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東北大学大学院 文学研究科の外部院試を徹底解説|出願資格・試験科目・研究計画書・面接対策まで

東北大学大学院文学研究科は、日本学専攻・広域文化学専攻・総合人間学専攻の3専攻29専攻分野からなる仙台市青葉区川内キャンパスの人文社会科学系研究科です。外部院試とは、東北大学文学部の出身者以外が、一般選抜または社会人特別選抜という区分で博士課程前期2年の課程(修士課程)に出願するルートを指します。
本記事は、東北大学大学院文学研究科が2026年4月に公開した2027年度(令和9年度)博士課程前期2年の課程・一般選抜(夏期試験)学生募集要項にもとづき、専攻分野別の出願資格・試験科目・小論文(研究計画書に相当)・日程を整理したものです。募集要項は年度によって内容が更新されるため、出願前には必ず最新の要項を研究科公式サイトで確認してください。志願者数や倍率など要項に掲載されていない数値については、断定せず「公表資料が見当たらない」旨を明記しています。
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本記事で扱うのは、日本学専攻・広域文化学専攻・総合人間学専攻の3専攻29専攻分野を横断した募集人員・出願資格・試験科目・小論文・日程です。募集人員は夏期・冬期を合わせて89名で専攻分野別の内訳は公表されておらず、外国語の能力を外部の英語資格・検定試験のスコアではなく学内の外国語試験だけで判定する点は、他大学の大学院入試と比較する際に見落としやすい東北大学大学院文学研究科固有のルールです。
東北大学大学院文学研究科の概要と外部院試
文学研究科は2019年度(平成31年度)に改組され、それまでの専修体制から日本学専攻・広域文化学専攻・総合人間学専攻という3専攻体制に再編されました。2027年度入試の募集要項に掲載されている専攻分野は、日本学専攻が現代日本学・日本思想史・日本語学・日本語教育学・日本文学・日本史・考古学・文化財科学の8分野、広域文化学専攻が文化人類学・宗教学・死生学実践宗教学・インド学仏教史・中国語学中国文学・中国思想中国哲学・東洋史・英文学・英語学・ドイツ語学ドイツ文学・フランス語学フランス文学・西洋史の12分野、総合人間学専攻が哲学・倫理学・東洋日本美術史・美学西洋美術史・心理学・言語学・社会学・行動科学・計算人文社会学の9分野で、合計29分野です。
アドミッション・ポリシーでは、筆記試験及び面接試験により専門に関する知識と学力に主眼を置きつつ、外国語能力や研究に取り組む積極性、発信能力なども評価に加えて選抜すると明記されています。日本学専攻は日本の言語・思想・文化・歴史・社会に関連するテーマ、広域文化学専攻は文化の基礎理論やアジア・欧米地域の個別文化、総合人間学専攻は人間と社会の本質にかかわる原理的かつ実証的な考究を、それぞれ強い関心と意欲を持って探究できる人を求めるとされています。
本研究科で所定の科目・単位を修得すると、教育職員免許状(中学校教諭専修免許状は国語・社会・英語・宗教、高等学校教諭専修免許状は国語・地理歴史・公民・英語・フランス語・宗教)、専門社会調査士及び社会調査士、学芸員、スピリチュアルケア師(審査受験資格)、認証アーキビストといった資格・免許の取得につながる科目区分が用意されています。志望専攻分野を選ぶ際は、研究テーマとの適合性に加えて、こうした資格取得の可否も判断材料になります。
東北大学が仙台市に立地することは、地域研究に関わる専攻分野にとって研究環境上の意味を持ちます。考古学・文化財科学専攻分野の教員一覧には、多賀城跡の研究に取り組む客員教員(連携分野)や宮城県の文化財に携わる客員教員が名を連ねており、東北地方の遺跡・文化財を対象とする研究基盤が整っている点は、他大学の同種専攻分野と比較する際の材料になります。日本史専攻分野にも東北地方の古代史や地域社会史を専門とする教員が在籍しており、研究テーマと立地の関係を志望理由に盛り込みやすい分野といえます。
免許・資格のうち、スピリチュアルケア師の審査受験資格は、死生学実践宗教学専攻分野や宗教学専攻分野の研究内容と関連が深い資格です。資格取得を出願の決め手にする場合は、志望する専攻分野のカリキュラムで、資格に必要な科目が実際に開講されているかを、シラバスであわせて確認しておくと安心です。
「外部院試」という言葉自体は要項上の正式な区分名ではありませんが、本記事では、東北大学文学部以外の出身者が一般選抜または社会人特別選抜で博士課程前期2年の課程に出願する場合を指して用います。試験科目・小論文のテーマ・外国語の選択言語は専攻分野ごとに個別に定められているため、志望する専攻分野の要項該当箇所を単独で読み込むことが対策の出発点になります。
教員一覧を見ると、同じ専攻の中でも研究テーマの幅は広いことが分かります。日本学専攻では、現代日本学の家族社会学・ジェンダーとライフコースの計量的研究、日本思想史の近世儒学思想と東アジアの実学、日本語学の日本語文法史や日本語方言学というように、専攻名だけでは分からない専門分野の違いがあります。広域文化学専攻も同様で、文化人類学は中国と日本を中心とした東アジアの家族親族・宗教・移動・食を扱う研究から、現代日本の都市化と墓制・祖先祭祀の変容を扱う研究まで幅があり、中国思想中国哲学は中国中世思想史から中国と西洋の思想交流までを扱っています。
総合人間学専攻は、哲学・倫理学のような伝統的な人文系分野に加えて、心理学・社会学・行動科学・計算人文社会学という社会科学寄りの分野を含む点が特徴です。心理学専攻分野だけでも、生理心理学(ストレス)、応用心理学(食行動学)、社会心理学(犯罪心理学)、知覚認知心理学というように複数の研究室が並立しており、志望する研究テーマがどの教員の専門分野に近いかを、出願前に確認しておく必要があります。
| 専攻 | 専攻分野(2027年度募集要項) | 分野数 |
|---|---|---|
| 日本学専攻 | 現代日本学、日本思想史、日本語学、日本語教育学、日本文学、日本史、考古学、文化財科学 | 8分野 |
| 広域文化学専攻 | 文化人類学、宗教学、死生学・実践宗教学、インド学仏教史、中国語学中国文学、中国思想中国哲学、東洋史、英文学、英語学、ドイツ語学ドイツ文学、フランス語学フランス文学、西洋史 | 12分野 |
| 総合人間学専攻 | 哲学、倫理学、東洋・日本美術史、美学・西洋美術史、心理学、言語学、社会学、行動科学、計算人文社会学 | 9分野 |
実施研究科・募集人員・出願資格(語学スコア含む)
2027年度募集要項に記載されている募集人員は「89名」の1つの数値のみで、夏期試験及び冬期試験を合わせ、一般選抜及び社会人特別選抜を含めて89名であると注記されています。専攻分野ごとの内訳は公表されておらず、日本学・広域文化学・総合人間学の3専攻29分野全体で89名という総数を、夏期・冬期の2回、一般選抜と社会人特別選抜の複数区分で分け合う構造です。特定の専攻分野に何名という数字は要項からは読み取れないため、最新の要項でも同様の記載方法が続くか、出願前に確認しておくことをおすすめします。
出願資格は、学校教育法にもとづく複数のパターンのいずれかに該当することが条件です。大きく分けると、大学を卒業した者(2027年3月までの卒業見込みを含む)、独立行政法人大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された者、外国において学校教育16年の課程を修了した者、修業年限4年以上の専修学校専門課程の修了者、文部科学大臣が指定した者、という区分に加えて、大学を卒業していなくても個別審査で出願できる区分があります。
- 大学卒業(見込み)者、または大学改革支援・学位授与機構による学士の学位取得(見込み)者
- 外国の学校教育で16年の課程を修了(見込み)した者、外国大学の通信教育やダブルディグリー相当の課程を修了した者
- 修業年限4年以上の専修学校専門課程で文部科学大臣が指定するものを修了(見込み)した者
- 学校教育法第102条第2項により他大学の大学院に入学した者で、本大学院での教育にふさわしい学力があると認められた者
- 個別の入学資格審査により、大学卒業者と同等以上の学力があると認められ、2027年3月末日までに22歳に達する者
備考として、出願資格のうち「大学に3年以上在学した者」については、2027年度入試では適用しないと明記されています。また、個別の入学資格審査が必要な出願資格で出願しようとする場合は、事前に文学部・文学研究科大学院教務係に問い合わせたうえで、指定書類を2026年5月29日(金)までに提出する必要があります。出願直前に気づいて動き出すと審査が間に合わない可能性があるため、高専・専門学校出身者や大学中退者などは早めの確認が欠かせません。
出願資格には、このほかにも専修学校の専門課程(修業年限4年以上であることなど、文部科学大臣が定める基準を満たすもので、文部科学大臣が別に指定するもの)を修了した者、文部科学大臣の指定した者(昭和28年文部省告示第5号参照)、学校教育法第102条第2項の規定により他の大学の大学院に入学した者で本大学院での教育を受けるにふさわしい学力があると認められた者、という区分もあります。自分がどの号に該当するか判断がつかない場合は、自己判断で出願準備を進めず、早めに文学部・文学研究科大学院教務係(Tel:022-795-6005)へ問い合わせることをおすすめします。
出願書類のうち、顔写真データには細かい規定があります。撮影から3カ月以内、正面無帽・無背景で、サイズは縦横比4:3、使用できるデータはpng・jpg・jpeg形式でデータ上限20MBという条件に加えて、学力試験時の本人確認に用いるため過度な化粧や写真の加工・補正は認めないと明記されています。成績証明書・卒業(見込)証明書は、東北大学文学部出身者で志望専攻分野が卒業(見込み)の専修と同じ場合は提出不要ですが、それ以外の出身者は日本語または英語で作成されたものをPDFファイル化してアップロードする必要があります。
| 出願書類 | 概要 |
|---|---|
| 入学願書 | インターネット出願システムに必要事項を入力 |
| 顔写真データ | 3カ月以内撮影、無背景・正面無帽、縦横比4:3、20MB以内 |
| 成績証明書 | 出身大学(学部)発行、日本語または英語。本学部出身で同一専修志望なら提出不要 |
| 卒業(見込)証明書等 | 学士の学位授与(見込)証明書等。本学部卒業(見込み)者は提出不要 |
| 小論文 | 専攻分野ごとに指定されたテーマ・分量のPDF |
| 検定料振込の控え | 30,000円の振込明細書または領収書のPDF |
| 住民票 | 日本に在留する外国人のみ。発行3カ月以内、マイナンバー記載なし |
語学スコアについては、TOEICやTOEFLなど外部の英語資格・検定試験のスコア提出は募集要項に記載がありません。外国語の能力は、各専攻分野が指定する言語(英語・ドイツ語・フランス語・中国語・日本語など)による学内の筆記試験(外国語試験)で判定される仕組みで、外国語試験は原則として母語を選択できません。日本語を母語としない受験者は、日本語学専攻分野・日本語教育学専攻分野など一部の分野で外国語試験の言語として日本語を選択するよう指定されています。外部英語試験のスコア提出が出願条件になる経路は、少なくとも今回確認した2027年度夏期試験の要項には見当たりませんでした。
確認した2027年度夏期試験の募集要項には、他大学の大学院入試に見られるような独立した「外国人入試」という選考区分は明記されていません。外国籍の受験者も一般選抜の出願資格(外国の学校教育16年課程修了者向けの号など)に沿って出願する形で、国費外国人留学生は検定料の納入が不要になる、日本在留の外国人は住民票の提出が必要になるといった、手続き面の違いが定められているという位置づけです。
アドミッション・ポリシーには、社会人特別選抜試験における評価方法についての言及もあります。社会人特別選抜では、外国語の文章を読み解く能力ではなく、古文や史料(資料)等を読み解く能力を評価する専攻分野もあるとされ、それまでの研究成果(論文等)を面接試験の基礎資料として選抜に生かす方針が示されています。一般選抜と社会人特別選抜とでは評価の重点そのものが異なる場合がある点は、出願区分を選ぶ際の判断材料になります。
社会人特別選抜の出願資格には、一般選抜と同じ学校教育法上の各号に加えて、独自の条件が上乗せされます。社会人特別選抜用の募集要項には、大学院入学時までに通算2年以上の社会経験(民間企業、官公庁、学校教員、自営業、家事従事、ボランティア活動等)を有することが出願資格として明記されており、この条件を満たさない場合は社会人特別選抜では出願できません。提出書類も小論文ではなく、A4版・6,000字程度の入学志願理由書(社会活動の経験と研究に対する問題意識、入学後の研究計画、課程修了後の社会活動の抱負を記述)と、在職期間を明示した在職証明書の提出が求められる点が、一般選抜との大きな違いです。
試験科目(専門科目・外国語・研究計画書・口述試験)
試験日程・外国語試験の選択言語
2027年度夏期試験の学力試験は2日間で実施されます。外国語試験と特別科目は初日、専門科目と面接試験は2日目という構成です。特別科目は日本語学・日本史・文化人類学・哲学・倫理学・美学西洋美術史の6専攻分野でのみ実施され、それ以外の分野では課されません。
| 期日 | 試験科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 2026年8月2日(日) | 外国語試験 | 13:00〜15:00 |
| 2026年8月2日(日) | 特別科目(該当6分野のみ) | 16:10〜17:10 |
| 2026年8月3日(月) | 専門科目 | 9:30〜11:30 |
| 2026年8月3日(月) | 面接試験 | 13:00〜 |
試験時間を見ると、外国語試験・専門科目はいずれも120分、特別科目は60分です。特別科目の時間が他の科目より短く設定されていることから、古文解釈や史料の読解、専門外国語といった特別科目は、専門科目ほど長文の出題ではなく、限られた範囲を集中的に問う設問である可能性が考えられます。ただしこれは試験時間からの推測であり、実際の出題量は過去問で確認する必要があります。
外国語試験・専門科目・面接試験は、すべての専攻分野で実施されます。一方で外国語試験の選択できる言語は専攻分野ごとに大きく異なります。英語・ドイツ語・フランス語・中国語・日本語のうちから1つを選択できる分野が多い一方、文化人類学・英文学・英語学は英語のみ、中国語学中国文学は中国語のみ、ドイツ語学ドイツ文学はドイツ語のみ、フランス語学フランス文学はフランス語のみと、単一言語に指定されている分野もあります。西洋史はドイツ語・フランス語も選べますが英独仏3言語からの選択、美学西洋美術史は英独仏に加えてイタリア語・日本語からも選べる点が特徴です。
| 専攻分野 | 外国語試験で選べる言語 | 専門科目の注記 |
|---|---|---|
| 日本語学 | 英独仏中日から選択(非母語話者は日本語) | 特別科目=古文解釈 |
| 日本史 | 英独仏中日から選択 | 特別科目=史料の読解 |
| 日本語教育学 | 英独仏中日から選択 | 専門科目に英文読解問題を含む |
| 文化人類学 | 英語のみ | 特別科目=専門外国語(英語) |
| 英文学・英語学 | 英語のみ | 特別科目なし |
| 中国語学中国文学 | 中国語のみ | 特別科目なし |
| ドイツ語学ドイツ文学 | ドイツ語のみ | 特別科目なし |
| フランス語学フランス文学 | フランス語のみ | 特別科目なし |
| インド学仏教史 | 英独仏中日から選択 | 専門科目でサンスクリット文献読解(梵英辞典1冊持込可) |
| 西洋史 | 英独仏から選択 | 専門科目に史料等(英独仏露から選択)の読解を含む |
| 哲学・倫理学 | 英独仏日から選択 | 特別科目でも英独仏から別途選択 |
| 美学・西洋美術史 | 英独仏伊日から選択 | 特別科目は外国語試験で選ばなかった言語から選択 |
専門科目・特別科目・小論文(研究計画書)の分量
専門科目には、専攻分野によって「英文読解問題を含む」「史料の読解を含む」「作品の本文の解釈、読解を含む」といった実質的に読解力を問う設問が組み込まれている分野があります。日本語学・日本史・文化人類学・哲学・倫理学・美学西洋美術史の6分野で実施される特別科目は、外国語試験や専門科目とは別枠の設問であり、辞書の持ち込みが認められる場合(インド学仏教史の梵英辞典、東洋・日本美術史の漢和辞典など)を除き、原則として辞書の持ち込みは認められません。
辞書の持ち込みについては、外国語試験・専門科目・特別科目のいずれも、要項で「辞書持ち込み可」と明記されている場合を除き認められません。辞書持ち込み可の場合でも電子辞書等の持ち込みは認められず、持ち込み可能な辞書かどうかは試験監督が判断します。外国語試験は、志望する専攻分野が指定した言語以外を選択すると採点の対象になりません。西洋史専攻分野を受験する場合は専門科目で選択する言語を、哲学・倫理学・美学西洋美術史専攻分野を受験する場合は特別科目で選択する言語を、あらかじめ入学願書に明記することが求められています。
出願書類のひとつである小論文は、事実上、研究計画書に相当する提出書類として位置づけられています。テーマと分量は専攻分野ごとに指定されており、「これまでの研究経過と今後の研究計画」を求める分野が多い一方、日本文学・日本史・東洋史・西洋史・哲学・倫理学・東洋日本美術史・美学西洋美術史では8,000字〜12,000字程度とかなりの分量が求められます。志望専攻分野に関する卒業論文を執筆済みの場合は小論文の代わりに卒業論文を提出できますが、宗教学・死生学実践宗教学の2分野はこの代替を認めていません。
| 専攻分野(抜粋) | 小論文のテーマ | 分量 |
|---|---|---|
| 現代日本学・日本思想史 | これまでの研究経過と今後の研究計画 | 4,000字程度 |
| 日本語学 | これまでの研究経過と今後の研究計画 | 8,000字程度 |
| 日本語教育学 | ①学部等で研究したテーマ ②入学後研究したいテーマ | ①4,000字程度 ②8,000字程度 |
| 日本文学 | これまでの研究内容と今後の研究計画 | 8,000〜12,000字程度 |
| 日本史 | ①卒業論文の構想と研究経過 ②志望動機と問題関心 | ①8,000〜10,000字程度 ②4,000字程度 |
| 考古学 | これまでの研究経過と今後の研究計画 | 8,000字程度 |
| 文化財科学 | これまでの研究経過と今後の研究計画 | 8,000字程度 |
| 文化人類学 | 大学院における研究計画 | 4,000字程度 |
| 宗教学・死生学実践宗教学 | これまでの研究経過と今後の研究計画(卒論代替不可) | 4,000字程度 |
| インド学仏教史 | 志望理由、研究目的、研究計画を含む内容 | 6,000字目安(超過可) |
| 東洋史 | 卒業論文として構想されている内容 | 12,000字程度 |
| 哲学・倫理学 | 専攻分野に関する各人の研究テーマ | 8,000〜12,000字程度 |
| 行動科学・計算人文社会学 | これまでの研究経過と今後の研究計画 | 2,000字程度 |
上の表は代表的な専攻分野の抜粋です。残る広域文化学専攻・総合人間学専攻の専攻分野についても、分量の指定は4,000字程度から12,000字程度まで幅があります。以下にあわせて示します。
| 専攻分野(広域文化学・総合人間学の残り) | 小論文のテーマ | 分量 |
|---|---|---|
| 中国語学中国文学・中国思想中国哲学 | 専攻分野に関する各人の研究テーマ | 4,000字程度 |
| 英文学・英語学 | これまでの研究経過と今後の研究計画 | 4,000字程度 |
| ドイツ語学ドイツ文学・フランス語学フランス文学 | これまでの研究経過と今後の研究計画 | 4,000字程度 |
| 西洋史 | これまでの研究経過と今後の研究計画 | 8,000〜12,000字 |
| 東洋・日本美術史 | 専攻分野に関する各人の研究テーマ | 12,000字程度 |
| 美学・西洋美術史 | 専攻分野に関する各人の研究 | 12,000字程度 |
| 心理学 | これまでの研究経過と今後の研究計画 | 4,000字以上 |
| 言語学 | これまでの研究経過と今後の研究計画 | 4,000字程度 |
| 社会学 | これまでの研究経過と今後の研究計画 | 4,000字以上 |
面接試験(口述試験)は全専攻分野で実施され、8月3日の専門科目試験終了後、13時から行われます。研究計画書に相当する小論文の内容が面接での質疑の土台になると考えられるため、専門科目・外国語試験の対策と並行して、小論文で示した研究テーマを口頭で説明できる状態に仕上げておく必要があります。
社会人特別選抜の学力試験は、一般選抜のように外国語試験・専門科目・特別科目を分けて2日間で実施するのではなく、8月3日(月)の1日のみ、筆記試験と面接試験の2つで実施されます。筆記試験は「専門科目及び専門語学・資料読解等」を9:30〜11:30の120分でまとめて課す一体型で、外国語試験を独立させたうえで特別科目まで課す専攻分野がある一般選抜とは、科目構成そのものが異なります。検定料の振込依頼人名も、一般選抜が「LMA 氏名カナ」であるのに対し社会人特別選抜は「LMB 氏名カナ」と指定されるなど、区分によって入力すべき文字列が異なる点も見落としやすいポイントです。
試験科目の実施有無を専攻分野横断でまとめると、次のとおりです。
| 試験科目 | 実施対象 | 実施しない専攻分野 |
|---|---|---|
| 外国語試験 | 全29専攻分野 | なし |
| 専門科目 | 全29専攻分野 | なし |
| 特別科目 | 日本語学、日本史、文化人類学、哲学、倫理学、美学・西洋美術史の6分野 | 上記6分野以外の23分野 |
| 面接試験 | 全29専攻分野 | なし |
研究計画書・研究室訪問
東北大学大学院文学研究科の出願書類には「研究計画書」という単独の様式はなく、小論文が研究計画書としての役割を兼ねています。多くの専攻分野で「これまでの研究経過と今後の研究計画」というテーマが指定されており、学部での学習内容や卒業論文の構想を踏まえて、入学後に取り組みたい研究の方向性を具体的に記述することが求められます。日本語教育学のように「学部等で研究したテーマ」と「入学後研究したいテーマ」を分けて求める分野もあり、現在の研究と入学後の研究計画の接続を明確に説明できるかが問われます。
小論文の代わりに卒業論文(または補訂したもの)を提出できる専攻分野が多い一方、宗教学・死生学実践宗教学の2分野は卒業論文の代替を認めていません。この2分野を志望する場合、卒業論文のテーマと異なる研究計画を新たに小論文として書き上げる必要があるため、卒業論文の執筆時期と出願時期のスケジュールを早めに調整しておくことが重要です。
各研究室は、志願者からの事前の問い合わせを受け付けています。募集要項の巻末には、日本学専攻・広域文化学専攻・総合人間学専攻の全29専攻分野について、研究室ごとのウェブサイトURLが一覧で掲載されており、志望する専攻分野の研究室サイトを確認したうえで問い合わせることができます。ただし、事前の研究室訪問や指導予定教員との面談が出願の条件として明記されているわけではなく、実施の可否や連絡方法は専攻分野・教員によって異なるため、個別に確認する必要があります。
教員一覧には、専攻分野ごとに現在の研究テーマが公開されています。たとえば日本思想史は近世儒学思想や東アジアの実学、社会学は社会システム論や災害リスクの理論的研究、計算人文社会学は計算社会科学やビッグデータ解析といったように、教員ごとの研究テーマは細かく分かれているため、小論文を書く前に、自分の研究関心に近い教員が在籍しているかを確認しておくと、志望理由の説得力を高めやすくなります。なお2027年3月末で退職予定の教員(※印が付された教員)がいる分野もあるため、指導を希望する教員が在籍し続けるかどうかも、あわせて確認しておく事項です。
研究室ごとの公開状況にも専攻分野によって差があります。専任教員が1名しかいない計算人文社会学のような分野では、研究室サイトに載っている教員本人の業績・研究テーマの傾向がほぼそのまま指導可能な範囲を示しますが、心理学のように専任教員が6名在籍し複数の研究室が並立する分野では、同じ専攻分野の中でも研究室ごとにサイトの充実度や更新頻度にばらつきが出やすくなります。更新日が古い研究室サイトを見つけた場合は、事前の問い合わせで最新の受け入れ状況を確認しておくと安心です。
文学研究科・文学部では、2026年7月29日・30日に大学院説明会を開催する案内が公式サイトに掲載されています。研究室訪問の前段階として説明会に参加することで、専攻分野全体の雰囲気や入試の概要をつかみやすくなります。説明会の開催日程は年度によって変わるため、志望時期が近づいたら研究科ウェブサイトで最新の開催情報を確認してください。
アドミッション・ポリシーでは、入学前に文化・学芸にかかわる広範な知識を習得するとともに、自身の研究テーマに関係する読書経験・調査経験・思考経験を積み重ねておくことが望まれるとも述べられています。小論文や面接試験の対策にとどまらず、日常的な読書や調査の蓄積が入学後の研究の土台になるという考え方は、専攻分野を問わず共通する準備の方向性といえます。
受験上・修学上の配慮を必要とする志願者向けの事前相談も設けられています。相談の期限は原則として2026年5月29日(金)までで、志願者の氏名・住所・連絡先、出身大学等名、受験上・修学上それぞれ希望する配慮の内容、これまで認められたことのある配慮の内容、日常生活の状況などを記載した申出書(様式任意)を、文学部・文学研究科大学院教務係に提出する仕組みです。申出書の提出を理由に合否判定で不利に扱われることはないと明記されており、現に治療中の場合は医師の診断書の添付も求められます。
まずは無料相談で、合格までの最短ルートを確認しませんか?
スプリング・オンライン家庭教師のプロ講師が、現在の学力・志望校・残り期間に合わせて、必要な対策を個別に整理します。
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日程・スケジュール
2027年度夏期試験のインターネット出願システムへの入力期間は、2026年6月22日(月)午前9時から6月26日(金)午後4時まで(日本時間)です。この期間内に出願完了のボタンを押さないと出願は完了しません。入力期間が過ぎてからボタンを押した場合も出願は受け付けられないため、余裕を持った提出が必要です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出願期間 | 2026年6月22日(月)9:00〜6月26日(金)16:00〔日本時間〕 |
| 検定料 | 30,000円(振込期間は出願期間と同じ6月22日〜26日) |
| 学力試験 | 2026年8月2日(日)・8月3日(月) |
| 合格発表 | 2026年8月28日(金)午前10時(予定) |
| 入学時期 | 2027年4月1日 |
| 入学手続期間 | 2027年3月8日(月)・3月9日(火)(予定) |
検定料は30,000円で、三菱UFJ銀行の指定口座にATMやインターネットバンキングで振り込み、振込の控えをPDF化してアップロードする方式です。振込依頼人名の欄には「LMA 氏名カナ」を入力するよう指定されており、通常の振込入力とは異なる書き方が必要な点に注意してください。既納の検定料は返還されません。なお、2026年度に発生した風水害等の災害の被災者に対しては、入学検定料免除の特別措置を行う予定である旨が要項に記載されています。
検定料の納入が不要になるケースもあります。国費外国人留学生は検定料の納入が不要で、他大学に在学中の国費外国人留学生は、当該大学が発行する国費外国人留学生であることの証明書をアップロードします。海外在住者はクレジット決済での検定料納付も可能で、事前に文学部・文学研究科大学院教務係へ連絡することが条件です。
合格者の発表は、2026年8月28日(金)午前10時(予定)に文学部・文学研究科ウェブサイトへ受験記号番号を掲載するとともに、インターネット出願システムを通じて合格通知書が送付される仕組みです。電話等による入試結果の問い合わせには応じないと明記されています。受験票は郵送されず、7月中旬以降にインターネット出願システムからダウンロードし、A4サイズの白色用紙に印刷して試験当日に持参します。
入学料は282,000円(予定額)、授業料は日本人学生等が前期分267,900円(年額535,800円、予定額)、外国人留学生が前期分450,000円(年額900,000円、予定額)です。職業を有する等の事情がある場合は長期履修学生制度を利用でき、審査のうえ許可されれば標準修業年限の2年を超えて計画的に履修できます。この制度を利用しても、授業料の支払総額は標準修業年限で修了する場合と同じです。在学年限は4年を超えることができません。
ここまでの費用をまとめると、次のとおりです。
| 費用項目 | 金額(予定額) |
|---|---|
| 検定料 | 30,000円 |
| 入学料 | 282,000円 |
| 授業料(日本人学生等・前期分) | 267,900円(年額535,800円) |
| 授業料(外国人留学生・前期分) | 450,000円(年額900,000円) |
入学試験の成績開示は、不合格になった者に対してのみ行われます。成績開示を希望する場合は2026年9月15日(火)までに文学部・文学研究科大学院教務係へ問い合わせる必要があり、土日を除く対応です。合格した場合は成績開示の対象外である点に注意してください。
出願までに確認しておきたい主な項目は、次のとおりです。
- 志望専攻分野の出願資格に該当するか、個別の入学資格審査が必要かどうか
- 小論文のテーマ・分量、卒業論文で代替できるかどうか
- 外国語試験で選択する言語、特別科目の有無
- 検定料30,000円の振込方法と、振込依頼人名の入力ルール
- 成績証明書・卒業(見込)証明書など、提出書類の発行にかかる日数
文学研究科は一般選抜・社会人特別選抜の学生募集を夏期・冬期の年2回実施しており、2027年度の冬期試験は2027年2月に実施される予定です。ただし冬期試験用の学生募集要項は2026年10月に発表予定であり、本記事執筆時点では夏期試験用の要項のみが確定情報として公開されています。研究科ウェブサイトの案内では、冬期試験の願書受付は2027年1月上旬、学力検査は2027年2月上旬、合格発表は2027年2月中旬から下旬が概算日程として示されていますが、確定した時刻や科目構成は2026年10月発表の冬期募集要項で確認する必要があります。
倍率・難易度
大学ポートレートに掲載されている東北大学大学院文学研究科(博士課程前期)の入学者数は、2023年度83人、2024年度71人、2025年度72人と推移しています。2027年度の募集人員は夏期・冬期合計で89名であることから、近年の入学者数は募集人員をやや下回る水準で推移していることがうかがえます。
研究科全体の志願者数については、東北大学が大学全体の「入学状況」として公開している統計に、文学研究科分の数値が含まれています。これによると、2025年度(令和7年度)の博士課程前期は入学定員89名に対し志願者178名、入学者72名(うち女子はそれぞれ84名、36名)で、志願者数を入学者数で割った比率は約2.5倍でした。同年度の博士課程後期は入学定員38名に対し志願者66名(うち女子27名)、入学者50名(うち女子19名)で、比率は約1.3倍です。ただし、この数値は研究科全体を合算したものであり、専攻分野別の内訳や、合格者数そのものは公表されていません。
志願者数を入学者数で割った比率は、一般的にいう「実質倍率(志願者数÷合格者数)」とは定義が異なる点に注意してください。合格者数と入学者数は必ずしも一致しないため、上記の約2.5倍・約1.3倍という数字は、あくまで志願者数の規模感をつかむための目安として捉える必要があります。専攻分野別の倍率を示す公式データは確認できなかったため、本記事では専攻分野単位の実質倍率を数値として断定することは避けます。最新の倍率を知りたい場合は、文学部・文学研究科大学院教務係への問い合わせ、または資料請求で確認してください。倍率を検討する際は、募集人員89名という数字が専攻分野別ではなく研究科全体の総数である点を踏まえ、特定の専攻分野の実質倍率を単独で算出することはできないという前提を忘れないようにしてください。
大学ポートレートには、入学者の男女別の内訳も掲載されています。2023年度は男性44人・女性39人、2024年度は男性37人・女性34人、2025年度は男性36人・女性36人と、男女比はほぼ均衡した状態が続いています。この内訳からも、特定の性別に偏った選抜が行われているわけではないことがうかがえますが、専攻分野別の内訳までは公表されていません。
2023〜2025年度の入学者数を単純平均すると約75人で、募集人員89名との差は年度によって6〜18人程度変動しています。この差が社会人特別選抜の実施状況によるものか、年度ごとの志願動向によるものかは要項からは判断できないため、断定的な結論は避けたいところです。
募集人員89名は一般選抜と社会人特別選抜を合算した数値であるため、社会人特別選抜の志願者数が増減すれば一般選抜側の実質的な枠も変動する可能性があります。社会人特別選抜の実施状況(実施の有無や選考方法)は専攻分野によって異なるため、一般選抜だけで比較する場合も、志望専攻分野で社会人特別選抜が実施されているかどうかを確認しておくと、母集団の見立てがずれにくくなります。
3専攻の分野数には差があり、広域文化学専攻が12分野と最も多く、総合人間学専攻が9分野、日本学専攻が8分野です。分野数が多い専攻ほど、専攻全体としての募集規模は大きくなりやすい一方で、分野ごとの専任教員数は計算人文社会学の1名から心理学の6名までさまざまです。専攻単位ではなく、志望する専攻分野の教員数・研究テーマの近さで難易度を見立てる方が、実態に近い判断につながると考えられます。
専攻分野によって選抜方式が異なる点も、実質的な難易度に影響すると考えられます。特別科目が課される日本語学・日本史・文化人類学・哲学・倫理学・美学西洋美術史の6分野は、外国語試験・専門科目に加えて追加の設問に対応する必要があり、単純に専門科目と外国語試験だけを準備すればよい分野と比べて、準備すべき科目数が多くなります。一方、英文学・英語学・中国語学中国文学・ドイツ語学ドイツ文学・フランス語学フランス文学のように外国語試験の選択言語が1言語に固定されている分野は、対策する言語を絞り込みやすいという側面もあります。
小論文の分量指定も専攻分野によって大きく異なり、行動科学・計算人文社会学の2,000字程度から、日本文学・東洋史・哲学・倫理学・東洋日本美術史・美学西洋美術史の8,000字〜12,000字程度まで幅があります。分量の多い分野ほど、出願までの準備期間を長く確保する必要があるため、志望分野を決めた時点で小論文の分量を確認し、逆算してスケジュールを組むことが実務的な対策になります。
一般的に人文社会科学系の大学院は理工系と比べて志願者数の変動が大きいと言われることがありますが、東北大学文学研究科の専攻分野別の変動を示す公式データは確認できなかったため、この点も断定はできません。志望する専攻分野の実質的な競争環境を知りたい場合は、研究科説明会や研究室への問い合わせを通じて、直接情報を集めることをおすすめします。
過去問分析・出題予測、面接(口述試問)対策
大学院入学試験の過去問題は、専門科目及び外国語試験について、過去3年分が研究科ウェブサイトで随時(業務上支障のある場合を除く)公開されています。夏期試験・冬期試験それぞれについて、年度別のページ(2025年度分であれば「2025_gradexam.html」のようなアドレス)から閲覧できる形式です。一方、特別科目の過去問題の閲覧については、ウェブサイトでは公開されておらず、当該専攻分野に直接照会するよう案内されています。
2025年度分の公開内容を見ると、夏期試験の博士課程前期一般選抜では27の専攻・科目分野、社会人特別選抜では日本語教育学・日本文学・日本史・文化人類学・宗教学の5分野が対象でした。冬期試験の前期一般選抜では29の専門科目が対象で、外国語試験は英語・ドイツ語・フランス語・中国語・日本語の5言語が出題されています。年度によって公開される専攻・科目の範囲は変動するため、志望分野の過去問が実際に何年分閲覧できるかは、出願前に研究科ウェブサイトで確認してください。
過去問がそのまま公開されている以上、まず着手すべきは、志望専攻分野の直近の過去問に実際に目を通し、専門科目の出題形式(論述式か、複数設問からの選択式かなど)と分量感をつかむことです。外国語試験は英文読解・独文読解のように読解問題を主体とする分野が多く、辞書の持ち込みが原則認められない点も踏まえて、時間内に読み切る練習を重ねておく必要があります。
ここから先は、募集要項の記載にもとづく出題傾向の推測であり、実際の出題内容を保証するものではない点をお断りします。専門科目に「英文読解問題を含む」「史料の読解を含む」といった注記がある専攻分野(日本語教育学、日本史、宗教学、死生学実践宗教学、東洋史、心理学、言語学、社会学、行動科学、計算人文社会学など)は、単なる知識の暗記だけでなく、文献や史料を読み解く力が問われる可能性が高いと考えられます。特別科目が課される日本語学(古文解釈)・日本史(史料の読解)の2分野は、現代文の読解力だけでなく、古文・史料読解の基礎力を別途鍛えておく必要がありそうです。
特別科目が課される6分野の性質を見比べると、日本語学の古文解釈、文化人類学の専門外国語(英語)、哲学・倫理学・美学西洋美術史の外国語選択科目は、いずれも語学系の追加設問という共通点があります。これに対して日本史の特別科目は史料の読解であり、語学というより日本語で書かれた史料を歴史的な文脈のなかで読み解く力が問われる点で、他の5分野とは性質が異なると考えられます。特別科目の過去問自体は公開されていないため、対策の第一歩は、研究室のシラバスや公開されている専門科目の過去問から、どの時代・地域・言語の史料が扱われやすいかを把握することになります。
過去問を解く際は、正答や配点が公開されていない点にも注意が必要です。研究科ウェブサイトで閲覧できるのは過去3年分の問題そのものであり、解答例や配点は含まれません。自己採点で完成度を判断しにくい以上、年度別ページを並べて出題形式・分量の変化を比較したうえで、志望する専攻分野の研究室に相談するなど、外部からのフィードバックを取り入れる方法が現実的です。
過去問の閲覧方法や特別科目の出題内容について不明な点がある場合の問い合わせ先は、文学部・文学研究科大学院教務係(〒980-8576 仙台市青葉区川内27番1号、Tel:022-795-6005、Mail:art-in@grp.tohoku.ac.jp)です。特別科目の過去問は個別に問い合わせる必要があるため、志望専攻分野が該当6分野に含まれる場合は、早めに連絡しておくと準備の見通しを立てやすくなります。夏期試験で不合格だった場合に、同じ専攻分野の過去問を使って冬期試験に向けた対策を続けることも考えられますが、専門科目や特別科目の出題範囲が年度によって変わる可能性があるため、直近の過去問と募集要項の記載を必ず突き合わせてください。
過去問は博士課程前期(修士課程)だけでなく、博士後期課程についても公開されています。2025年度冬期試験の博士後期課程一般選抜では20の専攻・分野が過去問の対象でした。修士課程からの内部進学だけを考えていない場合でも、博士後期課程まで見据えて研究テーマを検討しているのであれば、後期課程の過去問にも目を通しておくと、専攻分野全体で求められる専門性の水準感をつかみやすくなります。
面接試験(口述試験)は全専攻分野で実施されますが、内容そのものは公開されていません。小論文で示した研究計画と、志望する専攻分野・教員の研究テーマとの接続が、面接での質疑の中心になると考えられます。教員一覧に掲載されている現在の研究テーマと、自分が小論文で書いた研究計画に矛盾がないかを、出願前に見直しておくことをおすすめします。過去に卒業論文を執筆している場合は、卒業論文の内容と入学後の研究計画がどうつながるのかも、口頭で説明できるように整理しておくと安心です。
併願・内部リンク
文学研究科の募集要項には、専攻分野をまたいだ併願の可否や、夏期試験と冬期試験を同一年度内に併願できるかについての明記はありませんでした。併願を検討する場合は、文学部・文学研究科大学院教務係へ個別に確認することをおすすめします。夏期試験に不合格だった場合、同じ専攻分野で冬期試験に再挑戦できるかどうかも、冬期試験用の募集要項(2026年10月発表予定)で確認する必要がある項目です。
東北大学には文学研究科のほか、教育学研究科・国際文化研究科・経済学研究科など、複数の人文社会科学系研究科が設置されています。研究テーマによってはこれらの研究科の専攻の方が近いケースもあるため、志望テーマを固める段階で他研究科の教育研究内容もあわせて確認しておくと、進学先の選択肢を狭めずに検討できます。
東北大学は文学研究科以外にも複数の大学院研究科を設置しており、他研究科や他大学の人文系研究科とあわせて併願を検討するケースもあります。東北大学大学院入試を徹底解説では、文学研究科を含む東北大学大学院全体の入試の枠組みを整理しているため、他研究科の出願資格や試験日程と比較したい場合の参考になります。研究室への事前連絡や訪問のメール文面をどう書けばよいか迷う場合は、研究室訪問のメール例文集もあわせて確認しておくと、大学院教務係や研究室への問い合わせをスムーズに進めやすくなります。
他大学の文学系・人文系研究科と併願する場合は、出願期間・試験日が重複しないかを早い段階で確認することが欠かせません。文学研究科の夏期試験は8月2日・3日、出願期間は6月22日〜26日に集中しているため、併願先の日程がこの前後に重なっていないかをカレンダーに落とし込んで確認してください。研究科間・大学間の難易度の相対感をつかみたい場合は、大学院入試の難易度ランキングで大学・研究科別の傾向を確認したうえで、志望順位を検討する方法もあります。
専攻分野ごとに試験科目・小論文の分量・外国語の選択言語が大きく異なるため、複数の専攻分野を比較検討したい場合は、志望分野を1つに絞り込む前に、本記事の試験科目の章と小論文の一覧表を見比べておくことをおすすめします。研究テーマが複数の専攻分野にまたがる場合は、どちらの専攻分野の教育研究内容により近いかを、小論文の段階で整理し、教員一覧の研究テーマと照らし合わせて志望分野を決めることになります。
出願にあたっては、提出後の書類の返還には応じられず、出願書類等に不備がある場合は受け付けられません。受付後の出願取下げや記載内容の変更もできないため、複数の専攻分野や研究科を併願する場合も、出願前に入学願書の記載内容を入念に確認しておく必要があります。試験当日に、学校保健安全法施行規則で出席停止が定められている感染症にかかり治癒していない場合は受験が認められず、この理由による追試験も行われません。
出願書類に記載された個人情報は、個人情報の保護に関する法律や東北大学の関係規程にもとづいて取り扱われ、入学者の選抜・入学手続き・修学指導等の目的に利用されます。入試・教務関係の業務の一部は外部の業務委託先が行う場合がある旨も要項に明記されているため、提出した書類がどのように扱われるかをあらかじめ把握しておくと安心です。
試験場は東北大学文学部・文学研究科(仙台市青葉区川内27番1号)で、地下鉄東西線川内駅からアクセスできます。研究室訪問や大学院説明会に合わせてキャンパスを訪れる際は、募集要項に掲載されている施設配置図で文学部・文学研究科棟の位置を事前に確認しておくと、当日の移動がスムーズになります。
専門的な対策を個別に組み立てたい場合は、大学院入試対策コースで、現在の学習状況と志望専攻分野に合わせた対策を相談することができます。院試対策全体の流れを俯瞰したい場合は、大学院入試対策の完全ガイドもあわせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
東北大学大学院文学研究科は、東北大学文学部以外の出身でも受験できますか。
はい、一般選抜という区分で、東北大学文学部以外の大学出身者を対象とした入試が実施されています。出願資格は学校教育法にもとづく複数のパターンのいずれかに該当することが条件で、大学を卒業(見込み)していない場合でも、個別の入学資格審査により出願できるケースがあります。
TOEICなどの外部英語試験のスコア提出は必要ですか。
確認した2027年度夏期試験の募集要項には、TOEICやTOEFLなど外部の英語資格・検定試験のスコア提出を求める記載はありませんでした。外国語の能力は、専攻分野ごとに指定される言語による学内の筆記試験(外国語試験)で判定されます。
研究計画書は提出する必要がありますか。
「研究計画書」という単独の様式はなく、小論文が研究計画書に相当する提出書類として位置づけられています(社会人特別選抜はA4版6,000字程度の入学志願理由書が小論文に代わります)。多くの専攻分野で「これまでの研究経過と今後の研究計画」がテーマに指定されており、志望専攻分野に関する卒業論文を執筆済みの場合は、宗教学・死生学実践宗教学を除き、小論文の代わりに卒業論文を提出できます。
過去問はどこで確認できますか。
研究科ウェブサイトで、専門科目及び外国語試験について過去3年分が随時公開されています。特別科目の過去問はウェブサイトでは公開されておらず、当該専攻分野に直接照会する必要があります。
出願前に、研究室へ問い合わせる必要はありますか。
募集要項の巻末に全専攻分野の研究室ウェブサイトが一覧で掲載されており、各研究室は志願者からの事前の問い合わせを受け付けています。ただし事前の研究室訪問や面談が出願の条件として明記されているわけではないため、実施の可否や連絡方法は志望する専攻分野・教員に個別に確認してください。
一般選抜と社会人特別選抜では、出願条件や評価の仕方が違いますか。
本記事で確認した募集要項は一般選抜(夏期試験)のものです。社会人特別選抜は、大学院入学時までに通算2年以上の社会経験を出願資格に加えるほか、学力試験は8月3日の1日のみで専門科目と専門語学・資料読解等を一体の筆記試験として実施し、小論文の代わりにA4版6,000字程度の入学志願理由書と在職証明書を提出する点が一般選抜と異なります。アドミッション・ポリシーには、社会人特別選抜では外国語の文章を読み解く能力ではなく古文や史料等を読み解く能力を評価する専攻分野もあるという記載もあり、それまでの研究成果(論文等)を面接試験の基礎資料として選抜に生かす方針も示されています。社会人としての出願を検討する場合は、検定料の振込依頼人名が「LMA」から「LMB」に変わる点なども含め、社会人特別選抜用の募集要項を別途確認してください。
倍率はどのくらいですか。
専攻分野別の倍率は公表されていません。研究科全体の参考値として、東北大学の公式統計では2025年度の博士課程前期は入学定員89名に対し志願者178名・入学者72名(志願者÷入学者は約2.5倍)、博士課程後期は入学定員38名に対し志願者66名・入学者50名(約1.3倍)でした。この比率は合格者数ベースの実質倍率とは異なる点に注意してください。最新の数値は文学部・文学研究科大学院教務係への問い合わせで確認してください。
冬期試験はいつ実施されますか。
冬期試験は2027年2月に実施される予定ですが、冬期試験用の学生募集要項は2026年10月に発表予定で、本記事執筆時点では確定した募集要項が公開されていません。願書受付・学力検査・合格発表の詳細な日程は、2026年10月発表の冬期募集要項で確認してください。
まとめ
東北大学大学院文学研究科の外部院試は、日本学専攻・広域文化学専攻・総合人間学専攻の3専攻29専攻分野それぞれで、外国語試験の選択言語・特別科目の有無・小論文の分量が異なります。特に、外部英語試験のスコア提出を求めず学内の外国語試験で語学力を判定する点、小論文が研究計画書を兼ねる点、宗教学・死生学実践宗教学のみ小論文の卒業論文代替を認めない点、社会人特別選抜は小論文の代わりに入学志願理由書と2年以上の社会経験を求める点は、他の専攻分野・選抜区分と混同しやすい固有のルールです。
倍率や志願者数のように要項に掲載されていない情報については、大学ポートレートの入学者数の推移など公表されている範囲にとどめ、公表されていない数値を推測で埋めないことが、出願準備の精度を高めます。募集要項は年度ごとに更新されるため、本記事で示した2027年度夏期試験の内容も、出願時には必ず最新版で再確認したうえで、専攻分野ごとの試験科目と小論文の準備を進めてください。
出願資格・試験科目・提出書類の組み合わせを専攻分野ごとに正しく把握できたら、次に取り組むべきは小論文の中身と面接試験での説明の一貫性です。29専攻分野のうち、小論文の分量だけでも2,000字程度から12,000字程度まで、外国語試験の選択言語も単一言語指定から英独仏中日5言語選択までと差が大きいため、本記事の試験科目の章と小論文の一覧表、教員一覧の研究テーマを必ず突き合わせておくことが、志望専攻分野を決めた後に慌てて確認し直す事態を避ける最短ルートです。
出願書類の準備には、証明書の発行依頼や小論文の執筆など、着手から完了まで時間のかかる工程が複数含まれます。出願期間は6月22日から26日までの5日間と短く設定されているため、志望専攻分野を決めた時点から逆算してスケジュールを組み、不明点は早めに文学部・文学研究科大学院教務係へ問い合わせておくことをおすすめします。
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