・併願者はA〜D類から合計2題を解答しますが、志望専攻に対応する類から最低1題を選ぶ必要があるため、まず志望専攻に対応する類を確実に1題固めてから、もう1題を興味・得意分野に応じて選ぶという順番で準備すると計画を立てやすくなります。高度専門人養成コースは1題のみの解答ですが、試験時間は研究者養成コースの半分にあたる1時間しかないため、出題テーマの網羅性よりも確実に書ける類を1つに絞り込むほうが実戦的です。社会人コースはE類を含めた全体から類を問わず2題を選ぶ自由度がありますが、E類の出題テーマが財政赤字・脱炭素・炭素税・公的年金・保険といった時事的な社会課題である以上、日頃から経済ニュースを経済学の枠組みで読み解く習慣そのものが対策になります。A〜D類は教科書ベース、E類は時事ベースという出題傾向の違いを踏まえて、コースごとに学科試験対策へ配分する時間を調整することをおすすめします。

併願戦略・内部リンクで押さえておきたい関連情報

経済学研究科の学科試験・口述試験は例年9月上旬から下旬にかけて固定的な日程で実施されるため、同時期に試験日を設定している他大学院とは同時に受験できません。一方で、直近の2026年度入学では一次募集(8月出願・9月試験)に加え、二次募集(12月出願・10月下旬試験)が実施された実績があり、年度によっては複数回の受験機会が設けられる可能性があります。併願を検討する場合は、研究計画書・学修計画書の分量(日本語1000字程度・700字程度など)や様式が他大学院と異なる点も踏まえ、研究テーマの核となる問題意識は共通させつつ、志望する指導教員の専門分野に合わせて先行研究や参考文献の記載を調整するなど、大学ごとの準備時間を早めに見込んでおくことをおすすめします。

併願先を調べる際は、名称の似た大学院を取り違えないよう注意してください。名古屋市内には国立の名古屋大学大学院経済学研究科のほか、公立大学である名古屋市立大学にも経済学研究科があり、出願資格・募集人員・試験科目・日程はそれぞれ独立して設定されています。名古屋市立大学の情報は名古屋大学の募集要項には含まれないため、併願を検討する場合は名古屋市立大学経済学研究科の公式サイトで出願資格・日程を個別に確認する必要があります。

経営学系の専攻を併願先として検討する場合は、神戸大学大学院経営学研究科の外部院試のように、募集区分や研究計画書の扱いが大学院ごとに異なる実例を確認しておくと、産業経営システム専攻の対策との違いを把握しやすくなります。語学スコアの提出が必要な大学院を複数受験する場合は、大学院入試のTOEICスコアで解説されているとおり、スコアの有効期限や提出形式を大学院ごとに確認しておく必要があります。指導教員への連絡や研究室訪問を伴う大学院を併願する場合は、研究室訪問の完全ガイドも参考にしてください。

経済学研究科の外部院試対策を進めるにあたっては、本記事で扱った募集要項の内容に加えて、大学院入試の全体的な進め方を整理した大学院入試対策の完全ガイドもあわせて確認すると、スケジュール管理や科目別対策の考え方を体系的に把握できます。学科試験・研究計画書・口述試験という3つの対策を独学だけで並行させるのは負担が大きいため、研究計画書の作成や口述試験対策を第三者に相談したい場合は、大学院入試対策コースのような大学院入試に特化したサポートを利用する方法もあります。

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よくある質問(FAQ)

経済学部以外の出身でも名古屋大学大学院経済学研究科を受験できますか

出願資格の各号のいずれかに該当すれば、出身学部・出身大学を問わず出願できます。経済学部以外の出身者が特別な追加書類を求められる規定は募集要項に見当たりませんが、研究計画書には希望する指導教員の研究分野との適合性を記載する必要があるため、志望する類(A〜D類)の基礎知識を独学や科目等履修などで補っておくことをおすすめします。

社会人特別選抜では英語スコアの提出は不要ですか

2027年度の社会人特別選抜募集要項に記載された出願書類の一覧には、英語能力を証明する書類は含まれていません。一般選抜(研究者養成コース・高度専門人養成コース)では、TOEFL-iBT・TOEIC・IELTSのいずれかのスコア提出が必須ですが、社会人コースはこの語学スコア提出が免除されています

研究計画書と学修計画書はどちらを提出すればよいですか

研究者養成コース志願者は研究計画書、高度専門人養成コース志願者は学修計画書を提出します。併願を希望する場合は両方の書類を提出する必要があります。社会人コースはこれらに代わり、志願理由書と職務及び社会経験説明書を提出します。

学科試験は何を選べばよいですか

研究者養成コース志願者はA〜D類から合計2題を選択しますが、志望専攻に対応する類(社会経済システム専攻はA・B類、産業経営システム専攻はC・D類)から少なくとも1題を選ぶ必要があります。高度専門人養成コースは1題、社会人コースはE類を含む全体から2題を選択します。

倍率はどのくらいですか

令和8年度(2026年4月入学)の実施状況では、博士前期課程全体で志願者183名に対し合格者61名、単純計算でおよそ3.0倍でした。区分別では一般選抜(一次)がおよそ2.9倍、社会人(一次)がおよそ1.5倍です。専攻別(社会経済システム専攻・産業経営システム専攻)の内訳は公表されていないため、詳細を知りたい場合は入試担当に問い合わせることをおすすめします。

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過去問はどこで確認できますか

経済学研究科の公式サイトに、2019年度実施分以降の学科試験問題がPDFで公開されています。2024年度実施分以降は出題の意図、直近2回は正解・解答例もあわせて公開されており、A〜E類ごとに出題テーマと評価の観点を確認できます。公開されているのは学科試験の問題そのものであり、口述試験(面接)でのやり取りは受験者ごとに内容が異なるため、過去問という形での公開はありません。

指導教員への事前連絡や研究室訪問は必須ですか

募集要項には研究室訪問そのものを出願要件とする記載はありませんが、志願票では希望指導教員を第1希望・第2希望の2名記入する必要があり、社会人コースの注意事項では未記入の場合は書類不備と見なすと明記されています。指導教員の専門分野は受入可能教員リストや教員紹介ページで確認でき、例年7月中旬に開催される大学院入試説明会も情報収集の機会として活用できます。

二次募集はありますか

直近の実績では、2026年度入学向けに一般・社会人ともに二次募集(要項公表10月下旬、出願期間2025年12月8日〜11日)が実施されました。一次募集の合格状況などによって実施の有無や日程は年度ごとに変わるため、2027年度に二次募集があるかどうかは経済学研究科公式サイトで別途確認する必要があります。

まとめ

名古屋大学大学院経済学研究科の外部院試は、社会経済システム専攻・産業経営システム専攻という2専攻の構成と、研究者養成コース・高度専門人養成コース・社会人コースという3つの選抜区分を正しく理解することが出発点になります。学科試験はA〜D類(社会人コースはE類も加わる)から専攻・コースに応じた科目を選択する方式で、外国語試験はTOEFL-iBT・TOEIC・IELTSの外部スコアで評価されます。研究計画書・学修計画書の内容と口述試験での説明が一貫しているかどうかが、学科試験の得点だけでは測れない部分を左右する重要な要素です。募集人員は前期課程全体で44名、直近年度の倍率はおよそ3.0倍という水準ですが、専攻別・区分別の詳細な内訳までは公表されていません。過去問と出題の意図は公式サイトで無償公開されているため、志望する類が定まった段階で複数年度分を確認し、教科書レベルの理解を自分の言葉で説明できるように仕上げていくことが、実務的に有効な対策の進め方といえます。研究計画書・学修計画書は日本語1000字前後というボリュームの中に、研究テーマ・学習状況・指導教員との適合性を過不足なく盛り込む必要があり、学科試験の科目選択(A〜D類)と矛盾のない内容に仕上げることが口述試験での説明のしやすさにも直結します。受入可能教員リストや学科試験の参考図書、検定料30,000円という金額を含め、募集人員・出願資格・日程・語学スコア基準は年度ごとに改定される可能性があるため、実際に出願する際は本記事の内容を鵜呑みにせず、必ず該当年度の最新の募集要項を経済学研究科公式サイトで確認してください。

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この記事を書いた人

千葉大学 法政経学部を首席で卒業後、都内国公立大学の法科大学院(ロースクール)を修了し、司法試験に合格。法律・政治・経済分野の専門知識をもとに、スプリング・オンライン家庭教師の大学編入・大学院入試分野の指導および記事監修を担当。

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